JP2005309129A - ペリクル及びマスク - Google Patents

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Abstract

【目的】 無機ペリクルのペリクル膜のたわみを低減することを目的とする。
【構成】 ペリクル膜102と、形状記憶合金を用いて形成され、前記ペリクル膜102を保持し、前記形状記憶合金が形状回復することで前記保持された前記ペリクル膜102に引っ張り力を与えるフレーム101と、を備えたことを特徴とする。前記フレーム101は、前記形状記憶合金により環状に形成され、自己を内側に変形させた状態で前記ペリクル膜102を貼り付けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ペリクル、或いはマスクに関する。特に、半導体集積回路を製造する写真製版工程で用いられるパターン原版であるフォトマスク、或いはフォトマスクに付けられるペリクルに関する。
図10は、フォトマスクの構成を示す図である。
ペリクル5は、フォトマスク上のパターン面に異物・パーティクルが付着しないように、高さ4から6.3mmのフレーム1に、写真製版で用いられる露光光を透過する有機膜などの薄膜をペリクル膜2として貼ったものである。そして、フォトマスク4は、基板3上に形成されたフォトマスクのパターン面にペリクル5を張り合わせたものである。
半導体パターンの微細化に伴い、写真製版のリソグラフィで用いられる露光光が短波長化され、パターン寸法250から180nmの半導体製造では、KrFエキシマレーザー光源(波長:248nm)を用いたリソグラフィが使われてきたが、近年のパターン寸法130から100nmの半導体製造では、ArFエキシマレーザー光源(波長:193nm)を用いたリソグラフィが使われつつある。一方、パターン寸法70から50nmの半導体を製造するリソグラフィ技術として、Fレーザー(波長:157nm)が開発されている。
これらの露光光源に対し、透過性や耐光性に優れたペリクルが必要となる。現在、半導体製造で使われているKrFやArFリソグラフィ用のペリクルとして、数μm厚のフッ素系有機ポリマー膜が使われている。一方、Fレーザー(波長:157nm)に対するペリクル材料の開発が進められているが、従来のフッ素系有機ポリマー膜では、波長157nmに対し透過性は95%以上のものが得られているが、耐光性が悪く、実用的なものが得られていない。これに代わるペリクルとして、厚さ数100μmの合成石英ガラス基板をペリクル膜に用いた無機ペリクルの開発が進められている。
図11は、無機ペリクルを用いたフォトマスクを説明するための図である。
無機ペリクル7は、フレーム1に厚さ数100μmの合成石英ガラス基板のペリクル膜6を貼ったものである。そして、フォトマスク4は、基板3上に形成されたフォトマスクのパターン面に無機ペリクル7を張り合わせたものである。図11に示すように、ペリクル膜6は、自重によりたわみが生じてしまう。
無機ペリクル7は、透過性や耐光性の点では有機ペリクルに比べ優れているが、厚さが数100μmとなるため露光光の光路に影響し、平面度が悪い場合リソグラフィの転写精度に影響する。しかしながら、合成石英ガラス基板の自重たわみや露光中の振動によって平面度が保たれず転写精度が劣化するという問題を抱えている。
このような無機ペリクルの問題点を解決する方法として、ペリクルフレームに貼り合わさった状態で、ペリクル膜(合成石英ガラス板)に引っ張り応力を与え、平面度を維持する方法が考えられる。この引っ張り応力を与える方法として、ペリクル板に比べて熱膨張率の小さいフレームを用いて、高温で貼り付けて、常温でガラス板に引っ張り応力を与える方法(例えば、特許文献1参照)やペリクル板に比べて熱膨張率の大きいフレームを用いて、低温で貼り付けて、常温でガラス板に引っ張り応力を与える方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2002−40628号公報 特開2002−40629号公報
