JP2013036847A - 放射性土壌の除染システム - Google Patents

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Abstract

【課題】核燃料の溶融によって原子炉建屋から周辺環境に放出された放射性物質によって汚染された土壌を、物理化学的処理によって母岩変性物と放射性物質とに分離する装置。
【解決手段】放射性の汚染土壌をロータリーキルンあるいは高周波照射による低温灰化炉で酸化焼却し、土壌中に含まれる有機物(主として腐植)を取り除く。灰化後に酸性条件下でカチオン界面活性剤を作用させ、化学的な排斥力を利用して放射性物質を汚染水として分離回収する。さらに中性条件下で界面活性剤を作用させて母岩変性物を洗浄した後に放射性物質を含む汚染水を回収する。この汚染水は有機物吸着材を通過させることで放射性物質のみを高濃度に分離回収する。また洗浄後の母岩変性物は放出放射線量を測定した後に原環境へ戻す除染システム。
【選択図】図8

Description

本発明は放射性物質によって汚染された土壌とくに腐植など有機物を含む母岩変性物の除染に関する。
原子力発電所の事故によって放出された放射性物質が地表に拡散すると、放射性の汚染土壌が発生する。汚染土壌を処理して放射性物質を分離回収する必要が生じるが、現在まで実用化された技術システムは存在しない。たとえば特許文献1では高温高圧の水蒸気を土壌中に吹き込んで、拡散してくる水蒸気中の物質を回収するが、土壌中で有機物と化学的に結合した放射性物質を分離することはできない。また特許文献2ではバクテリアの分解作用によって放射性物質を分離できると主張するが、放射背物質を分離あるいは分解するバクテリアは知られていない。
なぜなら土壌中に含まれる有機物とくに腐植と放射性物質は化学的に結合し、通常の界面活性剤あるいは水蒸気などで相互の結合を切ることができないからである。また土壌は極めて多彩多様な物質から構成されており、画一的な化学処理の対象となり難い。たとえば酸アルカリなどによる処理を施しても、大量の有機物が存在する限り放射性物質(イオン、金属錯体および微粒子を含む)を分離することは困難である。それゆえ汚染土壌から放射性物質を除去するシステムあるいは装置は考案されていないと結論できる。また広大な面積に散布された放射性物質を含む膨大な表土を処理するのに適した、簡便にして安価な除染システムの開発は求められてこなかった。
現実にチェルノブイリ原発の周辺でも除染は進んでおらず、ほぼ放置されたままとなっている。わずかに植物たとえばヒマワリなどを用いた放射性物質の除去が行われているが、その効果は乏しく放射性物質の地中沈下現象が観察されている。福島第一原発事故による汚染は現在まで地表近くに留まっており、表面から5ないし10センチ程度までの土壌を除去すれば、放射性物質の大半が除去可能な段階にある。しかし放射性物質を含む表土を回収したとしても、莫大な量を保管あるいは最終処分する場所もなければ処理あるいは処分法が考案されていない。このままでは除かれた表土が各地に山積みとなり、空間線量が減少しないばかりか地下水汚染を惹き起こして、放射性物質の二次的拡散が進行してしまう。したがって早期に汚染土壌の除染が必要となるが、土壌に対する無知もあって何ら解決策が示されていない。
特開2004ー243195 特開2007ー306803
原子炉から周辺環境へ放出されて土壌中に拡散した放射性物質を分離回収して土壌を除染する。
上記の課題を解決するため、土壌を低温灰化し母岩変性物の構造を変化させずに腐植(有機物)を酸化する。発生した気体酸化物を大気中に放出した後で母岩変性物を酸とカチオン界面活性剤の溶液に浸して放射性の陽イオン粒子を抽出する。さらに中性の界面活性剤溶液によって洗浄し、イオン化していない微粒子を洗浄して流出させるシステム。
図1に示すように土壌は母岩変性物と主として腐植と呼ばれる有機物から構成される。母岩変性物は母岩が風化や植物による浸食を受けて粒子化したもので、イオン化し易い放射性物質に対して特異的な吸着能をもっていない。ところが母岩変性物と結合あるいは取り巻く有機物(とくに腐植)は、強い陽イオン(カチオン)吸着力を有しており、母岩変性物と放射性物質の間に化学的な架橋を形成してしまう。したがって腐植などの有機物を土壌中から除去することによって、母岩変性物と放射性物質の結合を弱めることが可能となる。
