JP2005307896A - 内燃機関用制御ユニット及びこれを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大気圧センサを完全防水・防塵構造にすることができる内燃機関用制御ユニットを得る。
【解決手段】 大気圧センサ1により検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を大気圧センサ1と共に実装したプリント基板2と、このプリント基板2に対して固定して大気圧センサ1を内部に収容したセンサケース4と、プリント基板2をセンサケース4と共に収容した外装ケース11とを備え、外装ケース11内に絶縁樹脂を注型してモールド部12を形成する。センサケース4はその内部を閉じた密閉空間18とし、且つセンサケース4はその少なくとも一部を外気圧で変形する構造にする。
【選択図】 図1
【解決手段】 大気圧センサ1により検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を大気圧センサ1と共に実装したプリント基板2と、このプリント基板2に対して固定して大気圧センサ1を内部に収容したセンサケース4と、プリント基板2をセンサケース4と共に収容した外装ケース11とを備え、外装ケース11内に絶縁樹脂を注型してモールド部12を形成する。センサケース4はその内部を閉じた密閉空間18とし、且つセンサケース4はその少なくとも一部を外気圧で変形する構造にする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関用点火装置や燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を実装したプリント基板を外装ケース内に収容して、該外装ケース内に注型した絶縁樹脂によりモールドした構成を有する内燃機関用制御ユニット及びこれを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法に関するものである。
内燃機関の点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する内燃機関用制御装置においては、内燃機関の回転数、スロットル開度、機関温度、排気温度等を制御条件として制御を行っているが、最近では大気圧を制御条件として用いてことが多くなっている。内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御ユニットにおいて大気圧を制御条件の1つとする場合には、該制御ユニットに大気圧センサを組み込む必要がある。
図7(A)〜(C)は、大気圧センサを組み込んだ従来のこの種の内燃機関用制御ユニットの一例を示したもので、図7(A)は従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図7(B)は図7(A)のA−A線断面図、図7(C)は図7(A)のセンサケースの平面図である。
この内燃機関用制御ユニットにおいては、大気圧センサ1はその2列の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。大気圧センサ1の上面には、内部に大気圧を取り込む通気孔1bが形成された突出部1cが突設されている。
この大気圧センサ1の上面にはほぼ四角形のゴムパッキン3が嵌め付けられ、突出部1cはこのゴムパッキン3を貫通してその上面の上に突出されている。
この大気圧センサ1を収容するセンサケース4は、下端が開口された筒状体からなっていて、その閉塞された上部側の側壁には大気に通じる小径の通気孔5を有する管状の突出部4aが突設されている。
センサケース4の下部の開口側には、ゴムパッキン3を嵌める凹部6が設けられている。また、センサケース4の下部には、プリント基板2に向けて複数の弾性係止具7が突設されている。これら弾性係止具7がプリント基板2の各孔を貫通して、弾性係止具7のフック7aがプリント基板2の裏面に係止されることにより、該センサケース4がプリント基板2に係止されている。このようにセンサケース4をプリント基板2に取り付ける際に、該プリント基板2に予め取り付けられている大気圧センサ1が、ゴムパッキン3を介してシールれてセンサケース4の下部に嵌め付けられるようになっている。ゴムパッキン3をセンサケース4に嵌める際に、該ゴムパッキン3の一部が、センサケース4の下の窓8に差し込まれて係止されている。また、弾性係止具7の弾性的な動きを容易にするために、これら弾性係止具7の基部のセンサケース4にも窓9が設けられている。
このような構造を備えたセンサケース4は、その内部が透視できる素材により形成されている。このようなセンサケース4を構成する素材としては、例えば透明な樹脂であるポリカーボネート等を用いることができる。
大気圧センサ1の上部をゴムパッキン3を介してセンサケース4で覆い、この大気圧センサ1の下部の各端子1aをプリント基板2に通して電気的・機械的に接続し、このプリント基板2をスペーサ10で浮かして外装ケース11内の底部上に設置した後、外装ケース11内に絶縁樹脂を注型してモールド部12を形成し、前述した制御回路を防水構造にしている。
センサケース4の突出部4aには可撓性の防水チューブ13の一端が嵌着され、該防水チューブ13の他端側は外装ケース11の側壁の孔14を通して外装ケース11の外に導出され、該防水チューブ13の他端は水滴の浸入や凍結のおそれのない場所に置かれている(例えば、特許文献1参照。)。
この内燃機関用制御ユニットのように、プリント基板2に対向する側でセンサケース4内にゴムパッキン3を介してシールされて大気圧センサ1が嵌め込まれていると、大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15に、モールド部12を形成する際の注型用の絶縁樹脂が侵入するのをゴムパッキン3により防止することができる。このため侵入した注型用の絶縁樹脂で、大気圧センサ1の突出部1cの通気孔が塞がれて大気圧の検出ができなくなるのを回避することができる。
図8(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ従来の内燃機関用制御ユニットの他の例を示したもので、図8(A)はこの従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図8(B)は図8(A)のB−B線断面図、図8(C)は図8(A)のセンサケースの平面図である。この例は、大気圧センサ1がシングルインラインパッケージ形式(SIP)になっているタイプの例を示したものである。なお、前述した図7(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
この従来例の内燃機関用制御ユニットでは、大気圧センサ1が縦向きになっていて、下部の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。この大気圧センサ1で大気圧を取り込む通気孔1bは、該大気圧センサ1の上部寄りの側面に設けられている。その他の構成は、前述した図7(A)〜(C)と同様である。
