JP2005313059A - 焼却灰の安定化方法および廃棄物焼却設備 - Google Patents

焼却灰の安定化方法および廃棄物焼却設備 Download PDF

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Abstract

【課題】 汚染物質を含有する焼却灰を無害化処理するとともに、無害化処理の過程で使用する洗浄水を特別な設備を要することなく外部に漏出することがないように処理する、焼却灰の安定化方法を提案する。
【解決手段】 廃棄物を焼却炉1により燃焼して生成された焼却灰10のうち主灰10aに清水21を散布して、前記主灰10aを冷却するとともに前記主灰10aが含有する有害物質を溶出させて洗浄する冷却洗浄工程と、前記冷却洗浄工程において前記主灰10aを冷却洗浄したことにより前記有害物質を含有した前記清水21である汚染水Dの一部を分離して焼却炉1の熱により蒸発させる汚染水浄化工程と、一部が分離された残りの汚染水Dを前記焼却炉1の内部に散布して前記焼却炉1を冷却する焼却炉冷却工程と、を含む焼却灰の安定化方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外部に有害物質を放出することなく廃棄物焼却灰を焼却工場内で効率的に安定化させる、焼却灰の安定化方法とこれを実施するための廃棄物焼却設備である。
従来、焼却工場で発生した焼却灰は、その全てを最終処分場に輸送した後、そのまま埋め立て処分するかセメント固化処理等を行ったものを埋め立て処分していた。しかしながら、これらの焼却灰は、ダイオキシン類や有機物等の有害物質が含まれている場合が多く、埋め立て完了後の処分場の跡地利用の弊害となっていた。
このような埋め立て後の焼却灰の無害化には、土壌中に生息する微生物を活性化させて浄化を行うバイオレメディエーションや強制的に地下水を循環させて汚染物質を溶出させることにより洗浄する揚水循環法等により行われていたが、これらの無害化処理工法はいずれも徐々に有害物質の処理が行われるため、有害物質の濃度が環境基準で設定された基準値以下となり跡地利用が可能となるには10年〜20年以上かかると言われており、この間の施設の維持管理等に要する費用がかさむという問題を有していた。
このため、焼却場で生成された焼却灰を処分場等に埋め立てる前に、汚染物質の濃度が基準値以下になるまで安定化処理を施す焼却灰の安定化方法が開発されている。これらの安定化方法を採用することにより、焼却灰が埋め立てられた最終処分場の土壌に含まれる汚染物質の濃度を基準値以下になるように抑止することが可能となった。
例えば、特許文献1には、廃棄物を焼却炉で燃焼して生成された焼却灰を、焼却工場内において水洗浄することによりダイオキシン類を除去する焼却灰の洗浄方法が記載されている。
この焼却灰の洗浄方法は、図4に示すように、廃棄物を焼却炉101において焼却することにより生成された焼却灰110を粗ふるい102に通して粗粒灰120を除去する粗ふるい工程と、粗ふるい102を通過した焼却灰110を細ふるい103に通して粒径を選別する細ふるい工程と、細ふるい103を通過しない上灰130を洗浄水Wにより水洗浄104してその周囲に付着する汚染度の高い微細灰140を洗い流す水洗浄工程とを有している。
そして、粗ふるい102を通過しない粗粒灰120と水洗浄工程において微細灰140を洗い流された上灰130aとからなる主灰はそのまま搬出Bして埋め立て処分やリサイクルされる。一方、細ふるい103を通過した下灰131と微細灰140からなる飛灰は溶融処理106してダイオキシン類を分解したり、溶融後固化させて重金属類等を内部に密封して無害化処理を行った後、搬出Bして埋め立て処分またはリサイクルする。
また、水洗浄工程から排出される洗浄排水W1は、下灰131の冷却処理105に使用された後、浄化装置107により浄化して再度水洗浄工程の洗浄水Wとして再利用する構成となっており、外部に流出することなく循環使用されることから、周辺地域へ汚染物質を拡散することがない。
特開2003−300053号公報([0025]−[0046]、図1)
前記の焼却灰の洗浄方法は、洗浄水Wを循環させて使用するため、汚染水を外部に放流する必要がなく、汚染の拡散を防止することが可能ではあるが、焼却灰洗浄後の洗浄排水W1が含有する有害物質を除去するためにろ過処理設備などの浄化装置107が必要となり、限られた焼却工場の敷地内ではこの浄化装置107の設置が困難な場合があるとともに、浄化装置107の維持管理にも費用がかさむという問題点を有している。