しかし、ここで提案されている方法では、熱膨張係数の異なる材料を選択しなければならないという材料選択の自由度が小さくなる点や、高温もしくは低温でクリーン度の高い環境を作って合成ペリクル板とフレームを高精度に張り合わせなければならず、製造設備が大掛かりになり、さらに製造プロセス制御が難しいという問題が予想される。
本発明は、無機ペリクルのペリクル膜のたわみを低減することを目的とする。
本発明のペリクルは、
ペリクル膜と、
形状記憶合金を用いて形成され、前記ペリクル膜を保持し、前記形状記憶合金が形状回復することで前記保持された前記ペリクル膜に引っ張り力を与えるフレームと、
を備えたことを特徴とする。
前記形状記憶合金が形状回復することで前記保持された前記ペリクル膜に引っ張り力を与えるため、ペリクル膜に引張り応力が発生し、ペリクル膜の平面度が高くなる。
また、前記フレームは、前記形状記憶合金により環状に形成され、自己を内側に変形させた状態で前記ペリクル膜を貼り付けたことを特徴とする。
自己を内側に変形させた状態で前記ペリクル膜を貼り付けることにより、前記形状記憶合金が形状回復のため外側に変形する際に、前記ペリクル膜に引っ張り力を与えるため、ペリクル膜に引張り応力が発生し、ペリクル膜の平面度が高くなる。
或いは、前記フレームは、
前記ペリクル膜を保持する第1と第2の保持部と、
前記第1と第2の保持部を接続し、形状回復することで前記第1と第2の保持部の少なくとも1つを前記第1と第2の保持部が離れる方向に移動させる前記形状記憶合金を用いた移動部と、
を有することを特徴とする。
変形していない前記第1と第2の保持部の少なくとも1つを、前記形状記憶合金を用いた移動部が形状回復することで前記第1と第2の保持部が離れる方向に移動させることにより、前記ペリクル膜に引っ張り力を与えるため、ペリクル膜に引張り応力が発生し、ペリクル膜の平面度が高くなる。
特に、前記ペリクル膜には、ガラス基板を用いた。ガラス基板を用いたことで、自重によるたわみが発生する。前記各構成により、かかるガラス基板のたわみを無くすことができる。
本発明のマスクは、
所定のマスクパターンが形成された基板と、
前記基板に形成された所定のマスクパターン面上に前記所定のマスクパターンを取り囲むように配置された、形状記憶合金を用いたフレームと、
前記フレームに貼り付けられ、前記形状記憶合金が形状回復することで引っ張られるペリクル膜と、
を備えたことを特徴とする。
所定のマスクパターン面上に前記所定のマスクパターンを取り囲むようにフレームが配置されることで、マスクパターン面に異物やパーティクルが付着するのを防止することができる。さらに、形状記憶合金を用いたフレームが形状回復することでペリクル膜を引っ張ることで、ペリクル膜に引張り応力が発生し、ペリクル膜の平面度が高くなる。
本発明によれば、ペリクル膜に引張り応力を発生させることで、ペリクル膜のたわみ量を少なくすることができる。よって、ペリクル膜の平面度が高くなることによりリソグラフィの転写精度を向上させることができる。
本発明によれば、内側に変形させていた前記形状記憶合金が形状回復のため外側に変形する際に、前記ペリクル膜に前後左右の引っ張り力を与えるため、ペリクル膜の各方向のたわみ量を少なくすることができる。
本発明によれば、フレームの一部に形状記憶合金を用いて、前記ペリクル膜が保持された前記第1と第2の保持部の少なくとも1つを、互いに離れる方向に移動させることにより、前記ペリクル膜に互いに離れる方向の引っ張り力を与えるため、ペリクル膜に第1と第2の保持部が互いに離れる方向のたわみ量を少なくすることができる。また、フレームの一部に形状記憶合金を用いたことで、フレーム全体を形状回復温度にさらす必要を無くすことができる。言い換えれば、フレームの一部だけ形状回復温度にさらせばよい。後述するように、形状記憶合金は、温度によって形状回復度を調整することができる。よって、例えば、リソグラフィ装置にフォトマスクが搭載された状態で、フレームの一部に温度調整装置を取り付ければ、リソグラフィ装置の使用環境の中でペリクル膜への最適な引っ張り力に調整することができる。
本発明によれば、特に、自重によるたわみが発生するガラス基板を引っ張ることで、たわみを無くすことができる。
