JP2005309252A - 絞り装置及びカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら遮光幕の位置を正確に検知することができ、これにより、該遮光幕の初期位置を検知したと同時に駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができるとともに、より高精度な絞り制御を実現して良好な画質での撮影を可能とする絞り装置を提供する。
【解決手段】光束を通過させるための第1光学的開口41a,44bを有する第1及び第2基板41,44の片面側に、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を形成した遮光幕42を配置するとともに、該遮光幕42を駆動させる帯状電極44aを第2基板44に形成し、さらに、遮光幕42の位置により通過状態又は遮蔽状態となる第2光学的開口41b,44cを第1及び第2基板41,44に設けた構成としてある。
【選択図】 図10

Description

本発明は、1又は2以上の遮光幕を静電力で駆動させるデジタルカメラ等の絞り装置に関し、特に、簡単な構成でありながら遮光幕の位置を正確に検知することができ、これにより、該遮光幕の初期位置を検知したと同時に駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができるとともに、より高精度な絞り制御を実現して良好な画質での撮影を可能とする絞り装置及びカメラに関する。
近年、光学レンズなどを用いて結像させた被写体像をCCD(Charge Coupled Device )などの撮像素子で電気信号に変換し、記録媒体に撮像画像として記録する電子カメラが広く普及している。
例えば、特開平8−220592号では、ステータ(基板)に帯状電極及び光学的開口を形成するとともに、該ステータに対向して高抵抗コーティング層を有するスライダ(遮光幕)を移動自在に設け、前記帯状電極に制御装置を接続して電圧を印加し、誘導電荷形アクチュエータの動作原理を用いて前記スライダを駆動させ、該スライダをシャッタ羽根として機能させたカメラのシャッタ装置が提案されている(その図1(a) 〜(c) 参照)。
また、その図2(a),(b)及び図3には、ステータの表裏両面に帯状電極を形成し、該ステータの表裏両面に一枚ずつスライダを配置して光学的開口部を開閉させる二枚羽根のシャッタ装置が開示されている。
特開平8−220592号公報([実施例],図1,図2及び図3)
ところが、特開平8−220592号の如き誘導電荷形アクチュエータを応用した絞り装置や、後述するような、エレクトレットの静電力を応用した絞り装置では、電源OFFの状態において遮光幕(絞り羽根)を一定の位置に保持することができないため、電源ONの状態にしたときに、前記遮光幕を初期位置(開又は閉状態)に戻す必要がある。
しかし、前記遮光幕がどの位置にあるか特定することができないため、従来は、前記遮光幕をフルストローク分移動させるだけの駆動パルス信号を出力して初期位置に戻していた。このため、必要以上に無駄な電力を消費するという問題があり、例えば、デジタルカメラやカメラ付携帯電話などのバッテリ容量の比較的少ない機器に当該絞り装置を搭載するには改良の余地がある。
また、近年、デジタルカメラ用撮像ユニットや携帯機器用撮像ユニットの小型化に伴って、絞り径も小径化が進んでいるが、開放から2段程度絞った状態で回折限界に近づいてしまい、それ以上絞り込むと画質に悪影響を及ぼすこととなる。これに対して、エレクトレットの静電力を応用した絞り装置では、帯状電極に印加する電圧の制御により比較的精度良く遮光幕の位置制御を行うことができるが、絞り径の小径化がさらに進めば、1ピッチ程度の送り誤差でも回折限界を超えてしまうおそれがあり、より高精度な絞り制御が要望されている。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でありながら遮光幕の位置を正確に検知することができ、これにより、該遮光幕の初期位置を検知したと同時に駆動駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができるとともに、より高精度な絞り制御を実現して良好な画質での撮影を可能とする絞り装置及びカメラの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る絞り装置は、被写体から当該被写体像が結像する面に至るカメラの光学系に設けられ、当該被写体からの光量を制御する絞り装置であって、前記被写体からの光束を通過させる第1の光学的開口と、前記被写体からの光束と異なる光束を通過させる第2の光学的開口とが形成された基板と、前記基板上に設けられ、所定のピッチで形成された複数の帯状電極と、前記基板上に配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動するものであって、前記第1の光学的開口を通過する光束を制限する絞りのための開口又は部位を有する遮光幕と、を有し、前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに前記遮光幕によって前記第2の光学的開口の状態が変化する構成としてある。
好ましくは、前記第2光学的開口の状態を検出する光センサをさらに有する構成、前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに、前記第2の光学的開口が遮蔽状態又は通過状態となる構成、前記所定の位置は、前記遮光幕が前記第1の光学的開口から退避した、又は前記遮光幕に設けられた前記絞りのための開口又は部位が前記第1の光学的開口の中に進入した位置である構成としてもよい。
好ましくは、前記基板は、さらに、第1及び第2の光学的開口を通過する光束と異なる光束を通過させる第3の光学的開口を有する構成、前記第3の光学的開口を検出する光センサをさらに有する構成、前記遮光幕がその移動範囲内において互いに異なる第1の位置と第2の位置に位置するときに、前記第2の光学的開口と前記第3の光学的開口それぞれの状態が異なる構成、前記第1の位置に前記遮光幕が位置するときは、前記第2の光学的開口が遮蔽状態となるとともに前記第3の光学的開口が通過状態になり、前記第2の位置に前記遮光幕が位置するときは、前記第2の光学的開口が通過状態となるとともに前記第3の光学的開口が遮蔽状態となる構成、前記第1の位置は、前記遮光幕が前記第1の光学的開口から退避した位置である構成、前記第2の位置は、前記遮光幕に設けられた前記絞りのための開口又は部位が前記第1の光学的開口の中に進入した位置である構成としてもよい。