また、粗粒灰120および上灰130等の主灰については無害化処理を施すことなく埋め立て処分やリサイクルするものとしているが、当該主灰が含有する汚染物質による汚染濃度が基準値を超えていることを理由として当該処分場の跡地利用ができなくなる可能性があるという問題も有している。
さらに、下灰131及び微細灰140については、有害物質を内部に含有したまま処理されるため、徐々にこれらの有害物質が溶出される可能性があるという問題点を有している。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、汚染物質を含有する焼却灰を無害化処理するとともに、無害化処理の過程で使用する洗浄水を特別な設備を要することなく外部に漏出することがないように処理する、焼却灰の安定化方法とこれを実施するための廃棄物焼却設備を提案することを課題とする。
前記の課題を解決するために請求項1に記載の発明は、廃棄物を焼却炉により燃焼して生成された焼却灰に洗浄水を散布して、前記焼却灰を冷却するとともに前記焼却灰が含有する有害物質を溶出させる冷却洗浄工程と、前記冷却洗浄工程において排出された汚染水を前記焼却炉の内部に散布して前記焼却炉を冷却する焼却炉冷却工程と、を含むことを特徴とする焼却灰の安定化方法である。
かかる焼却灰の安定化方法は、焼却灰を洗浄して焼却灰から汚染物質を取り除くのとともに、焼却灰の洗浄により発生した汚染水を焼却炉の冷却に使用することを特徴とするものである。この構成により、大量に発生した汚染水を外部に放流する必要がないため、周辺地域への環境汚染を抑止することが可能となる。また、大掛かりな水処理設備を限られた用地内に設置する必要もないため、大量に発生する汚染水を浄化する従来の方法と比較しても、焼却工場として必要とされる用地を最小限に抑えることが可能となる。
ここで、冷却洗浄工程において、焼却灰に洗浄水を散布するとともに、当該冷却灰に振動を加えれば、洗浄水による水みちが形成されずに、焼却灰全体に洗浄水が回るため有害物質の溶出効果が高まり、好適である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の焼却灰の安定化工法であって、前記冷却洗浄工程の後であって、前記焼却炉冷却工程の前に、前記冷却洗浄工程で排出された前記汚染水の一部を分離する汚染水分離工程を含むことを特徴としている。
かかる焼却灰の安定化方法は、焼却炉内に散布する汚染水の一部を分離することで、焼却炉の冷却に使用する汚染水の量を調節して、焼却炉内に滞留する汚染物質の量を制御することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の焼却灰の安定化方法であって、前記汚染水分離工程において分離された前記汚染水の一部を前記焼却炉の熱により蒸発させる汚染水浄化工程を含むことを特徴している。
かかる焼却灰の安定化方法によると、焼却炉の熱を利用して汚染水を蒸発させて汚染物質を除去するため、限られた焼却工場の用地内に、特殊な浄化設備などを配設することなく、汚染水を処理することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼却灰の安定化方法であって、前記冷却洗浄工程において冷却洗浄された焼却灰に酸化剤を散布して有機物を酸化安定化する酸化安定化工程を含むことを特徴としている。
かかる焼却灰の安定化方法によると、焼却灰に酸化剤を散布することで、冷却洗浄工程により洗浄しても溶出されずに焼却灰の内部に残った汚染物質を強制酸化して、焼却灰が含有する汚染物質を完全に除去することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の焼却灰の安定化方法であって、前記酸化安定化工程において有機物の酸化安定化が行われた焼却灰に中和剤を散布して中和する中和工程を含むことを特徴としている。
かかる焼却灰の安定化方法によると、酸化安定化工程により酸化剤が散布されたことにより酸性となった焼却灰に中和剤を散布してpH等を調整するため、安定化後の焼却灰を埋め立て材やセメント原料としてリサイクルしても周辺環境に影響を与えることのない、無害な材料として使用することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明は、廃棄物を焼却する焼却炉と、該焼却炉から排出された焼却灰を冷却洗浄する冷却洗浄槽と、前記冷却洗浄槽から排出された汚染水を前記焼却炉へ流出する排水管とから構成されていることを特徴とする、廃棄物焼却設備である。
