JP2005317348A - 表示装置及び信号灯 - Google Patents

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Keisuke Ono
桂輔 小野
Kozo Ogawa
光三 小川
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Abstract

【課題】 面状光源として視認性の優れた表示装置及び信号灯を提供する。
【解決手段】 半導体発光素子11を複数配置して面状光源となした発光部材13と、発光部材の半導体発光素子を覆うともに周辺部に位置する前記半導体発光素子に対向して半導体発光素子からの光を所定方向に制御する光路制御手段14eを設けた透光性のカバー部材14とを具備する構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、道路、鉄道などの交通用の信号機等に使用される表示装置及び信号灯に関する。
従来のこの種の表示装置及び信号灯は、その光源としてフィラメントを有する白熱電球が使用されているが、交通信号等の信号表示機能の重要性から電球の寿命管理を厳重に行い、頻繁に電球の交換を行っている。
近年主に、このメンテナンス及び省電力の面から、フィラメント電球に代わって、寿命が長く、また消費電力の少ない半導体発光素子である発光ダーオードがこの種の表示装置及び信号灯に採用されるようになってきている。
発光ダイオードを使用した表示装置及び信号灯は、下記の特許文献1及び2に示されるように、所定の色で発光する発光ダイオードを複数個用いて、基板上に縦横または同心円状に密に配置して、円盤形をなす面状光源を構成し、この面状光源の発光面に透明なカバーを重ねて本体ケース内に収納し、本体ケース前面の開口部から所定の色の光線を投光して信号を表示するように構成している。
また投光する光線は、その用途、例えば鉄道用の信号機として使用する場合には、各種のレンズを使用して発光ダイオードからの光線を一旦集光させ、集光させた光線を平行な光線束にして投光するようにして、相当な遠距離からでも信号が判別・視認できるように構成している(例えば、特許文献1)。
さらに、面状光源の中央領域の発光ダイオードに高輝度のものを用い、より立体的な感覚で表示するにして、警報灯としての視認性能を向上させるようにしている(例えば、特許文献2)。
特開平7−291129号公報 実開昭64−27780号公報
しかしながら、発光ダーオードは狭角配光光源の性能を有し、一般的に光の直進性がよく、この一方向の同一配光角の性能を有する発光ダイオードを使用して面状光源を構成した場合、光軸となる方向からの視認性は良好であるが、光軸と直交する周辺部の光量が不足して面状光源の外周方向全周から見た場合の視認性が問題となる。
例えば、面状光源を垂直にして光軸を水平方向に設置し、光線を水平方向に投光するようにした道路交通用の信号機を構成した場合、距離をおいて水平方向から見た場合には視認性がよく問題は生じないが、歩行者などが信号機に近い場所で鉛直方向である外周下方から見上げるような状況で信号機を見た場合に視認性が悪くなる問題が生じる。
このため、この種の発光ダイオードを使用した面状光源においては、その光軸と直交する面状光源の外周方向から見た場合の視認性を如何に改善するかが重要な課題となっている。
本発明は、上述した従来の問題、課題に鑑みてなされたもので、半導体発光素子から放射される光を所定方向に制御する光路制御手段を設け、面状光源として視認性の優れた表示装置及び信号灯を提供することを目的とする。
請求項1に記載の表示装置の発明は、半導体発光素子を複数配置して面状光源となした発光部材と;発光部材の半導体発光素子を覆うともに周辺部に位置する前記半導体発光素子に対向して半導体発光素子からの光を所定方向に制御する光路制御手段を設けた透光性のカバー部材と;を具備することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、半導体発光素子から放射される光を、面状光源として視認性が悪くなる所定の方向へも向かうように制御することが可能となり、視認性を高めることができる。
ここで、「半導体発光素子」は、例えば、発光ダイオードや半導体レーザなどの半導体発光素子等、フィラメントを有しない半導体よりなる発光素子を用いたものであればよい。
「面状光源となした発光部材」は、上記半導体発光素子を複数個用意し、基板上に縦横または同心状等に密に配置して円盤状、矩形状、多角形状等の所定の面状光源となすことが好ましいが、密に配列する手段、さらには面状の形状は上記に例示したものには限定されない。
