JP2005316326A - 光量調節装置及びそれを備えたカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】迷光の発生又は侵入を防止する光量調節装置及び其を備えたカメラを提供する。
【解決手段】シャッタ装置21は、透明なガラス板を基材とし中央に光学的開口部33を備えこれを避けた面に第1の遮光幕27を駆動する帯状電極34が形成された第1の基板25、第2のスペーサ31と一対になって第1の基板25と第2の基板32間に他部材のための位置決めと間隙形成を行う第1のスペーサ26、所望のピッチで電気的に永久分極された誘電体の部位を備え仕切り板28により相互の干渉を回避しながら第1の基板25と仕切り板28の間および第2の基板32と仕切り板28の間をそれぞれ左右に移動する第1の遮光幕27と第2の遮光幕29等で構成される。仕切り板28は0.1mm以下の厚さの樹脂シート又は金属シートで構成され、貫通する穿設孔で物理的に形成され光学的開口部35以外の部分は遮光性部材で覆われ且つ反射防止処理を施されている。
【選択図】 図4

Description

迷光の発生と侵入を防止する光量調節装置に関する。
従来、位置決め装置等の駆動原として静電アクチュエータが提案されている。このような静電アクチュエータの移動子には、永久分極された誘電体の部位を備えたエレクトレットと呼ばれる構成を備えている。(例えば、特許文献1参照。)
また、カメラのシャッタ機構のような光量調節装置の位置決め装置に誘電電荷型アクチュエータを用いる例も提案されている。そのシャッタ機構としては、1個のステータ(固定子)に対しスライダ(移動子)が1個のものと2個のものがあり、いずれもスライダをシャッタ羽根として機能させている。(例えば、特許文献2参照。)
特開平04−112683号公報([実施例]、第1図) 特開平08−220592号公報([要約]、図1、[0011]、図2)
ところで、特許文献2の構成は、1個の固定子(基板)の両面に帯状電極を設け、この帯状電極の誘電電荷を移動させることで移動子を移動させているが、帯状電極が設けられた基板は、絶縁性が要求されることからガラス又はエポキシ樹脂等の絶縁性材料で構成される。この場合、変形防止の観点から、基板の厚さとしては、少なくと0.5mm程度の厚さが必要とされる。
一般に、ガラスやエポキシ樹脂等の厚い絶縁材料に開口を設けた場合、開口の端面部がきれいなエッジとならないから、シャッタ開放時に光線が基板開口部端面の不規則な切り欠き部で反射する。このような不要な光線つまり迷光は、結像面へと進んで結像画像にゴーヅトフレアーといった不具合を発生させる虞が多分にある。したがって、基板とは別に正しい開口を形成する部材が必要になる。
また、基板が0.5mm程度と厚くなると、基板を挟んで対向する2枚の移動子(シャッタ羽根、又は遮光幕)の端部が基板の開口部で重なって光軸を遮断しているときでも、2枚の移動子間には少なくとも0.5mm程度の間隙が発生している。このため、光軸と平行な方向の光線は移動子によって遮蔽することはできるが、光軸と平行でない、つまり光軸と角度を持った光線については上記の間隙を透過して迷光となり、この場合も結像画像に不具合を齎す虞が多分にある。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、迷光の発生又は侵入を防止する光量調節装置及びそれを備えたカメラを提供することである。
先ず、第1の発明の光量調節装置は、第1の遮光幕を駆動するための帯状電極および光学的開口部を設けた第1の基板と、予め所望のピッチで電気的に分極されている上記第1の遮光幕と、上記第1の基板の上記光学的開口部に対応する光学的開口部を有する仕切り板と、予め所望のピッチで電気的に分極されている第2の遮光幕と、該第2の遮光幕を駆動するための帯状電極並びに上記第1の基板および上記仕切り板の上記開口部に対応する光学的開口部を設けた第2の基板と、の順に、上記第1の遮光幕が上記第1の基板と上記仕切り板の間および上記第2の遮光幕が上記第2の基板と上記仕切り板の間を移動可能に積層されて構成される。
上記仕切り板は、例えば上記第1の基板および上記第2の基板よりも薄く構成され、また、例えば少なくとも上記第1の遮光幕および上記第2の遮光幕の移動可能範囲に存在するように構成され、また、例えば薄板ガラスで構成され、更に、例えば所定の表面処理が施されて構成されている。この場合、上記仕切り板は、例えば光学的開口部以外の面が遮光性部材で覆われていることが好ましい。
