JP2005311496A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 暗電流を防止しつつ、低電圧で効率のよい電荷転送を行う。
【解決手段】 転送電極膜123と絶縁膜122との界面は、凹部151に埋め込まれた構造によって、フォトダイオード130のp+型半導体層131と絶縁膜122との界面よりも下に配置され、その分、転送電極膜123がフォトダイオード130のn型半導体層132と近い位置に配置されることになり、低電圧で十分なポテンシャル変調幅を得ることが可能となる。また、転送動作以外の状態で、転送ゲートに負電圧を印加することにより、転送時以外の電位が−1Vに下がり、その分、転送電極膜123の周囲にホールが集まり、暗電流電子を吸収でき、暗電流ノイズを抑制できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、この光電変換素子によって生成した信号電荷をフローティングデフュージョン部に転送する転送ゲートとを有する固体撮像装置に関する。
近年、各種のデジタルカメラや携帯電話搭載用の小型カメラモジュールとして、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置が用いられているが、このうちCMOSイメージセンサは従来のMOSプロセスを用いて作成でき、かつ、低電圧駆動が可能といった点で固有の利点を有している。
このCMOSイメージセンサは、各画素毎に光電変換素子としてのフォトダイオードや、画素信号の読み出しを行う各種のMOSトランジスタを設けたものであり、フォトダイオードによって生成した信号電荷(光電子)を転送ゲート(転送トランジスタ)を介してフローティングデフュージョン(FD)部に転送し、このFD部の電位を増幅トランジスタによって電圧信号または電流信号に変換し、選択トランジスタの動作によって所定のタイミングで画素信号として出力する。また、FD部の信号電位は、リセットトランジスタの動作によって所定のタイミングで電源電位にリセットされる。
図7は従来のCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。なお、矢印αは、半導体基板の深さ方向を示しており、以下の説明では深い方を下層、浅い方を上層として説明する。
図示のように、このイメージセンサでは、Si基板10の上層に形成したウェル層内に、転送ゲート20のチャネル領域となるp型半導体層21が形成され、このp型半導体層21を挟んで両側にフォトダイオード(PD)30とFD部40が形成されている。
転送ゲート20には、Si基板10の上面にゲート絶縁膜(SiO )22を介して転送電極膜23が配置されており、この転送電極膜23に転送パルスが印加される。
また、フォトダイオード30は、上層のp+型半導体層31と下層のn型半導体層32を含み、p+型半導体層31を通して入射した光を信号電荷(電子)に変換する。また、フォトダイオード30の外側にはLOCOS等による素子分離領域33が形成されている。
また、FD部40はn型半導体層41よりなり、図示しない増幅トランジスタのゲート電極に接続されている。
ところで、このような素子構造において、フォトダイオード30の表面は、Si基板10とゲート酸化膜(SiO )22との界面からの暗電流電子の湧き出しを防ぐため、濃いp型半導体層21となっており、転送したい信号電荷は、さらにその下にあるn型半導体層32を中心とする領域に蓄積される。
しかし、このように転送ゲート20の電極膜23とフォトダイオード30の電荷蓄積領域との間に、濃い濃度のp+型半導体層31が介在する構造では、ゲート電極膜23に印加する電圧に対して転送ゲート20とフォトダイオード30との境界領域でのポテンシャルの変調が小さくなり、信号の転送に大きな電圧が必要となる。
また、このような問題を解決するために、従来は、フォトダイオード30のp+型半導体層31における転送ゲート近傍領域(図7に示す領域31A)を薄い濃度のp型半導体層とすることにより、信号の転送が容易になるような工夫が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−274461号公報
上述のように、従来の素子構造において、フォトダイオード30の濃いp型半導体層31が転送ゲート20の近傍まで介在した構造では、信号の転送効率が悪くなり、大きい電圧が必要となる問題がある。
一方、特許文献1に示されるように、フォトダイオード30のp+型半導体層31の転送ゲート20に近接する領域に薄いp型半導体領域31Aを設けた場合には、この部分での暗電流の湧き出し量が増加し、ノイズによる画質の劣化を招いてしまうという問題がある。
そこで本発明は、暗電流を防止しつつ、低電圧で効率のよい電荷転送を行うことができる固体撮像装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の固体撮像装置は、入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、前記光電変換素子によって生成された信号電荷を検出するフローティングデフュージョン部と、前記前記光電変換素子によって生成された信号電荷を前記フローティングデフュージョン部に転送する電荷転送部とを設けた半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上の前記電荷転送部に対応する領域に配置された転送電極とを有し、前記転送電極と絶縁膜との少なくとも一部の界面が前記光電変換素子と絶縁膜との界面よりも下に配置されていることを特徴とする。
また本発明は、転送電極に転送電圧を印加して転送動作を行う以外の状態では、転送電極に転送電圧と逆極性電圧を印加する。