好ましくは、第1の遮光幕として、請求項1に記載の前記遮光幕に加えて、前記第1の遮光幕が配置された基板上の面に沿って配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動する第2の遮光幕をさらに備える構成としてもよい。
好ましくは、前記基板は、さらに、第1及び第2の光学的開口を通過する光束と異なる光束を通過させる第3の光学的開口を有する構成、前記第2と第3の光学的開口の状態を検出する光センサをさらに有する構成、前記第2の遮光幕がその移動範囲内において所定の位置に達するときに、前記第3の光学的開口の状態が変化する構成、前記第2の遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに、前記第3の光学的開口が遮蔽状態又は通過状態となる構成、前記第1の遮光幕は前記第3の光学的開口の状態を、前記第2の遮光幕は前記第2の光学的開口の状態を、変化させない構成、前記第1の遮光幕は前記第3の光学的開口を、前記第2の遮光幕は前記第2の光学的開口をそれぞれ遮蔽しないための切欠きを有している構成としてもよい。
好ましくは、第1の基板として、請求項1に記載の前記基板に対して所定の間隙を有して対向する第2の基板をさらに備え、当該二つの基板は、前記遮光幕を挟んで設置されている構成、前記第2の基板は、前記第1及び第2の光学的開口を通過する光束を透過又は通過させる部位を有する構成としてもよい。
好ましくは、被写体から当該被写体像が結像する面に至るカメラの光学系に設けられ、当該被写体からの光量を制御する絞り装置であって、前記被写体からの光束を通過させる第1の光学的開口と、前記被写体からの光束と異なる光束を通過させる第2の光学的開口とが形成された基板と、前記基板上に設けられ、所定のピッチで形成された複数の帯状電極と、前記基板上に配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記基板上に帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動するものであって、前記第1の光学的開口を通過する光束を制限する絞りのための開口又は部位を有するN(N≧2)枚の遮光幕と、を有し、前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに前記遮光幕によって前記第2光学的開口の状態が変化し、前記第2の光学的開口は少なくともN個以上ある構成としてもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明のカメラは、請求項1乃至20に記載の何れかの絞り装置を搭載した構成としてある。
本発明に係る絞り装置及びカメラによれば、基板に第2,第3光学的開口を形成するといった簡単な構成により、これら第2,第3光学的開口のいずれかの通過又は遮蔽に基づいて、前記基板上における遮光幕の位置を検知することができる。
これにより、光センサが遮光幕の初期位置を検知したと同時に駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができる。また、これら第2,第3光学的開口のいずれかの通過又は遮蔽に基づいて遮光幕を正確に位置制御することができ、より高精度な絞り制御を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る絞り装置及びカメラについて図面を参照しながら説明する。まず、本発明の絞り装置の前提となるエレクトレットの静電力を応用した基本構造及び駆動原理について、単一の遮光幕を備えたシャッタ装置を例示して説明する。
図1(a),(b) は、デジタルカメラの概略構成を示す図であり、同図(a) はデジタルカメラの前面からの外観を示す斜視図、同図(b) はデジタルカメラ内部の主要部の配置状態を示す斜視図である。
同図(a) に示すように、デジタルカメラ1は、前面右上隅に撮影レンズ窓2を備え、その左方にストロボ照射窓3を備えている。また、上面の左端部にはレリーズボタン4が設けてある。
同図(b) に示すように、デジタルカメラ1の内部は、全体の左方ほぼ2/3を占めて、各種の電子部品を搭載した回路基板5からなる制御装置や着脱交換自在な電池6などが配置してある。そして、その右方の全体のほぼ1/3を占める部分には、ユニット化されたレンズ装置7が配設してある。
レンズ装置7は、同図(a) の撮影レンズ窓2から同図(b) に示す撮影光軸O1に沿って入射する被写体からの光束を、その光軸O1がほぼ直角に下方に折り曲がるように反射させ、その下方に折り曲げられた後述する第2光軸O2に沿って、上記の入射光束を、レンズ装置7の下端部に配設した、例えばCCDなどからなる撮像素子まで導いて撮像画像を生成する。
図2は、図1(b) に示すレンズ装置7のA−A´矢視断面をデジタルカメラ1の図1(b) の左方から見た図である。同図は被写体から当該被写体像が結像する面に至るカメラの光学系うち、レンズユニット各部の概略の構成を示している。
図1(b) に示したレンズ装置7の内部には、図2に示すように、上記下方に折り曲げられた第2光軸O2に沿って、第1固定鏡枠部8にレンズ群を保持した第1固定レンズ部9と、第1移動鏡枠11にレンズ群を保持した第1移動レンズ部12と、第2移動鏡枠13にレンズ群を保持した第2移動レンズ部14と、第3移動鏡枠15にレンズを保持した第3移動レンズ部16と、第2固定鏡枠部17にレンズを保持した第2固定レンズ部18と、これらのレンズ部の終端に配置した撮像素子19とで構成してある。
上記第1移動レンズ部12及び第2移動レンズ部14は、レンズ装置7の光学系の第2光軸O2に沿って入射する被写体の光束の焦点距離を変化させる、つまりズーム比調節用に設けてあり、第3移動レンズ部16は、上記の光束が撮像素子19上に結像する焦点調節のために設けてある。そして、上記第1移動レンズ部12と第2移動レンズ部14の間には、シャッタ位置(絞り位置でもある)20が設けてある。
図3(a) は、図1(b) に示したレンズ装置7をデジタルカメラ1の図1(b) の背面側から見た拡大斜視図であり、図3(b) はそのシャッタ装置を単独に示す図、図3(c) は撮像素子を単独に示す図である。
図3(a) に示すように、レンズ装置7には、図2に示したシャッタ位置(絞り位置)20にシャッタ装置21が組み込まれている。シャッタ装置21は、図3(b) に示すように、長辺aと短辺bからなる矩形の平らな板状体をなす装置であり、第2光軸O2の通過路となる光学的開口22と、この光学的開口22に長辺a方向に隣接する退避部23を有している。
このシャッタ装置21の光学的開口22を通過する第2光軸O2の終端、すなわち、レンズ装置7の下端部には、図2にも示した撮像素子19が配置してある。この撮像素子19も、長辺a´と短辺b´からなる矩形の受光面24を有している。
