JP2005306947A - ポリエーテルの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産性を上げ、吸着剤使用量を低減するポリエーテルの精製方法を提供する。
【解決手段】 塩基性触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキシド(c)を付加重合して得られる粗ポリエーテル(d)を下記(1)(2)の順に処理することを特徴とする粗ポリエーテルの精製方法である。
(1)粗ポリエーテルに水を添加混合し、加熱し、アルカリ吸着剤を添加混合した後ろ過する。
(2)ろ過した粗ポリエーテル(e)を酸でpHを4〜8に調製した後、酸吸着剤及び又はアルカリ吸着剤を添加混合し、さらにろ過、脱水を行う。
【選択図】 なし

Description

本発明は粗ポリエーテルの精製方法に関する。詳しくは特に塩基性重合触媒を含む粗ポリエーテルの精製方法に関する。
通常、ポリエーテルは水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下に、活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる。例えば、アルキレンオキサイドとしてプロピレンオキサイドを使用する場合、塩基性触媒の使用量は粗ポリエーテルに対して0.1〜0.5重量%であるが、これらの塩基性触媒がポリエーテル中に残存するとポリウレタン樹脂、化粧品原料、界面活性剤、潤滑剤等に悪影響を及ぼすため、塩基性触媒を除去する必要がある。従来、除去する方法としては、酸性物質で塩基性触媒を中和し、生成した中和塩をろ過する方法(例えば、特許文献1)、固体吸着剤に塩基性触媒を吸着ろ過する方法(例えば、特許文献2)等が提案されている。
特公昭38−207442号公報 特公昭52−10018号公報
しかしながら、最初の方法では濃度の高い酸をそのまま添加するとポリエーテルが焼け品質劣化を起こすので、水で希釈して添加する必要があるが、場合によっては生成する中和塩は細かい結晶もしくは一部水に溶解するため、ろ別する際、生成した塩類の除去が不十分であったり、ろ過助剤を用いたとしてもろ過フィルターを閉塞させてしまい、ろ過に多大の時間を要し生産性を低下させるという問題がある。後者の方法では、固体のアルカリ吸着剤は、アルカリ濃度が高いところでは高吸着性を示すが、アルカリ濃度が低いところでは吸着平衡に達し、水分量や温度条件を変えても、その吸着能力が10%も発揮されない。従って、多くの吸着剤量を必要とし、ろ過にも多くの時間を要しコスト高になったり生産性を低下させたり、ポリエーテルの収率が減少するという問題がある。
生産性を上げ、吸着剤使用量を低減するポリエーテルの精製方法が強く望まれている。
本発明者等は、粗ポリエーテルの精製方法について鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は塩基性触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキシド(c)を付加重合して得られる粗ポリエーテル(d)を下記(1)(2)の順に処理することを特徴とする粗ポリエーテルの精製方法である。
(1)粗ポリエーテルに水を添加混合し、加熱し、アルカリ吸着剤を添加混合した後ろ過する。
(2)ろ過した粗ポリエーテル(e)を酸でpHを4〜8に調製した後、酸吸着剤及び又はアルカリ吸着剤を添加混合し、さらにろ過、脱水を行う。
本発明の粗ポリエーテルの精製方法は、従来のものと比較して、簡便、短時間で精製でき、また吸着量を大幅に低減できるので廃棄物も少ない。さらに、得られるポリエーテルは酸化劣化が少なく且つ残存アルカリ、中和塩、酸の含有量がいずれも少なく高純度のものである。
本発明において塩基性触媒(a)としては、アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等)、アルカリ金属アルコラート(カリウムメチラート、ナトリウムメチラート等)、アルカリ金属単体(金属カリウム、金属ナトリウム等)、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコラートである。
活性水素含有化合物(b)は、アルキレンオキサイドとの反応によって環状エーテル開環付加体を生成するものであれば制限はないが、例えば、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物、リン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、これら活性水素含有化合物に上記の環状エーテルを付加したものも活性水素が存在する限りイニシエーターとして使用することができる。
水酸基含有化合物としては、水、1価のアルコール、2〜8価の多価アルコール、フェノール類、2〜8価の多価フェノール類等が挙げられる。
