JP2005314455A - ゴム用被覆材と該被覆材により被覆したゴムホース及び電線 - Google Patents

ゴム用被覆材と該被覆材により被覆したゴムホース及び電線 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムホースあるいは電線の製造工程を簡略するため、常圧の製造装置で加硫することができ、ゴムホースや電線の表面に熱可塑性樹脂や鉛を押出被覆するような煩雑な工程を必要としないゴム用被覆材を提供すること。さらに、軽量かつ柔軟であると同時に外部との摩擦に対する耐摩耗性が良好であるゴムホース、電線を提供すること。
【解決手段】X線回折により求めた長手方向の配向係数が0.75以上であり、極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するフィルムをゴムホースあるいは電線の被覆材として使用する。
【選択図】
なし

Description

本発明は、少なくとも超高分子量ポリオレフィン層からなり、特定の配向係数を有するゴム用被覆材および、この被覆材を用いることを特徴とするゴムホースあるいは電線の加硫方法に関する。また、上記方法で得られる、軽量かつ柔軟であると同時に外部との摩擦に対する耐摩耗性に優れたゴムホースあるいは電線に関するものである。
未加硫ゴムを加硫することで得られる加硫ゴムホース、あるいは電気絶縁層が加硫ゴムである電線を製造する際、熱による加硫時のゴムの発泡を防ぐためには加圧しながら加硫することが必要であり、そのための加硫方法としては、加硫装置内部を加圧する方法および未加硫ゴムホース、未加硫電線を熱可塑性樹脂あるいは金属で被覆して、その抱き締め力によってゴムの発泡を防ぐ方法が知られている。
加硫装置内部を加圧する方法としては、成形した未加硫のゴムホース、電線をドラムに巻き、加圧可能な加硫装置の中に入れ加圧した熱媒体、例えばスチームを吹き込んで加硫する方法や、ホースあるいは電線の押出成形装置に加圧可能な加硫槽を接続し、加硫槽内を加熱、加圧しながら押出成形した該ホースや電線を連続的に加硫するなどの方法がある。
また、加硫されるゴム材料を熱可塑性樹脂あるいは金属などで被覆して、その抱き締め力を利用する方法としては、ポリメチルペンテンあるいはポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を該ホースや電線の表面に押出被覆した後加硫する方法、鉛を該ホースや電線の表面に押出被覆した後加硫する方法や耐熱性の優れたナイロン製の布を該ホースや電線の表面に巻きつけた後加硫する方法(特開平8−296771号公報、特開2003−145634号公報)などがある。
しかし、上記の方法のうち、加硫装置内の圧力を上げて加硫する方法では加硫装置は高圧に耐える必要があるため高価であることや、加圧された熱媒体が吹き出す危険性などの問題点がある。また、熱可塑性樹脂や鉛を該ホースや電線の表面に押出被覆した後加硫する方法は、押出被覆する工程と加硫後に被覆層を剥がす工程があり煩雑である。またナイロン製の布を該ホースや電線の表面に巻き付けた後加硫する方法でも、ナイロン製の布を剥がす際に、加硫ゴムとナイロンが接着し剥がし難く、またホースや電線の表面に、巻きつけたナイロン製の布を剥がした際のあとが残るなどの問題がある。
またゴムは一般的に樹脂に比べて耐摩耗性が低いため、ゴムホースや電線では表面の耐摩耗性の向上を要求される場合が多い。例えば、クレーンやパワーシャベル等の油圧機に使用される耐圧ホースは、使用時にホースの表面が繰り返し接触することにより摩耗するため、表面を耐摩耗性が良好な素材で保護する必要がある。そこで、外装ゴムの最外層表面に低密度ポリエチレン(以後、LDPEと記載)製プロテクターとして、厚みが2mm程度のテープ幅のシートを螺旋状に巻き付ける構成となっている。しかし、このような従来の耐圧ホースは、フレキシビリティー性に乏しいため、ホースを曲げる際の半径が大きく、ホースが固いため油圧ライン組み立て時における作業性が悪い。また、ゴムホース表面が高温雰囲気にさらされた時の耐摩耗性が悪いなどの問題点があり、非常に取り扱い難いホースしか得られていないのが実情である。特開平8−72177号公報には、ポリエチレンフィルムをオーバーラップしないようにゴムホースの表面に複数枚配設することにより曲げ剛性を抑制する方法が開示されているが、この方法では外装ゴムが剥き出しになる部分が生じ、耐久性の面で十分とは言えない。
特開平8−296771号公報 特開2003−145634号公報 特開平8−72177号公報
