JP7119539B2 - 炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は引抜装置を用いた炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法及びその装置に関するものである。
従来の炭素繊維部材の引抜成形の一般的な方法及びその装置としては図1に示すように、炭素繊維束(1)をレジンバス槽(2)に通してこれに熱硬化性樹脂を含浸し、そのあと成形金型(3)で成形し、引取り機(4)で引取りながら連続した成形部材を製造する。
熱硬化性樹脂を炭素繊維束(1)に含浸させる方法としては、レジンバス槽(2)でディッピングによる方法が用いられている。
また、特開平6-79796号公報(特許文献1)に記載の如く、速硬化性樹脂を用いた引抜成形方法では、主剤と硬化剤をスタティックミキサーで混合したあと樹脂含浸金型に導き繊維束に樹脂を含浸し、成形金型を通って引抜成形する方法が知られている。
特開平6-79796号公報
しかしながら、図1に示す引抜成形方法では、速硬化性樹脂を用いるとレジンバス槽で硬化が始まるため連続した引抜成形が出来ない問題あった。
また、速硬化性樹脂に適した引抜成形方法の特許文献1では、樹脂含浸金型への複数穴による繊維の導入経路および複数の樹脂添加経路は、樹脂含浸金型が複雑な構造になるため樹脂含浸金型が高価になる問題があった。また、複数の樹脂添加経路は、個々の樹脂添加量が安定せず繊維束に含浸斑が発生し、炭素繊維のような細い繊維束では、成形品の中にボイドが発生してしまう問題があった。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除き、樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の(1)から(6)に存する。
(1) 以下の工程[1]~[4]を含み、工程[1]の後に工程[2]および[3]を含み、工程[2]および[3]の後に工程[4]を含む、炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程、
工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程
工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程
工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる工程
(2) 前記工程[2]において、繊維含有率が60~70体積%となる樹脂量となるように余剰樹脂を取り除く、上記(1)に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
(3) 前記工程[2]と前記工程[3]をダイにより同時に行う、上記(1)または(2)に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
(4) 前記工程[2]の後に前記工程[3]を含む、上記(1)または(2)に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
(5) 前記工程[1]と工程[2]の間に、下記工程[5]を含む、上記(1)から(4)のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程
(6) 前記工程[4]の樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる工程が、樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み、成形品形状を保持した状態で加熱硬化させる工程である、請求項1から5のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法によれば、速硬化性樹脂でも、複雑な樹脂含浸金型を用いることなく安価な樹脂注入レジンコントロール装置で樹脂の含浸不良がない炭素繊維強化樹脂成形品が得られた。
従来の引抜成型方法の示す図である。 第1の発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法を示す図である。 第2の発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法を示す図である。 本発明の製造工程の工程[1]に用いる樹脂注入レジンコントロール装置のスリットノズル概略図である。 工程[2]および工程[3]に用いるレジンコントロールダイの概略図である。イ 比較例の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法を示す図である。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法は、以下の工程[1]~[4]を含み、工程[1]の後に工程[2]および[3]を含み、工程[2]および[3]の後に工程[4]を含むことを特徴とする。
工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程、
工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程
工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程
工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる工程
本発明においては、ポットライフの短い樹脂を炭素繊維束への樹脂含浸の観点から、前記工程[2]と前記工程[3]をダイにより同時に行うことが好ましい。また、ポットライフの長い樹脂を炭素繊維束への樹脂含浸の観点からは、前記工程[2]の後に前記工程[3]を含むことが好ましい。
