JP2005308801A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で記録材のサイズに応じて最適なテンションを定着フィルムに自動的に与えることが可能になり、小サイズ通紙時のしわ及びスリップを防止することができる加熱装置を提供すること。
【解決手段】加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に接触摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを駆動し且つフィルムを介して被加熱材を加熱体に密着させる加圧部材とを有し、加熱体と加圧部材により形成されるニップ部をフィルムと被加熱材が一緒に挟持搬送されることにより被加熱材を加熱する加熱装置において、前記フィルムの内部に熱膨張する弾性部材を設け、加熱体の温度が低いときは前記弾性部材とフィルムの内面が接触せず、加熱体の温度が高いときには熱膨張により前記弾性部材とフィルムの内面が接触することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンタ等の加熱装置及び該加熱装置を具備した画像形成装置に関する。
従来、例えば画像の加熱定着等のための記録材の加熱装置には、所定の温度に維持された加熱ローラと、弾性体層を介して前記加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって被加熱材としての記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ方式が多用されている。又、この他にもフラッシュ加熱方式、オープン加熱方式、熱板加熱方式等種々の方式、構成のものが知られており、実用化されている。
最近では、このような方式に代わって、加熱体(ヒータ)と、加熱体の支持体(ステー)と、加熱体に対向圧接しつつ搬送される耐熱性フィルム(定着フィルム)と、定着フィルムを介して被加熱材としての記録材を加熱体に密着させる加圧体(加圧ローラ)を有し、加熱体の熱を定着フィルムを介して記録材へ付与することで記録材面に形成担持されている未定着画像を記録材面に加熱定着させる方式、構成の画像加熱定着方式(フィルム加熱方式の加熱装置)が考案されている(特許文献1参照)。
このようなフィルム加熱方式の加熱装置ないしは画像加熱定着装置においては加熱体として低熱容量の加熱体を用いることができる。このため、従来の接触加熱方式である熱ローラ方式、ベルト加熱方式等の装置に比べ省電力及びウェイトタイムの短縮化(クイックスタート)が可能になる。
特開平4−44075号公報
前述のフィルム加熱方式の加熱装置において、定着フィルムはステーにルーズに嵌合されているため定着フィルムに弛みが生じる。ところが、定着フィルムの軸方向の長さLに対し幅の狭い記録材(以後、小サイズ紙)、例えば2L/3程度の幅の記録材を定着フィルム軸方向のほぼ中央部に連続的に通すと非通紙部では記録材に熱が奪われないために加圧ローラの非通紙部の温度が記録材に熱を奪われる通紙部に対し高温になる。よって、熱膨張により非通紙部の加圧ローラの外径が通紙部に対して大きくなり、加圧ローラの周速が非通紙部の方が速くなる。その結果、定着ニップ部での定着フィルムの搬送速度が通紙部より非通紙部の方が大きくなるため、通紙部と非通紙部との間でねじれ力が働き、定着ニップ部の直前で非通紙部に比べ通紙部の定着フィルムの弛みが大きくなる。このような状態で記録材が定着ニップ部に進入してくると、記録材は弛んだ定着フィルムの弾性により進入抵抗を受け、記録材先端の長手方向における定着ニップ部への進入タイミングにばらつきが発生し記録材にしわが発生する場合がある。
以上で述べた小サイズ紙通紙時に発生するしわは、ステーの端部や定着フィルムの両端部で定着フィルムの位置を規制する部材の形状を、定着フィルムに内側からテンションを与えるような形状にすることで抑制される。しかし、定着フィルムの両端部でテンションを強く与え過ぎると、定着フィルムの回転トルクが上がり記録材を搬送する力が低下し、スリップと呼ばれる現象が発生する場合がある。スリップとは、高温高湿環境下等、記録材の水分量が多い状態で加熱装置に通紙した場合に、加熱装置中で記録材中の水分が蒸発し記録材と加圧ローラとの間に薄い水の膜を形成するため、記録材が搬送されなくなるという現象である。スリップは、加圧ローラの記録材搬送力が低下して起こる現象であるため、そのときの定着フィルムの記録材搬送力の大小が大きく影響する。即ち、定着フィルムの回転に対する負荷が大きくなると、定着フィルムの記録材を搬送する力が弱くなるため、スリップは悪化する。
