JP2005305933A - 長繊維強化樹脂構造体製造装置、多段式クロスヘッドダイ及び該構造体の製造方法 - Google Patents

長繊維強化樹脂構造体製造装置、多段式クロスヘッドダイ及び該構造体の製造方法 Download PDF

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巧 中辻
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Abstract

【課題】 長繊維強化樹脂構造体の製造を空間的に効率的に行うこと。
【解決手段】 繊維ロービングに樹脂を含浸させて得られる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置に用いられる多段式クロスヘッドダイであって、多段式クロスヘッドダイの先端部に設けられた、多数の繊維ロービングを導入するための入口、入口から供給された繊維ロービングを複数段状に配列する配列バー、配列バーより後方の一部に設けられた少なくとも一つの樹脂供給口、複数段状の繊維ロービングに樹脂を含浸させる多段式含浸部、及び多段式含浸部の後端部から含浸ロービングを排出する出口からなり、複数段状に配列された多数の繊維ロービングが、樹脂により多段式含浸部において含浸される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数段に分かれた状態で、強化繊維ロービングに樹脂を含浸処理するための多段式クロスヘッドダイ、それを用いた長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置、及びペレット等の構造体の製造方法に関する。本発明によれば、多量の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体を、空間的に効率よく製造できる。
長繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物を製造する方法として、近年、引き抜き成形が注目されている。中でも、連続した強化用繊維束を引きながら、クロスヘッドダイにおいて熱可塑性樹脂の溶融物を含浸させたのち賦形ダイを通して所望の形状に賦形して、冷却し、ペレット化する技術が一般的に用いられている。(特許文献1参照)
図1(a)は、従来の長繊維強化樹脂構造体製造装置の要部であり、図1(b)は賦形ダイ15の出口側から見た正面図である。(特許文献2参照)
連続繊維束11は、ローラー対のような開繊装置18により平たく開繊され、クロスヘッドダイ13の平たい形状の入口19に供給され、樹脂供給口12から供給された溶融樹脂により樹脂含浸部14において樹脂が含浸される。なお、溶融樹脂は、押出機(図示せず)などから供給される。
樹脂含浸部14は、樹脂含浸繊維ロービングの引取方向に一対の波打つ平面状の障壁を有し、該一対の障壁は凸部と凹部が向かい合って隘路を形成する構造であり、凸部によりしごかれ、樹脂の含浸が促進され、連続繊維束11への樹脂の均一な含浸が行われる。
クロスヘッドダイ13の出口20には賦形ダイ15が設けられ、冷却装置30により冷却され、ベルト対などの引取装置16を経てペレタイザー7によりペレット化される。
しかし、これらに開示された装置では、ペレット等の長繊維強化樹脂構造体の製造が空間的に効率的に行われておらず、さらにロービング本数を増やすためには、クロスヘッドダイおよび賦形ダイの幅を拡げる必要があった。またそれらの下流に位置する機器もそれらに対応させるべく、大幅な改造が必要であった。
米国特許3993726号(請求項1〜7、図1〜6、実施例1) 特開平3−272830号公報(図1)
本発明の目的は、長繊維強化樹脂構造体の製造を空間的に効率的に行うことである。
本発明者は、鋭意検討した結果、多段式構造のクロスヘッドダイを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1は、繊維ロービング(1)に樹脂を含浸させて得られる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置に用いられる多段式クロスヘッドダイ(3)であって、多段式クロスヘッドダイ(3)の先端部に設けられた、多数の繊維ロービング(1)を導入するための入口(9)、入口(9)から供給された繊維ロービング(1)を複数(n)段状に配列する配列バー(4d)、配列バー(4d)より後方の一部に設けられた少なくとも一つの樹脂供給口(2)、複数(n)段状の繊維ロービング(1)に樹脂を含浸させる多段式含浸部(4)、及び多段式含浸部(4)の後端部から含浸ロービングを排出する出口(10)からなり、複数(n)段状に配列された多数の繊維ロービング(1)が、樹脂供給口(2)から供給された樹脂により多段式含浸部(4)において含浸される多段式クロスヘッドダイを提供する。