また、上記仕切り板は、例えば上記光学的開口部が穿設孔で形成されている遮光性の樹脂シート部材で構成してもよく、この場合、上記樹脂シート部材は、反射防止処理が施されていることが好ましい。
また、上記仕切り板は、例えば上記光学的開口部が穿設孔で形成されている金属シート部材で構成してもよく、この場合も、上記金属シート部材は、反射防止処理が施されていることが好ましい。
次に、第2の発明のカメラは、上述したいずれかの光量調節装置を光学系のシャッタ位置又は絞り位置に備えて構成される。
本発明によれば、駆動用の帯状電極を有さず単に光学的開口部と遮光部とを有する仕切り板で第1と第2の遮光幕の間隔を規定するので、第1と第2の遮光幕の間隔をほぼ仕切り板の厚さまで小さくすることができ、これにより、迷光の発生と侵入を防止する光量調節装置及びそれを備えたカメラを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b) は、実施例1のレンズ装置が組み込まれるデジタルカメラの概略構成を示す図であり、同図(a) はデジタルカメラの前面からの外観を示す斜視図、同図(b) はデジタルカメラ内部の主要部の配置状態を示す斜視図である。
同図(a) に示すように、デジタルカメラ1は、前面右上隅に撮影レンズ窓2を備え、その左方にストロボ照射窓3を備えている。また、上面の左端部にはレリーズボタン4が設けられている。
同図(b) に示すように、デジタルカメラ1の内部は、全体の左方ほぼ2/3を占めて、各種の電子部品を搭載した回路基板5からなる制御装置や着脱交換自在な電池6などが配置されている。そして、その右方の全体のほぼ1/3を占める部分には、ユニット化されたレンズ装置7が配設されている。
レンズ装置7は、同図(a) の撮影レンズ窓2から同図(b) に示す撮影光軸O1に沿って入射する被写体からの光束を、その光軸O1がほぼ直角に下方に折り曲がるように反射させ、その下方に折り曲げられた後述する第2の光軸O2に沿って、上記の入射光束を、レンズ装置7の下端部に配設されている例えばCCDなどからなる撮像素子まで導いて撮像画像を生成する。
図2は、図1(b) に示すレンズ装置7のA−A´矢視断面をデジタルカメラ1の図1(b) の左方から見た図であり、レンズユニット各部の概略の構成を示している。図1(b) に示したレンズ装置7の内部には、この図2に示すように、上記下方に折り曲げられた第2の光軸O2に沿って、第1の固定鏡枠部8にレンズ群が保持された第1の固定レンのズ部9、第1の移動鏡枠11にレンズ群が保持された第1の移動レンズ部12、第2の移動鏡枠13にレンズ群が保持された第2の移動レンズ部14、第3の移動鏡枠15にレンズが保持された第3の移動レンズ部16、及び第2の固定鏡枠部17にレンズが保持された第2の固定レンズ部18が備えられている。そして、これらのレンズ部の終端に撮像素子19が配置されている。
上記第1の移動レンズ部12及び第2の移動レンズ部14は、このレンズ装置7の光学系の第2の光軸O2に沿って入射する被写体の光束の焦点距離を変化させる、つまりズーム比調節用のために設けられ、第3の移動レンズ部16は、上記の光束が撮像素子19上に結像する焦点調節のために設けられている。そして、上記第1の移動レンズ部12と第2の移動レンズ部14の間には、シャッタ位置(絞り位置でもある)20が設けられている。
図3は、図2に示したレンズ装置7を図2の矢印Bで示すように同図の斜め左上向う側から斜め右下手前方向に見た拡大斜視図であり、図3の上方には、図2のシャッタ位置20に組み込まれているシャッタ装置21を単独に取り出した状態で示している。
このシャッタ装置21は、矩形の平らな板状体をなす装置であり、第2の光軸O2の透過路となる光学的開口22と、この光学的開口22に隣接して対向する位置にシャッタ羽根退避部23(23a、23b)を有している。このシャッタ装置21の光学的開口22を透過する第2の光軸O2の終端すなわちレンズ装置7の下端部(図3では斜め右上端部)には、図2にも示した撮像素子19が配置されている。
図4は、上記シャッタ装置21の分解斜視図である。同図に示すように、シャッタ装置21は、図の左から右へ、第1の基板25、第1のスペーサ26、第1の遮光幕27、仕切り板28、第2の遮光幕29、第2のスペーサ31、及び第2の基板32とで構成される。