又、スリップは定着フィルムの軸方向の長さに対し幅の広い記録材(以後、大サイズ紙)で発生し易く、小サイズ紙では発生しにくい。これは、小サイズ紙通紙時は大サイズ紙通紙時よりも、非通紙部で加圧ローラの回転が定着フィルムに伝わる領域が広く、定着フィルムの記録材搬送力が向上するためである。
以上で述べたように、定着フィルムに与えるテンションの強弱により、小サイズ紙のしわとスリップの発生状況が変わり、両者を防止できるようなテンション具合を設定するのが困難な場合もある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、簡単な構成で記録材のサイズに応じて最適なテンションを定着フィルムに自動的に与えることが可能になり、小サイズ通紙時のしわ及びスリップを防止することができる加熱装置及びこれを備える画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に接触摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを駆動し且つフィルムを介して被加熱材を加熱体に密着させる加圧部材とを有し、加熱体と加圧部材により形成されるニップ部をフィルムと被加熱材が一緒に挟持搬送されることにより被加熱材を加熱する加熱装置において、前記フィルムの内部に熱膨張する弾性部材を設け、加熱体の温度が低いときは前記弾性部材とフィルムの内面が接触せず、加熱体の温度が高いときには熱膨張により前記弾性部材とフィルムの内面が接触することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記弾性部材は加熱体の長手方向端部に設けることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記弾性部材がフィルムの内面に接触する温度領域は、被加熱材を加熱するための加熱体の制御温度よりも高いことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に接触摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを駆動し且つフィルムを介して被加熱材を加熱体に密着させる加圧部材と、加熱体の長手方向端部でフィルムの位置を規制する部材とを有し、加熱体と加圧部材により形成されるニップ部をフィルムと被加熱材が一緒に挟持搬送されることにより被加熱材を加熱する加熱装置において、前記フィルム位置規制部材とフィルムの内面との間に熱膨張する弾性層を設けることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記弾性部材あるいは弾性層はスポンジゴムで形成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、記録材上に画像を形成する像形成手段と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する画像形成装置において、像加熱手段として請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で記録材のサイズに応じて最適なテンションを定着フィルムに自動的に与えることが可能になり、小サイズ通紙時のしわ及びスリップを防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図4は本実施の形態における画像形成装置としてのレーザービームプリンタの要部である。
図4において、101は像担持体として有機感光ドラム、102は帯電部材としての帯電ローラ、103はレーザー露光装置、104は現像スリーブ及び現像ブレード並びに1成分磁性トナー等から成る現像装置、105はクリーニングブレード、106は転写ローラ、107は加熱定着装置である。有機感光ドラム101は帯電ローラ102によって一様に負の電荷に帯電し、レーザー露光装置103からのレーザービームによって有機感光ドラム101に静電潜像が形成される。
次に、現像装置104の中で帯電したトナーが有機感光ドラム101上の静電潜像に付着し可視像となり、転写ローラ106上で紙に転写され、加熱装置107で定着される。クリーニングブレード105は有機感光ドラム101上に残ったトナーを除去する。以上の各ユニットの働きにより、画像が形成される。
図2は本実施の形態における加熱装置の一例の概略構成図である。本実施例では最大通紙幅をA3サイズとする。この装置は特開平4−44075号〜44083号公報、同4−204980号〜204984号公報等に開示の所謂テンションレスタイプの装置である。
