JP2005310533A - 燃料電池セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶性ポリマーの機械的物性を維持しつつ、導電性に優れ、成形性の問題を解決して、薄肉大面積のセパレータを提供する。
【解決手段】 (1) 20℃/min の昇温速度によるDSC測定で融点が観測されず、(2) ガラス転移温度が100 〜180 ℃であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、(B) 導電性フィラーを100〜600重量部配合してなる導電性樹脂組成物から形成された燃料電池セパレータ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池に用いられるセパレータに関する。更に詳しくは、優れた成形加工性を持ち、且つ導電性に優れた導電性樹脂組成物から形成された燃料電池セパレータに関する。
異方性溶融相を形成し得る液晶性ポリマーは、熱可塑性樹脂の中でも寸法精度、制振性、流動性に優れ、成形時のバリ発生が極めて少ない材料として知られている。従来、このような特徴を活かし、ガラス繊維で強化された液晶性ポリマー組成物が電子部品として多く採用されてきた。また、近年、液晶性ポリマーの優れた流動性を活かし、導電性充填材を配合し、導電性を付与することも行われており、燃料電池セパレータへの応用も試みられている。
例えば、特許文献1〜3では、液晶性ポリマーに導電性カーボンブラックや特定の黒鉛を配合することにより燃料電池セパレータを製造する試みがなされているが、これらの方法では、導電性としては充分であるものの、導電性が高いため同時に熱伝導が高くなり、固化速度の速い液晶性ポリマーでは直ぐに固化してしまい、燃料電池として必要な面積のセパレータを成形するのが困難であるという問題があった。
特開2000−17179号公報 特開2001−55493号公報 特開2003−100313号公報
以上のように、導電性液晶樹脂組成物を用いた燃料電池セパレータの製造方法に関しては様々な検討が行われているが、成形性の問題を解決し薄肉大面積のセパレータを成形する手法は存在しなかった。
本発明者らは前記問題点を解決し、液晶性ポリマーの機械的物性を維持しつつ、導電性に優れ、且つ成形加工性に優れた素材の提供を目的として鋭意研究した結果、特定の液晶性ポリマーに導電性フィラーを配合することにより、上記目的が達成された材料が得られ、性能の優れた燃料電池セパレータを効率良く提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1) 20℃/min の昇温速度によるDSC測定で融点が観測されず、
(2) ガラス転移温度が100 〜180 ℃
であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、(B) 導電性フィラーを100〜600重量部配合してなる導電性樹脂組成物から形成された燃料電池セパレータである。
本発明で用いる特定の液晶性ポリマーに特定量の導電性フィラーを配合してなる導電性樹脂組成物は、導電性フィラーを高配合しても液晶性ポリマーのガラス転移温度近くまで流動することから成形性に優れており、また液晶性ポリマーの優れた機械強度を保持しているため、燃料電池セパレータに要求される導電性、機械的物性を満たし、大面積または薄肉の燃料電池セパレータを提供することが可能である。
以下本発明を詳細に説明する。本発明でいう燃料電池セパレータとは、連続使用温度が100℃以下である固体高分子型燃料電池に用いられるセパレータである。次に本発明で用いる(A) 液晶性ポリマーとは、20℃/min の昇温速度によるDSC測定で融点は観測されないが、100〜180℃の範囲にガラス転移温度が観察される非晶質全芳香族ポリエステルおよびポリエステルアミドであり、好ましくはポリエステルである。
つまり、本発明の液晶性ポリマーは、20℃/min の昇温速度によるDSC測定で融点が観測されない、実質的に非晶質であることが必要である。結晶質ポリマーでは加工性が低下し好ましくない。
更に、本発明の液晶性ポリマーは、ガラス転移温度が100〜180℃の範囲にあることが必要である。ガラス転移温度が100℃より低いと耐熱性が悪くなり好ましくなく、180℃より高いと成形性が悪くなり好ましくない。
また、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーであることは、本発明において熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位からなる全芳香族ポリマーは、構成成分およびポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本発明に係わるポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルおよびポリエステルアミドに限られる。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認はオリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150 倍の倍率で観察することにより実施できる。上記ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
本発明の加工性の指標としては液晶性及びガラス転移温度が考えられる。液晶性を示すか否かは溶融時の流動性に深く係わり、本願のポリエステルおよびポリエステルアミドは溶融状態で液晶性を示すことが不可欠である。
