JP6306969B2 - 焼却残渣の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却残渣、例えば、焼却灰を洗浄する洗浄工程を含む、焼却残渣の処理方法に関する。
廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却残渣、例えば、焼却灰には、易溶出成分、つまり、Pb等の重金属類や有機物が含有されており、そのため焼却灰を最終処分もしくはリサイクルする際にこれらの易溶出成分が問題となることが多い。焼却灰の安定化において処分場へ埋立てる前に洗浄処理を行い、易溶出成分を除去することにより、埋立後の長期的な溶出挙動が改善されることが分かっている。また、近年の最終処分場の建設難に伴う処分場の容量が逼迫している現状において、埋立量の多くを占める焼却灰をリサイクルできることは既存処分場の延命化に大きく貢献する。焼却灰のリサイクルにおいて大きな障害となっているのが、焼却灰からの易溶出成分の溶出である。この問題についても焼却灰を洗浄処理することにより、大幅に性状を改善することができることが分かっており、今後の焼却灰処理において洗浄処理は有望な技術である。
焼却炉に洗浄設備を設置し、焼却灰の安定化を促進する処理は、特許文献1、2に記載されている。特許文献1に記載された焼却灰の処理方法は、洗浄工程と乾燥工程と選別工程と粒状化工程とを備えている。
洗浄工程では、焼却灰から、金属片やクリンカー状の熔塊を機械的に除去後、該焼却灰を、少なくとも1段は洗浄水にCO2 ガスを吹き込みまたは酸を注入することにより塩分の溶出を促進させると同時に、重金属類の溶出を抑止するための薬注装置を備えた2〜3段の洗浄槽で水洗浄し、未燃有機物質、カーボン微粒子、微粉体を洗浄除去すると同時に、焼却灰中の塩分を溶出除去すると共に溶出してきた重金属類をも洗浄除去する。
乾燥工程では、焼却灰を脱水装置により脱水し、蒸気または燃料油を熱源として乾燥させる。選別工程では、乾燥された焼却灰から、鉄分を除去し、更に非鉄金属類を除去する。粒状化工程では、残りである非金属物質を粒度別に分級後、粉砕及び研磨し、粒子状に加工する。
特許文献2に記載された焼却灰の安定化方法および廃棄物焼却設備は、冷却洗浄工程と、焼却炉冷却工程と、を含む。冷却洗浄工程は、廃棄物を焼却炉により燃焼して生成された焼却灰に洗浄水を散布して、焼却灰を冷却するとともに、焼却灰が含有する易溶出成分を溶出させる。焼却炉冷却工程は、冷却洗浄工程において排出された汚染水を、焼却炉の内部に散布して焼却炉を冷却する。
特許第2670417号公報 特許第4368733号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された焼却灰の処理方法において、焼却灰を洗浄する工程では、易溶出成分を含む多量の廃水が発生し、その廃水を処理あるいは処分するための設備や費用が多大となる問題があった。
本発明の目的は、焼却残渣を処理する処理設備において、洗浄工程で発生した易溶出成分を含む廃水が、そのまま処理設備の外に排出されるのを防止することである。
本発明は、廃棄物の燃焼により発生した焼却残渣を処理する、焼却残渣の処理方法であって、冷却水を入れた冷却槽へ前記焼却残渣を入れて該焼却残渣を冷却する冷却工程と、前記冷却槽から取り出した前記焼却残渣に連続的に通気を行い、かつ、前記焼却残渣に断続的に散水して、前記焼却残渣から易溶出成分を除去する洗浄工程と、を有し、前記洗浄工程で前記焼却残渣を洗浄することで発生した廃水を、前記冷却槽に入れる冷却水として利用し、前記冷却槽で前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を埋め立て処分場へ移送する。
本発明は、前記廃水を前記冷却槽へ入れる前に、前記廃水を前記易溶出成分と水とに分離する廃水処理工程が設けられ、前記廃水処理工程で分離された水を、前記冷却槽へ入れる冷却水として利用する。
本発明は、前記洗浄工程は、前記焼却残渣を洗浄して発生する前記廃水と、洗浄後における前記焼却残渣との液固比が1以下となるように、洗浄する前記焼却残渣の量と前記散水の量とを設定する。
本発明は、前記冷却槽で前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を埋め立て処分場へ移送する。
本発明は、前記冷却槽へ入れられる前記焼却残渣を、前記冷却水を吸収させる吸水用残渣と、前記冷却水を吸収せずに前記洗浄工程に移送する洗浄用残渣と、に分け、前記冷却水を吸収した前記吸水用残渣を前記埋め立て処分場へ移送する。
本発明は、前記冷却槽に入れられる前記焼却残渣を、所定の時間間隔で前記吸水用残渣と前記洗浄用残渣とに分ける。
本発明は、前記冷却槽は、別々に設けられた第1冷却槽と第2冷却槽とを含み、前記吸水用残渣は前記第1冷却槽に入れられ、前記洗浄用残渣は前記第2冷却槽に入れられる。
