JP2005318052A - ブランチメトリック演算方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号に加算された雑音がガウス特性を示すものとしてメトリックを算出した場合に、周波数選択性の雑音信号が加算された信号が入力されると、信号の含む情報の信頼性値を誤って算出する。
【解決手段】受信信号の尤度を算出する際に、受信信号に含まれる周波数選択性妨害信号のレベルを検知し、妨害信号量に応じてスライサ出力の上限値と下限値を設定する。さらに、受信信号の尤度に対して、信号レベルや妨害信号量に応じた重み付けを行ったものをメトリックとして、ビタビ複号器に入力する
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル多値変調方式により変復調がなされたデータ信号系列に対する誤り訂正技術に関し、特に畳み込み符号を復号するビタビ復号アルゴリズムに用いるブランチメトリックの算出方法に関するものである。
現在、放送のデジタル化が進められている。デジタル放送では、伝送信号の受信誤りを訂正する目的で、畳み込み符号化方式が用いられることが多い。
例えば、日本や欧州において、地上デジタルテレビジョン放送方式として直交周波数分割多重(以下、OFDMと記す)伝送方式が採用されている。送信データはMPEG2情報符号化方式基づいた情報源符号化が行われている。そして、MPEG2で規定されたトランスポートストリーム(以下、TSと記す)に対して、畳み込み符号化処理とリードソロモン符号化処理が施されている。
上記のデジタル信号を受信する際には、畳み込み符号処理された信号を畳み込み復号し、さらに畳み込み復号された信号に対しリードソロモン復号処理を行う必要がある。畳み込み復号処理では、ビタビ復号方法による復号が用いられることが多い。なお、日本の地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式の詳細は、例えば、(非特許文献1)に記載されている。
ところで、ビタビ復号アルゴリズムにおいては、軟判定と呼ばれる判定方式を行うことにより誤り訂正能力が向上することが明らかになっている。軟判定処理には、多値(アナログ値)の受信信号の信頼性情報を用いることが提案されている。(例えば、特許文献1を参照)。
QAM等の多値変調方式をキャリア変調方式として採用した信号の信頼性情報としては、受信信号点と送信信号点より算出されるユークリッド距離や、ユークリッド距離の二乗値が用いられることが多い。例えば、(非特許文献2)には、受信信号がガウス伝送路を通ってきた場合に、送信信号のビットが“1”または“0”である尤度確率を求め、尤度判定には、ユークリッド距離の2乗値を用いることが言及されている。そして、ビタビ復号の原理として、ユークリッド距離の対数尤度比が用いられることが示されている。
また、例えば、(特許文献2)には、送信信号が“1”である信号点のうちユークリッド距離二乗値が最小のものと、送信信号が“0”である信号点のうちユークリッド距離の二乗値が最小のものとの差分をメトリックとする方法が紹介されている。
さらに、(特許文献3)には、地上デジタルテレビジョン放送方式に対して、受信信号が受けている妨害信号量やマルチパス干渉による信号レベルの落ち込みをサブキャリア毎に検出し、検出した妨害信号量や信号レベルの落ち込み量に応じてユークリッド距離に基づくメトリックを重み付けすることにより、誤り訂正能力を向上させる方法が示されている。
また、(特許文献4)にも、マルチパスフェージング環境下でマルチキャリア変調信号を受信する場合に、信号点から求めた尤度と受信レベル信号とを乗じたものをメトリックとする方法について記載されている。
社団法人電波産業会標準規格「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、ARIB STD−B31 1.0版、平成13年5月31日策定 今井秀樹著 「符号理論」電子情報通信学会編(2.4.3章及び12.1章) 特開平2−288512号公報 特開2002−271211号公報 特開平10−52166号公報 特開2000−24442号公報
上述のように、デジタル信号の送受信において、デジタル信号の伝送特性を向上させる目的でビタビ復号アルゴリズムの使用が想定されている。さらに、受信側において、ビタビアルゴリズムの適用時に、軟判定と呼ばれる多値の信頼性情報を用いて受信性能を改善されている。
