JP7492408B2 - 浸出液の生成方法 - Google Patents

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Description

本開示は、浸出液の生成方法に関する。
最終処分場に埋め立てられる焼却灰は、重金属類、有機物、塩類などの有害物質を含んでいる。そして、焼却灰に雨水が浸透すると、有害物質が溶出した浸出液が発生する。このような事情から、焼却灰を最終処分場に埋め立てる前に、溶出試験が行われる。溶出試験は、最初に焼却灰から溶出試験用の浸出液の生成を行い、次いで、溶出試験用の浸出液に含まれる有害物質の溶出量が埋立基準を満たしているか否か、を検査する。溶出試験の代表的なものとして、環境庁告示第13号に規定される試験やライシメーターによる埋立模擬試験が挙げられる。さらに、特許文献1の溶出試験では、試料(焼却灰)と溶媒との液固比(液体mL/試料重量g)を10mL/g以上とし、溶出試験用の浸出液を生成している。
特開2007-246361号公報
環境庁告示第13号の試験方法又は特許文献1の試験方法は、試料に対し液固比が10mL/g以上となるように大量の溶媒を加えて浸出液を生成している。また、ライシメーターは、試料として数キロ以上の焼却灰を準備する必要がある。ライシメーターは、浸出液を採取するのに数か月かかる。このため、浸出液を簡易に生成できることが望まれている。また、環境庁告示第13号の試験方法は、試料の10倍の溶媒を加えた試料を6時間振とうして浸出液を生成しており、実際の最終処分場の状況を正確に再現していない。このため、実際の際処分場で発生した浸出液とは有害物質の溶出傾向が異なる可能性がある。さらに、浸出液の生成にあたり、溶媒の少量化(低液固比)が望まれている。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、低液固比を達成しつつ、実際の浸出液に近い浸出液を簡易に生成できる浸出液の生成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係る浸出液の生成方法は、第1の焼却灰を容器に入れる準備工程と、前記第1の焼却灰との液固比が1mL/g以下を満たす量の第1の溶媒を前記第1の焼却灰に添加する添加工程と、前記第1の溶媒を前記第1の焼却灰に浸漬させる浸漬工程と、遠心分離機により、前記第1の溶媒に接触済みの前記第1の焼却灰である第2の焼却灰と、第1の浸出液と、に分離する分離工程と、前記容器から採取した前記第1の浸出液をろ過するろ過工程と、を含む。
浸出液の生成方法の望ましい態様として、前記ろ過工程の後に、第3の焼却灰と、第2の溶媒を追加して新たな前記浸出液を生成する積み増し工程を含み、前記積み増し工程は、前記第2の焼却灰が入った前記容器に前記第3の焼却灰を入れる焼却灰追加工程と、前記第3の焼却灰と前記第2の焼却灰とを混ぜ合わせて第1の混合焼却灰とする混合工程と、前記第2の溶媒を前記第1の混合焼却灰に添加する溶媒追加工程と、前記第2の溶媒を前記第1の混合焼却灰に浸漬させる追加後浸漬工程と、遠心分離機により、前記第2の溶媒に接触済みの前記第1の混合焼却灰である第4の焼却灰と、第2の浸出液と、に分離する追加後分離工程と、前記容器から採取した前記第2の浸出液をろ過する追加後ろ過工程と、を含み、前記第2の溶媒の量は、前記第1の溶媒の量と、前記第1の浸出液の量と等しい量と、を足した量であり、前記溶媒追加工程における液固比は、前記添加工程の液固比と同じである。浸出液の生成方法の望ましい態様として、前記積み増し工程を複数回行う。また、前記容器に入れる前記第3の焼却灰の量は、前記第1の焼却灰と同量である。
浸出液の生成方法の望ましい態様として、前記容器に入れる前記第1の焼却灰は、1g以上1kg以下であり、より望ましくは、10g以上20g以下である。