本発明は、上記問題点を解決するものであり、すなわち、ゴムホースあるいは電線の製造工程を簡略にするため、常圧の製造装置で加硫することができ、ゴムホースや電線の表面に熱可塑性樹脂や鉛を押出被覆するような煩雑な工程を行うことなく、ゴムの発泡を防止することができる被覆材を提供する。また、フレキシビリティーに優れた、軽量かつ柔軟であると同時に、外観が良好であり、外部との摩擦に対する耐摩耗性が良好であるゴムホース、電線を提供することである。
本発明者らは、上記の問題点を解決する方法について鋭意検討した結果、特定の物性を有する超高分子量ポリオレフィンからなる層を有するフィルムを被覆層として用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成した。
即ち本発明は、X線回折により求めた長手方向の配向係数が0.75以上であり、極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するゴム用被覆材を提供する。
また本発明は、加硫剤を含む未加硫ゴム層を有する成形体の表面に上記超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するゴム用被覆材を巻き付けた後に加硫する、ゴムホースあるいは電線の加硫方法を提供する。
また本発明は、表面に上記超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するゴム用被覆材を巻き付けた後に加熱して加硫することによって、表面に超高分子量ポリオレフィンの薄膜が強固に接着された、外観が良好であり、かつ耐摩耗性に優れたゴムホース、電線を提供する。
さらに本発明は、溶融状態のチューブ状フィルムの引き取り速度が押出速度の1.5倍以上であり、かつ膨比が1〜3倍でインフレーション成形して得られるフィルムである、ゴム用被覆材の製造方法を提供する。
本発明の超高分子量ポリオレフィンからなるゴム用被覆材は、優れた収縮性を有しており、ゴムホースや電線に巻き付けて、そのまま加熱して加硫してもゴムの発泡を防止でき、高圧加硫装置や表面に熱可塑性樹脂や鉛を押出し被覆して加硫した後、熱可塑性樹脂や鉛を剥がしたり、ナイロン製の布を巻きつけて加硫した後、ナイロン製の布を剥がすような煩雑な工程を必要としない。また、被覆されたゴムホースや電線は軽量かつ柔軟であるとともに、外観が良好で、耐摩耗性も良好であり、工業的価値は極めて高い。
本発明のゴム用被覆材は、X線回折により求めた長手方向の配向係数が0.75以上であり、極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するゴム用被覆材である。以下、その製造法を詳細に説明する。
(超高分子量ポリオレフィン)
本発明の超高分子量ポリオレフィンは、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、炭素原子数3〜10のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。これらの中で経済性などの面から、特にエチレンの単独重合体または、エチレンを主体とした上記α−オレフィンとの共重合体が好適に用いられ、エチレンが重合体全体の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、さらに95モル%以上であることが好ましい。
また、本発明の超高分子量ポリオレフィンのデカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]は5dl/g以上、好ましくは8〜25dl/gである。極限粘度[η]がこのような範囲にあると、耐摩耗性に優れることから好ましい。
本発明に用いる超高分子量ポリオレフィン樹脂は、公知の方法で製造可能であり、例えば特開2003−64225号公報に記載されているように、触媒の存在下に上記α−オレフィンを重合することで得ることができる。
また、上記のような超高分子量ポリオレフィンには、必要に応じて公知の各種安定剤を配合してもよい。この安定剤としては、例えば、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート〕メタン、ジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤、あるいはビス(2,2′,6,6′−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、2−(2−ヒドロキシ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾル等の耐候安定剤などが挙げられる。又、増核剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料、カオリン、タルク、シリカ等の粉末充填剤、カーボンブラック、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維系充填剤を本願発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。
