JP2005306986A - ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005306986A
JP2005306986A JP2004125261A JP2004125261A JP2005306986A JP 2005306986 A JP2005306986 A JP 2005306986A JP 2004125261 A JP2004125261 A JP 2004125261A JP 2004125261 A JP2004125261 A JP 2004125261A JP 2005306986 A JP2005306986 A JP 2005306986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colorant
polyolefin resin
pigment
polyolefin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004125261A
Other languages
English (en)
Inventor
Kengo Imai
健吾 今井
Tatsuya Nozaki
達矢 野崎
Kazuhiro Kabasawa
一弘 樺澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd filed Critical Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2004125261A priority Critical patent/JP2005306986A/ja
Publication of JP2005306986A publication Critical patent/JP2005306986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】
従来よりフラッシング法により得られる着色剤は、ナチュラル樹脂との着色成形で顔料分散性に富んだ製品が容易に得られることから、盛んに使用されている。 しかし、該着色剤の製造では、溶融混練装置が大きく製造操作も容易でない欠点があり、改善が求められている。
そこで本発明では、ポリオレフィン系樹脂に顔料を一定層流の周速度により混合攪拌するのみで、従来法のフラッシング法で製造のマスタ−バッチに匹敵する顔料分散性に富んだポリオレフィン系樹脂用着色剤とその造法を開発したのである。
【解決手段】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂に顔料を加えた混合物を、攪拌羽根の先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、該ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下で層流混合して得ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用着色剤及び製造方法を開発したのである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高速型混合機を用いポリオレフィン系樹脂と顔料を一定層流状態で高速混合することにより、従来品には見られない顔料分散性に富んだ着色力の優秀なポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法に関するものである。
従来より、樹脂用着色剤は、予め有機顔料や無機顔料を金属石鹸や樹脂ワックス類等を分散剤として配合して得られるドライカラ−、着色剤(マスタ−バッチ)、着色ペレット(カラ−コンパウンド)等が汎用されている。
有機顔料や無機顔料等の単独使用では、それ自体は微粒子であるが包装、運搬、貯蔵の際に凝集を生じ易く巨大な粒子に成長し易いという性質があり、一旦凝集が起こると通常の着色されるべきポリオレフィン系樹脂とブレンドする工程のみではこの凝集はほぐれず、従って着色されるべきポリオレフィン系樹脂中への分散が悪くなり、かかる着色剤配合のポリオレフィン系樹脂組成物から得られる着色成形品にはカラ−スペック、カラ−ストリ−ク等を生じて、品質が不安定となって好ましくない。
そこで、有機顔料や無機顔料等の性質を考慮した樹脂用着色剤としては、一般にドライカラ−、カラ−マスタバッチ等の形態で製造・使用されている。
ドライカラ−は、顔料にステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を混合機を用い、配合処理した粉末状着色剤であり、製造が容易な樹脂用着色剤として使用されている。
しかし、ドライカラ−は、製品として包装の仕方、包装品の貯蔵状態、貯蔵期間、季節等によって影響を受け凝集を生じ易く巨大な粒子に成長し易いという性質があり、これを防ぐことは困難なことである。
更に、ドライカラ−を使用したポリオレフィン系樹脂の着色成形では、ドライカラ−自体が飛散性大であり作業性が悪く取扱も容易でない。また、ポリオレフィン系樹脂の着色成形では、被着色樹脂に均一に混合することが困難であり、顔料の分散不良が起こり着色むらを生じ易いという欠点がある。
具体的には、樹脂の着色成形の際に、混合機・成形機周辺の汚れ、作業者の汚れ、粉塵の吸い込みが問題となり、労働安全衛生上からも成形の際には細心の注意をもって作業を行うことが必要になっている。