具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノールなどの1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖等の4〜8価のアルコール;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ピロガロール、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体、ポリビニルアルコール類などの多官能(2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、ポリブタジエンポリオールとしては、1,2−ビニル構造を有するもの、1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造とを有するもの、及び1,4−トランス構造を有するものが挙げられる。1,2−ビニル構造と1,4−トランス構造の割合は種々にかえることができ、例えばモル比で100:0〜0:100である。またポリブタジエングリコ―ル(4)にはホモポリマ―およびコポリマ―(スチレンブタジエンコポリマ―、アクリロニトリルブタジエンコポリマ―等)、並びにこれらの水素添加物(水素添加率:例えば20〜100%)が含まれる。
また、ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油及び変性ひまし油(トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールで変性されたひまし油等)が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、アミン類、ポリアミン類及びアミノアルコール類があげられる。具体的には、アンモニア、炭素数1〜20のアルキルアミン類(ブチルアミン等)、アニリン等のモノアミン類;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン及びその他特公昭55−21044号公報記載の複素環式ポリアミン類;ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエ−テルジアミン、ポリフェニルメタンポリアミンなどの芳香族ポリアミン;およびモノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン、トリエタノ―ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン等のアルカノ―ルアミン類;ポリアミドポリアミン[例えばジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン];ポリエーテルポリアミン[ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物];シアノエチル化ポリアミン[例えばアクリロニトリルとポリアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミン、例えばビスシアノエチルジエチレントリアミン等];ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジッド、イソフタル酸ジヒドラジッド、テレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン類(ブチルグアニジン、1−シアノグアニジン等);及びジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。アミノアルコール類としては、アルカノールアミン類、例えばモノ−、ジ−及びトリ−のアルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等);これらのアルキル(C1〜C4)置換体〔N,N−ジアルキルモノアルカノールアミン(N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等)、N−アルキルジアルカノールアミン(N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等)〕;及びこれらのジメチル硫酸あるいはベンジルクロリド等の4級化剤による窒素原子4級化物があげられる。
カルボキシル基含有化合物としては、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族モノカルボン酸;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸;コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
チオール基含有化合物のポリチオール化合物としては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,3−ブチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1、6−ヘキサンジチオール、3−メチルペンタンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸、ホスホン酸等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは水酸基含有化合物であり、より好ましいものは多価アルコールであり、特に好ましいものはプロピレングリコ−ル、グリセリンである。
アルキレンオキサイド(c)としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びスチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち好ましいものはプロピレンオキサイドである。
活性水素含有化合物(b)へのアルキレンオキサイド(c)の付加モル数は、活性水素1モルに対して好ましくは1〜300モル、より好ましくは10〜250モル、特に好ましくは20〜160モルである。