以下、各実施の形態は、ペリクルのフレームに形状記憶合金を用いた構成となっている。形状記憶合金は、マルテンサイト相とオーステナイト相との間で相変態する。マルテンサイト相の形状記憶合金を加熱すると、ある温度(オーステナイト変態開始温度Af)から相変態が始まり、マルテンサイト相からオーステナイト相に変化する。このマルテンサイト相は、オーステナイト相に比べて非常に柔らかいため変形がしやすく手で折り曲げることができる。逆にオーステナイト相では、強い形状回復力を発生する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるペリクルの構成を説明するための図である。
図1を用いて説明する。Ni−Ti(ニッケルチタン合金)などの形状記憶合金を用いたペリクルフレーム101を形成する。形状記憶合金としては、Ni−Tiの他に、例えば、Ni−Ti−Co(ニッケルチタンコバルト合金)、Ni−Ti−Cu(ニッケルチタン銅合金)、その他のNi合金を用いてもよい。Ni合金を用いることで、耐食性を向上させることもできる。マルテンサイト相の状態でペリクルフレーム101を内側に変形させ、この状態でガラス版のペリクル膜102を張り合わせる。張り合わせは、接着剤等を用いる。張り合わせ後、形状記憶合金の形状回復開始温度Af以上にして、変形させたフレーム101の形状を回復させる(オーステナイト相への相変態を開始させる)。これにより、内側に変形していたフレーム101が元に戻るため、ペリクル膜面上の4方向について、ガラス版のペリクル膜102の前後左右の各方向に引っ張り応力が発生し、ペリクル膜102の平面度を高くすることができる。例えば、たわみ量を2〜3μm以下にすることができる。図1では、説明のためにフレーム101の内側への変形量が大きく描かれているが、実際には、目視できるほどに変形させる必要はない。
図2は、形状記憶合金の形状回復度と温度との関係を示す図である。
図2に示すように、マルテンサイト相、或いはマルテンサイト相とオーステナイト相との間の相から温度を上昇させていくと、ある温度Afから相変態領域に入り、形状回復が始まる。さらに、温度を上昇させていくと、温度の上昇に伴って形状回復度が進んでいく。そして、オーステナイト相に相変態が完了すると形状回復がほぼ完了する。よって、形状回復させる量を温度で調整することができる。よって、温度を調整することにより、所望する引っ張り応力をペリクル膜102に与えることができる。したがって、オーステナイト相まで、温度上昇させてもよいし、オーステナイト相への相変態領域中に相変態させることでもよい。所望する引っ張り応力をペリクル膜102に与えることができればよい。
ここで、かかる相変態領域の変態温度は、合金組成、熱処理条件等に敏感に変化する。すなわち、形状回復開始温度AfはNi−Tiの場合、組成の割合、或いは熱処理条件等で制御することができる。例えば、20℃から100℃程度の範囲で選択が可能である。よって、使用条件に合わせて調整すればよい。Ni−Ti合金のNi濃度(合金組成)が低下すると変態点は上昇する。例えば、Ni濃度が56wt%のときに、420℃で熱処理すると形状回復開始温度Afが50〜60℃になる。480℃で熱処理すると形状回復開始温度Afが低下し、30〜40℃になる。また、Ni濃度が低下すると(Ni濃度54.7wt%)420℃の熱処理でAfが77℃、480℃の熱処理でAf点が92℃となり、Ni濃度の多い場合と逆の変化になる。
ここで、たとえば、Af=20℃の形状記憶合金フレーム101に低温プロセスでガラス版のペリクル膜102を張り合わせ、露光装置(リソグラフィ装置)での使用温度(20度以上)にすることでフレーム101の形状を記憶された形状に形状回復(形状回帰)させる。形状回復させることで、ペリクル膜102に引っ張り応力(引っ張り力)が発生する。また、張り合わせ温度は常温で行い、加熱することで形状回帰させ引っ張り応力を発生させてもよい。
図3は、フォトマスクの構成を示す図である。
図3において、フォトマスク200は、形状記憶合金のフレーム101にガラス基板のペリクル膜102を張り合わせたペリクル100を、基板201に形成されたマスクパターン202を覆うように、石英ガラスの基板201に取り付けてある。取り付けは、フレーム101と基板201とを接着剤等を用いて貼り付けてある。形状記憶合金フレーム101に低温プロセスでペリクル膜102を張り合わせ、露光装置での使用温度(20度以上)にして、形状記憶合金のフレーム101を形状回復させてから基板201に貼り付けてもよいし、常温で形状記憶合金フレーム101にペリクル膜102を張り合わせたペリクルを基板201に貼り付けてもよい。
