JP2005313633A - 滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置 - Google Patents

滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体表面上でのインクの滲みを判定し、インクの滲みを防止する。
【解決手段】記録データを記録媒体に記録する記録速度、インクの吐出量及び吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーの少なくとも一つを複数段階変化させて各インク色の所定長の線分を所定幅で記録した複数の滲み判定用パッチからなる滲み判定プリントを出力し、前記出力された滲み判定プリントの各滲み判定用パッチの濃度を測定し、前記滲み判定用パッチの濃度測定結果に基いて前記インクの前記記録媒体への滲みを判定し、滲み判定結果に基いて滲みを回避するように画像記録を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置に係り、特に多数のノズルから記録媒体に向けてインクを吐出して画像を記録する画像記録装置において、インクの滲みを判定し、滲みを防止して高画質な画像記録を行うための技術に関する。
従来より、画像記録装置として、多数のノズルを配列させたインクジェットヘッド(インク吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルからインクを吐出することにより、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
このようなインクジェット記録装置におけるインクの吐出方法として、従来から様々な方法が知られている。例えば、圧電素子(圧電セラミック)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式や、インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡が成長する際の膨張エネルギーでインクを吐出させるサーマルインクジェット方式などが知られている。
インクジェット記録装置のようなインク吐出ヘッドを有する画像記録装置においては、インクを貯蔵するインクタンクからインク供給路を介してインク吐出ヘッドにインクを供給し、上記様々な吐出方法でインクを吐出しているが、インク種や記録媒体の種類によっては、インクドット(インク液滴)が記録媒体上に着弾後滲み、ドット形状がくずれて画像がボケたり、複数の異なる色のインクを用いてカラー画像を記録する場合に、先に記録したインクがまだ乾かないうちに、それと異なる色のインクを重ねて記録すると、色間での滲みや混色が発生して画質が低下するという問題がある。
そこで従来より、インクの滲みによる画像のボケや異なる色のインクを重ねて記録した場合に発生する色間滲み、混色を防止し、画質を向上させるための様々な方法が提案されている。
例えば、記録媒体を保持する回転体の1回転中に、各色用記録ヘッドから吹き付けられる各色インクドットが、記録媒体上の回転方向と同じ副走査方向に、少なくとも1ドット分だけ離れた状態で間引き記録されるようにして、隣接するインクドットの混ざりや流れを防止しつつ、高画質記録を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また例えば、インクジェット記録装置において、記録したインクの乾燥状態を推定する手段を有し、その推定結果に応じて、記録媒体の搬送速度を変えたり、記録ヘッドの間隔を変えることにより、前の記録と次の記録との記録間隔を変えるようにして、記録装置のスループットを維持しながら、異なるインクが重畳する部分の記録乱れを防止し、画像品位を向上させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
また例えば、カラーインクジェット記録方法において、同一印字領域に対しては、複数のヘッドのうち少なくとも1つのヘッドによる印字を、他のヘッドによる印字時点よりも、隣接ヘッドの印字遅れ時間よりも十分長い時間をおいた後、印字するようにして色間にじみのないカラープリントを得るようにしたものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
特開2000−71481号公報 特開平03−247450号公報 特開平04−173250号公報
しかしながら、例えば、上記特許文献1に記載のものでは、記録媒体を保持した回転体が1回転する際に、1ドット間引いて記録しており、1画像全体を記録するのに複数回転しなければならず、生産性が低いという問題がある。
また、上記特許文献2に記載のものでは、乾燥を推定する手段と、ドット記録間隔を調整する手段を有し、乾燥状態に応じて次のドットを記録する間隔を調整するようにしているが、記録媒体に着弾したインクを乾燥させたり硬化させる手段は有しておらず、単に自然乾燥に任せているのみであり、必ずしも混色ボケや画像滲みを確実に防ぐことはできないという問題があった。
さらに、上記特許文献3に記載のものも、単に隣接ドット印字遅れ以上の時間を取るのみで、乾燥、硬化を調整する手段は有しておらず、上記特許文献2と同様の問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、記録媒体表面上でのインクの滲みを判定し、インクの滲みを防止して高速で高画質の画像記録を可能とする滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、記録媒体上に吐出されたインクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定方法であって、前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーをパラメータとして少なくとも一つを複数段階変化させて各インク色の所定長の線分を所定幅で記録した複数の滲み判定用パッチからなる滲み判定プリントを出力し、前記出力された滲み判定プリントの各滲み判定用パッチの濃度を測定し、前記滲み判定用パッチの濃度測定結果に基いて前記インクの前記記録媒体への滲みを判定することを特徴とする滲み判定方法を提供する。
これによれば、インクの滲みを判定するために出力されたプリントの濃度を測定して滲みを判定するようにしたため、自動的に容易に滲みの判定をすることができる。
また、請求項2に示すように、前記滲み判定用パッチを構成する各インク色の線分の濃度を該線分に対し略垂直方向に測定し、最高濃度、線分のエッジががたついている度合いを示すギザツキ度及び線分の幅の各値とを用いて評価して滲みを判定することを特徴とする。また、請求項3に示すように、請求項2に記載の滲み判定方法であって、さらに前記線分の予め設定された濃度の目標値と前記算出された濃度との差と、前記線分の予め設定された幅の目標値と前記算出された線分の幅との差と、前記ギザツキ度の各値に対して予め設定された所定の重み係数を用いて滲みを数値的に評価する評価値から滲みを判定することを特徴とする。これにより、インクの滲みを数値的に判定することができ、滲み判定がより容易となる。なお、ここで用いる重み係数としては、後述する装置固有の第1の重み係数a1 、a2 、a3 とプリント時の品質に関わる第2の重み係数f1 、f2 、f3 のどちらを用いても良い。
また、請求項4に示すように、前記所定の重み係数を、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードに応じて設定するようにしたことが好ましい。このように画質モードに応じて滲み判定の要素を変更することで画像記録の目的に合わせた滲み判定が可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出して画像を記録する画像記録方法であって、請求項1〜4のいずれか1項に記載の滲み判定方法による滲み判定結果に基いて、前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーのうち少なくとも1つを制御するための制御パラメータを設定して画像記録を行うことを特徴とする画像記録方法を提供する。これにより、滲みを回避した高画質の画像記録が可能となる。