(他の層を構成する樹脂)
本発明のゴム用被覆材が、超高分子量ポリオレフィンとの多層フィルムから構成される場合の、超高分子量ポリオレフィンからなる層以外の他の層を構成する樹脂としては、エチレンまたは炭素原子数が3〜10のα−オレフィンの重合体または共重合体であり、また、その変性物でもより。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の重合体または共重合体および、それらの変性物が挙げられる。またこれらの樹脂のデカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度[η]は0.1〜4.5dl/gであり、好ましくは1.0〜3.5dl/gである。これらの樹脂は、市場で入手可能であり、好ましく利用できる。
(ゴム用被覆材)
本発明に用いるゴム用被覆材を形成するフィルムは、X線回折により求めた長手方向の配向係数が0.75以上であり、極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するものであり、前記超高分子量ポリオレフィンの単層フィルム、あるいは超高分子量ポリオレフィンと該超高分子量ポリオレフィンからなる層以外の他の樹脂からなる層との多層フィルムに成形した物を用いることができる。また、耐摩耗性が低いゴムホースや電線の絶縁ゴム層を保護するには、超高分子量ポリオレフィンからなる層が最外層となるようにゴムホースや電線の絶縁ゴム層に巻きつけることが好ましく、上記のフィルムを延伸、裁断などを行い、テープ形状にしたものを用いても良い。
ゴム用被覆材は帯状のものとして提供され、帯状の被覆材の長さ方向を長手方向と言い、長手方向と幅方向は互いに90°の角度にある。
本発明においてはゴム用被覆材の長手方向の配向係数を大きくし、それによって長手方向に収縮性と収縮応力を与えることが重要である。このように長手方向に配向したゴム用被覆材は、配向方向がゴムホースあるいは電線の円周方向となるように巻き付けると、加熱によって円周方向に収縮応力が働き、ゴムホースを中心方向に圧縮するので、加硫に際してゴムの発泡を抑えることができる。
本発明のゴム用被覆材はX線回折により求めた配向係数が0.75以上、好ましくは0.8以上である。配向係数が0.75以上であるとゴムの加硫時にフィルムの収縮に充分な抱き締め力が得られ、ゴムに発泡を生じない。
本発明の長手方向に高い配向係数を持つ超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するフィルムであるゴム用被覆材を製造する方法としては、例えば、ゴム用被覆材として使用する際のフィルムの厚さ、長さ、配向係数、収縮率および収縮応力を調節する自由度、生産性(例えば、工程数や設備の簡便性等)等を考慮すると製造方法はインフレーションフィルム成形法が特に好ましい。また、他の製造方法としては、圧縮成形法によって得られる丸棒の外皮部から連続的に刃物で削り出す方法やTダイ成形法によって成形したフィルムを延伸する方法も例示でき、少なくとも以下の条件を満足すれば製造できる。
本願発明の長手方向の配向係数が0.75以上である超高分子量ポリオレフィン層を少なくとも有するゴム用被覆材を形成するフィルムは、フィルムを延伸することで配向させて得ることができる。フィルムの延伸方向は、フィルムの長手方向と一致させることが好ましく、フィルムの長手方向と、延伸方向の軸のなす角度は少なくとも±10°以内、さらに±5°以内であることが好ましい。また延伸の際の加熱温度は100℃以上、好ましくは120〜150℃、延伸倍率は1.5倍以上、好ましくは3〜10倍であり、ゴム用被覆材は長手方向に延伸して得られるフィルムを、長手方向と平行に裁断して得ることができる。インフレーション成形の場合、押出しによって形成された溶融状態のチューブ状フィルムを、そのまま押出速度の1.5倍以上、好ましくは3〜10倍以上の速度で引き取ると、フィルムの溶融成形と同時に延伸することができ、長手方向に0.75以上の配向係数を付与することができることから効率的に生産できる。また、膨比は1〜3倍、好ましくは1〜2倍であり、膨比がこのような範囲にあると、ゴム用被覆材をゴムホースの一端から他端に向かって螺旋状に巻きつけて(図1参照)熱により加硫した際に、ゴム用被覆材が幅方向に収縮することがないため、ゴムホース表面に巻きつけたゴム用被覆材の収縮による隙間が生じることなく、ゴムホースの表面全体を被覆でき、耐摩耗性の点で好ましい。
また、延伸による配向で得られる上記特性を損なわない範囲であれば、延伸して得られたゴム用被覆材の保管時の自然収縮を防止するために、樹脂の融点未満の温度でアニーリング処理を行ってもよい。
