JP2005306213A - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータ停止位置及びトランスファ機構の状態が多くなった場合であっても、正確にモータ停止位置及びトランスファ機構の状態を認識すると共に、耐ノイズ性、低消費電力を実現する。
【解決手段】 位置センサ21は、モータの出力軸に対して円環状に形成されたアースパターン22と、トランスファ機構の状態に対応して電極A〜Fに区分された第1回転位置検出用電極23と、トランスファ機構の状態に対応して複数の電極a〜fに区分された第2回転位置検出用電極24を備え、第1回転位置検出用電極23の複数の電極形成位置と、第2回転位置検出用電極24の複数の電極形成位置とが、モータの出力軸を中心として所定角度ずれて形成されている。このような位置センサ21に対し、モータの第1回転位置検出用電極23に対する回転位置と、モータの第2回転位置検出用電極24に対する回転位置とを組み合わせて、トランスファ機構の駆動状態を検出する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えばパートタイム4輪駆動車に搭載され、2輪駆動と4輪駆動とを切り換えるためのアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置に関する。
従来より、2輪駆動、4輪駆動が切り換え可能な4輪駆動車が知られており、当該2輪駆動と4輪駆動との切換を行う機構を備えた技術が、下記の特許文献1にて知られている。
この特許文献1に記載されたシフト切換装置では、2輪駆動と4輪駆動とを切り換えるために、モータの回転力を切換機構のシャフトに沿った直線運動力に変換するように構成されている。これにより、従来の技術では、モータの回転角度を制御することにより、シャフト位置を変位させ、複数の駆動モード間での切換を可能としている。
このようなシフト切換装置では、エンジンの動力を車輪に伝達するトランスファ機構を有し、当該トランスファ機構に含まれる車両の前輪又は後輪とエンジンとの接続関係を切り換えて車両の駆動状態を4輪駆動状態又は2輪駆動状態に切り換える切換機構を動作させるアクチュエータを備える。このアクチュエータを制御動作させるアクチュエータ制御装置は、切換機構と弾性体を介して連結されて、車両の駆動状態を切り換える動力を発生するモータと、当該モータの動力の出力軸と連動して回転してトランスファ機構の駆動状態に相当する位置センサ信号を生成する位置センサを備える。
特開2002−276801号公報
しかしながら、上述したアクチュエータ制御装置は、トランスファ機構の状態を多くの状態で切換可能とするほど、センサの検出位置が多くなり、センサの停止位置を増設する必要があるが、センサの識別範囲が狭くなり、ノイズに対する耐性が低下してしまう。
これに対し、モータ回転角度の制御は、モータ回転軸と連動して所定位置(角度)に達するとスイッチ入力が行われるセンサを利用しており、所定位置でモータへの給電を遮断することによりモータ駆動を停止させている。したがって、2輪駆動と4輪駆動との切換を行う装置においては、モータの停止位置に対するモータの慣性力の影響を考慮し、モータ回転軸の目標停止領域をできるだけ広くするようにモータ及び切換機構を設計する必要がある。
しかしながら、上述の2輪駆動と4輪駆動との切換を行う装置を車両に搭載するためには、車両搭載スペースの制限等があり、最適なレイアウト設計が困難な場合が多く、モータの目標停止領域が狭くなる場合がある。
また、従来のセンサは、断続的に配設された配線パターンの検出位置によってトランスファ機構の状態を検出していたので、配線パターンの断線又はショートが発生すると、モータ位置の判別ができなくなってしまう。
更に、トランスファ機構の複数の状態を確実に識別するために位置センサを複数個設けると、消費電流が増加するという問題点もある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、モータ停止位置及びトランスファ機構の状態が多くなった場合であっても、正確にモータ停止位置及びトランスファ機構の状態を認識できると共に、耐ノイズ性、低消費電力を実現することができるアクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るアクチュエータ制御装置は、エンジンの動力を車輪に伝達するトランスファ機構を有し、当該トランスファ機構に含まれる車両の前輪又は後輪とエンジンとの接続関係を切り換えて車両の駆動状態を4輪駆動状態又は2輪駆動状態に切り換える切換機構を動作させるアクチュエータであって、前記切換機構に結合される出力軸と、前記出力軸に固定された固定保持手段と、前記切換機構の状態を切り換える動力を発生するモータと、前記モータによって駆動され、前記モータが発生する回転を減速する駆動ギアと、前記回転保持手段と前記駆動ギアの間に配置された弾性体と、前記駆動ギアと連動して回転し、駆動ギアの位置を指示する位置センサ信号を生成する位置センサとを有するアクチュエータ、を制御するものである。
