JP2005308226A - 差動伝動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな構成スペースにおいて高い作動効率が実現可能となり、しかも簡単に製造可能となるような差動伝動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置38,46,48と、少なくともそれぞれ2つの中間部材10,12と、出力構成部分14とが設けられており、出力構成部分14が斜面21,22を介して中間部材10,12に支持されていて、該中間部材の同じ運動方向で前記駆動装置によって第1の運動を実施するようになっており、前記中間部材の互いに異なる速度において前記駆動装置によって前記第1の運動に重畳された第2の運動を実施するようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は差動伝動装置(Differenzgetriebe)に関する。
最近の自動車では、モータにより操作されるクラッチおよびシフト伝動装置がますます多く使用されるようになっている。典型的なモータ式のクラッチ操作の場合、マスタシリンダのピストンがピストンの軸部を介して、線状運動可能に案内されたプランジャに結合されており、このプランジャは相対回動不能に案内されたナットを介してスピンドルと螺合している。このスピンドルは電動モータにより中間伝動装置を介して回転駆動される。このように形成されたアクチュエータユニットは高価であり、しかも大きな構成スペースを必要とする。
本発明の根底を成す課題は、小さな構成スペースにおいて高い作動効率が実現可能となり、しかも簡単に製造可能となるような操作装置を提供することである。
この課題は本発明によれば、差動伝動装置において、当該差動伝動装置が駆動装置と、少なくともそれぞれ2つの中間部材と、出力構成部分とを有しており、出力構成部分が斜面を介して中間部材に支持されていて、該中間部材の同じ運動方向で前記駆動装置によって第1の運動を実施するようになっており、前記中間部材の互いに異なる速度において前記駆動装置によって前記第1の運動に重畳された第2の運動を実施するようになっていることを特徴とする差動伝動装置により解決される。
駆動装置が、たとえば唯一つの電動モータしか有しておらず、しかもこの唯一つの電動モータが中間部材を互いに異なって駆動するような差動伝動装置では、中間部材の駆動差を規定しかつ斜面の勾配角度を設定することにより、伝達比もしくは変速比が規定可能となる。この伝達比もしくは変速比によって駆動装置の運動は変換され、そして引き続き出力量として提供される。
本発明による差動伝動装置は種々様々に形成可能であり、小さな構成スペース内に組み込み可能となる。斜面の適当な調整により、差動伝動装置はセルフロック式もしくは戻り止め式に形成される。すなわち、出力構成部分へ加えられた力は駆動装置には伝達されなくなる。
差動伝動装置の駆動は少なくとも1つの中間部材または駆動装置自体を起点として行われ得る。このことは不都合なスペース事情のもとでは有利になる。
「楔式差動伝動装置」と呼ぶことのできる、本発明による差動伝動装置の構成では、中間部材が同じ方向に線状に運動可能に案内されており、出力構成部分は斜面を介して中間部材に支持されており、この場合、出力構成部分は、中間部材の、同じ速度でかつ同じ方向に行われる運動に同じ速度でかつ同じ方向で従動し、かつ同じ方向に運動する中間部材の等しくない速度では、中間部材の運動方向に対して平行な運動成分と、中間部材の運動方向に対して直角な運動成分とで運動するようになり、駆動装置は、中間部材が同じ方向で互いに異なる速度で運動可能となるように形成されている。
中間部材の斜面は、中間部材の可動方向に対して直角に位置する直線に対して対称的に配置されていると有利である。しかし、中間部材の斜面は非対称的に形成されていてもよく、かつ互いに向かい合わされた楔面を形成していてよい。これらの楔面には、出力構成部分に設けられた対応する斜面が接触しているので、出力構成部分は中間部材の楔面の間隔が変化すると、中間部材の運動方向に対して直角な運動成分を持って運動する。
さらに、中間部材はこの中間部材の可動方向に関して相並んで配置された係合面を有していると有利である。これらの係合面は駆動装置によって同じ方向に、かつ互いに異なる速度で駆動可能となる。
この場合、前記係合面は、たとえば回転駆動可能な1つの軸に互いに異なる直径を持って形成された周面と係合していてよい。
本発明による差動伝動装置は、中間構成部分の可動方向に対して直角な前記出力構成部分の運動をピックアップする出力部材を有していると有利である。