このテンションレスタイプの装置は耐熱性フィルムとしてエンドレスベルト状若しくは円筒状のものを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。2はエンドレスの耐熱性フィルムであり、加熱体3(ヒータ)を含むフィルムガイド部材であるステー1に外嵌させてある。このエンドレスの耐熱性フィルム2の内周長と加熱体3を含むステー1の外周長はフィルム2の方を例えば3mm程度大きくしてあり、従って、フィルム2は周長に余裕を持って外嵌している。
ステー1はポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施の形態では液晶ポリマーを用いた。
金属ステー6はステー1を支持し、長手方向全体に亘って均等に加熱体を加圧するための部材である。ステー1は剛性が余り強くないため、剛性のある金属ステー6を介して加圧する構成を採る。材料はジンコート鋼板を用いた。
定着フィルム2は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或はポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。本実施の形態では、膜厚約50μmのポリイミドフィルムの外周表面にPTFEをコーティングしたものを用いた。定着フィルム2の外径は24mmとした。
図3は本実施の形態における加熱体の正面図及び通電制御を行う回路を表す図である。加熱体3は定着フィルム2若しくは被加熱材としての記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・良熱伝導性の基板31、該基板の表面側の短手方向中央部に基板長手に沿って形成具備させた抵抗発熱体32、この抵抗発熱体を形成した加熱体表面を保護させた耐熱性オーバーコート層34、抵抗発熱体32の長手両端部の給電用電極21・22等から成る全体に低熱容量の加熱体である。図3には加熱体3の裏面(非フィルム摺動面)も示しており、最小通紙域内に検温素子5が設けられている。本実施の形態では、検温素子5としてチップサーミスタを用いており、耐熱性・導電性・熱伝導性に優れた接着剤で加熱体3裏面に接着されている。
この加熱体3を抵抗発熱体32を形成具備させた表面(定着フィルム摺動面)側を下向きに露呈させてステー1の下面側に保持させて固定配設してある。
加熱体基板31は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等の材料が用いられ、本実施の形態では、厚さ1mm・幅12mm・長さ380mmのアルミナ基板を使用している。抵抗発熱体32は、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により、線状若しくは線帯状に塗工して形成したもので、本実施の形態では、Ag/Pdをスクリーン印刷により、厚み約10μm、幅5mmに塗工して形成した。給電用電極21・22はAg/Pdのスクリーン印刷パターン層を用いた。オーバーコート層34は約50μm厚の耐熱性ガラス層を用いた。
4は加熱体3との間に定着フィルム2を挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成し、且つ、定着フィルム2を回転駆動させる定着フィルム外面接触駆動手段としての加圧ローラである。この定着フィルム駆動ローラ兼加圧ローラ4は芯金4aと弾性体層4bと最外層の離形層4cから成り、不図示の軸受け手段・付勢手段により所定の押圧力をもって定着フィルム2を挟ませて加熱体3の表面に圧接させて配設してある。
本実施の形態では、芯金4aはアルミ芯金を、弾性体層4bはシリコーンゴムを、離形層4cはPFAをコーティングしたものを用いた。加圧ローラの外径は25mmとした。この加圧ローラ4の回転駆動による該ローラと定着フィルム外面との摩擦力で定着フィルム2に回転力が作用する。
加熱体3は、抵抗発熱体32の長手両端部の給電用電極21・22に対する給電により該抵抗発熱体32が長手全長に亘って発熱することで昇温する。その昇温が検温素子5で検知され、検温素子5の出力をA/D変換しCPU24に取り込み、その情報に基づいてトライアック25により抵抗発熱体32に通電する電力を位相、波数制御等により制御して、加熱体3の温度制御がなされる。即ち、検温素子5の検知温度が所定の設定温度より低いと加熱体3が昇温するように、設定温度より高いと降温するように通電を制御することで、加熱体3は定着時一定温度に保たれる。尚、本実施の形態では、位相制御により出力を0〜100%まで5%刻みの21段階で変化させている。出力100%は加熱体に全通電したときの出力を示す。