更に炭素繊維束への樹脂含浸の安定性および速さの観点から、前記工程[1]と工程[2]の間に、下記工程[5]を含むことが好ましい。
工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程
<工程[1]>
本発明において「連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げ」とは、具体的には炭素繊維のトウ幅と厚みを均一に維持することを意味する。連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げる方法としては、固定式ロールおよび回転式ロール等が挙げられる。
(炭素繊維束)
本発明で用いる炭素繊維束に特に限定はないが、炭素繊維のJIS(日本工業規格)R 7601に準拠した引張強度が、3500MPa以上であることが好ましく、5000MPa以上であることがより好ましく、6000MPa以上であることがさらに好ましい。引張弾性率は150GPa以上であることが好ましく、200GPa以上であることがより好ましく、250GPa以上であることがさらに好ましい。
炭素繊維の繊維径は、3μm以上であることが好ましく、12μm以下であることが好ましい。炭素繊維の繊維径が3μm以上であれば、炭素繊維を加工するための、例えば、コーム、ロール等のプロセスにおいて、炭素繊維が横移動して炭素繊維同士が擦れたり、炭素繊維とロール表面等とが擦れたりするときに、炭素繊維が切断したり、毛羽だまりが生じたりしにくい。このため、安定した強度の繊維強化複合材料を好適に製造することができる。また、炭素繊維の繊維径が12μm以下であれば、通常の方法で炭素繊維を製造することができる。
炭素繊維束における炭素繊維の本数は、1,000~70,000本が好ましい。
(樹脂)
本発明で用いる樹脂としては特に限定はないが、成形性の観点から熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、具体的にはポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、速硬化性樹脂の観点から好ましくはポリウレタン樹脂である。
本発明において、炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する際の樹脂添加量は、任意のVFを設定し、当該VFになるように引抜成形の成形スピードまたは成形物の大きさにより適時調整すればよい。
<工程[2]>
工程[2]においては、樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く。余剰樹脂とは、炭素繊維束に樹脂含浸された後の樹脂であり、繊維含有率が60~70体積%となる樹脂量から算出できる。
<工程[3]>
工程[3]においては、樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる。加圧条件は炭素繊維量とレジンコントロールダイの口金の断面積から算出される繊維含有率が60~70体積%となる樹脂量で加圧することが好ましい。
樹脂の含浸を促進させるためには、レジンコントロールダイの長さを50mm以上保持すればよい。
<工程[4]>
工程[4]においては、樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる。加熱条件は、樹脂の硬化温度以上であればよく、例えば、樹脂の硬化温度は室温+30~180℃であることが好ましい。
<工程[5]>
工程[5]においては、ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を予備含浸させる。具体的には、ロールで炭素繊維束のトウ幅と厚みを均一に保持しつつ炭素繊維束にかかる張力により樹脂を予備含浸させる。なお、予備含侵とは、炭素繊維束の内部への樹脂を含浸することである。当該予備含浸によって、工程[3]における最終的な樹脂の含浸を容易にコントロールすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法は下記の組合せの工程からなる。
工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程、
工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程
工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程
工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み、成形品形状を保持した状態で加熱硬化させる工程
工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程、
(第1の実施形態)
工程[1]~工程[3]・工程[4]からなる本発明の炭素繊維強化樹脂成型品の製造方法を図2を用い説明する。
多錘の炭素繊維をそれぞれのクリールから引き出しガイドロール(11)を介して揃え炭素繊維束(10)が形成される。炭素繊維束(10)を樹脂注入レジンコントロール装置(20)へ導き、工程[1]:連続した炭素繊維束(10)をスリットノズル(21)の曲面に沿わせ、当該炭素繊維束の幅を広げかつトウ形態を均一に維持するよう広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズル(21)から樹脂を添加し、当該炭素繊維束の集合体の幅を設定値(例えば60mm)に保持した。
この時、炭素繊維束(10)の集合体の幅方向に厚みのムラが生じると、樹脂の含浸不良が発生しやすくなるため、炭素繊維束(10)は等間隔になるよう配置するのが好ましい。
ここで樹脂供給部の構成を説明する。