第1の基板25は、透明な部材(例えばガラス板)を基材とし、中央に光学的開口部33を備え、組み立て後に内側となる面(図では斜め右上側面)には第1の遮光幕27を駆動するための帯状電極34が形成されている。
第1のスペーサ26は、後述するように周囲内側に段差部が形成されており、この段差部により、第2のスペーサ31に密着したとき第2のスペーサ31との間に、内側周面溝を形成する。
第1の遮光幕27は、遮光性を有する部材であり、予め所望のピッチで電気的に永久分極された誘電体の部位を備えて(詳しくは後述するエレクトレットが施されて)構成される。
仕切り板28は、第1の遮光幕27と第2の遮光幕29が互いの動きを阻害しないように仕切るために設けられており、上記第1の基板25の光学的開口部33に対応する位置に光学的開口部35を備えている。また、上記第1の基板25及び第2の基板32よりも薄く形成されている。
また、この仕切り板28は、少なくとも上記第1の遮光幕27及び第2の遮光幕29の移動可能範囲、つまり構成のほぼ全面を占めて存在するように構成され、また、素材としては薄板ガラス、樹脂シート部材、薄い金属シート部材等で構成される。
そして、薄板ガラスの場合は例えば光学的開口部以外の面を遮光性部材で覆うような所定の表面処理が施されて構成される。また、樹脂シート部材又は薄い金属シート部材の場合は、光学的開口部35はシート部材を物理的に貫通する穿設孔で形成され、光学的開口部35以外の面は全面が反射防止処理を施されて構成される。
続く、第2の遮光幕29、第2のスペーサ31、及び第2の基板32は、上記仕切り板28の光学的開口部35の中心に対して対称形に配置されている。そして第2の遮光幕29の構成は第1の遮光幕27の構成と同様であり、第2の基板32の構成は第1の基板25の構成と同様に光学的開口部37が形成され、第2の遮光幕29を駆動するための帯状電極36が形成されている。また、第2のスペーサ31の構成は段差が無い点を除けば第1のスペーサ26の構成と大きさの点で同様である。
これら上記の構成において、組み立て時には、第1の基板25、第1の遮光幕27、仕切り板28、第2の遮光幕29、そして第2の基板32の順に、第1のスペーサ26と第2のスペーサ31で順次位置決めされながら、第1の遮光幕27が第1の基板25と仕切り板28の間を移動可能で第2の遮光幕29が第2の基板32と仕切り板28の間を移動可能なように、各部材が積層される。
図5(a) は、上記シャッタ装置21の組み立て上がり後の断面図であり、同図(b) は、その仕切り板28及び第1のスペーサ26と第2のスペーサ31のみを取り出して示す図である。
図5(a) に示すように、第1のスペ−サ26には、仕切り板28を位置決めするための段差部26−1が設けられている。組み立て時には、その段差部26−1に仕切り板28を落とし込むことにより第1のスペ−サ26に対して仕切り板28を位置決め固定することができる。
また、同図(b) に示すように、第1スペ−サ26、仕切り板28、及び第2のスペーサ31を予め一体的に組み立てておくと、シャッタ装置21の組み立て性向上に寄与することができる。
尚、上記の図4及び図5に示したシャッタ装置21では、第1及び第2の2つのスぺ−サによって仕切り板を光軸方向に位置決めして、第1の基板と仕切り板、第2の基板と仕切り板との間に、それぞれ第1の遮光幕及び第2の遮光幕が移動可能な空間を確保するように構成にしているが、シャッタ装置の構成は、これに限るものではない。
図6は、シャッタ装置の他の構成例を示す図である。図6に示すように、1つのスペ−サ26´によって第1の基板25と第2の基板32との間隔を確保し、例えは第1の基板25にスペーサ26´を組み付け後、第1の遮光幕27、仕切り板28、第2の遮光幕29を順に落とし込み、最後に第2の基板32を組み付けるといった構成でも良い。
この場合、第1及び第2の基板の間隔すなわちスペーサの光軸方向の厚さtspは、第1及び第2の遮光幕の厚さをtsh、仕切り板の厚さをtskとすると、tsp>2×tsh+tskとなる。
尚、上記の実施例1及び他の構成例では、スペ−サの形状をそれぞれ額縁形状としているが、第1及び第2の基板と仕切り板との間隔を維持できれば額縁形状に限定されるものではない。例えば、コの字形状、ニの字形状等であってもよい。また、組み立て治具等により、スペーサなしで第1及び第2の基板と仕切り板との間隔を維持できれは、スペーサを削除してもよいことは言うまでもない。
ここで、本例におけるシャッタ装置21における第1の遮光幕27及び第2の遮光幕29を駆動するシャッタ機構の駆動原理を説明する。