而して、加熱体3の温度が所定に立ち上がり、且つ、加圧ローラ4の回転による定着フィルム2の回転周速度が定常化した状態において、定着フィルム2を挟んで加熱体3と加圧ローラ4とで形成される圧接ニップ部Nの定着フィルム2と加圧ローラ4との間に被加熱材としての画像定着すべき記録材Pが画像形成部(転写部)より導入されて定着フィルム2と一緒に圧接ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体3の熱が定着フィルム2を介して記録材Pに付与され記録材P上の未定着顕画像(トナー画像)Tが記録材P面に加熱定着されるものである。圧接ニップ部Nを通った記録材Pは定着フィルム2の面から分離されて搬送される。
ところで、従来の加熱装置では、定着フィルム2はステー1に対し周長が余裕をもってルーズに外嵌しているため、図8に示すように、定着フィルム2とステー1の間に隙間を持っており、記録材が定着ニップ部Nに進入する前は定着フィルム2はステー1に対し端部、中央部共にほぼ同じS0の隙間を持って回転している。定着フィルム2の外径を24mmとし、定着フィルム2の内周長は加熱体3を含むステー1の外周長よりも3mm程度大きいとすると、S0は0.5mm程度である。
ところが、小サイズ紙を定着フィルム軸方向のほぼ中央部に連続的に通すと非通紙部では記録材に熱が奪われず、加圧ローラ4の非通紙部の温度が記録材に熱が奪われる通紙部に対して高温になるため、熱膨張により加圧ローラ4の外径が通紙部に対して非通紙部の方が大きくなる。すると、加圧ローラ4の周速も非通紙部の方が速くなり、定着ニップ部Nでの定着フィルム2の搬送速度が通紙部より非通紙部の方が大きくなり速度差が生じる。その結果、通紙部と非通紙部でねじれ力が働き、図9のように定着ニップ部N直前で定着フィルム2とステー1の間の隙間量が端部では小さく、中央部では大きくなり、S2>S0>S1という関係になるため、定着ニップ部N直前で定着フィルム2が弛んだ状態になる。このような状態で記録材が定着ニップ部Nに進入してくると、記録材は弛んだ定着フィルム2の弾性により進入抵抗を受け、記録材先端の長手方向における定着ニップ部Nへの進入タイミングにばらつきが発生し記録材にしわが発生する。実験的には、S2が1.0〜1.5mm程度になるとしわが発生する傾向にある。
この小サイズ紙通紙時のしわは、前述したようにステー1や定着フィルム位置規制部材により、定着フィルム2の端部に内面からテンションを与えることで抑制できる。これは、定着フィルム2の端部にテンションを与えることによって中央部の定着フィルム形状を或る程度規制することができ図9のS2
を小さくすることができるためである。実験的には、S2を1.0mm程度以下にするような構成にすると、しわの発生を抑えることができた。勿論、端部ではなく中央部でテンションを与えることでもS2を小さくでき、しわを防止することはできるが、中央部で定着フィルムに強く当たる構成にするとその部分で定着フィルムの熱が奪われ易くなり、定着性が悪化する場合がある。よって、画像への影響を避けるため記録材の搬送領域外の端部でテンションを与える構成が望ましい。
本実施の形態では、金属ステー6の上に弾性部材7を設け、通常時は定着フィルム2に接触せず、或る温度以上になったときに熱膨張により定着フィルム2に接触する構成を採る。
図1は本実施の形態における加熱装置の端部を示す図である。図1中の8は定着フィルム2の端部で定着フィルム2の位置を規制する定着フィルム位置規制部材である。規制部材8は定着フィルム2の回転を妨げないように滑性の高い材料を用いる。本実施の形態ではPETを用いた。
図1に示すように、通常時は弾性部材7と定着フィルム2との間には距離dの間隔が存在する。弾性部材7は小サイズ紙を通紙した際に非通紙部になる位置に設けている。よって、弾性部材7の温度は、小サイズ通紙時は非通紙部昇温により大サイズ紙通紙時よりも高くなり、熱膨張も大きい。
大サイズ紙通紙時の弾性部材7の温度をTw 、小サイズ紙通紙時の弾性部材7の温度をTn 、弾性部材7が熱膨張し定着フィルム2に接触し始める温度をTc としたとき、本実施の形態では、Tw <Tc <Tn という関係を満たすように距離dを設定した。この設定にすることで、大サイズ紙通紙時は弾性部材7は定着フィルム2に接触せず、小サイズ紙を通紙して非通紙部昇温が大きくなってくると弾性部材7が定着フィルム2に接触しテンションを与える。小サイズ紙を通紙するとすぐに弾性部材7が接触する訳ではないが、接触しないときは非通紙部昇温がそれ程大きくなくしわが発生しにくい状況であるから、定着フィルム2にテンションを与える必要はない。