一方、マスタ−バッチは、従来、顔料分散性を付与するためにエチレンビスアマイド、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等低分子量樹脂ワックスを分散剤として、顔料粉末と配合したものが製造されている。
該マスタ−バッチを製造する際には、顔料粉末と分散剤を、ロ−ル、ニ−ダ−、押出機等の高剪断力により混練して顔料の分散を図っているが、一旦乾燥した顔料粉末は粗大な二次凝集粒子として存在し易く、これら粗大粒子を改めて微細な粒子にして分散することは非常に困難である。しかも、有機顔料の場合には、吸油量が大であるため更に高濃度微分散が困難である。
従って、上記製造法で得られたマスタ−バッチでは、ポリオレフィン系樹脂を10数ミクロン径で高速紡糸したり、フィルム化するなど高度な顔料分散性が求められる場合には、顔料分散不良による糸切れ、溶融紡糸機のフィルタ−の目詰まり、フイルムでの成形不良を起こし易い欠点がある。
更に、近年、水を分散剤として使用した所謂フラッシング法による着色剤の製造法、即ち担体樹脂と粉末顔料を加熱混練する際に水を加えることで、粉末顔料の凝集体に水分が浸透・破壊して得られる顔料合成時に近い粒径の顔料を担体樹脂中に配合した、分散性の良好な着色剤が得られるフラッシング法によるマスタ−バッチが盛ん商品化されている。
この様にして得られるフラッシング法のマスタ−バッチは、被着色樹脂を用いて着色成形の際の操作性が容易であり、顔料分散性の優れた成形品が製造可能であり、市場での技術信頼度が最も優れた着色剤としての地位が確立されている。
しかし、フラッシング法によるマスタ−バッチの製造は、他の着色剤の製造工程に比べ、製造ライン及び作業が複雑であり、製造コストも著しく高価になっている。
また、マスタ−バッチの製造では、製造ライン及び製造作業が複雑であるため、顔料品種の交換や色替えに変更することに多くの時間を要し、生産ラインの変更は容易でない欠点がある。
しかも、フラッシング法によるマスタ−バッチの製造では、混練→練肉→賦形工程と製造ラインが複雑で、それぞれで熱履歴をうけることが多く、担体樹脂自体も熱劣化を生じ、着色に際して被着色樹脂の物性を低下させる欠点がある。
鈴木茂、堤和男監修「プラスチック用着色剤カラ−コンパウンド」 グレ−スラボラトリ出版 1990年 特開平06−143253号 特開平07−233275号 特開昭53−36537号 実願昭50−41574号
上記の非特許文献1では、マスタ−バッチが、ドライカラ−に比較し顔料分散性に優れていることが記載されている。
更に、特許文献1及び2では、マスタ−バッチとして使用する分散剤として、エチレンビスアマイド、ポリエチレンワックス又はポリプロピレンワックス等低分子量樹脂ワックス類を使用する方法と、水を主成分とするフラッシング法によるマスタ−バッチの製法が記載されており、分散剤に水を使用して得られるマスタ−バッチが、顔料分散性が非常に良好であると述べられている。
しかし、特許文献3にも記載の通り、フラッシング法によるマスタバッチの製法は、製造に高度な技術を持つ混練装置が必要であり、製造方法も複雑となり、このため顔料銘柄や色替えの交換に多くの時間を要し、マスタ−バッチ製品の迅速な生産には、不向きな製法である。
そこで本発明者らは、ドライカラ−を製造の際に使用する混合機についての攪拌条件を特定することで、マスタ−バッチと同等の顔料分散性に富み、しかも、ドライカラ−製造と同様な生産方法で容易に、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を製造することを検討したのである。
従来より、ポリオレフィン系樹脂と添加剤の混合(配合)では、縦型円筒形の混合機として最も汎用な混合機であるヘンシェルミキサ−が使用されているが、同装置の混合攪拌では混合物が、(イ)容器側面に沿い一定周速度で攪拌されながら容器内側面に沿い持ち上げられた後に、(ロ)容器側面上部まで持ち上げられた混合物は、上部より容器底面に落下するというサイクルによる混合操作が連続して行われている。
即ち、ヘンシェルミキサ−では、混合速度が(イ)及び(ロ)の2種類から構成されており、一定方向への層流によって混合するのでなく、乱流を繰り返すことに混合が行われており、複数段の多段羽根のうち各段の攪拌羽根の間は、それぞれの攪拌羽根の流動能力によりほぼ層流状な流動が満足に行われている。
この事実は、非特許文献2でも、最上段の攪拌羽根より上面では攪拌により作り出された空気流のために混合物が浮遊した状態になり層流状流動化が悪くなっていると、記載されている。
そこで、本発明者は、混合条件を一定スピ−ド以上の層流からなる周速度を発揮する高速型混合機を用い混合することを検討した処、ポリオレフィン系樹脂に分散剤を使用せず顔料を直接配合することでも、透明性、機械的物性等に優れたポリオレフィン系樹脂用着色剤が得られることを知見し、本発明品を完成したのである。
即ち、請求項1では、ポリオレフィン系樹脂及び顔料を、攪拌羽根の先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、該ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下で層流混合して得ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用着色剤を開発したのである。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂(担体樹脂)は、着色成形の際に使用するナチュラル樹脂(被着色樹脂)と同一のものを使用しても良く、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。