本発明は、前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度を測定し、前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度が所定値未満である場合は、前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を前記洗浄工程へ移送し、前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度が所定値以上である場合は、前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を前記埋め立て処分場へ移送する。
本発明は、前記焼却残渣は、前記廃棄物を燃焼させて発生した主灰と飛灰とを含み、前記主灰は、前記冷却槽へ入れられ、前記飛灰に不溶化剤を混練して、前記飛灰に含まれる重金属類が溶出しないように安定化させる不溶化工程が設けられている。
本発明は、前記不溶化工程は、前記廃水処理工程で分離された前記水を、前記不溶化剤と共に前記飛灰に混練する。
本発明は、前記洗浄工程で発生した前記廃水を、前記廃棄物を燃焼する焼却炉に移送して前記焼却炉の温度を調節する。
本発明は、前記洗浄工程で発生した前記廃水を、前記焼却炉の廃熱を利用して乾燥固化塩とし、該乾燥固化塩を前記埋め立て処分場へ移送する。
本発明は、前記冷却槽から取り出した前記焼却残渣をコンテナに収容して前記洗浄工程に移送する。
本発明における前記洗浄工程は、前記焼却残渣が前記コンテナに収容された状態で、前記焼却残渣に連続的に通気を行い、かつ、前記焼却残渣に断続的に散水して、前記焼却残渣から易溶出成分を除去する。
本発明によれば、洗浄工程で発生した易溶出成分を含む廃水が、冷却工程に移送されて焼却残渣に吸収される。したがって、易溶出成分を含む廃水がそのまま処理設備の外に排出されることを抑制できる。
本発明の焼却残渣の処理方法が行われる処理設備の概念図である。 本発明の洗浄工程及び比較例の洗浄工程で行ったベンチマーク試験の条件を示す図表である。 図2に示す各種の洗浄工程において、主灰から溶出された易溶出成分の量を示すグラフ図である。 本発明の洗浄工程の効果を確認する洗浄試験の結果を示すグラフ図である。 洗浄試験により主灰を洗浄した場合において、浸出水中のPb濃度とCl濃度の相関関係を示すグラフ図である。 本発明の洗浄工程において、液固比を調整する処理を示す模式図である。 本発明の冷却工程において、冷却槽に入れられる主灰を、洗浄工程と埋め立て処分場とに分ける工程を説明する模式図である。 本発明の冷却工程において、冷却槽に入れられる主灰を、洗浄工程と埋め立て処分場とに分ける工程を説明する模式図である。
本発明の残渣処理方法が行われる処理設備を、図1の概念図を参照して説明する。処理設備10は、焼却炉11、灰冷却装置12、洗浄装置13、廃水処理装置14、不溶化装置15を有する。焼却炉11内では廃棄物が焼却されて、焼却残渣が発生する。焼却残渣は可燃物の灰であり、主灰及び飛灰を含む。主灰は、焼却炉11の炉底から排出されるものであり、飛灰は、廃棄物を焼却したときに発生する灰のうち排ガスと同伴して集塵装置で集められるものである。
また、焼却炉11内に散水するための散水機構16が設けられている。散水機構16は、スプリンクラーを含み、散水機構16から水を焼却炉11内に散水して、焼却炉11内の温度調節を行うことができる。
灰冷却装置12は、焼却炉11の下方に配置されており、焼却炉11から排出される主灰を冷却することが可能である。灰冷却装置12は、冷却槽12Aに冷却水が溜められている。また、冷却水を冷却槽12Aへ供給する供給管、及び冷却水を冷却槽12Aから排水する送水管が設けられている。送水管は、冷却槽12A内の一部を、散水機構16に導く経路A1を形成する。さらに、灰冷却装置12で冷却された主灰を、冷却槽12Aの外に排出する経路E2が設けられている。経路E2へ排出された主灰は、コンベア等の搬送手段により搬送されてコンテナ17へ収容される。
コンテナ17は洗浄装置13へ移送される。洗浄装置13は、主灰を収容する洗浄槽18と、洗浄槽18の上方に設けられた散水機構19と、洗浄槽18の底部に設けられた送気機構20と、を備えている。散水機構19は、水タンクに接続された送水管と、送水管の途中に設けられたバルブと、送水管の端部に取り付けられたスプリンクラーとを含む。洗浄槽18の上部は開口されており、散水機構19から散水された水が、洗浄槽18内の主灰へ供給される。送水管の途中に設けられたバルブを調節することにより、散水機構19から散水される水の量を変更できる。
送気機構20は、空気機械の一種であるブロワと、ブロワの吐出口から吐出される空気が流れる送気管と、を有する。ブロワの回転数、送気管に設けられたバルブを制御することにより、空気量を制御可能である。洗浄装置13は、洗浄後の廃水量と、水を含む主灰の量との重量比、具体的には、液固比が1以下となるように、洗浄槽18へ間欠的(断続的)に散水する水量と、洗浄槽18内の主灰の量と、を調整している。