本発明の第2は、nが2以上の整数である本発明の第1記載の多段式クロスヘッドダイを提供する。
本発明の第3は、含浸部(4)が、樹脂含浸繊維ロービングの引取方向に波打つ平面状の一対の障壁(4a)および障壁(4b)、ここで一対の障壁(4a)および障壁(4b)は、各障壁の凹部(42)同士が向かい合って又は障壁の凸部(41)と凹部(42)が向かい合って、バー設置用空間(40)を形成する、及びバー設置用空間(40)内にロービングの引取方向に直角に設けられたn−1段のバー(4c)からなり、
複数段(n)に配列された繊維ロービング(1)が、それぞれ、繊維ロービング(1)の1個の段は障壁(4a)と障壁(4a)に隣るバー(4c)の間の通路、繊維ロービング(1)のn−2個の段はn−1段の各バー(4c)間の通路、及び1個の段は障壁(4b)と障壁(4b)に隣るバー(4c)の間の通路に供給される本発明の第1又は2に記載の多段式クロスヘッドダイを提供する。
本発明の第4は、各段のバー(4c)の数mが2以上の整数である本発明の第3記載の多段式クロスヘッドダイを提供する。
本発明の第5は、配列バー(4d)に隣るバー(4c)が設けられるバー設置用空間(40)の位置に、入口(9)側から樹脂が供給されるように樹脂供給口(2)が設けられる本発明の第3又は4に記載の多段式クロスヘッドダイを提供する。
本発明の第6は、本発明の第1〜5のいずれか1項に記載の多段式クロスヘッドダイ(3)、多段式クロスヘッドダイ(3)の前工程に設けられた開繊装置(8)、多段式クロスヘッドダイ(3)の出口(10)に設けられた賦形ダイ(5)、賦形ダイ(5)の次工程に設けられた冷却装置(30)、及び冷却装置(30)の次工程に設けられた引取装置(6)からなる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を提供する。
本発明の第7は、さらに、引取装置(6)の次工程に設けられたペレタイザー(7)からなる本発明の第6記載の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を提供する。
本発明の第8は、本発明の第6又は7に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を用いた長繊維強化熱可塑性樹脂構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、長繊維強化樹脂構造体の製造を空間的に効率的に行うことができる。
本発明の多段式クロスヘッドダイ3は、繊維ロービング1に樹脂を含浸させて得られる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置用多段式クロスヘッドダイであって、多段式クロスヘッドダイ3の先端部には入口9が設けられる。入口9では、繊維ロービング1が予め複数(n)段状に供給されてもよいし、乃至は1段で供給された繊維ロービング1を入口9から供給後に、複数(n)段状に配列してもよい。このために、入口9近傍の奥に、配列バー4dを設け、予め複数(n)段状に分かれた繊維ロービング1を、複数(n)段状を保持するように乃至は1段で供給された繊維ロービング1を複数(n)段状に配列するようにする。配列バー4dは、後述するバー設置用空間40を入口9近傍の奥に設けて、バー4cと同様にその中に設置されてもよい。
多段式クロスヘッドダイ3の配列バー4dの後方には、樹脂供給口2が設けられ、樹脂を、多段式含浸部4において、複数(n)段の状態で繊維ロービングに含浸させる。なお、樹脂供給口2は2個所以上設けられ、同一樹脂又は異なる樹脂が供給されてもよい。また、樹脂供給口2は多段式クロスヘッドダイ3の上方でも下方であってもよいが、繊維ロービング1に溶融樹脂を均一に含浸させるためには上方にあることが望ましい。
得られた樹脂含浸ロービングは多段式含浸部4の後端部における出口10から、複数(n)段の状態で排出される。
