JP2004332595A - 内燃機関用制御ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載らない内燃機関用制御ユニットを得る。
【解決手段】大気圧センサ1を接続して制御回路を構成しているプリント基板2と、プリント基板2に対して固定して大気圧センサ1を内部に収容したセンサケース4と、プリント基板2をセンサケース4と共に収容した外装ケース11とを備え、外装ケース11内に絶縁樹脂を注型してモールド部12を形成する。モールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルlよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】大気圧センサ1を接続して制御回路を構成しているプリント基板2と、プリント基板2に対して固定して大気圧センサ1を内部に収容したセンサケース4と、プリント基板2をセンサケース4と共に収容した外装ケース11とを備え、外装ケース11内に絶縁樹脂を注型してモールド部12を形成する。モールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルlよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置や燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を実装したプリント基板を外装ケース内に収容して、該外装ケース内に注型した絶縁樹脂によりモールドした構成を有する内燃機関用制御ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する内燃機関用制御装置においては、内燃機関の回転数、スロットル開度、機関温度、排気温度等を制御条件として制御を行っているが、最近では大気圧を制御条件として用いてことが多くなっている。内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御ユニットにおいて大気圧を制御条件の1つとする場合には、該制御ユニットに大気圧センサを組み込む必要がある。
【0003】
図3(A)〜(C)は、大気圧センサを組み込んだ従来のこの種の内燃機関用制御ユニットを示したもので、図3(A)は従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図3(B)は図3(A)のA−A線断面図、図3(C)は図3(A)のセンサケース部の平面図である。
【0004】
この内燃機関用制御ユニットにおいては、大気圧センサ1はその2列の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。大気圧センサ1の上面には、内部に大気圧を取り込む通気孔1bが形成された突出部1cが突設されている。
【0005】
この大気圧センサ1の上面にはほぼ四角形のゴムパッキン3が嵌め付けられ、突出部1cはこのゴムパッキン3を貫通してその上面の上に突出されている。
【0006】
この大気圧センサ1を収容するセンサケース4は、下端が開口された筒状体からなっていて、その閉塞された上部側の側壁には大気に通じる小径の通気孔5を有する管状の突出部4aが突設されている。
【0007】
センサケース4の下部の開口側には、ゴムパッキン3を嵌める凹部6が設けられている。また、センサケース4の下部には、プリント基板2に向けて複数の弾性係止具7が突設されている。これら弾性係止具7がプリント基板2の各孔を貫通して、弾性係止具7のフック7aがプリント基板2の裏面に係止されることにより、該センサケース4がプリント基板2に係止されている。このようにセンサケース4をプリント基板2に取り付ける際に、該プリント基板2に予め取り付けられている大気圧センサ1が、ゴムパッキン3を介してシールれてセンサケース4の下部に嵌め付けられるようになっている。ゴムパッキン3をセンサケース4に嵌める際に、該ゴムパッキン3の一部が、センサケース4の下の窓8に差し込まれて係止されている。また、弾性係止具7の弾性的な動きを容易にするために、これら弾性係止具7の基部のセンサケース4にも窓9が設けられている。
【0008】
このような構造を備えたセンサケース4は、その内部が透視できる素材により形成されている。このようなセンサケース4を構成する素材としては、例えば透明な樹脂であるポリカーボネート等を用いることができる。
【0009】
大気圧センサ1を取り付け、この大気圧センサ1をゴムパッキン3を介してセンサケース4で覆ったプリント基板2は、スペーサ10を介して浮かして外装ケース11内の底部上に設置した後、外装ケース11内に絶縁樹脂が注型されてモールド部12が形成され、制御回路を防水構造にしている。この場合、モールド部12は通気孔5より下になる高さで形成されている。モールド部12を形成している絶縁樹脂の色は、ゴムパッキン3の色と異なる色になっている。
【0010】
センサケース4の突出部4aには可撓性の防水チューブ13の一端が嵌着され、該防水チューブ13の他端側は外装ケース11の側壁の孔14を通して外装ケース11の外に導出され、該防水チューブ13の他端は水滴の浸入や凍結のおそれのない場所に置かれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
この内燃機関用制御ユニットのように、プリント基板2に対向する側でセンサケース4内にゴムパッキン3を介してシールされて大気圧センサ1が嵌め込まれていると、大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15に、モールド部12を形成する際の注型用の絶縁樹脂が侵入するのをゴムパッキン3により防止することができる。このため侵入した注型用の絶縁樹脂で、大気圧センサ1の突出部1cの通気孔が塞がれて大気圧の検出ができなくなるのを回避することができる。
【0012】
また、センサケース4の大気圧センサ1が嵌め込まれる側とが反対側が、該センサケース4を構成している素材と同じ素材で一体に閉塞されていると、センサケース4に従来のように防水蓋を設ける必要がなくなって、センサケース4の構造の簡略化を図ることができる。
【0013】
また、センサケース4が透明な樹脂で内部を透視できるように形成されていると、大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15にモールド部12を形成する注型用の絶縁樹脂が侵入したのを、該センサケース4を通して目視により容易に確認することができる。
【0014】
また、モールド部12を形成している絶縁樹脂の色がゴムパッキン3の色と異なる色になっていると、色の違いにより大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15に、モールド部12を形成する注型用の絶縁樹脂が侵入したのを、非常に容易に確認することができる。
【0015】
さらに、センサケース4にはプリント基板2に対向する側に複数の弾性係止具7を突設し、これら弾性係止具7をプリント基板2の各孔に通してセンサケース4をプリント基板2に係止させると、接着剤を使わずにセンサケース4をプリント基板2に係止することができ、組立てを能率良く行うことができる。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−152906号公報(図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の従来の内燃機関用制御ユニットでは、ゴムパッキン3を必要とし、部品点数が増え、組立てに手数を要し、コスト高になる問題点があった。また、モールド部12を形成する絶縁樹脂を通気孔5の下まで外装ケース11内に充填しているので、絶縁樹脂の使用量が増え、コスト高になる問題点があった。