地上デジタルテレビジョン放送などのデジタル伝送信号において、軟判定に使用するメトリックとして、放送波がガウス伝搬路を通ってきたという仮定に基づき、ユークリッド距離が用いられる。特に、OFDM伝送信号では、マルチキャリア伝送のため各キャリアの信号レベルに応じた重み付け量を信号点から求めた信頼性情報に乗ずることが有効とされている。これは、メトリック値を、ガウス分布の確率密度関数から導出するためである。
以下、QPSK変調方式により変調された信号の場合を例として、メトリックの算出方法の概略を説明する。図4に、QPSK変調された信号のマッピング点(送信点)4点(A〜D)を黒丸で、受信信号点を×印で示す。マッピング点Aは2ビット情報“00”を、マッピング点Bは2ビット情報“01”を、マッピング点Cは2ビット情報“10”を、マッピング点Dは2ビット情報“11”を表現する。符号間の距離は、簡単のため2とする。
送信される情報2ビットをそれぞれ、b0、b1とすると、b0は受信信号の実部、b1は受信信号の虚部により表現される。また、受信信号点の実部とマッピング点AおよびBの実部+1の距離をd0、受信信号点の実部とマッピング点CおよびDの実部−1の距離をd1とする。
そして、A〜Dのうちある1点にマッピングされ送信された信号が、受信側で×印の受信点となった理由が、ガウス性ノイズが送信信号に加算されたことが原因と仮定すると、b0に“0”の情報を持つ信号(図4のAまたはB)を送信した場合に、受信点が×印の点となる確率は(数1)で表すことができる。一方、b0に“1”の情報を持つ信号(図4のCまたはD)を送信した場合に、受信点が×印の点となる確率は、(数2)で表すことができる。
Figure 2005318052
Figure 2005318052
(数1)、(数2)は、ガウス分布の確率密度関数から定義され、σの2乗値が雑音の分散を示す。
そして、メトリックとして用いる対数尤度比は、(数1)と(数2)の対数を求めた後、差分を算出することで求めることができる。いま、対数尤度比をλとすると、(数3)で与えられる。
Figure 2005318052
なお、(数1)、(数2)および(数3)では、QPSK変調された信号を基に説明したが、16QAMや64QAMといった多値変調方式でも、同様の手順にてメトリックを算出することができる。ただし、振幅の異なる送信点があるため、受信点に最も近い送信点との距離(実数部または虚数部の差)を受信点位置により場合分けして算出する必要がある。
さらに、OFDM伝送信号などのマルチキャリア伝送信号において、OFDMキャリア毎に信号レベルが時間方向または周波数方向で変化するような場合には、(数3)におけるσを時間もしくは周波数に依存する関数σ(n、ω)として扱えば良い。いま雑音信号はガウス分布に従うと仮定しているため、σの二乗値は、各OFDMキャリアのパワーとの相対比から算出可能である。
以上より、伝送信号にガウス特性に従う雑音が加算されたと仮定する場合には、ユークリッド距離の二乗値の差を、各OFDMキャリアの信号レベルにより重み付けした値をメトリックとして用いることが最適であることが分かる。
しかしながら、OFDM信号の受信環境を想定した場合には、必ずしも、受信性能の劣化要因がガウス特性を持つ雑音信号ばかりとは限らない。例えば、OFDM伝送信号に、アナログテレビジョン放送波のような周波数選択性を持つ信号が同じ帯域に重なった場合には、想定している雑音信号の特性が異なるため、信号の受信特性が劣化する。
OFDM伝送信号に、周波数選択性の妨害信号が加算された場合の問題点について図5乃至図8を用いて説明する。例えば、図5(a)に示すOFDM信号に、図5(b)に示す周波数選択性妨害信号(周波数ωN)が加算された場合を考える。図5(a)の妨害信号は、16QAM変調で変調されているとする。
まず、図5(a)のOFDM信号が周波数選択性妨害を受けなかった場合を考える。図6は、周波数ωNのキャリアの信号を受信して得られる受信信号点と送信点の関係を示す図である。16QAM変調信号の持つ4ビットの情報のうち、信号の実部が正の数であれば“0”、負の数であれば“1”という規則によりマッピングされるビットを着目する(以下b0と呼ぶ)。先に説明したように、いま着目しているb0のメトリックは、ユークリッド距離d0およびd1を用いて算出される。16QAM変調信号の最小の符号間距離を2とした場合の“ユークリッド距離d0およびd1の2乗値の差分”を図7に示す。図7に示すように、“ユークリッド距離d0およびd1の2乗値の差分”は、受信信号点が+2および−2を境界として、傾きの異なる1次関数で算出される。そして、受信信号点が原点から離れるほど大きな値となる。
