JP2016159243A - 焼却灰の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却灰に供給する水および薬剤の使用量を低減することによって、低コストの焼却灰の洗浄方法を提供する。
【解決手段】コンテナCO内に均一に撒かれた焼却灰1に、塩化カルシウム水溶液2を散水し、その後、カルシウムイオンを含まない水3を散水することによって、焼却灰1を洗浄する。塩化カルシウム水溶液2のカルシウムイオン濃度は1%以上であり、塩化カルシウム水溶液2の液量を焼却灰1の重量で除した液固比は1.0未満であり、塩化カルシウム水溶液2およびカルシウムイオンを含まない水3は、それぞれ焼却灰1上から間欠的に散水される。
【選択図】図7

Description

本発明は、焼却灰の洗浄方法に関し、例えば焼却灰に含まれる重金属類、特に鉛(Pb)を除去する焼却灰の洗浄方法に好適に利用できるものである。
例えば特許第4834936号公報(特許文献1)には、廃棄物焼却炉のボトムアッシュを抽出液と接触させて抽出残渣および抽出廃液とする抽出手段と、抽出廃液と飛灰とを混合し、無害化処理する無害化処理手段とを備えた焼却灰の処理装置が記載されている。
また、特許第4999904号公報(特許文献2)には、鉛を含む廃棄物を、カルシウムイオンを含む水溶液に加えてスラリーとし、このスラリーを撹拌しつつ廃棄物から鉛成分をスラリー中に溶出させ、この溶出した鉛成分が廃棄物に戻る前に撹拌を停止し、このスラリーを鉛含有量の低い固形分と鉛含有量の高い溶液とに固液分離する廃棄物の処理方法が記載されている。
特許第4834936号公報 特許第4999904号公報
焼却施設から排出される焼却灰には、鉛などの重金属類が含まれている。特に、鉛に対しては、焼却灰の最終処分のための受け入れ基準、並びに最終処分場から発生する浸出水の維持管理基準および廃止基準が設けられていることから、焼却灰に含まれる鉛は焼却施設から排出する前に、予め除去または不溶化する必要がある。
また、近年、最終処分場の建設難に伴って処分場容量が逼迫していることから、焼却灰を資源化することは、既存の最終処分場の延命化に大きく貢献する。この焼却灰の資源化において問題になるのが、焼却灰からの重金属類の溶出である。すなわち、焼却灰の資源化をより一層促進させるためには、予め焼却灰に含まれる重金属類を除去しておくことが重要である。
前記特許文献1には、酸またはアルカリを用いた焼却灰の処理方法が記載されている。しかし、この酸またはアルカリを用いて鉛を溶出する方法は、塩化カルシウム水溶液を用いて鉛を溶出する方法と比べると、薬剤のコストが高く、また、多量の薬剤が必要となる。
また、前記特許文献2には、塩化カルシウム水溶液を用いた焼却灰の処理方法が記載されている。しかし、この塩化カルシウム水溶液を用いて鉛を溶出する方法では、洗浄に焼却灰の1〜10倍量の水が必要となり、洗浄に用いる水の使用量の増加に伴い薬剤の使用量も増加するため、スケールの発生などのカルシウムによる水処理への負担が大きくなる。すなわち、水および薬剤の使用量が増加して、その分処理コストも高くなる。
そこで、本発明は、焼却灰に供給する水および薬剤の使用量を低減することによって、低コストの焼却灰の洗浄方法を提供する。
上記課題を解決するために、静置した焼却灰に、焼却灰の1倍量未満のカルシウム化合物水溶液を散水し、その後、カルシウムイオンを含まない水を散水することによって、焼却灰を洗浄する。カルシウム化合物水溶液のカルシウムイオン濃度は1%以上であり、カルシウム化合物水溶液の液量を焼却灰の重量で除した液固比が1.0未満であり、カルシウム化合物水溶液およびカルシウムイオンを含まない水は、それぞれ焼却灰上から間欠的に散水される。
本発明によれば、焼却灰に供給する水および薬剤の使用量を低減することによって、低コストの焼却灰の洗浄方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本実施例によるカルシウムの形態と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。 本実施例による塩化カルシウム水溶液のカルシウムイオン濃度と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。 本実施例による累積浸出水量と浸出水の電気伝導度との関係を示すグラフ図である。 本実施例による各種洗浄方法と累積鉛溶出量およびカルシウムあたりの累積鉛溶出量との関係を示すグラフ図である。 本実施例による各種洗浄方法と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。 