かかる廃棄物焼却設備により、焼却灰の無害化処理を行うとともに、焼却灰の無害化処理に伴い発生する汚染水を焼却炉へと流出することにより、外部へ有害物質を放出することのない、環境に配慮した焼却灰の安定化が可能となる。
また、前記廃棄物焼却設備の前記排水管が前記汚染水の一部を分離する切替弁を有していれば、当該廃棄物焼却設備内を循環する汚染物質の濃度を調節することが可能となるため好適である。
また、前記廃棄物焼却設備が前記冷却洗浄槽から排出された汚染水の一部を前記焼却炉の熱により蒸発させる蒸発槽が前記焼却炉に隣接して配置されていれば、特殊な浄化装置を配置することなく、焼却炉の熱を利用して汚染水を浄化することにより簡易に汚染物質の回収を行うことが可能なため、浄化装置に要する用地やその維持管理等に要する費用を削減することが可能となり好適である。
さらに、前記廃棄物焼却設備の冷却洗浄槽が焼却灰の冷却洗浄時に振動を加える振動発生装置をそなえていれば、焼却灰の冷却洗浄の際に焼却灰が微小運動するようにすることで、焼却灰中に洗浄水による水みちを固定させずに、焼却灰全体に洗浄水がまわるようにして効率的に洗浄させることが可能となり好適である。
本発明により、汚染物質を含有する焼却灰を無害化処理するとともに、無害化処理の過程で使用する洗浄水を特別な設備を要することなく外部に漏出することがないように処理することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
[構成]
図1は、本発明の焼却灰の安定化方法を実施するための廃棄物焼却設備Aの一例を示した概略図である。
当該廃棄物焼却設備Aは、廃棄物を焼却する焼却炉1と、焼却炉1から排出された焼却灰10を冷却洗浄する冷却洗浄槽2と、冷却洗浄された焼却灰10に酸化剤31を添加して酸化安定化させる酸化安定化槽3と、酸化安定化された焼却灰10に中和剤41を添加して中和する調整槽4と、冷却洗浄槽2と酸化安定化槽3と調整槽4から排出された排水(汚染水)Dを蒸発させる蒸発槽5とから構成されている。
焼却炉1と冷却洗浄槽2とは、直接接続されており、焼却灰10が焼却炉1から直接冷却洗浄槽2に投入される構成となっている。そして冷却洗浄槽2には、酸化安定化槽3、調整槽4が連続して接続されている。これらの冷却洗浄槽2と酸化安定化槽3と調整槽4との間には図示しないベルトコンベヤ等の焼却灰搬送装置が配設されており、冷却洗浄槽2、酸化安定化槽3及び調整槽4において所定の処理がなされた焼却灰10を自動的に次の槽に搬送する構成となっている。
さらに、冷却洗浄槽2と酸化安定化槽3と調整槽4には排水管6が接続されており、各処理過程において発生した排水を排出する構成となっている。
冷却洗浄槽2と酸化安定化槽3と調整槽4から接続された排水管6は、切替弁61を介して蒸発槽5と焼却炉1との2箇所に接続されている。ここで、蒸発槽5は、焼却炉1の上方に隣接して配置されており、焼却炉1において廃棄物を焼却することにより発生する熱を利用して流入してきた排水Dの水分を蒸発させる処理槽である。
図2は、振動発生装置23を備えた冷却洗浄槽2の一例を示した断面図である。
この冷却洗浄槽2は、主に、主灰10aを投入し洗浄水21により主灰10aの冷却洗浄を行う洗浄容器22と、振動発生装置23と、排水溝25と、から構成されている。
洗浄容器22は、その内部の上方に洗浄水21を主灰10aに散布するための洗浄水散布手段を備えている。また、洗浄容器22の底面22bはスクリーンやフィルタ等からなり主灰10aを洗浄することにより汚染物質を含有した排水Dを洗浄容器22の外部へ排出する構成となっている。
洗浄容器22の直下には、排出された排水Dを集水して排水管6に誘導する排水溝25が形成されている。
また、洗浄容器22の上面の少なくとも一方の肩部には、後記する振動発生装置23のアーム23bが取り付けられている。
振動発生装置23は、主に回転装置23aとアーム23bとから構成されており、アーム23bはその一方の端部が洗浄容器22の肩部、他方の端部が回転装置23aに偏芯させて取り付けられている。そして、固定盤26に固定された回転装置23aを回転させると、アーム23bが上下左右に動き、洗浄容器22が揺動される。
ここで、洗浄容器22は、その側面に取付部材22aが突出しており、ゴムやスプリング等からなる弾性部材24を介して固定盤26に取り付けられている。このため、洗浄容器22は、アーム23bの上下左右への運動とともに動き、内部の主灰10aに振動を加えることが可能となる。