このように長手方向に延伸して得られたゴム用被覆材は、長手方向に分子が配向しており、0.75以上、好ましくは0.8以上の高い配向係数を有する。また、上記条件を満たして製造されたゴム用被覆材は、温度140℃で30分間加熱した時の、長手方向の下記式(1)で示される収縮率が10%以上、好ましくは40〜70%である。
収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100 (1)
(式中、L1:加熱前の長手方向の長さ、L2:加熱後のL1に相当する部分の長さ)
さらに、上記条件を満たして製造されたゴム用被覆材は温度23℃から30℃/分の速度で昇温して温度が140℃になったときの長手方向の収縮応力が0.1MPa以上、好ましくは0.5〜2MPaであり、上記のような収縮率または収縮応力であると、加硫に際してゴムの発泡を十分に抑えることができる。
また、ゴム用被覆材の形状、大きさはゴムホースあるいは電線に隙間なく巻きつけができるようなリボン状のものが好適であり、被覆するゴムホースあるいは電線の大きさにもよるが、ゴム用被覆材の幅は巻きつけ易さ等の点から0.5cm以上であることが好ましい。長さは特に制限はないが、実用の面から10cm以上であることが好ましい。また厚さは特に制限はないが、ゴム用被覆材の巻きつけ易さと得られたゴムホース、電線の柔軟性を損なわないという点から、通常10μm〜500μm、好ましくは30μm〜300μm、より好ましくは50μm〜200μmである。
代表例として超高分子量ポリオレフィンとして、超高分子量ポリエチレンを用いたゴム用被覆材のインフレーション成形について詳細に説明する。
極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリエチレンをリングダイ付きスクリュー押出機で溶融し、一定のスクリュー回転数のもと、リングダイから押し出された溶融状態のチューブ状フィルムをピンチロールで一定の速度で引き取りながら、スクリュー内部およびリングダイのマンドレル内部に延在してなる気体流通路から圧搾空気を吹き込んでチューブ状フィルムを冷却リングに接触する大きさに膨らませて超高分子量ポリエチレンの延伸原反を製造する。また、リングダイ付きスクリュー押出機から溶融した超高分子量ポリエチレンを押出すにあたり、別途溶融した熱可塑性樹脂を超高分子量ポリオレフィン層の内側あるいは外側に合流させて積層することにより、少なくとも超高分子量ポリエチレンを一層含む多層フィルムを得ることができる。上記のインフレーション成形法により得られる超高分子量ポリエチレンフィルムを配向させ、長手方向の収縮性を付与する方法として以下を例示することができる。押出しにより形成された溶融状態のチューブ状フィルムを押出速度より早い速度で引き取って延伸すると、押出し方向に配向させることができる。
また、押出しにより形成された溶融状態のチューブ状フィルムの内部に気体を吹き込んで膨張させて延伸しても良い。この場合には押出し方向と直角に配向することになるが、フィルムを延伸方向に平行に裁断してゴムホースに巻きつけて使用する点からして、押出し方向に延伸することが好ましい。また、成形後のフィルムを加熱しながら一定方向に延伸して配向させても良い。
本発明の長手方向に高い配向係数を有する超高分子量ポリオレフィンからなる層を少なくとも有するゴム用被覆材は、加硫ゴムホースあるいは電気絶縁層が加硫ゴムである電線の被覆材として好適である。加硫ゴムとしてはエチレン・プロピレン共重合ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、ジエン系ゴムなどの各種の合成ゴムや天然ゴムのいずれにも適用できる。
(ゴムホースの被覆加硫)
本発明のゴム用被覆材を使用してゴムホースあるいは電線を加硫するには、加硫される原料ゴム、加硫剤、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、充填剤、軟化剤などを配合した混合物を、例えば押出成形により成形体とした後、成形体の表面に、リボン状のゴム用被覆材を隙間のできないように巻きつける。例えばゴムホースに巻きつける場合、ホースの一端から他端に向かって螺旋状に巻きつける(図1参照)。この場合フィルム同士が重なり合ってもよい。
また、ゴム用被覆材が多層フィルムである場合、超高分子量ポリオレフィン層が最外層となるようにゴム層に巻きつけることが、耐摩耗性の面で好ましい。
加硫条件については特に制限はないが、例えばエチレン・プロピレン共重合ゴムの加硫の場合は120〜250℃、好ましくは120〜180℃で1分から5時間行うのが一般的である。加熱は例えば、エアーオーブン、スチームオーブンや加硫缶による加熱、UHF加熱など、公知の方法を用いることができる。
