JP2016043283A - 汚染土壌の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

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雄生 山下
Takeo Yamashita
雄生 山下
金子 昌章
Masaaki Kaneko
昌章 金子
三倉 通孝
Michitaka Mikura
通孝 三倉
俊昭 杉森
Toshiaki Sugimori
俊昭 杉森
洋美 青井
Hiromi Aoi
洋美 青井
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Abstract

【課題】汚染物質を汚染土壌から効率的に除去するとともに、浄化処理土壌に残留する汚染物質の溶出を抑制することのできる汚染土壌の浄化方法及び浄化装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌11を、有機酸を含む浄化液12を用いて、汚染土壌11に含まれる前記汚染物質を浄化液12中に溶出させて浄化する浄化工程S100と、浄化工程で浄化された浄化処理土壌13に陰イオン吸着剤14を添加して浄化処理土壌13中に残留する汚染物質を陰イオン吸着剤14に吸着させる陰イオン吸着工程S200とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚染土壌の浄化方法及び浄化装置に関する。
従来、工業跡地などでは、鉛、カドミウム、ヒ素、フッ素等や、放射性物質などの汚染物質による土壌汚染があり、このような工業跡地を再利用する際に、汚染土壌を無害化することが行われている。
汚染土壌の無害化方法としては、汚染物質を不溶化して土壌からの溶出を抑制する方法や、薬剤を用いて土壌を浄化する方法が知られている。
重金属等で汚染された汚染土壌の浄化方法として、汚染土壌を、生分解性を有するキレート剤の水溶液で処理し、重金属を錯体として含む抽出液を得、これに重金属不溶化剤を添加して、不溶化した重金属を分離する方法(例えば、特許文献1参照)、汚染土壌に有機酸又は有機酸の水溶液を添加して、汚染土壌に含まれる放射性アルカリ金属、放射性アルカリ土類金属をキレート作用によって液中に抽出させた後、抽出溶液に凝縮剤を添加して、抽出溶液に含まれる放射性物質を凝集剤中に取り込んでゲル化させる方法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。しかしながら、これらの方法で用いるキレート剤の水溶液は、そのpHが4〜7程度であって、液性が中性に近いため、重金属の抽出効率が低いという課題があった。さらに、後者の方法では、除去対象である汚染物質が、放射性アルカリ金属、放射性アルカリ土類金属であるため、重金属等を含む汚染土壌の浄化に適用した場合に、除去率が低いという課題があった。
また、薬剤を用いる土壌の浄化方法として、重金属含有土壌に、所定の割合の薬剤水溶液及び水を混合撹拌し、その後、浄化処理土壌を沈降分離させる方法(例えば、特許文献3参照。)が知られている。しかしながら、この方法は、酸性の薬剤を用いるため、浄化処理後の土壌が雨水や地下水に晒された場合等に、浄化処理後前の土壌に比べて、汚染物質が溶出しやすいという課題があった。
特開2007−209830号公報 特開2013−88227号公報 特開2010−221105号公報
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、汚染物質を汚染土壌から効率的に除去するとともに、浄化処理土壌に残留する汚染物質の溶出を抑制することのできる汚染土壌の浄化方法及び浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の汚染土壌の浄化方法の一態様は、汚染物質を含む汚染土壌の浄化方法であって、前記汚染土壌を、有機酸を含む浄化液を用いて、前記汚染土壌に含まれる前記汚染物質を前記浄化液中に溶出させて浄化する浄化工程と、前記浄化工程で浄化された浄化処理土壌に陰イオン吸着剤を添加して前記浄化処理土壌中に残留する汚染物質を前記陰イオン吸着剤に吸着させる陰イオン吸着工程とを備えることを特徴とする。
