JP2005310666A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造過程における光電変換層の割れなどの不具合を抑え、さらに、使用時における耐侯性も良好である、色素増感太陽電池を提供すること。
【解決手段】 支持基材上に導電層が形成された導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、多孔性半導体に色素が吸着されてなる光電変換層と、対電極と、前記導電性支持体と前記対電極に挟持されたキャリア輸送層と、を含む色素増感太陽電池であって、前記導電層の表面におけるRmsが、30nm以下であることを特徴とする色素増感太陽電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色素増感太陽電池に関し、より詳細には、光電変換層と導電性支持体との接着性を良好にした色素増感太陽電池に関する。
化石燃料に代わるエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池が注目され、種々の研究が行われてきた。現在実用化されている太陽電池は、多結晶又はアモルファスのシリコンを用いるのが主流であるが、このような太陽電池においては、製造コストが大きく、また、製造プロセスが複雑でありエネルギー効率が非常に悪い。
一方、新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池が提案されている。たとえば、下記特許文献1には湿式太陽電池が開示されている。この湿式太陽電池は、多孔性半導体電極、対極及びそれらの電極間に挟持された電解質層とから構成されてなる。この湿式太陽電池は、光電変換材料である多孔性半導体電極の表面に、可視光領域に吸収スペクトルを有する光増感色素を吸着させている。このような太陽電池の多孔性半導体電極に光を照射すると、この電極側で電子が発生し、電子は電気回路を通って対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電解質中のイオンによって運ばれるか、またはP型半導体を通って、多孔性半導体電極に戻る。このような過程が繰り返されて電気エネルギーが取出される。
一般的に、色素増感太陽電池に用いられる導電性支持体は、導電性を有する酸化スズが形成された透明なガラスである。このような導電性支持体の例として、たとえば、旭硝子製のUタイプのSnO膜つきガラス、日本板硝子製SnO膜付き白板板ガラスなどが使用されている。
しかし、これらのガラスはアモルファスシリコン太陽電池用として開発されたものであり、アモルファスシリコン太陽電池の変換効率を向上するため、導電層(酸化スズ)の表面にテクスチャ構造を形成している。このテクスチャ構造により、光の利用率が高くなり、変換効率を向上させるものである。
一方、色素増感太陽電池は酸化チタン微粒子と色素で構成された光電変換層を用いるため、上記テクスチャ構造を有する透明導電ガラスを導電性支持体として用いると、酸化チタン微粒子との接触に問題があり、光電変換層と導電性支持体との良好な接着を得ることが困難となる。
また、酸化チタン半導体膜を形成する際に、500℃で焼成する必要があり、焼成条件(昇温速度、冷却速度)の制御により、酸化チタン半導体膜が割れる恐れがある。さらに、住宅用太陽電池は非常に温度変化が激しい条件で使用されており、例えば、夏の日中温度は80℃、冬の夜中温度は零下という非常に温度変化が激しい条件で使用される場合には、温度変化により酸化チタンが電極膜から剥がれる恐れもある。
特許第2664194号公報
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、導電層と光電変換層との接着性を良好にすることにより、製造過程における光電変換層の割れなどの不具合を抑え、さらに、使用時における耐侯性も良好である、色素増感太陽電池を提供することである。
本発明は、支持基材上に導電層が形成された導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、多孔性半導体に色素が吸着されてなる光電変換層と、対電極と、前記導電性支持体と前記対電極に挟持されたキャリア輸送層と、を含む色素増感太陽電池であって、前記導電層の表面におけるRmsが、30nm以下であることを特徴とする、色素増感太陽電池を提供する。
好ましくは、前記導電層の厚さは、0.05〜10μmである。
好ましくは、前記導電層は酸化スズで構成される。
好ましくは、前記多孔性半導体層は酸化チタンである。
好ましくは、前記色素は、ルテニウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素およびナフタロシアニン系色素からなる群より選択される。
本発明の色素増感太陽電池によれば、作製工程が容易であり、また、優れた光電変換効率および耐久性を提供することができる。