図7(a),(b) は、本発明のシャッタ装置におけるシャッタ機構の駆動原理を説明する図である。尚、以下の駆動原理の説明では、説明を簡単にするために、基板及び遮光幕がそれぞれ1枚構成の例を用いて説明する。また、第1の基板25(又は第2の基板32)に代えて固定子38と言い、第1の遮光幕27(又は第2の遮光幕29)に代えて移動子39−1と言うことにする。
同図(a),(b) に示すように、本シャッタ機構は、基本的に固定子38と移動子39−1とを備え、移動子39−1は、固定子38に対して左右方向に移動自在に構成されている。そして、固定子38には、被写体からの光像を撮像素子(図2、図3の撮像素子19参照)に導くための光学的開口38−1が設けられ、更に、帯状電極39−2(駆動電極)が所定の間隔で並べて形成されている。他方の移動子39−1は、遮光性を有する部材であり、永久分極された誘電体の部位を備えている。このような移動子39−1の構成はエレクトレットと呼ばれている。
一般に、エレクトレットとは、電気を通しにくい例えばテフロン(登録商標)、ポリプロピレン、マイラーなどの高分子材料を加熱溶融し、これに直流の高電圧を加えながら電極の間で固化させたあとで電極を取り去ると、電極に接していた面が正または負に帯電し、これらの分極(正と負の電気に分かれた状態)が半永久的に保持されているもののことを称する用語である。
上記のシャッタ機構において、帯状電極39−2に正負の電圧を周期的に印加すると、帯状電極39−2と移動子39−1の上記エレクトレットとの間に吸引力又は反発力が発生し、結果的に移動子39−1が固定子38に対して相対移動する。
したがって、移動子39−1が固定子38の光学的開口38−1を開放又は遮蔽するように移動可能にすることによってシャッタ機構を構成することができる。図7(a) はシャッタが開の状態を示し、同図(b) はシャッタが閉の状態を示している。以下、本構成に係るシャッタ機構を「エレクトレットシャッタ」と称することにする。
なお、固定子38の光学的開口38−1は、必ずしも貫通孔のような物理的な開口部とする必要はなく、固定子38を透過部材とし、開口部に相当する位置に帯状電極39−2が設けられていない透過領域を形成するようにしても良い。
図8は、エレクトレットシャッタとその駆動回路を模式的に示す図である。同図は右にエレクトレットシャッタの断面を模式的に示し、左に駆動回路をブロック図で示している。同図に示すように、固定子38に並べられたそれぞれの帯状電極39−2には、駆動(電圧印加)回路40からの電圧信号線が接続されている。この電圧信号線には4相の電圧信号が印加され、従って、帯状電極39−2には、4本毎に同一の電圧信号が印加される。図8では、帯状電極39−2にA、B、C、Dの符号を付してこの電圧信号を区別している。
この固定子38の帯状電極39−2の配設面に対向して移動子39−1が配置されている。移動子39−1には、固定子38との対向面に永久分極された上述した誘電体(エレクトレット)41(41a、41b、・・・)を複数備えている。
同図の左に示す駆動回路40では、パルス発生回路42で矩形波列(駆動パルス信号)が生成され、この駆動パルス信号が昇圧回路43と位相器44に供給される。昇圧回路43では、入力した駆動パルス信号を100V程度まで昇圧するとともに、2つの極性を有する電圧信号に分岐して、帯状電極A及びCに供給する。
他方、位相器44に入力した駆動パルス信号は、90°位相が遅れた波形となり、その後、昇圧回路43に入力されて、上述と同様の2つの極性を有する電圧信号に分岐されて帯状電極B及びDに供給される。
図9は、駆動回路40によって生成されて帯状電極39−2に印加される電圧信号列を示す図である。帯状電極39−2の電圧の状態は、期間Tにおけるt1〜t4の4つの状態変化が時間tにおける期間Tごとの経過に対応して繰り返される。
図10は、上記のエレクトレットシャッタの動作を更に説明する図である。同図(a) は図9において各帯状電極39−2(A,B,C,D)の電圧状態が、図9に示したt1の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。
エレクトレット41aは、帯状電極Aから反発力を受け、帯状電極Bから吸引力を受ける。また、エレクトレット41bは、帯状電極Cから反発力を受け、帯状電極Dから吸引力を受ける。このため、移動子39−1は図の右方向に力を受けて、1つの帯状電極ピッチdだけ移動する。