本実施例による通気する気体の種類と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。 本実施例による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。 本実施例の変形例1による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。 本実施例の変形例2による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。 本実施例の変形例3による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。 本実施例の変形例4による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施例によるカルシウムの形態と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。溶出水は、環境庁告示第13号に準拠して作成した。すなわち、焼却灰に、カルシウムイオン濃度が5%となるように調整した水溶液を焼却灰の10倍量加えて、6時間連続して振とうした後、静置し、さらに1.0μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、溶出水を作成した。
図1に示すように、全ての形態で溶出水に鉛が含まれており、特に塩化物([Cl])、硝酸塩([NO)および酢酸塩([CHCOOH])は、より高い濃度の鉛が溶出している。水酸化物([OH])は、他の形態よりも溶出水中の鉛濃度が低いが、使用量を増加する、または酸などの水酸化カルシウムを溶解させる薬剤を用いてカルシウム化合物水溶液に含まれるカルシウムの量を増加することにより、鉛の溶出を促進させて、溶出水中の鉛濃度を高めることが可能である。
図2は、本実施例による塩化カルシウム水溶液のカルシウムイオン濃度と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。カルシウムイオン濃度が0%、1%、5%、10%および20%となるように塩化カルシウム水溶液は調整した。溶出水は、環境庁告示第13号に準拠して作成した。すなわち、焼却灰に、所定のカルシウムイオン濃度に調整した水溶液を焼却灰の10倍量加えて、6時間連続して振とうした後、静置し、さらに1.0μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、溶出水を作成した。
図2に示すように、カルシウムイオン濃度が1%以上の塩化カルシウム水溶液を用いることにより、カルシウムイオン濃度が0%の水溶液に対して、3倍以上の鉛濃度が検出されている。従って、カルシウムイオン濃度が1%以上の塩化カルシウム水溶液を用いることにより、焼却灰に含まれる鉛の溶出を促進できることが分かる。
図3は、本実施例による累積浸出水量と浸出水の電気伝導度との関係を示すグラフ図である。表1に、実験条件をまとめる。
実験は、φ104×400mmの塩ビ管に含水状態の焼却灰4,000gを高さ300mmで充てんし、焼却灰の上からポンプを用いて散水を行った。散水強度は160mm/日である。まず、焼却灰に、予めカルシウムイオンを含まない水を含水させる。その後、カルシウムイオン濃度が5%となるように調整した塩化カルシウム水溶液を散水し、次いでカルシウムイオンを含まない水を散水して、焼却灰の下から発生した廃水を、浸出水として得た。
Figure 2016159243
図3に示すように、浸出水が発生した直後は、電気伝導度は高い値を示す。これは、焼却灰に含まれるナトリウム、カリウムなどのイオンが溶出したためである。
その後、累積浸出水量が増加するに従って電気伝導度は減少し、累積浸出水量が300〜1,400mL程度の範囲でほぼ一定となる。その累積浸出水量が、予め焼却灰に含水させた水量とほぼ一致すること、およびカルシウムイオンを含まない水の電気伝導度はほぼ0S/mであることから、この電気伝導度の減少は、予め焼却灰に含水させた水が、焼却灰に含まれるナトリウム、カリウムなどのイオンを希釈しながら流れたことによると考えられる。
さらに、累積浸出水量が1,400mLを超えると、電気伝導度は増加し、その後、16S/m程度で一定となる。散水した塩化カルシウム水溶液の電気伝導度が15S/m程度であることから、この浸出水は、予め焼却灰に含水させた水によるものから切り替わった、散水した塩化カルシウム水溶液によるものであり、これにより電気伝導度が増加したと考えられる。