本発明の色素増感太陽電池によれば、支持基材上に導電層が形成された導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、多孔性半導体に色素が吸着されてなる光電変換層と、対電極と、前記導電性支持体と前記対電極に挟持されたキャリア輸送層と、を含み、前記導電層の表面におけるRmsが、30nm以下であることを特徴とする。
本発明においては、上記構成のように、導電層の表面におけるRmsを30nm以下にすることにより、導電層と光電変換層との接着性を良好にすることができ、製造過程における光電変換層の割れなどの不具合を抑え、さらに、使用時における耐侯性も良好にすることができるものである。
本発明において、Rms(Root Mean Square)とは、表面凹凸の形状を示す指標のことであり、表面形状の高さ方向にZ軸をとった場合、所定のエリア内におけるZ値の標準偏差として定義される値である。この測定には、一般的な原子間力顕微鏡を用いて測定することができ、本発明においては、デジタルインスツルメンツ社のnano ScopeIVを用いて評価を行うことができる。具体的には、導電層の表面において10μm平方の範囲を、0.5Hz、Tappingモードでスキャンを行い、測定範囲のRmsを算出する。
本発明の色素増感太陽電池は、導電層の表面における凹凸が少ない、具体的には表面凹凸の指標であるRmsが30nm以下であるような導電層を用いることにより、導電層と光電変換層との接触性を向上させる。このように得られた構造の太陽電池は、作製工程が簡単になり、耐久性が高いものとなる。本発明において、Rmsが30nmを超えると、酸化チタン多孔性半導体電極との接触性が損なわれるという理由から、酸化チタン多孔性半導体電極が導電層から離れやすいという技術的不具合が生じ問題である。より好ましくは、20nm以下である。
以下、図を用いて本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明の色素増感太陽電池の基本構造を示す概略断面図である。図1において、支持体1上には導電層2が形成され、当該導電層2には多孔性半導体3が形成され、当該多孔性半導体3には色素4が吸着されている。ここで、導電層2と支持体1とを合せて導電性支持体といい、色素4と多孔性半導体3とを合せて光電変換層という。さらに、本発明の色素増感太陽電池において、光電変換層と対極6との間にはキャリア輸送層5が挟持されている。また、図1において、eは電子を表し、矢印は当該電子の流れを示す。なお、導電性支持体または対極6のいずれか一方は、少なくとも透明材質からなる。
本発明において、支持体1として、一般的に可視光に透明なものであれば特に限定されないが、ガラス基板もしくは透明プラスチックシート基板などを用いることができる。当該支持体1の板厚は、用途によって異なるが、ガラス基板の場合、0.2mm以上5mm以下の範囲が好ましい。プラスチックフィルムの場合、0.1mm以上3mm以下の範囲が好ましい。
本発明において、導電層2としては、酸化インジウムスズ(ITO膜)、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかを、前記支持体1上に塗布または蒸着したものを用いることができる。その中でも、耐溶媒性、および低コストのため、酸化スズ膜が好ましい。
導電層2の表面形状として、多孔性半導体層との接触性を向上させるために、表面凹凸の指標であるRmsが30nm以下であることが好ましいことは上述したとおりである。特に好ましいのはRmsが20nm以下である。
導電層2の形成方法としては、スピンコート法、スプレー法またはディップ法などの塗布法、またはスパッタ法、CVD法そして蒸着法などを用いることができる。Rmsが30nm以下の導電層を得るため、CVD法、蒸着法が好ましい。
また、本発明において、導電層2の厚みは0.05〜10μm程度であることが好ましい。0.05μm未満であると、導電性が低いため、内部抵抗が増えるという技術的不具合がある。また、10μmを超えると、光の透過性が低下するため、半導体に形成するキャリアが少なく、変換効率が低下するという技術的不具合がある。さらに好ましくは、0.2μm以上2μm以下である。また、導電層2における膜厚は、分光エプソメーター、段差計等で測定することができる。
本発明における光電変換層は、導電層2上に形成された多孔性半導体層3に色素4が吸着されてなる。ここで、当該色素4は、光増感色素であり、光の照射によって励起された電子がその後の化学的過程を経て半導体層に移動する特性を有する。本発明において、このような色素4としては、色素増感太陽電池の光電変換層に用いられる材料で構成されていれば特に限定されない。
本発明において、多孔性半導体層3の構成材料としては、無機系半導体が挙げられる。無機系半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどが挙げられ、これらの中でも、安定性、安全性の点から、酸化チタンが特に好ましい。アナターゼ型酸化チタンが特に好ましい。これらの無機系半導体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、多孔性半導体層3の厚みは0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。0.1μm未満であると、入射された光を十分吸収できないという理由から、変換効率が低くなってしまう。また、50μmを超えると、入射された光より多くの色素があるという理由から、内部リークが起こりやすくなる。さらに好ましくは、1μm以上35μm以下である。また、多孔性半導体層3における膜厚は、段差計を用いて測定することができる。
