JP2005300984A - 電子ディスプレイ用フィルター及び電子ディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 三波長域発光形蛍光灯照射下の表示コントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色付きの抑制とを両立させた電子ディスプレイ用のフィルターを提供する。
【解決手段】 設置対象とする電子ディスプレイの緑色発光ピークの波長の光線透過率Y4(%)に対して、三波長域発光形蛍光管の緑色発光ピークの波長の光線透過率Y2(%)が5以上低く、三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイの前面に設置しする電子ディスプレイ用フィルター及びそれを用いた電子ディスプレイ装置に関する。
ここで、電子ディスプレイとしては、CRT(ブラウン管)、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機・無機ELディスプレイ、FED(フィールドエミッションディスプレイ)を挙げることができるが、電気によって光を放射或いは反射することで文字や画像を表示するものであればこれらに限定されるものではない。
近年、種々の電子機器の表示パネルとして、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイが使用されている。
このような電子ディスプレイの前面には、不要な発光成分を除去して、表示色を鮮明にするために、フィルターが設置されている。
例えば、プラズマディスプレイでは、放電によりキセノンとネオンの混合ガスが励起され真空紫外線を放射し、その真空紫外線励起による赤、青、緑のそれぞれの蛍光体の発光を利用して3原色発光を得ている。その際、ネオン原子が励起された後、基底状態に戻る際に600nm付近を中心とするいわゆるネオンオレンジ光を発光するため、プラズマディスプレイでは、赤色にオレンジ色が混ざり鮮やかな赤色が得られないという特性がある。このため、プラズマディスプレイでは、ネオンオレンジ光を吸収除去する機能を有するフィルター、例えば、ネオンオレンジ光の波長の透過率を局所的に低下させたフィルターを、ディスプレイの前面に設置している。
また、プラズマディスプレイ等の特に蛍光体を使用する電子ディスプレイでは、蛍光体が白いためにディスプレイパネルによる外光の反射率が高く、表示コントラスト(画像表示時の白画像部分と黒画像部分のコントラスト)を悪化させる(黒表示部分が白っぽく見えてしまう)。そのため、ディスプレイ前面に設置するフィルターに外光を吸収させる機能(外光抑制機能)を持たせ、外光(環境光)がディスプレイパネルへ到達すること、またディスプレイパネルで反射された外光がディスプレイ装置外へ出射されることを抑制して、表示コントラストの向上を図ることが知られている。
特開2003−167118号公報
しかしながら、従来電子ディスプレイの前面フィルターに付加される表示コントラスト向上機能はもっぱら透過率を低下させることにより不要な外光を吸収、カットするというものであったため、同時に電子ディスプレイの発光もカットしてしまうことになる。そのため表示コントラスト向上の効果が低く、また電子ディスプレイの発光輝度も低下させてしまうという問題があった。
電子ディスプレイの表示コントラストをより効果的に向上させるには、電子ディスプレイの発光を余り阻害することなく、外光成分のみを選択的にカットするようフィルターの光線透過率を光学設計する必要がある。そのため、本願出願人は、このような表示コントラストの低下を防止するためのフィルターを先に提案した(特許文献1)。
ところで、電子ディスプレイは、蛍光灯や太陽光等、様々な種類の外光が存在する場所に設置される。そして、外光は、電子ディスプレイの前面のフィルターを通過し、ディスプレイパネルの表面で反射され、再び前面のフィルターを通過して人間の目に到達することになる。
このように、電子ディスプレイに入射し、再度出射する外光は、前面のフィルターを2回通過することになる。そのため、表示コントラストを向上させるため、電子ディスプレイの発光を余り阻害することなく、外光成分のみを選択的にカットするようフィルターの光線透過率を光学設計した場合、フィルターを通過する毎に外光のスペクトルバランスが崩れ、例えば電子ディスプレイの電源が入っていない状態(未使用時)で、フィルター自体が、例えば、青紫や赤紫等の不自然な色合いに色付いて見える虞がある。
特に、三波長域発光形蛍光灯F10(JIS Z8719−1996)下において表示コントラストを向上させようとした場合には、図1に示すように、通常、435nm、545nm、610nmに、大きな発光ピーク(青色発光ピーク、緑色発光ピーク、赤色発光ピーク)が存在するため、フィルターの吸収によって発光スペクトルのバランスが崩れ易く、フィルターの不自然な色付きが生じ易い。
このように、三波長域発光形蛍光灯照射下の明所でのコントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色付きの抑制という2つの機能の両立は、困難であった。
そこで、この発明は、特に、三波長域発光形蛍光灯照射下の明所でのコントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色付きの抑制という2つの機能を両立した電子ディスプレイ用のフィルターを提供しようとするものである。
すなわち、本発明の要旨は、設置対象とする電子ディスプレイの緑色発光ピークの波長の光線透過率Y4(%)に対して、三波長域発光形蛍光管の緑色発光ピークの波長の光線透過率Y2(%)が5以上低く、三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルターに存する。