上記結果から、累積浸出水量が1,400mL程度よりも少ない範囲での浸出水は、予め焼却灰に含水させた水に起因するもの、累積浸出水量が1,400mL程度よりも多い範囲での浸出水は、散水した塩化カルシウム水溶液に起因するものであると考えられる。すなわち、この浸出水の順番が散水を行った順番と一致すること、および電気伝導度が増減した浸出水量と散水量とがほぼ一致することから、まず、散水した塩化カルシウム水溶液が予め焼却灰に含水させた水を押し出した浸出水として流れ、その後、散水したカルシウムイオンを含まない水が焼却灰中の塩化カルシウム水溶液を押し出した浸出水として流れていると考えられる。
従って、塩化カルシウム水溶液を散水し、その後、カルシウムイオンを含まない水を散水することで、塩化カルシウム水溶液とカルシウムイオンを含まない水とが混合することなく、焼却灰中で押し出し流れが形成されるので、焼却灰に塩化カルシウム水溶液のみを散水し続ける必要がない。これにより、散水する塩化カルシウム水溶液の液量を低減することができる。さらに、焼却灰から溶出した高濃度の鉛を含む塩化カルシウム水溶液を得ることができるので、浸出水の処理の効率化を図ることができる。
図4は、本実施例による各種洗浄方法と累積鉛溶出量およびカルシウムあたりの累積鉛溶出量との関係を示すグラフ図である。表2に、各種洗浄方法および実験条件をまとめる。
実験は、φ104×200mmの塩ビ管に含水状態の焼却灰1,580gを高さ130mmで充てんし、焼却灰の上からポンプを用いて散水を行った。散水強度は160mm/日である。洗浄方法1は、焼却灰にカルシウムイオンを含まない水を1,100mL散水した。洗浄方法2は、焼却灰にカルシウムイオン濃度が5%となるように調整した塩化カルシウム水溶液を170mL散水した後、カルシウムイオンを含まない水を930mL散水した。洗浄方法3は、焼却灰にカルシウムイオン濃度が5%となるように調整した塩化カルシウム水溶液を550mL散水した後、カルシウムイオンを含まない水を550mL散水した。洗浄方法4は、焼却灰にカルシウムイオン濃度が5%となるように調整した塩化カルシウム水溶液を1,100mL散水した。塩化カルシウム水溶液の散水およびカルシウムイオンを含まない水の散水はそれぞれ複数回に分けて間欠的に行った。液固比は、塩化カルシウム水溶液の液量(mL)を焼却灰の重量(g)で除したものと定義した。
Figure 2016159243
塩化カルシウム水溶液を用いた洗浄方法2,3および4における累積鉛溶出量は、カルシウムイオンを含まない水のみを用いた洗浄方法1における累積鉛溶出量よりも多い。従って、塩化カルシウム水溶液を用いる洗浄方法2,3および4によって、焼却灰に含まれる鉛の溶出が促進し、カルシウムイオンを含まない水のみを用いる洗浄方法1よりも、効率的に鉛を除去できることが分かる。
また、塩化カルシウム水溶液の散水量が多いほど、焼却灰と塩化カルシウム水溶液との接触時間が長くなるため、累積鉛溶出量は増加する。従って、塩化カルシウム水溶液の散水時間に加えて、散水後に静置して養生するなどして、焼却灰と塩化カルシウム水溶液との接触時間を確保することが重要である。この接触時間は、塩化カルシウム水溶液の散水時間に比例して増加するため、散水時間も含めて少なくとも3時間、好ましくは3時間以上とするのが望ましい。
一方で、カルシウムあたりの累積鉛溶出量を比較すると、塩化カルシウム水溶液を散水した後、カルシウムイオンを含まない水を散水する洗浄方法2および3の値が、塩化カルシウム水溶液のみを散水した洗浄方法4の値よりも高くなる。これにより、液固比が1.0未満の使用においては、塩化カルシウム水溶液を散水した後、カルシウムイオンを含まない水を散水する方法によって、少ない塩化カルシウム量で効率よく鉛を溶出させることが可能であることが分かる。
従って、洗浄の目的を鉛の含有量の削減とする場合には、鉛の溶出量を増加させるためにカルシウム化合物水溶液の散水量を増加する、または散水するカルシウム化合物水溶液中のカルシウムイオン濃度を高くすれば良い。一方で、洗浄の目的を鉛の溶出量の抑制とする場合には、カルシウム化合物水溶液を散水した後、カルシウムイオンを含まない水を散水すれば良く、カルシウム化合物水溶液を散水し続ける方法(例えば上記洗浄方法4)よりも必要なカルシウム化合物水溶液は少量ですみ、効率よく鉛を除去することができる。すなわち、本手法では、洗浄の目的および目標に合わせてカルシウム化合物量を制御し、必要最低限のカルシウム化合物量を用いて、効率的な焼却灰の洗浄を行うことができる。