樹脂供給部は、樹脂を供給するタンク(12a)および(12b)とポンプ(図示なし)からなる主剤(A液剤)供給路と硬化剤(B液剤)供給路からなり、これらを合流する合流金具(13)と樹脂を混合するスタティックミキサー(14)と樹脂を吐出するスリットノズル(21)からなる。
樹脂を供給するタンク(12a)および(12b)から樹脂を吐出するスリットノズル(21)までの経路はチューブで接続されている。
樹脂を混合するスタティックミキサー(14)は、ノードソン製の直径11.1mm×長さ322mmでエレメント数30を用いた。
エレメント数は特に限定はないが24以上を用いれば問題なく混合できる。
スタティックミキサー(14)で混合された樹脂は、図4のスリットノズルの樹脂供給口(22)より充填されスリット部(23)より樹脂を吐出する。
図4のスリットノズルは、直径10mm×長さ100mmの外形を要し、混合された樹脂が供給される樹脂供給口(22)と、樹脂を吐出するスリット部(23)が設けてあり、スリット部(23)の形状は、0.5mm×50mmのスリット状の穴である。
スリットノズル(21)に供給された樹脂は、スリット部(23)より樹脂が吐出され該炭素繊維束へ樹脂を添加する。
スリットの長さは炭素繊維束(10)のトウ幅と同じか若干狭い方が、樹脂が均等に添加され好ましい。
樹脂の吐出量は、引抜成形のスピードに応じて決めれば良く、引抜きスピードが0.25m/minでは樹脂の吐出量は10mg/minであった。
図2中の、樹脂注入レジンコントロール装置(20)は、工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程に用いるスリットノズル(21)と、工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程、工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程に用いるレジンコントロールダイ(24)からなり、スリットノズル(21)は、上段と下段とに分かれ段差をつけ配置してあり、その後ろにレジンコントロールダイ(24)が配置される。
工程[2]および工程[3]に用いられる図5のレジンコントロールダイは、入口側テーパー状含浸路(26)を要し入口側より5度のテーパー状で狭くなっており、出口側含浸路(27)まで幅50mm×高さ2mm×長さ100mmの長方形の穴で形成されている。
入口側テーパー状含浸路(26)に導かれた炭素繊維束(10)は、工程[1]で添加された樹脂を、工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程で、該炭素繊維束に添加された樹脂を、入口側テーパー状含浸路(26)に引込まれる該炭素繊維束からテーパー形状部で余剰樹脂を削ぎ落としながら、繊維含有率が60~70%の範囲になるよう樹脂量が調整される。
次工程の、工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程では、幅50mm×高さ2mm×長さ80mm矩形断面形状の出口側含浸路(27)へ該炭素繊維束が移動する際に、樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させ、炭素繊維束(10)と樹脂の繊維含有率が60~70%の範囲になるよう樹脂量が調整されるよう維持した。
繊維含有率が低すぎると、成形品の表面がざらつく等製品品質の劣化原因となる。また、繊維含有率が高すぎると、製造する際に金型内に炭素繊維束が詰まるなどして製造できない場合がある。
次工程の、工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み、成形品形状を保持した状態で加熱硬化させる工程では、成形金型(3)は、幅50mm×高さ2mm×長さ540mmの長方形状の空間を要し、150℃に加熱してある。
成形金型(3)へ樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み硬化させ成形したあと引取り機(4)で引抜き連続した炭素繊維強化樹脂成形品を得た。
(第2の実施形態)
工程[1]と工程[2]の間に、工程[5]を含み、工程[3]・工程[5]からなる炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法を図3を用いて説明する。
工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程である。
図3中の、樹脂注入レジンコントロール装置(30)では、スリットノズル(21)とレジンコントロールダイ(24)の間に樹脂含浸ロール(25)を配置する。
工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸行った以外は図2と同様の構成とした。
樹脂含浸ロール(25)は、テフロン製で直径25mm×100mmのロールを自由に回転できる構造とし80mm離して2本設置した。1本目の樹脂含浸ロール(25)の下部と2本目の樹脂含浸ロール(25)上部と交互に炭素繊維束(10)を通した。
樹脂含浸ロール(25)の本数は必要に応じ増減すればよい。
炭素繊維束(10)を樹脂注入レジンコントロール装置(30)へ導き、工程[1]:連続した炭素繊維束(10)の繊維間隔をスリットノズル(21)の曲面に炭素繊維束(10)を沿わせ当該炭素繊維束の幅を等間隔に広げかつトウ形態を均一に維持するよう広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズル(21)から樹脂を添加し、当該炭素繊維束の幅を60mmで保持した。
次工程の、工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程では、樹脂が添加された該炭素繊維束を、樹脂含浸ロール(25)を介して炭素繊維束(10)と樹脂を予備含浸させた。