図10(b) は、上記に続いて図9に示したt2の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。エレクトレット41aは、帯状電極Bから反発力を受け、帯状電極Cから吸引力を受ける。また、エレクトレット41bは、帯状電極Dから反発力を受け、帯状電極Aから吸引力を受ける。このため、移動子39−1は図の右方向に力を受けて、再び1つの帯状電極ピッチdだけ移動する。
図10(c) は、上記に続いて図9に示したt3の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示し、図10(d) は、同図(c) に続いて図9に示したt4の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。図10(a),(b) で説明した動作と同様に、移動子39−1は、1つの帯状電極ピッチdだけ順次移動する。
そして、この動作が繰り返されることにより、移動子39−1は図の右方向に移動する。なお、移動子39−1を図の左方向に移動するためには、帯状電極39−2に印加する電圧の極性を逆に切り替えればよい。
このように、本例の移動子39−1は、それ自体が半永久的な分極帯電部を備えているので、例えば誘導電荷形アクチュエータのように、電圧印加、電荷蓄電及び静電誘導を繰り返す手数と時間を要することなく、単に駆動電圧の印加だけで移動子を迅速に駆動することができる。
図11(a),(b) は、実施例2としてのフォーカルプレーンシャッタ装置が組み込まれる一眼レフデジタルカメラ本体とその交換レンズの正面図である。同図(a) に示す一眼レフデジタルカメラ本体45は、交換レンズ取り付け部46から同図(b) に示す交換レンズ47を取り外してレンズ背後に在る内部構成を示している。
同図(a) に示す内部構成において、焦点面の被写体側近傍に本発明を応用したフォーカルプレーンシャッタ装置48が組み込まれている。同図ではフォーカルプレーンシャッタ装置48の中央部分が見えている。尚、同図(a) には、フォーカルプレーンシャッタ装置48を図示しやすくするために、本来はその手前に配置されているクイックリターンミラーの図示を省略している。この一眼レフデジタルカメラ本体45は、図の左側に電池室を兼ねた握り部49があり、その上面部にシャッタボタン51を備えている。
図12(a) は、上記本例のフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図であり、同図(b) は、同図(a) の矢印Cで示す基板の裏面を示す図である。同図に示すように、フォーカルプレーンシャッタ装置48は、図の左から示す第1の基板52、第1のスペーサ53、第1の遮光幕54、仕切り板55、第2の遮光幕56、第2のスペーサ57、第2の基板58とで構成される。
第1の基板52は、透明なガラス板を基材とし、中央に光学的開口部59が形成され、その光学的開口部59以外の面(ただし組み立て上がり後に外側となる面)は、全面が遮光部61となっている。この遮光部61は、例えば塗装、金属蒸着等で覆われている。
そして、同図(b) に示すように、第1の基板52の裏面52−1には、図7乃至図10で説明した固定子38と同様に、第1の遮光幕54を駆動するための帯状電極62が設けられている。
第2の基板58も、透明なガラス板を基材とし、その組み立て上がり後に内側となる面58−1には、中央の光学的開口対応部63を除いて、図7乃至図10で説明した固定子38と同様に、第2の遮光幕56を駆動するために必要な部分に帯状電極64が設けられている。
第1のスペーサ53及び第2のスペーサ57は、図4に示したシャッタ装置21よりも長手方向の長さが長いだけで、その他の構成は図4の第1のスペーサ26及び第2のスペーサ31とそれぞれ同様であり、第1の遮光幕54及び第2の遮光幕56を、それぞれ第1の基板52と仕切り坂55の間、及び第2の基板58と仕切り板55の間に移動可能に保持するために、第1の基板52と仕切り板55、及び第2の基板58と仕切り板55との間隔を維持するために設けられている。
また、第1の遮光幕54及び第2の遮光幕56は、図7乃至図10で説明した移動子39−1と同様に、予め所望のピッチで電気的に分極されている。
仕切り板55は、板ガラスで形成されており、第1の遮光幕54と第2の遮光幕56が互いの動きを阻害しないように仕切るために設けられている。この仕切り板55を形成している板ガラスは、0.2mm〜0.3mm程度の厚さで加工することが可能であり、従来の絶縁性基板の両面に帯状電極を設ける構成に比べて、2枚の遮光幕の間隔を小さくすることができる。