【0018】
本発明の目的は、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載らない内燃機関用制御ユニットを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる内燃機関用制御ユニットを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を大気圧センサと共に実装したプリント基板と、該プリント基板に対して固定されて大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、プリント基板をセンサケースと共に収容した外装ケースとを備え、外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成されている内燃機関用制御ユニットを対象とする。
【0021】
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、モールド部はその表面が大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置して大気圧センサの下部を覆って設けられている。
【0022】
このようにモールド部が、その表面を大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置させて、大気圧センサの下部を覆って設けられていると、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載ることはなく、大気圧センサの通気孔が絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第1例を示したもので、図1(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)のセンサケース部の平面図である。なお、前述した図3(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0024】
本例の内燃機関用制御ユニットでは、絶縁樹脂の注型により形成されているモールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設けられている。その他の構成は、前述した図3(A)〜(C)と同様である。
【0025】
このようにモールド部12が、その表面12aを大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置させて、大気圧センサ1の下部を覆って設けられていると、前述したパッキン3を大気圧センサ1の上面に嵌めなくても、モールド部12を形成する絶縁樹脂がセンサケース4内に漏れ出て大気圧センサ1の上面に載ることはなく、大気圧センサ1の通気孔1bが絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部12を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【0026】
図2(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第2例を示したもので、図2(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図2(B)は図2(A)のC−C線断面図、図2(C)は図2(A)のセンサケース部の平面図である。この例は、大気圧センサ1がシングルインライン パッケージ形式(SIP)になっているタイプに本発明を適用した例を示したものである。なお、前述した図1(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0027】
本例の内燃機関用制御ユニットでは、大気圧センサ1が縦向きになっていて、下部の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。この大気圧センサ1で大気圧を取り込む通気孔1bは、該大気圧センサ1の上部寄りの側面に設けられている。
【0028】
本例の内燃機関用制御ユニットでも、絶縁樹脂の注型により形成されているモールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設けられている。その他の構成は、前述した図1(A)〜(C)と同様である。
【0029】
このような構成でも、第1例と同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、モールド部が、その表面を大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置させて、大気圧センサの下部を覆って設けられているので、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載ることはなく、大気圧センサの通気孔が絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第1例を示したもので、(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【図2】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第2例を示したもので、(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のC−C線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【図3】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ従来の内燃機関用制御ユニットを示したもので、(A)は従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のA−A線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【符号の説明】
1 大気圧センサ
1a 端子
1b 大気圧を取り込む通気孔
2 プリント基板
3 ゴムパッキン
4 センサケース
4a 突出部
5 通気孔
6 凹部
7 弾性係止具
7a フック
8,9 窓
10 スペーサ
11 外装ケース
12 モールド部
12a 表面
13 防水チューブ
14 孔
15 センサケース内空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置や燃料噴射装置を制御する制御回路の構成部品を実装したプリント基板を外装ケース内に収容して、該外装ケース内に注型した絶縁樹脂によりモールドした構成を有する内燃機関用制御ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する内燃機関用制御装置においては、内燃機関の回転数、スロットル開度、機関温度、排気温度等を制御条件として制御を行っているが、最近では大気圧を制御条件として用いてことが多くなっている。内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御ユニットにおいて大気圧を制御条件の1つとする場合には、該制御ユニットに大気圧センサを組み込む必要がある。