また、洗浄槽18内に集水管が設けられており、主灰に散布されて主灰から溶出された易溶出成分を含む廃水は、集水管を通り洗浄槽18の外部に排出される。さらに、洗浄装置13で洗浄された主灰、つまり、易溶出成分が除去され主灰を、処理設備10の外部に排出する排出経路A2が設けられており、排出経路A2を搬送される主灰は、リサイクル工程B1、または埋め立て処分場C1へ搬送される。埋め立て処分場C1は、いわゆる、最終処分場である。
廃水処理装置14は、洗浄装置13から排出された廃水を、易溶出成分と水とに分離する装置である。廃水処理装置14は、洗浄装置13から出る廃水を簡易的に水処理し、Pb等の重金属類やCaといった埋め立て処分場C1においてその溶出が問題となる易溶出成分を不溶化し、汚泥として廃水から除去する。
また、廃水処理装置14において新たに発生する汚泥は、易溶出性のPb等の重金属類を不溶化し、またスケールの原因となるCaを炭酸化し、溶出しにくい形態へ変えて埋め立て処分場C1へ搬入する。したがって、埋め立て処分場C1における水処理への負荷軽減へ大きく寄与する。
廃水処理装置14は、易溶出成分を含む廃水を、処理設備10の外(系外)へ排水することを目的とするのではなく、易溶出成分を減少させることが目的であり、排水基準等の基準を必ずしもクリアする必要は無い。そのため、凝集沈殿、吸着塔等の方法で、廃水から易溶出成分を不溶化もしくは分解し汚泥として除去すればよい。廃水処理装置14において、除去される易溶出成分には、次の(a)〜(c)に示す項目が含まれる。
(a)特別管理産業廃棄物の判定基準(燃えがら)に掲載されている項目
水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、セレン、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類
(b)最終処分場の廃止に係る技術上の基準 浸出水に関する規制値と測定頻度(管理型処分場廃止基準)に掲載されている項目
有機成分・窒素成分(アンモニア態、亜硝酸態、硝酸態)
ホウ素、フッ素・銅、亜鉛、溶解性鉄、溶解性Mn、SS等
(c)カルシウム
洗浄装置13は、廃水ベースにおける水と主灰と液固比(重量比)が1以下となるように、洗浄槽18内における主灰の量と、散水機構19から散水される水の量とを調整する。このため、廃水処理装置14は小型のもので対応可能である。廃水から汚泥として除去された易溶出成分は、経路A3を経て埋め立て処分場C1へ搬送される。
前記の不溶化装置15は、焼却炉11から出る焼却灰のうち、飛灰を処理する装置である。不溶化装置15は、飛灰に、不溶化剤としてキレート剤やセメントを混練させて、飛灰に含まれる重金属類を不溶化させる装置である。不溶化された飛灰は、経路A4を経て埋め立て処分場C1へ搬送される。
本実施形態における洗浄装置13で行われる洗浄工程を、具体的に説明する。洗浄装置13は、洗浄槽18内の主灰に対して散水と通気とを行うことによって、易溶出成分を主灰から溶出させることを促進する。このため、洗浄装置13においては、主灰が洗浄槽18内に静置され、スプリンクラー等の散水機構19から下に向けて散水を行う。散水は間欠運転で行い、かつ、少量・多数回で散水することにより、主灰に固定的な通水経路(つまり、水みち)が形成されることを抑制できる。また、散水を自動的に間欠的に行う場合、バルブをソレノイドバルブとし、ソレノイドバルブを開閉するコントローラを設け、タイマにより計測される時間により、コントローラがソレノイドバルブを開閉制御すればよい。なお、作業者がバルブを手動で開閉し、散水を間欠的に行うことも可能である。
このように、洗浄装置13では、散布した水が、主灰内で偏って浸透することなく全体に分散される。したがって、主灰中に含まれる易溶出成分を、少ない散水量で効率的に溶出させること、つまり、洗い出すことが可能である。
図2は、洗浄装置13の有効性を確認するために行ったベンチスケール試験の結果、つまり、主灰を各種の洗浄方法(洗浄工程)により洗浄した実験結果を示す。図3は、図2に示した各種の洗浄方法において、主灰から溶出されたNa、Ca、Clの量を示す。本実施形態の洗浄装置13により行われる洗浄工程は、図2に示す洗浄名称のうち、散水・通気洗浄に相当する。散水・通気洗浄における洗浄条件は、1日当たりの散水強度(散水量)が148mmとなるように間欠散水する。また、散水・通気洗浄は、秒速2mmで24時間に亘り、連続的に、つまり、常時、通気を行って主灰を洗浄する。洗浄後の廃水量と主灰の量との液固比(重量比)は1以下に設定される。散水・通気洗浄は、特に、液固比が0.5〜0.6の範囲内となるように、間欠的な散水量、主灰の量を調整する。
機械撹拌洗浄は、比較例1の洗浄工程であり、機械撹拌洗浄の洗浄条件は、環境庁告示13号に準拠しており、液固比10で6時間振とうさせて主灰を洗浄した。浸漬洗浄は、比較例2の洗浄工程であり、浸漬洗浄の洗浄条件は、液固比0.6〜1.0とし、主灰を24時間水中に浸漬させて洗浄した。図2において、液固比は、洗浄装置から出る廃水と、洗浄後の主灰との重量比であり、廃水量を主灰量で除算した値である。