図2に示すように放射性物質を含む土壌を酸素の存在下で加熱すると、いわゆる低温灰化が生じて有機物とくに腐植が酸化燃焼により除去される。有機物の酸化燃焼は単純な焼却によっても達成されるが、およそ800度より高温になると母岩変性物の表面が溶融する現象すなわち焼結が発生するため、およそ500度以下の条件で酸化反応を進める必要がある。一般的には200度から300度を維持した酸素ないし大気を供給し続けることで低温灰化が生じる。
低温灰化は図3に示すように高周波による加熱と酸素を含む送風でも達成可能であるが、この場合でも母岩変性物の焼結が発生しないように、加熱条件を決定しなければならない。高周波灰化炉の内部には攪拌および土壌を移動するベルトコンベアを付置し、土壌全体に高周波が均一に照射される。また灰化が終わった土壌はベルトコンベアによって排出口へ送られる。
図4に示す界面活性剤処理槽において、低温灰化した土壌を酸とカチオン(陽イオン)界面活性剤に浸漬すると、図5に示すように陽イオンを持った放射性物質と母岩変性物の間に界面活性剤の分子(イオン)が入り込み、放射性物質とくに陽イオンを酸性の母岩変性物から浮遊させる。日本の土壌を形成する母岩変性物の大半は酸性すなわち陽イオンを表面に持っているため、酸性状態で効果を発揮するカチオン(陽イオン)界面活性剤を用いることで、母岩変性物と放射性物質が容易に分離し、放射性汚染水と固体の母岩変性物が別々に回収できる。
酸とカチオン(陽イオン)界面活性剤で処理した後に、(たとえばリモネンなどを含む)中性の界面活性剤と水で洗浄すれば、母岩変性物の表面に残った酸が希釈されるため、母岩変性物の表面は通常の状態に復帰する。同時に中性付近で分離する放射性物質も溶出されるため、これも抽出液(汚染水)として貯蔵する。すなわち図4の汚染水タンクには、酸性および中性条件で溶出してくる放射性物質の大半が含まれる。
溶出してきた放射性物質は、イオンおよび微粒子の浮遊する水溶液となるが、いわゆる汚染水と考えることができる。これを図6に示す有機物吸着材(リッター、腐植および活性炭から構成される)を用いた分離回収装置に導くと、放射性物質のみが特異的に化学吸着して回収される。回収した吸着材を再び低温灰化すれば、放射性物質のみが分離回収できる。
図1は土壌と放射性物質の吸着様式を示す説明図である。 図2は低温灰化炉(ロータリーキルン型)の断面図である。 図3は高周波灰化炉の断面図である。 図4はカチオン界面活性剤処理槽の断面図である。 図5は界面活性剤の作用機序を示す説明図である。 図6は抽出液を処理する有機物吸着槽の断面図である。 図7は工場型処理施設の断面図である。 図8は移動型処理施設(車両)の断面図である。 図9は高周波照射装置を用いた小規模処理施設の配置図である。
図7にはローターリーキルン型の低温灰化炉とカチオン界面活性剤および中性界面活性剤による中和洗浄槽の複合型施設を示した。ロータリーキルンとしては既存のコンクリート製造施設を転用することが可能で、界面活性剤処理槽と汚染水タンクを増設するだけで操業可能となる。もしコンクリート製造業に遊休施設があれば、一部施設の改変によって操業が開始できるため、最少の費用で大量の土壌が処理できることになる。ただし施設そのものは放射性物質によって汚染されるので、再びコンクリート製造に用いるには別の形で除染が必要となる。また汚染水から放射性物質のみを取り出す有機物吸着槽は、図示していない。なぜなら高濃度汚染水の処理システムについては、すでに特許を出願しているからで、設置場所などが極めて限定されると考えられるため、一般的な実施例として挙げることは適当でない。