光路制御手段による光の制御は、半導体発光素子から放射される光を、面状光源として視認性が悪くなる所定の方向へも向かうように制御し、表示装置全体としての視認性が改善されるようにすればよく、光の方向を変換する手段は、光を屈折しても反射させても、さらには拡散させてもよく、光の変換手段は特に限定されない。
請求項2に記載の表示装置の発明は、発光ダイオードを複数配置して面状光源となした発光部材と;発光部材の発光面を覆うともに周辺部に位置する発光ダイオードに対向して発光ダイオードからの光を外周方向に放射するように制御する光路制御手段を周辺部内側に設けた透光性のカバー部材と;を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、面状光源の周辺部に位置する発光ダーオードに対向して設けられた光路制御手段により、発光ダイオードから放射される光を、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも放射させることが可能となり、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができる。
請求項3に記載の表示装置の発明は、発光ダイオードを複数配置して面状光源となした発光部材と;発光部材の発光面を覆うともに周辺部に位置する発光ダイオードに対向して発光ダイオードからの光を拡散するように制御する光路制御手段を周辺部内側に設けた透光性のカバー部材と;を具備することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、面状光源の周辺部に位置する発光ダーオードに対向して設けられた光路制御手段により、発光ダイオードから放射される光を拡散させることができ、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも放射させることが可能となり、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができる。
請求項4に記載の信号灯の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の表示装置を用いたことを特徴とする。
請求項4の発明によれば、信号灯としての視認性を高めることができる。
請求項1の発明によれば、光路制御手段により半導体発光素子から放射される光を、面状光源として視認性が悪くなる所定の方向へも向かうように制御することが可能となり、光量不足を補って視認性を高めることができ、視認性の優れた表示装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、面状光源の周辺部に位置する発光ダーオードに対向して設けられた光路制御手段により、発光ダイオードから放射される光を、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも放射させることが可能となり、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができ、視認性の優れた表示装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、面状光源の周辺部に位置する発光ダーオードに対向して設けられた光路制御手段により、発光ダイオードから放射される光を拡散させることができ、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも放射させることが可能となり、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができ、視認性の優れた表示装置を提供することができる。
請求項4の発明によれば、視認性の優れた信号灯を提供することができる。
以下、本発明に係る表示装置及び信号灯の第一の実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の第一の実施形態を示し、図1は表示装置の一部を切り欠いて示す正面図、図2は図1のA―A線に沿う縦断面図、図3は表示装置の背面図、図4は要部(図2a部)を拡大して示す縦断面図、図5は第一の実施形態における信号灯を組み込んだ道路交通用の信号機を示す説明図である。