一般的に、ネマチックな液晶性ポリマーは融点またはそれ以上の温度で液晶性を示し、各種成形加工が行われ、次いで結晶化温度以下にまで冷却されることで、成形品の形状が固化される。ところが、本発明の液晶性ポリマーは結晶化しないために、樹脂温がガラス転移温度付近に達するまで流動性が損なわれず、成形性に優れた材料と言える。また、成形品の耐熱性や、樹脂ペレットの乾燥工程の効率化等の観点から、ガラス転移温度は100℃以上であることが好ましい。また、ガラス転移温度が180℃より高くなると、成形金型温度を高くする必要があり、作業性が悪くなり好ましくない。
更に、ガラス転移温度より80〜120℃高い温度で、剪断速度1000sec-1における溶融粘度が1×106 Pa・s 以下であることが好ましい。更に好ましくは1×103 Pa・s 以下である。これらの溶融粘度は液晶性を具備することで概ね実現される。
より具体的には、下記の原料モノマー(a) 〜(e) 成分の内、2種以上の成分を共重合させて得られる。
(a) 4−ヒドロキシ安息香酸およびその誘導体
(b) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびその誘導体
(c) 芳香族アミノフェノールであり、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−N−メチルアミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノールおよびこれらの誘導体等が例示される
(d) 芳香族ジカルボン酸であり、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、クロロテレフタル酸およびこれらの誘導体が例示される
(e) 芳香族ジオールであり、ハイドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシビフェニルおよびこれらの誘導体が例示される
本発明で用いる液晶性ポリマーにおいて、各成分の共重合比率は、優れた加工性を発現するために重要である。
即ち、本発明で用いる液晶性ポリマーにおいて、屈曲性モノマー成分を共重合させることが必要であり、その割合は7〜35モル%であることが好ましい。ここで、屈曲性モノマーとは、フェニレン骨格を有する化合物において、エステル又はアミド形成性官能基(カルボキシル基、フェノール基、アミノ基)の位置がメタ又はオルトである化合物のように、分子鎖を屈曲させるような化合物であって、具体的には1,3−フェニレン骨格、2,3−フェニレン骨格及び2,3−ナフタレン骨格を有するものが挙げられる。
より具体的な屈曲性モノマーとしては、イソフタル酸、フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、m−アミノフェノール、レゾルシノールおよびこれらの誘導体が例示され、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,3’−ビフェニルジカルボン酸、3−アミノ安息香酸およびこれらの誘導体も屈曲性モノマーとして例示される。特に好ましいものはイソフタル酸である。
このことから、本発明の(d) 芳香族ジカルボン酸として、全芳香族ジカルボン酸の35モル%以上をイソフタル酸とすることが好ましく、特に50モル%以上をイソフタル酸とすることが好ましい。
尚、屈曲性モノマーとして、(a) 、(b) 、(c) 、(d) 以外のモノマーとして、m−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸を少量(10モル%以下)導入することもできる。
また、(a) 4−ヒドロキシ安息香酸と(b) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との合計は、一般的に30〜90モル%(好ましくは50〜80モル%)の範囲で用いられるが、(a) と(b) との比率((a) /(b) )は0.15〜4.0 、好ましくは0.25〜3であることが必要である。この比率を外れた場合は、結晶質のポリマーとなり、成形性が悪くなり好ましくない。
本発明で用いる液晶性ポリマーにおいて、(a) 〜(e) の好ましい共重合比率は、
(a) 4−ヒドロキシ安息香酸;20〜60モル%
(b) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸;20〜60モル%
(c) 芳香族アミノフェノール;0〜25モル%
(d) 芳香族ジカルボン酸;10〜25モル%
(e) 芳香族ジオール;0〜25モル%
であり、特に好ましくは、
(a) 4−ヒドロキシ安息香酸;20〜60モル%
(b) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸;20〜60モル%
(d) 芳香族ジカルボン酸;10〜25モル%
(e) 芳香族ジオール;10〜25モル%
である。
また、本発明で用いる液晶性ポリマーには、本発明の企図する目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を更に補助的に添加してもよい。
この場合に使用する熱可塑性樹脂の例を示すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール等からなる芳香族ポリエステル、ポリアセタール(ホモ又はコポリマー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げることができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することができる。
次に、本発明で用いる導電性樹脂組成物は、上記(A) 液晶性ポリマーに(B) 導電性フィラーを添加することにより得られる。本発明において、(B) 導電性フィラーの配合量は重要であり、(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し100〜600重量部配合させる必要がある。