【0003】
図3(A)〜(C)は、大気圧センサを組み込んだ従来のこの種の内燃機関用制御ユニットを示したもので、図3(A)は従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図3(B)は図3(A)のA−A線断面図、図3(C)は図3(A)のセンサケース部の平面図である。
【0004】
この内燃機関用制御ユニットにおいては、大気圧センサ1はその2列の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。大気圧センサ1の上面には、内部に大気圧を取り込む通気孔1bが形成された突出部1cが突設されている。
【0005】
この大気圧センサ1の上面にはほぼ四角形のゴムパッキン3が嵌め付けられ、突出部1cはこのゴムパッキン3を貫通してその上面の上に突出されている。
【0006】
この大気圧センサ1を収容するセンサケース4は、下端が開口された筒状体からなっていて、その閉塞された上部側の側壁には大気に通じる小径の通気孔5を有する管状の突出部4aが突設されている。
【0007】
センサケース4の下部の開口側には、ゴムパッキン3を嵌める凹部6が設けられている。また、センサケース4の下部には、プリント基板2に向けて複数の弾性係止具7が突設されている。これら弾性係止具7がプリント基板2の各孔を貫通して、弾性係止具7のフック7aがプリント基板2の裏面に係止されることにより、該センサケース4がプリント基板2に係止されている。このようにセンサケース4をプリント基板2に取り付ける際に、該プリント基板2に予め取り付けられている大気圧センサ1が、ゴムパッキン3を介してシールれてセンサケース4の下部に嵌め付けられるようになっている。ゴムパッキン3をセンサケース4に嵌める際に、該ゴムパッキン3の一部が、センサケース4の下の窓8に差し込まれて係止されている。また、弾性係止具7の弾性的な動きを容易にするために、これら弾性係止具7の基部のセンサケース4にも窓9が設けられている。
【0008】
このような構造を備えたセンサケース4は、その内部が透視できる素材により形成されている。このようなセンサケース4を構成する素材としては、例えば透明な樹脂であるポリカーボネート等を用いることができる。
【0009】
大気圧センサ1を取り付け、この大気圧センサ1をゴムパッキン3を介してセンサケース4で覆ったプリント基板2は、スペーサ10を介して浮かして外装ケース11内の底部上に設置した後、外装ケース11内に絶縁樹脂が注型されてモールド部12が形成され、制御回路を防水構造にしている。この場合、モールド部12は通気孔5より下になる高さで形成されている。モールド部12を形成している絶縁樹脂の色は、ゴムパッキン3の色と異なる色になっている。
【0010】
センサケース4の突出部4aには可撓性の防水チューブ13の一端が嵌着され、該防水チューブ13の他端側は外装ケース11の側壁の孔14を通して外装ケース11の外に導出され、該防水チューブ13の他端は水滴の浸入や凍結のおそれのない場所に置かれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
この内燃機関用制御ユニットのように、プリント基板2に対向する側でセンサケース4内にゴムパッキン3を介してシールされて大気圧センサ1が嵌め込まれていると、大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15に、モールド部12を形成する際の注型用の絶縁樹脂が侵入するのをゴムパッキン3により防止することができる。このため侵入した注型用の絶縁樹脂で、大気圧センサ1の突出部1cの通気孔が塞がれて大気圧の検出ができなくなるのを回避することができる。
【0012】
また、センサケース4の大気圧センサ1が嵌め込まれる側とが反対側が、該センサケース4を構成している素材と同じ素材で一体に閉塞されていると、センサケース4に従来のように防水蓋を設ける必要がなくなって、センサケース4の構造の簡略化を図ることができる。
【0013】
また、センサケース4が透明な樹脂で内部を透視できるように形成されていると、大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15にモールド部12を形成する注型用の絶縁樹脂が侵入したのを、該センサケース4を通して目視により容易に確認することができる。
【0014】
また、モールド部12を形成している絶縁樹脂の色がゴムパッキン3の色と異なる色になっていると、色の違いにより大気圧センサ1の上面のセンサケース内空間15に、モールド部12を形成する注型用の絶縁樹脂が侵入したのを、非常に容易に確認することができる。
【0015】
さらに、センサケース4にはプリント基板2に対向する側に複数の弾性係止具7を突設し、これら弾性係止具7をプリント基板2の各孔に通してセンサケース4をプリント基板2に係止させると、接着剤を使わずにセンサケース4をプリント基板2に係止することができ、組立てを能率良く行うことができる。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−152906号公報(図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の従来の内燃機関用制御ユニットでは、ゴムパッキン3を必要とし、部品点数が増え、組立てに手数を要し、コスト高になる問題点があった。また、モールド部12を形成する絶縁樹脂を通気孔5の下まで外装ケース11内に充填しているので、絶縁樹脂の使用量が増え、コスト高になる問題点があった。
【0018】
本発明の目的は、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載らない内燃機関用制御ユニットを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる内燃機関用制御ユニットを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を大気圧センサと共に実装したプリント基板と、該プリント基板に対して固定されて大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、プリント基板をセンサケースと共に収容した外装ケースとを備え、外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成されている内燃機関用制御ユニットを対象とする。
【0021】
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、モールド部はその表面が大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置して大気圧センサの下部を覆って設けられている。
【0022】