本発明の汚染土壌の浄化装置の一態様は、汚染物質を含む汚染土壌の浄化装置であって、有機酸を含む浄化液と前記汚染土壌を収容して、前記汚染土壌中の前記汚染物質を前記浄化液中に溶出させる処理槽と、前記処理槽内に前記浄化液を添加する浄化液供給装置と、前記処理槽内で前記浄化液に前記汚染物質が溶出されて生じた廃液と、前記汚染土壌から前記汚染物質が除去された浄化処理土壌を分離する固液分離装置と、前記廃液の分離された前記浄化処理土壌に、前記汚染物質を吸着する陰イオン吸着剤を添加する陰イオン吸着剤供給装置とを備えることを特徴とする。
本発明の汚染土壌の浄化方法又は浄化装置によれば、汚染物質を汚染土壌から効率的に除去するとともに、浄化処理土壌に残留する汚染物質の溶出を抑制することができる。
実施形態の汚染土壌の浄化方法を概略的に示すフロー図。 実施形態の汚染土壌の浄化装置を概略的に示すブロック図。 実施形態の汚染土壌の浄化装置の変形例を概略的に示すブロック図。 実施例における浄化処理土壌のPb、As、Fの溶出濃度及びpHの測定結果を示すグラフ。 実施例における、陰イオン吸着剤添加処理を行ったシュウ酸浄化処理土壌のPb、As、Fの溶出濃度及びpHの測定結果を示すグラフ。 実施例における、陰イオン吸着剤添加処理を行ったクエン酸浄化処理土壌のPb、As、Fの溶出濃度及びpHの測定結果を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の汚染土壌の浄化方法を概略的に示すフロー図である。図1に示す汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌11を、有機酸を含む浄化液12に接触させて、汚染土壌11に含まれる汚染物質を浄化液12中に溶出させる浄化工程S100と、浄化工程S100で得られた浄化処理土壌13に陰イオン吸着剤14を添加して、浄化処理土壌13に残留する汚染物質を陰イオン吸着剤14に吸着させる陰イオン吸着工程S200とを備えている。
図1に示す汚染土壌の浄化方法において、浄化工程S100は、汚染土壌11を、有機酸を含む浄化液12に浸漬し、汚染土壌11に含まれる汚染物質を前記浄化液12中に溶出させる浸漬工程S101と、浸漬工程S101で汚染物質が除去された浄化処理土壌13と、汚染物質の溶出された廃液15を固液分離する固液分離工程S102とを備えている。
また、本実施形態の汚染土壌の浄化方法は、固液分離工程S102で得られた浄化処理土壌を水16によって洗浄する洗浄工程S300を備えている。洗浄工程S300は、水16によって浄化処理土壌13の洗浄処理を行う水供給工程S301と、洗浄処理された浄化処理土壌13と洗浄後の水(洗浄水)17を固液分離する固液分離工程S302を備えている。なお、洗浄工程S300は必須ではなく、必要に応じて行えばよい。
図2は、本実施形態の汚染土壌の浄化方法に用いられる、汚染土壌の浄化装置20を概略的に示すブロック図である。汚染土壌の浄化装置20は、汚染土壌11と有機酸を含む浄化液12を収容して、汚染土壌11中の汚染物質を浄化液12中に溶出させる処理槽21と、処理槽21に接続され、処理槽21内に浄化液12を添加する浄化液供給装置22を備えている。さらに、汚染土壌の浄化装置20は、処理槽21内で、浄化液12に汚染物質が溶出されて生じた廃液15と、汚染土壌11から汚染物質が除去された浄化処理土壌13を分離する固液分離装置23aを備えている。
さらに、汚染土壌の浄化装置20は、廃液15の分離された浄化処理土壌13を収容する処理槽24と、処理槽24内の浄化処理土壌13に、浄化処理土壌13を洗浄するための水16を供給する水供給装置26を備えている。さらに、浄化処理土壌13を洗浄した洗浄水17と、洗浄された浄化処理土壌13を分離する固液分離装置23bとを備えている。上記した洗浄工程S300を行わない場合には、これら、処理槽24、水供給装置26、固液分離装置23bは、備えられなくてもよい。