そして、その後、露光装置内で加熱等の熱処理をおこなうことで形状回帰させ引っ張り応力を発生させてもよい。フレーム101の形状回復のための形状変化量は微小であるため、フレーム101の形状回復前に基板201に貼り付けて、フレーム101と基板201とを固定した場合でも、フレーム101のペリクル膜102が貼り付けられた側が形状変化してペリクル膜102に引っ張り応力を発生させることができる。
以上のように、Ni−Tiなどの形状記憶合金を用いたペリクルフレームを形成し、マルテンサイト相の状態でペリクルフレームを内側に変形させ、この状態でガラス版のペリクル膜を張り合わせる。張り合わせ後、形状記憶合金の形状回復温度Af以上にして、変形させたフレームの形状を回復させる(オーステナイト相)。これにより、内側に変形していたフレームが元に戻るため、ガラス板のペリクル膜に引っ張り応力が発生し、ペリクル膜のたわみ量を減らし、ペリクル膜の平面度を高くすることができる。ペリクル膜の平面度が高くなることによりリソグラフィの転写精度を向上させることができる。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2におけるペリクルフレームの構成を説明するための図である。
実施の形態2では、Ni−Ti等の形状記憶合金をペリクルフレームの一部の材料に使い、形状記憶合金を変形させておく。フレーム150は、保持部151,152と保持部151と保持部152とを接続する板ばね状に形成された形状記憶合金による形状記憶合金板ばね153を有している。また、ペリクル膜102を貼り付け、フォトマスクにペリクルを取り付けた際、ごみ、パーティクル等がペリクル内に入り込まないように遮蔽部材154を有している。遮蔽部材154を保持部151,152の内側で、保持部151と保持部152とを接続する位置に生じる隙間に配置することで、ごみ、パーティクル等がペリクル内に入り込まないようにすることができる。遮蔽部材154は、保持部151,152と接続しないようにすることで、形状記憶合金板ばね153による変形の障害とならないようにするのが望ましい。
図5は、実施の形態2におけるペリクルの構成を説明するための図である。
図5に示すように、ペリクル100は、図4のフレーム150にペリクル膜102を貼り付けた構成となる。フレーム150にガラス板のペリクル膜102を貼り付け、貼り付け後に形状回帰温度にすることで、形状記憶合金板ばね153(移動部の一例である)が、保持部151,152が互いに離れる方向に保持部151,152のうち少なくとも1つを移動させる。形状記憶合金板ばね153が外側に開くように形状記憶合金の形状が回帰し、ペリクル膜102に引っ張り応力を与えることができる。図4では、保持部151,152の一部(ペリクル膜貼り付け部)に貼り付けられたペリクル膜102が、保持部151,152の移動により、特に、斜線部に貼り付けられた部分でペリクル膜102が稼動、すなわち、引っ張り応力によりたわみが伸ばされ、平面化していく。
図6は、フォトマスクの構成を示す図である。
図6において、フォトマスク200は、形状記憶合金のフレーム150にガラス基板のペリクル膜102を張り合わせたペリクル100を、基板201に形成されたマスクパターンを覆い取り囲むように、石英ガラスの基板201に取り付けてある。取り付けは、フレーム150と基板201とを接着剤等を用いて貼り付けてある。形状記憶合金フレーム150に低温プロセスでペリクル膜102を張り合わせ、露光装置での使用温度(20度以上)にして、形状記憶合金のフレーム150を形状回復させてから基板201に貼り付けてもよいし、常温で形状記憶合金フレーム150にペリクル膜102を張り合わせたペリクルを基板201に貼り付けてもよい。そして、その後、露光装置内で加熱等の熱処理をおこなうことで形状回帰させ引っ張り応力を発生させてもよい。フレーム150の形状回復のための形状変化量は微小であるため、フレーム150の形状回復前に基板201に貼り付けて、フレーム150と基板201とを固定した場合でも、フレーム150のペリクル膜102が貼り付けられた側が形状変化してペリクル膜102に引っ張り応力を発生させることができる。また、フレームと基板とを接着する接着剤はやわらかいものを利用することで、フレームの変形が可能となり、ペリクル膜に引っ張り応力を発生させることができる。