各洗浄工程を比べると、Na、Clといった易溶出性の塩類の洗い出しについて、散水・通気洗浄における液固比は、機械撹拌式洗浄の液固比、浸漬洗浄の液固比よりも小さく抑制したうえで、機械撹拌式洗浄や浸漬洗浄と同等の洗い出し効果があることが分かる。一方、Caのように液固比に依存する塩類の洗い出し量について、本実施形態の洗浄装置13に相当する散水・通気洗浄は、機械撹拌式洗浄と比較すると少ない。
このように、本実施形態の洗浄装置13に相当する散水・通気洗浄は、少量の散水で高効率に塩類を洗い出すことに優れているが、Ca等のように主灰中に大量に含有されており、液固比に依存して溶出する塩類の洗い出しにはあまり向いていない。しかし、実際には主灰中に数十%近く含有するCa等を全量洗い出すことは現実的ではない。また、水処理の負荷を大きくすることにもなるため、このような成分については初期に易溶出部分の洗い出しを行いながら、不溶化することが望ましい。
次に、洗浄装置13で主灰から易溶出成分を溶出させる場合に、通気の有無による溶出作用への影響を説明する。図4は、主灰を散水・通気洗浄法により洗浄する試験を行った結果を示すグラフ図である。洗浄試験は、内径φ104mmのカラム内に主灰を高さ300mmで収容して、主灰を散水・通気洗浄法により洗浄するものである。洗浄後の主灰を、10cm毎に上層・中層・下層に3等分し、各層の主灰における溶出水(環告13号)中のCl濃度を測定した結果が、図4に示されている。
散水強度(散水量)が1日当たり320mmである第1処理区と、散水強度(散水量)が1日当たり160mmの2処理区とを設定し、それぞれの処理区について、通気有り・無しの比較を行った。散水強度が大きい第1処理区において、通気無しでは中層の溶出水中のClの濃度が、他層より高い。これは、主灰内で通水経路が形成がされたことが原因と推定される。一方、第1処理区において、通気有りでは中層における溶出水中のClの濃度が低下しており、主灰内で通水経路の形成が緩和されたか、もしくは通水経路が解消されたことを示唆している。
これに対して、第2処理区では、通気の有無に係わらず、上層から下層に向けて溶出水中のClの濃度が高くなるという通常の溶出傾向が見られ、散水強度が適当であることが確認された。しかし、第2処理区の中層・下層は、通気無しよりも通気有りの方が、Clの濃度が低くなっており、通気によるClの洗い出し促進効果が示唆された。
図5は、洗浄装置13に対応する散水・通気洗浄法により主灰を洗浄した場合において、浸出水中のPb濃度とCl濃度の相関関係を示す回帰直線である。浸出水は、易溶出成分を含み、かつ、主灰から出た水であり、「浸出水」は、洗浄装置から出る「廃水」と同義である。浸出水中のPb濃度とCl濃度は、決定係数R2 =0.90と高い相関関係を示し、易溶性成分については、重金属類であっても同様の溶出傾向を示すことが確認された。決定係数0.90は以下のようにして算出した。
y=0.0068x−562.06
2 =0.9053
以上のように、洗浄装置13で洗浄して易溶出成分が除去された主灰は、元の主灰の性状にもよるが、洗浄によりリサイクル基準を満たすことができれば、セメント原料、路盤材等の土木系資材、ブロック等のコンクリート二次製品へのリサイクルが可能となる。従来であれば、そのまま最終処分場へ埋立処分される主灰が、本実施形態の洗浄装置13で洗浄してリサイクルできることとなれば、主灰処分費の削減になるだけではなく、逼迫する最終処分場の延命化に大きく貢献できる。
また、主灰の性状や社会情勢等により、主灰をリサイクルすることが困難な場合でも、本実施形態の洗浄装置13で洗浄処理を行った主灰は、従来のように無処理で埋立てる場合に比べて、格段に安定化が進んでいる。したがって、処分場の早期廃止へ貢献することができる。
さらに、洗浄装置13においては、洗浄槽18の上から散水を行い、かつ、洗浄槽18の下部からブロア等を含む送気機構20を用いて、主灰の下から上へ向けて通気を行う。通気の効果としては、通水経路が形成されることを抑制する効果や、CO2 による塩類の溶出を促進する効果が挙げられる。また、主灰と空気との接触時間を長く確保するため、最大1日程度の洗浄時間を要するが、一方で廃水ベースにおける液固比は1以下であり、本実施形態の洗浄工程から出る廃水量は、比較例の洗浄工程から出る廃水量よりも少ない。
さらに、本実施形態においては、灰冷却装置12で冷却された主灰は、コンテナ17に収容されて洗浄装置13へ搬送される。したがって、焼却炉11と洗浄装置13とが、処理設備10内で互いに離れた場所にあっても、主灰を洗浄装置13で洗浄することができる。また、焼却炉11及び洗浄装置13は、処理設備10内における設置場所の自由度が増す。
本実施形態において、洗浄装置13において、廃水ベースにおける液固比を1以下にするために、作業者が手作業により、洗浄装置13に搬入される主灰の量と、散水量とを調整してもよい。一方、廃水ベースにおける液固比を1以下にするために、洗浄装置13に搬入される主灰の量と、散水量とを自動的に調整する例を、図6を参照して説明する。