このようなアクチュエータ制御装置において、位置センサは、前記モータの出力軸に対して円環状に形成された接地電極と、前記モータの出力軸に対して円環状に形成され、前記トランスファ機構の状態に対応して複数の電極に区分された第1回転位置検出用電極と、前記モータの出力軸に対して円環状に形成され、前記トランスファ機構の状態に対応して複数の電極に区分された第2回転位置検出用電極とを備え、前記第1回転位置検出用電極の複数の電極形成位置と、前記第2回転位置検出用電極の複数の電極形成位置とが、前記モータの出力軸を中心として所定角度だけずれて形成されている。このような位置センサに対し、アクチュエータ位置検出手段は、前記モータの前記第1回転位置検出用電極に対する回転位置と、前記モータの前記第2回転位置検出用電極に対する回転位置とを組み合わせて、前記駆動ギアの駆動状態を検出する。
本発明に係るアクチュエータ制御装置によれば、第1回転位置検出用電極及び第2回転位置検出用電極を備える位置センサを備え、当該第1回転位置検出用電極の各電極位置と第2回転位置検出用電極の各電極位置とをモータの出力軸上を中心として所定各だけずらして構成したことにより、モータ停止位置及び駆動ギアの状態が多くなった場合であっても、正確にモータ停止位置及び駆動ギアの状態を認識できると共に、耐ノイズ性、低消費電力を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成されたシフト切換装置に適用される。
[シフト切換装置の構成]
このシフト切換装置は、所謂パートタイム4輪駆動車に搭載され、必要に応じて2輪駆動と4輪駆動との間で駆動状態(シフト)を切り換える動作をする。更に詳しくは、このシフト切換装置は、2輪駆動と4輪駆動の切換軸と4輪速度切換軸をアクチュエータにより選択的に駆動して、例えば後輪のみに走行トルクを伝達する2輪高速駆動状態(2H)、ハイギアを介して前輪及び後輪に走行トルクを伝達する4輪高速駆動状態(4H)、何れの車輪にも走行トルクを伝達しない4輪中立駆動状態(N)、ローギアを介して前輪及び後輪に走行トルクを伝達する4輪低速駆動状態(4L)の4つの駆動状態のうち、何れかの駆動状態に切り換えを行う。
このシフト切換装置は、図1に示すように、エンジンにより発生させた走行トルクを変速機を介して伝達されるトランスファ1、当該トランスファ1を駆動するアクチュエータ2、アクチュエータ2により切り換えたアクチュエータ位置を検出するアクチュエータ位置検出部7、トランスファ1により切り換えたシフト位置を検出するシフト位置検出部3、アクチュエータ2の動作を制御するアクチュエータ制御用ECU(Electric Control Unit)4、アクチュエータ2を駆動させる電力を発生するバッテリ5、シフト切り換えに際してユーザに操作される操作スイッチ6を備える。
トランスファ1は、後輪出力軸及び後輪用差動機を介して後輪と接続され、前輪出力軸及び前輪用差動機を介して前輪と接続されている。このトランスファ1内には、図示しないが、被駆動軸として、2輪駆動状態と4輪駆動状態との切換軸及び4輪速度切換軸が備えられ、当該切換軸を軸方向に所定ストロークだけ移動させることにより、上記の4つの駆動状態間を遷移させる。このように、切換軸を軸方向に移動させるためのトルクは、アクチュエータ2により発生される。
このアクチュエータ2は、図2、図3及び図4に示すように構成されている。すなわちアクチュエータ2は、図2に示すように、通電により正回転又は逆回転するモータ11のアーマチュア軸12のウオーム13の回転により駆動ギア14が回転する。そして、このアクチュエータは、駆動ギア14が回転することにより、中央部に挿入された出力軸15を回転させ、当該出力軸15の回転トルクによって2輪駆動と4輪駆動の切換軸と4輪速度切換軸を軸方向に移動させる。
