JP2018515364A - 繊維複合材料を製造する方法および装置 - Google Patents

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Abstract

下記のステップ、すなわち、a)1つの繊維束を、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部(2)を備えた少なくとも1つの変向ロッド(1)を介して、半径方向において案内し、かつこのようにして拡げるステップと、b)拡げられた繊維束を、次いで含浸室内に引き込むステップと、c)拡げられた繊維束に、溶融物を塗布するステップと、d)溶融物を含浸された繊維束を、型の端部において引出しノズルを通して引き出すステップと、を有する、繊維複合材料を製造する方法、ならびに相応の装置によって、極めて良好な含浸品質が得られる。

Description

本発明の対象は、1つまたは複数の繊維束が丁寧に拡げられ、かつその後で溶融物によって含浸され得る、複合材料を製造する方法および装置である。この方法もしくは装置を用いて、例えばEガラス製の比較的好ましい繊維型式をも、最小の繊維切れで、最適に拡げることができる。
含浸時における繊維束の延展は、公知である。繊維拡開の通常の実践は、異なった変向ロッドを介した増加された変向による繊維束の延展である。ロッド数、変向角および表面品質に応じて、極めて良好な結果を得ることができる。基本的に大きな繊維拡開は、増加された変向によって得られる。しかしながらこの措置は、繊維束における個別フィラメントの破損を助長し、このことは、さらなる加工プロセスを困難にし、かつ加工プロセスを不安定にさせる。これに対して比較的僅かな変向は、繊維を完全には拡げない。例えば欧州特許出願公開第0056703号明細書(EP 0 056 703 A1)に記載された方法では、強化繊維ロービングが、熱可塑性プラスチックの溶融物を通して引っ張られ、この溶融物内に、加熱された延展ロッドとして形成された、ロービングを延展させるための少なくとも1つの加熱された表面が浸漬している。しかしながら実際には常に複数の延展装置が必要である。しかしながら加えなくてはならない引出し力は、延展装置の数、溶融物の粘度および引出し速度と共に強く高まる。これによって生じる高い引出し力およびストランドにおける機械的な摩擦は、強化繊維を損傷し、ひいては複合材料の特性を劣化させるので、この公知の方法を使用することができる範囲は極めて小さい。さらに含浸品質ひいては製品の品質は、溶融物の粘度の上昇および引出し速度の上昇と共に低下するということがある。したがって欧州特許出願公開第0056703号明細書の方法は、30Pasまでの溶融物粘度および(0.3m/min未満の)低い引出し速度においてしか、良好な結果を得ることができない。
欧州特許出願公開第0602618号明細書(EP 0 602 618 A1)には、空気ノズルによる精密な繊維拡開の他の可能性が開示されており、この可能性は、予備延展された繊維束を拡げて均一にする。この措置における欠点としては、コントロールされない個別繊維拡開、つまりスクリム全体が圧縮空気を用いて展開(auffaechern)されるということがある。
国際公開第92/21493号(WO 92/21493)には、振動するロッドによる繊維拡開の可能性が記載されている。この技術は、特に炭素繊維のために使用される。この技術においても、全プロセスを不安定にさせるコントロールされない繊維破損のおそれがある。
ゆえに本発明の課題は、上に述べた問題を解決し、かつ特に、繊維束のコントロールされた拡開が、接着された繊維束でも延展されるように行われ、このとき繊維破損を可能な限り十分に回避できるように、僅かな引張り力しか必要でないような、方法および装置を提供することである。
驚くべきことに、この課題は、繊維束を、丸み付けされた隆起部を備えた特殊に成形された変向ロッドを用いて案内し、かつこのときに拡げることによって、解決される。したがって本発明の対象は、単方向の繊維とマトリックスとから成る複合材料を製造する方法であって、下記のステップ、すなわち、
a)1つの繊維束を、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた少なくとも1つの変向ロッドを介して、半径方向において案内し、かつこのようにして変向させ、かつ拡げるステップと、
b)拡げられた繊維束を、次いで含浸室内に引き込むステップと、
c)拡げられた繊維束に、溶融物を塗布するステップと、
d)溶融物を含浸された繊維束を、型の端部において引出しノズルを通して引き出すステップと、
を有する、複合材料を製造する方法である。
次いで製品は、カレンダ成形されかつ冷却されることができる。
方法ステップa)は、複数の繊維束であってもそれぞれ少なくとも1つのこのような変向ロッドを介して案内することができ、かつ繊維束はこのとき遅くとも引出しノズルの前においてまとめられると理解すべきである。