本開示の浸出液の生成方法によれば、低液固比を達成することができる。また、生成期間が短くなり簡易に浸出液を生成できる。さらに、浸出液は、実際の最終処分場の浸出液と近い性質を有し、溶出試験の結果の信頼性が高い。
図1は、第1実施形態に係る浸出液の生成方法を示すフローチャート図である。 図2は、第2実施形態に係る浸出液の生成方法を示すフローチャート図である。 図3は、第2実施形態に係る第1次積み増し工程を示すフローチャート図である。 図4は、比較例で使用したライシメーターの全体構成を示す図である。 図5は、第1実施例、第2実施例、第1比較例、及び第2比較例の試験結果を示すグラフである。 図6は、第3実施例、第4実施例、第3比較例、及び第4比較例の試験結果を示すグラフである。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の浸出液の生成方法は、準備工程S11と、添加工程S12と、浸漬工程S13と、分離工程S14と、ろ過工程S15と、を含む。
準備工程S11は、容器1に焼却灰2を入れる工程である。第1実施形態では、容器1は、容積が50mLの遠沈管を用いて説明する。なお、容器1に遠沈管を用いる理由は、分離工程S14で、遠心分離機10で遠心分離を行うからである。ただし、遠沈管の容積の大きさはこれに限定されない。焼却灰2は、例えば焼却炉の底部に溜まるボトムアッシュ、または集じん装置に捕集された飛灰(フライアッシュ)であり、新規のもの(溶媒3と未接触のもの)である。焼却灰2の粒径が大きいものが含まれる場合には、例えば穴径9.5mmの篩等を使用し、焼却灰2の粒径を整えてもよい。本開示の焼却灰2は、下処理されたものであってもよい。下処理としては、例えば、有害物質の不溶化を図るための炭酸化処理などが挙げられる。本開示の浸出液の生成方法において、焼却灰2の量は特に限定されない。一方、遠心分離機10に使用可能な遠沈管が限定されることから、実際に使用できる焼却灰2の量は、1g以上1kg以下が最適な範囲となる。また、遠沈管の容積に対応して、焼却灰2の量を決定してもよい。遠沈管の容積が10mLの場合、焼却灰2の量を1g以上10g未満とするのが好ましい。遠沈管の容積が5000mLの場合、焼却灰2の量を1kgとすることができる。そして、本実施形態の場合(容積が50mLの遠沈管の場合)、焼却灰2の量を10g以上20g以下とするのが最適である。なお、準備工程において容器1に入れられる焼却灰を第1の焼却灰と呼ぶことがある。
添加工程S12は、容器1の開口部から溶媒3を滴下し、焼却灰2に溶媒3を添加する工程である。溶媒3の種類として、例えば、イオン交換水、純水、超純水、オゾン水、酸や塩類を溶解させた水、有機溶媒等が挙げられる。具体的には、1mol/L塩酸、人工海水や0.1mol/L塩化カルシウム、エーテルやノルマルヘキサンなどを用いることができる。なお、人工海水の代わりに、実際に溶出させる土地の近隣の海水を用いることも可能である。また塩類を溶解させた水として、他の廃棄物の浸出液を溶媒として使用することもできる。溶媒3の量は、焼却灰2に対する液固比が1mL/g以下を満たす量である。液固比が1mL/gであれば、分離工程S14で焼却灰2から有害物質が溶出した浸出液5を分離させることができる。一方で、例えば、液固比が0.1mL/gと低い場合、通常は、焼却灰2の保水性により、浸出液5が分離し難い。但し、焼却灰2は、大気中から水蒸気を吸収している場合、焼却施設などで既に加水処理されている場合等、溶媒3を添加する前から含水している場合もある。よって、このような場合、液固比が0.1mL/gであっても分離工程S14で焼却灰2から浸出液5を分離させることができる。以上から、液固比の最小値について、各焼却灰2の含水率によって変わる。なお、添加工程で容器に添加される溶媒3を第1の溶媒と呼ぶことがある。