(c)を付加する方法は、単独付加、二種以上の(c)を用いる場合のランダム付加、ブロック付加等が挙げられるが限定はない。好ましくは単独付加である。
塩基性触媒(a)の使用量は粗ポリエーテルに対して、好ましくは0.1〜0.5重量%であり、より好ましくは0.1〜0.3重量%である。
付加反応は、上記のいずれのアルキレンオキサイドを付加する場合においても、温度は好ましくは80〜160℃、圧力は好ましくは0〜0.5MPa、反応時間は好ましくは3〜10時間で行うことができる。
このようにして得られる粗ポリエーテルは、塩基性触媒(a)を好ましくは0.1〜0.5重量%含むことになる。
この粗ポリエーテルに対して前記の(1)(2)の順序で精製を行う。
最初の段階は(1)粗ポリエーテルに水を添加混合し、加熱し、アルカリ吸着剤を添加混合した後ろ過する工程である。
(1)で添加する水の量は粗ポリエーテル(d)に対して好ましくは1.0〜5.0重量%であり、より好ましくは1.5〜2.5重量%である。1.0重量%以上であるとポリエーテルのアルコラートを十分加水分解することができ、吸着能力が低下したり吸着時間が大幅に増加することがない。5.0重量%以下であると、水がポリエーテル中に十分溶解でき2層分離せず、吸着能力が低下したり吸着時間が大幅に増加することがない。また、処理前には不活性ガスを通じ、気相酸素濃度を0.1vol%以下とすることが好ましい。気相酸素濃度が0.1vol%以下であるとポリエーテルが酸化されにくく過酸化物価が上がらず、アルデヒドが生成しにくい。また、アルカリ金属水酸化物は二酸化炭素によって炭酸塩となり合成珪酸マグネシウムに吸着されず溶出するが、気相酸素濃度が低いとこのようなことは起こりにくい。
加熱温度は80〜98℃が好ましく、より好ましくは90〜95℃である。80℃以上であると吸着速度が速くなり、98℃以下であると水が揮発しにくく好ましい。加熱時間は80〜98℃に到達すればよく、1〜5分で十分である。
その後添加混合するアルカリ吸着剤としては、合成珪酸マグネシウム(例えば、キョーワード600、キョーワード612S<いずれも協和化学工業社製>)、合成珪酸アルミニウム(例えば、キョーワード700<協和化学工業社製>)が好ましい。また、その平均粒子径は10〜30μmのものが好ましい。平均粒子径が10μm以上であるとろ過速度が速くなり、30μm以下であると吸着力が強い。アルカリ吸着剤の量は粗ポリエーテルに対して0.15〜0.30重量%が好ましい。0.15重量%以上であるとアルカリ吸着量が十分であり、0.30重量%以下であると吸着効果が十分に発揮され、ポリエーテルの収率を下げないため好ましい。上記の加熱温度での混合時間は、通常の攪拌を行った場合、5〜60分であり、好ましくは10〜30分である。(1)の処理で得られる粗ポリエーテル(e)はアルカリ濃度が0.05%以下となることが好ましく、より好ましくは0.02%以下である。
ろ過は加圧ろ過、減圧ろ過のどちらでも良いが、酸素の混入を防止しやすいので加圧ろ過が好ましい。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、紙、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル、メタアラミドなどが挙げられるが紙が好ましい。
また、フィルターの保留粒子径は0.1〜10μmのものが好ましく。さらに1〜5μmのものが好ましい。
本発明における二つ目の段階(2)はろ過した粗ポリエーテル(e)を酸でpHを4〜8に調製した後、酸吸着剤及び又はアルカリ吸着剤を添加混合し、さらにろ過、脱水を行う工程である。
(1)で得られた粗ポリエーテル(e)に、好ましくは0.01〜0.1重量%の酸を加えてpHを4〜8に調製する。好ましくは4〜7.5である。pHが4未満となるとハイドロタルサイト系吸着剤の量を多く必要とし、経済的でない。pHが8を超えると合成珪酸アルミニウム系吸着剤を多く必要とし、経済的でない。ここでpHが4〜6.5の場合には酸吸着剤を使用し、pHが6.5以上8以下の場合にはアルカリ吸着剤単独若又は酸吸着剤とアルカリ吸着剤を併用添加使用するのが好ましい。
また、pH調製の際には水分濃度が好ましくは0.5〜5.0重量%となるように水を加えて調製する。水分量が0.5重量%以上であるとハイドロタルサイト系吸着剤および合成珪酸アルミニウムの吸着効果が良好に発揮され、5.0重量%以下であると中和塩が溶出しない。
加える酸の種類は塩酸、硫酸、ホウ酸、リン酸、フッ化水素酸等の無機酸の他、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の炭素数1〜22の有機カルボン酸が挙げられる。これらのうち好ましいものは、塩酸、燐酸である。
過剰の酸吸着のために加える酸吸着剤としては、ハイドロタルサイト系吸着剤(例えば、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000等<いずれも協和化学工業社製>)等が好ましく挙げられる。酸吸着剤の量は粗ポリエーテルに対して0.05〜0.2重量%が好ましくい。ハイドロタルサイト系吸着剤の平均粒子径は10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、ろ過速度が速く生産能力がよい。100μm以下であると吸着力が低下せず、中和塩や酸が溶出しない。
未中和アルカリ吸着剤としては(1)で挙げたものの中で合成珪酸アルミニウムが好ましい。使用量は単独の場合も混合使用の場合も0.02〜0.2重量%が好ましい。併用する場合の比率は好ましくは合成珪酸アルミニウム/ハイドロタルサイト系吸着剤=10/90〜90/10である。