また、本発明の別の要旨は、535nm〜555nmの光線透過率の平均値(Y5)が515nm〜535nmの光線透過率の平均値(Y6)より5以上低く、600nm〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が620nm〜640nmの光線透過率の平均値(Y8)より10以上低く、三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルターに存する。
また、本発明の別の要旨は、本発明の電子ディスプレイ用フィルターを使用した電子ディスプレイ装置に存する。
以上説明したように、この発明によれば、特に、三波長域発光形蛍光灯照射下の明所でのコントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色付きの抑制という2つの機能を両立させることができる。
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、プラズマディスプレイパネルの白色発光スペクトル、三波長域発光形蛍光灯F10の発光スペクトル、並びに後述する実施例1及び比較例4に係る電子ディスプレイ用フィルターの透過スペクトルを示す特性図である。
先ず、フィルターの色づきという点に関して発明者が検討した結果、先ず、フィルター自体の色として観察される色(物体色)が、赤みや緑味が少ない場合に違和感が少ないことを見いだした。そして、この知見に基づいてさらに検討を進めた結果、フィルターが赤や緑に色付かないようにするには、フィルターを照射する蛍光灯等の環境光(外光)の波長成分をバランスよくカットする必要があることがわかった。
そして、三波長域発光形蛍光灯を外光源とした場合、その緑色発光ピーク波長(545nm)を中心とする波長領域の透過率を低下(カット量を増大)させると、フィルターが赤く色付き、同じく青色発光ピーク波長(435nm)と赤色発光ピーク波長(610nm)のそれぞれを中心とする波長領域の透過率を低下させると、フィルターが緑に色付くことがわかった。
更に、435nm近傍の透過率Tb(%)及び610nm近傍の透過率Tr(%)とは、大凡3:7の重みでフィルターの緑色の着色性に影響していることがわかった。
このような緑色の色づきを補正するため、発明者は緑と赤とが補色関係にあることに着目した。つまり、赤と緑は補色関係にあるため、フィルターが緑色に色づくのと同じレベルで赤色に色づけさせれば、色づきが相殺されるであろうとの着想に至った。
この着想に従い、さらに検討したところ、赤の着色性を制御する545nm近傍の平均透過率Tg(%)と、緑の着色性を制御するTb(%)、Tr(%)に上述の重みを乗じた0.3Tb+0.7Trとの差が10以下、好ましくは5以下であれば、フィルターが赤や緑に色付くことなく、ナチュラルグレー、ナチュラルブルー等の色に観察されるということを発明したものである。
そして、外光源が三波長域発光形蛍光灯の場合、青、緑及び赤それぞれの発光中心波長から±15nmの波長帯における平均透過率としてTg(%)、Tb(%)及びTr(%)を計算すると、上述の関係式と実際のフィルタの色づきとが良好に対応することがわかった。これは、平均透過率を計算する波長帯が広すぎると、着色性への影響が無い、もしくは少ない部分が多く混ざってしまい、反対に狭すぎると、着色性への影響が無視できない部分を除いてしまうことになるためであると考えられる。
なお、ここで、平均透過率とは、上記中心波長から±15nmの範囲における透過率の単純平均と定義される。
一方、外光源として三波長域発光形蛍光灯を用いた場合の表示コントラストの向上という点について検討すると、図1に示したように、530nm〜610nmの波長域はプラズマディスプレイパネルの発光が比較的弱い反面、三波長域発光形蛍光灯F10の発光は、緑色発光ピークが545nm付近に存在するため、強い。
そのため、三波長発光形蛍光灯が発する光線のうち、この緑色発光ピーク付近の波長域成分を選択的にカット(吸収)することによって、プラズマディスプレイからの発光をあまり弱めずに不要な外光成分を効果的に削減することができる。その結果、ディスプレイパネル表面での外光の反射成分を減らし、画面表示の黒部分をより黒くすることができる(表示コントラストを向上することができる)。
また、三波長域発光形蛍光灯の発光成分についてさらに検討したところ、上述のように緑は、545nm付近に、赤は610nm付近に発光ピークが存在するが、[1]620〜600nm、[2]599〜570nm、[3]555〜535nmの三波長域に発光成分が多く、ディスプレイの表示コントラストを低下させる要因となっていることが判明した。
一方、プラズマディスプレイ発光についても、前記[1]〜[3]それぞれの波長域に存在する発光強度を調べたところ、[1]620〜600nmと[3]555〜535nmの波長域では、三波長域発光形蛍光灯の発光成分がプラズマディスプレイの発光成分と比較してより多いことが判明した。つまり、前面フィルターのこれらの波長域の光線透過率を落とすことで三波長域発光形蛍光灯の光を選択的により多くカットでき、一方でプラズマディスプレイ発光の光はそれほどカットしないことになり、三波長域発光形蛍光灯照射環境下での表示コントラスト向上が実現されるものと考えられる。
また、プラズマディスプレイの発光スペクトルを見ると、緑の発光ピークは525nmにあり、赤の発光ピークは、592nm、612nm、627nmに存在する。
緑の発光ピークの525nmの発光をカットしない方がプラズマディスプレイの緑輝度低下防止のために好ましい。
また、赤の発光ピークのうち、592nmの発光はプラズマディスプレイパネルに用いられるネオンガスによる発光であり、赤色色度劣化(赤色がオレンジがかる)の原因となるためカットすることが望ましいが、627nmの発光はプラズマディスプレイの赤の主発光成分としてフィルターによりカットしない方がプラズマディスプレイの輝度低下防止・赤色度向上のためには好ましい。