図5は、本実施例による各種洗浄方法と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。図に示した溶出水中の鉛濃度は、焼却灰からの鉛の溶出リスクを表す。洗浄前および洗浄後のそれぞれの焼却灰の溶出水は、環境庁告示第13号に準拠して作成した。すなわち、焼却灰に、純水を焼却灰の10倍量加えて、6時間連続して振とうした後、静置し、さらに1.0μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、溶出水を作成した。洗浄方法1,2,3および4は、表2に示した各種洗浄方法と同様である。
図5に示すように、散水による洗浄(洗浄方法1,2,3および4)後の溶出水中の鉛濃度は、洗浄前の焼却灰から溶出する鉛濃度よりも大きく減少している。さらに、カルシウム化合物水溶液を散水した後、カルシウムイオンを含まない水を散水する洗浄方法2および3では、他の洗浄方法1および4よりも溶出水中の鉛濃度が低いことから、カルシウム化合物水溶液を散水した後、カルシウムイオンを含まない水を散水する手法を用いることにより、焼却灰からの鉛の溶出リスクを大きく低減することができる。
図6は、通気する気体の種類と溶出水中の鉛濃度との関係を示すグラフ図である。実験は、φ104×200mmの塩ビ管に含水状態の焼却灰1,580gを高さ130mmで充てんし、焼却灰の上からポンプを用いて散水を行い、さらに焼却灰の下部より通気を行った。散水強度は190mm/日、通気速度は2mm/秒である。洗浄後のそれぞれの焼却灰について溶出水を作成した。溶出水は、環境庁告示第13号に準拠して作成した。すなわち、焼却灰に、純水を焼却灰の10倍量加えて、6時間連続して振とうした後、静置し、さらに1.0μmのメンブレンフィルターでろ過することにより、溶出水を作成した。
空気(大気)および二酸化炭素(CO)を通気した系では、通気を行わなかった場合と比較して、溶出水中の鉛濃度は大きく低減し、さらに二酸化炭素10%および100%を通気した系の方が、空気(大気)を通気した系よりも溶出水中の鉛濃度は減少した。また、二酸化炭素を通気した系では、二酸化炭素の濃度が10%および100%と10倍の差があったが、溶出水中の鉛濃度はどちらも検出限界以下となり差が見られなかった。
従って、散水による焼却灰の洗浄に加えて、散水時または散水後に通気を行うことで、鉛を炭酸化し、焼却灰からの溶出リスクを低減することが可能であることがわかる。通気は、空気(大気)、または、焼却炉の排ガスなどの大気よりも二酸化炭素の量が多い気体を使用することで溶出抑制効果を高めることができる。
以上、説明したように、本実施例では、洗浄する焼却灰の上から、まず、カルシウム化合物水溶液を散水し、その後、カルシウムイオンを含まない水を散水する。散水する方法としては、スプリンクラーなどによる霧状の散水、あるいはチューブ、ホースまたはパイプなどからの滴下を行う。散水は、間欠的に行い、1回あたりの散水量を少量として多数回行うことで、少量の水を効率的に焼却灰と接触させることができ、かつ水みちの形成を抑制することができる。
カルシウム化合物の使用方法としては、液固比で1.0未満のカルシウム化合物水溶液を焼却灰に供給する。カルシウム化合物水溶液のカルシウムイオン濃度は1%以上とし、カルシウム水溶液と焼却灰との接触時間は3時間以上とする。カルシウム化合物の鉛の溶出促進効果によって、より多くの鉛を効率よく焼却灰からカルシウム化合物水溶液に溶出させることで、焼却灰に含まれる鉛を減少させることができる。
また、カルシウム化合物水溶液を散水した後に、カルシウムイオンを含まない水を散水し、鉛を多く含むカルシウム化合物水溶液を洗い流すことによって、焼却灰から溶出した鉛を除去し、洗浄後の焼却灰からの鉛の溶出を低減させることができる。
さらに、散水時または散水後に、空気または排ガスなどの大気よりも二酸化炭素の量が多い気体を通気することで、鉛の溶出の低減を促進することができる。
このように、本実施例では、鉛の溶出を促進させるカルシウム化合物水溶液の供給量が液固比で1.0未満において、焼却灰中の鉛を低減させ、かつ洗浄後の焼却灰からの鉛の溶出を抑制することができる。また、洗浄後に発生する廃水量は供給量と同程度の水量であることから、薬剤のコストおよび廃水処理にかかる水量的負担を低減することができる。これにより、低コストかつ効率的な焼却灰の洗浄方法を提供することができる。
<具体例>
次に、本実施例による具体的な焼却灰の洗浄方法について説明する。
図7は、本実施例による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
図7に示すように、例えば4t(8m)の容量を持つコンテナCOを焼却灰1の洗浄槽として用いる。このコンテナCOに焼却施設から排出された3tの焼却灰1を約30cmから50cm程度の厚さで均一に撒く。コンテナCOは、焼却施設の焼却灰1を搬出するホッパの下に設置し、直に焼却灰1を受け、その後、焼却灰1の散水洗浄を行う洗浄施設へ移送し、洗浄処理を行う。