また、汚染土壌の浄化装置20は、浄化処理土壌13を収容する処理槽27と、処理槽27内の浄化処理土壌13に、陰イオン吸着剤14を供給する陰イオン吸着剤供給装置25を備えている。
本実施形態の汚染土壌の浄化方法では、図2に示す汚染土壌の浄化装置20において、処理槽21に汚染土壌11を収容し、ここに、有機酸を含む浄化液12を供給して、汚染土壌11を浄化液12に浸漬する(図1の浸漬工程S101。)。
浄化対象は、工場跡地などから回収された、汚染物質を含む汚染土壌11である。汚染土壌11中には、汚染物質として、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、銅(Cu)等の重金属類の他、ヒ素(As)フッ素(F)、セレン(Se)等が含まれている。汚染土壌は、例えば、層構造を有しており、これらの汚染物質は汚染土壌11の層構造の中に取り込まれたかたちで存在している。汚染土壌11を浄化液12に浸漬することで、浄化液12に含まれる酸が汚染土壌11の構造の一部を壊し、内部の汚染物質が浄化液12内に溶出する。
処理槽21の大きさ及び材質は、特に限定されず、浄化する汚染土壌11の量や種類によって適宜設計することができる。また、処理槽21は、処理槽21内の内容物を撹拌する撹拌機を備えていてもよい。
浄化液12に含まれる有機酸としては、例えば、シュウ酸、クエン酸を用いることができる。シュウ酸、クエン酸は、汚染土壌11中の重金属類を溶出させやすいことからも好ましく用いられる。浄化液12に含まれる有機酸としては1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
浄化液12に含まれる有機酸の濃度は、汚染土壌11の種類に応じて適宜設定することができる。有機酸の濃度は0.1mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましく、略0.5mol/Lであることがより好ましい。有機酸の濃度が2.0mol/Lを超えると薬品使用量が増大するおそれがあり、0.1mol/L未満であると、浄化効率に劣る場合がある。浄化液12のpHは、汚染物質を効率よく除去することができるため、3以下であることが好ましい。
処理槽21内に収容される浄化液12の量は、汚染土壌11中の汚染物質を溶出させる量であれば特に限定されないが、汚染物質の除去効率の点から、浄化液12と汚染土壌11の液固比(浄化液12の体積(mL)/汚染土壌11の質量(g))で10mL/g以上50mL/g以下であることが好ましい。液固比が10mL/g未満であると、浄化効率に劣る場合があり、50mL/gを超えると廃棄物量が増大するおそれがある。
このようにして、処理槽21内で汚染土壌11を浄化液12に浸漬することで、汚染土壌11から汚染物質の除去された浄化処理土壌13と、浄化液12に汚染物質の溶出された廃液15を生成する。
次いで、図1に示す固液分離工程S102で、固液分離装置23a(図2)によって、処理槽21内の廃液15を浄化処理土壌13から分離する。固液分離装置23aとしては、浄化処理土壌13と廃液15を分離できるものであれば特に限定されず、フィルタプレスや遠心分離機等を用いることができる。
さらに、洗浄工程S300を行う場合には、廃液15と分離された浄化処理土壌13を図2に示す処理槽24に収容する。水供給工程S301で、処理槽24内の浄化処理土壌13に水供給装置26を用いて水16を供給し、必要に応じて撹拌する。洗浄時間は浄化処理土壌13の量やpHにもよるが、15分程度とする。
次いで、固液分離工程S302を行う。固液分離工程S302で用いられる固液分離装置23bとしては、洗浄された浄化処理土壌13と洗浄水17を分離できるものであれば特に限定されず、フィルタプレスや遠心分離機等を用いることができる。洗浄工程S300を行うことで、浄化処理土壌13に残留する浄化液12を洗浄し、浄化処理土壌13のpHを中性に近づけることができる。その結果、浄化処理土壌13からの残留汚染物質の溶出抑制効果を向上させることができる。