混合温度は80〜98℃が好ましく、より好ましくは90〜95℃である。80℃以上であると吸着速度が速くなり、98℃以下であると水が揮発しにくく好ましい。時間は5〜30分であり、好ましくは5〜20分である。
ろ過は、加圧ろ過、減圧ろ過のどちらでも良いが、酸素の混入を防止しやすいので加圧ろ過が好ましい。フィルターの材質は特に限定されない。例えば、紙、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル、メタアラミドなどが挙げられるが紙が好ましい。また、フィルターの保留粒子径は0.1〜10μmのものが好ましく。さらに1〜5μmのものが好ましい。
得られたろ液は減圧下(100kPa以下)、90〜160℃で脱水する。方法としてはバッチ式でも良いし、シャワーリング方式でも良い。
上記(1)(2)の工程を連続して行うことにより、ポリエーテル中の残存アルカリ、中和塩、酸の含有量がいずれも1ppm以下となるポリエーテルが得られる。また、本発明の方法は、酸素不存在下で行うことが好ましく、気相の酸素濃度が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下で行う。1000ppm以下であるとポリエーテルが酸化されにくくその結果着色されにくい。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
pHはJIS K1557ポリウレタン用ポリエーテル試験方法の6.9項の方法[イソルロピルアルコール/水(10/6容量比)混合液の約14vol%液]により測定した。
酸価は同JIS試験方法の6.6項の電位差滴定法により測定した。なお、実施例中の部は重量部である。
残留塩基濃度は同JIS試験方法の6.8項のCPR測定法に基づき測定し、アルカリ金属水酸化物として換算した。
製造例1
オートクレーブにグリセリン92部、水酸化カリウム8部を仕込み、窒素置換後120℃にて60分真空脱水した。次いで、100〜130℃に昇温し、プロピレンオキサイド 3,050部を約3時間で圧入し、揮発分0.1%以下(測定条件はガスクロマトグラフによる測定でも良いし、酸を反応させて未反応の酸を逆滴定することによっても測定できる。)となるまで同温度で反応を2時間続け、液状粗ポリエーテル(以下粗ポリエーテルd−1と称す)を得た。粗ポリエーテルd−1の水酸化カリウム濃度は、2,550ppmであった。
製造例2
オートクレーブにグリセリン92部、水酸化カリウム8部を仕込み、窒素置換後120℃にて60分真空脱水した。次いで、100〜130℃に昇温し、プロピレンオキサイド 2,500部を約3時間で圧入し、続いてエチレンオキサイド 550部を約2時間で圧入して、揮発分0.1%以下となるまで同温度で1時間反応を続け、HLBを上げた液状粗ポリエーテル(以下粗ポリエーテルd−2と称す)を得た。粗ポリエーテルD−2の苛性カリ濃度は、2,550ppmであった。
実施例1
粗ポリエーテル(d−1)1,000部を1.5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、15部のイオン交換水を加え、90℃にて5分攪拌し、その後、「キョーワード600」(協和化学工業社製;合成珪酸マグネシウム;平均粒子径13.8μm、Na含量1.4重量%)を2部(粗ポリエーテルに対し0.2重量%)加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行い、粗ポリエーテルe−1を得た。ろ過時間は25分であった。e−1は無色透明な外観を呈し、残留塩基濃度は302ppmであった。
次いで、粗ポリエーテルe−1に対し、0.065重量%の36%塩酸水溶液を添加し、pHを5.5とした。窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、90℃にて2分攪拌し、その後、「キューワード1000」(ハイドロタルサイト系吸着剤;協和化学社製;平均粒子径40μm)を0.1重量%加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。
次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行った。ろ過時間は15分であった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明な精製ポリエーテルを得た。精製ポリエーテルの残留塩基濃度は0.2ppm、酸価は0.001、中和塩は検出されなかった。(中和塩の測定はアルカリ金属濃度をICP発光分光分析装置により測定し、残留塩基のアルカリ分との差で求めた。)であった。吸着剤使用量は合計で粗ポリエーテルに対し、0.3重量%であった。
実施例2
粗ポリエーテルd−2 1,000部を1.5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、20部のイオン交換水を加え、90℃にて5分攪拌し、その後、「キョーワード600」を2.5部(粗ポリエーテルに対し0.25重量%)加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行い、粗ポリエーテルe−2を得た。ろ過時間は20分であった。e−2は無色透明な外観を呈し、残留塩基濃度は244ppmであった。