本実施の形態では、弾性部材7の材料として、耐熱性の高いスポンジ状のシリコーンゴムを用いた。熱膨張率は0.007mm/℃程度のものを用い、常温における厚さは3mmとした。又、常温における定着フィルム2との間隔dは1.4mmとした。本実施の形態では、加熱体の制御温度(検温素子5の温度)は180℃としており、この制御温度で大サイズ紙を通紙した場合の弾性部材7の温度は160℃程度である。よって、弾性部材7の厚さは4.0mm程度になっており、定着フィルム2との間に0.4mm程度の距離がある。小サイズ紙を通紙した場合には、非通紙部昇温により、弾性部材7の温度は大サイズ紙通紙時よりも上昇する。本実施の形態では、Tc を230℃付近としており、その時の弾性部材7の厚さは4.4mm程度になる。
尚、大サイズ紙通紙時は弾性部材7の接触により定着フィルム2の熱が奪われることはないので、弾性部材7の長手方向の位置には自由度がある。非通紙部昇温が最も大きくなる位置(小サイズ紙の紙端と抵抗発熱体端との中心付近)に弾性部材7を設けることが好ましい。
以下に本実施の形態の加熱装置と従来例の加熱装置との比較を示す。
従来例の加熱装置は本実施の形態の加熱装置から弾性部材7を無くし、それ以外は本実施の形態と全く同じ構成のものを用いた。A4サイズで坪量が64g/m2の紙を縦で連続50枚通紙し、しわの発生状況を比較した。尚、本実施の形態の効果を分かり易くするため、32℃/80%の高温高湿環境で比較を行い、紙はこの環境下で十分放置し水分量が高くなったものを用いた。定着温度は前述の通り180℃、画像形成装置のプロセススピードは75mm/sec.とし、加熱装置が十分周囲の環境に馴染んだ状態から通紙を開始した。比較結果を表1に示す。
Figure 2005308801
表1に示すように、従来例の加熱装置の場合は、連続通紙が進み非通紙部の温度が高くなっていくとしわが発生し始め、可成りの頻度でしわが発生した。一方、本実施の形態の加熱装置の場合は、2回ともしわは発生しなかった。
以上の結果より、本実施の形態の加熱装置を用いることにより、小サイズ紙通紙時のしわ発生を防止できることが分かる。又、大サイズ紙通紙時は弾性部材7は定着フィルム2に接触せず、定着フィルムの記録材搬送力を損なうことがないため、前述したスリップも防止できる。
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1で述べた弾性部材7の代わりに定着フィルム位置規制部材と定着フィルムとの間に熱膨張する弾性層を設ける。その他の加熱装置の構成は実施の形態1と同じである。
図5は本実施の形態における加熱装置の端部を示す図である。
10は定着フィルム位置規制部材であり、実施の形態1と同じくPETを用いた。9は熱膨張する弾性層であり、実施の形態1の弾性部材7と同じく耐熱性の高いスポンジ状のシリコーンゴムを用いた。熱膨張率は実施の形態1と同じく0.007mm/℃程度のものを用い、常温における厚さは3mmとした。
図6は本実施の形態の定着フィルム位置規制部材10及び弾性層9の断面図である。
図6に示すように、弾性層9は定着フィルム2の周方向に亘って規制部材10に接着されている。比較のため、図7に従来例の定着フィルム位置規制部材11の断面図を示す。本実施の形態では、実施の形態1と同じく加熱体の制御温度は180℃としており、この制御温度で大サイズ紙を通紙した場合の弾性層9の温度は130℃程度である。よって、弾性層9の厚さは3.7mm度になっており、この状態で定着フィルム2の内周長は加熱体3を含む弾性層9の外周長よりも3mm程度大きく、定着フィルム2はルーズに外嵌している。
以上の構成で小サイズ紙を通紙した場合、非通紙部昇温により弾性層9は熱膨張し定着フィルム2の端部にテンションを与える。本実施の形態では、弾性層9の温度が200℃程度になるとテンションを与え始めるように設定している。本実施の形態で弾性層9が定着フィルム2にテンションを与え始めるときの非通紙部昇温と、実施の形態1で弾性部材7が定着フィルム2に接触し始めるときの非通紙部昇温は、ほぼ同程度である。よって、本実施の形態においても実施の形態1で述べたのと同様の効果が得られ、小サイズ紙通紙時のしわを防止することができる。
以下に本実施の形態の加熱装置と従来例の加熱装置との比較を示す。従来例の加熱装置は実施の形態1で比較に用いたものと同じであり、結果も同じである。比較試験は実施の形態1と全く同じ方法で行った。比較結果を表2に示す。
Figure 2005308801
本実施例の加熱装置においても、実施の形態1の加熱装置と同等のしわ防止効果があることが分かる。
又、スリップに関しては、大サイズ紙を通紙しているときは弾性層9の温度は余り上昇しないので、熱膨張量も小さく定着フィルム2に強くテンションを与えることはないので問題ない。