「スピンドル式差動伝動装置」と呼ぶことのできる、本発明による差動伝動装置の別の構成では、出力構成部分が、1つの軸線を中心にして回転可能に支承されかつ軸方向に可動であるスピンドルによって形成されており、このスピンドルは外側のスピンドル雄ねじ山を備えている。前記中間部材は、軸方向で互いに間隔を置いて配置されかつ所定の軸方向位置に位置固定された2つのナットにより形成される。両ナットは、前記スピンドル雄ねじ山と螺合している雌ねじ山を備えている。前記駆動装置(カップリングエレメントとして形成された)は前記ナットの回転駆動のために形成されており、この場合、前記ナットと前記スピンドルとの間のねじ山螺合および前記ナットの回転駆動は、両ナットによる駆動が等しい場合にはスピンドルが回転するだけとなり、両ナットによる駆動が等しくない場合にはスピンドルが回転しかつ軸方向に移動するように設定されている。
本発明によるスピンドル式差動伝動装置はナットにも、対応するスピンドル雄ねじ山範囲にも、それぞれ互いに異なるねじ山巻き方向を有している。この場合、ねじ山は所望の変速比に関連して等しいピッチを備えていてもよいし、不等のピッチを備えていてもよい。これにより、駆動装置によりナットに導入された回転数は出力側において相応して変えられる。
スピンドル式差動伝動装置の有利な構成では、前記ナットが互いに異なる外径を有しており、前記ナットの外周面が歯列を備えており、該歯列が、1つの軸の外周面に互いに異なる直径を持って形成された歯列と噛み合っており、前記軸が、前記スピンドルの軸線に対して平行な軸線を中心にして回転駆動可能である。
前記軸は、たとえば中空車もしくはリングギヤとして形成されていてもよい。
前記スピンドルが中空に形成されていて、該スピンドルを貫通しかつ線状運動可能に案内された出力部材に回転可能でかつ軸方向移動不能に保持されていると有利である。
本発明による差動伝動装置は種々様々な形式で使用可能である。本発明による差動伝動装置は特に、モータの回転を著しい減速によって線状運動へ変換したいような事例のために適している。このような差動伝動装置は、たとえば変速機アクチュエータ機構のシフトエレメント、クラッチアクチュエータ機構またはレリーズメカニズムのために使用され得る。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
図1および図2には、楔式差動伝動装置(Keildifferenzgetriebe)として形成された差動伝動装置が示されている。この楔式差動伝動装置は中間部材として働く楔構成部分10,12を有している。楔構成部分10,12を介して、電動モータの回転が被駆動構成部分もしくは出力構成部分14へ伝達される。
より詳しく説明すると、両楔構成部分10,12の下面が、ベース16、たとえば図2に示したガイド部18,20に、リニア運動可能もしくは線状運動可能に案内されている。楔構成部分10,12は斜面21,22を備えており、これらの斜面21,22は互いに対称的にまたは非対称的に等しい勾配または不等の勾配を持って形成されていて、楔構成部分10,12の可動方向に対して直交する横方向に向けられた1つの線で互いに交差する。出力構成部分14は対応する斜面26,28を持って形成されており、この場合、斜面21,22が互いに接近する方向に運動すると、横断面で見て部分円錐形の出力構成部分14の上面とベース16の上面との間隔が増大する。出力構成部分14の上面には、出力部材30が載置されている。この出力部材30は図示の例ではベース固定のガイド部32内に鉛直方向に可動に案内されている。
一方の楔構成部分10は図1で見て右側へ向かって突出した付設部34を有している。この付設部34は平坦な上面35を有している。付設部34は他方の楔構成部分12に設けられた対応する付設部36よりも小さな高さを有するように形成されている。付設部36の上面は符号37で示されている。楔構成部分10,12を駆動するためには、ベース固定のコンソール38,40に軸42が回転可能に支承されており、この場合、この軸42は楔構成部分10,12の可動方向に対して直角に位置しかつベース16の上面に対して平行に延びる軸線を中心にして回転可能に支承されている。この軸42の回転駆動のためには、電動モータ44が働く。
軸42には、この軸42に相対回動不能に結合された摩擦車46,48が取り付けられている。この場合、一方の摩擦車46の直径は、対応する付設部34の厚さが他方の付設部36の厚さよりも小さく形成されている分だけ他方の摩擦車48の直径よりも大きく形成されている。摩擦車46,48の表面は付設部34,36の上面35,37と摩擦係合している。
前記装置の機能は次の通りである:
軸42が電動モータ44によって回転数ωで駆動されると、この回転は摩擦車46,48の直径差に相応して楔構成部分10,12の、互いに異なった、ただし同方向に向けられた速度に変換される。一方の楔構成部分10はそれぞれ速度υ1で運動し、この速度υ1は直径差に相応して、他方の楔構成部分12の速度υ2よりも大きく形成される。軸42が逆時計回りの方向に回転すると、両斜面21,22の間の間隔は増大するので、出力構成部分14は図1で見て左下方へ向かって運動する。それに対して、軸42が時計回り方向に回転すると、両斜面21,22の間の間隔は減少し、出力構成部分14は右上方へ向かって運動する。出力構成部分14の運動の鉛直方向成分は出力部材30によって受け取られるので、この出力部材30はガイド部32に沿った案内に基づき、出力構成部分14の表面に沿ってスライドしながら下方または上方へ向かって運動する。斜面の角度および両摩擦車46,48の直径差に応じて、電動モータ44の回転は種々異なる変速比で出力部材30の行程運動へ変換される。この行程運動は、たとえばクラッチレバーを操作するために直接に使用され得る。直接に判るように、両摩擦車46,48の直径が等しい場合には、楔構成部分10,12の互いに相対的な相対運動は行われないので、出力部材30の行程運動も行われない。
もちろん、斜面の互いにスライドし合う範囲およびその他の、別の表面に沿ってスライドする表面は、摩擦に好都合な材料から形成されているか、またはこのような材料で被覆されていてよい。斜面の傾斜角度は、出力部材30の行程運動への軸42の回転の変換がセルフロック式にとなるように、つまり電動モータ44がフリーホイール状態にある場合でも出力部材30に鉛直方向で作用する押圧力が電動モータ44の回転を生ぜしめないように設定されていると有利である。
摩擦車46,48と、対応する付設部の表面との間の摩擦対偶の代わりに、対偶のための歯車が設けられていてもよい。
図2に示した斜視図には、楔構成部分10,12の駆動装置を明瞭にするために、出力構成部分14ならびにガイド部32を備えた出力部材30が図示されていない。
もちろん、斜面21,22が側方のオフセットなしに互いに向かい合って位置するように楔構成部分10,12の付設部が互いに内外に係合するように形成されていてもよい。
図3には、本発明による差動伝動装置の別の実施例の断面図が示されている。差動伝動装置は図示の実施例ではスピンドル式差動伝動装置(Spindeldifferenzgetriebe)として形成されている。
図3に示したように、請求項1で云うところの出力構成部分を形成するスピンドル50が中空に形成されていて、円筒状の構成部分52に被さって回転可能にかつ円筒状の構成部分52に形成されたフランジ54,56に基づき軸方向で円筒状の構成部分52に対して相対的に移動不能に支承されている。あとで説明するように出力部材を形成する円筒状の構成部分52は、スピンドル50の回転軸線をも成しているA−A線に沿ってガイド部(図示しない)内で軸方向移動可能に保持されている。
スピンドル50は図3で見て下側のねじ山範囲58と上側のねじ山範囲60とを有している。上下の各ねじ山範囲58;60には、対応するナット62;64の雌ねじ山が螺合している。この場合、各ナット62;64はハウジング固定のガイド部66;68内に軸方向移動不能に案内されている。
スピンドル50のねじ山の右巻きの範囲と左巻きの範囲とが互いに重畳していてもよい。
一方のナット62の雌ねじ山は、たとえば右巻きに形成されていて(右ねじ山)、スピンドル50の右巻きに形成された対応するねじ山範囲58と螺合している。他方のナット64の雌ねじ山は左巻きに形成されていて(左ねじ山)、スピンドル50の左巻きに形成されたねじ山範囲60と螺合している。この場合、ねじ山のピッチは等しく形成されていてよい。全体的にねじ山は斜面を形成しており、これらの斜面を介してナットとスピンドルとが互いに支持されている。
ナット62,64の外周面はそれぞれ歯列70;72を備えている。この場合、両ナット62;64の有効直径は互いに異なっている。図示の実施例では、一方のナット62の歯列の有効直径が他方のナット64の歯列の有効直径よりも大きく形成されている。
ナット62;64の歯列70;72は対応する歯列74;76と噛み合っている。これらの歯列74;76は、相応する互いに異なる直径で軸78に形成されている。この軸78はハウジング固定の軸受け800,820内に、軸線A−Aに対して平行な軸線B−Bを中心にして回転可能にかつ軸方向で実質的に移動不能に支承されている。軸78は図3には図示されていない電動モータによって回転駆動可能である。
前記装置の機能は次の通りである:
噛み合っている歯列の直径が一定であると仮定すると、ナット62;64は軸78によって同じ回転数でかつ同じ回転方向に駆動されることになる。互いに螺合しているねじ山の巻き方向の前記設定に基づき、スピンドル50はたしかに合成方向(resultierend.Richtung)に回転駆動されるが、しかし軸方向運動を実施しない。両ナット62,64の有効直径の間には前で述べたように直径差が設定されていることに基づき、これらのナット62,64は互いに異なる回転数で駆動される。このことに基づき、スピンドル50は回転運動に加えて行程運動をも実施するようになる。この行程運動の方向は軸78の回転方向の反転と共に反転する。軸78の回転数と、円筒状の構成部分52に純然たる行程運動として伝達されるスピンドル50の、回転運動とカップリングされた行程運動の行程との間の変換比もしくは変速比は、両ナット62,64の回転数差およびねじ山のピッチに関連している。
もちろん、ナットを電動モータによって互いに異なる回転数で駆動するための種々様々な手段が存在しており、図3には特に簡単な手段が図示されているに過ぎない。さらに、ナットとスピンドルとの互いに螺合しているねじ山の巻き方向に関しても種々様々な手段が存在しており、これらの手段を用いると、ナットの回転数が等しい場合にはスピンドルが回転運動だけを実施し、ナットの回転数が互いに異なっているとスピンドルの回転に行程運動が重畳されることが達成可能となる。
図4には、図3に示したスピンドル式差動伝動装置をクラッチ80の操作のために使用する例が示されている。
スピンドル式差動伝動装置の出力部材を成す円筒状の構成部分52は、ハウジング固定のガイド部(図示しない)内に回動不能にかつ線状運動可能に案内されている。この円筒状の構成部分52は一方の端部に切欠き84を有している。この切欠き84内には2腕式のレバー88のヘッド86が突入している。このレバー88はハウジング固定の軸受け90に、図示の例では図平面に対して直角に延びる軸線を中心にして旋回可能に支承されている。レバー88の他方の端部に形成されたヘッド92は、クラッチ80の操作部材96に形成された切欠き94内に係合している。電動モータ82の回転方向に応じて、この電動モータ82の回転は大きな変速比で円筒状の構成部分52のリニア運動もしくは線状運動へ変換され、さらにこの円筒状の構成部分52から一方の方向または他方の方向へのレバー88の旋回運動に変換されるので、クラッチ80が操作され得る。
従属請求項の対象は優先権主張日の時点での公知先行技術に関して独立した固有の発明を成し得るので、本出願人はこれらの従属請求項の対象を独立請求項の対象とすることを留保する。さらに、これらの従属請求項の対象は、先行する従属請求項の対象とは別個の独立した構成を有する独立した発明をも含んでいる場合がある。
本発明は明細書に記載した実施例に限定されるものではない。むしろ、本発明の枠内で数多くの変化と変更とが可能であり、特に明細書全般および実施例ならびに請求の範囲に記述されかつ図面に示された特徴もしくは部材または方法段階と関連した個々の特徴の組み合わせまたは変更により、当業者にとって課題解決に関して推察可能であり、かつ組み合わされた特徴によって新しい対象または新しい方法段階もしくは方法段階順序をもたらすようなヴァリエーション、部材および組合わせおよび/または材料が、製造法、試験法および作業法に関しても考えられる。
楔式差動伝動装置として形成された差動伝動装置の側面図である。 図1に示した楔式差動伝動装置の斜視図である。 スピンドル式差動伝動装置として形成された差動伝動装置の断面図である。 クラッチアクチュエータ機構におけるスピンドル式差動伝動装置の使用例を示す概略図である。
符号の説明
10,12 楔構成部分
14 出力構成部分
16 ベース
18,20 ガイド部
21,22 斜面
26,28 斜面
30 出力部材
32 ガイド部
34 付設部
35 上面
36 付設部
37 上面
38,40 コンソール
42 軸
44 電動モータ
46,48 摩擦車
50 スピンドル
52 円筒状の構成部分
54,56 フランジ
58,60 ねじ山範囲
62,64 ナット
66,68 ガイド部
70,72 歯列
74,76 歯列
78 軸
800,820 軸受け
80 クラッチ
82 電動モータ
84 切欠き
86 ヘッド
88 レバー
90 軸受け
92 ヘッド
94 切欠き
96 操作部材

Claims (13)

  1. 差動伝動装置において、駆動装置(38,46,48;78)と、少なくともそれぞれ2つの中間部材(10,12;62,64)と、出力構成部分(14;50)とが設けられており、出力構成部分(14;50)が斜面(21,22,24,26,28)を介して中間部材(10,12;62,64)に支持されていて、該中間部材(10,12;62,64)の同じ運動方向で前記駆動装置(38,46,48;78)によって第1の運動を実施するようになっており、前記中間部材(10,12;62,64)の互いに異なる速度において前記駆動装置(38,46,48;78)によって前記第1の運動に重畳された第2の運動を実施するようになっていることを特徴とする差動伝動装置。