このようなアクチュエータ2では、その分解構成図を図3に示すように、駆動ギア14のギア本体14aの上面の同一円周上には、3つの凹状のスプリング収納部16を円弧状に且つ等間隔ごとにそれぞれ形成してある。この各スプリング収納部16には、コイルスプリングとしての円筒状の圧縮コイルスプリング17をそれぞれ収納してある。また、一方のスプリング収納部16の円周方向の両端面から他方のスプリング収納部16の円周方向の両端面間のそれぞれギア本体14aの上面から所定の深さに至るまでスリット18が形成してある。この各スリット18は、回転保持板19に設けた各スプリング押圧部19bとの干渉を防止する。
図4に示すように、回転保持板19の中央には、平面略小判状の出力軸15の取付孔19aを形成してあると共に、該回転保持板19の外周縁の下面には等間隔ごとに下方に向けてスプリング押圧部19bがそれぞれ一体突出形成してある。この各スプリング押圧部19bは、駆動ギア14の各スリット18内に位置している。
このアクチュエータ2の出力軸15及び回転保持板19は、通常、図3に示すように、モータ11のアーマチュア軸12のウオーム13の回転により駆動ギア14が回転する方向と同一方向に共に回転するようになっている。しかし、モータ11が通電され、出力軸15が回転している途中で拘束されて停止した場合には、モータ11の回転により駆動ギア14は回転を続行しようとする。このため、圧縮コイルスプリング17は、当該圧縮コイルスプリング17の一方の端部のスプリング押圧部19bにより回転が阻止されるが、当該圧縮コイルスプリング17の端部の他方がスプリング押圧部19bで押圧され、圧縮コイルスプリング17が圧縮状態となる。このように圧縮コイルスプリング17が圧縮状態となると、駆動ギア14は、拘束されて停止する。
このようなアクチュエータ2では、回転保持板19、駆動ギア14及び圧縮コイルスプリング17からなる機構を使用し、当該圧縮コイルスプリング17を圧縮状態に保持することにより、2輪駆動状態、4輪高速駆動状態、4輪中立状態、4輪低速駆動状態の切り換え動作がなされるまでの拘束状態の待ち機構として機能させる。
また、このアクチュエータ2は、駆動ギア14の下方に、出力軸15を中心とした円盤状の回転位置センサ21が設けられている。この回転位置センサ21には、図示しない摺動接点が駆動ギア14に固定されており、当該駆動ギア14の動作に応じて摺動接点が回転する。この回転位置センサ21は、基板上に、円環状のアースパターン22と、トランスファ1の各駆動状態に対応した第1回転位置検出用電極23及び第2回転位置検出用電極24とが形成されている。
なお、上述した説明では、トランスファ1が2輪駆動状態、4輪高速駆動状態、4輪中立状態、4輪低速駆動状態で切り換わる場合について説明したが、以下に説明する回転位置センサ21は、上述の4つの駆動状態のみならず更に他のトランスファ1の状態を検出するようにしても良く、各駆動状態を複数に区分して各駆動状態の遷移状態を検出するようにしても良い。
具体的には、この回転位置センサ21は、アースパターン22の外周側に設けられた第1回転位置検出用電極23と、当該第1回転位置検出用電極23の外周側に設けられた第2回転位置検出用電極24とからなる。これにより、本例の回転位置センサ21では、トランスファ1の駆動状態を、図中の丸囲み数字で示すような12個に区分して検出可能となっている。
第1回転位置検出用電極23は、円環状に6つの電極A,B,C,D,E,Fが区分されて構成されている。各電極A,B,C,D,E,Fは、それぞれが同じ面積で形成されている。また、第2回転位置検出用電極24は、第1回転位置検出用電極23を構成する電極A,B,C,D,E,Fとは略15°ずらして、円環状に6つの電極a,b,c,d,e,fが区分されて構成されている。すなわち、電極A,B,C,D,E,Fの区分領域(電極パターンが形成されていない部分)が、電極a,b,c,d,e,fの略中心位置に相当するように、第1回転位置検出用電極23及び第2回転位置検出用電極24がパターン形成されている。
また、第1回転位置検出用電極23には、所定抵抗値の抵抗R1,抵抗R2,抵抗R3,抵抗R4,抵抗R5,抵抗R6、及び第1信号端子Sig_1が接続されている。また、第2回転位置検出用電極24には、所定抵抗値の抵抗R7,抵抗R8,抵抗R9,抵抗R10,抵抗R11,抵抗R12、及び第2信号端子Sig_2が接続されている。なお、抵抗R1〜抵抗R12は、所定抵抗値とする場合に限らず、R1〜R6に亘って次第に値を大きく又は小さくしても良く、R7〜R12に亘って次第に値を大きく又は小さくしても良い。