複数(n)段のnとしては、2以上の整数であり、好ましくは2〜5である。nが1では空間的に製造効率が悪い。
図2(a)は、段数が2の装置の例である。
図2(a)に例示するように、繊維ロービング1は1aおよび1bなど二段に設置され、好ましくは繊維ロービング1を挟み付けるローラー対からなる開繊装置8aおよび8bにより、それぞれ平面的に開繊されて樹脂が含浸されやすいようにする。
実際には、例えば30本の繊維ロービングが15本ずつ二段に設置され、5本の繊維ロービングが一つの束に纏められ、上下3束が上下二組のローラー対により開繊される。
平面的に開繊された二段の繊維ロービング1は、多段式クロスヘッドダイ3の先端部に設けられた入口9から、二段を保ったまま供給される。先端部に設けられた入口9は、一つの開口部であっても、段数に応じた開口部を有していてもよいが、好ましくは一つである。
入口9から供給された繊維ロービング1は、配列バー4dにより、複数(n)段状に配列される。
本発明では、含浸部4は、複数段(n)に分かれた状態で繊維ロービング1に樹脂を合流させて含浸させる狭義のクロスヘッド構造のみでもよいが、それに続く複数段(n)に分かれた状態で樹脂の均一な含浸を促進させる部分をも含む広義のクロスヘッド構造でもよく、好ましくは広義のクロスヘッド構造のものである。
樹脂供給口2から供給される樹脂は、溶融樹脂、溶媒に溶解された樹脂でもよいが、好ましくは溶融樹脂であり、押出機などから供給される。
含浸部4は、複数(n)段が保てれば、バーの組み合わせ、障壁とバーとの組み合わせなど特に限定されないが、好ましくは、障壁とバーとの組み合わせである。バー4cは具体的にはバー、ピン、ローラー、ロールなどであるが、好ましくは固定されたバーである。なお、配列バー4dは、径などがバー4cと異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
該障壁は、樹脂含浸繊維ロービングの引取方向に一対の波打つ平面状の障壁4aおよび障壁4bからなり、一対の障壁4aおよび障壁4bは、凹部42同士が向かい合って又は障壁の凸部41と凹部42が向かい合って、バー設置用空間40を形成する。
バー設置用空間40にはn−1段のバー4cが設けられる。n−1段のバー4cは、上段の各バーの間に、好ましくは中間に、下段の各バーが設けられ、両上下段のバーによりその間を通過する繊維ロービング1への樹脂の含浸が促進され均一になるようにする。
複数段(n)に配列された繊維ロービング1は、それぞれ、1段は障壁4aとそれに隣るバー4cの間の通路に、n−2個の段はn−1段の各ローラー4c間の通路に、及び1段は障壁4bとそれに隣るバー4cの間の通路に供給される。
図2では、段数が2であり、障壁4aおよび障壁4bの間にバー4cが一段設けられ、樹脂含浸繊維ロービングの通路が二段生じる。
図3では、段数が3であり、障壁4aおよび障壁4bの間にバー4cが二段設けられ、樹脂含浸繊維ロービングの通路が三段生じる。
バー設置用空間40の数mは、配列バー4dが設けられる設置用空間も含める場合には、2以上の整数であり、好ましくは2〜30、更に好ましくは4〜15である。
なお、m個のバー設置用空間40のクリアランス及び設けられる間隔、及びバー4cの直径は、同一であっても異なっていてもよい。バー4cの断面形状は、円、長円、流線型などであってもよく、障壁4a、4bの波打つ形状も、正弦波状、円弧状、流線型状などであってもよい。また、繊維ロービング1は、折損しない限り、入口9および出口10の間で、障壁4a、障壁4bおよびバー4cにより、直線状を保ったまま含浸されても、蛇行して含浸されてもよい。
樹脂供給口2は、クロスヘッドダイ3の入口9側に近い位置であるが、好ましくは配列バー4dに隣るバー4cが設けられるバー設置用空間40の位置である。樹脂供給口2は、4a側でも、4b側でも、それらに直角の側面側でも、両方に設けてもよい。樹脂供給口2は、繊維ロービング1に樹脂が直角に合流するようになっていても、斜めに合流するようになっていてもよい。
樹脂供給口2は、異なるバー設置用空間40の位置に、2箇所以上設けられてもよい。
クロスヘッドダイの含浸部4で樹脂が含浸されて生じた樹脂含浸繊維ロービンは、クロスヘッドダイの後端部に設けられた出口10から段数(n)を保ったまま排出される。出口10は、一つの開口部であっても、段数(n)に応じた開口部を有していてもよいが、好ましくは一口のスリット状である。