本実施形態の表示装置及び信号灯は、道路交通用の信号機に使用されるもので、10は表示装置本体で、発光ダイオード11(以下「LED」と称す)を基板12に複数個配置して面状光源となした発光部材13と、発光部材の発光面全体を覆う透光性のカバー部材14と、LED11を配置した基板12の裏面を覆い、LEDを点灯制御する制御回路部15を収納するユニットケース16で構成されている。
LED11は、同一色、本実施形態では赤色LEDが複数個用意され、この各LEDは,一方向,すなわちLEDの軸線方向(図2において水平方向)に光線が主として放射されるように配光角が設定された同一の配光角を有する同種性能のもので構成されている。
この複数のLED11は、耐熱性で電気絶縁性の合成樹脂により円盤状に構成された基板12に、各LEDが同心円を描くように密に配置され、密に配置されたLED全体として円盤状の面状光源をなす発光部材13を構成している。
各LED11は、その発光部11aが基板12の表面から突出するようにして支持され、端子部分11bが基板12の板厚内に一体に埋め込まれ、端子リード11cが基板12の裏面から引き出されて、ユニットケース16内に収納された制御回路部15に電気的に配線接続される。
カバー部材14は、円盤状をなす無色で透明な強化ガラス若しくは透明合成樹脂で構成され、前方に略球状に突出する透光部14aと、円盤周辺部内側の内面の外周縁に一体でかつ同心円状に形成されたリング状の3段の段部14b、14c、14dを有している。
中心側に位置する段部14b(図4で上方に位置する段部)には、断面形状がプリズム状をなす略三角形で、三角形の頂点が中心側に向かってリング状をなす突状部14eが全周わたり一体に形成されている。
このリング状の突状部14eは光路制御手段を構成するもので、基板12に配置されたLED11のうち、最外周に位置し、リング状に列をなす複数のLEDに対向して位置させる。
すなわち、各LEDの発光部11aの中心軸線(光線の中心軸線)が、突状部14eの断面三角形の頂点を通過する位置になるように対向して設けられ、図4に矢印で示すように、水平方向に放射される光線の一部、すなわち略水平な中心線より下方に位置する光線を突状部14eの三角をなす一辺から通過させ、プリズム作用により光線を略垂直方向に屈折させて、図4中の下方外方に向けて光線を放射させるようにしている。なお、突状部14eは上記のように段部14bの全周にリング状に存することから、図1における下方を含む外周方向の全周にわたり光線が放射される。
カバー部材14のリング状の段部のうち、外側に位置する段部14dには、複数のLED11を配置した基板12の周縁部が支持されもので、段部14dの内周面にゴム等の弾性体からなるリング状の環体17を嵌合し、環体の開口の内周面に基板12を嵌め込み、さらに環体17と基板12を後面から閉塞するように円盤よりなる後面板18で覆っている。後面板は耐熱性でかつ電気絶縁性を有する合成樹脂若しくはアルミニュームで構成されている。
後面板18には、金属板で略円形の皿状に構成されユニットケース16が、その内部空間に制御回路部15を収納して覆うようにネジ等を用いて取り付けられる。
19は断面が略L字形をなしゴムまたは合成樹脂等の弾性体からなるリング状のパッキングで、そのLの字の内面にカバー部材14の最外周の段部14dの外面が嵌めこまれる。パッキング19の外周面の内方には、その弾性力を高めるためにスリット19aが全周にわたって形成されている。
これにより、基板12に複数のLED11を配置して面状光源となした発光部材13、透光性のカバー部材14及びユニットケース16からなる表示装置本体10と、表示装置本体の外周面に嵌め込まれたパッキング19とで表示装置が構成される。
この表示装置は、単独での表示装置としても使用可能であるが、本実施形態においては、上述の表示装置を3台用意し、それぞれ赤色、黄色、緑色の単一色のLEDを組み込むことにより、発光色の異なる同一構造の3種類の赤色信号灯、黄色信号灯、緑色信号灯が構成される。
20は上述した3種類の信号灯を、図中右から赤色、黄色、緑色の順に横並びに組み込み、道路交通用の信号機を構成するための灯体で、灰色などの所定の色に塗装された金属性横長の直方体をなす箱体よりなり、前面が開放された箱状の灯箱21と、灯箱前面の開放部に設けられた蓋体22とで構成されている。
蓋体22は、上記3種類の信号灯を収納して表示させるための3個の円形の開口部22aを有し、各開口部には円形鍔状をなす筒部22bが設けられ、灯箱21の上面に設けられたヒンジ23により適宜開閉が出来るように取り付けられ、ヒンジ23に対向する位置には止め具(図示せず)が設けられ蓋体22の不用意な開放が防止されるようになっている。