また、請求項6に示すように、請求項5に記載の画像記録方法であって、さらに、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードに応じて前記制御パラメータを設定するようにしたことを特徴とする。これにより、記録目的に応じた画像記録が可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、記録媒体上に吐出されたインクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定装置であって、前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーをパラメータとして少なくとも一つを複数段階変化させて各インク色の所定長の線分を所定幅で記録した複数の滲み判定用パッチからなる滲み判定プリントを出力する滲み判定プリント出力手段と、前記出力された滲み判定プリントの各滲み判定用パッチの濃度を測定する濃度測定手段と、前記滲み判定用パッチの濃度測定結果に基いて前記インクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定手段を有することを特徴とする滲み判定装置を提供する。
また、請求項8に示すように、前記濃度測定手段は、前記滲み判定用パッチを構成する各インク色の線分の濃度を該線分に対し略垂直方向に測定するとともに、前記滲み判定手段は、前記濃度測定結果から最高濃度、線分のエッジががたついている度合いを示すギザツキ度及び線分の幅を算出し、前記線分の予め設定された濃度の目標値と前記算出された濃度との差と、前記線分の予め設定された幅の目標値と前記算出された線分の幅との差と、前記ギザツキ度の各値に対して予め設定された所定の重み係数を用いて滲みを数値的に評価する評価値から滲みを判定することを特徴とする。
さらに、請求項9に示すように、請求項8に記載の滲み判定装置であって、さらに、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードを前記記録データに基づいて検出する画質モード検出手段を有し、前記滲み判定手段は、前記検出された前記画質モードに応じて前記重み係数を設定するようにしたことが好ましい。
このように、具体的手段により前記滲み判定方法が実行され滲みを判定することにより、滲みを回避することが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出して画像を記録する画像記録装置であって、請求項7〜9のいずれか1項に記載の滲み判定装置を有するとともに、前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度を制御する記録速度制御手段と、前記吐出されるインクの吐出量を制御する吐出量制御手段と、前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーを制御する定着制御手段と、前記滲み判定装置による滲み判定結果に基いて、前記記録速度制御手段、前記吐出量制御手段及び前記定着制御手段を制御する各制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記設定された制御パラメータにより前記記録速度制御手段、前記吐出量制御手段及び前記定着制御手段のうち少なくとも1つを制御して画像記録を行う滲み防止制御手段を備えたことを特徴とする画像記録装置を提供する。
また、請求項11に示すように、前記パラメータ設定手段は、前記画質モードに応じて前記制御パラメータを設定するようにしたことが好ましい。
このように滲み判定装置を備えた画像記録装置により、滲みを回避した高画質な画像記録が可能となる。
以上説明したように、本発明に係る滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置によれば、記録媒体上でのインクの滲みを容易に判定することができ、その判定結果を用いて各種制御手段を制御して画像記録することにより、滲みを回避した高画質の画像記録を実現することが可能となる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示す一部ブロック図を含む概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置10は、主に、インクの色(イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K))毎に設けられた複数の印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kと、これらの印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kの駆動制御を行うヘッドドライバ13と、給紙部14から記録媒体である記録紙16を印字ヘッド12Y等へ搬送する搬送部18と、記録紙16上に吐出されたインクを定着させる定着手段20等を有して構成される。
記録紙16は、図1に示したものでは、給紙部14のマガジン22に装填されたロール紙(連続用紙)をカッター23で所定長に切断して用いるようにしているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター23が設けられており、該カッター23によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター23は不要である。
また、本実施形態においては、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体がマガジン22の媒体種検出ノッチ22aに取り付けられており、その情報記録体の情報を読み取るための媒体種検出手段24が設置されている。後述するように、媒体種検出手段24によって読み取られた情報を用いて、その記録媒体に最適な制御パラメータが設定されて画像記録が行われる。
マガジン22から送り出される記録紙16は、マガジン22に装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。図示は省略したが、このカールを除去するために、デカール処理部を設けてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム等で記録紙16に熱を与え、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
搬送部18は、ローラ26、27間に無端状のベルト29が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字ヘッド12K等のノズル面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト29は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したように、2つのローラ26、27の間に掛け渡されたベルト29の内側において、印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kのノズル面に対向する位置には吸着チャンバ30が設けられており、この吸着チャンバ30をファン32で吸引して負圧にすることによって、ベルト29上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト29が巻かれているローラ26、27の少なくとも一方、例えば左のローラ26にモータ28の動力が伝達されることにより、ベルト29は、図1において反時計回りに駆動され、ベルト29上に保持された記録紙16は図1の右から左へと(相対的)搬送速度Vで搬送されるようになっている。
図2に、印字ヘッド12Y、12C、12M、12K付近を拡大した平面図を示す。図2に示すように、印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kは、各色(YMCK)に対応し、それぞれが複数のノズルを有し、記録紙16の全幅を担うように、各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kの長手方向を記録紙16の搬送方向と直交する紙幅方向に並べた構成で、最大紙幅に対応する長さを有するフルライン型ヘッドとなっている。
ここで記述のフルライン型ヘッドは、短尺の記録ヘッドを用紙幅に複数並べた形式のものも含むものとする。
また、各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kの間にはやはり記録紙16の全幅に対応する長さを有する定着手段20がそれぞれ配置されている。
記録紙16の搬送方向(図の右から左方向)に沿って上流側からY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kが配置されている。記録紙16を搬送部18によって搬送しつつ各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成することができる。