このような構成でも、図7(A)〜(C)に示した例と同様の効果を得ることができる。
次に、上記の如き従来の内燃機関用制御ユニットによる燃料噴射時間及び点火時期の決定の仕方について説明する。
先ず、燃料噴射時間の決定の仕方を、図9に示すフローチャート及び図10に示す検出気圧A/D値から大気圧補正係数Kapを求める補正マップを参照して説明する。
ステップST1a´で、大気圧センサ1が外気圧を検出した値をアナログ/ディジタル(以下、A/Dと称する。)変換して検出気圧A/D値を求める。
ステップST2a´で、検出気圧A/D値による大気圧補正係数Kapを図10に示す補正マップを用いて求める。
ステップST3a´で、噴射時間Tiを
Ti=Tp×Kap
から求める。ここで、Tpは基本噴射時間である。
Ti=Tp×Kap
から求める。ここで、Tpは基本噴射時間である。
次に、点火時期の決定の仕方を、図11に示すフローチャート及び図12に示す検出気圧A/D値から大気圧補正値IGapを求める補正マップを参照して説明する。
ステップST1b´で、大気圧センサ1が外気圧を検出した値をA/D変換して検出気圧A/D値を求める。
ステップST2b´で、検出気圧A/D値による大気圧補正値IGapを図12に示す補正マップを用いて求める。
ステップST3b´で、点火時期IGを
IG=IGp+IGap
から求める。ここで、IGpは基本点火時期である。
特開2001−152906号公報(図1、図3)
IG=IGp+IGap
から求める。ここで、IGpは基本点火時期である。
しかしながら、上記の如き構成の内燃機関用制御ユニットでは、センサケース4内の圧力と外気の圧力を同じにするために、防水チューブ13を用いて外気をセンサケース4内に取り込んでいたので、大気圧センサ1が外気と直接触れることになり、大気圧センサ1を完全防水・防塵構造にはできない問題点があった。
本発明の目的は、大気圧センサを完全防水・防塵構造にすることができる内燃機関用制御ユニットを提供することにある。
本発明の他の目的は、大気圧センサを完全防水・防塵構造にしたことに伴う補正を行って燃料噴射時間や点火時期を決めることができる内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法を提供することにある。
本発明は、大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成されている内燃機関用制御ユニットを対象とする。
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、前記センサケースはその内部が閉じた空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっていることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間の補正方法は、大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関の燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本補正係数を求め、
前記基本補正係数と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正係数を求め、
該大気圧補正係数で補正して補正された燃料噴射時間を求めることを特徴とする。
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本補正係数を求め、
前記基本補正係数と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正係数を求め、
該大気圧補正係数で補正して補正された燃料噴射時間を求めることを特徴とする。
また、本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間の補正方法は、前述した内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値より基本補正係数Kapzを求め、
前記基本補正係数Kapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正係数Kapを
Kap=Kapz×Kx×Ky
から求め、
基本燃料噴射時間をTpとしたとき、補正された燃料噴射時間Tiを
Ti=Tp+(Tp×Kap)
から求めることを特徴とする。
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値より基本補正係数Kapzを求め、
前記基本補正係数Kapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正係数Kapを
Kap=Kapz×Kx×Ky
から求め、
基本燃料噴射時間をTpとしたとき、補正された燃料噴射時間Tiを
Ti=Tp+(Tp×Kap)
から求めることを特徴とする。
次に、本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての点火時期の補正方法は、大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本点火時期補正値を求め、
前記基本点火時期補正値と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正値を求め、
該大気圧補正値で補正して補正された点火時期IGを求めることを特徴とする。
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本点火時期補正値を求め、
前記基本点火時期補正値と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正値を求め、
該大気圧補正値で補正して補正された点火時期IGを求めることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての点火時期の補正方法は、前述した内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値から基本点火時期補正値IGapzを求め、
前記基本点火時期補正値IGapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正値IGapを
IGap=IGapz×Kx×Ky
から求め、
基本点火時期をIGpとしたとき、補正された点火時期IGを
IG=IGp+IGap
から求めることを特徴とする。
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値から基本点火時期補正値IGapzを求め、