「繊維束」というのは、多数の個別フィラメントから成る束であると理解すべきである。通常、数千の個別フィラメントが使用される。繊維束は、1つのロービングまたは複数のロービングから成っていてよく、好ましくは、繊維束は1つから最大1000までのロービングから成っており、かつ特に好ましくは、1つから最大800までのロービングから成っている。これらのロービングは、本発明に係る方法では、個々にボビンから繰り出されるかまたは引き出され、かつ延展装置の前または延展装置の始端部においてまとめられ、これによってただ1つの繊維束が形成される。「ロービング」というのは、この場合一般的に、個別フィラメントの束を意味しており、この束は、ただ1つの繊維型式から成っていても、または複数の異なる繊維型式から成っていてもよい。基本的には、十分な長さを有するすべての繊維が適しており、無機繊維、ポリマ繊維および天然繊維を使用することができる。適した繊維の例としては、金属繊維、ガラス繊維(例えばEガラス、Aガラス、Cガラス、Dガラス、ARガラス、Rガラス、S1ガラス、S2ガラスなど)、炭素繊維、金属被覆された炭素繊維、ホウ素繊維、セラミック繊維(例えばAlまたはSiO製)、玄武岩繊維、炭化ケイ素繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維(例えばポリブチレンテレフタレート製)、液晶ポリエステル繊維、ポリアクリルニトリル繊維、ならびにポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン製の繊維、ビスコース法を用いて紡糸されて通常ビスコース繊維と呼ばれるセルロース繊維、麻繊維、亜麻繊維、ジュート繊維およびこれに類したものがある。繊維の横断面は、例えば円形、方形、卵形、楕円形または繭形であってよい。円形とは異なる横断面を有する繊維(例えばフラットガラス繊維)によって、製品における比較的高い繊維充填率を、ひいては比較的高い硬度を得ることができる。
複合材料のマトリックスは、熱可塑性の成形材料、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂のハイブリッド系、熱可塑性のエラストマまたは架橋されたエラストマであってよい。熱可塑性の成形材料は、主成分またはただ1つの成分としての熱可塑性樹脂から成っている。別の成分は例えば、安定剤、加工助剤、顔料、防火剤、ブレンドコンポーネントとしての他の熱可塑性樹脂、衝撃改質剤またはこれに類したものであってよい。適宜な熱可塑性樹脂は、例えばポリオレフィン(ポリエチレンまたはポリプロピレンのような)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリーレートまたは液晶ポリエステルのような)、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド(PA46、PA6、PA66、PA610、PA612、PA1010、PA11、PA12のような)、部分芳香族のポリアミド(PPA)または透明のポリアミド(例えば直鎖状のまたは分枝鎖状の、脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸およびジアミンを基礎とする)、ポリアリーレンエーテルケトン(ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンまたはポリエーテルエーテルケトンケトンのような)、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチロール、スチロール、スチロール・アクリルニトリル・コポリマ(SAN)、スチロール・アクリルニトリル・ブタジエン・コポリマ(ABS)、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンオキシドまたはフルオロポリマ(PVDFまたはETFEのような)である。この溶融物は、次いで再び除去される溶剤を含んでいてもよい。しかしながらまた、その代わりにモノマを溶融物として塗布することも可能であり、このモノマは次いで現場で重合され、例えばポリアミドマトリックスを、陰イオンのラクタム重合によって生ぜしめることができる。別の変化形態では、比較的小さな分子重量を有するポリマが、カップリング剤と一緒に溶融物として塗布され、次いで含浸工程中および特にその後で連鎖の延長が実施される。
適宜な熱硬化性樹脂は、例えば不飽和のポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、架橋されたポリアクリレート、ポリウレタン、メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂またはビスマレイミド樹脂である。方法ステップb)において塗布される溶融物は、この場合樹脂・硬化剤混合物またはその他の適宜な前駆物質、例えばプレポリマである。
適宜な熱可塑性のエラストマは、例えばTPE-O(オレフィンを基礎とする熱可塑性のエラストマ、例えばPP/EPDM)、TPE-V(オレフィンを基礎とする架橋された熱可塑性のエラストマ、特にPP/架橋されたEPDM)、TPE-U(ポリウレタンを基礎とする熱可塑性のエラストマ)、TPE-E(熱可塑性のポリエステルエラストマ)、TPE-S(スチロールブロックコポリマ、例えばSBS、SEBS、SEPS、SEEPSまたはMBS)ならびにTPE-A(ポリアミドエラストマ)である。