なお、印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kはヘッドドライバ13によって駆動され、吐出されるインクの吐出量や吐出タイミング等が制御される。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kによれば、紙搬送方向について記録紙16と印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kを相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の走査で)記録紙16の全面に画像を高速で記録することができる。
しかし、本発明は、ライン型ヘッドに限定されるものではなく、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(紙幅方向)に往復運動をするシャトル型ヘッドに対しても適用可能である。
なお、本例では、YCMKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
また、各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kに各色のインクを供給するインクタンク(図示せず)近傍には、インクの種類を検出するインク種検出手段25が設けられている。インク種検出手段25は、特に限定されるものではなく、例えば、カートリッジ式のインクタンクの場合、カートリッジに取り付けられた情報媒体等からインク種を示すIDを読み取るような構成でもよい。
定着手段20は、印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kから記録紙16上に吐出されたインクに対し、定着エネルギーを付与してインクを記録紙16に定着させるものであり、使用されるインクに応じて好適な手段が用いられる。
なお、ここで定着というのは、記録紙16上に着弾したインクの紙の繊維内への浸透及び表面からのインクの乾燥あるいはインクの硬化により記録紙表面上にインク液滴が存在しなくなってインクが動かなくなり固定されることを言う。乾燥としては、例えば、水系のインクの場合には、乾燥エネルギーとして熱エネルギーを付与してインクの溶媒である水を蒸発させて乾燥させる場合が挙げられる。定着手段20として乾燥手段を用いる場合には、例えばヒーター等、あるいは赤外線照射手段、または風(熱風)を吹き付けるファン(熱風ファン)などが例示され、これらの手段は単独で用いても良いし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、インクを記録紙16上で硬化させて固定させる方法としては、硬化型のインクを用いて、これに重合反応を起こさせて硬化させる方法が考えられる。例えばUV硬化インクあるいは一般に電磁輻射線硬化インクを用いて、これに電磁輻射線あるいは電子線を照射して、さらには熱エネルギーを付与してインクを硬化させて記録紙16上に固定するようにしてもよい。この場合、例えば硬化型インクとしてUVキュアインクやソリッドインクのようなマトリクス硬化型インクを用いることができ、UVキュアインクの場合には、例えばUV光照射手段、ハロゲンランプ、LEDレーザ等が例示され、またソリッドインクの場合には、ペルチェ等または水冷あるいはファン等の冷却手段が例示される。
また、ワックスインク(蝋)のように熱によって相転移するものについては、例えばヘッド内では熱エネルギーを付与してインクを液状としておき、記録媒体上に吐出されると冷却により固化させることができる。またあるいは、ゾルゲル状のインクの場合にも、同様に熱エネルギーにより吐出と定着を制御することができる。
定着手段20は、図1に示すように4つの印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kのそれぞれの後段に設置され、各印字ヘッドから吐出されたインクを定着させてインクが滲んだり、次の印字ヘッドからその近傍にインクが吐出されても各インクが混色しないようにするものである。
本実施形態は、記録紙16のインクジェットヘッド(印字ヘッド12Y等)に対する相対搬送速度、インク吐出量及び記録紙16に着弾したインクを定着させるための定着エネルギーのうち少なくとも1つを可変制御することにより、記録紙16に着弾したインクの滲みを防止して高品質の画像記録を行うようにするものである。
このような滲み防止制御を実行するために、本実施形態のインクジェット記録装置10は、以上述べたものの他に、インクの吐出量を制御する吐出量制御手段としてのヘッドドライバ13の他に、記録紙16の相対搬送速度を制御する搬送制御手段36、インクを定着させるための定着手段20の定着エネルギーを制御する定着制御手段38、及び吐出量制御手段(ヘッドドライバ13)、搬送制御手段36及び定着制御手段38というこれら3つの制御手段のうち少なくとも1つを可変制御することによりインクの滲みを防止する滲み防止制御手段40を有している。
また、相対搬送速度を制御するために相対搬送速度を検出するエンコーダ41がローラ26に設置されている。さらに、インクジェット記録装置10は、相対搬送速度を制御するようにした場合には、記録画像が所定のドットピッチの画像となるように各印字ヘッド(12Y等)の吐出周波数を制御する周波数制御手段42を有している。
また、本実施形態のインクジェット記録装置10は、詳しくは後述するが、インクの滲みを防止し、高画質の画像記録を行うために、インクの滲みを検出判定するために用いられる滲み判定プリントを出力する滲み判定プリント出力手段44、及び出力された滲み判定プリントを濃度測定する濃度計45、その測定結果からインクの滲みを判定する滲み判定手段48及び滲み判定の結果に基いて各制御量の最適値を制御パラメータとして設定するためのパラメータ設定手段46を有している。
吐出量制御手段としてのヘッドドライバ13は、各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kから記録紙16へ吐出されるインクの吐出量を制御するものであり、例えば、図示は省略するが、インク室内のインク内圧やインク室を変形させるアクチュエータ(圧電素子)の駆動量等を制御することによりインク吐出量を制御する。インク吐出量を制御することにより、吐出されたインク液滴の大きさ、すなわち記録紙16表面に着弾するインク粒径を制御することができる。
搬送制御手段36は、ロータリエンコーダ41の検出信号に基いて、モータ28の回転数を制御するものである。このとき、パラメータで最適な相対搬送速度が設定されている場合には、記録紙16の相対搬送速度がその速度となるように、モータ28の回転を制御する。
定着制御手段38は、このようにインク種及び媒体種(記録紙16の種類)に応じてそのエネルギーを制御しつつ、それぞれ記録紙16上に着弾したインクに対して、熱エネルギー等の定着エネルギーを付与してインクを定着させることによって滲みを防止するものである。
滲み防止制御手段40は、吐出量制御手段としてのヘッドドライバ13、搬送制御手段36、定着制御手段38のうち少なくとも1つを制御することによりインクの滲みを防止するものである。具体的な制御方法は、後述するようにパラメータ設定手段46によってそれぞれ最適な制御量として設定されるパラメータに応じて各制御手段を制御することによって行われる。
また、周波数制御手段42は、記録紙16の相対的搬送速度が変更された場合に、それに合わせて各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kからのインク吐出タイミングを制御して、記録画像が所定のドットピッチの画像となるようにするものである。
図3は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース50、システムコントローラ52、画像メモリ54、モータドライバ56、ヒータドライバ58、プリント制御部60、画像バッファメモリ62、ヘッドドライバ13等を備えている。