本発明の固体撮像装置によれば、転送電極と絶縁膜との少なくとも一部の界面が光電変換素子と絶縁膜との界面よりも下に配置されていることから、転送電極と光電変換素子の電荷蓄積領域との間が近くなり、転送電極の印加電圧を低くした場合でも、十分大きいポテンシャル変調をかけることができ、低電力で効率よく電荷転送動作を実行できる。また、同じ電圧を用いた場合には、より高速で確実な転送動作を得ることが可能となる。
また本発明の固体撮像装置によれば、特許文献1のように転送効率向上のために光電変換素子の上層の不純物濃度を低下させる必要がなくなり、十分な不純物濃度で形成でき、さらに、転送電極に転送電圧を印加して転送動作を行う以外の状態では、転送電極に転送電圧と逆極性電圧を印加することから、この部分に湧き出す暗電流電荷を逆極性電圧によって集められた電荷によって吸収できる。この結果、基板表面の切削や各種膜形成に伴う暗電流の発生を有効に抑制でき、ノイズの少ない画像を出力できる。
本発明の実施の形態による固体撮像装置は、Si基板のフォトダイオードとFD部との中間に配置される転送ゲートの表面部分に凹部や段差を形成して、転送電極とゲート絶縁膜を埋め込み構造で配置することにより、フォトダイオードのp+型半導体層と絶縁膜との界面よりも下に転送電極と絶縁膜との界面を配置した。また、転送電極のフォトダイオード側に近接した部分は、フォトダイオードのp+型半導体層と絶縁膜との界面よりも上に転送電極と絶縁膜との界面を配置したこのような構造により、フォトダイオードのp+型半導体層の不純物濃度を低下させることなく、暗電流を防止しつつ、低電圧で効率のよい電荷転送を行う。
さらに、転送電極に転送電圧を印加して転送動作を行う以外の状態では、転送電極に負電圧を印加して、さらに有効に暗電流を防止する。
図1は本発明の実施例1によるCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。なお、矢印αは、半導体基板の深さ方向を示している。
図示のように、このイメージセンサでは、Si基板110の上層に形成したウェル層内に、転送ゲート120のチャネル領域となるp型半導体層121が形成され、このp型半導体層121を挟んで両側にフォトダイオード(PD)130とFD部140が形成されている。
転送ゲート120のp型半導体層121には、上面から凹部151が形成されており、この凹部151の形状に沿って基板全面にゲート絶縁膜(SiO )122が配置されている。なお、凹部151の側面は、基板面に対して垂直でなく、やや鈍角なテーパ面状に形成されている。このように凹部151をテーパ面状に形成することで、Siウエハの結晶構造にかかる負荷を軽減することができ、この結果、結晶界面の歪みによる暗電流電子の湧き出し抑制することも期待できる。
そして、この転送ゲート120の上部には、凹部151に埋め込まれる状態で、ゲート絶縁膜(SiO )122を介して転送電極膜123が配置され、この転送電極膜123に転送パルスが印加される。なお、この転送電極膜123は、多結晶Si膜等よりなり、両側部にサイドウォール124が形成されている。
また、フォトダイオード130は、上層のp+型半導体層131と下層のn型半導体層132を含み、p+型半導体層131を通して入射した光を信号電荷(電子)に変換する。また、フォトダイオード130の外側にはLOCOS等による素子分離領域133が形成されている。
また、FD部140はn型半導体層141よりなり、図示しない増幅トランジスタのゲート電極に接続されている。なお、FD部140のn型半導体層141と転送ゲート120のp型半導体層121との境界部分は低濃度のn−型半導体層142となっている。
このような素子構造において、転送電極膜123と絶縁膜122との界面は、凹部151に埋め込まれた構造によって、フォトダイオード130のp+型半導体層131と絶縁膜122との界面よりも下に配置され、その分、転送電極膜123がフォトダイオード130のn型半導体層132と近い位置に配置されることになり、低電圧で十分なポテンシャル変調幅を得ることが可能となる。
図2は本実施例のイメージセンサにおける画素回路の構造を示す回路図である。
図示のように、本実施例のイメージセンサは、各画素に4つのMOSトランジスタを設けたものであり、上述したフォトダイオード(PD)130、転送トランジスタ(転送ゲート(TRF))120に加えて、増幅トランジスタ(Amp)160、選択トランジスタ(SEL)170、リセットトランジスタ(RST)180を有している。
そして、転送トランジスタ120は、転送信号入力に応じてフォトダイオード130の信号電荷をFD部140に転送する。また、増幅トランジスタ160は、FD部140の電位をゲートに入力し、その電位変動に応じた出力信号を選択トランジスタ170に出力する。
また、選択トランジスタ170は、選択信号入力に応じて増幅トランジスタ160からの出力信号を垂直信号線(VSL)190に出力する。また、リセットトランジスタ(RST)180は、リセット信号入力に基づいて、FD部140の電位を電源電圧(VDD=3V)にリセットする。
図3は本実施例のイメージセンサにおける選択、リセット、転送の各制御信号のタイミングを従来例と対比して示すタイミングチャートであり、図3(A)は転送ゲートに負電圧を印加しない従来の波形を示し、図3(B)は転送ゲートに負電圧を印加する本実施例の波形を示している。
図2に示した画素回路の動作は、選択信号SELがアクティブ(オン=3V)のときに実行され、リセット信号RSTがオンしてFD部140の電位をリセットした後、所定の露光時間後に転送信号TRFがオンし、フォトダイオード130の信号電荷をFD部140から増幅トランジスタ160によって読み出す。
そして、このような動作において、転送ゲートに負電圧を印加することにより、転送時以外の電位が−1Vに下がるため、その分、転送電極膜123の周囲にホールが集まり、暗電流電子を吸収でき、暗電流ノイズを抑制できる。
図4は負電圧を印加したときの基板内の状態を示す断面図であり、図5は負電圧を印加しないときの基板内の状態を示す断面図である。