適宜な架橋されたエラストマは、従来技術に相応して加硫剤、および場合によっては加硫助剤、充填剤、オイルおよびその他の添加剤を含有するゴムコンパウンドから得られる。例えばこのようなエラストマは、EPDM、スチロール/ブタジエン・ゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エポキシゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムおよびこれに類したものである。
本発明の枠内において「溶融物」という概念は、例えば、繊維束に塗布され次いでマトリックスを生ぜしめる、上に述べた流動性のすべての物質に対して使用される。
方法ステップa)における拡開は、最終製品の幾何学形状に関連している。最終製品がテープである場合には、繊維束は比較的大きな係数だけ拡げられる。これに対して最終製品が比較的厚く、例えば方形または正方形の横断面を有している場合には、繊維束は、最終製品の幅に関して、比較的小さな係数だけ拡げられることができ、これによって合理的な一般的な上限値を設定することはできない。最終製品の幾何学形状に応じて、拡開は、それぞれ繊維束の本来の幅に関連して、好ましくは最大で係数30だけ、特に好ましくは最大で係数20だけ、特に好ましくは最大で係数14だけ、かつ極めて特に好ましくは最大で係数8だけ行うことができる。
このとき好ましくは、繊維束は、その平均厚さがフィラメント直径の1〜50倍に、好ましくはフィラメント直径の1〜40倍に、特に好ましくはフィラメント直径の1.5〜35倍に、かつ極めて特に好ましくはフィラメント直径の1.8〜30倍に相当するように大きく拡げられる。平均化は、このとき繊維ウェブの幅にわたって行われる。円形ではない横断面を有する繊維では、フィラメント直径として最も短い横断面軸線が選択される。繊維横断面に関しては、繊維メーカのデータに従うことができる。異なる繊維の混合時には、フィラメント直径として、個別フィラメントの数に関連した算術平均が選択される。メーカのデータが利用できない場合、または異なった幾何学形状を有する同じ形式の繊維、例えば天然繊維では、平均のフィラメント直径は、走査型電子顕微鏡写真(REM写真)、測定、および個別フィラメントの数に関する算術平均の計算によって確定される。
変向ロッドは、少なくとも2つ、有利には少なくとも3つ、および特に好ましくは少なくとも4つの、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を有している。これらの隆起部は、変向ロッドにおいて互いに隣り合って配置されていて、かつ通常、互いの間に等しい間隔を有している。好適な実施形態では、隆起部は、変向ロッドの全幅にわたって配置されている。別の好適な実施形態では、隆起部は、変向ロッドの、繊維束が案内される領域に配置されている。隆起部相互の間隔は、繊維の形式に応じて、かつ繊維に付着する糊の形式および量に応じて、極めて大きく変化させることができる。
好ましくは、このとき2つまたは3つの変向ロッドが相前後して配置されており、このとき例えば、大量の糊が供給されて接着されている太い繊維束または複数の繊維束が使用される場合には、さらに4つ、5つ、6つまたはそれ以上の変向ロッドが相前後して配置されていてよい。この場合、第1の変向ロッドでは隆起部が比較的短い間隔をおいて配置されており、これに対して後続の変向ロッドでは間隔が大きくなっていると、有利であることが判明している。本発明はまた、例えば最後の変向ロッドが隆起部を有していないような場合をも含んでいる。本発明にとって重要なことは、変向ロッドのうちの少なくとも1つが、さらに下において詳しく記載するような隆起部を有していることだけである。
変向ロッドにおいて繊維束は、特に、繊維の形式に関連し、かつ繊維に付着する糊の形式および量に関連した角度だけ変向される。変向角は、5°〜120°の範囲、好ましくは10°〜110°の範囲、特に好ましくは15°〜100°の範囲、かつさらに特に好ましくは20°〜90°の範囲である。通常、変向は、むしろ僅かであり、多くの場合30°の変向角が、適合する適正値である。
拡げられた繊維束は、次いで含浸室内に引き込まれる。次いで、拡げられた繊維束に、溶融物が塗布される。これは例えば、繊維束が溶融物浴を通して引っ張られることによって行うことができる。しかしながら好ましくは、溶融物は、塗布ノズルを用いて、または1つまたは複数の分配ビームによって塗布される。
本発明に係る方法では、好ましくは10mPas〜400Pasまでの、かつ特に好ましくは300Pasまでの粘度を有する溶融物が塗布される。モノマでは、または熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂のハイブリッド系の硬化後に生じるプレポリマもしくは樹脂硬化剤系では、このとき粘度は10mPasまでのまたはさらに低い低粘度範囲にある。熱可塑性の成形材料、熱可塑性のエラストマまたはエラストマコンパウンド製の溶融物では、粘度は通常、少なくとも1Pasである。粘度というのは、本発明では、ASTM D4400による機械式のスペクトロメータにおいて測定された、方法に適した温度における静的・剪断粘度のことを意味する。