以上の検討結果をまとめると、表示コントラスト向上を実現するには、電子ディスプレイの緑色発光ピークの波長(プラズマディスプレイの場合525nmである場合が多いが、蛍光体や電子ディスプレイの種類によって異なる)の透過率Y4(%)と三波長域発光形蛍光管の緑色発光ピークの波長の透過率Y2(%)との差[Y4(%)−Y2(%)]は5以上、好ましくは7以上、更に好ましくは9以上となるようにすることが望ましい。
また、三波長域発光形蛍光灯F10の発光スペクトル(JIS Z8719−1996)を使用した視感透過率Y3(%)についても、電子ディスプレイの白色発光スペクトルを使用した視感透過率Y1(%)よりも1以上、好ましくは3以上、更に好ましくは5以上低いことが好ましい。
また、表示コントラストを高めるためにはフィルターの[1]620〜600nm、[3]555〜535nmの透過率を下げた方が好ましく、かつ、プラズマディスプレイ発光の赤・緑の輝度を低下させないためには525nm周辺、627nm周辺の透過率を上げた方が好ましい。
つまり、表示コントラストを高め、かつプラズマディスプレイ発光の緑の輝度を阻害(過剰にカット)しないためには、フィルターの535〜555nmの光線透過率の平均値(Y5)が515〜535nmの光線透過率の平均値(Y6)より5以上低いことが好ましく、これらの透過率の差は5,7,10と大きければ大きいほど好ましい。
また、表示コントラストを高め、かつプラズマディスプレイ発光の赤の輝度を阻害(過剰にカット)しないためには、フィルターの600〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が620〜640nmの光線透過率の平均値(Y8)より10以上低いことが好ましく、これらの透過率の差は10,15,20,30と大きければ大きいほど好ましい。なお、これら緑、赤の発光に対する条件を両方満たすことがより望ましい。
これらの条件とは別に、555〜535nmのフィルターの光線透過率の平均値(Y5)が40%以下であれば表示コントラストを向上させることができ、この値は37%,35%,33%,30%と小さければ小さい方が好ましい。また、600〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が35%以下であれば表示コントラストを向上させることができ、この値は35%,33%,30%,25%と小さければ小さい方が好ましい。
上述したY2,Y4及びY5〜Y8と、発光スペクトルとの関係を図2に示す。なお、図2に示す各種スペクトルは図1と同一のものである。
以上説明した、フィルターの色づきを抑制するために必要な特性と、表示コントラストを向上させるために必要な特性とを兼ね合わせることにより、三波長域発光形蛍光灯照射下の表示コントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色付きの抑制を両立した電子ディスプレイ用フィルターが実現できる。
以下、具体的な構成について説明する。
この発明に係る電子ディスプレイ用フィルターは、波長400nm〜700nmの可視光領域に、少なくとも一つの透過率の極小値を有し、不要な発光成分を除去している。例えば、プラズマディスプレイ用のフィルターの場合には、ネオンオレンジ光を吸収除去するために、530nm〜610nmの波長域に、透過率の極小値を設けている。ここで「極小値」とは、例えば二次関数のグラフ等で定義されている場合と同様な意味、即ちグラフ上において減少から増加に変わる変曲点を意味し、最小値とは異なる。
530nm〜610nmの波長域に透過率の極小値を持つということは、すなわちこの波長域の光線をより大きくカットすることを意味する。上述のようにこの530nm〜610nmの波長域は緑色発光と赤色発光との間のオレンジ発光部分(ネオン発光)であり、この部分をカットすることによって鮮明な赤色表示を得ることができ、更に色温度を高めることができるので、より好ましい色調の画像を得ることができる。極小透過率が530nmよりも短波長側であると、ネオン発光をカットする効果が低く、且つ色温度を高める効果も低いため好ましくない。また、極小透過率が610nmよりも長波長側であると、ディスプレイの赤色の発光を阻害(赤色を吸収)してしまうため好ましくない。
また、530nm〜610nmの波長域に極小値を有する透過スペクトルはシャープ(急峻)なバレー型(谷型)を有するほうが、赤発光の色純度向上、及び視野の明るさ確保のため好ましい。
図1は、実施例1として後述する、本実施形態に係る電子ディスプレイ用フィルターの一実施形態としてのプラズマディスプレイ用フィルターの透過スペクトル例を示す図であり、横軸に波長、縦軸に各波長の透過率(%)を示し、併せてプラズマディスプレイと三波長域発光形蛍光灯の発光スペクトルを示している。
この図1の例では、上述したように、ネオン発光をカットするために、530〜610nmの波長域に透過率の極小値を設けている。
また、上述したように、本実施形態の電子ディスプレイ用フィルターは、三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下である。
図1の例(実施例1)では、Tg(27.4%)−0.3Tb(23.0%)−0.7Tr(25.0%)であり、計算される絶対値は3である。
さらに、本実施形態の電子ディスプレイ用フィルターは、電子ディスプレイの緑色発光ピークの波長の光線透過率Y4(%)に対して、三波長域発光形蛍光管の緑色発光ピークの波長の光線透過率Y2(%)が5以上低い。図1の例(実施例1)では、Y4が40.3(%)、Y2が23.7(%)であり、Y4(%)−Y2(%)=16.6(%)である。