その後、陰イオン吸着工程S200を行う。陰イオン吸着工程S200においては、固液分離工程S302で分離された浄化処理土壌13に、陰イオン吸着剤供給装置25によって陰イオン吸着剤14を添加する。洗浄工程S300を行わない場合には、固液分離工程S102で分離された浄化処理土壌13に陰イオン吸着剤14を添加する。陰イオン吸着剤14の添加された浄化処理土壌13は、再度埋め戻される。陰イオン吸着剤14としては、汚染物質のうち、As、F、Se等の陰イオンを吸着できるものであれば特に限定されないが、ハイドロタルサイト(MgAl(CO)(OH)16・4(HO))、アルミナセメント水和物等が用いられる。陰イオン吸着工程S200を行うことで、浄化処理土壌13中に残留する汚染物質を陰イオン吸着剤14に吸着させ、浄化処理土壌13が埋め戻された後に、汚染物質が雨水や地下水に溶出するのを抑制することができる。陰イオン吸着剤14としては1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
陰イオン吸着剤14として用いられるアルミナセメント水和物としては、アルミナセメントと硫酸カルシウムの混合物に水を添加したものを用いることが好ましい。この場合、アルミナセメントと硫酸カルシウムの混合比は、アルミナセメントの100質量部に対して、硫酸カルシウムが5〜20質量部であることが好ましく、硫酸カルシウムが略15.5質量部であることがより好ましい。また、水の添加量は、アルミナセメントと硫酸カルシウムの混合物の100質量部に対して、45〜60質量部であることが好ましく、略56質量部であることがより好ましい。
このように、陰イオン吸着工程S200において、浄化処理土壌13中に残留する汚染物質のうち、As、F、Se等の陰イオンを陰イオン吸着剤14に吸着させることで、浄化処理土壌13が埋め戻された後、雨水や地下水に晒された場合にも、これらの汚染物質が溶出するのを抑制することができる。
以上、本実施形態の汚染土壌の浄化方法及び浄化装置によれば、汚染土壌中の汚染物質を効率的に除去するとともに、浄化処理土壌が埋め戻された後、雨水や地下水に晒された場合にも、浄化処理土壌に残留する汚染物質の溶出を抑制することができる。
(変形例)
図3は、第1の実施形態の汚染土壌の浄化装置20の変形例である汚染土壌の浄化装置30を概略的に示すブロック図である。
図3に示す汚染土壌の浄化装置30は、図1に示す浸漬工程S101、水供給工程S301、陰イオン吸着工程S200を、共通の処理槽21a内で行うように、図2に示す処理槽21、24、27を共通の処理槽21aにして構成されている。汚染土壌の浄化装置30においては、先ず、処理槽21a内に汚染土壌11収容し、これに浄化液12を供給して、浸漬工程S101を行う。次いで、処理槽21a内の廃液15を、浄化処理土壌13を捕捉するフィルタ等の固液分離装置23cを介して、処理槽21a外へ排出し、固液分離工程S102を行う。その後、処理槽21a内に残留させた浄化処理土壌13に、水16を供給し、水供給工程S301を行う。上記同様に、処理槽21a内の洗浄水17を、固液分離装置23cを介して処理槽21a外へ排出し、固液分離工程S302を行う。こうして処理槽21a内に得られた浄化処理土壌13に陰イオン吸着剤14を供給して陰イオン吸着工程S200を行う。陰イオン吸着処理の施された浄化処理土壌13は再度埋め戻される。
以上、本変形例の汚染土壌の浄化装置によれば、汚染土壌中の汚染物質を効率的に除去するとともに、浄化処理土壌が埋め戻された後、雨水や地下水に晒された場合にも、浄化処理土壌に残留する汚染物質の溶出を抑制することができる。
次に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
(例1)[有機酸処理による汚染土壌からの汚染物質溶出量の比較]