溶融物の塗布時には、特に高粘度の溶融物では、溶融物過剰なしに、または僅かな溶融物過剰だけを伴って作業が行われる。溶融物過剰を伴う作業時には、過剰の溶融物をそのために設けられた開口を通して流出させることができる措置が施されねばならない。繊維と溶融物との比は、製品における繊維の容積配分が、約10〜85%、好ましくは15〜80%、かつ特に好ましくは20〜75%の値であるように調節される。
後続の含浸ステップにおいて、塗布された溶融物は繊維中間室内に進入する。これは、局部的な差圧によってかつ繊維の相対運動によって促進される。そのための適宜な処置としては、例えば横断面狭窄、所定半径の変向および/または引出しノズルの前および引出しノズルにおける形状付与が挙げられる。ここにおいて基本的には、従来技術に基づいて公知の如何なる処置をも使用することができる。
引出しノズルは、通常、一体に組み込まれた引出し装置を有していない。ストランドは通常、むしろ引出しノズルの直後に取り付けられた引出し装置によって、またはカレンダローラによって引っ張られる。例えばローラまたはロールおよびカレンダとして形成されたこのような引出し装置は、従来技術である。
引出し速度は、必要に応じて調節可能である。引出し速度は、好ましくは0.1〜30m/min、かつ特に好ましくは0.5〜25m/minである。
本発明に係る方法では、得られたストランドは、それぞれ所望の幾何学形状を有することができる。得られたストランドは、例えばフォイル、テープ、プレート、円形異形材、方形異形材または複雑な異形材であってよい。
この方法の変化形態では、熱可塑性マトリックスを含有する得られたストランドは、4〜60mm、好ましくは5〜50mm、特に好ましくは6〜40mm、特に好ましくは5〜30mm、かつ極めて特に好ましくは6〜25mmの長さを有する、長繊維強化されたペレット(Staebchengranulat)に切断される。次いでこのペレットから成形部材を、射出成形法、押出し成形法、プレス成形法またはその他の通常の形状付与法を用いて製造することができ、このとき丁寧な加工方法による成形部材の特に良好な特性が得られる。これに関連して、丁寧なというのは特に、過剰の繊維破断およびこれに基づく繊維長さの大幅な減少が十分に回避されることを意味する。このことは射出成形時には、好ましくは、大きな直径および小さな(tief)圧縮比を有するウォームと、大規模に寸法設定されたノズル通路およびスプルー通路とが使用されることを意味する。補足的に、ペレットが、高いシリンダ温度を用いて迅速に溶融され(接触加熱)、かつ繊維が過度の剪断応力によってあまり強く粉砕されないように配慮されることが望ましい。このような処置を考慮すると、短繊維強化された成形材料から製造された同等の成形部材よりも長い繊維長さを平均的に有する成形部材が得られる。これによって特性、特に引張りEモジュールにおける特性、裂断強度および切欠き靱性の大幅な改善が得られる。
本発明に係る変向ロッドを示す図である。 互いに並んで位置している2つの隆起部を詳しく示す図である。
図1において示された変向ロッド1は、半径方向に突出する環状の3つの隆起部2を有しており、これらの隆起部2は、この場合変向ロッドの、繊維束が案内される領域に配置されている。
図2には、2つの隆起部2がより詳しく示されている。これらの隆起部は、側面角(Flankenwinkel)α、高さH、および半径Rを有する丸み付けされた先端を有している。隆起部の間には、長さLの直線部分が位置しており、この直線部分は、例えば本来のロービング幅(Ursprungsrovingsbreite)の0.5倍〜6倍の値を有することができる。好ましくは、側面角αは、90.1°〜100°、特に好ましくは90.3°〜95°、さらに特に好ましくは90.5°〜92°であり、これに対して高さHは、好ましくは0.2mm〜20mm、特に好ましくは0.5mm〜10mm、さらに特に好ましくは1mm〜6mm、極めて特に好ましくは2mm〜4mmである。半径Rは、好ましくは0.1mm〜10mm、特に好ましくは0.1mm〜5mm、さらに特に好ましくは0.2mm〜2mmである。このとき半径は、先端の丸み付けに関連している。
本発明の特に有利な構成では、本発明に係る変向ロッドは、2014年12月29日付けの出願番号14200411.8の欧州特許出願に記載される方法において使用される。
この方法は、このとき下記のステップ:すなわち、
a)繊維束を、半径方向において少なくとも1つの変向ロッドであって、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を有している変向ロッドに沿って案内し、かつこのとき変向させ、最終製品の幅に相当する値よりも少なくとも係数1.2だけ、好ましくは少なくとも係数1.4だけ、かつ特に好ましくは少なくとも係数1.6だけ大きく拡げるステップと、