導電層2上に多孔性半導体層3を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。例えば、導電層2上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および/または焼成する方法が挙げられる。
多孔性半導体層は、より多くの色素を吸着するために、比表面積が大きく、多孔質膜状であるのが好ましい。その比表面積は、例えば10〜500m/gの範囲内とすることができる。10m/g未満であると、色素の吸着量が低いため、入射された光を十分吸収できない。また、500m/gを超えると、成膜が困難となる。
また、上記の多孔性半導体層3の形成方法について、具体的に説明する。まず、材料となる半導体粒子を分散剤、溶媒などに加え、分散させて懸濁液を調製し、その懸濁液を導電層上に塗布する。塗布方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法を用いることができる。
その後、塗膜を乾燥および焼成することにより、多孔性半導体層3を得ることができる。焼成は、例えば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲内で、1分〜12時間程度で行うことができる。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行うことが好ましい。
本発明によれば、Rmsが30nm以下の導電層2を用いる場合、乾燥・焼成の条件制御が容易になる。例えば、乾燥は100℃、20分間で行ってから、電機焼成炉で50℃/分の速度で昇温し、500℃で30分間を保持する。焼成後、すぐ電気炉からサンプルを取り出してもよい。一方、従来用いられていたような日本板硝子製SnO膜付き白板板ガラスを用いる場合、20℃/分以上の速度で昇温すると、酸化チタンの膜割れが観察され、また、焼成後すぐ電気炉から取り出しても膜割れが認められる。
本発明において、上記半導体粒子としては、市販のものを用いることができ、1〜2000nmの範囲の平均粒径を有する単体または化合物の半導体粒子を用いることができる。当該半導体粒子径は、好ましくは5nm〜100nmであり、特に好ましくは10nm〜50nmである。この半導体粒子を懸濁させる適当な溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールのようなアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエンのような混合溶媒、水などが挙げられる。
本発明において、多孔性半導体層3の表面に吸着される色素4は、色素増感太陽電池の光電変換効率を向上させるための分光増感剤として機能する。色素4としては、可視光領域および/または赤外光領域に吸収スペクトルを有する化合物であって、多孔性半導体層に色素を強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。なお、インターロック基は、励起状態の色素と多孔性半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供するものである。
本発明に用いる色素4としては、ルテニウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。特に、高い変換効率を得るために、ルテニウム系色素、メロシアニン系色素が好ましい。
本発明においては、多孔性半導体層3を形成した後に、色素4を吸着させる。多孔性半導体層3に色素4を吸着させる方法としては、例えば、色素4を含有する溶液に多孔性半導体層3を浸漬する方法が挙げられる。
上記の溶液に使用される溶媒としては、色素を溶解するものであればよく、例えば、アルコール、トルエン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤が挙げられる。
溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶媒の種類、色素吸着工程の条件などに応じて適宜設定することができ、例えば1×10−5モル/リットル以上が好ましく、4×10−4モル/リットル程度が適量の色素が吸着される点で特に好ましい。
上記の浸漬工程における温度、圧力および浸漬時間などの条件は適宜設定することができる。また、浸漬は1回、複数回のいずれでもよく、浸漬後、乾燥を行うのが好ましい
