JP2005308570A - 光学測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オフアキシャル光学系において、正確な結像状態の測定をすること。
【解決手段】 平行光を作り出すコリメータ2と、被検物3を取り付ける偏芯調整可能な取り付け部4と、光学系の結像状態を測定する観測部5を、それぞれの光軸2bを直線上に配置した光学測定装置において、水平面内で回転可能な第2のコリメータ8と取り外し可能な第1の反射鏡7を光軸2bとは別に配置し、被検物3の結像状態を測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は被写体中心と焦点面中心を結ぶ軸、いわゆる光軸が光学系を構成する各面基準軸と直線状に配置されてない光学系、具体的には、軸外し(オフアキシャル)光学素子又はこれを用いた光学系の結像性能を観測、測定する光学測定装置に関する。
レンズ系の偏心等を測定する光学測定装置として、特許文献1,2が知られている。
従来の光学測定装置の基本的な構成を図5によって示す。主な構成は以下のようになっている。1は光源、2はコリメータで 交換可能な(ターゲット)チャート2aが組み込まれている。3は被測定光学系、4は被検レンズ取り付け部でその構成は4a回転部、4b平行移動部と4b´平行移動用ノブ等よりなる。なお、図示しない被検レンズ取り付け基準部はコリメータの光軸に対して垂直位置が予め定めてある。又、前記回転部4aは平行移動部4b、被検レンズ取り付け基準部と一体となって回転する構造となっている。5は観測部で5aが顕微鏡対物レンズ、5bが接眼レンズ部でCCDカメラ等も取り付けられる構造となっている。CCDカメラやその制御装置、駆動制御装置とモニターなどは図示していない。以上の構成物は中心又は光軸がコリメータ2の光軸2bに沿い直線状に配置され、台6上で光軸2cに沿いスライド可能となっている。観測部5は測定目的により光軸に直交する方向にもノブ5cなどにより移動等が可能となっている。
測定方法はコリメータ焦点面に必要とするチャートを設置し、光源により照明する。この事によりコリメータからは平行光が出射され、被測定光学系に入射され、取り付け部に所定の方法で固定された被測定光学系の像が作られる。この結像状態は観測部を光軸方向に動かして観察、測定する事になる。一般的にはこのままではコリメータ軸とは一致してないため、偏った非対称の像が観測される。そこで、取り付けられた被測定光学系はコリメータ光軸と一致しているか、否かの確認の為に回転させ、その像を観察系で確認し、回転していれば平行移動用ノブ4cで軸合わせを行う。この作業を像が動かなくなるまで繰り返す。偏芯調整が終了し、被測定光学系より出射した光束は前記チャートの像を結ぶ事になる。その結像状態は観測部により拡大して観測、測定されることになる。
尚、傾き偏芯については取り付け面が予め調整される事や、広い画角に渡って収差補正された極狭い中心でのずれなので、本来の測定には影響が無いとするのが一般的である。
この様に従来の光学測定装置では被検レンズ光軸が直線状に構成された光学系は問題なく測定できる。更に単眼望遠鏡のような平行に軸がずれている光学系も、観測部の平行移動量の範囲であれば従来の方法で可能である。しかし、例えば特許文献3に示されるごとき屈折面と自由曲面を持つ反射面で構成され、更に入射方向と出射方向の光軸が異なるオフアキシャル光学系のような場合には対応できない。
特開平5−296880号公報 特開平5−340838号公報 特開平2− 92371号公報
上記理由は光学系もしくは素子が一般的に小型に作られるため、入射軸と出射軸間隔が狭く、コリメータと観測系を配置出来ない事や偏芯調整ができない為である。又、図4に示すごとき矢印で示す入射方向の光軸が斜めになっている場合、測定軸との偏芯調整が出来ない為に正確な測定は不可能となる。