b)拡げられた繊維束を、次いで含浸室内に引き込むステップと、
c)拡げられた状態において、溶融物を、少なくとも1つの塗布ノズルを用いて塗布するステップと、
c’)横断面狭窄部を通して、型は、湿潤された繊維束を、後の製品横断面に向かって、つまり製品が引出しノズルを出る際の横断面に向かって案内するステップと、
c’’)半径部が、湿潤された繊維を、5〜60°の角度だけ、好ましくは8〜50°の角度だけ、特に好ましくは12〜40°の角度だけ、さらに特に好ましくは15〜35°の角度だけ変向させるステップと、
c’’’)鎮静ゾーンが、繊維分布を一様な高さに均一化するステップと、
d)溶融物を含浸された繊維束を、引出しノズルを通して型端部において引き出すステップと、
を有している。
ステップc’)における横断面狭窄部によって、湿潤された繊維束の延展(Aufspreizung)は減じられる。すなわち繊維束の幅は、引出しノズルの幅に向かって案内される。好適な実施形態では、湿潤された繊維束の幅は、引出しノズルの幅に案内される。第2の可能な実施形態において湿潤された繊維束の幅は、引出しノズルの幅よりも大きな幅に案内される。この場合、引出しノズルに向かう途中または引出しノズルにおいて、湿潤された繊維束の幅は、さらに減じられる。第3の可能な実施形態において、湿潤された繊維束の幅は、引出しノズルの幅よりも小さな幅に案内される。この場合引出しノズルに向かう途中で、湿潤された繊維束の幅は、新たな延展によって再び拡幅される。方法ステップc’)における横断面狭窄は、好ましくは、ここにおいて見られるすべての実施形態において、湿潤された繊維束の幅が少なくとも係数1.2の割合で、かつ特に好ましくは少なくとも係数1.4の割合で減じられるように実施される。
方法ステップc’’)において、変向部の半径は、好ましくは2〜90mm、特に好ましくは3〜60mm、さらに特に好ましくは4〜40mm、および極めて好ましくは4〜30mmである。幾何学形状の変化形態が可能であり、例えば変向箇所において半径を短い隆起部と組み合わせること、または繊維束を変向箇所においてZ字形に案内することが可能である。幾何学形状のこれらの変化形態は、直ぐ近くで相前後して2回方向変化が行われ、このときその間に反転点が位置していると記載することができる。この場合請求項記載の半径および請求項記載の角度は、第2の方向変化および好ましくは第1の方向変化のためにも通用する。このとき第1の半径と第2の半径および第1の角度と第2の角度とが異なっていてよい。
変向箇所は、好ましくは横断面狭窄部の端部に位置しており、しかしながらまた変向箇所は、横断面狭窄部の端部の上流側に位置していても、または横断面狭窄部の端部の下流側に位置していてもよいが、このような場合には、含浸品質が場合によっては最高水準に達しないということを考慮しなくてはならない。
溶融物として、樹脂・硬化剤系、モノマまたはプレポリマが塗布される場合、硬化反応は、ここでは通常主として、鎮静ゾーンにおいて起きる。このとき引き出されたストランドは、既にほぼ硬化されている。
鎮静ゾーンの長さは、例えば溶融物粘度、行われる引出し速度および設備サイズに関連している。例えばEガラスまたはSガラスおよびPA12製の、40mm幅のテープが製造されるラボ設備では、100mmの長さにおいて極めて良好な結果が得られる。しかしながらこれは、単に大凡の手掛かりに過ぎない。鎮静ゾーンはまたさらに短くてもまたは明らかにさらに長くてもよい。
方法、装置および利点のさらなる詳細に関しては、2014年12月29日付けの出願番号14200411.8の欧州特許出願およびそれに基づく公開公報の開示を示唆しておく、すなわちこの開示は、本件特許出願に明確に加えられているべきである。
本発明の別の特に好適な実施形態では、本発明に係る変向ロッドは、2015年4月2日付けの出願番号15162335.2の欧州特許出願に記載される方法において使用される。この方法は、このとき下記のステップ:すなわち、
a)1つまたは複数の繊維束を、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えたそれぞれ少なくとも1つの変向ロッドを有する1つまたは複数の延展装置を介して、半径方向において案内し、かつこのようにして変向させ、かつ拡げるステップと、
b)1つまたは複数の拡げられた繊維束を、次いで含浸室内に引き込み、これによって、少なくとも2つの互いに上下に位置していて空間的に分割された拡げられた繊維ウェブを生ぜしめるステップと、
c)拡げられた繊維束に、溶融物を塗布し、このとき、それぞれ2つの繊維ウェブの間に配置されていて水平に方向付けられた分配ビームを介して、溶融物を供給するステップと、
c’)個々の前記繊維ウェブを、該繊維ウェブが互いに上下に位置しかつ互いに接触するように、まとめるステップと、
d)まとめられて溶融物を含浸された繊維ウェブを、型の端部において引出しノズルを通して引き出すステップと、
を有する。
繊維束は、拡げられ、かつ遅くとも溶融物塗布時に互いに上下に位置している少なくとも2つのウェブが生じるように案内される。ウェブ分離は、型内において行われても、または既に型の前において行われてもよい。
