JP2005315367A - 高圧ガス容器用ライナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス(特に水素)のバリア性と低温での耐衝撃性とを両立させる。単層構造の成形を可能にして簡単に且つ安価に成形加工する。
【解決手段】 高圧ガス容器1用のライナー2は、エチレン含量が20〜35mol%のエチレンービニルアルコール共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)からなり、且つ、(A)マトリックス中における(B)の平均分散粒子径が1μ以下(好ましくは0.5μ以下)であり、且つ(B)の(A)+(B)に対する組成比率が15〜40wt%である。(A)の210℃におけるMIは3〜50が好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素、CNG等のガスを高圧下で貯溜する高圧ガス容器のライナーに関するものである。
従来、高圧ガス容器(特にそのライナー)の材料には金属が使用されていたが、最近では軽量化等のために樹脂が使用されてきている。この樹脂製高圧ガス容器用ライナーは、ガス(特に水素)のバリア性に優れたエチレン−ビニルアルコール系共重合体よりなるバリア層と、該バリア性の耐衝撃性の低さを補うための熱可塑性樹脂よりなる層とを積層した積層構造よりなるものがほとんどである(特許文献1、2)。しかし、積層構造の高圧ガス容器用ライナーは、多層ブロー成形という複雑な成形加工が必要になるため、コスト高となる。また、形状が複雑な部分や寸法が小さい部分は多層ブロー成形することが困難なため、形状寸法が制約されるという問題もある。
そこで、エチレン−ビニルアルコール系共重合体に柔軟な熱可塑性樹脂をブレンドした樹脂組成物を用いて単層構造の高圧ガス容器用ライナーを成形することが検討されている。例えば、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と、ポリアミド樹脂と、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩と、11以下の溶解性パラメータを有する熱可塑性樹脂とを所定の配合重量割合でブレンドした樹脂組成物が案出されている(特許文献3)。しかし、この樹脂組成物は、ガソリン及び酸素のバリア性は実用になるが、水素のバリア性に劣る熱可塑性樹脂が連続相となりエチレン−ビニルアルコール系共重合体が分散層になるとされていることから、水素のバリア性については疑問があり、低温での耐衝撃性は高圧水素ガス容器用ライナーの要求を満足しない。また、エチレン−ビニルアルコール系共重合体にその他の熱可塑性樹脂をブレンドすることも検討されているが、特に水素のバリア性と低温での耐衝撃性とを満足させるような解決策は未だ見出されていない。
また、上記以外にエチレンービニルアルコール系共重合体を改質する方法として特許文献4、5があるが、高圧ガス容器への検討は未実施である。
特開平5−318676号公報 特開平8−34888号公報 特開平2000−313749号公報 特開平6−345876号公報 特開昭58−7443号公報
本発明の目的は、上記問題を解消し、ガス(特に水素)のバリア性と低温での耐衝撃性とを両立させることができ、また、単層構造の成形を可能にして成形装置で簡単に且つ安価に成形加工することができる高圧ガス容器用ライナーを提供することにある。
本発明に係る高圧ガス容器用ライナーは、エチレン含量が20〜35mol%のエチレンービニルアルコール共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)からなり、且つ、(A)マトリックス(連続相)中における(B)の平均分散粒子径が1μ以下であり、且つ(B)の(A)+(B)に対する組成比率が15〜40wt%である。分散粒子径は0.01〜0.5μmである事が好ましい。
1.エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)
エチレンービニルアルコール系共重合体(A)は、主としてエチレン単位とビニルアルコール単位とからなる共重合体である。本発明において使用されるエチレンービニルアルコール系共重合体は、エチレン含量(Et.含量)が20〜35mol%である。Et.含量が20mol%未満では成形加工が困難となり、35mol%を超えると、水素等に対するガスバリアー性が不足する。またガラス転移温度も低くなるため、フィラメントワインディング(F/W)時に必要な高温での弾性率が確保できない。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体は、後述するように、代表的にはエチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体ケン化物であるが、エチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体ケン化物の場合、脂肪酸ビニルエステル単位のケン化度は、得られるエチレン−ビニルアルコール系共重合体の遮断性と熱安定性の高さの点から、50モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましく、98モル%以上であることが特に好ましい。
エチレンービニルアルコール系共重合体(A)のメルトインデックス(MI)(温度210℃、荷重2.16kg条件下でASTM D1238記載の方法で測定)は好適には3〜50である。3未満では、スチレン系エラストマーとの組成物の成形加工性が損なわれ、50を超えると、スチレン系エラストマーとの組成物の耐衝撃強度が不足する懸念がある。