特に、ポリオレフィン系ポリオレフィン系樹脂について詳細に記述すると、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、プロピレン単独重合体等が挙げられる。
本発明で使用の顔料とは、従来より汎用されている有機顔料及び無機顔料であれば良く、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリレン系等有機顔料、及び酸化チタン、カ−ボンブラック、弁柄、群青等無機顔料が挙げられる。
本発明では、ポリオレフィン系樹脂及び顔料を、攪拌羽根の先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が周速度8m/sec以上で一定方向に層流可能な混合機を用い、混合分散する際に使用するポリオレフィン系樹脂の軟化点(JIS−K−7206に準拠し測定)以下で混合攪拌する。尚、該軟化点以上で攪拌分散すると、顔料のポリオレフィン系樹脂への均一な分散物が得られず、好ましくない。
本発明では、ポリオレフィン系樹脂及び顔料を、攪拌羽根先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり、8m/sec以上の一定層流状の周速度を持った混合機を用い混合分散することによって、本発明の顔料分散性に優れた効果を発揮するポリオレフィン系樹脂用着色剤が得られることを知見したのである。尚、使用する顔料の平均粒径は、樹脂の着色の際に汎用されているものを使用するれば良い。
本発明に於いて使用の混合機は、8m/sec以上で一定方向へ層流状の周速度を発揮するものとして、数種類の混合機が挙げられるが、最も汎用な装置として米国特許3266738号に基づくもので米国 DRAISWERKE社製のモデルGシリ−ズ装置、同モデルGSシリ−ズ装置が挙げられる。
これらの混合機(装置)は、いずれも攪拌軸及び円筒形の槽を基盤に対して横向きに設置した所謂横型ミキサ−であり、層流状(一定スピ−ド)の周速度が容易に得られる。
更に、該モデルGシリ−ズの混合機では、投入口が混合機上部に設置されたホッパ−型であり、最初から8m/sec以上の一定スピ−ドの周速度が容易に得られ好ましい。
尚、攪拌軸及び円筒形の槽が基盤(地面)に対し縦型である縦型ミキサ−の場合でも、8m/sec以上の一定スピ−ドの周速度が得られる様に設計されたものであれば良く、例えば、ヘンシェルミキサ−の様な筒形槽が縦に設置された場合でも、円筒槽の内側面のみに沿った攪拌を使用したもので一方向の層流攪拌ができれば、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、容易に得られるものである。
請求項1で記載の周速度は、ポリオレフィン系樹脂に対して顔料を加えた混合物を、混合機の周速度を8m/sec以上に限定することで、顔料分散性に優れた本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤が容易に得られる。しかし、周速度が8m/secより小さいと本発明が必要とする満足な攪拌効果が得れず、本発明の顔料分散性に富んだポリオレフィン系樹脂用着色剤は得られない。
尚、本発明品のポリオレフィン系樹脂用着色剤製造に適した混合機として周速度が90m/secより大きい市販品は見当たらない。
本発明で使用の高速型混合機は、攪拌羽根先端部と円筒状壁面との間隔が3〜30mmの間隔であり、攪拌羽根は、複数段から構成されものが好ましい。該間隔が3mmより狭いと攪拌混合の際にポリオレフィン系樹脂に顔料を加えた混合物に凝集を生じ混合が困難となり好ましくない。また、30mmより広いと均一配合が十分に行われず、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤が得られない。
請求項1で記載の周速度に特定して得られた本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤には、従来から分散剤として使用のエチレンビスアマイドや、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等低分子量樹脂ワックス等の分散剤を全く配合せずに、これら樹脂用着色剤に劣らぬ顔料分散性を提供するものである。
しかも、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、着色成形品の製造でも長時間操業しても何ら物性変化を生じない耐熱性に良好なポリオレフィン系樹脂用着色剤を提供するものである。
従って、本発明品は、上記の特徴を生かして各種成形品の用途に使用可能であり、特に紡糸やフィルム成形品として最適である。
本発明品は、分散剤使用した場合に発生する耐熱性や耐候性等の低下の心配も全く心配の必要がない。