以上の結果より、本実施の形態の加熱装置を用いることにより、記録材のサイズに応じて最適なテンションを定着フィルムに与えることができ、小サイズ紙通紙時のしわ及びスリップの発生を防止することが可能になる。
又、本実施の形態では、弾性層9としてスポンジ状のシリコーンゴムを用いているので、断熱材としての機能も併せ持ち、定着フィルム2の端部から定着フィルム位置規制部材10への熱の逃げを低減することも可能になり、加熱装置全体の熱効率が向上するという利点もある。
本発明の実施の形態1に係る加熱装置の端部を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱装置(フィルム加熱方式の画像加熱定着装置)の概略構成図である。 本発明に係る加熱体の平面模型図である。 本発明に係るレーザービームプリンタの要部を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態2に係る加熱装置の端部を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る定着フィルム位置規制部材及び弾性層の断面図である。 従来例の定着フィルム位置規制部材の断面図である。 従来例の加熱装置の断面図(通常時)である。 従来例の加熱装置の断面図(小サイズ紙通紙時)である。
符号の説明
1 ステー
2 定着フィルム
3 ヒータ(加熱体)
4 加圧ローラ(加圧体)
4a 芯金
4b 弾性体層
4c 離形層
5 検温素子
6 金属ステー
7 弾性部材
8 実施例1の定着フィルム位置規制部材
9 弾性層
10 実施例2の定着フィルム位置規制部材
11 従来例の定着フィルム位置規制部材
24 CPU
25 トライアック
26 AC電源
31 基板
32 抵抗発熱体
34 オーバーコート層
N ニップ部
P 記録材
T トナー
a 記録材搬送方向

Claims (6)

  1. 加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に接触摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを駆動し且つフィルムを介して被加熱材を加熱体に密着させる加圧部材とを有し、加熱体と加圧部材により形成されるニップ部をフィルムと被加熱材が一緒に挟持搬送されることにより被加熱材を加熱する加熱装置において、
    前記フィルムの内部に熱膨張する弾性部材を設け、加熱体の温度が低いときは前記弾性部材とフィルムの内面が接触せず、加熱体の温度が高いときには熱膨張により前記弾性部材とフィルムの内面が接触することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記弾性部材は加熱体の長手方向端部に設けることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記弾性部材がフィルムの内面に接触する温度領域は、被加熱材を加熱するための加熱体の制御温度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2記載の加熱装置。
  4. 加熱体と、加熱体の支持体と、加熱体に接触摺動する耐熱性のフィルムと、フィルムを駆動し且つフィルムを介して被加熱材を加熱体に密着させる加圧部材と、加熱体の長手方向端部でフィルムの位置を規制する部材とを有し、加熱体と加圧部材により形成されるニップ部をフィルムと被加熱材が一緒に挟持搬送されることにより被加熱材を加熱する加熱装置において、
    前記フィルム位置規制部材とフィルムの内面との間に熱膨張する弾性層を設けることを特徴とする加熱装置。
  5. 前記弾性部材或は弾性層はスポンジゴムで形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の加熱装置。
  6. 記録材上に画像を形成する像形成手段と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する画像形成装置において、
    像加熱手段として請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011197177A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2016118708A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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