通信インターフェース50は、ホストコンピュータ64から送られてくる画像データ(記録データ)を受信するインターフェース部である。通信インターフェース50にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ64から送出された画像データは通信インターフェース50を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ54に記憶される。画像メモリ54は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ52は、通信インターフェース50、画像メモリ54、モータドライバ56、ヒータドライバ58等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ52は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ64との間の通信制御、画像メモリ54の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ28やヒータ59を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ56は、システムコントローラ52からの指示にしたがってモータ28を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ58は、システムコントローラ52からの指示にしたがって印字後の記録紙16を乾燥させる後乾燥部(図示省略)等のヒータ59を駆動するドライバである。
プリント制御部60は、システムコントローラ52の制御に従い、画像メモリ54内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ13に供給する制御部である。プリント制御部60において所要の信号処理が施され、該画像データに基いてヘッドドライバ13(吐出量制御手段)を介して印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kのインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部60には画像バッファメモリ62が備えられており、プリント制御部60における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ62に一時的に格納される。なお、図3において、画像バッファメモリ62はプリント制御部60に付随する態様で示されているが、画像メモリ54と兼用することも可能である。また、プリント制御部60とシステムコントローラ52とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ13はプリント制御部60から与えられる印字データに基いて各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ13にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでもよい。
また、本実施形態におけるインクジェット記録装置10は、この他に滲み回避制御のための手段として記録紙16の相対的搬送速度Vを制御する搬送制御手段36、定着手段20の定着エネルギーを制御する定着制御手段38、相対的搬送速度Vが変更された場合にそれに応じてインク吐出周波数を制御する周波数制御手段42、各制御手段を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定手段46、滲み判定プリントを出力する滲み判定プリント出力手段44、出力された滲み判定プリントの濃度を測定する濃度計45及び濃度測定結果を受け取って滲みの判定を行う滲み判定手段48等を有している。
また、パラメータ設定手段46には媒体種検出手段24によって検出された媒体種及びインク種検出手段25によって検出されたインク種等が入力されるようになっている。パラメータ設定手段46は、詳しくは後述するが、滲みを回避するために各制御手段を制御する制御パラメータを、これらの媒体種及びインク種と対応付けて設定し、かつ記憶する。また、滲み判定プリント出力手段44は、滲み判定プリントを構成する滲み判定用パッチのデータを形成してヘッドドライバ13を通じて印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kへ送り、滲み判定プリントとして出力するものである。滲み判定プリント出力手段44は、この滲み判定用パッチのデータをそのつど生成するのではなく、メモリから呼び出して用いるようにしてもよい。
また、周波数制御手段42及び滲み判定プリント出力手段44は、プリント制御部60内に設けられ、システムコントローラ52によって制御されるようになっている。
さらに、システムコントローラ52には、パラメータ設定手段46によって設定された制御パラメータによって各制御手段を制御して滲みを回避する滲み防止制御手段40が設けられている。
次に、インクの滲みを回避する方法の原理について図を用いて説明する。図4は、記録媒体(記録紙16)が浸透系の場合、図5は、記録媒体が非浸透系の場合を示す。なお、浸透系の記録媒体とは、インクを記録媒体内の受像層内に浸透させることによってインクを定着させるものであり、普通紙、コピー紙、更紙その他をいい、非浸透系の記録媒体とは、印刷用のアート紙、塗工紙その他のインク溶媒が記録媒体中に浸透し難いものを言い、主として記録媒体表面上でインクを固化(硬化)させて定着する。
またここで、滲みとは、記録媒体(記録紙16)が浸透系の場合は、図4(a)または(c)に示すように、印字ヘッド(12Y等)から吐出され記録媒体に着弾したインク66のドット径dに対して、その径dより大きな径となるように記録媒体に浸透して広がった部分(d1及びd2)をいい、また記録媒体が非浸透系の場合は、図5(a)または(c)に示すように、印字ヘッド(12Y等)から吐出され記録媒体に着弾したインク66のドット径dに対して、その径dより大きく記録媒体上で広がる部分(d7またはd8)を言う。
特に記録媒体が浸透系の場合で、浸透するインクが記録媒体の繊維に沿って放射状に拡がる滲みをフェザーリングと言うことがある。
まず、記録媒体(記録紙16)が浸透系の場合、図4(a)または(c)に示すように、記録紙16に着弾したインク66は、記録紙16に浸透して広がり、媒体浸透圧による滲み(d1、d2)が発生する。
そこで、インク66が水系インク、油性インクその他の溶媒系のインクの場合には、熱エネルギー等の乾燥エネルギー(定着エネルギー)を付与して溶媒を乾燥させ、図4(b)に示すように記録紙16への浸透による滲み(d3、d4)を低減させるようにする。
また、インク54がUVキュアインク、ソリッドインク、EBキュアインクその他のマトリクス硬化型インクの場合には、硬化エネルギー(定着エネルギー)を付与してインク54を硬化、増粘させ、図4(d)に示すように、滲み(d5、d6)を低減させるようにする。
次に、記録媒体(記録紙16)が非浸透系の場合、図5(a)または(c)に示すように、記録紙16に着弾したインク66は、記録紙16には浸透せずに記録紙16上で表面エネルギーによって広がり、滲み(d7、d8)が発生する。
そこで、インク66が水系、油性、その他の溶媒系のインクの場合には、熱エネルギー等の乾燥エネルギー(定着エネルギー)を付与して、溶媒を蒸発させインク66の広がりを回避して滲み(d9、d10)を低減するようにする。
また、インク66がUVキュアインク、ソリッドインク、EBキュアインクその他のマトリクス硬化型インクの場合には、硬化エネルギー(定着エネルギー)を付与して、インク66を硬化、増粘させて、図5(d)に示すようにインク66の広がりを抑えて、滲み(d11、d12)を低減させるようにする。
また、インクの滲みを回避する方法として、このように記録紙16上に着弾したインク66に対して、乾燥エネルギー、硬化エネルギーを付与してインク66の広がりを抑える方法の他に、吐出されるインクの粒径を小さくする方法も考えられる。これは、吐出されるインクの粒径を小さくすることにより、溶媒系のインクの場合には、溶媒除去量を少なくすることによりインクの記録紙16への滲みを低減するとともに、マトリクス硬化型インクの場合には、インクの粒径を小さくすることで記録紙16でのインク着弾厚さを小さくして、硬化反応速度を速くするようにしてインクドットの形状が広がるのを防ぎ、滲みを低減するようにするものである。
次に、インク滲み防止のための最適なパラメータを設定する方法について説明する。
そのために、まずインクの滲み検出判定用のパターン(滲み判定プリント)が作成される。この滲み判定プリントは、条件の違いによってインクがどのように滲むかを判定するためのものであり、各印字ヘッド12Y、12M、12C、12Kから記録紙16に向けて、インク吐出量(インク粒径φ)、相対的搬送速度V及び定着エネルギーEを変えてインクを吐出して作成される。
図6に、滲み検出判定用のパターン(滲み判定プリント)の例を示す。図6に示すように、滲み判定プリント68は、インク粒径を大φHiと小φLow の2段階、相対搬送速度V及び定着エネルギーEをそれぞれ、高位max、中位mid、低位lowの3段階に変化させて各インクの色毎に所定長のライン(線分)70を記録したものにより構成されている。また、滲み判定プリント68は、ここに示したものには限定されず、他のパラメータ、例えば印字環境温度や湿度あるいはその他のインクの滲みに関係するファクターを含むようにしてもよい。