次に、図5(a)のOFDM伝送信号に、図5(b)の周波数ωNの周波数選択性妨害信号が加算された場合を考える。この場合の、送信点と受信信号点の関係を図8に示す。受信信号点は、妨害信号ベクトルと16QAM変調された信号のベクトルを合成したものとなる。このため、図8に例示した信号の“ユークリッド距離d0とd1の2乗値の差分”は、信号点がより原点よりいっそう離れるため、本来の値よりも大きな値を持つこととなる。妨害信号とOFDM伝送信号の位相関係は、常に同相方向では無いため、常に“ユークリッド距離d0とd1の2乗値の差分”が大きくなることは無いが、妨害を受けた信号に対して、必要以上に信頼性が高いと判定してしまう問題がある。特にb0のようなマッピング規則に基づくビットについては、受信信号点が原点から離れるほど“ユークリッド距離d0とd1の2乗値の差分”が大きく、またOFDMキャリアの信号レベルも高いと判定されるため、重み付け量も大きな値を取る。このため、(数3)による演算の結果、対数尤度比λが大きな値を持つこととなる。
また、OFDM伝送信号においては、各OFDMキャリア毎に妨害信号により受けた妨害量を算出し、ユークリッド距離d0とd1の2乗値の差分から得られた値に重み付けすることにより、周波数選択性妨害を受けた信号の対数尤度比λが大きな値を持つことを防止できる。しかしながら、周波数選択性を持つ妨害信号の特性が時間変動を伴う場合などには、検出誤差の発生も予想されるため、周波数選択性を持つ妨害信号量をOFDMシンボル毎に正確に算出することは困難である。
これらの課題を解決するために、本発明のブランチメトリック演算方法は、受信信号に加算された周波数選択性妨害信号量を検出し、妨害信号量に応じてユークリッド距離を基に算出されるメトリック値の上限及び下限値を変更する。そして、受信信号に含まれる雑音レベルに応じた重み付け量をメトリック値に乗じた値をビタビ複合器に出力する。
上記の方法により、多値QAM変調方式により送信された信号にガウス特性を持つ雑音信号が加算された信号を受信する場合には、雑音がガウス特性を持つという性質に基づいてメトリック値を算出する一方、ガウス特性と異なる周波数選択性の妨害信号が加算されている場合には、メトリック値に上限値を与えることで、メトリック値が大きな値を取ることで誤った信頼性情報をビタビ復号器に通知してしまい、本来、信頼性を低く通知すべき情報に対して信頼性が高いと通知した結果誤り訂正能力が低下し、受信性能が低下することを防止できる。
本発明の実施の形態に係るブランチメトリック演算方法を図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明のブランチメトリック演算方法を具現化する装置構成の一例を説明する。図1は、本発明の実施の一例の構成を示すブロック図である。図1において、101は信号レベル算出手段、102は妨害信号検出手段、103は除算手段、104はスライサ手段、105はクリップ手段、106は重み付け量算出手段、107は重み付け手段、108はビタビ復号手段である。
以下、例として受信信号はOFDM伝送信号のようにマルチキャリアにより伝送されている場合について説明する。
信号レベル算出手段101は、受信信号の伝送路特性の情報を入手する。また、受信信号がOFDM伝送信号のようにマルチキャリアにより伝送されている場合には、各OFDMキャリアの伝送路特性の情報を入手し、キャリア毎に信号レベルを算出する。OFDM伝送信号の場合、周波数および時間方向に離散的にパイロット信号が配置されることが一般的であり、パイロット信号が割り当てられたキャリアの伝送路特性を推定できる。さらにパイロット信号から算出した離散的な伝送路特性を、時間方向および周波数方向に補間処理を行うことにより、全てのOFDMキャリアの伝送路特性の推定値を得ることができる。また、受信信号がチューナー手段等により増幅されている場合には、雑音成分も含めて増幅される。このため、チューナー入力レベル等の情報を入手することで、受信信号帯域全体に含まれる白色雑音成分の量を検知することができる。なお、信号レベル情報として出力する情報量を抑える必要がある場合には、信号レベル情報を対数変換した後、離散値として情報ビットの削減を行うなどの工夫が必要となる。