代表例として、耐圧ホースの被覆加硫方法について詳細に説明する。耐圧ホースとしては、内装ゴム層(A)および外装ゴム層(C)とそれらの間に中間層として耐圧補強層(B)を有し、外装ゴム層(C)の外側に、極限粘度[η]が5dl/g以上で厚さ0.02mm以上、0.05mm未満の超高分子量ポリオレフィンからなるゴム用被覆材層(D)が存在する構造を有するものを例示することができる。
内装ゴム層(A)、耐圧補強層(B)、外装ゴム層(C)は公知の材料を制限無く用いることが出来る。具体的には特開平8−72177号公報等に記載があり、内装ゴム層(A)、外装ゴム層(C)の材料としては、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム等が挙げられ、また、耐圧補強層(B)の材料にはナイロンなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。
耐圧ホースの製法としては、公知の方法を採用することが出来る。好ましい方法としては、加硫前のゴム、いわゆる生ゴムを用いた内装ゴム層(A)、外装ゴム層(C)を形成する事により、内装ゴム層(A)/中間層(B)/外装ゴム層(C)/ゴム用被覆材層(D)の構造を形成する。
ゴム用被覆材層(D)は、少なくとも内装ゴム層(A)/耐圧補強層(B)/外装ゴム層(C)からなる耐圧ホース基体を覆うように形成される。この際、本発明の目的に反しない限り、外装ゴム層(C)を含む内部の層がゴム用被覆材層(D)で覆われない部分が生じても良いが、ゴム層の摩耗を防ぐ目的からして、好ましくは、耐圧ホース基体を完全に覆うように形成させることが好ましい。具体的な形成方法としては、ゴム用被覆材が超高分子量ポリオレフィン層を含む多層フィルムの場合は、超高分子量ポリオレフィン層が最外層となるようにして、上記のゴム用被覆材をそのまま巻き付ける方法でも良いが、テープ形状に裁断して螺旋状に巻きつける方法(図1参照)が生産性等を考慮すると好適である。この際には、上記の裁断したゴム用被覆材を隙間無く巻き付けることが好ましい。また、上記の裁断したゴム用被覆材が重なるように巻き付けてもより。
ゴム用被覆材の厚さは、曲げ半径、作業性などの観点から0.02mm以上、0.05mm未満である。好ましい下限値は0.025mmであり、特には0.03mmである。好ましい上限値は0.045mm、特には0.04mmである。
次に、120℃から180℃の温度で加硫することで、内装ゴム層(A)、外装ゴム層(C)を加硫させて内装ゴム層(A)/耐圧補強層(B)/外装ゴム層(C)/ゴム用被覆層(D)とする耐圧ホースを得ることができる。
上記の方法は、加硫の際上記の(A)/(B)/(C)/(D)の各層が、それぞれが強固に接着でき、簡便かつ有効な製造方法である。勿論、本発明の目的の範囲内においてこれらの層の他に、必要に応じて公知の層、例えば接着層などの他の層を設けても良い。
また、ゴム用被覆材層(D)は厚みが非常に薄い構造であるにも関わらず、驚くべきことに非常に優れた耐摩耗性を有している。図2に示すような試験装置を用いて行った、本発明のゴム用被覆材で覆われたゴムホースの、金属との摩擦試験による耐摩耗性は、温度100℃の雰囲気下で、1000回以上、好ましくは、3000回以上である。これらの優れた耐摩耗性を得るためには、ゴム用被覆材層(D)を構成する超高分子量ポリオレフィンの極限粘度は、[η]が5dl/g以上であることが好ましく、より好ましくは8〜25dl/gである。
(ゴムホース)
ゴムホースとしては一種類のゴムで構成される単層のゴムホース、数種類の異なるゴムを積層した多層ゴムホース、ポリアミドなどの樹脂と積層したゴムホース、ポリエステル繊維、アラミド繊維などの高強度繊維あるいは金属線などで補強した耐圧補強層を有する耐圧ホースなど各種のゴムホースに使用できる。
(電線)
電線とは、少なくとも電気伝導性を有する導体と電気絶縁性を有する弾性体からなる絶縁ゴム層からなり、絶縁電線、電力ケーブル、通信用ケーブルなどがある。導体には各種金属、合金が使用できるが、抵抗率が小さく経済的な材料である銅、アルミニウムなどが一般に用いられる。絶縁ゴム層は各種架橋ゴム組成物であって、例えばオレフィン系ゴムであるエチレンプロピレンゴム、エチレンブテンゴムなど、或いはジエン系ゴムである天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム或いはシリコーンゴムなどの架橋ゴム組成物が使用される。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り下記の実施例に限定されないことはいうまでもない。
(1)未加硫エチレンプロピレンゴムホース
[ゴムホース用コンパウンドの調製]