更に詳しくは、第1信号端子Sig_1は、抵抗R1、電極A、抵抗R2、電極B、抵抗R3、電極C、抵抗R4、電極D、抵抗R5、電極E、抵抗R6、電極Fと直列接続され、電極Fがアースパターン22と接続されていることで、GND(接地)端子に接続されている。また、第2信号端子Sig_2は、抵抗R7、電極f、抵抗R8、電極e、抵抗R9、電極d、抵抗R10、電極c、抵抗R11、電極b、抵抗R12、電極aと直列接続され、電極aがアースパターン22と接続されていることで、GND(接地)端子に接続されている。
このような回転位置センサ21では、アクチュエータ2の駆動ギア14が回転することにより、アースパターン22と、電極A,B,C,D,E,Fの何れかと、電極a,b,c,d,e,fの何れかとが、一対の摺動接点(図示せず)により電気接続される。したがって、回転位置センサ21は、その回路構成を図6に示すように、第1回転位置検出用電極23の各抵抗R間(電極)にスイッチA,B,C,D,E,Fが接続され、第2回転位置検出用電極24の各抵抗R間(電極)にスイッチa,b,c,d,e,fが接続される回路形態となる。すなわち、第1回転位置検出用電極23に対する摺動接点に相当する抵抗間の電極に相当する何れかのスイッチが閉状態になり、第2回転位置検出用電極24に対する摺動接点に相当する抵抗間の電極に相当する何れかのスイッチが閉状態になる。
これにより、回転位置センサ21は、第1信号端子Sig_1及び第2信号端子Sig_2に所定電圧が印加されており、第1回転位置検出用電極23及び第2回転位置検出用電極24に対する摺動接点に相当するスイッチが閉位置に応じた電圧がアクチュエータ位置検出部7によって読み取られる。これにより、アクチュエータ位置検出部7は、駆動ギア14の回転位置を回転位置センサ21の回転位置から認識することができる。また、アクチュエータ位置検出部7は、第1信号端子Sig_1の電圧値に応じて、図7に示すように、摺動接点が電極A,B,C,D,E,Fの何れかに接触しているかを判断する。
すなわち、アクチュエータ位置検出部7は、摺動接点が電極Aに接している場合であって、第1信号端子Sig_1と電極Aとアースパターン22(GND)とが接続されている場合には、抵抗R1のみによる電圧降下分の電圧値を検出し、摺動接点が電極Fに接している場合であって、第1信号端子Sig_1と電極Fとアースパターン22(GND)とが接続されている場合には、抵抗R1,R2,R3,R4,R5,R6による電圧降下分を加算した電圧降下の電圧値を検出する。
また、アクチュエータ位置検出部7は、第2信号端子Sig_2の電圧値に応じて、図8に示すように、摺動接点が電極a,b,c,d,e,fの何れかに接触しているかを判断する。
すなわち、シフト位置検出部3は、摺動接点が電極aに接している場合であって、第2信号端子Sig_2と電極aとアースパターン22(GND)とが接続されている場合には、抵抗R7,R8,R9,R10,R11,R12による電圧降下分を加算した電圧降下の電圧値を検出し、摺動接点が電極fに接している場合であって、第2信号端子Sig_2と電極fとアースパターン22(GND)とが接続されている場合には、抵抗R7のみによる電圧降下分の電圧値を検出する。
なお、本例では、第1回転位置検出用電極23に対する摺動接点が、電極Aから時計回りの逆方向に向かって次第に電極B,・・・,Fとなるほど、回転位置センサ21に印加される電圧が段階的に小さくなり、第2回転位置検出用電極24に対する摺動接点が、電極aから時計回りの逆方向に向かって次第に電極b,・・・,fとなるほど、回転位置センサ21に印加される電圧が段階的に大きくなるように構成されている。
更に、アクチュエータ位置検出部7は、第1信号端子Sig_1の電圧値と、第2信号端子Sig_2の電圧値とを組み合わせて、回転位置センサ21に対する摺動接点を認識する。具体的には、アクチュエータ位置検出部7は、第1回転位置検出用電極23の電極Aが摺動接点となっており、第2回転位置検出用電極24の電極aが摺動接点となっている場合には、図5の丸囲み数字の「1」をモータ11の回転位置として認識し、第1回転位置検出用電極23の電極Fが摺動接点となっており、第2回転位置検出用電極24の電極aが摺動接点となっている場合には、図5の丸囲み数字の「12」をモータ11の回転位置として認識する。これにより、アクチュエータ位置検出部7は、12個に区分してモータ11の回転位置を認識することができる。
シフト位置検出部3は、トランスファ1の動作状態を検出して、アクチュエータ制御用ECU4に第1トランスファスイッチ信号、第2トランスファスイッチ信号及び第3トランスファスイッチ信号を出力する。このシフト位置検出部3は、トランスファ1の動作状態に応じて第1〜第3のトランスファスイッチ信号のオン、オフの組み合わせを変化させることにより、アクチュエータ制御用ECU4にトランスファ1の状態を認識させる。