妨害信号検出手段102は、伝送路特性の情報を入手し、伝送路特性の情報をもとに妨害信号の有無または妨害信号レベルを検出する。妨害信号の検出は、例えば、図2に示すようにOFDMキャリアの平均パワーを算出し、平均パワーが突出したOFDMキャリアが存在する場合に、周波数選択性妨害信号が受信信号帯域内に存在すると判定する。
また、実環境においては、強いマルチパス干渉を受け、各OFDMキャリアの伝送路特性が大きく変化する場合も想定される。この場合には、妨害信号検出手段102において、得られた伝送路特性の情報に対してIFFT演算を行い、遅延プロファイルを算出することで、干渉波の存在を検知することができる。パワーが突出したOFDMキャリアの伝送路特性が強いマルチパス干渉により生じたか、周波数選択性妨害信号により生じたかを判別することも可能である。さらに、全OFDMキャリアの平均パワーと、各OFDMキャリアの平均パワーの差を算出し、これを周波数選択性妨害のレベル情報としてもよい。また、周波数選択性を持つと同時に信号レベル変動が大きな妨害信号の影響を受けた場合には、OFDMキャリアのパワーの時間変動量が大きくなる。このため、伝送路特性の時間変動量の大きさから周波数選択性妨害信号レベルを検出することも可能である。妨害信号レベル情報についても、前記信号レベル算出手段101と同様に、出力する信号の情報量を抑える必要がある場合には、妨害レベル情報を対数変換した後、離散値として情報ビットの削減を行うなどの工夫が必要となる。
除算手段103は、受信信号の複素情報と、各受信信号が含まれるOFDMキャリアの伝送路特性の複素情報を入手する。そして、受信信号を伝送路特性の情報で除算することで、受信信号のマッピング点(複素の情報)を求める。
スライサ手段104は、前記除算手段103から受信信号のマッピング点に関する情報を入手する。マッピング点の情報は、複素数である。そして、送受信信号に対して行われたキャリア変調方式に応じたマッピング規則に基づき、受信信号の持つ情報の尤度(“0らしさ”および“1らしさ”)を、受信信号に付与された情報ビットそれぞれについて算出する。
尤度の算出方法を、まずキャリア変調方式がQPSK変調の場合を例として説明する。QPSK変調方式では、受信信号は2ビットの情報を持つ。ここでは、ユークリッド距離と呼ばれる受信信号点の実部とマッピング点の実部との間の距離より受信信号に付与された情報の尤度を算出するものとする。QPSK変調信号では、マッピング点4点であり、送信する情報に応じて実部・虚部それぞれ+1または−1となる。実部に付与された情報に対するユークリッド距離は図4のd0およびd1となる。本例では、ユークリッド距離d0の2乗値とユークリッド距離d1の2乗値の差から尤度を求めるとする。このとき、受信信号点の実部をxとすると、受信信号の実部により表現される情報の尤度は、図4のようなマッピング点が±1(符号間距離が2)とすると、(数4)により与えられる。
Figure 2005318052
そして、(数4)の計算結果が正の数であれば、0らしさが高く、負の数であれば1らしさが高いことを示す。また、受信信号の虚部により表現される情報の尤度も(数4)と同一式により算出される。
また、キャリア変調方式が16QAM変調の場合には、受信信号の実部または虚部の振幅情報も用いているため、受信信号点の位置によりスライサ回路の算出式が異なる。図3のような最小符号間が2となるようなマッピング規則に従う16QAM信号に対して、ユークリッド距離の2乗値の差より尤度を求める。16QAM変調信号に割り当てられた4ビットの情報をb0,b1,b2,b3とし、各マッピング点が示すビット情報をマッピング点の右上に示した。例えば、b0に対する尤度は、(数5)により与えられる。
Figure 2005318052
b1についても、実部と虚部を入れ替えることで(数5)により尤度が算出できる。次に、b2に対する尤度を示す。b2のマッピング規則は、b2が0であれば実部が±1、b2が1であれば±3となる。このためb2の尤度は(数6)で与えられる。
Figure 2005318052
b3についても、実部と虚部を入れ替えることで(数6)により尤度が算出できる。