下記表1に示す配合剤のうち、所定量のEPDM、亜鉛華、ステアリン酸、カーボンブラック、パラフィン系オイルをバンバリーミキサーに一括投入し、5分間混練してコンパウンドを得た。さらにこれにオープンロールを使用して所定量の加硫促進剤CBS、ZnBDC、TMTD、EU、モルフォリン系加硫剤、硫黄を練り込み、ゴムホース用コンパウンドを得た。
Figure 2005314455
[ゴムホースの成形]
混練された上記のゴムホース用コンパウンドを、ゴム用押出機を使用して80℃で直径9mmのポリメチルペンテン製マンドレル(三井化学(株)社製、商品名:TPXマンドレル HX90)を芯として厚さ3mmのホース状に押出成形して、未加硫エチレンプロピレンゴムホースを作製した。
(2)物性測定
[極限粘度[η]]
極限粘度[η]はASTM D1601に従い、超高分子量ポリオレフィン粒子15mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求める。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) (2)
[ゴム用被覆材の配向係数]
ゴムホースに巻きつけて加硫処理する前のゴム用被覆材から、長手方向1cm×幅方向1cmのフィルムを切り出し、長手方向を基準軸(Z)に合わせ、試料の面内に回転(β回転)しながら各β角度(φ)におけるX線回折強度を測定する。但し、各面の回折強度は非晶からの散乱を差し引いた値とする。次にWilchinskyの方法(測定方法の詳細は、「高分子のX線回折(上)」(第1版 化学同人、Leroy E.Alexander著、桜田一郎、浜田文将、梶慶輔 訳、1973年 216−226頁 参照)として知られる方法に従い、基準軸(Z)に対する分子鎖軸(c軸)の傾きの程度を以下の式(3)より配向係数(fcz)として求める。
fcz=1/2(3<Cosφcz>−1) (3)
[ゴム用被覆材の収縮率]
ゴムホースに巻きつけて加硫処理する前のゴム用被覆材から、長手方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、室温で分子の配向方向の長さL1を測定する。次いで140℃のオーブン中に30分放置後、取り出して23℃、湿度50%の恒温室に1時間放置し、長手方向の長さのうち、最も短い長さの場所を測定してL2とし、収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100の値を計算した。
ただし、比較例1においては加熱プレス成形した円筒の表面を円周方向に削りだして得たスカイブ成形フィルムから、円周方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、比較例2は加熱プレスしたフィルムから、長手方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、比較例3は実施例1と同様に長手方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、上記と同様の方法でそれぞれ、円周方向および長手方向の収縮率を測定した。
[ゴム用被覆材の収縮応力]
ゴムホースに巻きつけて加硫処理する前のゴム用被覆材から、長手方向10mm×幅方向5mmの長方形のサンプルを切り出した。このサンプルをサンプル取り付け部が電熱式の炉体で覆われ、昇温可能な万能物性試験機に取り付け、0.01MPaの引張応力をサンプルの分子の配向方向に与えて、サンプルのたるみを除いた。次に電熱式炉体を23℃から30℃/分の速度で昇温し、温度が140℃になった時の長手方向の応力を測定して収縮応力とした。
ただし、比較例1においては加熱プレス成形した円筒の表面を円周方向に削りだして得たスカイブ成形フィルムから、円周方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、比較例2は加熱プレスしたフィルムから、長手方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、比較例3は実施例1と同様に長手方向100mm×幅方向10mmの長方形のサンプルを切り出し、上記と同様の方法でそれぞれ、円周方向および長手方向の収縮応力を測定した。
[耐摩耗性評価方法]
耐摩耗性は、JIS K7218 「プラスチックの滑り摩耗試験方法」に基づき、図2に示すような試験装置を用いて行った。すなわち製造したゴムホース10の表面部を雰囲気温度100℃で、10kg荷重用おもりを設置したリング状の鉄製試験治具(外径26mm、内径20mm、ホース接触面は#800やすり仕上げ)を210rpmの速度で回転させてこすり試験を行い、目視にてホース表面のゴム用被覆層が破れるまでの回転数で評価した。
[加硫ゴムホースの発泡の評価方法]