エチレンービニルアルコール系共重合体には、エチレン単位及びビニルアルコール単位に加えて、少量(好ましくは、全構成単位に対して10mol%以下)であれば、他の構成単位を有していても良い。他の構成単位としては、プロピレン、イソブチレン、4−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフンから誘導される単位を挙げることが出来る。官能基を有する場合はスチレン系エラストマーとの組成物の流動性が著しく低下し、成形性不良が懸念される。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、公知の方法に従って、エチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体を製造し、次いで、これをケン化することによってエチレン−ビニルアルコール系共重合体を製造することができる。エチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体は、例えば、主としてエチレンと脂肪酸ビニルエステルとからなる単量体を、メタノール、t−ブチルアルコール、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒中、加圧下に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を用いて重合させることによって得られる。該脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、バーサチック酸ビニルエステル、ピバリン酸ビニルエステル、バレリン酸ビニルエステル、カプリン酸ビニルエステルなどを使用することができるが、これら中でも酢酸ビニルエステルが好ましい。エチレン−脂肪酸ビニルエステル系共重合体のケン化には、酸触媒またはアルカリ触媒を使用することができる。
2.スチレン系エラストマー(B)
スチレン系エラストマー(B)としては、特に限定されないが、芳香族ビニル系単量体−ジエン系単量体−芳香族ビニル系単量体のブロック共重合体を好ましく挙げることができる。
スチレン系エラストマー(B)は、酸変性の有無を問わないが、酸変性されているとエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)に対するスチレン系エラストマー(B)の相溶性が向上し、スチレン系エラストマー(B)が微分散しやすい点で好ましい。特に、エチレンービニルアルコール系共重合体(A)は未変性品で、スチレン系エラストマー(B)は酸変性品であることが好ましい。
芳香族ビニル重合体ブロックの形成に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどの芳香族ビニル化合物を挙げることができる。
芳香族ビニル重合体ブロックは、前記した芳香族ビニル化合物の1種のみからなる構造単位を有していても、または2種以上からなる構造単位を有していてもよい。そのうちでも、芳香族ビニル重合体ブロックはスチレンに由来する構造単位から主としてなっていることが好ましい。芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物からなる構造単位と共に必要に応じて他の共重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよく、その場合の他の共重合性単量体からなる構造単位の割合は、芳香族ビニル重合体ブロックの質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の共重合性単量体単位としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどの単量体単位を挙げることができる。
共役ジエン重合体ブロックの形成に用いられるジエン系単量体としては、イソプレン、ブタジエン、ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。
共役ジエン重合体ブロックは、これらの共役ジエン化合物の1種から構成されていてもまたは2種以上から構成されていてもよい。共役ジエン重合体ブロックが2種以上の共役ジエン化合物に由来する構造単位を有している場合は、それらの結合形態はランダム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの2種以上の組み合わせなどのいずれであってもよい。そのうちでも、共役ジエン重合体ブロックは、イソプレン単位とする主体とする単量体単位からなるポリイソプレンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加(以下「水添」ということがある。)された水添ポリイソプレンブロック;ブタジエン単位を主体とする単量体単位からなるポリブタジエンブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添ポリブタジエンブロック;或いはイソプレン単位とブタジエン単位を主体とする単量体単位からなるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックまたはその不飽和結合の一部または全部が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックであることが好ましい。
共役ジエン重合体ブロックの構成ブロックとなり得る上記したポリイソプレンブロックでは、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH−C(CH)=CH−CH−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH(C(CH)=CH)−CH−;3,4−結合のイソプレン単位]および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH)(CH=CH)−CH−;1,2−結合のイソプレン単位]からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、各単位の割合は特に限定されない。
共役ジエン重合体ブロックの構成ブロックとなり得る上記したポリブタジエンブロックでは、その水素添加前には、そのブタジエン単位の70〜20モル%、特に65〜40モル%が2−ブテン−1,4−ジイル基(−CH−CH=CH−CH−;1,4−結合ブタジエン単位)であり、30〜80モル%、特に35〜60モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH)−CH−;1,2−結合ブタジエン単位]であることが好ましい。