浸漬工程S13は、容器1が動かないように固定し、所定時間、放置する工程である。これにより、焼却灰2に溶媒3が浸漬し、焼却灰2に含まれる有害物質が溶媒3に溶出する。また、放置する所定時間は、約1時間である。これによれば、溶媒3の全てが焼却灰2に浸漬する。
分離工程S14は、遠心分離機10の図示しないロータに容器1を固定し、容器1に遠心力を作用させる工程である。遠心分離機10による遠心加速度は3000xgであり、1時間行う。これによれば、容器1の内容物は、固体(接触済み焼却灰4)と液体(有害物質が溶出した浸出液5)とに分離する。なお、焼却灰2は保水性を有するため、浸出液5は、溶媒3と、焼却灰2が含水していた水分と、を併せたものの一部となる。遠心分離機10に容器1を装着させる際、容器1に蓋6を被せる。遠心分離機10の一例として、遠心分離機10の内部において、容器1は、ロータの回転軸Xに対し直交し、かつ容器1の底部が回転軸Xに対し反対側を向くように配置される。これにより、液体(浸出液5)よりも比重の大きい固体(焼却灰2)が容器1の底部の方に移動し、相対的に浸出液5が回転軸Xの方に移動する。なお、本開示の分離工程において、遠心加速度および遠心時間は上記したものに限定されず、焼却灰の量により適宜設定することができる。また、遠心分離機10において、回転軸Xに対する容器1の傾きは、上記した直交に限定されず、例えば回転軸Xに対する容器1の傾きが23°~38°程度であってもよい。なお、分離工程により分離した接触済み焼却灰4を第2の焼却灰と呼び、浸出液5を第1の浸出液と呼ぶことがある。
ろ過工程S15は、注射器11により浸出液5を吸引し、そして、吸引した浸出液5をろ過する工程である。ろ過材は、孔径が0.45μmのメンブレンフィルターが挙げられる。これにより、焼却灰などの不純物が取り除かれる。なお、採取した浸出液5は分析するために容積を測定する。
以上、第1実施形態の浸出液の生成方法は、10g以上20g以下の焼却灰2を容器1に入れる準備工程S11と、焼却灰2との液固比が1mL/g以下を満たす量の溶媒3を焼却灰2に添加する添加工S12程と、溶媒3を焼却灰2に浸漬させる浸漬工程S13と、遠心分離機10により接触済み焼却灰4と浸出液5とに分離する分離工程S14と、容器1から採取した浸出液5をろ過するろ過工程S15と、を含む。
上記方法によれば、焼却灰2が10g以上20g以下とした場合、溶媒3と焼却灰2との液固比が1mL/g以下となる。よって、10g以上20g以下の小量な試料(焼却灰2)を用いても低液固比を達成することで、約3時間程度で浸出液5を生成できる。遠心分離機10を用いることによって、生成期間が短く、浸出液5を簡易に生成できる。さらに、上記方法は、浸漬により焼却灰2と溶媒3とを接触させ、環境庁告示第13号の試験方法のように振とう等の工程を含んでいない。よって、溶出試験用浸漬液における有害物質の溶出量は、実際の最終処分場で発生する浸出液に近く、溶出試験の結果の信頼性が高い。さらに、上記方法によれば、液固比が1mL/g以下となればよく焼却灰2の必要量が10g以上20g以下の小量でも信頼性が高い溶出試験を実現できる。その結果、遠心分離機などの試験設備を小型にすることができる。
以上、第1実施形態では、浸出液5を1回のみ採取するパターンについて説明したが、次に、浸出液5を複数回(3回)採取するパターンを説明する。
(第2実施形態)
第2実施形態の浸出液の生成方法は、1回目の浸出液5を生成する第1次工程S1と、2回目の浸出液5を生成する第1次積み増し工程S2と、3回目の浸出液5を生成する第2次積み増し工程S3と、を含む。
第1次工程S1は、第1実施形態の浸出液の生成方法と同じである。つまり、第1次工程S1は、準備工程S11と、添加工程S12と、浸漬工程S13と、分離工程S14と、ろ過工程S15と、を含む。また、第2実施形態の容器1は、追加する焼却灰2の量に併せて大きめのものを用いる必要がある。