図4は、上記シャッタ装置21の分解斜視図である。同図に示すシャッタ装置21は、図の下から示す第1基板25,間隔維持部材26,遮光幕27,第2基板28とで構成してある。遮光幕27には、図では定かに見えないが予め所望のピッチで電気的に分極されたエレクトレット(図6の符号33参照)を備えている。このような遮光幕27を駆動させるために、第1基板25には、光学的開口29と周辺部を除く全面に複数の帯状電極31が形成してある。第2基板28は、第1基板25との間に遮光幕27を移動可能に保持するためのものであり、間隔維持部材26は、第1及び第2基板25,28の間隔を維持するためのものである。
次に、本例のシャッタ装置21における遮光幕27の駆動原理について説明する。図5(a),(b) は、本発明のシャッタ装置における遮光幕の駆動原理を説明する図である。なお、以下に述べる駆動原理の説明では、第1基板25に代えて固定子25といい、遮光幕27に代えて移動子27ということにする。
本例のシャッタ装置21は、基本的に固定子25と移動子27とを備え、移動子27は、固定子25に対して同図(a),(b) に示すように左右方向に移動自在となっている。そして、固定子25には、被写体からの光像を撮像素子(図2、図3の撮像素子19参照)に導くための開口部(光学的開口29)が設けてあり、さらに、複数の帯状電極(駆動電極)31が所定の間隔で並設してある。他方の移動子27は、遮光性を有する部材からなり、永久分極された誘電体の部位を備えている。このような誘電体は一般にエレクトレットと呼ばれている。
エレクトレットとは、電気を通しにくい、例えば、テフロン(登録商標)、ポリプロピレン、マイラーなどの高分子材料を加熱溶融し、これに直流の高電圧を加えながら電極の間で固化させた後、電極を取り去ると、電極に接していた面が正または負に帯電し、これらの分極(正と負の電気に分かれた状態)が半永久的に保持されているもののことを称する用語である。
上記シャッタ装置21において、帯状電極31に正負の電圧を周期的に印加すると、帯状電極31と移動子27の前記エレクトレットとの間に吸引力又は反発力が発生し、結果的に移動子27が固定子25に対して相対移動する。
したがって、移動子27が固定子25の光学的開口29を開放又は遮蔽するように移動可能にすることによってシャッタ機構を構成することができる。図5(a) はシャッタが開の状態を示し、同図(b) はシャッタが閉の状態を示している。以下、本構成に係るシャッタ機構を「エレクトレットシャッタ」と称することにする。
なお、固定子25の光学的開口29は、必ずしも貫通孔のような物理的な開口部とする必要はなく、固定子25を透過部材とし、開口部に相当する位置に帯状電極31を設けていない透過領域を形成するようにしてもよい。この意味で、「通過」の語は光学的に広い意味を有し、「透過」を含むものとする。
図6は、エレクトレットシャッタとその駆動回路を模式的に示す図である。同図は右にエレクトレットシャッタの断面を模式的に示し、左に駆動回路をブロック図で示している。同図に示すように、固定子25に並設した複数の帯状電極31には、駆動回路32からの電圧信号線がそれぞれ接続してある。該電圧信号線に4相の電圧信号を印加することにより、帯状電極31の四本毎に同一の電圧信号を印加している。図6では、帯状電極31にA、B、C、Dの符号を付してこの電圧信号を区別している。
固定子25の帯状電極31の配設面に対向して移動子27が配置してある。移動子27には、固定子25との対向面に永久分極された上述した誘電体(エレクトレット)33を複数備えている。
同図の左に示す駆動回路32では、パルス発生回路34が矩形波列(駆動パルス信号)を生成し、該駆動パルス信号を昇圧回路35と位相器36に出力する。昇圧回路35は、入力した駆動パルス信号を100V程度まで昇圧するとともに、2つの極性を有する電圧信号に分岐して帯状電極A及びCに出力する。
他方、位相器36は、入力した駆動パルス信号を90°位相が遅れた波形として昇圧回路35に出力する。その後、昇圧回路35が、該駆動パルス信号を入力して、上述と同様の2つの極性を有する電圧信号に分岐して帯状電極B及びDに出力する。
図7は、駆動回路32によって生成されて帯状電極31に印加される電圧信号列を示す図である。帯状電極31の電圧の状態は、期間Tにおけるt1〜t4の4つの状態変化が時間tにおける期間Tごとの経過に対応して繰り返される。
図8は、前記エレクトレットシャッタの動作を説明する図である。同図(a) は図7において各帯状電極A,B,C,Dの電圧状態が、図7に示したt1の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。
エレクトレット33aは、帯状電極Aから反発力を受け、帯状電極Bから吸引力を受ける。また、エレクトレット33bは、帯状電極Cから反発力を受け、帯状電極Dから吸引力を受ける。このため、移動子27は図の右方向に力を受けて、1つの帯状電極ピッチdだけ移動する。
図8(b) は、上記に続いて図7に示したt2の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと駆動電極との対応関係を示している。エレクトレット33aは、帯状電極Bから反発力を受け、帯状電極Cから吸引力を受ける。また、エレクトレット33bは、帯状電極Dから反発力を受け、帯状電極Aから吸引力を受ける。このため、移動子27は図の右方向に力を受けて、再び1つの帯状電極ピッチdだけ移動する。
図8(c) は、上記に続いて図7に示したt3の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示し、図8(d) は、同図(c) に続いて図7に示したt4の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。図8(a),(b) で説明した動作と同様に、移動子27は、1つの帯状電極ピッチdだけ順次移動する。
そして、この動作が繰り返されることにより、移動子27は図の右方向に移動する。なお、移動子27を図の左方向に移動するためには、帯状電極31に印加する電圧の極性を逆に切り替えればよい。
このように、移動子27は、それ自体が半永久的な分極帯電部を備えているので、例えば、誘導電荷形アクチュエータのように、電圧印加、電荷蓄電及び静電誘導を繰り返す手数と時間を要することなく、単に駆動電圧の印加だけで移動子を迅速に駆動することができる。
次に、本発明の第1実施形態に係る絞り装置ついて、図9〜図11を参照しつつ説明する。図9は本発明の第1実施形態に係る絞り装置を示す斜視図であり、図10は図9に示す本絞り装置の分解斜視図である。図11(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。