請求項2は、ポリオレフィン系樹脂に顔料を加えた混合物を、攪拌羽根の先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、該ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下で層流混合して得ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用着色剤の製造方法を開発したのである。
請求項2記載のポリオレフィン系樹脂用着色剤の製造法では、請求項1記載混合機の攪拌槽内で回転する攪拌羽根の先端速度(周速度)を請求項1と同様に8m/sec以上に特定することで、分散に優れた効果が発揮されて、従来法でのポリオレフィン系樹脂と添加剤をヘンシェルミキサ−等装置により乱流混合した場合に比較して、少量の顔料の配合により顔料分散性富んだポリオレフィン系樹脂樹脂用着色剤が、容易に製造できるものである。
請求項3は、請求項1記載のポリオレフィン系樹脂と顔料の混合割合が、最も好ましい条件である100:2〜100:60の割合に限定したポリオレフィン系樹脂用着色剤である。
該ポリオレフィン系樹脂用着色剤での顔料混合割合は、従来より市販されている有機顔料含有の高濃度品の製造も可能であることを示すものであり、品質も従来製品に劣らぬ優れた製品が、簡便な混合攪拌のみで容易に得られるものである。
即ち、ポリオレフィン系樹脂100部に対し顔料を2〜50部配合しているが、この限定は本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤製品として、従来品(フラッシング法製品)に全く劣らぬ顔料分散性、着色力等を発揮する範囲として定めたものである。
勿論、請求項3に記載の範囲であるポリオレフィン系樹脂と顔料の混合割合が、100:2〜100:60の範囲外でも、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、各種用途に使用可能な製品を提供するものである。
請求項3のポリオレフィン系樹脂用着色剤の製造は、混合機の条件として、請求項1記載の通り混合物が周速度8m/sec以上で一定方向に層流回転する装置で良い。
請求項4は、請求項1又は3記載の顔料が、有機顔料及び無機顔料からなるポリオレフィン系樹脂用着色剤である。
本発明では、攪拌槽内で回転する攪拌羽根先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、有機顔料と無機顔料を混合したポリオレフィン系樹脂用着色剤の製造では、非常に顔料分散性が向上しており、請求項3記載の範囲数値より高濃度でも優れた製品が容易に得られる。
請求項5は、請求項1、3又は4記載のポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンであるポリオレフィン系樹脂用着色剤である。
本発明で得られる請求項5記載のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、紡糸やフイルムの製造でも、長時間操業でも何ら支障を生じない作業性に富んだ製品を提供するものである。
請求項6は、請求項1、3又は4記載のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂用着色剤である。
本発明品は、従来よりポリプロピレン樹脂の着色に使用の着色剤にかえて、十分に使用できるものである。
請求項7は、請求項1、3、4、5又は6記載のポリオレフィン系樹脂用着色剤を用いて得られる成形品である。
本発明品は、請求項5及び6にも記載の通り、広範囲の用途で使用可能である着色剤を提供するものである。
本発明で得られる請求項5記載のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、紡糸やフイルムの製造でも、長時間操業でも何ら支障を生じない作業性に富んだ製品を提供するものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤には、その特徴を損なわない程度で各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤等安定剤を配合しても良い。また、剛性、耐熱性等を向上するために必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム等を配合しても良い。
以上の通り、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、高速型混合機を用いてポリオレフィン系樹脂と顔料を一定層流状態で混合攪拌するのみで、下記に示す実施例1〜10について表1測定結果にも記載の通り、実施例1〜10のポリオレフィン系着色剤は、物性が優れており、従来のフラッシング法で得られるマスタ−バッチに匹敵する顔料分散性に富んだ着色剤が容易に得られる技術を確立したのである。
しかも、本発明の製造操作は、従来から行われているフラッシング法に比較し非常に簡便であり、小ロット製造が容易で、製造の合理化に大いに貢献するものである。
そして、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を用いて、容器やフィルム成形品を製造した場合にも、顔料分散性に富み、引張り強度等が優れた各種製品が容易に得られるものである。
更に、本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤は、フラッシング法マスタ−バッチでの重要な用途である、紡糸や高級フィルムの用途に使用可能なな樹脂用着色剤を提供するものである。