前記基本点火時期補正値IGapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正値IGapを
IGap=IGapz×Kx×Ky
から求め、
基本点火時期をIGpとしたとき、補正された点火時期IGを
IG=IGp+IGap
から求めることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つセンサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっているので、大気圧センサを完全防水・防塵構造にすることができる。またこのような構造にすると、防水チューブが不要になり、その部材費やその装着作業費等が不要になり、コストの低減を図ることができる。
本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間の補正方法では、大気圧センサを完全防水・防塵構造にしたことに伴う補正を行って燃料噴射時間を決めることができる。
また、本発明に係る内燃機関用制御ユニットを用いての点火時期の補正方法では、大気圧センサを完全防水・防塵構造にしたことに伴う補正を行って点火時期を決めることができる。
図1(A)〜(C)は本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第1例を示したもので、図1(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図1(B)は図1(A)のC−C線断面図、図1(C)は図1(A)のセンサケースの平面図である。なお、前述した図8(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
本例の内燃機関用制御ユニットでは、センサケース4の通気孔5や突出部4aが省略され、その代わりにセンサケース4の一部である天井部に窓16を設け、この窓16を外気圧で容易に変形する可撓性薄膜17で密閉し、センサケース4内を密閉された密閉空間18としている。可撓性薄膜17は、例えばゴム、プラスチックフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等で形成されている。その他の構成は、前述した図8(A)〜(C)と同様に構成されている。
このようにセンサケース4の一部に窓16を設け、この窓16を外気圧で容易に変形する可撓性薄膜17で密閉し、センサケース4内を密閉空間18とすると、この密閉空間18内に露呈されている大気圧センサ1を完全防水・防塵構造にすることができる。
図2(A)〜(C)は本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第2例を示したもので、図2(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図2(B)は図2(A)のD−D線断面図、図2(C)は図2(A)のセンサケースの平面図である。なお、前述した図1(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
本例の内燃機関用制御ユニットでも、センサケース4の通気孔5や突出部4aが省略され、その代わりにセンサケース4の全体が外気圧で容易に変形する可撓性薄膜17で形成されている。また、センサケース4の内下部のゴムパッキン3が省略されている。その他の構成は、前述した図6(A)〜(C)と同様に構成されている。
このようにセンサケース4の全体を外気圧で容易に変形する可撓性薄膜17で形成すると、センサケース内空間15が密閉された密閉空間18となり、この密閉空間18内に露呈されている大気圧センサ1を完全防水・防塵構造にすることができる。
次に、上記の如き内燃機関用制御ユニットを用いた燃料噴射時間の補正方法について、図3に示すフローチャートと、図4に示す補正気圧A/D値から基本補正係数Kapzを求める補正マップを参照して説明する。
(a)この内燃機関用制御ユニットの密閉空間18を作った時点で、出荷前にセンサケース4内における密閉空間18の気圧を大気圧センサ1が検出してアナログ/ディジタル(以下、A/Dと称する。)変換して基準気圧A/D値としてプリント基板2上の制御回路が備えたEEP ROM(電気的に書き換えのできる読み出し専用メモリ)に記憶させる。
(b)出荷されての使用状態においては、外気の変化に対してセンサケース4内における密閉空間18の気圧が変化する。
(c)ステップSTa1で、センサケース4内の現在の気圧を大気圧センサ1で検出し、これをA/D変換して検出気圧A/D値を求める。
(d)ステップSTa2で、この検出気圧A/D値と基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求める。
(e)ステップSTa3で、補正気圧A/D値による基本補正係数Kapzを図4に示す補正マップから求め、この基本補正係数Kapzにセンサケース4の固有の係数である膨張係数Kxとセンサケース4の温度係数Kyを乗じて大気圧補正係数Kapを
Kap=Kapz×Kx×Ky
から求める。
Kap=Kapz×Kx×Ky
から求める。
(f)ステップSTaで、基本燃料噴射時間をTpとしたとき、補正された燃料噴射時間Tiを
Ti=Tp+(Tp×Kap)
から求める。
Ti=Tp+(Tp×Kap)
から求める。
次に、上記の如き内燃機関用制御ユニットを用いた点火時期の補正方法について、図5に示すフローチャートと、図6に示すに示す補正気圧A/D値から大気圧補正値IGapを求める補正マップを参照して説明する。
(a)この内燃機関用制御ユニットの密閉空間18を作った時点で、出荷前にセンサケース4内における密閉空間18の気圧を大気圧センサ1が検出してA/D変換して基準気圧A/D値としてプリント基板2上の制御回路が備えたEEP ROM(電気的に書き換えのできる読み出し専用メモリ)に記憶させる。
(b)出荷されての使用状態においては、外気の変化に対してセンサケース4内における密閉空間18の気圧が変化する。
(c)ステップSTa1で、センサケース4内の現在の気圧を大気圧センサ1で検出し、これをA/D変換して検出気圧A/D値を求める。
(d)ステップSTa2で、この検出気圧A/D値と基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求める。
(e)ステップSTa3で、補正気圧A/D値による基本点火時期補正値IGapzを図6に示す補正マップから求め、この基本点火時期補正値IGapzにセンサケース4の固有の係数である膨張係数Kxとセンサケース4の温度係数Kyを乗じて大気圧補正値IGapを求める。
(f)ステップSTa4で、基本点火時期をIGpとしたとき、補正された点火時期IGを
IG=IGp+IGap
から求める。
IG=IGp+IGap
から求める。
1 大気圧センサ
1a 端子
1b 通気孔
1c 突出部