さらに64QAM、256QAM等、より多い情報を付与するような変調方式の場合においても、同様の方法で各情報ビットの尤度を算出できる。
なお、本実施の形態においては、尤度としてユークリッド距離の2乗値の差分を用いる場合について説明したが、ユークリッド距離の差分等他の方法により尤度を算出してもよい。ただし、従来の技術において説明したように、ガウス特性を持つ雑音信号が加算された信号を想定した場合には、ユークリッド距離の2乗値の差分を用いることが一般的である。また、通常、多値変調方式のマッピング規則は、受信信号の実部と虚部でそれぞれ同一である。このため、複素数として入手される受信信号点の情報を、実部と虚部と分離することで、尤度計算回路を共通とすることが可能である。
次に、クリップ手段105は、前記妨害信号検出手段102より受信信号に含まれる周波数選択性妨害信号の有無もしくは受信信号に含まれる周波数選択性妨害信号のレベル情報を入手する。そして、前記スライサ手段104にて算出した尤度を、ある上限値と下限値の間の値へと制限する。上限値と下限値としたのは、先の説明で“0らしさ”と“1らしさ”を符号により判別するようにしたためである。上限値および下限値は、前記妨害信号検出手段102から妨害の有無が通知される場合には、あらかじめ設定した値とする。例えば、前記スライサ出力手段104の出力が(数4)で与えられるQPSK信号の場合には、上限値を+4、下限値を−4とすることが考えられる。
また、前記妨害信号検出手段102から受信信号に含まれる周波数選択性妨害信号のレベル情報が通知される場合には、妨害レベルに応じて上限値および下限値を設定してもよい。妨害レベル情報より妨害が無いと判断される場合には、上限値および下限値を設定せず入力値をそのまま出力する。または、十分大きな値を上限値に、十分小さな値を下限値とする。
一方、前記スライサ手段104より得られた情報により周波数選択性妨害信号が存在すると判断される場合には、上限値および下限値を設定する。そして、上限値および下限値は、妨害信号のレベル情報に応じて上限値を小さく、下限値を大きくする。これにより、周波数選択性妨害信号が存在する場合に、尤度の範囲を狭くすることができる。
なお、受信信号のキャリア変調方式が多値変調方式の場合には、信号に与えられた情報ビットの個数分若しくは半分の尤度が前記スライサ手段104から出力される。重み付け手段107では、情報ビット毎に尤度の上限値及び下限値を設定しても良いし、全ての情報ビットの尤度に一定の値を設定してもよい。
重み付け量算出手段106は、前記信号レベル算出手段101から信号レベル情報を入手し、前記妨害信号検出手段102から妨害信号レベル情報を入手する。そして、前記信号レベル算出手段101から入手した信号レベル情報と、前記妨害信号検出手段102から入手した妨害信号レベル情報を用いて重み付け量を算出する。周波数選択性の妨害信号が無い場合には、前記信号レベル算出手段101から得られる情報をもとに重み付け量を決定する。ガウス分布に従う雑音信号が加算されている場合には、重み付け量は、キャリア毎に加算された雑音のパワーの逆数とすることが最適とされている((数3)により示した)。ガウス分布に従う雑音は、帯域で一定の信号レベルを持つと仮定しているため、キャリア毎の雑音のパワーの逆数は、各キャリアのパワーと見なしてよい。このため、周波数選択性の妨害信号が無い場合には、重み付け量は、各キャリアのパワーに比例した値とする。一方、周波数選択性妨害信号が存在する場合には、前記信号レベル算出手段101より求めた重みに対し、重み量の補正を行う。ここでは、妨害信号の存在するキャリアの信頼性が低くなるため、重みをより低く補正する。また、各キャリアそれぞれについて付加されている妨害信号のレベル情報が入手できる場合には、重み付け量を(数7)のように算出してもよい。
Figure 2005318052
ここでαは、キャリアパワー情報と妨害信号レベル情報の関係を補正するための定数である。また、妨害信号の検出において、一定レベル以下の妨害信号レベルについては、考慮しないような構成とすることも考えられる。
また、周波数選択性妨害信号のレベル情報により求めた重み量と、キャリアパワーの情報による重み量をそれぞれ算出し、前記2種類の重み量を比較し、より小さい値を尤度に乗ずる重み量とすることも可能である。
また、前記信号レベル算出手段101と前記妨害信号検出手段102から入手する情報が対数変換を行った後に離散値に変換した場合には、対数変換を施す前の値に戻すことが望ましい。