高速型混合機攪拌羽根先端の周速度を8m/sec以上とすることで、顔料分散性に優れたポリオレフィン系樹脂用着色剤及び製造法を確立したのである。
以下に実施例及び比較例を記載する。尚、重量部は部と記載する。
実施例1
攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を10mmに調節した容量5リットルの横型高速型混合機(米国DRAISWERKE社製:G5シリ−ズ)のホッパ−口より、MFR5g/10分(JIS-K-7210に準拠)、軟化点100.2℃(JIS-K-7206に準拠)の低密度ポリエチレンペレット(宇部ポリエチレン社製商品:F522N、3mm径ペレット)を100部、及びフタロシアニンブル−(C.I.Pigment Blue15:1)45部を投入して、回転羽根の先端速度を10m/secとして5分間攪拌し混合分散して、粉末状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
該ポリオレフィン系樹脂用着色剤について、次に示す(a)グリッド個数の測定と(b)昇圧試験の測定を行い、その結果表1にも記載の非常に優れた製品が得られた。
該着色剤について、下記に記載の(a)グリッド個数の測定と(b)昇圧試験の測定を行い、その結果を表1に記載する。尚、実施例2〜10及び比較例1〜5についても、同様に(a)と(b)を測定し、その結果を表1に記載する。
(a)グリッド個数の測定
試料について厚さ30μmのインフレションフイルムを作成し、容積10cc中のフィルムに存在する0.1mm以上のグリット個数を測定する。
その結果について、次の基準で顔料分散性の評価を行った。
○‥‥‥10個/cm未満であり、あらゆる用途に使用可能である
△‥‥‥10個/cm〜50個/cm未満であり、分散性が若干劣りフイルムなどの 薄物には不適当である。
×‥‥‥50個/cm以上であり、使用不可能
(b)昇圧試験の測定
スクリュ−径15mm単軸押出機の先端に325メッシュの金網を装着し、試料1kgを
押出し、金網の目詰まり状態をダイス部での圧力上昇値(MPa)を測定する。
実施例1で得られたポリオレフィン系樹脂用着色剤に、上記(a)及び(b)の測定結果からは、比較例4のフラッシング法と変わらぬ着色剤(マスタ−バッチ)が容易に得られる事実を証明している。
実施例2
攪拌羽根が上下2段からなり攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を10mmに調節しており、下段攪拌羽が底部材に平行に取り付けられた容量1リットルの縦型円筒槽である攪拌羽根が2段からなる実験用高速型混合機(以後ラボミキサ−と称する)を用い、周速度26m/secに調節一定層流で5分間攪拌混合した以外は実施例1同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例3
実施例1で使用の高速型混合機の周速度を40m/secとした以外は、実施例1同様の操作により、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例4
実施例1で使用の高速型混合機の周速度を90m/secとした以外は、実施例1同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例5
実施例1で使用の高速型混合機の攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を5mmに調節した以外は、実施例1同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例6
実施例1で使用の高速型混合機の攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を28mmに調節した以外は、実施例1同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例7
実施例1において使用の低密度ポリエチレンをMFR7g/10分、軟化点115℃の線状低密度ポリエチレンに代える以外は、実施例1と同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例8
実施例1において使用の低密度ポリエチレンをMFR19g/10分、軟化点155.9℃のポリプロピレン(出光石油化学株式会社製J2000GP)に代える以外は、実施例1と同様にして、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
実施例9
実施例1で使用の高速型混合機を用いて、MFR30g/10分間、軟化点100.2℃の低密度ポリエチレン(宇部ポリエチレン社製商品:F522N、3mm径ペレット)100部、及び、カ−ボンブラック(比表面積140m/g、粒子径19mm、給油量114cc/100g)40部を、周速度40m/secとして5分間攪拌分散して、塊状である本発明のポリオレフィン系樹脂用着色剤を得た。
比較例1
実施例1で使用の高速型混合機の攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を2mmに調節した以外は、実施例1と同じである。
比較例2
実施例1で使用の高速型混合機の攪拌羽根の先端部と攪拌槽内面の間隔を35mmに調節した以外は、実施例1と同じである。