コンテナ17から洗浄槽18に入れられる主灰量を調整する調整機構21が設けられている。調整機構21は、例えば、計量部、シャッタ等を有する。調整機構21は、コントローラ22によりシャッタが開閉され、洗浄槽18に供給する主灰量が制御される。また、コントローラ22は、散水機構19のバルブを制御して、洗浄槽18内の主灰に対する散水量を制御する。
本実施形態の洗浄装置13で発生する廃水量は、比較例の洗浄装置で発生する廃水量に比べて少ないため、廃水処理装置14において、廃水を易溶出成分と水とに分離し、分離された水を、処理設備10内へ移送することができる。以下、廃水処理装置14で分離された水を、処理設備10内へ移送する経路を説明する。
処理設備10において、廃水処理装置14で分離された水の移送経路は、以下の第1経路D1〜第4経路D4を含む。
(第1経路)
第1経路D1を移送される水は、灰冷却装置12の冷却槽12Aへ入れられる。つまり、処理設備10は、廃水処理装置14で廃水を易溶出成分と水とに分離し、分離した水を冷却槽12Aへ入れて冷却水として利用し、主灰に吸収させて、再度、洗浄装置13に戻すことが可能である。したがって、廃水がそのまま処理設備10の外に排出されることを抑制できる。
ところで、廃水処理装置14で分離された水を、灰冷却装置12、洗浄装置13に循環させる工程を繰り返していると、灰冷却装置12の冷却槽12A内の塩濃度が徐々に上昇することが想定される。そこで、処理設備10では、灰冷却装置12の冷却槽12A内の塩濃度が上昇することを抑制するために、以下の処理を実行可能である。
まず、廃棄物の燃焼後に焼却炉11から排出される主灰は、含水率がほぼ0%に近い状態にある。これに対して、冷却槽12Aから排出された主灰の含水率は30〜40%となっている。これは、冷却槽12A内の主灰が吸水し、冷却水を持ち出すことを意味している。そこで、本実施形態では、主灰が吸水することを利用して、冷却槽12A内の冷却水を主灰で吸収させた後、その主灰の少なくとも一部を、経路E1から埋め立て処分場C1に搬送することが可能である。このように、冷却槽12A内の主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配すれば、廃水が洗浄装置13、廃水処理装置14、灰冷却装置12を循環する回数を減らすことができ、灰冷却槽内の塩濃度が上昇することを防止できる。
次に、灰冷却装置12に搬入された主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配する例を説明する。
(分配例1)
前述のように、乾燥した含水率0%で重量1tの主灰は、含水率30%まで可能であれ約0.4tの冷却水を吸水できる。一方、洗浄装置13は、液固比1以下、具体的には、液固比0.5程度で主灰を洗浄することが可能である。つまり、廃水量を約0.4tの廃水量にするためには、洗浄装置13に主灰を約0.8t収容すればよい。
そこで、焼却炉11から含水率0%の主灰約1.0tが灰冷却装置12へ排出され、かつ、冷却槽12A内の冷却水を含んで約1.4tの冷却済みの主灰が得られた場合は、冷却水を含む約1.4tの主灰のうち、約0.6tの主灰を灰冷却装置12から出し、経路E1から埋め立て処分場C1へ移送し、残りの約0.8tの主灰を洗浄装置13に搬送するように、冷却水を含む主灰の分配割合を決定することができる。なお、焼却炉11から灰冷却装置12へ排出される主灰の重量は任意に変更可能であり、焼却炉11から灰冷却装置12へ排出される主灰の重量に合わせて、液固比、灰冷却装置12で吸水した主灰を洗浄装置13と経路E1とに分配する割合を設定すればよい。
このように、冷却水を含む主灰の分配割合を決定すると、灰冷却装置12に投入される含水率0%の主灰は、廃水処理装置14から出る水を全て吸収可能である。したがって、本実施形態の処理設備10は、洗浄装置13から出る廃水が、処理設備10の外にそのまま出ることを確実に防止できる。
灰冷却装置12で冷却された主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配する工程は作業者が手作業で行うことが可能であるが、自動的に行うことも可能である。灰冷却装置12で冷却された主灰を、洗浄装置13と経路E1とに自動的に分配する工程を、図7を参照して説明する。灰冷却装置12から分岐する2つの経路E1,E2が設けられている。経路E2は、コンベア及びコンテナ17につながっている。また、灰冷却装置12の主灰を、経路E1と経路E2とに分配する分配機構23が設けられている。分配機構23は、経路E1,E2をそれぞれ開閉するシャッタを有し、分配機構23を制御するコントローラ24が設けられている。図7の分配機構23のシャッタの開度をそれぞれ制御することにより、灰冷却装置12で吸水した主灰を洗浄装置13と経路E1とに分配する割合を制御できる。
(分配例2)