操作スイッチ6は、車両の運転者から操作可能な位置に設けられ、トランスファ1の状態を2輪高速駆動状態と4輪高速駆動状態との間で切り換える2H/4H切換スイッチ6A、トランスファ1を4輪中立駆動状態とするN切換スイッチ6B、トランスファ1を4輪低速駆動状態とする4L切換スイッチ6Cを備える。このような操作スイッチ6の操作は、アクチュエータ制御用ECU4により読み込まれ、当該アクチュエータ制御用ECU4のモータ11に対する制御の開始を促す。
更に、アクチュエータ位置検出部7は、第1信号端子Sig_1の電圧値と、第2信号端子Sig_2の電圧値とを組み合わせて、回転位置センサ21に対する摺動接点を認識する。具体的には、アクチュエータ位置検出部7は、第1回転位置検出用電極23の電極Aが摺動接点となっており、第2回転位置検出用電極24の電極aが摺動接点となっている場合には、図5の丸囲み数字の「1」をモータ11の回転位置として認識し、第1回転位置検出用電極23の電極Fが摺動接点となっており、第2回転位置検出用電極24の電極aが摺動接点となっている場合には、図5の丸囲み数字の「12」をモータ11の回転位置として認識する。これにより、アクチュエータ位置検出部7は、12個に区分してモータ11の回転位置を認識することができる。
アクチュエータ制御用ECU4は、バッテリ5からの電力供給をうけ、当該電力をアクチュエータ2のモータ11に供給することによりモータ11を駆動制御する。すなわち、このアクチュエータ制御用ECU4は、バッテリ5の正端子と接続された電圧検出回路31、定電圧回路32、バッテリ5の負端子に接続された操作スイッチ6及び回転位置センサ21及びシフト位置検出部3と接続されたCPU(Central Processing Unit)33、バッテリ5及びモータ11と接続された第1リレー回路34及び第2リレー回路35、当該第1リレー回路34及び第2リレー回路35と接続された電流検出回路36を備える。なお、このアクチュエータ制御用ECU4では、後述のアクチュエータ駆動制御処理を行うためのプログラムデータが図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶され、当該ROMに記憶されたプログラムデータをCPU33により読み込んで、実行する。
定電圧回路32は、CPU33と接続され、バッテリ5により印加されている電圧を変換することにより、CPU33の動作電圧にしてCPU33に印加する。これにより、定電圧回路32は、例えばバッテリ5の12V電源を、CPU33が動作する5V電源に変換して、CPU33を動作状態とする。
電圧検出回路31は、バッテリ5から第1リレー回路34及び第2リレー回路35を介してモータ11に供給する電圧値を検出する。この電圧検出回路31により検出される電圧値は、バッテリ5の供給電圧の変化を示し、CPU33により、後述するアクチュエータ駆動制御処理に使用される。
第1リレー回路34及び第2リレー回路35は、コイル及びスイッチ機構を備え、バッテリ5からモータ11への電流供給方向を切り換える。第1リレー回路34及び第2リレー回路35は、コイルの一方端がバッテリ5に接続され、コイルの他方端がトランジスタ37,38を介してCPU33に接続されている。
第1リレー回路34及び第2リレー回路35は、トランジスタ37,38がON状態とされることによりコイルを介してスイッチ機構がON状態、すなわちバッテリ5からの電圧をモータ11に印加する状態となり、トランジスタ37,38がOFF状態とされることによりコイルを介してスイッチ機構がOFF状態、すなわちバッテリ5からの電圧をモータ11に対して遮断する状態となる。
これにより、第1リレー回路34がON状態となり第2リレー回路35がOFF状態である場合にはモータ11に正方向の駆動トルクを発生させ、第1リレー回路34がOFF状態となり第2リレー回路35がON状態である場合にはモータ11に逆方向の駆動トルクを発生させる。このような第1リレー回路34及び第2リレー回路35は、モータ11の駆動トルクにより、アクチュエータ2の駆動ギア14及び出力軸15を正方向又は逆方向に回転させる。
また、第1リレー回路34及び第2リレー回路35のバッテリ5に接続されていない端子には、電力用MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)39が接続されている。この電力用MOSFET39は、CPU33からのPWM(Pulse Width Modulation)信号によりオンオフ動作をする。これにより、電力用MOSFET39は、第1リレー回路34、第2リレー回路35及びモータ11と、アース端子との接続、非接続を切り換えて、モータ11にPWM信号に従ったパルス電圧を印加する。