このようにモールド部が、その表面を大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置させて、大気圧センサの下部を覆って設けられていると、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載ることはなく、大気圧センサの通気孔が絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第1例を示したもので、図1(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図、図1(C)は図1(A)のセンサケース部の平面図である。なお、前述した図3(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0024】
本例の内燃機関用制御ユニットでは、絶縁樹脂の注型により形成されているモールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設けられている。その他の構成は、前述した図3(A)〜(C)と同様である。
【0025】
このようにモールド部12が、その表面12aを大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置させて、大気圧センサ1の下部を覆って設けられていると、前述したパッキン3を大気圧センサ1の上面に嵌めなくても、モールド部12を形成する絶縁樹脂がセンサケース4内に漏れ出て大気圧センサ1の上面に載ることはなく、大気圧センサ1の通気孔1bが絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部12を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【0026】
図2(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第2例を示したもので、図2(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、図2(B)は図2(A)のC−C線断面図、図2(C)は図2(A)のセンサケース部の平面図である。この例は、大気圧センサ1がシングルインライン パッケージ形式(SIP)になっているタイプに本発明を適用した例を示したものである。なお、前述した図1(A)〜(C)と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
【0027】
本例の内燃機関用制御ユニットでは、大気圧センサ1が縦向きになっていて、下部の端子1aがプリント基板2の各スルーホールに通されて半田付け接続され、図示しない構成部品と共にプリント基板2上に制御回路が構成されている。この大気圧センサ1で大気圧を取り込む通気孔1bは、該大気圧センサ1の上部寄りの側面に設けられている。
【0028】
本例の内燃機関用制御ユニットでも、絶縁樹脂の注型により形成されているモールド部12は、その表面12aが大気圧センサ1に設けられて大気圧を取り込む通気孔1bの開口端のレベルLよりより下に位置して大気圧センサ1の下部を覆って設けられている。その他の構成は、前述した図1(A)〜(C)と同様である。
【0029】
このような構成でも、第1例と同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関用制御ユニットでは、モールド部が、その表面を大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置させて、大気圧センサの下部を覆って設けられているので、パッキンを大気圧センサの上面に嵌めなくても、モールド部を形成する絶縁樹脂がセンサケース内に漏れ出て大気圧センサの上面に載ることはなく、大気圧センサの通気孔が絶縁樹脂で塞がれるのを防止できる。また、絶縁樹脂の充填レベルが下がるため、モールド部を形成する絶縁樹脂の使用量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第1例を示したもので、(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【図2】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ本発明に係る内燃機関用制御ユニットの実施の形態の第2例を示したもので、(A)は本例の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のC−C線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【図3】(A)〜(C)は大気圧センサを組み込んだ従来の内燃機関用制御ユニットを示したもので、(A)は従来の内燃機関用制御ユニットの要部縦断面図、(B)は(A)のA−A線断面図、(C)は(A)のセンサケース部の平面図である。
【符号の説明】
1 大気圧センサ
1a 端子
1b 大気圧を取り込む通気孔
2 プリント基板
3 ゴムパッキン
4 センサケース
4a 突出部
5 通気孔
6 凹部
7 弾性係止具
7a フック
8,9 窓
10 スペーサ
11 外装ケース
12 モールド部
12a 表面
13 防水チューブ
14 孔
15 センサケース内空間
Claims (1)
- 大気圧センサにより検出した大気圧を制御条件の1つとして内燃機関用点火装置及び燃料噴射装置の少なくとも一方を制御する制御回路の構成部品を前記大気圧センサと共に実装したプリント基板と、前記プリント基板に対して固定されて前記大気圧センサを内部に収容したセンサケースと、前記プリント基板を前記センサケースと共に収容した外装ケースとを備え、前記外装ケース内に絶縁樹脂が注型されてモールド部が形成されている内燃機関用制御ユニットにおいて、
前記モールド部はその表面が前記大気圧センサに設けられて大気圧を取り込む通気孔の開口端のレベルよりより下に位置して前記大気圧センサの下部を覆って設けられていることを特徴とする内燃機関用制御ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003128109A JP2004332595A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 内燃機関用制御ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003128109A JP2004332595A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 内燃機関用制御ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004332595A true JP2004332595A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33504378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003128109A Pending JP2004332595A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 内燃機関用制御ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004332595A (ja) |
-
2003
- 2003-05-06 JP JP2003128109A patent/JP2004332595A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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