分配例2における灰冷却装置12は、冷却槽12A内の冷却水の少なくとも一部を主灰と共に取り出すために、焼却炉11から排出される主灰を、時間別に「洗浄処理する主灰」と「吸水させる主灰」に区分し、吸水させる主灰により冷却水を持ち出させる構造である。例えば、灰冷却装置12内の主灰を全て洗浄装置13へ搬送する第1の時間帯と、灰冷却装置12内の灰を全て経路E1へ移動する第2の時間帯隔とを、設定する。灰冷却装置12内の主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配する作業は、人為的に行ってもよいし、図7に示す構成を利用することも可能である。
例えば、コントローラ24にタイマ25の信号が入力される。タイマ25は、第1の時間帯に相当する時間間隔を検出し、かつ、第2の時間帯に相当する時間間隔を検出し、これらの検出信号をコントローラ24へ入力する。そして、コントローラ24は、第1の時間帯において、灰冷却装置12内の主灰を全て洗浄装置13へ搬送するように、分配機構23のシャッタを制御する。また、コントローラ24は、第2の時間帯において、灰冷却装置12内の灰を全て経路E1へ移送するように、分配機構23のシャッタを制御する。
(分配例3)
灰冷却装置12に搬入された主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配する分配例3を、図8を参照して説明する。灰冷却装置12は、冷却槽12B,12Cを備えている。冷却槽12B,12Cは、それぞれ独立して設けられている。冷却槽12B内には冷却水が入れられており、冷却槽12B内の冷却水が減少すると、水道水、工業用水、井水等真水を冷却槽12B内に供給して、減少分の冷却水を補う。これに対して、冷却槽12Cには、第1経路D1を通って移送される水が供給される。また、冷却槽12Cは経路E1へつながっている。冷却槽12Bは経路E2を介して洗浄装置13へつながる。灰冷却装置12は、切替機構26を有する。切替機構26は、シャッタ等で構成されており、切替機構26は、コントローラ27により制御される。コントローラ27は切替機構26を制御して、焼却炉11から排出される主灰を、冷却槽12Bまたは冷却槽12Cに分配する。
(分配例4)
灰冷却装置12に搬入された主灰を、洗浄装置13と経路E1とに分配する分配例4を、図7を参照して説明する。分配例4では、冷却槽12A内の電気伝導度(EC)を測定する測定機構(センサ)28が設けられている。測定機構28の信号がコントローラ24に入力され、コントローラ24は分配機構23を制御する。冷却槽12A内の塩濃度が高ければ、廃水の電気伝導度は高くなる。そして、測定機構28で検出される電気伝導度が所定値未満であれば、灰冷却装置12で冷却水を吸収した主灰が、洗浄装置13へ移送される。これに対して、測定機構28で検出される電気伝導度が所定値以上では、灰冷却装置12で冷却水を吸収した主灰が、経路E1を通り埋め立て処分場C1へ移送される。
ここで、電気伝導度の所定値は、塩類の濃縮度合いを示す。冷却水の電気伝導度が所定値以上である場合は、例えば、「冷却水を含んだ主灰が洗浄装置13にて真水で洗浄されても、洗浄済み主灰中に残存する塩類濃度が、洗浄前における主灰の濃度よりも高くなってしまうという不具合が生じるため、灰冷却装置12で冷却水を吸収した主灰は、埋め立て処分場C1へ移送される。
これに対して、冷却水の電気伝導度が所定値未満である場合は、上記の不具合は生じないため、灰冷却装置12で冷却水を吸収した水を洗浄装置13へ移送する。つまり、電気伝導度の所定値は、冷却水を含んだ主灰が洗浄装置13で洗浄されて、塩類を除去すること可能か否かを判断する閾値であり、予めコントローラ24のメモリに記憶されている。
また、冷却槽12A内における冷却水の塩類濃度を推定する指標は、電気伝導度(EC)の他、冷却水のイオン濃度(ナトリウム、塩素等)、冷却水の密度、冷却水の粘度、冷却水における光の吸収率、冷却水における光の屈折率、冷却水の旋光度、冷却水の放射線量のうち、少なくとも1つを用いても良い。この場合、測定機構28は、各指標をそれぞれ別々に検出可能なものを用いる。
そして、測定機構28により検出された指標のうち、少なくとも1つの指標が所定値以上である場合に、灰冷却装置12で冷却水を吸収した主灰は、埋め立て処分場C1へ移送することができる。これに対して、上記した各指標のうち、少なくとも1つの指標が所定値未満である場合に、灰冷却装置12で冷却水を吸収した主灰は、洗浄装置13へ移送することができる。
(第2経路)
第2経路D2は、廃水処理装置14から出る水の一部を、不溶化装置15へ移送する経路である。そして、不溶化装置15は、飛灰と不溶加剤等(キレート、セメント)を混合撹拌する際に、水を添加する。焼却炉11がストーカ炉であれば、飛灰の発生量は、他の焼却炉に比べて主灰の1/3以下であり、かつ、飛灰に含まれる塩濃度は、他の焼却炉に比べて10倍近く高い。そのため、廃水処理装置14から出る水を不溶化装置15へ移送する場合は、水を濃縮して移送する。濃縮方法としては、水の循環利用、熱による濃縮が有効である。水の循環利用は、廃水処理装置14、灰冷却装置12、洗浄装置13を含む閉じられた系内で、水を循環させることである。このように、廃水処理装置14から出た水は、第2経路D2を通り不溶化装置15へ移送される。そして、不溶化装置15で水が飛灰に混練され、水が混練された飛灰は経路A4を通り、埋め立て処分場C1へ搬送される。したがって、廃水処理装置14から出た水が、そのままの状態で処理設備10の系外へ出ることを防止できる。