共役ジエン重合体ブロックの構成ブロックとなり得る上記したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、その水素添加前に、イソプレンに由来する単位は2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基からなっており、またブタジエンに由来する単位は2−ブテン−1,4−ジイル基および/またはビニルエチレン基からなっており、各単位の割合は特に制限されない。イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、イソプレン単位とブタジエン単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、イソプレン単位:ブタジエン単位のモル比が1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとから主としてなるブロック共重合体は、熱可塑性重合体組成物の耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、その共役ジエン重合体ブロックにおける不飽和二重結合の一部または全部が水素添加されていることが好ましい。その際の共役ジエン重合体ブロックの水添率は50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
該ブロック共重合体において、芳香族ビニル重合体ブロックの分子量および共役ジエン重合体ブロックの分子量は特に制限されないが、水素添加前の状態で、芳香族ビニル重合体ブロックの数平均分子量が2,500〜75,000の範囲内にあり、共役ジエン重合体ブロックの数平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあることが、熱可塑性重合体組成物の力学的特性、成形加工性などの点から好ましい。なお、本明細書でいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値をいう。
何ら限定されるものではないが、該ブロック共重合体は、例えば、アニオン重合やカチオン重合などのイオン重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重合法などにより製造することができる。アニオン重合法による場合は、例えば、アルキルリチウム化合物などを重合開始剤として用いて、n−ヘキサンやシクロヘキサンなどの不活性有機溶媒中で、芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物などを逐次重合させ、所望の分子構造および分子量を有するジブロック共重合体またはトリブロック共重合体を製造した後、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素化合物を添加して重合を停止させることにより製造することができる。
3.その他の組成成分
樹脂組成物は、上記した成分の他に、必要に応じて、本発明の効果を実質的に損なわない範囲で、他の重合体を含有していてもよい。配合し得る他の重合体の例としては、 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂が挙げられる。
また、より柔軟化を図るためにパラフィン系オイルを含有させてもよい。
また、補強、増量、着色などの目的で、必要に応じて無機充填剤や染顔料などを含有することができる。無機充填剤や染顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
さらに、必要に応じて滑剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、発泡剤、香料などの他の成分の1種または2種以上を含有していてもよい。
4.組成比率
エチレンービニルアルコール共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物中におけるスチレン系エラストマー(B)の比率は15〜40重量%である。このスチレン系エラストマー(B)の比率が15重量%未満であると樹脂組成物ひいては高圧ガス容器用ライナーの耐衝撃性が劣ったものとなり、40重量%を超えると水素等に対するガスバリアー性及び高温での剛性が劣ったものとなる。
5.樹脂組成物の製造方法
本発明に用いる樹脂組成物は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)とを溶融混練して微細かつ均一に分散させることにより得られる。溶融混練には、各成分を均一に混合し得る溶融混練装置であればいずれの装置を使用してもよく、そのような溶融混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを挙げることができ、中でも混練中の剪断力が大きく連続的に運転できる二軸押出機を使用するのが好ましい。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、具体例として次のような加工工程を経由して製造することができる。すなわち、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)とを混合し、押出機のホッパーに投入する。エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)は、一部を押出機の途中から添加してもよい。溶融混練温度は約160〜280℃であるのが好ましく、200℃〜240℃であるのがより好ましい。溶融混練時間は約30秒〜5分間であるのが好ましい。
6.高圧ガス容器用ライナーの製造方法
高圧ガス容器用ライナーは、上記の樹脂組成物を用いて、特に限定されないが、射出成形、ブロー成形等で製造することができる。より具体的には、成形用金型に口金をセットしておき、該成形用金型に樹脂組成物を射出成形してライナーの半割品を得た後、その半割品同士を熱板溶着して円筒状のライナーを成形する方法を例示できる。
7.作用
上記のようにして得られる高圧ガス容器用ライナーは、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)がマトリックス(連続相)を形成するので、ガス(特に水素)のバリア性に優れる。また、該マトリックス中に平均分散粒子径1μm以下のスチレン系エラストマー(B)が微分散しているので、柔軟性が高く、低温での耐衝撃性が向上する。