液体が噴霧可能なスプリンクラー、あるいは液体が滴下可能なチューブ、ホースまたはパイプなどの装置を、散水がコンテナCO全体に均一にいきわたるように、洗浄施設の1箇所または複数箇所に設置する。この装置を用いて、コンテナCOの上部から、静置状態の焼却灰1に対して、予め125kgの塩化カルシウムを溶解させた塩化カルシウム水溶液2を散水する。塩化カルシウム水溶液2の散水量は、例えば液固比で0.3となる900Lである。その後、静置状態の焼却灰1に対して、カルシウムイオンを含まない水3を散水して、塩化カルシウム水溶液2を焼却灰1から洗い出す。カルシウムイオンを含まない水3の散水量は、例えば1,700Lである。散水はそれぞれ複数回に分けて間欠的に行い、散水強度160mm/日、かつ24時間で行う。また、それぞれの散水時または散水後に、通気速度0.01〜5mm/秒で、焼却灰1の通気を行う。通気速度は気体の二酸化炭素の量および通気時間に応じて変更し、量が多く、また時間が長いほど遅い速度で通気して良い。
廃水となる浸出水4は、コンテナCOの下部で回収し、浸出水処理施設で適切に処理する、または焼却炉内に吹き込むことで処理する。
<変形例1>
焼却灰に含まれる鉛の溶出を促進させるために散水を行うカルシウム化合物水溶液には、得られた浸出水を循環して用いることが可能である。浸出水はカルシウム化合物由来および焼却灰由来のカルシウムイオンが高濃度に含まれることから、浸出水を鉛の溶出を促進するカルシウム化合物水溶液として利用することができる。
図8は、本実施例の変形例1による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
図8に示すように、例えば4t(8m)の容量を持つコンテナCOを焼却灰1の洗浄槽として用いる。このコンテナCOに焼却施設から排出された3tの焼却灰1を約30cmから50cm程度の厚さで均一に撒く。コンテナCOは、焼却施設の焼却灰1を搬出するホッパの下に設置し、直に焼却灰1を受け、その後、焼却灰1の散水洗浄を行う洗浄施設へ移送し、洗浄処理を行う。
液体が噴霧可能なスプリンクラー、あるいは液体が滴下可能なチューブ、ホースまたはパイプなどの装置を、散水がコンテナCO全体に均一にいきわたるように、洗浄施設の1箇所または複数箇所に設置する。この装置を用いて、コンテナCOの上部から、静置状態の焼却灰1に対して、予め125kgの塩化カルシウムを溶解させた塩化カルシウム水溶液2を散水する。塩化カルシウム水溶液2の散水量は、例えば液固比で0.3となる900Lである。その後、静置状態の焼却灰1に対して、カルシウムイオンを含まない水3を散水して、塩化カルシウム水溶液2を焼却灰1から洗い出す。カルシウムイオンを含まない水3の散水量は、例えば1,700Lである。散水はそれぞれ複数回に分けて間欠的に行い、循環時の散水強度は700mm/日、かつ18時間、洗い出し時の散水強度は160mm/日、かつ6時間で、合計24時間行う。また、散水時または散水後に、通気速度0.01〜5mm/秒で、焼却灰1の通気を行う。通気速度は気体の二酸化炭素の量および通気時間に応じて変更し、量が多く、また時間が長いほど遅い速度で通気して良い。
循環中は、浸出水4を回収する槽からポンプによって浸出水4を移送し、コンテナCOの上部から散水する。浸出水4を回収する槽において水中から鉛を除去することで、循環による焼却灰1への鉛の再吸着を防止することができる。鉛の除去処理方法としては、空気または二酸化炭素によるばっ気法、イオン交換樹脂によるイオン交換法、ゼオライト等の鉛が吸着可能な吸着剤による吸着法、鉄塩を用いた共沈法、硫化ナトリウム等を用いた難溶性硫黄化合物生成法、フェライト法、鉄粉法、リン酸を添加しアパタイトを生成させる処理方法、および水中にキレートが共存する場合には置換法などによる除去が考えられる。ばっ気法による除去処理は、カルシウムイオンを除去するが、浸出水4中ではカルシウムイオン濃度は鉛イオン濃度よりもはるかに高濃度であるため、これらの処理におけるカルシウムイオン濃度の低下は、循環時の鉛の溶出の促進には影響を及ぼさないと考えられる。
廃水となる浸出水4は、コンテナCOの下部で回収し、浸出水処理施設で適切に処理する、または焼却炉内に吹き込むことで処理する。
<変形例2>
前記具体例および変形例1では、カルシウム化合物水溶液およびカルシウムイオンを含まない水をそれぞれ散水により焼却灰に供給したが、液体以外の方法でカルシウム化合物を焼却灰に供給しても良い。すなわち、カルシウム化合物水溶液を用いなくても、先にカルシウム化合物を焼却灰に供給してカルシウムイオンを含まない水を散水することで、焼却灰中でカルシウム化合物水溶液を作製し、このカルシウム化合物水溶液に鉛を溶出させ、その後、カルシウムイオンを含まない水を焼却灰に供給して鉛を多く含むカルシウム化合物水溶液を洗い流せば、前記具体例および変形例1と同様の効果を得ることができる。変形例2、3および4では、散水によらない手法について説明する。