また、図3は、その他の振動発生装置23を備えた冷却洗浄槽2’の例を示した縦断面図である。
この冷却洗浄槽2’は、主に略直方体形状の洗浄容器22’と該洗浄容器22’の一方の側面に取り付けられた振動発生装置23とから構成されている。洗浄容器22’の上面の一方の端部に焼却灰投入口22cを有し、この焼却灰投入口22cと反対側の側面に焼却灰排出口22dを有している。また、洗浄容器22’の底部には排水Dを排出する排水口22eを有している。
洗浄容器22’の内部には、投入された主灰10aを上載するスクリーンやフィルタからなる床版22b’が、焼却灰投入口22c側を高く焼却灰排出口22d側を低くして、該洗浄容器22’を縦断する方向で配設されている。また、洗浄容器22’の内部の上方には、主灰10aに洗浄水21を散布する洗浄水散布手段を有している。
洗浄容器22’の焼却灰排出口22dを有する面と反対側の側面には、振動発生装置23が取り付けられており、該振動発生装置23から延設されたアーム23bの一方の端部は、床版22b’の端部に取り付けられている。なお、振動発生装置23’の構成は、前記の振動発生装置23と同様なため、詳細な説明は省略する。
この構成により、振動発生装置23の回転装置23aを回転させることにより、これに連動したアーム23bが床版22b’を揺動して、主灰10aに振動を加えることが可能となっている。また、主灰10aに散布され、洗浄することにより汚染物質を含有した排水Dは、床版22b’を透過して洗浄容器22’の底部の排水口22eから排出される。また、焼却灰投入口22cから投入された主灰10aは、床版22b’の傾斜と振動発生装置23の振動により、洗浄水21により洗浄されながら、徐々に焼却灰排出口22dへと誘導されて、洗浄容器22’の外部へと排出される。
[安定化方法]
次に、本発明の焼却灰の安定化方法の流れについて説明する。
焼却工場に搬送されてきた廃棄物は、廃棄物投入口11から焼却炉1に投入されて、焼却処分される。廃棄物を焼却したことにより生成された焼却灰10は、粉末状で粒径が小さく蒸気とともに浮遊して煙道13から排出される飛灰10bと焼却炉下部の排出口12から冷却洗浄槽2に排出される主灰10aとに分離される。
ここで、煙道13から排出される飛灰10bは、煙道13の出口付近に配設されたフィルター14により回収される。そして、フィルター14により回収された飛灰10bは、後記する蒸発槽5により回収された有機物とともに、最終処分場あるいは中間処理場等に搬出Bして、将来技術的にリサイクル可能になるまで保管する。
主灰10aが投入された冷却洗浄槽2には、洗浄水21が散布されて、当該洗浄水21と主灰10aとを撹拌することにより主灰10aの消火、冷却を行うとともに洗浄を行う(冷却洗浄工程)。そして、主灰10aを洗浄することにより主灰10aから溶出された有害物質を含有する汚染水(以下「排水」という場合がある)Dは、排水管6を介して焼却炉1又は蒸発槽5に流出する。また、洗浄水21により洗浄された主灰(以下「洗浄灰」という場合がある)20は、酸化安定化槽3へ搬送される。
ここで、冷却洗浄槽2は、振動発生装置23を有しているため、主灰10aの冷却洗浄を行うとともに振動を加えることにより、主灰10a中に洗浄水21による水みちが形成されることを防止して、主灰10a全体にまんべんなく洗浄水21が回るように構成されている。
酸化安定化槽3へと搬送された洗浄灰20には、酸化剤31が添加された後、撹拌されることにより、酸化安定化処理が施される(酸化安定化工程)。そして酸化安定化処理が施された洗浄灰(以下「酸化灰」という場合がある)30は、調整槽4へと搬送される。一方、洗浄灰20の酸化安定化処理に伴い排出される排水Dは、排水管6を介して冷却洗浄槽2から排出された排水Dとともに焼却炉1又は蒸発槽5へと流出する。
調整槽4では、酸化灰30に中和剤41を添加して撹拌することにより、酸性の酸化灰30を中和する(中和工程)。中和処理が施された酸化灰(以下「安定灰」という場合がある)40は、一旦灰貯留バンカ(図示せず)に貯留した後、最終処分場やセメント工場等に搬出Bする。なお、中和処理に伴い発生する排水Dは、冷却洗浄槽2及び酸化安定化槽3から排出された排水Dとともに排水管6を介して焼却炉1又は蒸発槽5へと流出する。