さらに3個の開口部22a内面の外周部分には、等間隔に4個の取付ボス24が設けられ、この取付ボスはそれぞれの開口部に対応して4個、合計で12個設けられている。
25は、3種類の各信号灯を灯体20の蓋体22に支持するための金属製の支持部材で、内面に向かって縮径する段部を有し、底面が円形に開口したリング状をなしており、底面の円形開口の直径は、前記ユニットケース16に嵌合するように、ユニットケースの外径より若干大きく形成され、3種類の各信号灯に対応して3個設けられている。
26は、蓋体22に設けられた4個の取付ボス24に一端がネジで取付られたL字形をなす取付金具で、取付金具26の他端は支持部材25の外周面にボルトナット27で固定され、この取付金具26及びボルトナット27は、それぞれの開口部22aの4個の取付ボス24に対応して4個、合計で12個設けられている。
次に、上記のように構成された3種類の信号灯を灯体に組み込む構成につき説明する。
上記のように構成されたカバー部材14外周縁にパッキング19を嵌めこみ、この状態で蓋体22の開口部22aに対し、カバー部材14の透光部14aの部分を図2中右方から挿入し、パッキング19外周面を蓋体22の開口部22aの内周面に当接させる。
次に、支持部材25底面の開口をユニットケース16の外周に嵌めこみ、さらに表示装置本体10全体を蓋体22に向かって押し込む。これによりパッキング19外周面がスリット19aを含めて圧縮され蓋体22開口部22aの内周面に強く当接される。
この状態で、予め取付ボス24に一端が取付られた取付金具26の他端をボルトナット27により支持部材25の外周面に固定する。
これにより、表示装置本体10がパッキング19を介して灯体20の蓋体22に取り付けられる。この際パッキング19が蓋体22の内周面に強く圧縮された状態で取付けられるため、表示装置本体10は蓋体22に対して水密、気密になった状態で支持されており、雨水などの灯体20内、さらにはカバー部材14内への浸入が防止される。
上記と同様に他の残りの2個の信号灯を灯体に組み込み、所定のポール30に設置して、面状光源をなすLED11の点灯、消灯、点滅等を制御する制御装置31に接続されて道路交通用の信号機を構成する(図5)。
なお、表示装置本体10の修理、点検等を行う場合には、蓋体22の止め具を外し、蓋体22をヒンジ23を中心にして上方に開放し、上述の組立順序と逆に、ボルトナット27を外し、支持部材25をユニットケース16から外せば、表示装置本体10全体がフリーな状態となるので、簡単に蓋体22の開口部22aから取り外すことができる。
上記のように構成された信号機を作動させると、複数のLED11が配置され面状光源をなす発光部材13から、LEDの光軸、すなわち水平方向に所定の色の光線を放射して信号を表示し車の運転者や歩行者が所定の信号を視認することができる。
同時に、図4に示すように最外周に位置するLED11の発光部11aから水平方向に放射される光線のうち、略水平な中心線より下方に位置する光線が突状部14eの三角をなす一辺を通過し、そのプリズム作用により光線を、下方を含む外周方向の全周にわたり放射する。
これにより、面状光源をなす発光部材13の周辺部の光量が増し、信号機に近い歩行者などが、下方や側面、場合によっては上方の方向から信号機を見ても信号機の所定の色を確実に視認することができる。
本実施形態において、複数のLED11は、円盤状に構成された基板12に同心円を描くように密に配置してLED全体として円盤状の面状光源をなす発光部材13を構成するようにしたが、LED11を基板12上に縦横に密に配置して面状光源を構成してもよい。さらに、LED11全体で構成する面状光源の形状は矩形状、多角形状等の面状に構成してもよい。
さらに、歩行者用信号機等に見られるように、人の歩行許可を表示する「人が歩行する人模様」や「○」「◎」「→」印等、人の歩行禁止を表示する「×」などの形状にLED11を配列して、目的に沿った形の面状光源となし、所定の表示をするようにしてもよい。
さらには、LED11自体は、上記のように円盤状、矩形状、多角形状等の面状に配置構成し、点灯制御回路部15により面状に配列された複数のLEDを部分的に点灯させて、「人模様」や「○」「◎」「→」「×」などを描くようにして面状光源となし、所定の表示をするようにしてもよい。
また、光路制御手段として断面形状がプリズム状をなす三角形でリング状をなす突状部14eにより構成したが、反射膜等の反射部材で水平方向の光線を垂直方向に変換するようにしてもよく、これら光路制御手段は、カバー部材14の内面全周わたり一体に形成したが、外面に形成しても、さらには内面、外面の両面にわたり設けてもよい。さらに全周でなく、例えば、下方部分等、目的とする部分のみに設けるようにしてもよい。