図9は、本実施例の変形例2による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
図9に示すように、例えば4t(8m)の容量を持つコンテナCOを焼却灰1の洗浄槽として用いる。このコンテナCOに焼却施設から排出された3tの焼却灰1を約30cmから50cm程度の厚さで均一に撒く。さらに、焼却灰1の上に固体の塩化カルシウム5を均一に撒く。塩化カルシウム5の量は、例えば125kgである。塩化カルシウム5のシートを用いる場合は、含有する塩化カルシウム5の量が、例えば125kgとなるように所定の量を焼却灰1の上に均一に敷き詰める。塩化カルシウム5のシートは、不織布、ネット、綿またはフィルムなどで塩化カルシウム5を挟み込んだものまたは編みこんだもの、あるいは透水が可能な袋状の構造を持つものに塩化カルシウム5を入れたものが考えられる。コンテナCOは、焼却施設の焼却灰1を搬出するホッパの下に設置し、直に焼却灰1を受け、その後、焼却灰1の散水洗浄を行う洗浄施設へ移送し、洗浄処理を行う。
液体が噴霧可能なスプリンクラー、あるいは液体が滴下可能なチューブ、ホースまたはパイプなどの装置を、散水がコンテナCO全体に均一にいきわたるように、洗浄施設の1箇所または複数箇所に設置する。滴下による散水について、水による洗掘が生じ、散水がカルシウム化合物に均一にいきわたらない事が想定される場合には、撒きだした塩化カルシウム5の上から不織布などのシートを敷き、その上部から散水する。この装置を用いて、コンテナCOの上部から、静置状態の焼却灰1に対して、カルシウムイオンを含まない水3を散水する。このとき、鉛の溶出を促進させる塩化カルシウム水溶液を作成する分として、例えば900Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水し、塩化カルシウム水溶液の洗い出しに用いる分として、例えば1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水する。散水は複数回に分けて間欠的に行い、散水強度160mm/日、かつ24時間で行う。また、散水時または散水後に、通気速度0.01〜5mm/秒で、焼却灰1の通気を行う。通気速度は気体の二酸化炭素の量および通気時間に応じて変更し、量が多く、また時間が長いほど遅い速度で通気して良い。
散水期間中に添加する塩化カルシウム5の量は、通水時のカルシウムイオン濃度が1%未満とならないように設定する。変形例2の場合、125kgの塩化カルシウム5に対して900Lのカルシウムイオンを含まない水3を一度に散水しても、カルシウムイオン濃度は(125kg×1,000×(40/111))/900L=50.1g/Lとなり、1%(10g/L)を下回らない。
鉛の溶出促進は900Lの散水によって終了したとみなし、溶出が促進された鉛を含む塩化カルシウム水溶液を洗い出すために用いる分の1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3は、継続して散水する。これにより、固体またはシート中の塩化カルシウム5の溶解が進行し、通過する水中のカルシウムイオン濃度が1%未満となる。
廃水となる浸出水4は、コンテナCOの下部で回収し、浸出水処理施設で適切に処理する、または焼却炉内に吹き込むことで処理する。
<変形例3>
図10は、本実施例の変形例3による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
図10に示すように、例えば4t(8m)の容量を持つコンテナCOを焼却灰1の洗浄槽として用いる。このコンテナCOに焼却施設から排出された焼却灰1を、約10cmから20cm程度の厚さで均一に撒き、その上に固体の塩化カルシウム5を、約10cmから20cm程度の厚さで均一に撒く。その後、同様にして、コンテナCO全体で、焼却灰1が3tとなるまで、焼却灰1と固体の塩化カルシウム5とを交互に積層する。最上層には、固体の塩化カルシウム5が撒かれている。固体の塩化カルシウム5の量は全体で、例えば125kg使用し、各層に均等に分割し撒きだす。塩化カルシウム5のシートを用いる場合は、含有する塩化カルシウム5の量が、例えば125kgとなるように所定の量を各層に分割して均一に敷き詰める。塩化カルシウム5のシートは、不織布、ネット、綿またはフィルムなどで塩化カルシウム5を挟み込んだものまたは編みこんだもの、あるいは透水が可能な袋状の構造を持つものに塩化カルシウム5を入れたものが考えられる。