各ライン70は、図7(a)に拡大して示したように、1列のドット列で形成してもよいし、複数列のドット列で1つのライン70を形成するようにしてもよい。図7(a)に示す例では、このようなライン70が各色毎に18個ずつ記録されて滲み判定プリント68が形成されている。
滲み判定プリント68は、濃度計45によって、各ライン70を図7(b)に示すように、ライン70に略垂直な方向にN回(少なくとも10回以上)濃度測定される。また、このときの走査分解能は、数μm〜十数μmステップとする。
図8に濃度測定の原理を示す。例えば図8(a)に示すような構成により、RGB発光素子90から射出された微小スポット光91を媒体92上の測定ポイントに当てて、その反射光をCCD素子等の受光素子93で受光することによって微小部分における濃度測定を行うことができる。このときRGB発光素子としては、例えばRGB発光ダイオードハロゲンランプにフィルタを組み合わせたもの等が考えられる。または、例えば図8(b)に示すように、RGB発光素子94から射出されたエリア光95を媒体92の測定ポイントに当てて、その反射光をレンズ96でエリアCCD97上に集光して測定するようにしてもよい。
図9に(1回の)測定結果を示す。図9において、横軸は距離、縦軸は濃度である。この濃度測定結果は、濃度計45から滲み判定手段48に送られる。滲み判定手段48は、最高濃度DMAX からの濃度が、最高濃度DMAX と最低濃度DMIN との差の60%、すなわち0.6×(DMAX −DMIN )となるような距離Aを、この測定したライン70のライン幅Aとし、N回測定した各ライン幅Aの平均値E(A) を算出する。
また、滲み判定手段48は、次のようにして各ライン70の濃度測定結果から各ライン70のギザツキ度を算出する。ギザツキ(raggedness)とは、本来スムーズで真っ直ぐであるべき線や文字のエッジががたついていることをいい、ギザツキ度とは、そのがたつきの度合いを数値的に評価したものである。
図7(b)に示すように、各ライン70の幅を測定することにより、図11に示すような濃度測定データが得られる。これより、実際のエッジ位置を示す幅Bを算出するとともに、図10に一点鎖線で示すような平均のエッジ位置を示すフィッティング直線F1、F2を求め、このフィッティング直線F1、F2間の距離E(B) を算出する。測定場所を変えてN回測定して得られる、実際のエッジ位置を示す幅Bと、このフィッティング直線位置を示す平均的な幅E(B) との差B−E(B) の標準偏差σB-E(B)をギザツキ度という。
このようにして、各ライン70を測定して得られた最高濃度DMAX 、及び測定値から算出されたライン幅の平均値E(A) 、ギザツキ度σB-E(B)と、予め設定された濃度目標値D0 、ライン幅目標値AB に対して、図12に示すように2種類の重み係数、すなわち、装置に固有の第1の重み係数a1 、a2 、a3 と、プリント時の品質に関わる第2の重み係数f1 、f2 、f3 を設定する。
例えば、図7(a)に示すような1ドット列からなるライン70の場合、測定結果及び算出値が、最高濃度DMAX 1〜2、ライン幅平均値E(A) が30〜60μm、ギザツキ度σB-E(B)が9〜18μmのとき、第1の重み係数a1 は略1、a2 は略20、a3 は略50とされる。このように第1の重み係数は、最高濃度DMAX 、ライン幅平均値E(A) 、ギザツキ度σB-E(B)の装置固有の特性で決まる3個の物理量のバランスを調整するものである。
また、第2の重み係数f1 、f2 、f3 は、例えば図13に示すように、文字データのみを記録するテキストモード、画像のみを記録する画像モード及びテキストと画像の組み合わせモードの各画質モードに応じて、決定される。例えば、テキストモードの場合には、文字がはっきりと読み取れるようにエッジをくっきりだすために、濃度よりも線幅やギザツキを重視して、濃度に対する重みf1 =1よりも、ライン幅及びギザツキに対する重みf2 =3、f3 =3を大きな値となるようにする。
このように第2の重み係数は、記録する画像の品質要求に対して、最高濃度DMAX 、ライン幅平均値E(A) 、ギザツキ度σB-E(B)の3個の物理量のバランスを調整するものである。
そして、インクの滲みを、これらの値を用いて次の式(1)で与えられる判定関数により判定する。
滲み判定関数 = |D0 −DMAX |×a1 1 +|AB −E(A) |×a2 2
+σB-E(B)×a3 3 ・・・(1)
滲み判定手段48は、濃度計45の測定結果を用いてこの滲み判定関数により記録紙16に対するインクの滲みを検出する。また、パラメータ設定手段46は、この滲み判定結果によって、記録紙16の種類及びインク種毎に、相対搬送速度、インク吐出量(インク粒径)、定着エネルギーという各制御量について、滲みを抑制するのに最適なパラメータを設定し、所定のメモリに記憶しておく。
またこのとき、図14に示すように、限定オプションとして、画質モードの特質に合わせて制御可変なパラメータを限定するようにしてもよい。例えば、図14に示すように、テキストモードの場合には、搬送速度を最大VMax とし、インク粒径を最大φHiとして、定着エネルギーを可変にして、最適な定着エネルギーを選択するようにしてもよい。
以下、本実施形態の作用を図15のフローチャートに沿って説明する。
まず、図15のステップS100において、インクジェット記録装置10に記録紙16を供給するためのマガジン22を装填する。前述したように、マガジン22には、装填されている記録紙16の種類等の情報が記録された情報記録体が媒体種検出ノッチ22aに取り付けられており、この情報を媒体種検出手段24で読み取る。媒体種検出手段24によって読み取られた情報は、パラメータ設定手段46に送られる。一方で、インク種検出手段25によりインクの種類が検出され、検出されたインク種の情報は同様にパラメータ設定手段46に送られる。
次のステップS110において、パラメータ設定手段46は、送られた媒体種情報等に対応する最適パラメータがすでに設定され、所定のメモリに記憶されているか否か判断する。その媒体種等に対応する最適なパラメータが存在する場合には、ステップS120へ進み、滲み防止制御手段40は、所定のメモリに記憶されている相対搬送速度、定着エネルギー等の最適パラメータを呼び出して、それぞれヘッドドライバ13(吐出量制御手段)、搬送制御手段36、定着制御手段38に設定する。
一方、検出された媒体種等に対応する最適なパラメータが存在しない場合には、最適なパラメータを設定するためのインク滲み判定プリントを作成するためにステップS130に進む。なお、マガジン22に情報記録体が取り付けられていない場合や、取り付けられていても媒体種検出手段24で読み取れなかった場合には、例えば、ダミーの媒体種をパラメータ設定手段46に送り、対応する最適パラメータが存在しないとして、同様にステップS130へ進むようにする。
ステップS130においては、前述したような方法で、図6に示すような滲み判定プリント68を作成する。すなわち、インク粒径φ(インク吐出量)、相対搬送速度V、定着エネルギーE(硬化エネルギー、乾燥エネルギー)を変えて、各印字ヘッド12Y、12M、12C、12Kから記録紙16に各色のインクを吐出して、所定長、所定幅のライン70を記録して、図6に示すような滲み判定プリント68を作成する。
次に、ステップS140において、濃度計45で滲み判定プリント68の各ライン70を、図7(b)に示すように、各ライン70に略垂直な方向に複数回濃度測定を行い、図11に示すような濃度プロフィールを取得する。この測定は、走査分解能を数μmから十数μmの間隔として、所定回数(少なくとも10回以上)行う。測定した濃度プロフィールは、滲み判定手段48に送られる。
次に、ステップS150において、滲み判定手段48は、濃度計45から受け取った各ライン70の濃度プロファイルからライン幅E(A) 、ギザツキ度σB-E(B)等を算出し、これらと濃度の目標値D0 、ライン幅の目標値AB 及び第1の重み係数a1 、a2 、a3 、第2の重み係数f1 、f2 、f3 を組み合わせて、式(1)で表されている滲み判定関数に代入して、滲みの判定を行う。
次に、ステップS160において、パラメータ設定手段46は、滲みを数値的に評価する滲み判定関数の値がもっとも小さくなるような、滲み防止に最適なパラメータを設定し、所定のメモリに記憶しておく。
具体的には、滲み判定関数の値が小さくなるような滲み判定用のパターンを特定し(図6からパッチを特定し)、最適なパラメータとして、吐出量、搬送速度、定着エネルギーを設定する。
そして、ステップS170において、これらの最適パラメータを用いて、滲み防止制御手段40により、ヘッドドライバ13(吐出量制御手段)、搬送制御手段36、定着制御手段38等の少なくとも1つ以上を制御して、画像記録(プリント)が行われる。また、ステップS110において、最適パラメータが存在するとしてステップS120でこの最適パラメータを設定した場合も、このステップS170でプリントが行われる。