好適な実施形態では、少なくとも2つの繊維束をそれぞれ別個に、延展装置を介して拡げ、かつ別個の開口を通して含浸室内に引き込む。このようにすると、空間的に分割された2つの繊維ウェブを直に得ることができる。
好ましくは、このとき繊維束、延展装置および引込み開口は互いに上下に配置されており、これによって繊維ウェブを変向させる必要がない。特殊な場合にはしかしながら繊維束、延展装置および引込み開口は、異なった形態で配置されていてもよく、このような場合には繊維ウェブは、適切な位置に変向される。
別の好適な実施形態では、少なくとも2つの繊維束をそれぞれ別個に、延展装置を通して拡げ、かつ1つの共通の開口を通して含浸室内に引き込む。含浸室内への進入時に、個々の繊維ウェブは再び互いに分割される。予め分離されたウェブの分割は、開放された型内における手による挿通によって行うことができる。このことから、簡単に開放することができる少なくとも2部分から成る型が好適である。
別の実施形態では、繊維束を1つの延展装置を通して拡げ、かつこのときまたは次いで、適宜な装置によって、互いに上下に位置していて空間的に分割されかつ延展された複数の繊維ウェブに、分離する。しかしながら、分離された繊維ウェブはこのとき変向されねばならない。次いで繊維ウェブは、含浸室内に引き込まれる。この実施形態の変化形態では、2つまたはそれ以上の繊維束がそれぞれ別個に、延展装置を通して拡げられ、このときまたは次いで、適宜な装置によってそれぞれ、互いに上下に位置していて空間的に分割されかつ延展された複数の繊維ウェブに分離され、これらのウェブは変向され、次いで含浸室内に引き込まれる。
もちろん、これら種々様々な実施形態の任意の組合せも可能である。
湿潤工程は、それぞれの繊維ウェブの間において行われ、そこで分配体横断面が溶融物部分をもたらす。後に望まれる製品特性および使用される出発材料に関連して、1つまたは複数の溶融物分配体を配置することができ、これらの溶融物分配体は、好ましくは互いに上下に取り付けられている。押出し機から、または可塑化ユニットに後置された溶融物ポンプから溶融物が供給される分配ビームは、ポリマをウェブ横断面にわたって均一に調量する。均一な調量は、塗布ノズルの内側横断面を介して行われる。分配ノズルの幾何学形状は、溶融物の均一な塗布のために役立ち、このとき好ましくは繊維ウェブの全幅にわたって、1つのノズル開口または互いに並んで取り付けられた複数のノズル開口が設けられている。ここにはU字形分配体、マニホルド形分配体(Quellflussverteilergeometrie)、または所望の調量および溶融フィルムの均一な塗布を可能にする類似の形状が取り付けられていてよい。このような分配ノズルは当業者にとって公知である。適宜なマニホルド形分配体は、例えば国際公開第2012/149129号(WO 2012/149129)に詳しく記載されている。分配ビームは、例えば円形、卵形、楕円形、方形または丸く面取りされた方形の横断面を有することができる。
本発明の枠内において追加的に別の溶融物を、1つまたは2つの塗布ノズルによって塗布することができ、このとき1つの塗布ノズルが最上位の繊維ウェブの上に配置されているか、1つの塗布ノズルが最下位の繊維ウェブの下に配置されているか、またはそれぞれ1つの塗布ノズルが最上位の繊維ウェブの上および最下位の繊維ウェブの下に配置されている。
後続の含浸ステップにおいて、異なったウェブはまとめられ、1つのノズルを通して引き出される。溶融物塗布箇所とノズルとの間における室領域は、促進のために幾分の溶融物過剰があってよい。この領域において、繊維ウェブはまとめられ、塗布された溶融物は、まだ含浸されていない繊維中間室内に進入する。この工程は、ノズル領域における集合によって生ぜしめることができる局部的な差圧によって促進される。集合は、室領域においても室幾何学形状によって、または横断面狭窄部として形成された挿入されたインサートによって促進することができる。この場合繊維は既に前段階において、溶融物によって予備強化され、ノズルは次いで残りの強化を引き受ける。最終製品がフォイルである場合には、横断面狭窄部はむしろ不要であり、最終製品が異形材である場合には、横断面はそれとは異なり、延展された繊維ウェブから異形材形状に減じられる。
引出しノズルは第1の形状付与を引き受け、ウェブウエアのさらなる含浸を行う。引出しノズルは、通常、一体に組み込まれた引出し装置を有していない。ストランドは、通常のようにむしろ、ノズルの直後に取り付けられた引出し装置によって、またはカレンダローラによって引き出される。例えばローラまたはロールとして形成されたこのような引出し装置およびカレンダは、従来技術である。これによってさらなる形状付与を行うことができる。
溶融物として、樹脂・硬化剤系、モノマまたはプレポリマが塗布される場合、硬化反応は、ノズル領域およびその下流側において起きる。このときノズル領域は、比較的長く形成されていてよい。量的にぴったりの溶融物塗布で作業が行われるか、またはノズルはスクレーパとして働き、硬化はその後において初めて行われる。硬化がノズル領域の下流側において初めて行われ得るように、温度プロファイルを選択する必要がある。硬化を完全なものにするために、製品はノズルからの引出し後に、場合によっては、例えば炉内において熱による後処理が実施される。