図3に示すように、第1次積み増し工程S2は、焼却灰追加工程S21と、混合工程S22と、溶媒追加工程S23と、追加後浸漬工程S24と、追加後分離工程S25と、追加後ろ過工程S26と、を含む。また、第2次積み増し工程S3は、焼却灰追加工程S31と、混合工程S32と、溶媒追加工程S33と、追加後浸漬工程S34と、追加後分離工程S35と、追加後ろ過工程S36と、を含む。つまり、第2次積み増し工程S3は、第1次積み増し工程S2と同じ工程である。よって、以下の説明において、第1次積み増し工程S2を代表例として説明し、第2次積み増し工程S3の説明を省略する。また、第1次積み増し工程S2や第2次積み増し工程S3を単に「積み増し工程」と呼ぶ場合がある。
焼却灰追加工程S21は、第1次工程S1で使用した容器1に新規の焼却灰2を入れて、試料を追加する工程である。ここで、追加する焼却灰2の量は、第1次工程S1で使用した焼却灰2と同量である。なお、焼却灰追加工程で容器1に追加した焼却灰2を第3の焼却灰と呼ぶことがある。
混合工程S22は、棒状部材12で、焼却灰2と固体(接触済み焼却灰4)とをかき混ぜる工程である。なお、接触済み焼却灰4は、遠心分離により容器1の底部に固まっているため、ほぐすように行う。これにより、新規の焼却灰2と固体(接触済み焼却灰4)とが混合し、混合焼却灰7となる。なお、混合工程で生成された混合焼却灰7を第1の混合焼却灰と呼ぶことがある。
溶媒追加工程S23は、容器1の開口部から溶媒3を滴下し、混合焼却灰7に溶媒3を添加する工程である。追加する溶媒3の量は、添加工程S12で添加した溶媒3の量と、ろ過工程S15で採取した浸出液5と等しい量と、を足した量である。これにより、混合焼却灰7と溶媒3との液固比は、第1次工程S1の添加工程S12の液固比と同じとなる。なお、溶媒追加工程S33の追加する溶媒3の量は、添加工程S12で添加した溶媒3の量と、追加後ろ過工程S26で採取した浸出液5と等しい量と、を足した量である。つまり、溶媒追加工程(S23、S33)において追加する溶媒3の量は、添加工程S12で添加した溶媒3の量と、前のろ過工程(S16、S26)で採取した浸出液5と等しい量と、を足した量である。
追加後浸漬工程S24は、容器1が動かないように固定し、所定時間、放置する工程である。これにより、混合焼却灰7に溶媒3が浸漬し、混合焼却灰7に含まれる有害物質が溶媒3に溶出する。また、放置する所定時間は、浸漬工程S13と同様に、約1時間である。
追加後分離工程S25は、遠心分離機10により容器1に遠心力を作用させ、容器1の内容物を固体(接触済み焼却灰4)と浸出液5とに分離する工程である。遠心分離機10による遠心加速度は、分離工程S14と同様に、3000xgであり、1時間行う。なお、追加後分離工程で分離した接触済み焼却灰4を第4の焼却灰と呼び、浸出液5を第2の浸出液と呼ぶことがある。
追加後ろ過工程S26は、注射器11により浸出液5を吸引し、そして、吸引した浸出液5をろ過する工程である。これにより、焼却灰などの不純物が取り除かれる。なお、第2次積み増し工程S3の溶媒追加工程S33において追加する溶媒3の量を決めるため、追加後ろ過工程S26において採取した浸出液5の量を測定しておく必要がある。
以上、第2実施形態の浸出液の生成方法は、ろ過工程S15の後に、新規の焼却灰2と新規の溶媒3を追加して新たな浸出液を生成する積み増し工程(第1次積み増し工程S2、第2次積み増し工程S3)を含む。積み増し工程は、接触済み焼却灰4が入った容器1に新規の焼却灰2を入れる焼却灰追加工程S21と、新規の焼却灰2と接触済み焼却灰4とを混ぜ合わせて混合焼却灰7とする混合工程S22と、新規の溶媒3を混合焼却灰7に添加する溶媒追加工程S23と、新規の溶媒3を混合焼却灰7に浸漬させる追加後浸漬工程S24と、遠心分離機10により接触済み焼却灰4と浸出液5とに分離する追加後分離工程S25と、容器1から採取した浸出液5をろ過する追加後ろ過工程S26と、を含む。溶媒追加工程S23における液固比は、添加工程S12の液固比と同じである。また、第2実施形態の浸出液の生成方法は、積み増し工程を複数回(2回)行っている。