本発明において、色素4が吸着された多孔性半導体3と対極6との間に充填されるキャリア輸送層5は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料から構成される。例えば、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミンなどのホール輸送材料;テトラニトロフロレノンなどの電子輸送材料;ポリピロールなどの導電性ポリマー;液体電解質、高分子固体電解質などのイオン導電体;ヨウ化銅、チオシアン酸銅などの無機p型半導体が挙げられる。
上記の導電性材料の中でもイオン導電体が好ましく、酸化還元性電解質を含む液体電解質が特に好ましい。このような酸化還元性電解質としては、一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、LiI、NaI、KI、CaIなどの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせ(I/I 系)、LiBr、NaBr、KBr、CaBrなどの金属臭化物と臭素の組み合わせ(Br/Br 系)およびキノン/ハイドロキノン系が好ましく、これらの中でも、LiIとヨウ素の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質の溶剤としては、電気化学的に不活性なものが用いられ、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、炭酸プロピレン、その他、純水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
液体電解質中の電解質濃度は、0.05〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.1〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
高分子固体電解質は、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合することができる固体状の物質であり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィドなどの高分子化合物またはそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイドなどの高分子官能基に、ポリエーテルセグメントまたはオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したものおよびそれらの共重合体などが挙げられ、それらの中でも特にオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
また、本発明において、キャリア輸送層5を構成する材料が液体であって、太陽電池から外に漏れ出すような場合には、封止材(図1では図示せず)で太陽電池をシールしてもよい。
本発明の色素増感太陽電池における封止材料としては、エチレン―メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂フィルム、液状のEVA(エチレンビニルアセテート)やフッ化ビニリデン共重合体とアクリル樹脂混合物フィルム上のEVA等、耐候性付与・電気絶縁性付与・集光効率向上セルの保護性(耐衝撃性)向上等の目的に応じて様々な素材が使用可能である。
本発明において、対極6としては、一般に電極に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、金属基板、又はガラス基板若しくは透明プラスチックシート基板などの基板上に金、銀、チタン、高融点金属、酸化インジウムスズ(ITO膜)又は酸化スズなどの導電膜を塗布または蒸着した導電性基板の表面に、Pt、Pd、Cなどの触媒膜を塗布又は蒸着したものを用いることができる。
対極6の基板の厚みは、0.1mmから100mm程度であることが好ましく、導電膜の膜厚は0.02〜10μm程度であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)導電層の作製
支持体としてのガラス基板(Corning社製 製品名#7059 厚さ1.1mm)上に(CHSnClおよび希釈したフッ酸水溶液をそれぞれ別の溶液に入れ、Nガスを振り込んでバブリングし、N/Oの混合ガスをキャリアガスとして500℃に設定したガラス基板上に吹き付けて、導電層として500nmの膜厚のSnO:F膜を形成した。該SnO導電層の表面の凹凸についてのRmsを、AFM(製作会社および装置名:デジタルインスツルメンツ社 nano ScopeIV)を用いて、測定方法は10μm平方の範囲を0.5Hz、Tappingモードでのスキャンで測定した。Rmsは26.4nmであった。
(2)光電変換層の作成
上記(1)で作製した導電性支持体上に、多孔性半導体層を形成するために、市販の酸化チタンペースト(ソラロニクス(Solaronix)社製、商品名:Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を塗布し、100℃で20分間予備乾燥した。次いで電機焼成炉で50℃/分の速度で昇温し、500℃で30分間を保持した。焼成後、すぐ電気炉からサンプルを取り出して空冷した。多孔性半導体として膜厚18μmの酸化チタン膜を得た。それを5mm平方に切り出した。