図9及び図10において、本実施形態に係る絞り装置40は、例えば、デジタルカメラ用撮像ユニットや携帯機器用撮像ユニットに用いられ、第1基板41,遮光幕42,間隔維持部43,第2基板44,光センサ(フォトインタラプタ)45で構成してある。そして、第1及び第2基板41,44は、間隔維持部43を介して遮光幕42を挟んで設置してある。
第1基板41は、被写体からの光束を通過させる第1光学的開口41aを形成した板状部材であり、遮光幕42の光軸方向の移動を規制する押さえ板の役割を果たすものである。したがって、該遮光幕42を駆動させるための帯状電極は形成していない。
また、本実施携帯では、該第1基板41の左下コーナ部に第2光学的開口41bが形成してある。該第2光学的開口41bは、被写体からの光束と異なる光束を通過させるためのものであり、第1光学的開口41aと同様に、必ずしも貫通孔のような物理的開口部に限らず、例えば、第1基板41を透過部材とし、該第2光学的開口41bに相当する部分以外を塗装することによって透過領域とした構成としてもよいことは上述の通りである。
遮光幕42は、図5又は図8で説明した移動子27に相当するものであるが、該移動子27と異なり、その中央に、前記第1基板41の第1光学的開口41aより直径の小さい絞り開口42aが形成してある。該絞り開口42aは、第1光学的開口41aを通過する光束を制限する絞りであり、これら二つの開口を選択することにより、絞りを二段階に調整可能となっている。また、遮光幕42は、その内部に永久分極された前記誘電体(エレクトレット)を複数備えている(図示せず)。
間隔維持部43は、第1及び第2基板41,44相互の間隔を維持するために設けた矩形枠状部材であり、遮光幕42よりも若干大きい厚みを有している。これにより、間隔維持部43は、第1及び第2基板41,44の相互間において微少な間隙を形成し、遮光幕42を進行方向に移動可能に保持している。
第2基板44は、図5又は図8で説明した固定子25に相当するものであり、その表面に遮光幕42を駆動させるための帯状電極44aが形成してあるとともに、その中央右側に矩形の第1光学的開口44bが形成してある。但し、本実施携帯では、上述した固定子25と異なり、該第2基板44の左下コーナ部に第2光学的開口44cが形成してある。該第2光学的開口44cは、本絞り装置40を組み立てたときに、前記第1基板41の第1光学的開口41bと一致して、第1及び第2基板41,44を貫く通過窓を形成する。
光センサ45は、略凹字状となっており、スリットを介して発光部45aと受光部45bを互いに対向させた状態で一体化した構成としてある。該光センサ45は、図9に示すように、組み立てた第1及び第2基板41,44の左下コーナ部に取り付け、発光部45aと受光部45bの間に第2光学的開口41b,44cを配置して、該第2光学的開口41b,44cの通過状態又は遮蔽状態、すなわち、遮光幕42の位置を検知することができる。
詳述すると、例えば、図11(a)を遮光幕42の初期位置とした場合、第2光学的開口41b,44cが遮光幕42により遮られ、該遮蔽状態を光センサ45が検知する。一方、図11(b)に示すように、遮光幕42を第1基板41の右側に移動させることにより、第2光学的開口41b,44cが通過状態となり、光センサ45がこれを検知する。
なお、本実施形態における「通過状態」とは、第2光学的開口41b,44cが開放され、光路が開かれた状態をいい、「遮蔽状態」とは、第2光学的開口41b,44cが遮光幕42により遮られ、光路が閉じられた状態をいうものとする。
このような本実施形態に係る光量制御装置40によれば、第1及び第2基板41,44にそれぞれ第2光学的開口41b,44cを形成するといった簡単な構成により、該第2光学的開口41b,44cの通過又は遮蔽に基づいて、遮光幕42の初期位置を検知することができる。これにより、光センサ45が遮光幕42の初期位置(本実施形態では退避位置)を検知したと同時に駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができる。
なお、図11(a),(b)では、第2光学的開口41b,44cに配置した光センサ45によって、遮光幕42の絞り開口42aが第1光学的開口41aから退避した状態を検出する構成としたが、これとは逆に、絞り開口42aが第1光学的開口41aの中に進入した状態を検出する構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、第2光学的開口41b,44cの完全通過状態(光束を全て通過又は透過させる完全開放の状態)と、完全遮蔽状態(光束を全て遮る完全遮蔽の状態)とを光センサ45によって検出しているが、これら完全通過,完全遮蔽に限定されるものではない。すなわち、光センサ45によって遮光幕42が第1光学的開口41aから退避しているか、進入しているか(退避している以外の状態か)を検出することができればよいので、例えば、完全通過,完全遮蔽ではなく、遮光幕42の位置により第2光学的開口41b,44cが一部通過,一部遮蔽となった状態を光センサ45によって検知してもよいし、また、遮光幕42の、第2光学的開口41b,44cを遮る部分に色フィルタ等を取り付けて透過光の波長特性を変化させ、これを光センサ45などの光学的検出手段で検出することにより、遮光幕42の位置の特定が可能となり、本実施形態と同様の作用効果を期待することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る絞り装置ついて、図12及び図13を参照しつつ説明する。図12は本発明の第2実施形態に係る絞り装置を示す斜視図であり、図13は図12に示す本絞り装置の光センサを省略した分解斜視図である。
これら図面において、本実施形態に係る絞り装置50は、第1基板51,第1間隔維持部52,第1遮光幕53,第2基板54,第2遮光幕55,第2間隔維持部56,第3基板57,2組の光センサ58A,58B、59A,59Bで構成してある。
第1基板51は、上述した第1実施形態における第1基板41(図10参照)と同様、第1光学的開口51aを形成した板状部材であり、第1遮光幕53の光軸方向の移動を規制する押さえ板の役割を果たし、したがって、該第1遮光幕53を駆動させるための帯状電極は形成していない。但し、第1実施形態とは異なり、本実施形態における第1基板51では、その左下及び左上コーナ部のそれぞれに、第2及び第3光学的開口51b,51cが形成してある。第3光学的開口51cは、第1及び第2光学的開口51a,51bを通過する光束と異なる光束を通過させる。
第1間隔維持部52は、第1及び第2基板51,54相互の間隔を維持するために設けた矩形枠状部材であり、第1及び第2基板51,54の相互間において微少な間隙を形成し、第1遮光幕53を進行方向に移動可能に保持している。