なお、相対搬送速度を制御する場合には、周波数制御手段42により、記録紙16の相対搬送速度の変更に合わせて各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kからのインク吐出タイミングを制御して、記録画像が所定のドットピッチの画像となるようにする。またこれにより、インクの定着条件により記録速度を可変として高密度の記録を行うことが可能となる。
このように、本実施形態によれば、予め記録媒体及びインクの種類に応じて、インクの滲みを回避するための最適な制御パラメータを設定しておくことにより、インクジェット記録装置に装填される記録媒体の種類等を検出するのみで、その制御パラメータを用いてプリントすることにより、容易にインクの滲みを防止し、媒体毎にインク乾燥、硬化を最適に制御して、最適な条件でプリントすることができる。また、インクの定着エネルギー量と相対搬送速度を可変とすることにより、各種媒体に対応して、滲みを低減したプリントを作成することが可能となる。
また、記録媒体の種類を検出できない場合や、その記録媒体に対応する最適な制御パラメータが設定されていない場合でも、滲み判定プリントを作成して、この濃度を測定して滲みを判定することにより最適な制御パラメータを設定することによって、インクの滲みを回避した高品質の画像を高速で記録することができる。また、このように滲み判定プリントを出力して滲み判定手段により滲みを判定することにより、新規の媒体に対しても滲み防止の最適なパラメータを設定することが可能となる。
次に本発明の第2実施形態ついて説明する。
図16は、第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示す、一部ブロック図を含む概略構成図である。
図16に示すように、インクジェット記録装置110は、主に、インクの色(イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K))毎に設けられた複数の印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kと、これらの印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kの駆動制御を行うヘッドドライバ113と、給紙部114から記録媒体である記録紙116を印字ヘッド112Y等へ搬送する搬送部118と、記録紙116上に吐出されたインクを定着させる定着手段120等を有して構成される。
記録紙116は、図16に示したものでは、給紙部114のマガジン122に装填されたロール紙(連続用紙)をカッター123で所定長に切断して用いるようにしているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図16のように、裁断用のカッター123が設けられており、該カッター123によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター123は不要である。
また、本実施形態においては、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体がマガジン122の媒体種検出ノッチ122aに取り付けられており、その情報記録体の情報を読み取るための媒体種検出手段124が設置されている。後述するように、媒体種検出手段124によって読み取られた情報を用いて、その記録媒体に最適な制御パラメータが設定されて画像記録が行われる。
マガジン122から送り出される記録紙116は、マガジン122に装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。図示は省略したが、このカールを除去するために、デカール処理部を設けてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム等で記録紙116に熱を与え、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
搬送部118は、ローラ126、127間に無端状のベルト129が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字ヘッド112Y等のノズル面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト129は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図16に示したように、2つのローラ126、127の間に掛け渡されたベルト129の内側において、印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kのノズル面に対向する位置には吸着チャンバ130が設けられており、この吸着チャンバ130をファン132で吸引して負圧にすることによって、ベルト129上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト129が巻かれているローラ126、127の少なくとも一方(例えば図16に示すように、左のローラ126)にモータ128の動力が伝達されることにより、ベルト129は、図16において反時計回りに駆動され、ベルト129上に保持された記録紙116は図16の右から左へと(相対的)搬送速度Vで搬送されるようになっている。
印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kは、各色(YCMK)に対応し、それぞれが複数のノズルを有し、記録紙116の全幅を担うように、各印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kの長手方向を記録紙116の搬送方向と直交する紙幅方向に並べた構成で、最大紙幅に対応する長さを有するフルライン型ヘッドとなっている。
また、各印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kの間にはやはり記録紙116の全幅に対応する長さを有する定着手段120がそれぞれ配置されている。
記録紙116の搬送方向(図の右から左方向)に沿って上流側からY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)の順に各色インクに対応した印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kが配置されている。記録紙116を搬送部118によって搬送しつつ各印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙116上にカラー画像を形成することができる。
なお、本例では、YCMKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
また、各印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kに各色のインクを供給するインクタンク(図示せず)近傍には、インクの種類を検出するインク種検出手段25が設けられている。インク種検出手段25は、特に限定されるものではなく、例えば、カートリッジ式のインクタンクの場合、カートリッジに取り付けられた情報媒体等からインク種を示すIDを読み取るような構成でもよい。
定着手段20は、前述した第1実施形態と同様に、印字ヘッド12Y、12C、12M、12Kから記録紙16上に吐出されたインクに対し、定着エネルギーを付与してインクを記録紙16に定着させるものであり、使用されるインクに応じて好適な手段が用いられる。
定着手段120は、図16に示すように4つの印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kのそれぞれの後段に設置され、各印字ヘッドから吐出されたインクを定着させてインクが滲んだり、次の印字ヘッドからその近傍にインクが吐出されても各インクが混色しないようにするものである。
本実施形態は、記録紙116のインクジェットヘッド(印字ヘッド112Y等)に対する相対搬送速度、インク吐出量及び記録紙116に着弾したインクを定着させるための定着エネルギーのうち少なくとも1つを可変制御することにより、記録紙116に着弾したインクの滲みを防止して高品質の画像記録を行うようにするものである。ここでインク吐出量は前述したように、ヘッドドライバ113によって制御され、ヘッドドライバ113が吐出量制御手段として作用する。