次いで、下記の式(I)に示す化学式の光増感色素(Solaronix社製 Ruthenium535−bisTBA)をアセトニトリルとn−ブタノールエタノールを体積比で1:1で混合した溶媒に、濃度4×10−4モル/リットルで溶解させた吸着用色素溶液に、浸漬させることにより多孔性光電変換層に色素を吸着させた。
Figure 2005310666
(3)電解液の調製
キャリア輸送層5として用いる電解液を、アセトニトリル(アルドリッチ社製)を溶剤として、ヨウ化リチウム(LiI、アルドリッチ社製)が濃度0.1モル/リットル、ヨウ素(I、アルドリッチ社製)が濃度0.05モル/リットル、t−ブチルピリジン(アルドリッチ社製)が濃度0.5モル/リットル、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(四国化成株式会社製)が濃度0.6モル/リットルになるように溶解させて調製した。
(4)色素増感太陽電池の作製
(2)で得られた光電変換層上に、ITO膜付きガラスの表面に白金を約300nmの膜厚で蒸着したもので得られた対極を、白金面を光電変換層側になるように置き、それらの間に(3)で得られた電解液を注入し、それらの側面をエポキシ樹脂で封止し、各電極にリード線を取付けて、光電変換素子を得た。
得られた色素増感太陽電池に、強度1000W/mの光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、電池特性を評価した。さらに、1000h照射を行った。得られた結果を、対極の表面粗さ係数と共に表1に示す。
Figure 2005310666
(実施例2)
ガラス基板(Corning社製 製品名#7059 厚さ1.1mm)上に酸化スズをスパッタリングして導電層(700nmの膜厚)を形成する以外は実施例1と同じ方法で色素増感太陽電池を作製した。該導電層を実施例1と同様にAFM測定を行うと、Rmsは23.7nmであった。得られた結果を、対極の表面粗さ係数と共に表1に示す。
(実施例3)
ガラス基板(Corning社製 製品名#7059 厚さ1.1mm)上に酸化インジウムスズ200nmをスパッタリングして、さらに酸化スズを150nm程度スパッタリングして導電層を形成する以外は実施例1と同じ方法で色素増感太陽電池を作製した。該導電層を実施例1と同様にAFM測定を行うと、Rmsは17.9nmであった。得られた結果を、対極の表面粗さ係数と共に表1に示す。
(比較例1)
酸化スズ導電層を付着させたガラス板(日本板硝子社製 商品名SnO膜つきガラス;品番:NJFL4S−SM−O)を用いる以外は実施例1と同じ方法で太陽電池を作製した。該ガラス板を実施例1と同様にAFM測定を行うと、Rmsは35.5nmであった。なお、同じ条件で焼成した場合、顕微鏡で酸化チタン半導体膜にひび割れが観察された。得られた結果を、対極の表面粗さ係数と共に表1に示す。
(比較例2)
酸化スズ導電層を付着させたガラス板(旭硝子社製 UタイプSnO膜つきガラス)を用いる以外は実施例1と同じ方法で太陽電池を作製した。該ガラス板を実施例1と同様にAFM測定を行うと、Rmsは42.3nmであった。なお、同じ条件で焼成した場合、顕微鏡で酸化チタン半導体膜にひび割れが観察された。得られた結果を、対極の表面粗さ係数と共に表1に示す。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
色素増感太陽電池の概略断面図である。
符号の説明
1 支持体、2 導電層、3 多孔性半導体、4 色素、5 キャリア輸送層、6 対極。

Claims (5)

  1. 支持基材上に導電層が形成された導電性支持体と、
    該導電性支持体上に形成された、多孔性半導体に色素が吸着されてなる光電変換層と、
    対電極と、
    前記導電性支持体と前記対電極に挟持されたキャリア輸送層と、
    を含む色素増感太陽電池であって、
    前記導電層の表面におけるRmsが、30nm以下であることを特徴とする、色素増感太陽電池。
  2. 前記導電層の厚さは、0.05〜10μmであることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記導電層は酸化スズで構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記多孔性半導体層は酸化チタンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記色素は、ルテニウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素およびナフタロシアニン系色素からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太陽電池。
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