第2実施形態の生成方法によれば、新規の焼却灰2を追加し、その追加した場合の浸出液5を生成している。例えば、最終処分場において、雨水に接触した接触済み焼却灰と、新規の焼却灰2と、が混在して埋め立てられている状態を再現している。よって、浸出液5は、実際の最終処分場の浸出液の性質に近い。また、焼却灰2を追加するごとに浸出液5を採取しており、有害物質の溶出量の挙動を把握することができる。以上、第2実施形態では、合計3回、浸出液5の生成を行っているが、本開示は、合計で2回、又は4回以上生成してもよい。さらに、上記方法によれば、液固比が1mL/g以下となればよく焼却灰2の必要量が積み増し回数分(それぞれ10g以上20g以下)の小量でも信頼性が高い溶出試験を実現できる。その結果、遠心分離機などの試験設備を小型にすることができる。
(第1実施例、第2実施例)
次に第1実施例、第2実施例で生成した浸出液の試験結果について説明する。また、第1実施例、第2実施例の効果を確認するため、第1比較例、第2比較例で生成した浸出液の試験結果も説明する。
第1実施例及び第2実施例は、第2実施形態の浸出液の生成方法であり、浸出液を3回生成した。第1実施例は第1試料を用い、第2実施例は第2試料を用いた。つまり、第1実施例及び第2実施例とでは、異なる焼却灰を用いた。また、第1実施例及び第2実施例において、準備工程S11、焼却灰追加工程S21、及び焼却灰追加工程S31の各工程で、10gの焼却灰2を容器1に入れ、全体で30gの焼却灰2を使用した。
第1実施例において、添加工程S12で3mLの溶媒を添加し、液固比を0.3mL/gとした。また、溶媒追加工程S23及び溶媒追加工程S33の各工程で、液固比が0.3mL/gとなるように溶媒3を追加した。全体として、13.3mLの溶媒3を使用した。また、第2実施例において、添加工程S12で3mLの溶媒を添加し、液固比を0.3mL/gとした。また、溶媒追加工程S23及び溶媒追加工程S33の各工程で、液固比が0.3mL/gとなるように溶媒3を追加した。全体として、11.3mLの溶媒3を使用した。
第1実施例及び第2実施例は、浸漬工程S13、追加後浸漬工程S24、及び追加後浸漬工程S34の各工程で、1時間浸漬させた。第1実施例及び第2実施例は、分離工程S14、追加後分離工程S25、及び追加後分離工程S35の各工程で、遠心分離機10による遠心加速度を3000xgとし、1時間遠心分離した。このような工程を経て、第1実施例及び第2実施例は、1日で3回、浸出液を生成した。
第1比較例及び第2比較例は、図4に示すライシメーター50により生成した浸出液を生成した。ライシメーター50は、カラム51と、給水タンク52と、給水管53と、タイマ54と、ポンプ55と、浸出液受器56と、トリカルネット57と、排水材58と、を備える。
カラム51は、容器であり、内部に2.9kgの焼却灰60が入れられている。給水タンク52は、溶媒61を貯留している。給水管53は、給水タンク52から吸い上げた溶媒61をカラム51の上方から滴下するための管である。タイマ54は、計時するためのものである。ポンプ55は、給水タンク52から溶媒61を吸い上げるためのものである。また、ポンプ55は、タイマ54の計時に基づき、定刻に、溶媒61を焼却灰60に供給するように制御されている。そして、ポンプ55は、1日当たりの供給量(吸い上げ量)が、単位面積当たりにおける1日の平均雨量となるように制御されている。よって、実際の最終処分場の環境に近い溶媒が供給されるようになっている。浸出液受器56は、焼却灰60から染み出した液体(浸出液)を回収する容器である。トリカルネット57は、液体から異物を回収するためのろ過材である。排水材58は、カラム51の下方に設けられ、染み出した液体(浸出液)を外部にある浸出液受器56に排水するための部品である。また、排水材58は、焼却灰が浸出液とともに流出することを抑制する機能を有している。