また、仕切り板55に用いるガラス板は上記のように0.2〜0.3mmと厚さが薄く、ガラス板単体では破損しやすいが、両側に配置された第1及び第2の基板と積層されることにより、光量調節装置として十分な強度を確保することができる。
図13は、実施例3としてのフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図である。同図に示すフォーカルプレーンシャッタ装置65において、第1のスペーサ53、第1の遮光幕54、第2の遮光幕56、第2のスペーサ57、及び第2の基板58の構成は、図12の場合と同様である。
本例では、第1の基板66と仕切り板67の構成が、図12の第1の基板52と仕切り板55の場合とやや異なる。すなわち、図12のように第1の基板52に光学的開口部59と遮光部61を設ける代わりに、本例では、第1の基板66には裏面に帯状電極62を配設するのみとし、代わって仕切り板67に、光学的開口部68と、その光学的開口部68以外の全面(但しいずれか一方の面)に遮光部69が設けられる。この場合も、遮光部69は例えば塗装、金属蒸着等によって形成される。
図14は、実施例4としてのフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図である。同図に示すフォーカルプレーンシャッタ装置70において、第1の基板66、第1のスペーサ53、第1の遮光幕54、第2の遮光幕56、第2のスペーサ57、及び第2の基板58の構成は、図13の場合と同様である。
本例では、仕切り坂71の構成がやや異なる。すなわち本例の仕切り坂71は、樹脂シート又は金属シートで構成され、中央の光学的開口部72は、シート部材を物理的に貫通する穿設孔で形成されている。このように樹脂シート又は金属シートを用いた場合は、仕切り坂71の板厚を0.1mm以下に設定することが可能であり、板ガラスに比べて更に第1及び第2の遮光幕の間隔を小さくすることができる。
尚、金属シートを用いた場合は、光反射防止塗装等で表面の光反射を防ぐことにより光学系への悪影響を少なくすることができることは言うまでもない。また、樹脂シートの場合は、遮光幕、絞り羽根等に使用されている市販のシート材(例えば「ソマブラック(登録商標)フイルム、ソマB−H50MD、ソマール(株))を使用することにより、反射防止
の効果を得ることができる。
上記のソマB−H50MDの板厚は、54±6μmであり、単体では変形しやすいが、両側に配置された、第1及び第2の基板と積層される場合は、光量調節装置として十分な強度を確保することができる。
(a),(b) は実施例1のレンズ装置が組み込まれるデジタルカメラの概略構成を示す図である。 実施例1のレンズ装置のA−A´矢視断面をデジタルカメラの左横から見た図である。 実施例1のレンズ装置を図2の矢印Bで示す斜め左上向う側から斜め右下手前方向に見た拡大斜視図と、そのシャッタ位置に組み込まれているシャッタ装置を単独に取り出した状態を共に示す図である。 実施例1のレンズ装置のシャッタ装置の分解斜視図である。 (a) は実施例1のシャッタ装置の組み立て上がり後の断面図、(b) はその仕切り板及び第1のスペーサと第2のスペーサのみを取り出して示す図である。 実施例1のシャッタ装置の他の構成例を示す図である。 (a),(b) は本発明のシャッタ装置のシャッタ機構の駆動原理を説明する図である。 本発明のシャッタ装置に係わるエレクトレットシャッタとその駆動回路を模式的に示す図である。 エレクトレットシャッタの駆動回路によって生成されて帯状電極に印加される電圧信号列を示す図である。 エレクトレットシャッタの動作を更に説明する図である。 (a),(b) は実施例2としてのフォーカルプレーンシャッタ装置が組み込まれる一眼レフデジタルカメラ本体とその交換レンズの正面図である。 (a) は実施例2のフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図、(b) は(a) の矢印Cで示す基板の裏面を示す図である。 実施例3としてのフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図である。 実施例4としてのフォーカルプレーンシャッタ装置の分解斜視図である。
符号の説明