ここで、本実施の形態2では、フレーム150の一部に形状記憶合金の形状記憶合金板ばね153を用いているので、かかる形状記憶合金部品に小さな加熱装置を設け、露光装置の中で形状記憶合金の温度を局所的に制御することで、露光装置の中での姿勢でペリクル平面度の制御も可能となる。フレーム全体の温度を上昇させることよりも容易に加熱装置を設けることができる。そして、局所的に制御することで温度制御も容易にすることができる。加熱装置として、例えば、電熱線ヒータを用いる。また、赤外線を照射して加熱してもよい。その他の方法であってもよい。露光装置の中で形状記憶合金の温度を局所的に制御することで、かかる使用環境の中でペリクル膜への最適な引っ張り力に調整することができる。
以上のように、実施の形態2では、張り合わせ後にガラス板のペリクル膜102に引張り応力が発生し、ガラス板のペリクル膜102の平面度を高くすることができる。また、露光装置内での形状記憶合金部品の温度制御によって、露光装置の中で露光装置の中での姿勢でペリクル平面度の制御を可能とすることができる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3におけるペリクルフレームの構成を説明するための図である。
図7では、実施の形態2における形状記憶合金板ばね153の代わりに、螺旋状の形状記憶合金ばね155を用いた。その他の構成は、図4と同様である。
図8は、実施の形態3におけるペリクルの構成を説明するための図である。
図8に示すように、ペリクル100は、図7のフレーム150にペリクル膜102を貼り付けた構成となる。フレーム150にガラス板のペリクル膜102を貼り付け、貼り付け後に形状回帰温度にすることで、形状記憶合金ばね155が外側に向かって伸びるように形状記憶合金の形状が回帰し、形状記憶合金ばね155(移動部の一例である)が、保持部151,152が互いに離れる方向に保持部151,152のうち少なくとも1つを移動させる。形状記憶合金板ばね153が保持部151,152を互いに逆方向に押すことで、ペリクル膜102に引っ張り応力を与えることができる。図7では、保持部151,152の一部(ペリクル膜貼り付け部)に貼り付けられたペリクル膜102が、保持部151,152の移動により、特に、斜線部に貼り付けられた部分でペリクル膜102が稼動、すなわち、引っ張り応力によりたわみが伸ばされ、平面化していく。
図9は、実施の形態3におけるフォトマスクの構成を示す図である。
図9において、フォトマスク200は、実施の形態2と同様、形状記憶合金のフレーム150にガラス基板のペリクル膜102を張り合わせたペリクル100を、石英ガラスの基板201に基板201に形成されたマスクパターンを覆い取り囲むように取り付けてある。取り付けは、フレーム150と基板201とを接着剤等を用いて貼り付けてある。形状記憶合金フレーム150に低温プロセスでペリクル膜102を張り合わせ、露光装置での使用温度(20度以上)にして、形状記憶合金のフレーム150を形状回復させてから基板201に貼り付けてもよいし、常温で形状記憶合金フレーム150にペリクル膜102を張り合わせたペリクルを基板201に貼り付けてもよい。そして、その後、露光装置内で加熱等の熱処理をおこなうことで形状回帰させ引っ張り応力を発生させてもよい。フレーム150の形状回復のための形状変化量は微小であるため、フレーム150の形状回復前に基板201に貼り付けて、フレーム150と基板201とを固定した場合でも、フレーム150のペリクル膜102が貼り付けられた側が形状変化してペリクル膜102に引っ張り応力を発生させることができる。また、フレームと基板とを接着する接着剤はやわらかいものを利用することで、フレームの変形が可能となり、ペリクル膜に引っ張り応力を発生させることができる。