次いで、粗ポリエーテルe−2に対し、0.045重量%の36%塩酸水溶液を添加し、pHを5.2とした。窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、90℃にて2分攪拌し、その後、「キョーワード1000」(ハイドロタルサイト系酸吸着剤;協和化学社製;平均粒子径30μm)を0.1重量%加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。
次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行った。ろ過時間は20分であった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明な精製ポリエーテルを得た。精製ポリエーテルの残留塩基濃度は0.1ppm、酸価は0.001、中和塩は検出されなかった。吸着剤使用量は合計で粗ポリエーテルに対し、0.35重量%であった。
実施例3
実施例1と同様に残留塩基濃度302ppmの粗ポリエーテルe−1に対し、0.044重量%の36%塩酸水溶液を添加し、pHを7.5とした。窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、90℃にて2分攪拌し、その後、「キョーワード700SL」(合成珪酸アルミニウム系吸着剤;協和化学社製;平均粒子径45μm)0.05重量%と「キョーワード1000」(ハイドロタルサイト系酸吸着剤;協和化学社製;平均粒子径30μm)を0.05重量%加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。
次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行った。ろ過時間は20分であった。ろ液を130℃にて減圧(20Torr)下、1時間脱水し、無色透明な精製ポリエーテルを得た。精製ポリエーテルの残留塩基濃度は0.1ppm、酸価は0.001、中和塩は検出されなかった。吸着剤使用量は合計で粗ポリエーテルに対し、0.30重量%であった。
比較例1
粗ポリエーテルd−1 1,000部を1.5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、20部のイオン交換水を加え、90℃にて5分攪拌し、その後、「キョーワード600」(合成珪酸マグネシウム;前出)を6部(粗ポリエーテルに対し0.6重量%)加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行い、精製ポリエーテルを得た。ろ過時間は30分であった。得られた精製ポリエーテルは無色透明な外観を呈していたが、残留塩基濃度は21ppmであった。吸着剤使用量も粗ポリエーテルに対し0.6重量%であった。
比較例2
粗ポリエーテルd−2 1,000部を1.5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、20部のイオン交換水を加え、90℃にて5分攪拌し、その後、「キョーワード700」(協和化学工業社製;合成珪酸アルミニウム;平均粒子径50μm、Na含量0.04重量%)を20部(粗ポリエーテルに対し0.6重量%)加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行い、精製ポリエーテルを得た。ろ過時間は60分であった。得られた精製ポリエーテルは無色透明な外観を呈していた。残留塩基濃度は1.5ppmであった。吸着剤使用量は2重量%であった。
比較例3
粗ポリエーテルd−2 1,000部を1.5リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換により気相の酸素濃度450ppmとし、0.465重量%の36%塩酸水溶液を添加し、pHを4.9とした。その後、「キョーワード1000」(協和化学工業社製;ハイドロタルサイト系吸着剤;平均粒子径30μm)を0.1重量%加え、再度窒素置換により気相部の酸素濃度を450ppmにし、90℃にて10分、攪拌速度300rpmで攪拌した。次いで、ステンレス製加圧ろ過器(直径12.5cm、高さ9cm)を用い、No.2ろ紙(東洋濾紙社製)にて窒素下で加圧(0.1MPa)濾過を行ったが、ほとんどろ過できなかった。少量得られた精製ポリエーテルは、かすみを生じており、ICP発光分光分析により10ppmのカリウムを確認した。
本発明のポリエーテルの精製方法で得られる精製ポリエーテルは、高純度であることから、ポリウレタン発泡体、樹脂、界面活性剤、または化粧品等の原料として好適に利用できる。
















Claims (4)

  1. 塩基性触媒(a)の存在下、活性水素含有化合物(b)にアルキレンオキシド(c)を付加重合して得られる粗ポリエーテル(d)を下記(1)(2)の順に処理することを特徴とする粗ポリエーテルの精製方法。
    (1)粗ポリエーテルに水を添加混合し、加熱し、アルカリ吸着剤を添加混合した後ろ過する。
    (2)ろ過した粗ポリエーテル(e)を酸でpHを4〜8に調製した後、酸吸着剤及び又はアルカリ吸着剤を添加混合し、さらにろ過、脱水を行う。
  2. 前記(2)の酸吸着剤がハイドロタルサイト系である請求項1記載の精製方法。
  3. 前記(2)のアルカリ吸着剤が合成珪酸アルミニウム系である請求項1または2記載の精製方法。
  4. 請求項1〜3記載の精製方法で得られてなる、残存アルカリ、中和塩、酸の含有量がいずれも1ppm以下であるポリエーテル。

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