加硫したゴムホースの発泡の有無は、以下の(i)、(ii)の場合発泡有りと判定した。その他の場合は発泡無しと判定した。
(i) 長さ50cmの加硫したゴムホースの表面に、目視で発泡によるふくれが認められる場合。
(ii) 長さ50cmの加硫したゴムホースの任意の10箇所をホース長手方向と直角に切断した断面のゴム層に、目視で発泡が認められる場合。
[実施例1]
(被覆材の製造)
超高分子量ポリエチレン粉末([η]:13.8dl/g、融点:136℃、嵩密度:0.45g/cc)を用い、アウターダイ/マンドレル=20/17mmφからなるダイを接続した30mmφ押出機を、シリンダー温度280℃、ダイ温度170℃、スクリュー回転数を10rpmに設定し、ピンチロールで6.0m/minの速度で引き取りながら、スクリュー内部およびリングダイのマンドレル内部に延在してなる6mmφの気体流通路から圧搾空気を吹き込んでチューブ状フィルムを冷却リング内径82mmφに接触する大きさに膨らませて(膨比=2.0)、折り幅128mm、厚み60μmの超高分子量ポリエチレンフィルムの延伸原反を製造した。この原反を150℃で押出方向に原寸の4倍の長さまで一軸延伸し、厚さ30μmの超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを得た。このフィルムの配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記の超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを、さらに、10mmの幅で延伸した方向と平行に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表2に示す。
[実施例2]
(被覆材の製造)
超高分子量ポリエチレン粉末([η]:13.8dl/g、融点:136℃、嵩密度:0.45g/cc)を用い、アウターダイ/マンドレル=20/17mmφからなるダイを接続した30mmφ押出機を、シリンダー温度280℃、ダイ温度170℃、スクリュー回転数を20rpmに設定し、ピンチロールで6.0m/minの速度で引き取りながら、スクリュー内部およびリングダイのマンドレル内部に延在してなる6mmφの気体流通路から圧搾空気を吹き込んでチューブ状フィルムを冷却リング内径82mmφに接触する大きさに膨らませて(膨比=2.0)、折り幅128mm、厚み85μmからなる超高分子量ポリエチレンフィルムの延伸原反を製造した。この原反を150℃で押出方向に原寸の8倍の長さまで一軸延伸し、厚さ30μmの超高分子量ポリエチレン単層フィルムを得た。このゴム用被覆材の配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記の超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを、さらに、10mmの幅で延伸した方向と平行に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表2に示す。
[実施例3]
(被覆材の製造)
超高分子量ポリエチレン粉末([η]:9.2dl/g、融点:136℃、嵩密度:0.45g/cc)を用い、実施例1と同様にして折り幅128mm、厚み80μmからなる超高分子量ポリエチレンフィルムを製造した。この原反を150℃で押出方向に原寸の4倍の長さまで一軸延伸し、厚さ40μmの超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを得た。このフィルムの配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記の超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを、さらに、10mmの幅で延伸した方向と平行に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表2に示す。
[比較例1]
(被覆材の製造)
実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン粉末を円筒状に加熱プレス成形し、円筒表面を円周方向に刃で削り得たスカイブ成形フィルム(作新工業(株)製:商品名ニューライト#50W 厚み50μm)を入手した。このフィルムの配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記のスカイブ成形フィルムを10mmの幅に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表3に示す。
[比較例2]
(被覆材の製造)