ここで、本実施の形態3では、フレーム150の一部に形状記憶合金の形状記憶合金ばね155を用いているので、かかる形状記憶合金部品に小さな加熱装置を設け、露光装置の中で形状記憶合金の温度を局所的に制御することで、露光装置の中での姿勢でペリクル平面度の制御も可能となることは上述した通りである。フレーム全体の温度を上昇させることよりも容易に加熱装置を設けることができる。そして、局所的に制御することで温度制御も容易にすることができる。加熱装置として、例えば、電熱線ヒータを用いる。また、赤外線を照射して加熱してもよい。その他の方法であってもよい。露光装置の中で形状記憶合金の温度を局所的に制御することで、かかる使用環境の中でペリクル膜への最適な引っ張り力に調整することができる。
以上の説明において、ペリクルのフレームは、フォトマスクの基板に貼り付けられていたが、これに限るものではなく、例えば、基板上に摺動自在に取り付けられていてもよい。かかる場合、常温で形状記憶合金フレームにペリクル膜102を張り合わせたペリクルを基板201に取り付け、その後、形状回復させた場合でも基板201の拘束を受けることなくフレームの移動をおこなうことができる。例えば、実施の形態2,3における保持部151,152をスライダとし、基板上にレールを設け、レール上をスライダが所定の方向に移動できるようにしてもよい。
また、以上の説明において、実施の形態2,3では、ペリクル膜面上の4方向のうち、2方向(前後、或いは左右)について、ペリクル膜102を引っ張っているが、他の2方向も同様に、保持部を分割し、形状記憶合金部材で移動させるようにしても構わない。
実施の形態1におけるペリクルの構成を説明するための図である。 形状記憶合金の形状回復度と温度との関係を示す図である。 フォトマスクの構成を示す図である。 実施の形態2におけるペリクルフレームの構成を説明するための図である。 実施の形態2におけるペリクルの構成を説明するための図である。 フォトマスクの構成を示す図である。 実施の形態3におけるペリクルフレームの構成を説明するための図である。 実施の形態3におけるペリクルの構成を説明するための図である。 実施の形態3におけるフォトマスクの構成を示す図である。 フォトマスクの構成を示す図である。 無機ペリクルを用いたフォトマスクを説明するための図である。
符号の説明
1 フレーム
2 ペリクル膜
3 基板
4 フォトマスク
5 ペリクル
6 ペリクル膜
7 無機ペリクル
100 ペリクル
101 フレーム
102 ペリクル膜
150 フレーム
151 保持部
152 保持部
153 形状記憶合金板ばね
154 遮蔽部材
155 形状記憶合金ばね
200 フォトマスク
201 基板
202 マスクパターン

Claims (4)

  1. ペリクル膜と、
    形状記憶合金を用いて形成され、前記ペリクル膜を保持し、前記形状記憶合金が形状回復することで前記保持された前記ペリクル膜に引っ張り力を与えるフレームと、
    を備えたことを特徴とするペリクル。
  2. 前記フレームは、前記形状記憶合金により環状に形成され、自己を内側に変形させた状態で前記ペリクル膜を貼り付けたことを特徴とする請求項1記載のペリクル。
  3. 前記フレームは、
    前記ペリクル膜を保持する第1と第2の保持部と、
    前記第1と第2の保持部を接続し、形状回復することで前記第1と第2の保持部の少なくとも1つを前記第1と第2の保持部が離れる方向に移動させる前記形状記憶合金を用いた移動部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載のペリクル。
  4. 所定のマスクパターンが形成された基板と、
    前記基板に形成された所定のマスクパターン面上に前記所定のマスクパターンを取り囲むように配置された、形状記憶合金を用いたフレームと、
    前記フレームに貼り付けられ、前記形状記憶合金が形状回復することで引っ張られるペリクル膜と、
    を備えたことを特徴とするマスク。
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