比較例3
実施例1で使用の高速型混合機の攪拌羽根先端部における周速度を6m/secとする以外は、実施例1と同じである。
比較例4
ACポリエチレン6A(アライドケミカル&ダイコ−ポレション社製)100部、フタロシアニンブル−(CIピグメントブル−15:1)10部、及び蒸留水50部をニ−ダ−に仕込み加熱混練した後、水分を蒸発させて得られた混合物を3本ロ−ルを用い混練して、フラッシング法によるカラ−マスタ−バッチを得た。
比較例5
比較例4で使用のACポリエチレン6A100部とフタロシアニンブル−10部を予備混合した後に、ニーダーに代えて3本ロ−ルを用いて、加熱混練してカラ−マスタ−バッチを得た。
以上の通り、本願発明のポリオレフィン系着色剤の製造法は、実施例2〜9でも記載の通り、従来のフラッシング法に比較して簡便な装置で容易に製造され、しかも、得られた着色剤はフラッシング法で得られる着色剤となんら変わらぬポリオレフィン系樹脂用着色剤が容易に得られるものである。
Figure 2005306986

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂及び顔料を、攪拌羽根先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、該ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下で層流混合して得ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用着色剤。
  2. ポリオレフィン系樹脂及び顔料を、攪拌羽根先端部と攪拌槽内壁面との間隙が3〜30mmであり回転する攪拌羽根の先端速度が8m/sec以上を有する高速型混合機を用い、該ポリオレフィン系樹脂の軟化点以下で層流混合して得ることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用着色剤の製造方法。
  3. 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂と顔料の混合割合が、100:2〜100:60であるポリオレフィン系樹脂用着色剤。
  4. 請求項1又は3記載の顔料が、有機顔料及び無機顔料からなるポリオレフィン系樹脂用着色剤。
  5. 請求項1、3又は4記載のポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンであるポリオレフィン系樹脂用着色剤。
  6. 請求項1、3又は4記載のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンであるポリオレフィン系樹脂用着色剤。
  7. 請求項1、3、4、5又は6記載のポリオレフィン系樹脂用着色剤を用いて得られる成形品。
JP2004125261A 2004-04-21 2004-04-21 ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法 Pending JP2005306986A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004125261A JP2005306986A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004125261A JP2005306986A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005306986A true JP2005306986A (ja) 2005-11-04

Family

ID=35436119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004125261A Pending JP2005306986A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005306986A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5337762A (en) * 1976-09-21 1978-04-07 Toyo Ink Mfg Co Process and apparatus for continuous production of thermoplastic resin composition for molding
JPS55104638A (en) * 1978-11-21 1980-08-11 Carlew Chem Ltd Method of mixing material* which can be mixed by means of strong batch mixer* in controlling shape and device for executing said method
JPS6056513A (ja) * 1983-09-02 1985-04-02 シナージスティクス イドダストリーズ リミテッド 充填密度の大きい重合樹脂ブレンドを製造する方法
JPH06143253A (ja) * 1992-11-02 1994-05-24 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 着色樹脂組成物及びその製造方法