実施例1で製造した厚さ30μmの超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを鏡面仕上げした2枚のステンレス板ではさみ、50kg/cmの圧力下で160℃で60分間、加熱プレスした。その後23℃まで冷却し、24時間後に得られた厚さ28μmのフィルムの配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記の加熱加圧処理した、フィルムを10mmの幅で実施例1で延伸した方向と平行に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表3に示す。
[比較例3]
(被覆材の製造)
延伸倍率を1.5倍とした以外は、実施例1と同様にして厚さ30μmの超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを得た。このフィルムの配向係数、加熱時の収縮率、および収縮応力を測定した。
(ゴムホースの被覆加硫)
上記の超高分子量ポリエチレン延伸フィルムを、さらに、10mmの幅で延伸した方向と平行に裁断し、未加硫エチレンプロピレンゴムホースの表面に隙間ができないように巻きつけ、被覆した。
つぎに、この被覆した未加硫エチレンプロピレンゴムホースを160℃のエアーオーブン中に入れ、60分加熱し、加硫した。その後、ゴムホースのゴム層の発泡の有無と耐摩耗性を調べた。評価結果を表3に示す。
[比較例4]
(LDPE製プロテクターによる耐圧ホースの製造)
従来公知の方法に従い、ナイロン製の布を未加硫のゴムホース表面に巻きつけてゴムホースを加硫し、その後ナイロン製の布を剥離して得た、表面がゴム層であるゴムホースに、[η]が1.5dl/gの低密度ポリエチレン(LDPE)を使用して製造した。幅5mm、厚さ2mmのLDPE製プロテクターを装着してゴムホースの耐摩耗性を調べた結果を表3に示す。
Figure 2005314455
Figure 2005314455
ゴム用被覆材をゴム層に螺旋状に巻きつける方法を示す図である。 本発明のゴムホースの耐摩耗性試験用装置の概略図である。
符号の説明
1 ゴム用被覆材
2 ゴム層
10 ゴムホース
20 鉄製試験治具(リング)
30 荷重付加用おもり(10kg)

Claims (9)

  1. X線回折により求めた長手方向の配向係数が0.75以上であり、極限粘度[η]が5dl/g以上である超高分子量ポリオレフィンからなる層を有することを特徴とするゴム用被覆材。
  2. 温度140℃で30分間加熱した時の、下記式(1)で示される、長手方向の収縮率が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム用被覆材。
    収縮率(%)=(L1−L2)/L1×100 (1)
    (式中、L1:加熱前の長手方向の長さ、
    L2:加熱後のL1に相当する部分の長さ)
  3. 温度23℃から30℃/分の速度で昇温して、温度が140℃になった時の、長手方向の収縮応力が0.1MPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム用被覆材。
  4. 超高分子量ポリエチレンの単層フィルムであることを特徴とする、請求項1乃至3に記載のゴム用被覆材。
  5. 少なくともゴム弾性を有するゴム層と、請求項1乃至4に記載のゴム用被覆材層からなるゴムホース。
  6. 加硫剤を含む未加硫のゴム層を有する成形体の表面に、請求項1乃至4に記載のゴム用被覆材を、超高分子量ポリオレフィン層が最外層となるように巻きつけた後、加熱により加硫処理を行うことを特徴とするゴムホースあるいは電線の加硫方法。
  7. 少なくともゴム層、耐圧補強層、およびゴム用被覆材層からなる耐圧ホースであって、内装ゴム層(A)と中間層として耐圧補強層(B)と外装ゴム層(C)および、請求項1乃至4に記載のゴム用被覆材層(D)が、内側から、(A)/(B)/(C)/(D)の順に位置する構造の積層体を加硫してなることを特徴とする耐圧ホース。
  8. 少なくとも電気伝導性を有する導体、電気絶縁性を有する弾性体からなる絶縁ゴム層、および請求項1乃至4のいずれかに記載のゴム用被覆材層からなる電線。
  9. 溶融状態のチューブ状フィルムの引き取り速度が押出速度の1.5倍以上であり、かつ膨比が1〜3倍でインフレーション成形して得られるフィルムである、請求項1乃至4に記載のゴム用被覆材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017117742A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 日立金属株式会社 フレキシブルケーブル
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