本発明で用いる(B) 導電性フィラーとしては、黒鉛、カーボンファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられ、その1種又は2種以上が用いられるが、その中でもコストおよび性能の面で黒鉛が好ましい。
黒鉛としては、人造黒鉛、膨張黒鉛、天然黒鉛である鱗状黒鉛、土状黒鉛等のいかなる種類の黒鉛でも使用可能であるが、その中でも性能の面から、固定炭素が95重量%以上、好ましくは98重量%以上の人造黒鉛、膨張黒鉛、鱗状黒鉛が好ましい。
また、本発明において、1×10Ω・cm以下の体積抵抗率を達成するためには、黒鉛の平均粒径および配合量が重要であり、平均粒径が小さ過ぎると所望の導電性を発現させるために多量に配合する必要があり成形時の流動性に劣り、逆に大き過ぎると所望の導電性は発現されるが、機械強度が低下する問題が発生する。そのため、平均粒径50〜1000μm 、好ましくは100〜400μm の黒鉛を用いるのが望ましい。また、黒鉛の配合量は、配合量が少ない場合、所望の導電性を得られず、多すぎる場合、押出性および成形性を悪化させる。そのため、液晶性ポリマー100重量部に対し、100〜600重量部、好ましくは300〜500重量部の範囲にあることが必要である。
カーボンファイバーとしては、ピッチ系、PAN系共に使用可能である。カーボンファイバーの配合量は、配合量が少ない場合、所望の導電性を得られず、一方、配合量が多い場合、押出性および成形性を著しく悪化させる。そのため、カーボンファイバー単独での添加も可能であるが、黒鉛等の他の導電性フィラーとの併用による機械物性の向上を兼ねての使用が望ましい。そのため、カーボンファイバー単独での添加量は、液晶性ポリマー100重量部に対し、100〜200重量部、好ましくは100〜150重量部であり、他の導電性フィラーと併用する場合のカーボンファイバーの添加量は、液晶性ポリマー100重量部に対し、10〜100重量部、好ましくは10〜50重量部であり、その際の他の導電性フィラーとの総導電性フィラー添加量は、液晶性ポリマー100重量部に対し、100〜600重量部、好ましくは300〜500重量部である。
ケッチェンブラック、カーボンナノチューブに関しては、何れもストラクチャが発達しているため、少量の添加でも増粘し、押出性および成形性を著しく悪化させる。そのため、単独での添加で所望の導電性と良好な成形性を兼ねることが難しいため、黒鉛等の他の導電性フィラーとの併用が好ましい。併用することにより、所望の導電性発現に必要な総導電性フィラー量を低減することが可能である。ケッチェンブラック、カーボンナノチューブの添加量は、液晶性ポリマー100重量部に対し、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部であり、その際の他の導電性フィラーとの総導電性フィラー添加量は、液晶性ポリマー100重量部に対し、100〜600重量部、好ましくは300〜500重量部である。
また、本発明の組成物には、目的とする導電性を損なわない範囲で各種の繊維状及び非繊維状充填材を配合することもできる。
繊維状充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、ウィスカー、無機系繊維、鉱石系繊維等が使用できる。ウィスカーとしては、窒化珪素ウィスカー、三窒化珪素ウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、炭化珪素ウィスカー、ボロンウィスカー等が使用可能であり、無機系繊維としては、ロックウール、ジルコニア、アルミナシリカ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、炭化珪素、アルミナ、シリカ、高炉スラグ等の各種ファイバーが使用可能であり、鉱石系繊維としては、アスベスト等が使用可能である。これらの中でも性能の面から、ガラス繊維が好ましい。
板状や粉粒状の非繊維状充填材としては、具体的にはタルク、マイカ、カオリン、クレー、バーミキュライト、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、長石粉、酸性白土、ロウ石クレー、セリサイト、シリマナイト、ベントナイト、ガラスフレーク、スレート粉、シラン等の珪酸塩、炭酸カルシウム、胡粉、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、バライト粉、ブランフィックス、沈降性硫酸カルシウム、焼石膏、硫酸バリウム等の硫酸塩、水和アルミナ等の水酸化物、アルミナ、酸化アンチモン、マグネシア、酸化チタン、亜鉛華、シリカ、珪砂、石英、ホワイトカーボン、珪藻土等の酸化物、二硫化モリブデン等の硫化物、金属粉粒体等の材質からなるものである。
本発明において使用する導電性フィラー、充填材はそのままでも使用できるが、一般的に用いられる公知の表面処理剤、収束剤を併用することができる。
なお、導電性樹脂組成物に対し、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤および難燃剤等の添加剤を添加して、所望の特性を付与した組成物も本発明で言う導電性樹脂組成物の範囲に含まれる。
また、上記導電性樹脂組成物から本発明の燃料電池セパレータを成形する方法は、既知の如何なる方法を用いても良いが、生産性、コストの点から射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形が好ましい。本発明で用いる液晶性ポリマーは非晶質であるため、ガラス転移温度以上であれば硬化(溶融)流動可能である特徴を活かし、成形用金型を開けた状態で成形流動距離を長くでき、圧縮することにより薄肉化可能な射出圧縮成形が特に好ましい。
以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。
[体積抵抗率]