電流検出回路36は、センサ41及び差動増幅器42からなり、モータ11に供給されている電流値を検出して、CPU33に送る。この電流検出回路36により検出された電流値は、CPU33から電力用MOSFET39に送るPWM信号を制御するアクチュエータ駆動制御処理にて使用される。
CPU33は、モータ11の駆動方向及び駆動力を制御することによりトランスファ1の駆動状態を切り換えて、車両の駆動状態を2輪高速駆動状態、4輪高速駆動状態、4輪中立駆動状態、4輪低速駆動状態の間で切り換えるアクチュエータ駆動制御処理を行う。
具体的には、CPU33は、トランスファ1を目標とする駆動状態とするに際して、各駆動状態の中間位置に設けられた回転位置センサ21の電極24,25,26を検出した場合に、モータ11をPWM制御して、モータ11の回転速度を低下させる第1アクチュエータ駆動制御処理、アクチュエータ位置検出部7から送られるトランスファ1の駆動状態を示す位置センサ信号と、シフト位置検出部3により検出される実際のトランスファ1の駆動状態を示すトランスファスイッチ信号とを比較して、トランスファ1の駆動状態を示す電極位置にてアクチュエータ2の動作を停止させるようにモータ11の動作を制御する第2アクチュエータ駆動制御処理、各駆動状態に相当する電極23の面積が小さいほど、各駆動状態に相当する電極間の電極におけるPWM制御のデューティ比を低く変化させる第3アクチュエータ駆動制御処理、電流検出回路36により検出されるモータ11に供給している電流(モータ電流)の変化に基づいて、モータ11をPWM制御するタイミングを制御する第4アクチュエータ駆動制御処理、PWM制御を開始した後の所定時間経過後に、デューティ比を変化させて、モータ11の回転速度を制御する第5アクチュエータ駆動制御処理、バッテリ5からモータ11に供給される電圧値に応じて、電力用MOSFET39に供給するモータ駆動信号のデューティ比を変化させて、モータ11のPWM制御を行う第6アクチュエータ駆動制御処理などを行う。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用したシフト切換装置によれば、図5に示したような第1回転位置検出用電極23及び第2回転位置検出用電極24を備える回転位置センサ21を備え、当該第1回転位置検出用電極23の各電極位置と第2回転位置検出用電極24の各電極位置とをモータ11の出力軸上でずらして構成したことにより、上述の第1〜第6のアクチュエータ駆動制御処理を行った場合であっても、12個に区分された領域をシフト位置検出部3で識別して、正確にトランスファ1の状態を切り換えることができる。
例えば第1回転位置検出用電極23又は第2回転位置検出用電極24の一方が断線等により故障したことを異常電圧等によりアクチュエータ位置検出部7で検出した場合であっても、故障していない第1回転位置検出用電極23又は第2回転位置検出用電極24を使用して、モータ11の停止位置を検出することができ、トランスファ1の駆動状態の切換制御を継続して行うことができる。
更に、このシフト切換装置によれば、第1回転位置検出用電極23の摺動接点に対する電圧変化と、第2回転位置検出用電極24の摺動接点に対する電圧変化とを異なる特性としたので、消費電力の増加をすることなく、精度の高いモータ11の停止位置の検出を行うことができる。
すなわち、上述したシフト切換装置によれば、モータ停止位置及びトランスファ機構の状態が多くなった場合であっても、正確にモータ停止位置及びトランスファ機構の状態を認識できると共に、従前の回転位置センサと同様の耐ノイズ性を保持したまま、モータ11の停止位置を精度良く検出して、トランスファ1の動作を制御することができる。
また、このシフト切換装置によれば、モータ11の停止位置を検出する電極として、第1回転位置検出用電極23と第2回転位置検出用電極24との2つの電極群を備えているので、例えば第1回転位置検出用電極23又は第2回転位置検出用電極24の一方が断線等により故障したことを異常電圧等によってシフト位置検出部3で検出した場合であっても、故障していない第1回転位置検出用電極23又は第2回転位置検出用電極24を使用して、モータ11の停止位置を検出することができ、トランスファ1の駆動状態の切換制御を継続して行うことができる。
