JP2005309008A - 光受信器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光受信器は、光導波路基板10の光導波路12、溝13に挿入したフィルタ14、台座15上の反射面16、受光素子17および封止剤18を含む。封止剤18は光導波路基板上面と反射面16と受光素子17を覆い、光導波路12のクラッド12−2の屈折率に近い屈折率を有する。光導波路12中を図の左から右方向に進行する光の一部あるいは全部は、フィルタ12によって反射し、光導波路基板10の界面から封止剤18へと透過し、反射面16で全反射した後、受光素子17に入射する。光導波路基板表面部12−2と封止剤18との界面において、屈折率差が実質的にほとんど無いため、反射率の偏波依存性が無く、光のPDLを回避することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
θ0=90−2α(度) (式1)
であるため、θ0は30度以上90度未満となる。
TTE,TM=1−(rTE,TM)2 (式2)
となる。ここでTTE,TMは電界反射率であり、
PDL=|TTE/TTM| (式5)
となる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における光受信器の構成を図1〜図3に示す。図1は光受信器の断面図、図2は斜視図である。図2においては、見やすくするため、封止剤の描画を省略した。図3は本発明に係わる光導波路基板を定義するために図1の一部を示す模式図である。
θ1=90−2α(度) (式6)
ここで、本実施形態では、一例として、受光面21へ光が垂直入射し(γ=0)、光導波路の上部クラッド12−2と封止剤18の屈折率が等しい(n1=n2)条件とした。そのため、αとβの関係は、α−β=−45(度)となる。例えば、αが10度とするとβは55度となる。
上述した第1の実施形態では、溝13の作製方法はダイシングソーによって行ったが、本発明はこれに限定されず、例えば気体レーザーを斜め方向から照射することによっても溝13の作製は可能である。また、溝13の傾きαは約30度未満に設定することが標準的であるが、フィルタ14面でのPDL発生など、多少の特性劣化を許容すれば、溝13の傾きαは45度未満の値に設定することも可能である。
本発明の第2の実施形態における光受信器の構成を図5に示す。この光受信器は、光導波路基板10、光導波路12、溝13、フィルタ14、台座55、反射面56、および受光素子17で構成される。光導波路基板10、光導波路12、溝13、およびフィルタ14の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。上述した本発明の第1の実施形態と異なるところは、台座55の設置位置および封止剤の有無についてである。
本実施形態によれば、溝13の作製方法はダイシングソーによって行ったが、気体レーザーを斜め方向から照射することによっても作製は可能である。また、溝13の傾きαは約30度未満に設定することが標準的であるが、フィルタ14面でのPDL発生など、多少の特性劣化を許容すれば、45度未満の値に設定することも可能である。また、フィルタ14の透過率は約10%としたが、0%〜100%の全ての種類のフィルタを選択することが可能である。また、フィルタ14の材質はポリイミドに限らず、例えば金属膜を用い、光を全反射させても良い。また、台座55の材質はガラスに限らず、プラスチックなども選択可能である。また、金属蒸着して反射面56を作る際、光導波路基板上面の電極を同時に一括して作製すると、工程を簡略化できる。また、台座55の屈折率は光導波路の上部クラッド12−2のそれと同一の値でなくとも、前述の式2と式5を利用して、なるべく透過率が高く、かつなるべくPDLを小さくするような材質を選ぶことにより、本受信器の台座55の材質として適用可能である。また、本実施形態ではグラスシリカの導波路12を用いたが、高分子を主成分とする光導波路を用いることによっても、本発明の及ぼす効果を概ね発揮することができる。
本発明の第3の実施形態における光受信器の構成を図6に示す。この光受信器は、光導波路基板10、光導波路12、溝13、フィルタ14、台座15、反射面16、および受光素子アレイ67で構成される。光導波路12は光導波路基板10に含まれ、図3に示す第1の実施形態と同様に、シリコン基板11上に形成された下部クラッド12−3、コア12−1、上部クラッド12−2とから構成されている。図6においては、見やすくするため、封止剤および金属膜の描画を省略した。
なお、本実施形態では同一チップ上に複数の受光面を持つ受光素子アレイ67を用いたが、単一チップを複数用いても良い。その場合、位置合わせ作業が本実施形態より多くなるものの、フィルタや台座の部品点数は削減できる効果は得られ、加えて、別のチップを用いたことにより、同一チップの受光素子アレイを使用することに比して、チップ内での光・電機漏洩を抑圧することができる。
本発明の第4の実施形態における光受信器の構成を図7に示す。この光受信器は、光導波路基板10、光導波路12、溝13、フィルタ14、台座15、反射面16、受光素子アレイ67で構成される。光導波路12は光導波路基板10に含まれ、図3に示す第1の実施形態と同様に、シリコン基板11上に形成された下部クラッド12−3、コア12−1、上部クラッド12−2とから構成されている。図7は上面図であり、見やすくするため、封止剤および金属膜の描画を省略した。上記の第3の実施形態と異なるところは、溝13、フィルタ14、台座15および受光素子アレイ67(もしくは複数の受光素子17)が、光導波路基板10上の導波路12に対して垂直にならず、それぞれ同一の角δだけ傾けて配置されていることである。
本発明の第5の実施形態における光受信器の構成を図4に示す。図4は本実施形態における光受信器の構成要素のうち、光導波路の上部クラッド12−2、光導波路のコア12−1、フィルタ14、反射面16、および、受光素子上あるいは受光素子アレイ上の受光面21のみを概念的に記載したものである。
γ≠0(度) (式9)
と設定することである。ただし受光面21で生じるPDLを小さくするために、前述の式5において、PDLが0.1dB以下に抑えられる角度に上記γを設定する。
γ<|20|(度) (式10)
である。
本発明の第6の実施形態における光受信器の構成を図8に示す。この光受信器は、光導波路基板10、複数の光導波路12、溝13、フィルタ14、台座15、複数の反射面16、複数の非反射面86、受光素子アレイ(図示しない、図6の符号67と同様)、および封止剤(図示しない、図1の符号18と同様)で構成される。図8において、見やすくするため、受光素子アレイ、受光面21の一部、封止剤および金属膜(図2の符号22と同様)の描画を省略した。