(第3経路)
第3経路D3は、廃水処理装置14から出た水を、焼却炉11へ搬送する経路である。前記のように、灰冷却装置12内の冷却水を炉内に散布する散水機構16が設けられており、廃水処理装置14から出た水を、散水機構16から焼却炉11内に散布して蒸発させ、あるいは、焼却炉11内の温度調整に利用することができる。第3経路D3は単独で設けてもよいし、第3経路D3と、灰冷却槽内の水を焼却炉11へ散布する送水管とを合流させ、合流した水を焼却炉11へ散布してもよい。
(第4経路)
第4経路D4は、廃水処理装置14から出る水を移送する経路であり、第4経路D4を移送される水は濃縮された後に乾燥機31に投入される。水の濃縮方法は、前述と同じである。乾燥機31は、濃縮された水を乾燥させて乾燥固化塩とし、乾燥固化塩は汚泥と共に経路A3を通り埋め立て処分場C1へ搬送される。
乾燥固化塩は、塩類が埋め立て処分場C1で溶出することを減じるため、乾燥固化塩を埋め立て処分場C1へ搬送する前に、セメント固化等不溶化処理を施してもよい。さらに、乾燥機31で行う水の乾燥処理に、焼却炉11の廃熱を利用することで、効率的な処理システムとすることも可能である。焼却炉11の廃熱を、乾燥機31へ輸送する熱輸送システム32としては、例えば、蒸気を輸送する配管、ヒートパイプ、潜熱蓄熱材を収容した配管または容器を用いることができる。
本実施形態において、洗浄装置13は焼却炉11から独立しているため、洗浄装置13は焼却炉11に隣接する場所に設置する必要はなく、既存の焼却施設の敷地内の空いたスペースに洗浄装置13を設置可能である。したがって、洗浄装置13を設けるために、既存の焼却炉11の仕様を変更する必要もほとんどない。そのため焼却炉11の運転等に影響を与えずに洗浄装置13の設置が可能である。
ただし、焼却炉11から離れた場所に洗浄装置13を設置する場合、別途、廃水処理装置14で処理した後の水を、バッキューム車やポンプ等で、第3経路D3を介して焼却炉11に移送する必要がある。また、洗浄装置13における断続散水の制御は非常にシンプルなため、洗浄装置13を構成する機械のメンテナンスや、洗浄作業に多くの人工を必要とせず、焼却施設職員への負担も少ない。さらに、第1経路D1〜第3経路D3において、水を搬送する搬送手段として、管、コンテナ、トラック等の何れを用いるかは、水の量、各設備同士の距離等を考慮して選択すればよい。
本実施形態の処理設備10において、主灰及び飛灰が、本発明の焼却残渣に相当し、焼却炉11で行われる処理が、本発明の焼却工程であり、灰冷却装置12で行われる処理が、本発明の冷却工程であり、洗浄装置13で行われる処理が、本発明の洗浄工程であり、廃水処理装置14で行われる処理が、本発明の廃水処理工程であり、不溶化装置15で行われる処理が、本発明の不溶化工程である。処理設備10で行われる工程が、本発明の処理方法である。また、図8の冷却槽12Cが、本発明の第1冷却槽に相当し、図8の冷却槽12Bが、本発明の第2冷却槽に相当する。さらに、図7及び図8において、洗浄装置13に移送される主灰が、本発明における洗浄用残渣に相当し、埋め立て処分場C1へ移送される主灰が、本発明における吸水用残渣に相当する。
本発明の冷却工程は、廃水処理工程から出た水の少なくとも一部を用いて、焼却残渣を冷却する。本発明の処理方法は、冷却工程で冷却水を吸収した焼却残渣の全部を洗浄工程に移送する処理と、冷却工程で冷却水を吸収した焼却残渣の一部を洗浄工程に移送し、かつ、一部を埋め立て処分場に移送する処理と、冷却工程で冷却水を吸収した焼却残渣の全部を埋め立て処分場に移送する処理と、を選択的に切り替えることができる。つまり、本発明の処理装置は、焼却工程から冷却工程に移送された焼却残渣の全部を、洗浄装置に移送しない場合もある。
また、本発明の処理設備10は、廃水処理装置14から出た水の全部を灰冷却装置12へ移送する処理と、廃水処理装置14から出た水の一部を灰冷却装置12へ移送し、その残りを不溶化装置15または焼却炉11の少なくとも一方へ移送する処理と、を切り替えることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、焼却残渣は、焼却炉内で廃棄物を焼却処理した後に残るものであり、可燃物が燃焼して発生した灰(主灰、飛灰)の他、可燃物の燃え残り、不燃物を含む。また、図1において、洗浄装置13で発生した廃水を、廃水処理装置14を迂回させて第4経路D4で濃縮し、かつ、乾燥機31で乾燥させて乾燥固化塩とし、その乾燥固化塩を汚泥と共に経路A3を経て埋め立て処分場C1へ搬送することも可能である。さらに、洗浄工程においては、コンテナ17を洗浄槽18として使用することも可能である。つまり、主灰は、コンテナ17内に収容された状態で、通気及び断続的な散水が行われる。
10 処理設備
11 焼却炉
12 灰冷却装置