また、前記各槽2,3,4から排出された排水Dは、排水管6に設置された切替弁61によりその一部が蒸発槽5へと流出して、残りが焼却炉1へと流出する(汚染水分離工程)。ここで、当該切替弁61は、各槽2,3,4から排出された排水Dを指定された割合で自動的に分離する構成となっている。
焼却炉1に流出された排水Dは、適量の清水とともに焼却炉1内に散布されて、焼却炉1内を冷却する。一方、蒸発槽5へと流出された排水Dは、焼却炉1の熱により水分を蒸発させて、排水Dが含有する有機物50を回収する(汚染水浄化工程)。回収された有機物50は、前記飛灰10bとともに、最終処分場あるいは中間処理場等に搬出Bした後、将来技術的にリサイクル可能になるまで保管する。
[作用効果]
本発明の焼却灰の安定化方法は、主灰10aを洗浄水21により洗浄することにより、主灰10aの周囲に付着された汚染濃度の高い飛灰10bを分離するとともに、主灰10aに含有される汚染物質の一部を溶出することが可能となる。
また、主灰10aの冷却洗浄とともに振動を加えることにより、洗浄水21が主灰10a中に水みちを固定させることなく、主灰10a全体に洗浄水21が行き渡るように構成されているため、効率的に洗浄を行うことが可能となる。
また、洗浄水21により洗浄された洗浄灰20は、酸化安定化槽3において酸化剤31により強制酸化されるため、冷却洗浄槽2における洗浄処理により、溶出されなかった残りの有害物質を酸化して、主灰10aの安定化を行うことが可能となる。
また、酸化安定化が施された酸化灰30は、調整槽4にて中和されることにより、無害な安定灰40となるため、埋め立て処分を行っても、周囲の環境に悪影響を及ぼすことがない。
また、これらの処理過程において発生する排水Dは、全て焼却炉1又は蒸発槽5において処理されるため、有害物質を含んだ排水Dを外部へ放流されることがなく、周辺環境へ悪影響を及ぼすことがない。この際排水Dは、切替弁61によりその一部を蒸発槽5へと分離するため、廃棄物焼却設備A内に蓄積する塩類や重金属等の有機物の濃度を調節することが可能となる。
ここで、廃棄物焼却設備A内に蓄積する有機物の濃度を、蒸発槽5により採取する有機物の10倍以内にするためには、切替弁61により排水Dの10%を蒸発槽5に流出するように調節し、同様に5倍以内にするためには、排水Dの20%を蒸発槽5に流出するように調節するものとする。
また、蒸発槽5へ流出された排水Dについて、焼却炉1の熱を利用してその水分を蒸発させて有機物を回収する構成のとしたため、排水を浄化するための特殊な設備や動力を必要としない。したがって、その設備投資を大幅に削減できるとともに、その維持管理に要する費用も削減できる。
また、ダイオキシン等の有害物質を多く含有している飛灰10bや排水Dを蒸発することにより採取した有機物等に関しては、将来技術的に技術的にリサイクルが可能となるまで保管されるため、有害物質を含有する物質をリサイクルすることによる環境汚染の抑止を行うことが可能となる。また、これらの飛灰10bや有機物等は、主灰10aに比べてわずかな量なため、その保管に必要な用地を最小限に抑えることが可能となる。
以上、本発明について、好適な実施の形態の例を説明したが、本発明は前記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記の実施の形態では、焼却灰のうち主灰のみに対して安定化を施したが、飛灰に対しても安定化を施してもよい。
また、前記の実施の形態では、冷却洗浄槽、酸化安定化槽及び調整槽との3槽を用いて3つの処理工程を行い主灰の安定化処理を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、1つの槽において各処理工程を順に行ったり、一部の処理工程を省略して安定化を行ってもよく、また、焼却灰が含有する物質によっては、新たな処理工程を追加してもよい。また、冷却洗浄槽を冷却槽と洗浄槽との2槽に分離してもよいことはいうまでもない。
また、前記の実施の形態において、振動発生装置を有した冷却洗浄槽の例を示したが、振動発生装置を有した冷却洗浄槽の構成はこれらに限定されるものではなく、適宜効率良く主灰に振動を加えられる構成を設定すればよい。
また、前記の実施の形態では、冷却洗浄槽が、振動装置を有する構成としたが、回転機構等、その他の溶出効果を高める機能を有しているものでもよく、冷却洗浄槽の構成は限定されるものではない。また、洗浄水による溶出のみで、十分な効果が得られる場合には、前記の機能を省略してもよいことはいうまでもない。