コンテナCOは、焼却施設の焼却灰1を搬出するホッパの下に設置し、直に焼却灰1を受け、1層分を受けるごとに、その上に塩化カルシウム5を撒きだす、または塩化カルシウム5のシートを敷き詰める。その後、焼却灰1の散水洗浄を行う洗浄施設へ移送し、洗浄処理を行う。
液体が噴霧可能なスプリンクラー、あるいは液体が滴下可能なチューブ、ホースまたはパイプなどの装置を、散水がコンテナCO全体に均一にいきわたるように、洗浄施設の1箇所または複数箇所に設置する。最上部における滴下による散水について、水による洗掘が生じ、散水がカルシウム化合物に均一にいきわたらない事が想定される場合には、撒きだした塩化カルシウム5の上から不織布などのシートを敷き、その上部から散水する。この装置を用いて、コンテナCOの上部から、静置状態の焼却灰1に対して、カルシウムイオンを含まない水3を散水する。このとき、鉛の溶出を促進させる塩化カルシウム水溶液を作成する分として、例えば900Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水し、塩化カルシウム水溶液の洗い出しに用いる分として、例えば1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水する。散水は複数回に分けて間欠的に行い、散水強度160mm/日、かつ24時間で行う。また、散水時または散水後に、通気速度0.01〜5mm/秒で、焼却灰1の通気を行う。通気速度は気体の二酸化炭素の量および通気時間に応じて変更し、量が多く、また時間が長いほど遅い速度で通気して良い。
散水期間中に添加する塩化カルシウム5の量は、通水時のカルシウムイオン濃度が1%未満とならないように設定する。変形例3の場合、125kgの塩化カルシウム5に対して900Lのカルシウムイオンを含まない水3を一度に散水しても、カルシウムイオン濃度は(125kg×1,000×(40/111))/900L=50.1g/Lとなり、1%(10g/L)を下回らない。
鉛の溶出促進は900Lの散水によって終了したとみなし、溶出が促進された鉛を含む塩化カルシウム水溶液を洗い出すために用いる分の1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3は、継続して散水する。これにより、固体またはシート中の塩化カルシウム5の溶解が進行し、通過する水中のカルシウムイオン濃度が1%未満となる。
廃水となる浸出水4は、コンテナCOの下部で回収し、浸出水処理施設で適切に処理する、または焼却炉内に吹き込むことで処理する。
<変形例4>
図11は、本実施例の変形例4による焼却灰の洗浄に用いる洗浄装置の概略図である。
図11に示すように、例えば4t(8m)の容量を持つコンテナCOを焼却灰1の洗浄槽として用いる。このコンテナCOに焼却施設から排出された3tの焼却灰1を撒き、固体の塩化カルシウム5を添加して、バックホーなどで混合撹拌する。塩化カルシウム5の量は、例えば125kgである。混練した焼却灰1を約30cmから50cm程度の厚さで均一に撒く。コンテナCOは、焼却施設の焼却灰1を搬出するホッパの下に設置し、直に焼却灰1を受け、その後、焼却灰1の散水洗浄を行う洗浄施設へ移送し、洗浄処理を行う。
液体が噴霧可能なスプリンクラー、あるいは液体が滴下可能なチューブ、ホースまたはパイプなどの装置を、散水がコンテナCO全体に均一にいきわたるように、洗浄施設の1箇所または複数箇所に設置する。この装置を用いて、コンテナCOの上部から、静置状態の焼却灰1に対して、カルシウムイオンを含まない水3を散水する。このとき、鉛の溶出を促進させる塩化カルシウム水溶液を作成する分として、例えば900Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水し、塩化カルシウム水溶液の洗い出しに用いる分として、例えば1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3を散水する。散水は複数回に分けて間欠的に行い、散水強度160mm/日、かつ24時間で行う。また、散水時または散水後に、通気速度0.01〜5mm/秒で、焼却灰1の通気を行う。通気速度は気体の二酸化炭素の量および通気時間に応じて変更し、量が多く、また時間が長いほど遅い速度で通気して良い。
散水期間中に添加する塩化カルシウム5の量は、通水時のカルシウムイオン濃度が1%未満とならないように設定する。変形例4の場合、125kgの塩化カルシウム5に対して900Lのカルシウムイオンを含まない水3を一度に散水しても、カルシウムイオン濃度は(125kg×1,000×(40/111))/900L=50.1g/Lとなり、1%(10g/L)を下回らない。