本発明は平行光を作り出すコリメータと、被検物を取り付ける偏芯調整可能な取り付け部と、光学系の結像状態を測定する観測部等を、それぞれの光軸を直線上に配置した光学測定装置において、水平面内で回転可能な第2のコリメータと取り外し可能な第1の反射鏡を前記の光軸とは別に配置し、被検物の結像状態を測定する機構を備えている。
更に光学測定装置の観測部と被測定物の像面側光軸とは同軸上に配置し、前記観測部をオートコリメーション顕微鏡としても使用可能な構造にする為、対物レンズと接眼レンズ中間に光路分割ミラーと全反射鏡を交互に抜き差しできるように配置した構成になっている。
更に又、測定光軸と被検物の偏芯調整用に第2の反射鏡を観測部の顕微鏡光軸周りに配置し、偏芯調整の為に被検物を回転させたとき反射光束が戻り偏芯調整が行える手段、もしくは、被検物取り付け台に取り付け基準面と平行又は角度を持って配置し、偏芯調整の為に被検物を回転させたとき、同時に回転する手段を備えている。
(作用)
以上の構成をとることにより、水平面内で回転可能な第2のコリメータと取り外し可能な第1の反射鏡を前記の光軸とは別に配置し、被検物の結像状態を測定する機構を備えた事により、入射方向と出射方向が同じでも反射鏡により入射光路を切り替えられるので、コリメータよりの測定の平行光束を被測定光学系に導く事が可能となる。
更に、前記第2のコリメータが水平面内で回転可能な機構と、取り外し可能な第1の反射鏡を設けた事により被測定光学系が入射方向と出射方向が同じ条件以外の場合に反射鏡を外し、コリメータを必要な角度に回転することにより結像性能が測定可能となる。
又、顕微鏡の対物レンズと接眼レンズ中間に光路分割ミラーを設けたオートコリメーション顕微鏡と、更に顕微鏡の光軸周りに反射鏡を配置した事により、観測部対物レンズ後方より基準光束を被検物に入射させると、その透過光は顕微鏡の光軸周りに配置した反射鏡により戻るので、被検物取り付け部の回転機構を使用し被検物を回転すれば偏芯調整が行える事となる。
観測部は更に偏芯調整用のオートコリメーション顕微鏡として使用する場合と結像性能測定に使い分ける為に、光路分割ミラーと全反射鏡を交互に抜き差しできるように配置し、且つ、全反射鏡を跳ね上げ式とした構成としたので、オートコリメーション顕微鏡として使わない場合はCCDなどの画像取り込み手段と目視による測定、観測の場合にコントラストの良い画像が容易に得られる。
以上説明したように本発明によれば、屈折面と反射面で等で構成され、入射光軸方向と出射光軸方向が異なるオフアキシャル光学系に於いても容易、高精度に結像性能が測定、観測される効果がある。又、従来の測定装置に第2のコリメータを追加し更に観測部をオートコリメーション顕微鏡としても作用させたので、従来の光学系測定にも使用できるので共用が可能であるので、設置面積も少なくて済み、コスト的にも有利である。
(実施例1)
本発明の光学測定装置の概略を図1によって示す。主な構成と作用は以下のようになっている。1は光源で第1のコリメータ2を照明する。2aは第1のコリメータ2の焦点に配置した交換可能なチャートである。このことにより平行光束を出射し測定装置の光軸2bを作り出す。第1のコリメータは本装置の軸出しと通常の光学系(光軸が直線状配置される光学系)に使用される。8は第2のコリメータで第2の光源8bと交換可能な第2のチャート8aが付属し測定用の平行光束を出射する。又、水平面内で回転可能である。7は第1の反射鏡で第2のコリメータ光束を被検レンズ3へ入射させる働きをし取り外し可能な機構となっている。4は被検レンズ取り付け部で回転ノブ4a´による回転と4b´の平行移動用ノブで偏芯調整が可能となっている。
5の観測部は光軸と直交する方向に移動可能で偏芯調整と結像性能の観測、測定に用いる。5aが顕微鏡対物レンズ、9が顕微鏡光軸周りに配置された第2の反射鏡、5bが接眼レンズ、5dが第2のコリメータ焦点に配置されたチャート、5eが第2のコリメータの光源である。この構成はオートコリメーション顕微鏡として使われる場合である。尚、第2のコリメータ焦点にはチャートと光源に代え図示しないCCDカメラ部を取り付けることも可能になっている。