JPH07233275A (ja) * 1994-02-25 1995-09-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物の製造方法および着色用樹脂組成物
JP2000344897A (ja) * 1999-06-01 2000-12-12 Sumika Color Kk 着色用マスターバッチおよびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5337762A (en) * 1976-09-21 1978-04-07 Toyo Ink Mfg Co Process and apparatus for continuous production of thermoplastic resin composition for molding
JPS55104638A (en) * 1978-11-21 1980-08-11 Carlew Chem Ltd Method of mixing material* which can be mixed by means of strong batch mixer* in controlling shape and device for executing said method
JPS6056513A (ja) * 1983-09-02 1985-04-02 シナージスティクス イドダストリーズ リミテッド 充填密度の大きい重合樹脂ブレンドを製造する方法
JPH06143253A (ja) * 1992-11-02 1994-05-24 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 着色樹脂組成物及びその製造方法
JPH07233275A (ja) * 1994-02-25 1995-09-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd 着色用樹脂組成物の製造方法および着色用樹脂組成物
JP2000344897A (ja) * 1999-06-01 2000-12-12 Sumika Color Kk 着色用マスターバッチおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3778288A (en) Methods for preparing master batches of additive concentrates
CN108485245B (zh) 一种通用性黑色母粒及其制备方法
US3449291A (en) Colored polymer powders
US6566432B2 (en) Coloring resin composition and molded articles
US5604279A (en) Colorant preparation for producing masterbatches
US20030022978A1 (en) Dispersion of pigments in polyolefins
JPS6323961A (ja) 熱可塑性重合体有機媒体中の微粒状固体の分散液からなる組成物
CN102216374B (zh) 合成树脂着色用母料
JP4455948B2 (ja) 熱可塑性樹脂用カラーマスターバッチとその製造方法
US3462390A (en) Color concentrates
JP2008524418A (ja) 架橋されているpbt粒子の製造方法
EP2173793B1 (en) Masterbatch preparation process
JP4758628B2 (ja) 顔料分散樹脂とそれを用いたカラ−マスタ−バッチ
JP2005306986A (ja) ポリオレフィン系樹脂用着色剤とその製法
JPH09241390A (ja) 樹脂着色剤の製造方法
JP4758631B2 (ja) 顔料分散用樹脂とそれを用いたカラ−マスタ−バッチ
CN103289174A (zh) 通用性广的炭黑母粒、制备系统装置及其制备方法
JP5223165B2 (ja) ポリプロピレン樹脂用着色樹脂組成物及び着色樹脂成形品
JP2006160976A (ja) 顔料配合用樹脂とそれを用いたカラ−マスタ−バッチ
JP2011168725A (ja) 顔料分散剤、着色剤組成物、及び着色熱可塑性樹脂の製造方法
JPH0925447A (ja) 充填剤含有着色マスターバッチ
JP3698470B2 (ja) 加工顔料及びカラ−マスタ−バッチの製造方法
CN209699646U (zh) 一种色母粒干燥机
JPS6239208A (ja) 原着ポリエステルマスタ−ポリマ−の製造法
JP3152047B2 (ja) 着色用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070412

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090904

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091111

A02 Decision of refusal

Effective date: 20101130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02