第1遮光幕53は、上述した第1実施形態における遮光幕42(図10参照)と同様、その中央に、前記第1基板51の第1光学的開口51aより直径の小さい絞り開口53aが形成してあり、第2基板54との対向面である裏面に、永久分極された前記誘電体(エレクトレット)を複数備えている(図示せず)。但し、第1実施形態とは異なり、本実施形態における第1遮光幕53では、その左上コーナ部に、前記第1基板51の第3光学的開口51cに対応する切欠部53bが形成してある。
第2基板54は、上述した第1実施形態における第2基板44(図10参照)と同様、その表面に第1遮光幕53を駆動させるための帯状電極54aが形成してあるとともに、その中央右側に矩形の第1光学的開口54bが形成してある。
但し、第1実施形態とは異なり、本実施形態における第2基板54では、その左下及び左上コーナ部のそれぞれに、第2及び第3光学的開口54c,54dが形成してある。これら、第2及び第3光学的開口54c,54dは、前記第1基板51の第2及び第3光学的開口51b,51cに対応し、また、第3光学的開口54dは、前記第1遮光幕53の切欠部53bにも対応している。
第2遮光幕55は、前記第1遮光幕53とほぼ同様の構成となっているが、該第1遮光幕53の光学的開口53aよりもさらに直径の小さい絞り開口55aが形成してある。また、第2遮光幕55の左下コーナ部には、第1及び第2基板51,54の第2光学的開口51b,54cに対応する切欠部55bが形成してある。
第2間隔維持部材56は、第2及び第3基板54,57相互の間隔を維持するために設けた矩形枠状部材であり、前記第1間隔維持部52と同様、第2及び第3基板54,57の相互間において微少な間隙を形成し、第2遮光幕55を進行方向に移動可能に保持している。
第3基板57は、上述した第2基板54と同様、その表面に第2遮光幕55を駆動させるための帯状電極57aが形成してあるとともに、その中央右側に矩形の第1光学的開口57bが形成してある。また、該第3基板57の左下及び左上コーナ部のそれぞれには、第2及び第3光学的開口57c,57dが形成してある。これら、第2及び第3光学的開口57c,57dは、前記第1及び第2基板51,54の第2及び第3光学的開口51b,51c及び54c,54dに対応し、また、第2光学的開口57cは、前記第2遮光幕55の切欠部55bにも対応している。
図12に示すように、本絞り装置50の最外層を構成する第1及び第3基板51,57の各第2及び第3光学的開口51b,51c及び57c,57dには、それぞれ光センサ58A,58B及び59A,59Bが取り付けてある。これらのうち、光センサ58A,59Aは発光部、光センサ58B,59Bは受光部となっている。
上記構成からなる本絞り装置50によれば、第1及び第2遮光幕53,55が、その移動範囲内において互いに異なる第1の位置と第2の位置に位置するときに、第2及び第3光学的開口51b,51c及び57c,57dそれぞれの状態が異なるので、光センサ58A,58Bにより第1遮光幕53の位置を、また、光センサ59A,59Bにより第2遮光幕55の位置をそれぞれ個別に検知することができる。
すなわち、第1遮光幕53を左側に退避させると、第2光学的開口51b,54c,57cが該第1遮光幕53によって遮られ、この遮蔽状態を光センサ58A,58Bが検知する。このとき、第2遮光幕55には、これら第2光学的開口51b,54c,57cに対応する切欠部55bが形成してあるので、光センサ58A,58Bが、左側に退避した第2遮光幕55を検知してしまうことはない。
一方、第2遮光幕55を左側に退避させると、第3光学的開口51c,54d,57dが該第2遮光幕55により遮られ、この遮蔽状態を光センサ59A,59Bが検知する。このとき、第1遮光幕53には、これら第3光学的開口51c,54d,57dに対応する切欠部53bが形成してあるので、光センサ59A,59Bが、左側に退避した第1遮光幕53を検知してしまうことはない。
このような本実施形態の光量制御装置50によれば、第1〜第3基板51,54,57に第2及び第3光学的開口51b,54c,57c及び51c,54d,57dを形成するとともに、第1及び第2遮光幕53及び56に切欠部53b,55bを形成するといった簡単な構成により、これら第1及び第2遮光幕53及び56の初期位置(退避位置)を個別に検知することができ、該初期位置の検知と同時に駆動パルス信号をOFF(遮光幕を基板に吸引保持する状態)にして省電力化を図ることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る絞り装置ついて、図14及び図15を参照しつつ説明する。図14は本発明の第3実施形態に係る絞り装置を示す分解斜視図であり、図15(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。
図14において、本実施形態の絞り装置60は、第1基板61,第1遮光幕62,第2遮光幕63,間隔維持部64,第2基板65,4組の光センサ66A,66B、67A,67B、68A,68B、69A,69Bで構成してある。
第1基板61は、上述した第1及び第2実施形態における第1基板41,51(図10及び図13参照)と同様の第1光学的開口61aを有しているが、その裏面に、第1遮光幕62を駆動させるための図示しない帯状電極が形成してある点で異なっている。
また、該第1基板61の左下コーナ部には第2光学的開口61b、中央右下部には第3光学的開口61c、右上コーナ部には第4光学的開口61d、中央右上部には第5光学的開口61eが形成してある。第1基板61下部の第2及び第3光学的開口61b,61cは、それぞれ第1遮光幕62の位置を検知するためのもの、第1基板61上部の第4及び第5光学的開口61d,61eは、それぞれ第2遮蔽幕63の位置を検知するためのものである。
第1及び第2遮光幕62,63は、上述した第1及び第2実施形態における遮光幕42,53,55(図10及び図13参照)と異なり、互いに対称的な略く字状又は逆く字状の部位を有している。これら略く字状又は逆く字状の部位は、第1光学的開口61aを通過する光束を制限する絞りのためのものであり、これら略く字状又は逆く字状の部位を重ね合わせることにより、所定径の絞り開口を形成することができる。
また、第1遮光幕62の上部には、前記第1基板61の第5光学的開口61eに対応する切欠部62aが、第2遮光幕63の下部には、前記第1基板61の第3光学的開口61cに対応する切欠部63aが形成してある。
なお、第1及び第2実施形態と同様、第1遮光幕62の表面及び第2遮光幕63の裏面には、永久分極された前記誘電体(エレクトレット)が複数形成してある(図示せず)。
間隔維持部64は、矩形枠状体の上下部分64A,64Aにそれぞれレール状の突起部64B,64Bを一体成形した構成となっており、上下部分64A,64Aで第1遮光幕62を進行方向にガイドするとともに、突起部64B,64Bで第2遮光幕63を進行方向にガイドする。