方法、装置および利点のさらなる詳細に関しては、2015年4月2日付けの出願番号15162335.2の欧州特許出願およびそれに基づく公開公報の開示を示唆しておく、すなわちこの開示は、本件特許出願に明確に加えられているべきである。
本発明の対象はまた、繊維複合材料を製造する装置であって、以下に記載の構成要素、すなわち、
a)半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた、1つまたは複数の相前後して配置された変向ロッドを有していて、繊維束を半径方向において案内し、変向させ、かつ拡げることができる延展装置と、
b)含浸室内への1つまたは複数の引込み領域と、
c)搬送方向において後続の、拡げられた繊維束に溶融物を塗布する装置と、
d)繊維束を含浸する後続のゾーンと、
e)引出しノズルと、
を有する。
この装置の詳細は、当該装置が本発明に係る方法を実施するために働くことに基づいて、上に述べた方法の記載から明らかである。
そのうちの特に好適な実施形態では、装置は下記の構成要素、すなわち、
a)半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた、1つまたは複数の相前後して配置された変向ロッドを有していて、繊維束を半径方向において案内し、変向させ、かつ最終製品の幅に相当する値よりも、少なくとも係数1.2、好ましくは少なくとも係数1.4、かつ特に好ましくは少なくとも係数1.6の倍率で大きく拡げることができる延展装置と、
b)含浸室内への1つまたは複数の引込み領域と、
c)拡げられた繊維束に溶融物を塗布することができる、搬送方向において後続の1つまたは複数の塗布ノズルと、
d)繊維束を含浸する後続のゾーンであって、相前後して下記の領域、すなわち、
・湿潤された繊維束を後の製品横断面に向かって案内することができる、搬送通路の横断面狭窄部と、
・5〜60°、好ましくは8〜50°、特に好ましくは12〜40°かつ特に好ましくは15〜35°だけ変向させる変向箇所と、
・鎮静ゾーンと、
を有する、繊維束を含浸する後続のゾーンと、
e)引出しノズルと、
を有する。
この実施形態の詳細は、上に述べた方法の記載から、つまり2014年12月29日付けの出願番号14200411.8の欧州特許出願およびそれに基づく公開公報の開示から明らかである。
特に好適な別の実施形態では、装置は下記の構成要素、すなわち、
a)半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた、1つまたは複数の相前後して配置された変向ロッドを有していて、繊維束を半径方向において案内し、変向させ、かつ互いに上下に位置していて空間的に分割された少なくとも2つの繊維ウェブが得られるように、拡げることができる延展装置と、
b)含浸室内への1つまたは複数の引込み領域と、
c)搬送方向において後続の、拡げられた繊維束に溶融物を塗布する装置であって、水平方向に方向付けられた分配ビームとして形成されていて、2つの繊維ウェブの間に位置していてそれを用いて溶融物を塗布することができるように配置された、装置と、
d)集合領域を有していて繊維束を含浸する後続のゾーンと、
e)引出しノズルと、
を有する。
この実施形態の詳細は、上に述べた方法の記載から、つまり2015年4月2日付けの出願番号15162335.2の欧州特許出願およびそれに基づく公開公報の開示から明らかである。
本発明に係る変向ロッドによって、強く糊を含む繊維束でさえも均一に拡げられ、このとき特に接着された領域も拡開される。これによって、高い引出し速度においても、極めて広い粘度範囲にわたって極めて良好な含浸品質を得るための条件が得られる。これは、溶融物塗布時および次いで行われる強化時における、可能な限り良好な繊維の湿潤を得るために当業者が選択するであろう処置との共働において、なお一層言えることである。

Claims (14)

  1. 単方向の繊維とマトリックスとから成る繊維複合材料を製造する方法であって、下記のステップ、すなわち、
    a)1つの繊維束を、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた少なくとも1つの変向ロッドに沿って、半径方向において案内し、かつこのようにして変向させ、かつ拡げるステップと、
    b)拡げられた前記繊維束を、次いで含浸室内に引き込むステップと、
    c)拡げられた前記繊維束に、溶融物を塗布するステップと、
    d)溶融物を含浸された前記繊維束を、型の端部において引出しノズルを通して引き出すステップと、
    を有する、繊維複合材料を製造する方法。
  2. 前記複合材料の前記マトリックスは、熱可塑性の成形材料、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂のハイブリッド系、熱可塑性のエラストマまたは架橋されたエラストマである、請求項1記載の方法。