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ窓
3 ストロボ照射窓
4 レリーズボタン
5 回路基板
6 電池
7 レンズ装置
8 第1の固定鏡枠部
9 第1の固定レンのズ部
11 第1の移動鏡枠
12 第1の移動レンズ部
13 第2の移動鏡枠
14 第2の移動レンズ部
15 第3の移動鏡枠
16 第3の移動レンズ部
17 第2の固定鏡枠部
18 第2の固定レンズ部
19 撮像素子
20 シャッタ位置(絞り位置)
21 シャッタ装置
22 光学的開口
23(23a、23b) 退避部
25 第1の基板
26 第1のスペーサ
26´ スペーサ
27 第1の遮光幕
28 仕切り板
29 第2の遮光幕
31 第2のスペーサ
32 第2の基板
33 光学的開口部
34 帯状電極(駆動電極)
35 光学的開口部
36 帯状電極
37 光学的開口
38 固定子
38−1 光学的開口
39−1 移動子
39−2 帯状電極(駆動電極)
40 駆動(電圧印加)回路
41(41a、41b、・・・) 誘電体(エレクトレット)
42 パルス発生回路
43 昇圧回路
44 位相器
45 一眼レフデジタルカメラ本体
46 交換レンズ取り付け部
47 交換レンズ
48 フォーカルプレーンシャッタ装置
49 握り部
51 シャッタボタン
52 第1の基板
52−1 裏面
53 第1のスペーサ
54 第1の遮光幕
55 仕切り板
56 第2の遮光幕
57 第2のスペーサ
58 第2の基板
59 光学的開口部
61 遮光部
62 帯状電極(駆動電極)
63 光学的開口対応部分
64 帯状電極(駆動電極)
65 フォーカルプレーンシャッタ装置
66 第1の基板
67 仕切り板
68 光学的開口部
69 遮光部
70 フォーカルプレーンシャッタ装置
71 仕切り坂
72 光学的開口部

Claims (11)

  1. 第1の遮光幕を駆動するための帯状電極および光学的開口部を設けた第1の基板と、
    予め所望のピッチで電気的に分極されている前記第1の遮光幕と、
    前記第1の基板の前記光学的開口部に対応する光学的開口部を有する仕切り板と、
    予め所望のピッチで電気的に分極されている第2の遮光幕と、
    該第2の遮光幕を駆動するための帯状電極並びに前記第1の基板および前記仕切り板の前記開口部に対応する光学的開口部を設けた第2の基板と、
    の順に、
    前記第1の遮光幕が前記第1の基板と前記仕切り板の間および前記第2の遮光幕が前記第2の基板と前記仕切り板の間を移動可能に積層された、
    ことを特徴とする光量調節装置。
  2. 前記仕切り板は、前記第1の基板および前記第2の基板よりも薄い、ことを特徴とする請求項1記載の光量調節装置。
  3. 前記仕切り坂は、少なくとも前記第1の遮光幕および前記第2の遮光幕の移動可能範囲に存在している、ことを特徴とする請求項1記載の光量調節装置。
  4. 前記仕切り板は、薄板ガラスである、ことを特徴とする請求項1記載の光量調節装置。
  5. 前記仕切り板は、所定の表面処理が施されている、ことを特徴とする請求項1記載の光量調節装置。
  6. 前記仕切り板は、光学的開口部以外の面が遮光性部材で覆われている、ことを特徴とする請求項4又は5記載の光量調節装置。
  7. 前記仕切り板は、前記光学的開口部が穿設孔で形成されている遮光性の樹脂シート部材である、ことを特徴とする請求1記載の光量調整装置。
  8. 前記樹脂シート部材は、反射防止処理が施されている、ことを特徴とする請求頃7記載の光量調整装置。
  9. 前記仕切り板は、前記光学的開口部が穿設孔で形成されている金属シート部材である、ことを特徴とする請求項1記載の光量調整装置。
  10. 前記金属シート部材は、反射防止処理が施されている、ことを特徴とする請求項9記載の光量調整装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光量調整装置を光学系のシャッタ位置又は絞り位置に備えたことを特徴とするカメラ。

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180834A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Sony Corp 光量絞り機構

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