12A,12B,12C 冷却槽
13 洗浄装置
14 廃水処理装置
15 不溶化装置

Claims (13)

  1. 廃棄物の燃焼により発生した焼却残渣を処理する、焼却残渣の処理方法であって、
    冷却水を入れた冷却槽へ前記焼却残渣を入れて該焼却残渣を冷却する冷却工程と、
    前記冷却槽から取り出した前記焼却残渣に連続的に通気を行い、かつ、前記焼却残渣に断続的に散水して、前記焼却残渣から易溶出成分を除去する洗浄工程と、
    を有し、
    前記洗浄工程で前記焼却残渣を洗浄することで発生した廃水を、前記冷却槽に入れる冷却水として利用し、
    前記冷却槽で前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を埋め立て処分場へ移送する、焼却残渣の処理方法。
  2. 請求項1に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記廃水を前記冷却槽へ入れる前に、前記廃水を前記易溶出成分と水とに分離する廃水処理工程が設けられ、
    前記廃水処理工程で分離された水を、前記冷却槽へ入れる冷却水として利用する、焼却残渣の処理方法。
  3. 請求項2に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記洗浄工程は、前記焼却残渣を洗浄して発生する前記廃水と、洗浄後における前記焼却残渣との液固比が1以下となるように、洗浄する前記焼却残渣の量と前記散水の量とを設定する、焼却残渣の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記冷却槽へ入れられる前記焼却残渣を、前記冷却水を吸収させる吸水用残渣と、前記冷却水を吸収せずに前記洗浄工程に移送する洗浄用残渣と、に分け、
    前記冷却水を吸収した前記吸水用残渣を前記埋め立て処分場へ移送する、焼却残渣の処理方法。
  5. 請求項4に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記冷却槽に入れられる前記焼却残渣を、所定の時間間隔で前記吸水用残渣と前記洗浄用残渣とに分ける、焼却残渣の処理方法。
  6. 請求項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記冷却槽は、別々に設けられた第1冷却槽と第2冷却槽とを含み、
    前記吸水用残渣は前記第1冷却槽に入れられ、前記洗浄用残渣は前記第2冷却槽に入れられる、焼却残渣の処理方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度を測定し、
    前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度が所定値未満である場合は、前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を前記洗浄工程へ移送し、
    前記冷却槽内の冷却水の塩類濃度が所定値以上である場合は、前記冷却水を吸収した前記焼却残渣を前記埋め立て処分場へ移送する、焼却残渣の処理方法。
  8. 請求項2〜7のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記焼却残渣は、前記廃棄物を燃焼させて発生した主灰と飛灰とを含み、
    前記主灰は、前記冷却槽へ入れられ、
    前記飛灰に不溶化剤を混練して、前記飛灰に含まれる重金属類が溶出しないように安定化させる不溶化工程が設けられている、焼却残渣の処理方法。
  9. 請求項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記不溶化工程は、前記廃水処理工程で分離された前記水を、前記不溶化剤と共に前記飛灰に混練する、焼却残渣の処理方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記洗浄工程で発生した前記廃水を、前記廃棄物を燃焼する焼却炉に移送して前記焼却炉の温度を調節する、焼却残渣の処理方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記洗浄工程で発生した前記廃水を、前記焼却炉の廃熱を利用して乾燥固化塩とし、該乾燥固化塩を前記埋め立て処分場へ移送する、焼却残渣の処理方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記冷却槽から取り出した前記焼却残渣をコンテナに収容して前記洗浄工程に移送する、焼却残渣の処理方法。
  13. 請求項12に記載の焼却残渣の処理方法において、
    前記洗浄工程は、前記焼却残渣が前記コンテナに収容された状態で、前記焼却残渣に連続的に通気を行い、かつ、前記焼却残渣に断続的に散水して、前記焼却残渣から易溶出成分を除去する、焼却残渣の処理方法。
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