汚染物質として、Pb、As、Fを含む汚染土壌に対し、0.5mol/Lシュウ酸水溶液、0.5mol/Lクエン酸水溶液を使用して、それぞれ液固比50mL/g(シュウ酸水溶液又はクエン酸水溶液1000mLに対して汚染土壌試料20g)で容器に収容し、汚染土壌の浄化処理を行った。浄化後の土壌をシリンジフィルタによって液相から分離し、環境省告示第18号の土壌溶出量試験に準拠してPb、As、Fの溶出濃度測定を行った。
溶出濃度測定は次のように行った。先ず、容器内で、浄化後の土壌試料10gに対して純水を100mL投入した。これを、6時間振とうし、その後、遠心分離器を用いて固液分離した。分離された液相をさらに、0.45μmのメンブレンフィルタによってろ過し、ろ過液中のPb、As、Fの濃度を測定した。また、ろ過液のpHを測定した。同様に、浄化前の土壌に対しても、Pb、As、Fの溶出濃度測定を行い、溶出濃度測定時のろ過液のpHを測定した。
また、シュウ酸水溶液、クエン酸水溶液を使用してそれぞれ浄化処理を行った後の土壌に、純水を液固比50mL/gで加え、室温で15分間、洗浄処理を行った。得られた浄化処理土壌についても上記同様の溶出濃度及びろ過液のpHを測定した。シュウ酸水溶液、クエン酸水溶液による浄化処理を行った土壌と、さらに水による洗浄処理を行った土壌についての溶出濃度及びろ過液のpHの測定結果を図4に示す。
図4に示されるように、シュウ酸水溶液又はクエン酸水溶液を用いた浄化処理のみでは、Pb、As、Fとも浄化処理土壌からの溶出濃度が高くなることが分かった。また、純水による洗浄を行うことで、pHを緩和できるが、Pb、As、Fとも溶出濃度を抑制できないことが分かった。このことから、シュウ酸水溶液、クエン酸水溶液での浄化処理後に、汚染物質を土壌中に保持させるための処理が必要であることが分かった。
(例2)[シュウ酸水溶液による浄化処理後の土壌へのハイドロタルサイト、アルミナセメント添加による効果の測定]
例1と同様、Pb、As、Fを含む汚染土壌に対し、例1と同様に、0.5mol/Lシュウ酸水溶液を使用して、液固比50mL/gで浄化処理を行った。その後、例1と同様に純水を用いて洗浄処理を行った。得られた浄化処理土壌に陰イオン吸着剤を添加した。洗浄処理後、及び陰イオン吸着剤添加後の土壌についてそれぞれ、例1と同様にPb、As、Fの溶出濃度測定を行った。また、溶出濃度測定時のろ過液のpHを測定した。
陰イオン吸着剤としては、ハイドロタルサイト、アルミナセメント(アルミナセメント:硫酸カルシウム(質量比)=100:15.5)水和物をそれぞれ用いた。浄化後の土壌100重量部に対し、陰イオン吸着剤を1重量部、添加し、撹拌した後、例1と同様に、Pb、As、Fの溶出濃度測定と、ろ過液のpHの測定を行った。なお、陰イオン吸着剤としてアルミナセメント水和物を用いた例においては、アルミナセメントと硫酸カルシウムの混合物に対する水の添加量は、当該混合物の100質量部に対して56質量部とした。シュウ酸水溶液による浄化処理及び水による洗浄処理を行った土壌と、これに陰イオン吸着剤を添加した土壌における溶出濃度およびろ過液のpHの測定結果を図5に示す。
図5に示されるように、シュウ酸水溶液による浄化処理、純水による洗浄処理を行った土壌に陰イオン吸着剤(ハイドロタルサイト、アルミナセメント水和物)を添加することによって、浄化処理土壌からの汚染物質の溶出を抑制できることが分かった。
(例3)[クエン酸水溶液による浄化処理後の土壌へのハイドロタルサイト、アルミナセメント添加による効果の測定]
例1と同様、Pb、As、Fを含む汚染土壌を、例1と同様に、0.5mol/Lクエン酸水溶液を使用して、液固比50mL/gで浄化処理を行った。その後、例1と同様に純水を用いて洗浄処理を行った。得られた浄化処理土壌に陰イオン吸着剤を添加した。洗浄処理後、及び陰イオン吸着剤添加後の土壌についてそれぞれ、例1と同様にPb、As、Fの溶出濃度測定を行い、ろ過液のpHを測定した。
陰イオン吸着剤としては、例2と同様のハイドロタルサイト、アルミナセメント水和物をそれぞれ用いた。浄化後の土壌100重量部に対し、陰イオン吸着剤1重量部を添加し、撹拌した後、例1と同様に、Pb、As、Fの溶出濃度測定を行い、ろ過液のpHを測定した。クエン酸水溶液による浄化処理及び水による洗浄処理を行った土壌と、これに陰イオン吸着剤を添加した土壌における溶出濃度およびろ過液のpHの測定結果を図6に示す。