また、表示コントラスト向上を実現するには、さらに、三波長域発光形蛍光灯F10の発光スペクトル(JIS Z8719−1996)を使用した視感透過率Y3(%)についても、電子ディスプレイの白色発光スペクトルの視感透過率Y1(%)よりも1以上、好ましくは3以上、更に好ましくは5以上低いことが好ましい。視感透過率の具体的な測定方法については後述するが、図1の例(実施例1)では、Y3が27.3(%)、Y1が32.5(%)であり、Y1(%)−Y3(%)=5.3(%)である。
また、表示コントラストを高め、かつプラズマディスプレイ発光の緑の輝度を阻害(過剰にカット)しないためには、フィルターの535〜555nmの光線透過率の平均値(Y5)が515〜535nmの光線透過率の平均値(Y6)より5以上低いことが好ましく、これらの透過率の差は5,7,10と大きければ大きいほど好ましい。図1の例(実施例1)では、Y5が25.5(%)、Y6が39.5(%)であり、Y5がY6よりも14.0低い。
また、表示コントラストを高め、かつプラズマディスプレイ発光の赤の輝度を阻害(過剰にカット)しないためには、フィルターの600〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が620〜640nmの光線透過率の平均値(Y8)より10以上低いことが好ましく、これらの透過率の差は10,15,20,30と大きければ大きいほど好ましい。図1の例(実施例1)では、Y7が22.3(%)、Y8が54.0(%)であり、Y7がY8よりも31.7低い。
これらの条件とは別に、555〜535nmのフィルターの光線透過率の平均値(Y5)が40%以下であれば表示コントラストを向上させることができ、この値は37%,35%,33%,30%と小さければ小さい方が好ましい。上述のように、図1の例(実施例1)ではY5(%)が25.5である。
また、600〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が35%以下であれば表示コントラストを向上させることができ、この値は35%,33%,30%,25%と小さければ小さい方が好ましい。上述のように、図1の例(実施例1)ではY7(%)が22.3である。
このような特性を有する本発明の電子ディスプレイ用フィルターは、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピークが存在する波長(およそ435nm)、緑色発光ピークが存在する波長(およそ545nm)及び赤色発光ピークが存在する波長(およそ610nm)のいずれかの波長近傍に最大吸収を有する化合物を用いることによって実現することができる。なお、本明細書において、ある波長の「近傍」とは、当該波長を中心とした±20nmの範囲を意味する。
使用可能な化合物としては、435nm、545nm、及び610nmにおける光の吸収量を調整するにあたり、これらの波長の近傍に最大吸収を有する化合物であれば特に限定されないが、使用可能な化合物について以下例示する。
435nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(IV)の化合物が挙げられる。
〔式(IV)中、R3は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示し、R4は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、又は水素原子を示し、R5は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示し、Yは、酸素原子、又はイミノ基を示し、これらのR4、R5、及びYは、両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
前記一般式(IV)における置換基R3及びR5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R3及びR5のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20のものが、又、R3及びR5のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、前記シクロアルキル基、及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(IV)において、R3及びR5としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルキル基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、又は(3)水素原子、が好ましく、特に、R3としては、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又はフェニル基が好ましく、R5としては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は、アルキル基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいフェニル基が好ましい。