このような滲み防止制御を実行するために、本実施形態のインクジェット記録装置110は、インクの吐出量を制御する吐出量制御手段としてのヘッドドライバ113の他に、記録紙116の相対搬送速度を制御する搬送制御手段136、インクを定着させるための定着手段120の定着エネルギーを制御する定着制御手段138、及び吐出量制御手段(ヘッドドライバ113)と搬送制御手段136及び定着制御手段138というこれら3つの制御手段のうち少なくとも1つを可変制御することによりインクの滲みを防止する滲み防止制御手段140を有している。
また、相対搬送速度を制御するために相対搬送速度を検出するエンコーダ141がローラ126に設置されている。さらに、インクジェット記録装置110は、相対搬送速度を制御するようにした場合には、記録画像が所定のドットピッチの画像となるように各印字ヘッド(112Y等)の吐出周波数を制御する周波数制御手段142を有している。
また、本実施形態のインクジェット記録装置110は、インクの滲みを防止し、高画質の画像記録を行うために、詳しくは後述するがインクの滲みを検出判定するのに用いられる滲み判定プリントを出力する滲み判定プリント出力手段144、及び出力された滲み判定プリントを用いた滲み判定の結果に基いて各制御量の最適値を制御パラメータとして設定するためのパラメータ設定手段146を有している。
吐出量制御手段(ヘッドドライバ113)は、各印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kから記録紙116へ吐出されるインクの吐出量を制御するものであり、例えば、図示は省略するが、インク室内のインク内圧やインク室を変形させるアクチュエータ(圧電素子)の駆動量等を制御することによりインク吐出量を制御する。インク吐出量を制御することにより、吐出されたインク液滴の大きさ、すなわち記録紙116表面に着弾するインク粒径を制御することができる。
搬送制御手段136は、ロータリエンコーダ141の検出信号に基いて、モータ128の回転数を制御するものである。このとき、パラメータで最適な相対搬送速度が設定されている場合には、記録紙116の相対搬送速度がその速度となるように、モータ128の回転を制御する。
定着制御手段138は、このようにインク種及び媒体種(記録紙116の種類)に応じてそのエネルギーを制御しつつ、それぞれ記録紙116上に着弾したインクに対して、熱エネルギーを付与したり、ファンで熱風を送る等により、インクを定着させることによってインクを固定させて滲みを防止するものである。
滲み防止制御手段140は、ヘッドドライバ113(吐出量制御手段)、搬送制御手段136、定着制御手段138のうち少なくとも1つを制御することによりインクの滲みを防止するものである。具体的な制御方法は、後述するようにパラメータ設定手段146によってそれぞれ最適な制御量として設定されるパラメータに応じて各制御手段を制御することによって行われる。
また、周波数制御手段142は、記録紙116の相対的搬送速度が変更された場合に、それに合わせて各印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kからのインク吐出タイミングを制御して、記録画像が所定のドットピッチの画像となるようにするものである。
本実施形態のインクジェット記録装置110のシステム構成も前述した第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態におけるインク滲み防止のための最適なパラメータを設定する方法について説明する。
そのためには、まずインクの滲み判定プリントが作成される。この滲み検出判定用のパターン(滲み判定プリント)は、条件の違いによってインクがどのように滲むかを検出するためのものであり、各印字ヘッド112Y、112M、112C、112Kから記録紙116に向けて、インク吐出量(インク粒径φ)、相対的搬送速度V及び定着エネルギーEを変えてインクを吐出して作成される。
図17に、本実施形態における滲み検出判定用のパターン(滲み判定プリント)の例を示す。図17に示すように、滲み判定プリント72は、インク粒径を大φHiと小φLow の2段階、相対搬送速度V及び定着エネルギーEをそれぞれ、高位大max、中位mid、低位lowの3段階に変化させて各インクの色毎に滲み判定用パッチ74を記録したものにより構成されている。また、滲み判定用パッチ74は、ここに示したものには限定されず、他のパラメータ、例えば印字環境温度や湿度あるいはその他のインクの滲みに関係するファクターを含むようにしてもよい。
各滲み判定用パッチ74の各色毎のパッチ76は、図18に拡大して示すように、それぞれ複数の所定長の線分77がその幅及び間隔を次第に狭めながら記録されている。この線分77の間隔は、図18に示すように例えば最初0.5[mm]であったのが、次第に狭くなって行き、最後は0.05[mm]の狭い間隔となっている。このインク色の部分の間はインクは吐出せず記録紙116の地色(通常は白)である。したがって各パッチ76は、インク色と白(記録紙16の地色)が交互に並んで構成される。
このように滲み判定プリント72は、インク吐出量(インク粒径φ)を2段階、相対的搬送速度V及び定着エネルギーEそれぞれ3段階変化させて各色の線分で形成されるパッチが記録されている。結局このような滲み判定用パッチ74が2×3×3=18通りずつ形成される。この滲み判定用パッチ74の各色ごとのパッチ76には、それぞれC01〜C18、M01〜M18、・・・等のように番号(チャートNo.)を振っておき後述するように制御パラメータを設定する際に利用するようにする。
この滲み判定プリント72は、オペレータによって目視で判定される。すなわち、図18に示すように、本実施形態の滲み判定用パッチ74を形成する各色ごとのパッチ76は、次第にその線幅及び間隔が狭くなって行くような解像度チャートを形成している。このように次第に狭くなっていく解像度チャートの線分のどこまでをオペレータが目視で判定できるかで滲みを判定するものである。
次に、本実施形態の作用を図19のフローチャートに沿って説明する。
まず図19のステップS200において、インクジェット記録装置110に記録紙116を供給するためのマガジン122を装填する。マガジン122が装填されると、媒体種検出手段124によってマガジン122に付された媒体種検出ノッチ122aから媒体種情報が読み取られる。媒体種検出手段124によって読み取られた情報はパラメータ設定手段146に送られる。一方、インク種検出手段125によってインク種がインクカートリッジ等から検出されて同様にパラメータ設定手段146に送られる。なお、これらの媒体種あるいはインク種の情報はオペレータによってパラメータ設定手段146に入力するようにしてもよい。
次に、ステップS210において、滲み判定プリント出力手段144からヘッドドライバ113を介して印字ヘッド112Y、112C、112M、112Kを駆動して、前述した図17に示すような滲み判定プリント72が出力される。
次に、ステップS220において、オペレータは出力された滲み判定プリントを目視で判定する。すなわち、図18に示すような各色毎に次第に幅、間隔が狭くなっていく線分がどこまで分離されていることが視認されるかで滲みを判定する。
次に、ステップS230において、滲みの判定結果とその時の目的に応じて制御パラメータを設定する。例えば、なるべく高速で記録したい場合には、搬送速度Vが高い制御パラメータの組み合わせを選択する。オペレータは、最適な制御パラメータの組み合わせのパッチ76を選択すると、それに付されたC01、M01等のパッチNo.を用いてパラメータ設定手段146に制御パラメータを入力する。
このとき、パラメータ設定手段146は、先に入力されていた媒体種、インク種とこれらの制御パラメータを対応付けて記憶するとともに、各制御手段に対してこの制御パラメータを設定する。
次に、ステップS240において、滲み防止制御手段140は、今設定された制御パラメータによって各制御手段を制御して、滲みの回避された高画質な画像を記録する。
このように、本実施形態によれば、オペレータが目視により滲み判定プリントで滲みを判定するようにしているため、確実に滲みを判定することができ、どのような記録媒体であっても、滲みを回避した高画質な画像記録を行うことができる。
また、パラメータ設定手段146が、設定された制御パラメータを媒体種及びインク種と対応付けて記憶するようにしているため、次に同じ媒体種とインク種で画像記録を行う際には、記憶されている制御パラメータを呼び出して用いればよく、改めて滲み判定プリントを出力して制御パラメータを設定しなくてもよい。
なお、以上説明した実施形態においては、印字ヘッドは、記録紙幅方向長尺ラインヘッドであったが、本発明は長尺ラインヘッドに限定されるものではなく、シャトル型のヘッドに対しても適用可能である。すなわち、記録紙幅方向の1ライン分を、長尺ラインヘッドの場合は一度に記録するところ、シャトルヘッドの場合には、記録紙幅方向に走査しながら記録する点が異なるのみであり、その他の点については同様である。