2 プリント基板
3 ゴムパッキン
4 センサケース
4a 突出部
5 通気孔
6 凹部
7 弾性係止具
7a フック
8,9 窓
10 スペーサ
11 外装ケース
12 モールド部
13 防水チューブ
14 孔
15 センサケース内空間
16 窓
17 可撓性薄膜
18 密閉空間
1a 端子
1b 通気孔
1c 突出部
2 プリント基板
3 ゴムパッキン
4 センサケース
4a 突出部
5 通気孔
6 凹部
7 弾性係止具
7a フック
8,9 窓
10 スペーサ
11 外装ケース
12 モールド部
13 防水チューブ
14 孔
15 センサケース内空間
16 窓
17 可撓性薄膜
18 密閉空間
Claims (5)
- 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成されている内燃機関用制御ユニットにおいて、
前記センサケースはその内部が閉じた空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっていることを特徴とする内燃機関用制御ユニット。 - 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関の燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本補正係数を求め、
前記基本補正係数と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正係数を求め、
該大気圧補正係数で補正して補正された燃料噴射時間を求めることを特徴とする内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間の補正方法。 - 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関の燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値より基本補正係数Kapzを求め、
前記基本補正係数Kapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正係数Kapを
Kap=Kapz×Kx×Ky
から求め、
基本燃料噴射時間をTpとしたとき、補正された燃料噴射時間Tiを
Ti=Tp+(Tp×Kap)
から求めることを特徴とする内燃機関用制御ユニットを用いての燃料噴射時間の補正方法。 - 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出して前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧と前記基準気圧とを用いて、その差分の補正気圧値を求め、
前記補正気圧値から基本点火時期補正値を求め、
前記基本点火時期補正値と前記センサケースの固有の係数から大気圧補正値を求め、
該大気圧補正値で補正して補正された点火時期IGを求めることを特徴とする内燃機関用制御ユニットを用いての点火時期の補正方法。 - 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成され、前記センサケースはその内部が閉じた密閉空間となっており、且つ前記センサケースはその少なくとも一部が外気圧で変形する構造になっている内燃機関用制御ユニットを用い、
該内燃機関用制御ユニットの出荷前の前記センサケース内における前記密閉空間の気圧を前記大気圧センサで基準気圧として検出し、これをA/D変換して得られた基準気圧A/D値を前記制御回路に記憶させ、
前記大気圧センサが検出した前記センサケース内の現在の検出気圧をA/D変換した検出気圧A/D値と前記基準気圧A/D値とを用いて、その差分の補正気圧A/D値を求め、
前記補正気圧A/D値から基本点火時期補正値IGapzを求め、
前記基本点火時期補正値IGapzと前記センサケースの膨張係数Kxと前記センサケースの温度係数Kyから大気圧補正値IGapを
IGap=IGapz×Kx×Ky
から求め、
基本点火時期をIGpとしたとき、補正された点火時期IGを
IG=IGp+IGap
から求めることを特徴とする内燃機関用制御ユニットを用いての点火時期の補正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004127618A JP2005307896A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 内燃機関用制御ユニット及びこれを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004127618A JP2005307896A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 内燃機関用制御ユニット及びこれを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法 |
Publications (1)
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Family
ID=35436946
Family Applications (1)
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JP2004127618A Pending JP2005307896A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | 内燃機関用制御ユニット及びこれを用いての燃料噴射時間,点火時期の補正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005307896A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102113475A (zh) * | 2010-01-06 | 2011-07-06 | 株式会社岛野 | 钓鱼信息显示装置 |
-
2004
- 2004-04-23 JP JP2004127618A patent/JP2005307896A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102113475A (zh) * | 2010-01-06 | 2011-07-06 | 株式会社岛野 | 钓鱼信息显示装置 |
CN102113475B (zh) * | 2010-01-06 | 2014-10-08 | 株式会社岛野 | 钓鱼信息显示装置 |
KR101784272B1 (ko) * | 2010-01-06 | 2017-10-11 | 가부시키가이샤 시마노 | 낚시 정보 표시 장치 |
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