重み付け手段107は、前記重み付け量算出手段106と前記クリップ手段105から信号を入手する。前記クリップ手段105から得られる信号の尤度情報に対し、前記重み付け量算出手段106より求めた重み量を乗算し出力する。信号の情報ビットが複数の場合には、情報ビットの個数分に応じて入手される尤度の情報に対し重み付けを行う。重み付け手段で算出された値は、ブランチメトリックとなる。
ビタビ復号手段108は、重み付け手段から得られたブランチメトリック値を利用し、ビタビ復号を行う。ビタビ復号手段からは、最尤復号された信号系列が出力される。
本発明のブランチメトリック演算方法は、ガウス特性を持つ雑音信号が加算された信号に対する理想的なブランチメトリック値を算出する一方で、周波数選択性の妨害信号が加算された場合には、受信信号点とマッピング点の関係から求まる尤度の値に対して上限値と下限値を設定した上で、信号レベルや妨害信号レベルに応じた重み付けを行う。この結果、周波数選択性妨害信号の影響を受けたキャリアの尤度が非常に大きな値となる場合があり、尤度に対する重み付け演算を施しても、尤度が大きな値を持つことを防止できる。特に、妨害信号量を検出し、尤度の上限値および下限値を可変とすることにより、ガウス性雑音の加算された場合の受信性能と、周波数選択性妨害が加算された場合の受信性能とを共に改善することが可能となる。
本発明の実施の形態1のブランチメトリック演算方法の構成を示すブロック図 周波数選択性妨害を受けたOFDM伝送信号のイメージ図 16QAM変調信号のマッピング規則を示す図 QPSK変調された信号の送受信点の関係を示す図 OFDM伝送信号と周波数選択性妨害信号の関係を示すイメージ図 16QAM変調信号の受信点のイメージ図(周波数選択性妨害が無い場合) 6QAM変調信号のユークリッド距離の2乗値の差分の量を示す図 16QAM変調信号の受信点のイメージ図(周波数選択性妨害がある場合)
符号の説明
101 信号レベル算出手段
102 妨害信号検出手段
103 除算手段
104 スライサ手段
105 クリップ手段
106 重み付け量算出手段
107 重み付け手段
108 ビタビ復号手段

Claims (8)

  1. デジタル多値変調方式により変調された信号の持つ情報ビットの尤度を算出する際に、受信信号帯域内に妨害信号の存在を検知した場合には、前記尤度の上限値を設定することを特徴としたブランチメトリック演算方法。
  2. 尤度の上限値は、受信信号帯域内に含まれる妨害信号量に応じて設定することを特徴とする請求項1記載のブランチメトリック演算方法。
  3. 尤度は、信号のマッピング点と受信点との距離をもとに算出されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のブランチメトリック演算方法。
  4. 信号が複数の情報ビットを持つ場合に、情報ビットの尤度の上限値を、情報ビット毎に個別に設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のブランチメトリック演算方法。
  5. デジタル多値変調方式により変調された信号の持つ情報ビットの尤度を算出する際に、受信信号帯域内に妨害信号の存在を検知した場合には、前記尤度の上限値を設定し、前記上限値が設定された前記尤度に対して情報ビットが含まれるキャリアの信号レベルと前記キャリアに付加される妨害信号に応じた重み付け量を乗ずることを特徴とするブランチメトリック演算方法。
  6. 信号の持つ情報ビットの尤度の上限値は、受信信号帯域内に含まれる妨害信号量に応じて設定することを特徴とする請求項5記載のブランチメトリック演算方法。
  7. 信号が複数の情報ビットを持つ場合に、情報ビットの尤度の上限値を、情報ビット毎に個別に設定することを特徴とする請求項5または請求項6記載のブランチメトリック演算方法。
  8. 周波数選択性妨害信号に関する情報と、信号の含まれるキャリアのパワーに関する情報をもとに、信号のマッピング点と受信点との距離より算出された尤度に重み付けをすることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のブランチメトリック演算方法。
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