以上、本発明の滲み判定方法並びに画像記録方法及び装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の画像記録装置の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示す一部ブロック図を含む概略構成図である。 図1の印字ヘッド付近を拡大して示す平面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 浸透系の記録媒体においてインク滲みを回避する方法の原理を示す説明図であり、(a)、(b)は溶媒系のインクの場合、(c)、(d)はマトリクス硬化型のインクの場合である。 非浸透系の記録媒体においてインク滲みを回避する方法の原理を示す説明図であり、(a)、(b)は溶媒系のインクの場合、(c)、(d)はマトリクス硬化型のインクの場合である。 第1実施形態における滲み判定プリントの例を示す説明図である。 (a)は図6の滲み判定プリントの滲み判定用パッチの例を拡大して示す説明図であり、(b)はこのパッチの濃度測定方法を示す説明図である。 (a)、(b)は濃度測定の原理を示す説明図である。 測定した濃度プロフィールを示す線図である。 ギザツキ度の測定の様子を示す説明図である。 ギザツキ度の測定における濃度プロフィールを示す線図である。 滲み防止制御のための各パラメータを示す説明図である。 画質モードと重み係数の関係を示す説明図である。 限定オプションの場合の制御可変パラメータを示す説明図である。 第1実施形態の作用を示すフローチャートである。 本発明の画像記録装置の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示す一部ブロック図を含む概略構成図である。 第2実施形態における滲み判定プリントの例を示す説明図である。 図17の滲み判定プリントのパッチを拡大して示す説明図である。 本実施形態の作用を示すフローチャートである。
符号の説明
10…インクジェット記録装置(画像記録装置)、12Y、12C、12M、12K…印字ヘッド、13、134…ヘッドドライバ(吐出量制御手段)、14…給紙部、16…記録紙、18…搬送部、20…定着手段、22…マガジン、22a…媒体種検出ノッチ、23…カッター、24…媒体種検出手段、25…インク種検出手段、26、27…ローラ、28…モータ、29…ベルト、30…吸着チャンバ、32…ファン、36…搬送制御手段、38…定着制御手段、40…滲み防止制御手段、41…エンコーダ、42…周波数制御手段、44…滲み判定プリント出力手段、45…濃度計、46…パラメータ設定手段、48…滲み判定手段、68、72…滲み判定プリント

Claims (11)

  1. 記録媒体上に吐出されたインクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定方法であって、
    前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーをパラメータとして少なくとも一つを複数段階変化させて各インク色の所定長の線分を所定幅で記録した複数の滲み判定用パッチからなる滲み判定プリントを出力し、
    前記出力された滲み判定プリントの各滲み判定用パッチの濃度を測定し、前記滲み判定用パッチの濃度測定結果に基いて前記インクの前記記録媒体への滲みを判定することを特徴とする滲み判定方法。
  2. 前記滲み判定用パッチを構成する各インク色の線分の濃度を該線分に対し略垂直方向に測定し、最高濃度、線分のエッジががたついている度合いを示すギザツキ度及び線分の幅の各値とを用いて評価して滲みを判定することを特徴とする請求項1に記載の滲み判定方法。
  3. 請求項2に記載の滲み判定方法であって、さらに前記線分の予め設定された濃度の目標値と前記算出された濃度との差と、前記線分の予め設定された幅の目標値と前記算出された線分の幅との差と、前記ギザツキ度の各値に対して予め設定された所定の重み係数を用いて滲みを数値的に評価する評価値から滲みを判定することを特徴とする滲み判定方法。
  4. 前記所定の重み係数を、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードに応じて設定するようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の滲み判定方法。
  5. 記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出して画像を記録する画像記録方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の滲み判定方法による滲み判定結果に基いて、前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーのうち少なくとも1つを制御するための制御パラメータを設定して画像記録を行うことを特徴とする画像記録方法。
  6. 請求項5に記載の画像記録方法であって、さらに、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードに応じて前記制御パラメータを設定するようにしたことを特徴とする画像記録方法。
  7. 記録媒体上に吐出されたインクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定装置であって、
    前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度、前記吐出されるインクの吐出量及び前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーをパラメータとして少なくとも一つを複数段階変化させて各インク色の所定長の線分を所定幅で記録した複数の滲み判定用パッチからなる滲み判定プリントを出力する滲み判定プリント出力手段と、 前記出力された滲み判定プリントの各滲み判定用パッチの濃度を測定する濃度測定手段と、
    前記滲み判定用パッチの濃度測定結果に基いて前記インクの前記記録媒体への滲みを判定する滲み判定手段を有することを特徴とする滲み判定装置。
  8. 前記濃度測定手段は、前記滲み判定用パッチを構成する各インク色の線分の濃度を該線分に対し略垂直方向に測定するとともに、前記滲み判定手段は、前記濃度測定結果から最高濃度、線分のエッジががたついている度合いを示すギザツキ度及び線分の幅を算出し、前記線分の予め設定された濃度の目標値と前記算出された濃度との差と、前記線分の予め設定された幅の目標値と前記算出された線分の幅との差と、前記ギザツキ度の各値に対して予め設定された所定の重み係数を用いて滲みを数値的に評価する評価値から滲みを判定することを特徴とする請求項7に記載の滲み判定装置。
  9. 請求項8に記載の滲み判定装置であって、さらに、前記記録するものがテキストか画像かあるいはその両方かを示す画質モードを前記記録データに基づいて検出する画質モード検出手段を有し、前記滲み判定手段は、前記検出された前記画質モードに応じて前記重み係数を設定するようにしたことを特徴とする滲み判定装置。
  10. 記録データに基づいてインクを記録媒体上に吐出して画像を記録する画像記録装置であって、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の滲み判定装置を有するとともに、
    前記記録データを前記記録媒体に記録する記録速度を制御する記録速度制御手段と、
    前記吐出されるインクの吐出量を制御する吐出量制御手段と、
    前記吐出されたインクを前記記録媒体に定着させる定着エネルギーを制御する定着制御手段と、
    前記滲み判定装置による滲み判定結果に基いて、前記記録速度制御手段、前記吐出量制御手段及び前記定着制御手段を制御する各制御パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    前記設定された制御パラメータにより前記記録速度制御手段、前記吐出量制御手段及び前記定着制御手段のうち少なくとも1つを制御して画像記録を行う滲み防止制御手段を備えたことを特徴とする画像記録装置。
  11. 前記パラメータ設定手段は、前記画質モードに応じて前記制御パラメータを設定するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の画像記録装置。

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