出口10には、賦形ダイ5が取り付けられる。
出口10において、樹脂含浸繊維ロービングは、含浸部4の通路が平面状になっているので、通常は断面が平面状であり、これを例えば円柱状のような所望の形状に賦形するため、賦形ダイ5には賦形孔が多段(n)に設けられる。
一般にクロスヘッドダイでは、多数の繊維ロービングが供給され、単独でまたは数本が纏められて、一つの含浸用繊維ロービングとなり、そのような含浸用繊維ロービングが平面的にいくつか並べられる。
従って、従来の一段型の賦形ダイ15では、横一列に賦形孔15aが並んでいる(図1(b)では孔の数3個)が、本発明では、横一列に賦形孔15aが並んでいる形ないしは複数(n)段に賦形孔が設けられる(図2(b)では、賦形孔5aおよび賦形孔5bが二段に合計6個)。
賦形孔5により所望の断面形状を有する樹脂含浸繊維ロービングに賦形され、例えば、ストランド状、テープ状、シート状等の所望の形状に賦形される。
クロスヘッドダイや賦形ダイは、温度制御されていることが好ましい。温度制御は、ダイ内の温度、例えば、樹脂供給口近辺の温度を検出し、設定温度に対応した加熱を行う。用いる加熱手段については、特に限定するものではないが、例えば、ダイ内に電熱による加熱手段を装着する方法、熱媒体をダイ内に循環させる方法などのダイに装着されるもの、又は、ダイ外から赤外線、熱風などで加熱する方法がある。これらの中、電熱によりダイ内、或いはダイ外から加熱することが好ましい。
賦形ダイ5から出た樹脂含浸繊維ロービングは、次工程に設けられた冷却装置30により冷却され、樹脂が完全に固化する。冷却装置30は空冷でも、水などの流体で、シャワーもしくはスプレーなどの気流状でもしくは槽内の液体で冷却されてもよい。
冷却装置30には、入口側及び出口側に、それぞれ一つの開口部が設けられ、一つの開口部に複数(n)段状に供給されて冷却されてもよいし、孔が複数(n)段で設けられ、それぞれの賦形ダイ5の孔から出た樹脂含浸繊維ロービングが冷却装置30のそれぞれの孔に供給されて冷却されてもよい。
冷却装置30の次の工程には、引取装置6が設けられる。引取装置6としては、特に制限はないが、好ましくは対になったベルト(ベルト対という)が挙げられる。冷却された樹脂含浸繊維ロービングをベルト対で挟みつけながら回転することにより、樹脂含浸繊維ロービングを後方へ送り出す、即ち、前方に対しては引っ張る力として作用し、これにより繊維ロービング1が多段式クロスヘッドダイ3に供給され、クロスヘッドダイ内を移動して樹脂含浸され、排出される。
抜出された樹脂含浸繊維ロービングは、そのままストランドとして成形工程等に移送することもできるが、一般的には、射出成形等に供するため、引取装置6の次工程に、ペレタイザー7が設けられ、所定の長さにカットされ、長繊維強化樹脂ペレットとされる。
長繊維強化樹脂ペレットの長さは、3〜50mm、好ましくは5〜40mm、さらに好ましくは5〜30mmである。
ペレットの長さが、上記範囲より短すぎると長繊維強化の特徴が損なわれ、長すぎると成形に使用する際に、押出機のホッパーなどでブリッジを起こし、供給に不具合を生じやすい。
樹脂含浸繊維ロービング3中の、繊維/樹脂の重量比は70%/30%〜20%/80%、好ましくは65%/35%〜25%/75%、さらに好ましくは63%/37%〜30%/70%(ここで、繊維と樹脂の合計は100%である)である。
繊維に対する樹脂の含浸比率が、上記範囲より過少になると樹脂の含浸が十分に行えず、上記範囲より過大になると経済的でなくなる。
本発明で用いられる繊維ロービングの材質としては特に制約はなく、例えば、E−ガラス、D−ガラス等のガラス繊維;ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系等の炭素繊維;ボロン繊維、鉱物繊維等の無機繊維;ステンレス、黄銅等の金属繊維;超高分子量ポリエチレン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、液晶性芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリp−フェニレンテレフタルアミド繊維、ポリm−フェニレンイソフタルアミド繊維等のアラミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、綿、ジュート等のセルロース繊維等の有機繊維、又はそれらの混合物が挙げられる。