図6に示されるように、クエン酸水溶液による浄化処理及び洗浄処理を行った土壌に陰イオン吸着剤を添加することによって、浄化処理後の土壌からの汚染物質の溶出を抑制できることが分かった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…汚染土壌、12…浄化液、13…浄化処理土壌、14…陰イオン吸着剤、15…廃液、16…水、17…洗浄水、20…浄化装置、21,21a,24,27…処理槽、22…浄化液供給装置、23a,23b,23c…固液分離装置、25…陰イオン吸着剤供給装置、26…水供給装置、S100…浄化工程、S101…浸漬工程、S102…固液分離工程、S200…陰イオン吸着工程、S300…洗浄工程、S301…水供給工程、S302…固液分離工程。

Claims (7)

  1. 汚染物質を含む汚染土壌の浄化方法であって、
    前記汚染土壌を、有機酸を含む浄化液を用いて、前記汚染土壌に含まれる前記汚染物質を前記浄化液中に溶出させて浄化する浄化工程と、
    前記浄化工程で浄化された浄化処理土壌に陰イオン吸着剤を添加して前記浄化処理土壌中に残留する汚染物質を前記陰イオン吸着剤に吸着させる陰イオン吸着工程と
    を備えることを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記浄化工程で得られる浄化処理土壌を水で洗浄する洗浄工程を備え、
    前記洗浄工程で洗浄された浄化処理土壌に対して、前記陰イオン吸着工程を行うことを特徴とする請求項1記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記有機酸は、シュウ酸及び/又はクエン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記汚染物質は、Pb、As及びFからなる群より選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記陰イオン吸着剤は、ハイドロタルサイト及び/又はアルミナセメント水和物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記浄化工程は、前記汚染土壌を前記浄化液に浸漬する浸漬工程と、
    前記浄化液と前記浄化処理土壌を分離する固液分離工程と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 汚染物質を含む汚染土壌の浄化装置であって、
    有機酸を含む浄化液と前記汚染土壌を収容して、前記汚染土壌中の前記汚染物質を前記浄化液中に溶出させる処理槽と、
    前記処理槽内に前記浄化液を添加する浄化液供給装置と、
    前記処理槽内で前記浄化液に前記汚染物質が溶出されて生じた廃液と、前記汚染土壌から前記汚染物質が除去された浄化処理土壌を分離する固液分離装置と、
    前記廃液の分離された前記浄化処理土壌に、前記汚染物質を吸着する陰イオン吸着剤を添加する陰イオン吸着剤供給装置と
    を備えることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
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JP2018044064A (ja) * 2016-09-14 2018-03-22 株式会社ジーエルプラン Pcbおよび重金属の低減剤

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JP2018044064A (ja) * 2016-09-14 2018-03-22 株式会社ジーエルプラン Pcbおよび重金属の低減剤

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