このようなライシメーター50によれば、浸出液受器56に次第に浸出液が溜まる。第1比較例及び第2比較例においては、不定期に7回、浸出液を回収した。具体的に、第1比較例及び第2比較例は、1回目の回収日は、生成を開始してから13日目である。2回目の回収日は、生成を開始してから22日目である。3回目の回収日は、生成を開始してから34日目である。4回目の回収日は、生成を開始してから48日目である。5回目の回収日は、生成を開始してから63日目である。6回目の回収日は、生成を開始してから90日目である。7回目の回収日は、生成を開始してから118日目である。
また、第1実施例、第2実施例、第1比較例、及び第2比較例のそれぞれで生成された浸出液をICP-MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)により、浸出液のPb濃度(mg/L)を測定し、1g当たり溶出しているPbの量(mg)を算出した。その測定結果を図5に示す。
図5の縦軸は、累積洗い出しPb量(溶媒によって焼却灰から洗い出された(溶出した)Pbの累積量(mg/g))である。図5の横軸は、累積採取容量比(浸出液の累積採取量(mL)と、採取した時点の焼却灰(第1試料、第2試料)の重量(g)と、の比)である。ここで、浸出液の累積採取量とは、採取した浸出液の容量に対し、この採取よりも前に採取した浸出液の全ての容量を足した容量である。つまり、3回目の採取の場合、3回目に採取した浸出液の容量に対し、1回目に採取した浸出液の容量と、2回目に採取した浸出液の容量と、を足した値が浸出液の累積採取量である。よって、採取した回数が多くなるにつれて、累積採取容量比の値が大きくなる。つまり、累積採取容量比の値が大きくなるにつれて、生成を開始した日から時間が経過していることを示す。そのほか、上記した焼却灰(第1試料、第2試料)の重量とは、乾燥した状態における焼却灰の重量を指す。
図5に示すように、第1実施例及び第2実施例の浸出液は、採取された回数が増加するにつれて検出されたPb量が増加した。同様に、第1比較例及び第2比較例の浸出液も、採取された回数が増加するにつれて検出されたPb量が増加した。同じ第1試料を使用した第1実施例と第1比較例において、2回目に検出した洗い出しPb量の値が少し異なるものの、1回目と3回目に検出したPb量が略近い値を示している。また、同じ第2試料を使用した第2実施例と第2比較例において、1回目、2回目、及び3回目に検出したPb量がほぼ近い値を示した。以上から、第1実施例及び第2実施例の浸出液は、第1比較例、第2比較例の浸出液と同じ量のPbが検出されている。よって、第1実施例及び第2実施例によれば、低液固比を達成しつつ、ライシメーターの浸出液と同等な浸出液を生成でき、信頼性の高いことがわかった。
(第3実施例、第4実施例)
実施例の浸出液の生成方法と、比較例であるライシメーターによる生成方法は、共に、液固比を一定にしつつ、焼却灰の量と添加する溶媒の量を増加させると、採取できる溶出試験用浸漬液の容量を増加させることができる。よって、以下においては、一定時間(3時間)で所定量(100mL)の浸出液を生成するため、どの程度の試料(焼却灰)の量が必要かを測定した実施例及び比較例について説明する。
第3実施例は第1試料を用い、第4実施例は第2試料を用いた。第3比較例は第1試料を用い、第4比較例は第2試料を用いた。第3実施例、第4実施例は、実施例1、実施例2と同じように、液固比を0.3mL/gとした。比較例においても試料の増加に併せて添加する溶媒の量を増加させた。実施例と比較例の測定結果を図6に示す。