本発明に係る高圧ガス容器用ライナーによれば、ガス(特に水素)バリア性に優れ、また、低温での耐衝撃性にも優れる。また、単層構造のライナーを可能にして成形装置で簡単に且つ安価に成形加工することができる。
高圧ガス容器用ライナーは、Et.含量が20〜35mol%のエチレンービニルアルコール共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)からなり、且つ、(A)マトリックス中における(B)の平均分散粒子径が1μ以下(好ましくは0.5μ以下)であり、且つ(B)の(A)+(B)に対する組成比率が15〜40wt%である。(A)の210℃におけるMIは3〜50が好ましい。(A)は未変性品で、(B)は酸変性品であることが好ましい。
以下、実施例を比較例とともに挙げて、本発明を具体的に説明する。表1及び表2に材料組成(単位は重量%)を示すとおり、実施例1〜4と比較例1〜9の各樹脂組成物を作成し、それぞれを用いて図1(a)に示す高圧ガス容器用ライナー2を製作した。この製作に当り、まず、成形用金型に予めボス3をインサートし、その中に上記の各樹脂組成物を射出成形してライナーの半割品を得た。次に、その半割品同士を熱板溶着して、図1(a)に示す端部の閉鎖した円筒状のライナー2を得た。ライナー2の厚さは円筒部で約2mmである。なお、このライナー2の外周面には図1(b)に示すようにフィラメントワインディング4が巻回形成され、高圧水素ガス容器1として仕上げられる。
実施例1は、Et.含量32mol%、210℃におけるMIが9であるエチレンビニルアルコール共重合体80重量部と、MAn変性SEBS(旭化成の商品(銘柄):タフテックM1913)20重量部を、二軸30mm押出機に供給し、温度220℃にて溶融混練してペレットにて組成物を得た。
実施例2は、実施例1の組成比率を変更したものである。
実施例3は、実施例1のSEBS銘柄を変更したものである。
実施例4は、実施例1のEVOHのMIを変更したものである。
比較例1は、実施例1のSEBSを未変性品に変更することで、分散粒子径が本発明の範囲外に至ったものである。
比較例2は、実施例1のSEBS組成比率を本発明の範囲外に変更したものである。
比較例3は、実施例1のSEBS組成比率を本発明の範囲外に変更することで、分散粒子径が本発明の範囲外に至ったものである。
比較例4は、実施例1のEVOHのEt.含量を本発明の範囲外のものに変更したものである。
比較例5は、市販のEVOHである。
比較例6〜9は、非EVOH系の4例である。
Figure 2005315367
Figure 2005315367
実施例及び比較例の各ライナー2について、次の各特性を調べ、上記の表1及び表2と下記の表3に示した。
[SEBSの平均分散粒子径]
実施例1〜4については、ライナー2の流動方向に垂直に液体窒素で冷却破断し、50℃ヘキサンやクロロホルム中に30分浸漬させた後取り出し、常温ドラフター内で3時間乾燥し、金蒸着した後、断面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察した。その結果、EVOHのマトリックス中にSEBSが分散相として微分散していることを確認し、その平均分散粒子径を求めた。
[水素透過係数]
JIS K7126A法(差圧法)に準じた差圧式ガスクロマトグラフィ法により気体透過係数を測定した。試験片の厚さ2mm、透過面積15.2cm2 、温度40℃、差圧0.1MPaである。
[MI]
ASTM D1238に準じて行った。測定温度210℃、荷重21.18Nである。
[アイゾット衝撃強度]
ISO180に準拠して行った。測定温度は23℃(常温)と−40℃である。
[ライナー(製品)落下試験]
実施例1、実施例4及び比較例8の材料組成物でそれぞれ成形したライナー2を、500mm毎に徐々に高くした高さから順次落下させて、ヒビあるいは割れが発生しない高さを求めた。温度については、製品温度が23℃(常温)又は−30℃になるようにそれぞれ調整し、室温雰囲気下で落下試験を実施した。その結果を下記の表3に示す。
Figure 2005315367
上記の表1〜表3に示す結果から明らかなように、実施例1〜4は比較例1〜9に対して総合的に優位であった。
すなわち、実施例1〜4では、SEBSの微分散、水素バリア性、耐衝撃性、耐熱性及び溶着性のいずれも良好であり、実際の製品落下試験も良好であった。
これに対し、比較例1のように未変性SEBSでは微分散せず、耐衝撃性に向上がみられない。
比較例2のようにSEBSが少ないと耐衝撃性が低く、比較例3のようにSEBSが多いと水素バリア性が低下する。
比較例4のようにEt.含量が多いと水素バリア性が低下し、耐熱性も低下する。
比較例5のように市販のEVOHでは水素バリア性は良好であるが、耐衝撃性が低い。
比較例6〜9のような非EVOH系の樹脂では水素バリア性が不足しており、ライナー材料としては不適である。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(a)は本発明に係る実施例(及び比較例)のライナーを示す側断面図であり、(b)は該ライナーを用いた高圧水素ガス容器を一部破断して示す側断面図である。
符号の説明
1 高圧水素ガス容器
2 ライナー
3 ボス
4 フィラメントワインディング

Claims (4)

  1. エチレン含量が20〜35mol%のエチレンービニルアルコール共重合体(A)とスチレン系エラストマー(B)からなり、且つ、(A)マトリックス中における(B)の平均分散粒子径が1μ以下であり、且つ(B)の(A)+(B)に対する組成比率が15〜40wt%である高圧ガス容器用ライナー。
  2. (A)の210℃におけるMIが3〜50である請求項1記載の高圧ガス容器用ライナー。
  3. (A)マトリックス中における(B)の平均分散粒子径が0.5μ以下である請求項1記載の高圧ガス容器用ライナー。
  4. (A)は未変性品で、(B)は酸変性品である請求項1記載の高圧ガス容器用ライナー。
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