そのあと、レジンコントロールダイ(24)の入口側テーパー状含浸路(26)に導かれた炭素繊維束(10)は、工程[1]・工程[5]をへて予備含浸された該炭素繊維束を、工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程で、該炭素繊維束に添加された樹脂を、入口側テーパー状含浸路(26)に引込まれる該炭素繊維束からテーパー形状部で余剰樹脂を削ぎ落としながら、繊維含有率が60~70%の範囲になるよう樹脂量が調整される。
次工程の、工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程では、幅50mm×高さ2mm×長さ80mm矩形断面形状の出口側含浸路(27)へ該炭素繊維束が移動する際に、樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させ、炭素繊維束(10)と樹脂の繊維含有率が60~70%の範囲になるよう樹脂量が調整されるよう維持した。
次工程の、工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み、成形品形状を保持した状態で加熱硬化させる工程では、成形金型(3)は、幅50mm×高さ2mm×長さ540mmの長方形状の空間を要し、150℃に加熱してある。
成形金型(3)へ樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み硬化させ成形したあと引取り機(4)で引抜き連続した炭素繊維強化樹脂成形品を得た。
(実施例1)
以下、この発明の実施例を図2及び図4、図5を用いて説明する。
三菱ケミカル製の炭素繊維TRW40-50Lを31本用意した。上段のガイドロール(11)に16本、下段のガイドロール(11)に15本それぞれに炭素繊維束(10)を並べるように配置した。
樹脂は、速硬化性のバイエルマテリアルサイエンス社製ポリウレタン樹脂BAYDUR-PUL20PL10/PULVP.PU30PL02(A液剤)を104g、イソシアネートDESMODUR-PUL10PL01(B液剤)を131gの比率で樹脂を供給するタンク12aおよび12bより各々吐出し合流金具(13)をへてスタティックミキサー(14)にて混合し速硬化性樹脂を得た。
スタティックミキサー(14)は、ノードソン製の直径11.1mm×長さ322mmでエレメント数30を用いた。
図4の工程[1]に用いられるスリットノズル(21)は、直径10mm×長さ100mmの外形を要し、混合された樹脂が供給される樹脂供給口(22)と、樹脂を吐出するスリット部(23)が設けてある。スリット部(23)の形状は、0.5mm×50mmのスリット状の穴である。
図2中の、樹脂注入レジンコントロール装置(20)は、工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程に用いるスリットノズル(21)と、工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程、工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程に用いるレジンコントロールダイ(24)からなり、スリットノズル(21)は、上段と下段とに分かれ段差をつけ配置してあり、その後ろにレジンコントロールダイ(24)を配置した。
工程[2]および工程[3]に用いられる図5のレジンコントロールダイは、入口側テーパー状含浸路(26)を要し入口側より5度のテーパー状で狭くなっており、出口側含浸路(27)まで幅50mm×高さ2mm×長さ100mmの長方形の穴で形成されている。
クリールから引き出された炭素繊維は、ガイドロール(11)を介して、上段のガイドロール(11)に16本、下段のガイドロール(11)に15本それぞれに炭素繊維束(10)を並べるように配置した。
そのあと、樹脂注入レジンコントロール装置(20)へ導き、導かれた炭素繊維束(10)は、上段と下段とに分かれたスリットノズル(21)の曲面に沿って炭素繊維束(10)を沿わせ該炭素繊維束の幅を等間隔に広げかつトウ形態を均一に維持するようにし、該炭素繊維束の幅を60mmに保持した。
次いで樹脂を供給するタンク(12a)および(12b)より吐出されたA液剤104gとB液剤131gの比率で合流金具(13)をへてスタティックミキサー(14)にて混合しスリットノズル(21)のスリット部(23)より速硬化性樹脂を10mg/minで吐出し該炭素繊維束へ添加した。
次いで、炭素繊維束(10)をレジンコントロールダイ(24)へ導き、入口側テーパー状含浸路(26)から出口側含浸路(27)に移動する際に、炭素繊維束(10)に添加された速硬化性樹脂の余剰樹脂を削ぎ落としながら、繊維含有率が60~70%になるよう樹脂量を調整し、炭素繊維束(10)と速硬化樹脂を加圧して、該炭素繊維束へ速硬化樹脂の含浸を促進させ、炭素繊維束(10)と速硬化樹脂の繊維含有率が60~70%になるよう樹脂量を維持した。
工程[4]:そのあと150℃に加熱された成形金型(3)へ導き、炭素繊維束(10)を硬化させ成形したあと引取り機(4)で0.25m/minのスピードで引抜き連続した炭素繊維強化樹脂成形品を製作した。
(実施例2)
図3中の樹脂注入レジンコントロール装置(30)では、スリットノズル(21)とレジンコントロールダイ(24)の間に樹脂含浸ロール(25)を介して含浸を行った以外は図2と同様の構成とした。
樹脂注入レジンコントロール装置(30)へ導かれた炭素繊維束(10)は、上段と下段とに分かれたスリットノズル(21)の曲面に沿って炭素繊維束(10)を沿わせ該炭素繊維束の幅を等間隔に広げかつトウ形態を均一に維持するようにし、該炭素繊維束の幅を60mmに保持した。
次いで樹脂を供給するタンク(12a)および(12b)より吐出されたA液剤104gとB液剤131gの比率で合流金具(13)をへてスタティックミキサー(14)にて混合しスリットノズル(21)のスリット部(23)より速硬化性樹脂を10mg/minで吐出し該炭素繊維束へ添加したあと、含浸ロール(25)を介して炭素繊維束(10)と速硬化性樹脂を予備含浸させた。