  2. 両中間部材(10,12;62,64)のうちの少なくとも一方の中間部材または前記駆動装置(38,46,48;78)が駆動可能である、請求項1記載の差動伝動装置。
  3. 前記中間部材(10,12)が同じ方向で線状運動可能に案内されており、前記出力構成部分(14)が、前記中間部材(10,12)の同じ速度でかつ同じ方向に行われる運動に同じ速度および方向で従動しかつ、同じ方向へ運動する前記中間部材(10,12)の互いに等しくない速度で、前記中間部材(10,12)の運動方向に対して平行な成分と、該運動方向に対して直角な成分とを持って運動するように前記出力構成部分(14)が前記斜面(21,22,26,28)を介して前記中間部材(10,12)に支持されており、前記中間部材(10,12)が同じ方向でかつ互いに異なる速度で運動可能となるように前記駆動装置(38,46,48)が形成されている、請求項1記載の差動伝動装置。
  4. 前記中間部材(10,12)に設けられた斜面(21,22)が、該中間部材(10,12)の可動方向に対して垂直に位置する直線に対して対称的または非対称的に配置されていて、互いに向かい合わされた楔面を形成しており、該楔面に前記出力構成部分(14)に設けられた対応する斜面(26,28)が接触していて、前記中間部材(10,12)の楔面の間隔変化時に前記出力構成部分(14)が、前記中間部材(10,12)の運動方向に対して直角な成分を持って運動するようになっている、請求項3記載の差動伝動装置。
  5. 前記中間部材(10,12)が、該中間部材(10,12)の可動方向に関して相並んで配置された係合面(35,37)を有しており、該係合面(35,37)が、前記駆動装置(38,46,48)によって同じ方向にかつ互いに異なる速度で駆動可能である、請求項3記載の差動伝動装置。
  6. 前記係合面(35,37)が、回転駆動可能な軸(38)に設けられた、互いに異なる直径を持って形成された周面(46,48)と係合している、請求項5記載の差動伝動装置。
  7. 前記出力部材(30)が、中間部材(10,12)の可動方向に対して直角な前記出力構成部分(14)の運動を取り出すようになっている、請求項3記載の差動伝動装置。
  8. 前記出力構成部分が、軸線(A−A)を中心にして回転可能に支承された、軸方向に運動可能なスピンドル(50)により形成されており、該スピンドル(50)が外側のスピンドル雄ねじ山(58,60)を備えており、
    前記中間部材が、軸方向で互いに間隔を置いて配置されかつ所定の軸方向位置に位置固定された2つのナット(62,64)により形成されており、該ナット(62,64)が、前記スピンドル雄ねじ山(58,60)と螺合している雌ねじ山を備えており、
    前記駆動装置(78)が、前記ナット(62,64)の回転駆動のために形成されており、前記ナット(62,64)と前記スピンドル(50)との互いに螺合しているねじ山対の互いに異なる巻き方向によって、前記スピンドル(50)が、前記両ナット(62,64)による等しい駆動の場合には回転するだけであり、等しくない駆動の場合には回転しかつ軸方向に移動するようになっている、請求項1記載の差動伝動装置。
  9. スピンドル雄ねじ山(58,60)の、それぞれ1つのナット(62;64)の雌ねじ山と螺合している範囲の巻き方向が、互いに逆向きに形成されており、前記ナット(62,64)の雌ねじ山の巻き方向が互いに逆向きに形成されており、右巻きのねじ山と左巻きのねじ山との間に互いに異なるピッチが設定されており、前記駆動装置(78)が前記ナット(62,64)を互いに異なる回転数で駆動するようになっている、請求項8記載の差動伝動装置。
  10. 前記ナット(62,64)が互いに異なる外径を有しており、前記ナット(62,64)の外周面が歯列(70,72)を備えており、該歯列(70,72)が、軸(78)の外周面に互いに異なる直径を持って形成された歯列(74,76)と噛み合っており、前記軸(78)が、前記スピンドル(50)の軸線に対して平行な軸線を中心にして回転駆動可能である、請求項9記載の差動伝動装置。
  11. 前記スピンドル(50)が中空に形成されていて、該スピンドル(50)を貫通しかつ線状運動可能に案内された出力部材(52)に回転可能でかつ軸方向移動不能に保持されている、請求項8記載の差動伝動装置。
  12. 前記駆動装置(78)が、前記中間部材(62,64)のためのカップリングエレメントを形成している、請求項8記載の差動伝動装置。
  13. 前記軸(78)が中空車として形成されていてもよい、請求項9記載の差動伝動装置。
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