  3. 前記ステップa)において前記繊維束を、その平均太さがフィラメント直径の1〜50倍に相当するように大きく拡げる、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記引出しノズルから出た後の得られたストランドを、カレンダ成形する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記得られたストランドを、4〜60mmの長さを有する、長繊維強化されたペレットに切断する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記得られたストランドは、フォイル、テープ、プレート、円形異形材、方形異形材または複雑な異形材である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記ステップa)において、前記繊維束を、最終製品の幅に相当するよりも、少なくとも係数1.2の倍率で大きく拡げ、
    前記ステップc)において、前記溶融物を少なくとも1つの塗布ノズルを用いて塗布し、
    ステップc’)において、湿潤された前記繊維束を、横断面狭窄部を通して、後の製品横断面に向かって案内し、
    ステップc’’)において、半径部が、湿潤された前記繊維を、5°〜60°の角度だけ変向させ、
    ステップc’’’)において、繊維分布を、鎮静ゾーンにおいて一様な高さに均一化する、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ステップa)において、1つまたは複数の繊維束を、半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えたそれぞれ少なくとも1つの変向ロッドを有する、1つまたは複数の延展装置を通して拡げ、
    前記ステップb)において、1つまたは複数の拡げられた前記繊維束を、次いで含浸室内に引き込み、これによって、互いに上下に位置していて空間的に分割されかつ拡げられた少なくとも2つの繊維ウェブを生ぜしめ、
    前記ステップc)において、前記溶融物を、それぞれ2つの前記繊維ウェブの間に配置されていて水平方向に方向付けられた分配ビームを介して、供給し、
    ステップc’)において、個々の前記繊維ウェブを、該繊維ウェブが互いに上下に位置しかつ互いに接触するようにまとめる、
    請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  9. 繊維複合材料を製造する装置であって、以下に記載の構成要素、すなわち、
    a)半径方向に突出する丸み付けされた環状の隆起部を備えた、1つまたは複数の相前後して配置された変向ロッドを有していて、繊維束を半径方向において案内し、変向させ、かつ拡げることができる延展装置と、
    b)含浸室内への1つまたは複数の引込み領域と、
    c)搬送方向において後続の、拡げられた前記繊維束に溶融物を塗布する装置と、
    d)前記繊維束を含浸する後続のゾーンと、
    e)引出しノズルと、
    を有する、繊維複合材料を製造する装置。
  10. 前記構成要素a)を用いて、1つの繊維束を、最終製品の幅に相当する値よりも、少なくとも係数1.2の倍率で大きく拡げることができ、
    前記構成要素c)において、前記溶融物を塗布する装置は、1つまたは複数の塗布ノズルによって構成されており、
    前記構成要素d)は、相前後して下記の領域、すなわち、
    ・湿潤された前記繊維束を後の製品横断面に向かって案内することができる、搬送通路の横断面狭窄部と、
    ・5〜60°だけ変向させる変向箇所と、
    ・鎮静ゾーンと、
    を有する、請求項9記載の装置。
  11. 前記構成要素a)によって、互いに上下に位置していて空間的に分割された少なくとも2つの繊維ウェブが得られるように、繊維束を拡げることができ、
    前記構成要素c)によって、前記溶融物を塗布する前記装置は、水平方向に方向付けられた分配ビームとして形成されていて、該分配ビームは、それが2つの繊維ウェブの間に位置しているように配置されており、
    前記構成要素d)は、集合領域を有している、
    請求項9記載の装置。
  12. 半径方向に突出する丸み付けされた前記隆起部の側面角は、90.1°〜100°である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法もしくは請求項9から11までのいずれか1項記載の装置。
  13. 半径方向に突出する丸み付けされた環状の前記隆起部の高さは、0.2mm〜20mmである、請求項1から8までおよび12のいずれか1項記載の方法もしくは請求項9から12までのいずれか1項記載の装置。
  14. 半径方向に突出する丸み付けされた前記隆起部の半径は、先端の丸み付けに関して、0.1mm〜10mmである、請求項1から8までおよび12ならびに13のいずれか1項記載の方法もしくは請求項9から13までのいずれか1項記載の装置。
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