第2基板65は、帯状電極65aと矩形の第1光学的開口65bを有するとともに、第1基板の第2〜第5光学的開口61b〜61eに対応する第2,第3,第4及び第5光学的開口65c,65d,65e,65fが形成してある。
そして、上述した第1基板61,第1遮光幕62,第2遮光幕63,間隔維持部64,第2基板65を組み立てたとき、互いに対応する第2光学的開口61b,65cにはそれぞれ光センサ66A,66Bが、第3光学的開口61c,65dにはそれぞれ光センサ67A,67Bが、第4光学的開口61d,65eにはそれぞれ光センサ68A,68Bが、第5光学的開口61e,65fにはそれぞれ光学センサ69A,69Bが取り付けてある。
第1基板61の第2〜第5光学的開口61b〜61eに取り付けた光センサ66A〜69Aは発光部、第2基板65の第2〜第5光学的開口65c〜65fに取り付けた光センサ66B〜69Bは受光部となっている。
上記構成の本絞り装置60では、カメラの電源をONにすると、駆動パルス信号が出力され、図15(a)に示すように、第1及び第2遮光幕62,63が退避状態(開放状態)となる。すると、第1遮光幕62によって第2光学的開口61b,65cが遮られるとともに、第2遮光幕63によって第4光学的開口61d,65eが遮られ、該遮断状態を光センサ66A,66B及び68A,68Bが検知する。このときの検知信号に基づいて駆動パルス信号が停止され、第1及び第2遮光幕62,63を吸引状態にして保持する。
次いで、被写体の明るさに応じて所定の絞りで撮影を行う場合に、第1及び第2遮光幕62,63を光軸方向に駆動させ、第1及び第2遮光幕62,63の前記略く字状又は逆く字状の部位が第1光学的開口61aの中に進入すると、図15(b)に示すように、第1遮光幕62の下部先端によって第3光学的開口61d,65eが遮られるとともに、第2遮光幕63の上部先端によって第5光学的開口61e,65fが遮られ、該遮断状態を光センサ67A,67B及び69A,69Bが検知する。
このときの検知信号に基づいて駆動パルス信号が停止され、第1及び第2遮光幕62,63を第1及び第2基板61,65に吸引状態にして保持し、撮影を行う。撮影後は、再度開放状態に第1及び第2遮光幕62,63を駆動させる(カメラのシステムにより必ずしも開放状態に戻す必要はない)。
このような本絞り装置60によれば、第2及び第4光学的開口61b,65c及び61d,65eの遮蔽に基づいて、第1及び第2遮光幕62,63の退避状態を検知することができ、該検知と同時に駆動パルス信号をOFF(吸引状態)にして省電力化を図ることができる。
さらに、本絞り装置60によれば、第3及び第5光学的開口61c,65d及び61e,65fの遮蔽に基づいて、第1及び第2遮光幕62,63を所定の位置で正確に停止させることができ、より高精度な絞り制御を実現することが可能となる。
次に、本発明の第4実施形態に係る絞り装置ついて、図16を参照しつつ説明する。図16は本発明の第4実施形態に係る絞り装置を示す分解斜視図である。
本実施形態の絞り装置70は、第1実施形態と同様の第1基板71,遮光幕72,間隔維持部73、及び第1実施形態とは異なる第2基板74,光センサ(フォトリフレクタ)75を備えた構成となっている。
すなわち、第1基板71は、第1実施形態の第1基板41(図10参照)と同様、第1及び第2光学的開口71a,71bを有する押さえ板である。また、絞り開口72aを形成した遮光幕72、及び矩形枠状体の間隔維持部73も、第1実施形態の遮光幕42及び間隔保持部材73(図10参照)と同一の構成としてある。
一方、第2基板74は、帯状電極74aと矩形の光学的開口74bを有するが、第1実施形態の如き第2光学的開口44c(図10参照)を形成せず、その左下コーナ部74cにも前記帯状電極74aが連成してある。また、光センサ75は、発光部からの光を対象物に反射させて受光するフォトリフレクタを採用しており、該光センサ75を第1基板71の第1光学的開口71bに取り付けてある。
このような本実施形態の絞り装置70では、光を反射する金属製の帯状電極74aと、光を反射しない遮光幕74の黒色艶消し処理とを利用して、一台の光センサ75で該遮光幕74の退避状態を検知している。すなわち、遮光幕74が右側に移動して閉じた状態のときは、光センサ75の発光が帯状電極74aに反射されて再び該光センサ75に入力されるが、遮光幕74が左側に退避して開いた状態のときは、光センサ75の発光が遮光幕74に遮られ、該遮断に基づいて遮光幕72の退避状態を検知することができる。この結果、第1実施形態と同様の作用効果を奏しつつ、部品点数の大幅な減少による構成の簡単化を図ることができる。
次に、本発明の第5実施形態に係る絞り装置ついて、図17,図18を参照しつつ説明する。図17は本発明の第5実施形態に係る絞り装置を示す斜視図であり、図18(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。
図17において、本実施形態に係る絞り装置80は、第1実施形態に係る絞り装置40(図10参照)の変更例であり、第1及び第2基板81,84に、その第1及び第2光学的開口81a,84b及び81b,84cを通過する光束と異なる光束を通過させる第3光学的開口81c,84dを更に有する構成としてある。
詳述すると、本実施形態に係る絞り装置80は、第1基板81,遮光幕82,間隔維持部83,第2基板84,二つの光センサ(フォトインタラプタ)85及び86で構成してある。第1基板81には、第1実施形態と同様の第1及び第2光学的開口81a,81bに加えて、更に第3光学的開口81cが形成してあり、一方、第2基板84には、第1実施形態と同様の第1及び第2光学的開口84b,84cに加えて、更に第3光学的開口84dが形成してある。これら第3光学的開口81c,84dは、本絞り装置80を組み立てたときに互いに一致して、第1及び第2基板81,84を貫く通過窓を形成する。
また、第1及び第2基板81,84の第2光学的開口81b,84cには、第1実施形態と同様に第1光センサ85が配設してあることに加え、本実施形態では、第3光学的開口81c,84dにも、これと同様の第2光センサ86が配設してある。これら第1及び第2光センサ85,86は、それぞれ発光部85a,86aと受光部85b,86bを有している。
なお、小径の絞り開口82aを形成した遮光幕82と、間隔維持部83とは、第1実施形態と同一の構成となっているので詳細な説明は省略する。
上記構成からなる本実施形態の絞り装置80では、図18(a)に示すように、遮光幕82を図中左側に退避させ、第1基板81の大径の第1光学的開口81aを選択した場合は、第1実施形態と同様に、該遮光幕82によって、第1及び第2基板81,84の各第2光学的開口81c,84dが遮られ、これを第1光センサ85が検知する。