図6に示すように、第3実施例では、623gの試料(焼却灰)が必要であることが分かった。第4実施例では、1380gの試料(焼却灰)が必要であることが分かった。一方で、第3比較例では、89500g必要であった。第4比較例では、113000g必要であった。以上から、第3実施例及び第4実施例は、第3比較例及び第4比較例よりも使用した試料が100分の1程度で済んだ。つまり、第3実施例及び第4実施例によれば、第3比較例及び第4比較例よりも少量の試料で浸出液を簡易に生成できることがわかった。また、第3実施例及び第4実施例は、試料が少量化したため、試験装置の小型化を達成できた。
1 容器
2 焼却灰(第1の焼却灰、第3の焼却灰)
3 溶媒(第1の溶媒、第2の溶媒)
4 接触済み焼却灰(第2の焼却灰、第4の焼却灰)
5 浸出液(第1の浸出液、第2の浸出液)
7 混合焼却灰(第1の混合焼却灰)
10 遠心分離機
S1 第1次工程
S2 第1次積み増し工程
S3 第2次積み増し工程
S11 準備工程
S12 添加工程
S13 浸漬工程
S14 分離工程
S15 ろ過工程
S21、S31 焼却灰追加工程
S22、S32 混合工程
S23、S33 溶媒追加工程
S24、S34 追加後浸漬工程
S25、S35 追加後分離工程
S26、S36 追加後ろ過工程

Claims (5)

  1. 第1の焼却灰を容器に入れる準備工程と、
    前記第1の焼却灰との液固比が1mL/g以下を満たす量の第1の溶媒を前記第1の焼却灰に添加する添加工程と、
    前記第1の溶媒を前記第1の焼却灰に浸漬させる浸漬工程と、
    遠心分離機により、前記第1の溶媒に接触済みの前記第1の焼却灰である第2の焼却灰と、第1の浸出液と、に分離する分離工程と、
    前記容器から採取した前記第1の浸出液をろ過するろ過工程と、
    前記ろ過工程の後に、第3の焼却灰と、第2の溶媒を追加して新たな前記浸出液を生成する積み増し工程と、
    を含み、
    前記第2の焼却灰が入った前記容器に前記第3の焼却灰を入れる焼却灰追加工程と、
    前記第3の焼却灰と前記第2の焼却灰とを混ぜ合わせて第1の混合焼却灰とする混合工程と、
    前記第2の溶媒を前記第1の混合焼却灰に添加する溶媒追加工程と、
    前記第2の溶媒を前記第1の混合焼却灰に浸漬させる追加後浸漬工程と、
    遠心分離機により、前記第2の溶媒に接触済みの前記第1の混合焼却灰である第4の焼却灰と、第2の浸出液と、に分離する追加後分離工程と、
    前記容器から採取した前記第2の浸出液をろ過する追加後ろ過工程と、
    を含み、
    前記第2の溶媒の量は、前記第1の溶媒の量と、前記第1の浸出液の量と等しい量と、
    を足した量であり、
    前記溶媒追加工程における液固比は、前記添加工程の液固比と同じである
    浸出液の生成方法。
  2. 前記積み増し工程を複数回行う
    請求項に記載の浸出液の生成方法。
  3. 前記容器に入れる前記第3の焼却灰の量は、前記第1の焼却灰と同量である
    請求項又は請求項に記載の浸出液の生成方法。
  4. 前記容器に入れる前記第1の焼却灰は、10g以上20g以下である
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の浸出液の生成方法。
  5. 前記容器に入れる前記第1の焼却灰は、1g以上1kg以下である
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の浸出液の生成方法。
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