φ30mm×2t平板試験片を用い、金メッキした電極の上にカーボンペーパー、試験片、カーボンペーパー、電極の順に重ね、1MPa の荷重をかけ、電極間の抵抗値を四端子法にて測定し、その値からカーボンペーパーの抵抗値を引き、体積抵抗率を計算し、試験片5枚の平均値を体積抵抗率とした。
[融点、ガラス転移温度]
示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC7)にて、20℃/分の昇温条件で測定した。
[溶融粘度]
表1に示す温度、剪断速度 1000sec-1の条件で、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて東洋精機製キャピログラフで測定した。
[最小肉厚]
後記する手法によりセパレータ形状成形品を射出圧縮成形し、圧縮後の最小肉厚を測定して、成形性を評価した。
製造例1(液晶性ポリマー1の製造)
攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、金属触媒(生成ポリマーに対し、K+基準で30ppm)、アシル化剤(アミノ基と水酸基の合計当量の1.02倍)を仕込み、窒素置換を開始した。
(a) 4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)118.44g(40モル%)
(b) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(HNA)121.04g(30モル%)
(c) アセトキシ−4−アミノフェノール48.61g(15モル%)
(d) イソフタル酸53.42g(15モル%)
上記所定量の酢酸カリウム触媒
上記所定量の無水酢酸
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140 ℃に上げ、140 ℃で1時間反応させた。その後、更に330 ℃まで3.3 時間かけて昇温し、そこから20分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から光学的異方性を示すポリマーを排出した。
製造例2〜4(液晶性ポリマー2〜4の製造)
原料として表1に示す処方のものを用い、製造例1と同様にして光学的異方性を示すポリマーを得た。
このようにして得た液晶性ポリマー1〜4の融点、ガラス転移温度、溶融粘度等の測定結果を表1に示す。
Figure 2005310533
実施例1〜3、比較例1
表2に示すように、上記の如く製造した液晶性ポリマー1〜4の100重量部に、黒鉛((株)エスイーシー製、人造黒鉛SGS−250、固定炭素99.9重量%、平均粒径250μm)300重量部をドライブレンドした後、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて混練しペレットを得た。
このペレットを用い、射出成形機にてφ30mm×2t平板試験片を用い、体積抵抗率の測定を行った。
また、セパレータ形状成形品を射出圧縮成形し、圧縮後の最小肉厚を測定して、成形性を評価した。金型は、図1に示すような最大に圧縮した場合、45mm×52.5mm×1.5mmのプレートに、5mm×0.6mmの溝が2.5mmの幅で折り曲がっている形状である。この金型は、図2に示すようにキャビティ部の固定側が凸、移動側が凹になっており、金型を開いた状態で樹脂を充填しても金型外には樹脂が漏れ出さないような構造になっている。尚、ゲートは、長径面からのフィルムゲートを用い、ゲート厚みは1mmとした。
成形は、型締め力60t電動式成形機を用い、シリンダー温度は350℃、金型温度は70℃、射出速度は15m/minとして、金型を0.5mm開いた状態で樹脂を射出し、キャビティが7割充填したところで金型を締め、保圧を50MPaで10秒かけ、10秒冷却した後、成形品を得た。この場合の金型設計上の最小肉厚は0.3mmである。
体積抵抗率および最小肉厚の測定結果を表2に示す。
Figure 2005310533
実施例で成形品の作製に用いた金型を示す図で、(a) は平面図、(b) は、(a) の反対面図、(c) は(a) のA−A’線断面図である。 実施例で成形品の作製に用いた金型の構造を示す図で、(a) は金型が開いた状態、(b) は完全に金型が締まった状態を示す図である。
符号の説明
1…可動側金型
2…固定側金型
3…スプルー

Claims (5)

  1. (1) 20℃/min の昇温速度によるDSC測定で融点が観測されず、
    (2) ガラス転移温度が100 〜180 ℃
    であることを特徴とする軟化流動時に光学的異方性を示す(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、(B) 導電性フィラーを100〜600重量部配合してなる導電性樹脂組成物から形成された燃料電池セパレータ。
  2. (A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、(B) 導電性フィラーを300〜500重量部配合してなる導電性樹脂組成物を用いる請求項1記載の燃料電池セパレータ。
  3. (B) 導電性フィラーが、黒鉛、カーボンファイバー、ケッチェンブラック及びカーボンナノチューブより選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の燃料電池セパレータ。
  4. 体積抵抗率が1×10Ω・cm以下である導電性樹脂組成物を用いる請求項1〜3の何れか1項記載の燃料電池セパレータ。
  5. 射出成形、射出圧縮成形及び圧縮成形より選ばれる成形方法により形成される請求項1〜4の何れか1項記載の燃料電池セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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