繊維ロービングの形態は、ロービング、ヤーン等の連続した繊維であればいずれも使用でき、本発明ではこれらをロービングと総称する。
また、これらの繊維は、樹脂との接着性をよくするため、表面処理剤で処理したものであってもよい。かかる強化用繊維束は、次にクロスヘッドにおいて熱可塑性樹脂の溶融物を含浸させるに先立ち、予め加熱し高温の強化用繊維束を樹脂の溶融物と接触させるのが好ましく、またテンションロール等の開繊装置で開繊しておくのが好ましい。
樹脂の材質としては、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、生分解性樹脂、非生分解性樹脂、合成樹脂、天然産製樹脂、汎用樹脂、エンジニアリング樹脂、ポリマーアロイ等、いずれの種類の樹脂でもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンアジペート、これらのカプロラクトン3元共重合体等の脂肪族ポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46等のポリアミド;ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド等のエンジニアリング樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を混合して使用してもよい。樹脂としては、通常、射出成形、押出成形等の各種成形加工に用いられるような高分子量で、これを繊維に含浸した場合、それだけで十分な補強効果を発揮するものが好ましい。
また、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂構造体には、必要に応じて、樹脂添加剤や充填剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、結晶化促進剤、染料や顔料等の着色剤、タルク等の充填剤を配合することも可能である。これらは、熱可塑性樹脂2に予め配合された形で用いることができる。
なお、本発明は、連続繊維含浸フィルム、もしくはシート成形用のダイや、連続繊維含浸パイプ成形用ダイにも適用できる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂
含浸用樹脂としては、ポリプロピレンに無水マレイン酸を1重量%及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を500ppm添加し、200℃で溶融混練し反応させて得られた変性ポリプロピレンを使用した。
強化繊維
ガラス繊維ロービングとして、径17μmのガラス単繊維4000本の束にサイジング処理したものを使用した。
(実施例1)
図2に示すような構造の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を用いた。配列バー4dが設けられる設置用空間も含めて、クロスヘッドダイ3のバー設置用空間40の数mは6個であり、相隣るバー設置用空間40をつなぐ経路の最小クリアランスは15mm、それぞれのバー設置用空間40にはバー4cが設けられその直径は20mmである。
多段式賦形ダイは、孔径3mmφの孔が横に3個設けられたものが、二段に設けられ、千鳥足状にずれて、合計6個並んでいる。
上記装置及び原料を使用して、溶融したポリプロピレンを押出機より供給し、ガラス繊維ロービング6本を供給して開繊した後、多段式クロスヘッドダイを通して繊維ロービングに樹脂を260〜280℃で含浸させ、賦形孔からストランドを6m/分で引抜き、冷却し、ペレタイザーにより切断し、繊維濃度50重量%、長さ11mmのペレットを得た。
(比較例1)
図1に示すような構造の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を用いた。クロスヘッドダイ13の波状部が形成する凹凸の組み合わせの数mは、6個であり、一段式賦形ダイは、孔径3mmφの孔が横に3個設けられている。
上記装置を使用し、ガラス繊維ロービング3本を供給した以外は、実施例1と同様にしてペレットを得た。