図8に示したのは大型車両(トレーラー)上に高周波照射装置と界面活性剤処理槽および中和洗浄槽を搭載した小型のシステムである。土壌汚染が広範囲にわたって発生しており、いわゆるホットスポットが点在するため、これら地点の土壌を採取運搬することが困難な場合も想定される。したがってシステム全体を可動式にして(牽引)移動を行えば、土壌を広範囲に運搬しなくても除染が可能となる。もちろん電源および汚染水タンクなどは別の車両から供給することも可能で、必ずしも同一車両に積載しなくても構わない。高周波照射による低温灰化は短時間で達成であり、酸性処理槽におけるカチオン界面活性剤処理および中性界面活性剤による洗浄にも時間を要しない。したがって一か所の土壌を処理し終えた時点で次の地点に移動することが可能となる。もちろん処理後に酸性の放射性汚染水が発生するため、トレーラー上に汚染水タンクを設けるか別に汚染水を貯留して運搬するタンク車を帯同する必要がある。この移動式除染システムが重要なのは、リッターや腐植層が地表上に重層あるいは露出している場所すなわち中山間地の比較的汚染度が高い地点で、大量の土壌を広範囲に運搬しなくても除染が終了する点である。放射性物質の存在箇所(高濃度地点)はガンマカメラや簡易測定器によって容易に探知でき、リッターなどを含めて表土の汚染が除去できたかどうかも判明する。したがってホットスポットのリッターや土壌のみを処理することが可能となる点を強調したい。
図9に示したのは、車載可能な小型の処理装置を少し大型化した固定式システムで、地域単位などで新たに建設する場合を想定したものである。装置の基本的構成は車載型と同様であるが、より大型化して固定した施設としたものである。ロータリーキルン型の低温灰化炉は大型の工場施設となるが、高周波照射炉を用いる処理施設は比較的小型化が容易であり、地域単位で設置することが可能である。すなわち大型のトレーラーなどが入れない地域にホットスポットが検出された場合や、とくに除染が必要な場所が特定されている場合に、汚染された土壌のみを採集して集め、これを地域自治体が主体となって除染を実施することを想定した小規模工場施設である。既存の下水処理あるいは清掃工場などに併設することで、自治体間の汚染土壌運搬を回避しながら処理を進めることが可能となる。また都市の下水処理場などで発生している放射性汚泥の処理を迅速に行うためにも、こうした小規模な固定型施設を設ける必要が高い。
本発明は福島第一原発のように緊急性を有する国家的および産業上の高い必要性に対するものであり、大型の処理施設については多数が建設されるとは考え難い。とくに汚染度の高い汚染土壌の処理施設は極めて限定された数となる。すなわち産業利用上の応用範囲は狭いが、緊急性および必要性が極めて高い設備であり、また他地域で原発の溶融などが発生した場合にも同様の施設が要求される。小型固定式の土壌除染設備は、北海道を除く東日本一帯の自治体単位で必要とされるもので、その応用範囲は広い。車載型すなわち運搬可能な小型処理システムは大小の固定型よりも多く必要と考えられ、広範囲に継続的な使用が見込まれる。有機物を吸着材とする汚染水の浄化装置は設置場所が限定されるものの、極めて必要度の高い設備である。
1 母岩変性物
2 放射性物質
3 腐植あるいは有機物
4 熱風製造装置
5 回転円筒型低温灰化炉(いわゆるロータリーキルン)
6 高周波発生装置
7 カチオン界面活性剤

Claims (3)

  1. 放射性物質によって汚染された土壌をロータリーキルンなどを用いて低温灰化し、界面活性剤によって放射性物質を母岩変性物から分離する装置。
  2. 高周波発生装置によって発生する高周波を用いて汚染土壌を短時間で低温灰化し、酸性条件下でカチオン界面活性剤を用いて放射性物質を分離回収する装置。
  3. 中性条件下で界面活性剤を作用させ、母岩変性物を洗浄して放射性物質を分離回収し、さらに有機物吸着材によって放射性物質を含む汚染水を濃縮する装置。
JP2011172888A 2011-08-08 2011-08-08 放射性土壌の除染システム Withdrawn JP2013036847A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5362926B1 (ja) * 2013-03-12 2013-12-11 大崎建設株式会社 放射性物質による汚染土壌の除染法
JP2016042059A (ja) * 2014-08-18 2016-03-31 真一郎 樫村 放射性廃棄物処理方法
KR101727216B1 (ko) * 2016-04-22 2017-04-17 (주)이엔이 이동형 방사능 오염수 처리장치
WO2017191975A1 (ko) * 2016-05-02 2017-11-09 한국원자력안전기술원 이동식 방사성핵종 제염 장치 및 제염 방법

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