本発明の第7の実施形態における光受信器の構成を図9に示す。この光受信器は、光導波路基板10、複数の光導波路12、溝13、フィルタ(図示しない、図1の符号14と同様)、台座91、貫通孔92、反射面93、受光素子アレイ(図示しない、図6の符号67と同様)、および封止剤(図示しない、図1の符号18と同様)で構成される。図9においては、見やすくするため、受光素子アレイ、受光面21の一部、フィルタ、封止剤および金属膜(図2の符号22と同様)の描画を省略した。
本発明の第8の実施形態における光受信器の構成を図10に示す。この光受信器は、光導波路基板10、光導波路12、溝13、フィルタ14、第2の溝103、台座(図示しない、図6の符号15と同様)、反射面(図示しない、図6の符号16と同様)、受光素子アレイ(図示しない、図6の符号67と同様)、および封止剤(図示しない、図1の符号18と同様)で構成される。図10においては、見やすくするため、受光素子アレイ、台座、封止剤および金属膜(図2の符号22と同様)の描画を省略した。
上記では、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明の実施形態は上記例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の設計変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。
11 基板(シリコン基板)
12 光導波路
12−1 光導波路のコア
12−2 光導波路の上部クラッド
12−3 光導波路の下部クラッド
13 溝
14 フィルタ
15 台座
16 反射面
17 受光素子
18 封止剤
21 受光面
55 台座
56 反射面
67 受光素子アレイ
86 非反射面
91 台座
92 貫通孔
93 反射面
103 第2の溝
110 光導波路基板
111 基板(シリコン基板)
112 光導波路
112−1 光導波路のコア
112−2 光導波路の上部クラッド
112−3 光導波路の下部クラッド
113 溝
114 フィルタ
115 受光素子
116 台座
Claims (15)
- 光導波路が形成された光導波路基板と、
前記光導波路基板上に前記光導波路を横切って形成された溝と、
前記溝に挿入され前記光導波路中を導波する光を反射するフィルタと、
前記光導波路基板上に搭載され前記フィルタで反射された光の方向を変えるための傾斜付き反射面を有する台座と、
前記台座上に張り出し状に固定され前記反射面で反射された光を受光する受光素子と、
前記フィルタで反射後の光路における少なくとも前記光導波路基板上と前記反射面と前記受光素子の受光面間に充填される封止剤とを具備し、かつ
前記封止剤が前記光導波路のクラッドの屈折率に実質的に同一または極近似の屈折率を有することを特徴とする光受信器。 - 光導波路が形成された光導波路基板と、
前記光導波路基板上に前記光導波路を横切って形成された溝と、
前記溝に挿入され前記光導波路中を導波する光を反射するフィルタと、
前記光導波路基板上に搭載されて前記フィルタで反射された光を透過しかつ該透過光の方向を変えるための傾斜付き反射面を有する台座と、
前記台座上に固定されて前記反射面で反射され前記台座を透過した光を受光する受光素子とを具備し、かつ
前記台座が前記光導波路のクラッドの屈折率に実質的に同一または極近似の屈折率を有し、前記フィルタによって反射された光が前記台座を透過して前記受光素子に入射するように前記台座が配置されていることを特徴とする光受信器。 - 前記光導波路は、シリカガラスまたはポリマーで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光受信器。
- 前記受光素子は、複数の受光面が設けられた受光素子アレイであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光受信器。
- 前記溝、前記フィルタ、前記台座、および前記受光素子もしくは前記受光素子アレイはそれぞれ、前記光導波路基板上の前記光導波路に対して傾けて配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光受信器。
- 前記受光素子もしくは前記受光素子アレイは、入射光の光軸に対してその受光面を傾けて配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光受信器。
- 前記光導波路は前記光導波路基板上に複数形成され、前記台座の前記反射面は、該複数の光導波路の位置に対応して所定の間隙を空けて複数形成され、各該反射面に隣接して該間隙を埋める位置に非反射面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の光受信器。
- 前記光導波路は前記光導波路基板上に複数形成され、前記台座は、該複数の光導波路の位置に対応して開口された複数の貫通孔を有し、該複数の貫通孔の斜面のそれぞれに前記反射面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の光受信器。
- 前記台座はシリコンで形成され、前記貫通孔は異方性エッチングにより作製されたことを特徴とする請求項8に記載の光受信器。
- 前記光導波路基板上には、前記光導波路を挟んで、または複数の前記光導波路間に、該光導波路と同一方向に伸びる第2の溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の光受信器。
- 前記第2の溝内に不透明な樹脂が充填されていることを特徴とする請求項10に記載の光受信器。
- 前記封止剤として少なくとも所定の波長帯で高透過率を示す熱硬化型のシリコーンが用いられ、該封止剤が前記受光素子のほぼ全体および前記導波路基板の上面の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
- 前記台座は金属であることを特徴とする請求項1または12に記載の光受信器。
- 前記台座は少なくとも所定の波長帯で高透過率を示すシリカガラスまたはプラスチックであることを特徴とする請求項2に記載の光受信器。
- 前記受光素子、前記台座および前記導波路基板の上面を覆っている封止剤を更に有することを特徴とする請求項2または14に記載の光受信器。
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