鉛の溶出促進は900Lの散水によって終了したとみなし、溶出が促進された鉛を含む塩化カルシウム水溶液を洗い出すために用いる分の1,700Lのカルシウムイオンを含まない水3は継続して散水することで、固体の塩化カルシウム5の溶解が進行し、通過する水中のカルシウムイオン濃度が1%未満となる。
廃水となる浸出水4は、コンテナCOの下部で回収し、浸出水処理施設で適切に処理する、または焼却炉内に吹き込むことで処理する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば焼却灰を充填する洗浄槽は、槽としての構造を持っていればよく、例えばコンテナ以外に、鋼製、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製またはコンクリート製の槽を用いても良い。焼却灰、固定またはカルシウム化合物のシートを撒きだす厚さ、焼却灰またはカルシウム化合物の層数は洗浄槽の大きさおよび焼却灰の単位体積重量に依存する。また、塩化カルシウム以外のカルシウム化合物の使用および焼却灰に含まれる鉛の量に応じて、カルシウム化合物の量を増減させることもできる。
1 焼却灰
2 塩化カルシウム水溶液
3 カルシウムイオンを含まない水
4 浸出水(廃水)
5 塩化カルシウム
CO コンテナ

Claims (9)

  1. (a)静置した焼却灰に、カルシウム化合物水溶液を供給する工程
    を含み、
    前記カルシウム化合物水溶液のカルシウムイオン濃度が、1%以上、
    前記カルシウム化合物水溶液の液量を前記焼却灰の重量で除した液固比が、1.0未満、
    前記焼却灰と前記カルシウム化合物水溶液との接触時間が、3時間以上であり、
    前記焼却灰に、前記カルシウム化合物水溶液を供給する時または供給した後に、前記焼却灰に対して通気を行う、焼却灰の洗浄方法。
  2. 請求項1記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記(a)工程の後、
    (b)前記焼却灰に、カルシウムイオンを含まない水を供給する工程
    をさらに含む、焼却灰の洗浄方法。
  3. 請求項2記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記カルシウム化合物水溶液および前記カルシウムイオンを含まない水は、それぞれ間欠的に供給される、焼却灰の洗浄方法。
  4. 請求項3記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記カルシウム化合物水溶液および前記カルシウムイオンを含まない水は、それぞれ噴霧または滴下される、焼却灰の洗浄方法。
  5. 請求項1記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記(a)工程は、
    (a1)前記焼却灰上にカルシウム化合物を堆積する工程、
    (a2)前記カルシウム化合物および前記焼却灰に、前記カルシウム化合物側からカルシウムイオンを含まない水を供給する工程、
    を含む、焼却灰の洗浄方法。
  6. 請求項1記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記(a)工程は、
    (a1)前記焼却灰と、カルシウム化合物とを複数回交互に堆積して、最上層を前記カルシウム化合物とする積層を形成する工程、
    (a2)前記積層に、最上層の前記カルシウム化合物側からカルシウムイオンを含まない水を供給する工程、
    を含む、焼却灰の洗浄方法。
  7. 請求項1記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記(a)工程は、
    (a1)前記焼却灰とカルシウム化合物とを混練する工程、
    (a2)前記カルシウム化合物および前記焼却灰に、カルシウムイオンを含まない水を供給する工程、
    を含む、焼却灰の洗浄方法。
  8. 請求項5、6または7記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記カルシウムイオンを含まない水は、間欠的に供給される、焼却灰の洗浄方法。
  9. 請求項8記載の焼却灰の洗浄方法において、
    前記カルシウムイオンを含まない水は、噴霧または滴下される、焼却灰の洗浄方法。
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