一方、図18(b)に示すように、遮光幕82を第1基板81の図中右側に移動させ、該遮光幕82の小径の絞り開口82aを選択した場合は、該遮光幕82によって、第1及び第2基板81,84の各第3光学的開口81c,84dが遮られ、これを第2光センサ86が検知する。
このような本絞り装置80によれば、遮光幕82を図中左側に退避させた場合に加え、該遮光幕82を図中右側、すなわち、該遮光幕82の小径絞り開口82aを選択した場合も、その位置を検知することができ、絞り開口82aを正確に制御することができるとともに、第2光センサ86が遮光幕82を検知したときに駆動パルス信号を停止し、該遮光幕82の保持に切り替えることにより省電力化を図ることができる。
なお、上述した第5実施形態の構成は、遮光幕が一枚の絞り装置に限らず、第2,第3実施形態のように、遮光幕を複数枚有する絞り装置にも適用することができ、必要に応じて種々の組み合わせができることはいうまでもない。
以上、本発明の第1〜第5実施形態に係る絞り装置について述べたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、いずれも遮光幕が退避したときと、絞りを形成したときとの2点位置を、第2乃至第5光学的開口の通過状態又は遮蔽状態に基づいて検出していたが、これに限定されるものではなく、前記遮光幕のその移動範囲内における所定位置を、該遮光幕による前記第2乃至第5光学的開口の種々の状態変化に基づいて検出することができる。
また、遮光幕の枚数や該遮光幕を検出するための光学的開口の数も上述した第1〜第5実施形態に係る絞り装置に限定されるものではなく、遮光幕をN(N≧2)枚とした場合は、これら遮光幕を検出するための光学的開口の数を少なくともN個以上とすればよい。
同図(a),(b) は、デジタルカメラの概略構成を示す図であり、同図(a) はデジタルカメラの前面からの外観を示す斜視図、同図(b) はデジタルカメラ内部の主要部の配置状態を示す斜視図である。 図1(b) に示すレンズ装置のA−A´矢視断面をデジタルカメラの図1(b) の左方から見た図であり、レンズユニット各部の概略の構成を示している。 同図(a) は、図1(b) に示したレンズ装置をデジタルカメラの図1(b) の背面側から見た拡大斜視図であり、同図(b) はそのシャッタ装置を単独に示す図、同図(c) は撮像素子を単独に示す図である。 上記シャッタ装置の分解斜視図である。 同図(a),(b) は、上記シャッタ装置における遮光幕の駆動原理を説明する図である。 同図(a),(b) は、上記シャッタ装置における遮光幕の駆動原理を説明する図である。 駆動回路によって生成されて帯状電極に印加される電圧信号列を示す図である。 前記エレクトレットシャッタの動作を説明する図である。同図(a) は図7において各帯状電極A,B,C,Dの電圧状態が、図7に示したt1の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。同図(b) は、上記に続いて図7に示したt2の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと駆動電極との対応関係を示している。同図(c) は、上記に続いて図7に示したt3の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示し、同図(d) は、同図(c) に続いて図7に示したt4の印加電圧の状態に切り替った直後のエレクトレットと帯状電極との対応関係を示している。 本発明の第1実施形態に係る絞り装置を示す斜視図である。 図9に示す本絞り装置の分解斜視図である。 同図(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る絞り装置を示す斜視図である。 図12に示す本絞り装置の光センサを省略した分解斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る絞り装置を示す分解斜視図である。 同図(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。 本発明の第4実施形態に係る絞り装置を示す分解斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る絞り装置を示す斜視図である。 同図(a),(b)は本絞り装置における遮光幕の位置検知の説明図である。
符号の説明
1…デジタルカメラ
2…撮影レンズ窓
3…ストロボ照射窓
4…レリーズボタン
5…回路基板
6…電池
7…レンズ装置
8…第1固定鏡枠部
9…第1固定レンズ部
11…第1移動鏡枠
12…第1移動レンズ部
13…第2移動鏡枠
14…第2移動レンズ部
15…第3移動鏡枠
16…第3移動レンズ部
17…第2固定鏡枠部
18…第2固定レンズ部
19…撮像素子
20…シャッタ位置(絞り位置)
21…シャッタ装置
22…光学的開口
23…退避部
24…受光面
25…第1基板
26…間隔維持部(スペーサ)
27…遮光幕
28…第2基板
29…光学的開口
31…帯状電極
32…駆動回路
33…誘電体(エレクトレット)
34…パルス発生回路
35…昇圧回路
36…位相器
40…絞り装置
41…第1基板
41a…第1光学的開口
41b…第2光学的開口
42…遮光幕
42a…絞り開口
43…間隔維持部
44…第2基板
44a…帯状電極
44b…第1光学的開口
44c…第2光学的開口
45…光センサ(フォトインタラプタ)
45a…発光部
45b…受光部
50…絞り装置
51…第1基板
51a…第1光学的開口
51b…第2光学的開口
51c…第3光学的開口
52…第1間隔維持部
53…第1遮光幕
53a…絞り開口
53b…切欠部
54…第2基板
54a…帯状電極
54b…第1光学的開口
54c…第2光学的開口
54d…第3光学的開口
55…第2遮光幕
55a…絞り開口
55b…切欠部
56…第2間隔維持部
58A,58B,59A,59B…光センサ
60…絞り装置
61…第1基板
61a…第1光学的開口
61b…第2光学的開口
61c…第3光学的開口
61e…第4光学的開口
62…第1遮光幕
62a…切欠部
63…第2遮光幕
63a…切欠部
64…間隔維持部
64A…上下部分
64B…突起部
65…第2基板
65a…帯状電極
65b…第1光学的開口
65c…第2光学的開口
65d…第3光学的開口
65e…第4光学的開口
65f…第5光学的開口
66A,66B,67A,67B,68A,68B,69A,69B…光センサ
70…絞り装置
71…第1基板
71a…第1光学的開口
71b…第2光学的開口
72…遮光幕
72a…絞り開口
73…間隔維持部