さらに、光路制御手段を基板12に配置されたLED11のうち、最外周に位置するLEDの発光部11aに対向するように位置して設けたが、最外周から中心部に向かって2列目、3列目等に位置するLEDに対向させるようにしてもよい。
また、蓋体22の各開口部22aに設けられた円形鍔状をなす筒部22bの内面全周を鏡面加工し、外周方向に向かう光線を反射させて周辺部全体の輝度を高めることにより、外周方向から見た視認性をさらに改善するようにしてもよい。
透光性のカバー部材14を透明なガラスで構成したが、完全な透明体でなく、半透明でも、さらに材質としてはガラスに限らず、透光性を有する合成樹脂で構成してもよい。
また、灯体20の灯箱21、蓋体22、さらに支持部材25、ユニットケース16は金属で構成したが、耐熱性、耐光性等の性能を有する合成樹脂で構成してもよい。
本実施形態の表示装置は、道路交通用信号機の信号灯として構成したが、他の鉄道、船舶、航空機等に使用される信号機用の信号灯として構成してもよく、さらには信号灯以外の、例えば施設における構内の通路標識、案内標識等の表示装置として構成してもよい。
本実施形態によれば、面状光源の周辺部に位置するLEDに対向して設けられた光路制御手段により、LEDから放射される光線を、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも放射させることが可能となり、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができ、視認性の優れた表示装置を提供することができる。
ここで、外周方向から見た場合の視認性を改善するために、配光角を変えた数種類のLEDを配置して配光制御を行う方法、さらには同一配光角のLEDを配置した発光部材を視認性の悪くなる方向、例えば、下方に傾けて組み込む方法もあるが、数種類のLEDを配置する方法は、数種類のLEDを用意しなければならずコストアップとなり、また製造面においても数種類のLEDを組み合わせて構成するため、製造上のミスが発生し易く、品質上の問題が生じる恐れがある。また傾けて組み込む方法では、傾けるための新たな構成部品が必要となり、構造が複雑化しコストアップの要因となってしまう。
これに対し、本実施形態では同種の性能を有するLEDで構成し、しかも傾けて組み込む必要がないため、製造上のミスが発生し難く品質上の問題が生じる恐れがない。さらにコストアップの要因がなくなり安価な表示装置及び信号灯を提供することが可能となる。
なお、上述した数種類のLEDを組み合わせる方法、または傾けて組み込む方法を、本実施形態の光路制御手段に、視認性をより一層高めるための補完手段として付加し、表示装置全体としての視認性をより一層高めるようにしてもよい。
次に、本発明に係る表示装置及び信号灯の第二の実施形態について説明する。
図6〜図8は、本発明の第二の実施形態を示し、図6は表示装置の一部を切り欠いて示す正面図、図7は図5のB―B線に沿う縦断面図、図8は要部(図7b部)を拡大して示す縦断面図で、各図には第一の実施形態と同一部分には同一符号を付してある。
本実施形態の表示装置及び信号灯は、第一の実施形態において、光路制御手段として構成した断面形状がプリズム状をなす略三角形でリング状をなす突状部14eに代えて、透光性のカバー部材の表面に断面が略三角形状をなした凸部を連続して形成したシボ加工を施して光路制御手段を構成し、発光ダイオードから放射される光線を拡散させ、面状光源として視認性が悪くなる外周方向にも光線を放射させて面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めるようにしたものである。
すなわち、本実施形態におけるカバー部材14は、第一の実施形態における円盤周辺部内側の内面に設けたリング状の3段の段部のうち、図4で上方に位置する段部14bを省いて2段の段部14c、14dとし、上段の段部14cの近傍で中心側に位置して光路制御手段を構成したものである。
この光路制御手段は、表面に断面形状が略三角形状をなした凸部を連続して形成したシボ加工部14fを、カバー部材14の外面全周にリング状に形成したものである。このシボ加工部14fは、ガラスからなるカバー部材14の成形加工時に一体に形成される。