図5に示す状態では、転送電極膜面でのピンニングが弱く、この表面からの暗電流抑制効果は弱いものであるが、図4に示す状態では、転送電極膜の周囲にホールを集めることにより、濃い濃度のp+型半導体層131Aが界面全体に厚く形成され、転送電極膜集面からの暗電流電子を有効に抑制できる。
図6は本発明の実施例2によるCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。なお、図1と同様の構成については同一符号を付している。また、なお、矢印αは、半導体基板の深さ方向を示している。
図1に示した実施例1では、転送電極膜123を凹部151に埋め込む構造としたが、本実施例2では、転送ゲート120のp型半導体層121に段差152を形成し、この段差152を境にしてフォトダイオード130側の基板面が高く、FD部140側の基板面が低く形成されている。
そして、この段差152を跨ぐようにして、転送電極膜123及び絶縁膜122を配置することで、転送電極膜123と絶縁膜122との界面の一部をフォトダイオード130と絶縁膜122との界面より下に配置する。
なお、本実施例2においても、段差152の側面は鈍角のテーパ面状に形成され、また、電荷転送動作以外の状態では、転送ゲート120に負電圧を印加する。
これにより、上述した実施例1と同様に、暗電流を防止しつつ、低電圧で効率のよい電荷転送を行うことができる。
また、本実施例2において、転送電極膜123のフォトダイオード130に近接する側は、フォトダイオード130のp+型半導体層131の上に絶縁膜122を介して配置され、転送効率の改善を図っている。
また、本実施例2においては、FD部140側の基板面が低いことから、FD部140側のサイドウォール124Aが大きく成長した状態に形成されており、その分、サイドウォール下のn−型半導体層142Aの幅が大きくなるので、転送電極膜123の端部の電界強度を下げることが可能となり、転送効率をさらに改善することが可能となる。
また、このような本実施例の特徴を利用して、LDD効果のある転送ゲートを作成することも期待できる。
本発明の実施例1によるCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。 図1に示すイメージセンサにおける画素回路の構造を示す回路図である。 図1に示すイメージセンサにおける選択、リセット、転送の各制御信号のタイミングを従来例と対比して示すタイミングチャートである。 図1に示すイメージセンサで転送ゲートに負電圧を印加したときの基板内の状態を示す断面図である。 図1に示すイメージセンサで転送ゲートに負電圧を印加しないときの基板内の状態を示す断面図である。 本発明の実施例2によるCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。 従来例によるCMOSイメージセンサのフォトダイオード周辺部の素子構造を示す断面図である。
符号の説明
110……Si基板、120……転送ゲート、121……p型半導体層、122……ゲート絶縁膜、130……フォトダイオード、131……p+型半導体層、132……n型半導体層、140……FD部、151……凹部、152……段差。

Claims (8)

  1. 入射光量に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、前記光電変換素子によって生成された信号電荷を検出するフローティングデフュージョン部と、前記前記光電変換素子によって生成された信号電荷を前記フローティングデフュージョン部に転送する電荷転送部とを設けた半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられた絶縁膜と、
    前記絶縁膜上の前記電荷転送部に対応する領域に配置された転送電極とを有し、
    前記転送電極と絶縁膜との少なくとも一部の界面が前記光電変換素子と絶縁膜との界面よりも下に配置されている、
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記転送電極に転送電圧を印加して転送動作を行う以外の状態では、前記転送電極に転送電圧と逆極性電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  3. 前記半導体基板は前記電荷転送部を設けた領域の上面に凹部を有し、前記凹部内に前記転送電極と絶縁膜の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  4. 前記半導体基板は前記電荷転送部を設けた領域の上面に光電変換素子側よりもフローティングデフュージョン部側が低くなる段差を有し、前記段差によって低くなった領域に前記転送電極と絶縁膜の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  5. 前記凹部の側面がテーパ面状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の固体撮像装置。
  6. 前記段差の側面がテーパ面状に形成されていることを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置。
  7. 前記転送電極の少なくとも光電変換素子に近接する部分が前記光電変換素子と絶縁膜との界面よりも上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
  8. 前記フローティングデフュージョン部と絶縁膜との界面の全体または一部が前記光電変換素子と絶縁膜との界面よりも下に配置されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
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