74…第2基板
74a…帯状電極
74b…第1光学的開口
74c…右下コーナ部
75…光センサ(フォトリフレクタ)
80…絞り装置
81…第1基板
81a…第1光学的開口
81b…第2光学的開口
81c…第3光学的開口
82…遮光幕
82a…絞り開口
83…間隔保持部
84…第2基板
85…第1光センサ
86…第2光センサ
85a,86a…発光部
85b,86b…受光部


Claims (21)

  1. 被写体から当該被写体像が結像する面に至るカメラの光学系に設けられ、当該被写体からの光量を制御する絞り装置であって、
    前記被写体からの光束を通過させる第1の光学的開口と、前記被写体からの光束と異なる光束を通過させる第2の光学的開口とが形成された基板と、
    前記基板上に設けられ、所定のピッチで形成された複数の帯状電極と、
    前記基板上に配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動するものであって、前記第1の光学的開口を通過する光束を制限する絞りのための開口又は部位を有する遮光幕と、
    を有し、
    前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに前記遮光幕によって前記第2の光学的開口の状態が変化することを特徴とする絞り装置。
  2. 前記第2光学的開口の状態を検出する光センサをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  3. 前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに、前記第2の光学的開口が遮蔽状態又は通過状態となることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  4. 前記所定の位置は、前記遮光幕が前記第1の光学的開口から退避した、又は前記遮光幕に設けられた前記絞りのための開口又は部位が前記第1の光学的開口の中に進入した位置であることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  5. 前記基板は、さらに、第1及び第2の光学的開口を通過する光束と異なる光束を通過させる第3の光学的開口を有することを特徴とする請求項1記載の絞り装置。
  6. 前記第3の光学的開口を検出する光センサをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の絞り装置。
  7. 前記遮光幕がその移動範囲内において互いに異なる第1の位置と第2の位置に位置するときに、前記第2の光学的開口と前記第3の光学的開口それぞれの状態が異なることを特徴とする請求項5に記載の絞り装置。
  8. 前記第1の位置に前記遮光幕が位置するときは、前記第2の光学的開口が遮蔽状態となるとともに前記第3の光学的開口が通過状態になり、
    前記第2の位置に前記遮光幕が位置するときは、前記第2の光学的開口が通過状態となるとともに前記第3の光学的開口が遮蔽状態となることを特徴とする請求項7に記載の絞り装置。
  9. 前記第1の位置は、前記遮光幕が前記第1の光学的開口から退避した位置であることを特徴とする請求項7に記載の絞り装置。
  10. 前記第2の位置は、前記遮光幕に設けられた前記絞りのための開口又は部位が前記第1の光学的開口の中に進入した位置であることを特徴とする請求項7に記載の絞り装置。
  11. 第1の遮光幕として、請求項1に記載の前記遮光幕に加えて、
    前記第1の遮光幕が配置された基板上の面に沿って配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動する第2の遮光幕をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  12. 前記基板は、さらに、第1及び第2の光学的開口を通過する光束と異なる光束を通過させる第3の光学的開口を有することを特徴とする請求項11に記載の絞り装置。
  13. 前記第2と第3の光学的開口の状態を検出する光センサをさらに有することを特徴とする請求項12に記載の絞り装置。
  14. 前記第2の遮光幕がその移動範囲内において所定の位置に達するときに、前記第3の光学的開口の状態が変化することを特徴とする請求項12に記載の絞り装置。
  15. 前記第2の遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに、前記第3の光学的開口が遮蔽状態又は通過状態となることを特徴とする請求項14に記載の絞り装置。
  16. 前記第1の遮光幕は前記第3の光学的開口の状態を、前記第2の遮光幕は前記第2の光学的開口の状態を、変化させないように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の絞り装置。
  17. 前記第1の遮光幕は前記第3の光学的開口を、前記第2の遮光幕は前記第2の光学的開口をそれぞれ遮蔽しないための切欠きを有していることを特徴とする請求項16に記載の絞り装置。
  18. 第1の基板として、請求項1に記載の前記基板に対して所定の間隙を有して対向する第2の基板をさらに備え、当該二つの基板は、前記遮光幕を挟んで設置されていることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  19. 前記第2の基板は、前記第1及び第2の光学的開口を通過する光束を透過又は通過させる部位を有することを特徴とする請求項18に記載の絞り装置。
  20. 被写体から当該被写体像が結像する面に至るカメラの光学系に設けられ、当該被写体からの光量を制御する絞り装置であって、
    前記被写体からの光束を通過させる第1の光学的開口と、前記被写体からの光束と異なる光束を通過させる第2の光学的開口とが形成された基板と、
    前記基板上に設けられ、所定のピッチで形成された複数の帯状電極と、
    前記基板上に配置されるとともに、所定のピッチで電気的に分極された誘電体を含み、前記基板上に帯状電極に印加された電圧により所定の方向に移動するものであって、前記第1の光学的開口を通過する光束を制限する絞りのための開口又は部位を有するN(N≧2)枚の遮光幕と、を有し、
    前記遮光幕がその移動する範囲内において所定の位置に達するときに前記遮光幕によって前記第2光学的開口の状態が変化し、前記第2の光学的開口は少なくともN個以上あることを特徴とする絞り装置。
  21. 請求項1乃至20に記載の何れかの絞り装置を搭載したことを特徴とするカメラ。

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