このシボ加工部14fは、基板12に配置されたLED11のうち、最外周に位置するLED11の発光部11aの中心軸線(光線の中心軸線)が、図8で若干下方に位置させるように対向して設けられ、矢印で示すように略水平な中心線より下方に位置する光線をシボ加工部14fに放射させ、表面の略三角形状をなした凸部の内面で光線を反射させることにより拡散させ、下方外方に向けて光線を放射させるようにしている。なお、シボ加工部14fは上記のように全周にリング状に存することから、図6における下方を含む外周方向の全周にわたり光線が放射される。
これにより、第一の実施形態と同様に、面状光源をなす発光部材13の周辺部の光量が増し、信号機に近い歩行者などが下方や側面方向などから信号機を見ても、信号機の所定の色を確実に視認することができる。
本実施形態において、シボ加工部をガラスからなるカバー部材の成形加工時に一体に形成したが、カバー部材の成形とは別の工程でシボ加工されたリング状のシボ加工部材を用意し、カバー部材を成形する時に、このシボ加工部材が所定の位置になるように配置して同時に成形し、カバー部材とは別体のシボ加工部14fで構成するようにしてもよい。
さらに、シボ加工部14fの連続して形成した略三角形状をなした凸部は、カバー部材14の外面の全周わたり形成したが、内面に形成しても、さらには内面、外面の両面にわたり設けてもよい。さらに全周でなく、例えば、下方部分等、目的とする部分のみに設けるようにしてもよい。
さらに、シボ加工部14fを基板12に配置されたLED11のうち、最外周に位置するLEDの発光部11aに対向するように位置して設けたが、最外周から中心部に向かって2列目、3列目等に位置するLEDに対向させるようにしてもよい。
本実施形態によれば、第一の実施形態と同様に、面状光源周辺部の光量不足を補い、外周方向から見た場合の視認性を高めることができ、視認性の優れた表示装置及び信号灯を提供することができると共に、光路制御手段であるシボ加工部をガラスからなるカバー部材の成形加工時に同時に形成することができるので、製造が容易となる利点も有する。
その他の構成・作用・変形例、作用効果等は、第一の実施形態と同様である。
さらに、本発明において、光路制御手段として上記第一の実施形態におけるリング状の突出部14eと、第二の実施形態におけるシボ加工部14fの両方構成をカバー部材14に設けることによって視認性をさらに高めるようにしてもよく、さらには上述した補完手段である、数種類のLEDを組み合わせる方法、または傾けて組み込む方法をも付加して表示装置全体としての視認性をより一層高めるようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
本発明の第一の実施形態に係る表示装置の一部を切り欠いて示す正面図。 図1のA―A線に沿う縦断面図。 本発明の第一の実施形態に係る表示装置の背面図。 本発明の第一の実施形態に係る表示装置の要部を拡大して示す縦断面図。 第一の実施形態における信号灯を組み込んだ道路交通用の信号機を示す説明図。 本発明の第二の実施形態に係る表示装置の一部を切り欠いて示す正面図。 図6のB―B線に沿う縦断面図。 本発明の第二の実施形態に係る表示装置の要部を拡大して示す縦断面図。
符号の説明
10 表示装置本体
11 半導体発光素子
12 基板
13 発光部材
14 カバー部材
14e、14f 光路制御手段

Claims (4)

  1. 半導体発光素子を複数配置して面状光源となした発光部材と;
    発光部材の半導体発光素子を覆うともに周辺部に位置する前記半導体発光素子に対向して半導体発光素子からの光を所定方向に制御する光路制御手段を設けた透光性のカバー部材と;
    を具備することを特徴とする表示装置。
  2. 発光ダイオードを複数配置して面状光源となした発光部材と;
    発光部材の発光面を覆うともに周辺部に位置する発光ダイオードに対向して発光ダイオードからの光を外周方向に放射するように制御する光路制御手段を周辺部内側に設けた透光性のカバー部材と;
    を具備することを特徴とする表示装置。
  3. 発光ダイオードを複数配置して面状光源となした発光部材と;
    発光部材の発光面を覆うともに周辺部に位置する発光ダイオードに対向して発光ダイオードからの光を拡散するように制御する光路制御手段を周辺部内側に設けた透光性のカバー部材と;
    を具備することを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の表示装置を用いたことを特徴とする信号灯。
JP2004133752A 2004-04-28 2004-04-28 表示装置及び信号灯 Pending JP2005317348A (ja)

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