更に観測部は顕微鏡対物レンズと接眼レンズ及び顕微鏡対物レンズ後方の焦点との中間付近に出し入れ可能な反射鏡と光路分割ミラー部5fを設けた構成になっている。被検レンズ取り付け部4や観測部5の構成物は中心又は光軸がコリメータ2b線上に直線状に配置され、台6上で前記光軸に沿いスライド可能となっている。
次いで、測定方法を屈折面と反射面で構成され、入射方向と出射方向の光軸が同じオフアキシャル光学系を例にして説明する。尚、第1のコリメータと第2コリメータの焦点位置は予め求められ、平行な測定光と光軸が得られるとして説明する。
第一のステップは光学測定装置の第1のコリメータ光軸と取り付け部及び第2の偏芯調整用反射鏡についての平行度と光軸を合わせる。この方法は既知の方法で十分である。例えば平行度は別のオートコリメーション顕微鏡により、コリメータの焦点合わせと同時に行い、光軸合わせはレーザーと同心円格子により回折パターンを発生させ行う。
第二のステップは被測定物を取り付け部に所定の方法で固定し、偏芯調整を行う。調整方法は先ず、観察部の顕微鏡対物レンズの後ろ側焦点にチャートと照明光源と光路分割ミラーを装着位置にしてオートコリメーション顕微鏡にする。次いでオートコリメーション顕微鏡のチャート像が対物レンズから被測定物を通り、第2の反射鏡で反射し観察部の接眼部で見えるように被測定物を仮に移動する。このとき観察部で焦点合わせの操作を同時に行う。更に取り付け部の回転ノブを使用し被測定物を回転し、像の動きを接眼部で観察し、回転していれば平行移動用ノブで軸合わせを行う。この作業を像が動かなくなるまで繰り返えす。この状態でも結像性能は判定可能であるが、画角の中心のみである事や、被検物を2度通過する事により,像が乱れる場合があるので通常は次ステップの手順を取る。
第3のステップは第2のコリメータの位置、光軸合わせである。調整方法は先ず、被測定物近傍、所定の所に第1の反射鏡を設置し、光路を第2のコリメータが配置できる位置になるよう調整する。次いで第2のコリメータ焦点に所望のチャートを装着し光源により照明した後、前述の光路中心に設置する。更に観察部の接眼部より第2のコリメータに装着したチャート像を観察する。像がボケていれば観察部を光軸方向にずらし焦点を合わせ、位置がずれていれば第1の反射鏡又は第2のコリメータの位置を調整し視野の中央になるようにする。視野中央に収まり、観察部を光軸方向にずらしてチャート像に位置ずれが発生しなければ調整完了となる。別の方法としてレーザー光線を用いた既知の方法も適用できる。
第4のステップは結像状態の観察、測定である。観察部はオートコリメーション顕微鏡状態になっているのでこのままでも良いが、明るくゴーストの無い像を得るために光路分割ミラーを図示しない反射鏡に変更する事や、チャートと光源部を外し、CCDカメラ撮像部を取り付けて観察する。このとき前記反射鏡は光路に挿入したまま跳ね上げ可能なので、必要に応じて目視とモニターTVに切り替えて観察、測定を行えば良い。測定手順は以上で終わるが、被測定物を交換したときはステップ2と同じ事を行えば通常は問題なく観測、測定可能である。
(実施例2)
本発明の第2の実施例を図2により説明する。図2は第1の実施例と被測定物や主な構成と作用は同じであるので図1に異なる部分を図示する。同図に示す4は図1に示す被検レンズ取り付け部で、10は偏芯調整に用いる第2の反射鏡であり、同様に図1の9に示す第2の反射鏡と同じ作用をする。前記反射鏡は被検レンズ取り付け部に図2によって示す如く被検物取り付け基準面に平行に固定し、被検レンズ3とともに回転する構造となっている。8は第2のコリメータである。偏芯調整が完了し結像状態を観測、測定する場合は反射鏡10を取り外し、図示しない第1の反射鏡で第2のコリメータからの光束を被検レンズ3に入射させる。以上の構成をとることにより屈折面と反射面で構成され、入射方向と出射方向の光軸が同じ方向のオフアキシャル光学系を測定する場合は第1の実施例と同じ方法を使える。