次いで、炭素繊維束(10)をレジンコントロールダイ(24)へ導き、入口側テーパー状含浸路(26)から出口側含浸路(27)に移動する際に、炭素繊維束(10)に添加された速硬化性樹脂の余剰樹脂を削ぎ落としながら、繊維含有率が60~70%になるよう樹脂量を調整し、炭素繊維束(10)と速硬化樹脂を加圧して、該炭素繊維束へ速硬化樹脂の含浸を促進させ、炭素繊維束(10)と速硬化樹脂の繊維含有率が60~70%なるよう樹脂量を維持した。
工程[4]:そのあと150℃に加熱された成形金型(3)へ導き、炭素繊維束(10)を硬化させ成形したあと引取り機(4)で0.25m/minのスピードで引抜き連続した炭素繊維強化樹脂成形品を製作した。
速硬化性樹脂でも、複雑な樹脂含浸金型を用いることなく安価な樹脂注入レジンコントロール装置で樹脂の含浸不良がない炭素繊維強化樹脂成形品が得られた。
(比較例):工程[1]を有さない製造方法。
図6は、比較例の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法を概略的に示す説明図である。図6中の樹脂注入レジンコントロール装置(40)で含浸を行った以外は図2と同様の構成とした。
樹脂注入レジンコントロール装置(40)は、樹脂含侵ダイ(41)と樹脂供給スリットノズル(42)で構成されている。
樹脂含侵ダイ(41)は、炭素繊維束(10)の導入路から導出路まで、幅50mm×高さ2mm×長さ100mmの長方形の穴で形成されており、導入路の上部より樹脂供給用の樹脂供給スリットノズル(42)が取付く構造となっている。
樹脂供給スリットノズル(42)は、混合された樹脂が供給される樹脂供給口と、樹脂を吐出するスリット部が設けてあり、スリット部の形状は、実施例と同じ0.5mm×50mmのサイズとした。
炭素繊維束(10)を樹脂注入レジンコントロール装置(40)へ導き、樹脂含侵ダイ(41)の導入路から導出部に移動する際に、樹脂供給スリットノズル(42)より添加された速硬化樹脂を該炭素繊維束へ速硬化樹脂を含侵させ、炭素繊維束(10)と速硬化樹脂の繊維含有率が60~70%になるよう樹脂量を調整した。
そのあと150℃に加熱された成形金型(3)へ導き、炭素繊維束(10)を硬化させ成形したあと引取り機(4)で0.25m/minのスピードで引抜き連続した炭素繊維強化樹脂成形品を製作したところ、成形品に樹脂の未含浸部があり良好な成形品が製作する事ができなかった。
1 炭素繊維束
10 〃
2 レジンバス槽
3 成形金型
4 引取り機
11 ガイドロール
12a タンク
12b タンク
13 合流金具
14 スタティックミキサー
20 樹脂注入レジンコントロール装置
30 〃
21 スリットノズル
22 樹脂供給口
23 スリット部
24 レジンコントロールダイ
25 樹脂含浸ロール
26 入口側テーパー状含浸路
27 出口側含浸路
40 樹脂注入レジンコントロール装置
41 樹脂含侵ダイ
42 樹脂供給スリットノズル

Claims (8)

  1. 以下の工程[1]~[4]及び引抜き工程を含む、引抜成形により炭素繊維強化樹脂成形品を製造する方法であって、工程[1]の後に工程[2]および[3]を含み、工程[2]および[3]の後に工程[4]を含み、更に工程[4]の後に引抜き工程を含む、炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
    工程[1]:連続した炭素繊維束の繊維間隔を広げながら、当該炭素繊維束にスリットノズルから樹脂を添加する工程、
    工程[2]:樹脂を添加した炭素繊維束から余剰樹脂を取除く工程
    工程[3]:樹脂を添加した炭素繊維束を加圧して、炭素繊維束に樹脂の含浸を促進させる工程
    工程[4]:樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる工程
    引抜き工程:引取り機により引抜く工程
  2. 前記工程[2]において、繊維含有率が60~70体積%となる樹脂量となるように余剰樹脂を取り除く、請求項1に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記工程[2]と前記工程[3]をダイにより同時に行う、請求項1または2に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記工程[2]の後に前記工程[3]を含む、請求項1または2に記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記工程[1]と工程[2]の間に、下記工程[5]を含む、請求項1から4のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
    工程[5]:ロールを用いて炭素繊維束に樹脂を含浸させる予備含浸工程
  6. 前記工程[4]の樹脂が含浸した炭素繊維束を加熱硬化させる工程が、樹脂が含浸した炭素繊維束を成形金型内へ引き込み、成形品形状を保持した状態で加熱硬化させる工程である、請求項1から5のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記工程[2]が、レジンコントロールダイで行われる、請求項1から6のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記工程[2]が、レジンコントロールダイの入口側テーパー状含浸路に引込まれた炭素繊維束からテーパー形状部で余剰樹脂を取り除かれる、請求項1から7のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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