また、前記の実施の形態では、各槽間の主灰の搬送をベルトコンベヤにより行うものとしたが、例えば人力により行うなど、搬送手段は限定されるものではない。
また、前記の実施の形態の切替弁は、排水を指定された割合で分離する機能を有したものを使用することとしたが、流下方向を切替える構成の切替弁により所定量を一方に流下させた後、流下方向を切替えて他方に排水を流下させる切替弁を使用するなど、切替弁の機構は限定されるものではない。
また、当該廃棄物焼却設備内に蓄積される有機物の濃度は限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定すればよい。
また、前記の実施の形態では、分離された排水の一部を、焼却炉の熱を利用して蒸発させることにより、有機物を取り出すものとしたが、有機物の採取方法はこれに限定されるものではなく、例えば逆浸透幕やキレート処理などの従来の水処理方法を用いてもよい。
また、前記の実施の形態では、蒸発槽を焼却炉の上部に配置するものとしたが、焼却炉の熱を利用して効率よく排水の蒸発を行うことが可能であれば、その位置は限定されるものではない。
本発明の焼却灰の安定化方法を実施するための廃棄物焼却設備の一例を示す概略図である。 振動発生装置を備えた冷却洗浄槽の一例を示した断面図である。 その他の振動発生装置を備えた冷却洗浄槽の例を示した縦断面図である。 従来の焼却灰の安定化方法を実施するための廃棄物焼却設備を示す概略図である。
符号の説明
1 焼却炉
2,2’ 冷却洗浄槽
3 酸化安定化槽
4 調整槽
5 蒸発槽
6 排水管
10 焼却灰
10a 主灰
10b 飛灰
21 洗浄水
22,22’ 洗浄容器
23,23’ 振動発生装置
31 酸化剤
41 中和剤
61 切替弁
A 廃棄物焼却設備
D 排水(汚染水)

Claims (9)

  1. 廃棄物を焼却炉により燃焼して生成された焼却灰に洗浄水を散布して、前記焼却灰を冷却するとともに前記焼却灰が含有する有害物質を溶出させる冷却洗浄工程と、
    前記冷却洗浄工程において排出された汚染水を前記焼却炉の内部に散布して前記焼却炉を冷却する焼却炉冷却工程と、
    を含むことを特徴とする焼却灰の安定化方法。
  2. 前記冷却洗浄工程の後であって、前記焼却炉冷却工程の前に、前記冷却洗浄工程で排出された前記汚染水の一部を分離する汚染水分離工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の焼却灰の安定化工法。
  3. 前記汚染水分離工程において分離された前記汚染水の一部を前記焼却炉の熱により蒸発させる汚染水浄化工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の焼却灰の安定化方法。
  4. 前記冷却洗浄工程において冷却洗浄された焼却灰に酸化剤を散布して有機物を酸化安定化する酸化安定化工程を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼却灰の安定化方法。
  5. 前記酸化安定化工程において有機物の酸化安定化が行われた焼却灰に中和剤を散布して中和する中和工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の焼却灰の安定化方法。
  6. 廃棄物を焼却する焼却炉と、該焼却炉から排出された焼却灰を冷却洗浄する冷却洗浄槽と、前記冷却洗浄槽から排出された汚染水を前記焼却炉へ流出する排水管とから構成されていることを特徴とする、廃棄物焼却設備。
  7. 前記排水管が前記汚染水の一部を分離する切替弁を有していることを特徴とする、請求項6に記載の廃棄物焼却設備。
  8. 前記冷却洗浄槽から排出された汚染水の一部を前記焼却炉の熱により蒸発させる蒸発槽が前記焼却炉に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の廃棄物焼却設備。
  9. 前記冷却洗浄槽が前記焼却灰の冷却洗浄時に振動を加える振動発生装置を備えることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の廃棄物焼却設備。
JP2004132936A 2004-04-28 2004-04-28 焼却灰の安定化方法および廃棄物焼却設備 Expired - Fee Related JP4368733B2 (ja)

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