更に、このシフト切換装置によれば、第1回転位置検出用電極23の摺動接点に対する電圧変化と、第2回転位置検出用電極24の摺動接点に対する電圧変化とを異なる特性としたので、消費電力の増加をすることなく、精度の高いモータ11の停止位置の検出を行うことができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用したシフト切換装置の構成を示すブロック図である。 アクチュエータの機械的な構成を示す上面図である。 アクチュエータの機械的な構成を示す斜視図である。 回転保持板の斜視図である。 回転位置センサの電極構成を示す上面図である。 回転位置センサの結線を示す回路図である。 第1回転位置検出用電極に対する摺動接点が変化した場合にシフト位置検出部で検出される電圧値の変化を説明するための図である。 第2回転位置検出用電極に対する摺動接点が変化した場合にシフト位置検出部で検出される電圧値の変化を説明するための図である。
符号の説明
1 トランスファ
2 アクチュエータ
3 シフト位置検出部
4 アクチュエータ制御用ECU
5 バッテリ
6 操作スイッチ
6A 2H/4H切換スイッチ
6B N切換スイッチ
6C 4L切換スイッチ
11 モータ
12 アーマチュア軸
13 ウオーム
14 駆動ギア
14a ギア本体
15 出力軸
16 スプリング収納部
17 圧縮コイルスプリング
18 スリット
19 回転保持板
21 回転位置センサ
22 アースパターン
23 第1回転位置検出用電極
24 第2回転位置検出用電極

Claims (4)

  1. エンジンの動力を車輪に伝達するトランスファ機構を有し、当該トランスファ機構に含まれる車両の前輪又は後輪と前記エンジンとの接続関係を切り換えて車両の駆動状態を4輪駆動状態又は2輪駆動状態に切り換える切換機構を動作させるアクチュエータであって、
    前記切換機構に結合される出力軸と、
    前記出力軸に固定された固定保持手段と、
    前記切換機構の状態を切り換える動力を発生するモータと、
    前記モータによって駆動され、前記モータが発生する回転を減速する駆動ギアと、
    前記回転保持手段と前記駆動ギアの間に配置された弾性体と、
    前記駆動ギアと連動して回転し、駆動ギアの位置を指示する位置センサ信号を生成する位置センサとを有するアクチュエータ、
    を制御するアクチュエータ制御装置において、
    前記位置センサは、
    前記モータの出力軸に対して円環状に形成された接地電極と、
    前記モータの出力軸に対して円環状に形成され、前記トランスファ機構の状態に対応して複数の電極に区分された第1回転位置検出用電極と、
    前記モータの出力軸に対して円環状に形成され、前記トランスファ機構の状態に対応して複数の電極に区分された第2回転位置検出用電極とを備え、
    前記第1回転位置検出用電極の複数の電極形成位置と、前記第2回転位置検出用電極の複数の電極形成位置とが、前記モータの出力軸を中心として所定角度だけずれて形成されており、
    前記モータの前記第1回転位置検出用電極に対する回転位置と、前記モータの前記第2回転位置検出用電極に対する回転位置とを組み合わせて、前記駆動ギアの駆動状態を検出するアクチュエータ位置検出手段を備えることを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  2. 前記第1回転位置検出用電極の各電極の区分領域が、前記第2回転位置検出用電極の各電極の前記モータの回転方向における略中心位置となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
  3. 前記検出手段は、前記第1回転位置検出用電極又は前記第2回転位置検出用電極が故障した場合に、故障していない回転位置検出用電極を使用して、前記トランスファ機構の駆動状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
  4. 前記モータの前記第1回転位置検出用電極に対する回転位置が所定方向に移動したときの前記検出手段により検出される特性と、前記モータの前記第2回転位置検出用電極に対する回転位置が前記所定方向に移動したときの前記検出手段により検出される特性とを、逆特性としたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
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