図1(a)は、従来技術に係る長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置の縦断面図である。 図1(b)は、図1(a)で用いられる賦形ダイの正面図である。 図2(a)は、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置の一例の縦断面図である。 図2(b)は、図2(a)で用いられる多段式賦形ダイの一例の正面図である。 図3は、本発明に係る長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置の他の一例の縦断面図である。
符号の説明
1 繊維ロービング
2 樹脂供給口
3 クロスヘッドダイ
4 含浸部
4a 障壁
4b 障壁
4c バー
4d 配列バー
5 賦形ダイ
5a 賦形孔
5b 賦形孔
6 引取装置
7 ペレタイザー
8 開繊装置
8a 開繊装置
8b 開繊装置
9 入口
10 出口
11 繊維ロービング
12 樹脂供給口
13 クロスヘッドダイ
14 含浸部
15 賦形ダイ
15a 賦形孔
16 引取装置
18 開繊装置
19 入口
20 出口
30 冷却装置
40 バー設置用空間
41 凸部
42 凹部

Claims (8)

  1. 繊維ロービング(1)に樹脂を含浸させて得られる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置に用いられる多段式クロスヘッドダイ(3)であって、
    多段式クロスヘッドダイ(3)の先端部に設けられた、多数の繊維ロービング(1)を導入するための入口(9)、
    入口(9)から供給された繊維ロービング(1)を複数(n)段状に配列する配列バー(4d)、
    配列バー(4d)より後方の一部に設けられた少なくとも一つの樹脂供給口(2)、複数(n)段状の繊維ロービング(1)に樹脂を含浸させる多段式含浸部(4)、及び多段式含浸部(4)の後端部から含浸ロービングを排出する出口(10)
    からなり、
    複数(n)段状に配列された多数の繊維ロービング(1)が、樹脂供給口(2)から供給された樹脂により多段式含浸部(4)において含浸される多段式クロスヘッドダイ。
  2. nが2以上の整数である請求項1記載の多段式クロスヘッドダイ。
  3. 含浸部(4)が、
    樹脂含浸繊維ロービングの引取方向に波打つ平面状の一対の障壁(4a)および障壁(4b)、ここで一対の障壁(4a)および障壁(4b)は、各障壁の凹部(42)同士が向かい合って又は障壁の凸部(41)と凹部(42)が向かい合って、バー設置用空間(40)を形成する、
    及びバー設置用空間(40)内にロービングの引取方向に直角に設けられたn−1段のバー(4c)
    からなり、
    複数段(n)に配列された繊維ロービング(1)が、それぞれ、
    繊維ロービング(1)の1個の段は障壁(4a)と障壁(4a)に隣るバー(4c)の間の通路、繊維ロービング(1)のn−2個の段はn−1段の各バー(4c)間の通路、及び1個の段は障壁(4b)と障壁(4b)に隣るバー(4c)の間の通路
    に供給される請求項1又は2に記載の多段式クロスヘッドダイ。
  4. 各段のバー(4c)の数mが2以上の整数である請求項3記載の多段式クロスヘッドダイ。
  5. 配列バー(4d)に隣るバー(4c)が設けられるバー設置用空間(40)の位置に、入口(9)側から樹脂が供給されるように樹脂供給口(2)が設けられる請求項3又は4に記載の多段式クロスヘッドダイ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の多段式クロスヘッドダイ(3)、
    多段式クロスヘッドダイ(3)の前工程に設けられた開繊装置(8)、
    多段式クロスヘッドダイ(3)の出口(10)に設けられた賦形ダイ(5)、
    賦形ダイ(5)の次工程に設けられた冷却装置(30)、及び
    冷却装置(30)の次工程に設けられた引取装置(6)からなる長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置。
  7. さらに、引取装置(6)の次工程に設けられたペレタイザー(7)からなる請求項6記載の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置。
  8. 請求項6又は7に記載の長繊維強化熱可塑性樹脂構造体製造装置を用いた長繊維強化熱可塑性樹脂構造体の製造方法。
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