(実施例3)
本発明の第3の実施例は第1及び第2の実施例と主な構成と作用は同じであるので図3に異なる部分を図示する。被検レンズ3は図4に示す入射方向と出射方向の光軸角度が水平面内で平行でない場合である。同図に示す4は図1に示す被検レンズ取り付け部で、11は偏芯調整に用いる第2の反射鏡である。前記反射鏡は被検レンズ取り付け部に図3によって示す如く被検物取り付け基準面に被検レンズ入射方向軸に対し正対させる角度に予め調整され固定し、被検レンズとともに回転する構造となっている。
8は第2のコリメータである。以上の構成をとることにより、入射方向と出射方向の光軸角度が同じ方向に平行でなくとも第1の実施例に示す偏芯調整が可能となる。偏芯調整が完了し結像状態を観測、測定する場合は反射鏡11を取り外し、図示しない第1の反射鏡で第2のコリメータからの光束を被検レンズ3に入射させ結像状態を観察、測定する事となる。
尚、本構成の場合は実施例1で説明した第1の反射鏡を用いないで直接第2のコリメータを用いても良い。
第1の実施例を示す構成図である。 第2の実施例を示す部分図である。 第3の実施例を示す部分図である。 オフアキシャル光学系(素子)の例である。 従来の実施例を示す構成図である。
符号の説明
1 光源
2 コリメータ
3 被検物
4 被検物取り付け部
5 観測部
7 第1の反射鏡
8 第2のコリメータ
9 第2の反射鏡

Claims (8)

  1. 平行光を作り出すコリメーターと被検物を取り付ける偏芯調整可能な取り付け部と、光学系の結像状態を測定する観測部を、それぞれの光軸を直線上に配置した光学測定装置において、更に第1の反射鏡と第2のコリメータとを前記の光軸とは異なる位置に配置し、被検物の結像状態を前記観測部で測定する光学測定装置。
  2. 請求項1記載の第2のコリメータは水平面内で回転可能で、第1の反射鏡は第2のコリメータにより作られる測定用光束を被検物に入射させる作用時に用い、移動と取り外しが可能であることを特徴とする請求項1記載の光学測定装置。
  3. 請求項1記載の光学測定装置の観測部は偏芯調整時にはオートコリメーション顕微鏡として作用させ、光学系の結像状態を測定する際には目視による観測、測定のほかに、光源部を交換しCCDなどの撮像素子に変えることにより画像として取り込み、観測・計測する事を特徴とする請求項1記載の光学測定装置。
  4. 請求項3記載の観測部は偏芯調整時にオートコリメーション顕微鏡として作用させる場合、光路分割ミラーを用い、目視やCCDなどの撮像素子で画像として取り込み、観測・計測する場合は前記光路分割ミラー又は全反射鏡を用いる事を特徴とする請求項1記載の光学測定装置。
  5. 請求項4記載の光路分割ミラーと全反射鏡は交互に抜き差しできる構造を設け、更に前記全反射鏡は跳ね上げ式である事を特徴とする請求項1記載の光学測定装置。
  6. 平行光を作り出すコリメータと被検物を取り付ける偏芯調整可能な取り付け部と、光学系の結像状態を測定する観測部等を、それぞれの光軸を直線上に配置した光学測定装置において、被写体側光軸を前記光学測定装置の光軸より外して配置し、像面側光軸を前記光学測定装置の光軸と一致させて光学素子又は光学系の結像性能を測定する光学測定装置及び方法。
  7. 偏芯調整用第2の反射鏡を請求項3記載の観測顕微鏡の光軸周りに配置し、偏芯調整を行い結像性能を測定する請求項6記載の光学測定装置及びその方法。
  8. 偏芯調整用第2の反射鏡を被検物取り付け台に取り付け基準面と平行又は角度を持って配置し、偏芯調整の為に被検物を回転させたとき、同時に回転する機構を特徴とする請求項1記載の光学測定装置及びその方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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