又、前記一般式(IV)におけるR4のアルキル基としては、前記R3及びR5におけるアルキル基として挙げたと同様のものが、又、R4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R4のアルコキシカルボニル基としては、前記アルコキシ基を有するカルボニル基が、又、R4のシクロアルキル基としては、前記R3及びR5におけるシクロアルキル基として挙げたと同様のものが、又、アリール基としては、前記R3及びR5におけるアリール基として挙げたと同様のものが、又、R4のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、又、R4のアリールオキシカルボニル基としては、前記アリールオキシ基を有するカルボニル基が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノ基の置換基としては、例えば、前記R3及びR5におけるアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基の置換基として挙げたと同様のアルキル基、同じくアルコキシ基、同じくアリール基、同じくアリールオキシ基、同じくスルホンアミド基、同じくアルキルスルホンアミド基、同じくジアルキルスルホンアミド基、同じくニトロ基、同じくハロゲン原子、並びに、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等のスルホニル基、水酸基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(IV)において、R4としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)アルコキシ基を置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基、(4)アルキル基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、(5)アルキル基、或いはアルコキシ基を置換基として有していてもよいアリール基を有するカルボニル基、又は(6)アルキル基、アシル基、又はスルホニル基を置換基として有していてもよいアミノ基、が好ましく、特に、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、前記一般式(IV)において、Yとしては酸素原子が好ましい。更に、本発明において、前記一般式(IV)で表されるジピラゾリルメチン系化合物としては、前記R4、R5、及びYは、両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよいが、メチン基を挟んで左右対象であるものが好ましい。
435nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、一般式(IV)の化合物の内、Yが酸素原子、R3が水素原子で、R4及びR5が、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基の場合が特に好ましい。
その好ましい具体例を以下に示す。
480〜520nmの波長域にシャープな極小値を有することにより青と緑との谷間の波長のみを選択的にカットできる。その化合物としては、下記一般式(XV)に示すピラゾリル基を有する特定のスクアリリウム系色素を使用することができる。
〔式(XV)中、A、Bは、各々独立に、置換基を有していても良いピラゾリル基を示す。〕で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物である。
より具体的には、下記一般式(XVI)で示される。
〔式(XVI) 中、R1は、置換基を有していても良いアルキル基を示し、R2は、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示す。尚、各々のR1及びR2は、同一でも異なっていても良い。〕で表される。
一般式(XV)で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物は、両端にそれぞれピラゾール環を有していることが特徴である。一般式(XV)において、置換基A、Bは、ジピラゾリルスクアリリウム系化合物がその光線透過率曲線において480〜520nmの波長域に極小値を有する限りにおいては、任意の置換基で各々独立に置換されていても良いピラゾリル基であり、その分子量としては、500以下のものである。好ましいピラゾリル基としては、置換されていても良い4−ピラゾリル基が挙げられ、さらに好ましくは下記一般式(XIV)で表される基が挙げられる。
〔式(XIV) 中、R4は、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R5は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基、又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基を示し、Xは酸素原子又はNH基を示す。〕
一般式(XIV) において、R4は、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基であり、好ましくは、置換基を有していても良いアルキル基である。前記置換基R4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基が挙げられる。又、前記置換基R4のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。尚、前記アルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;スルホニルアミド基、アルキルスルホニルアミド基、ジアルキルスルホニルアミド基、アリールスルホニルアミド基、ジアリールスルホニルアミド基、アルキルアリールスルホニルアミド基等のアルキル基又はアリール基で置換されていても良いスルホニルアミド基;ニトロ基;水酸基;及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記置換基R4の置換されていても良いアルキル基の好ましいものとしては、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良い炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。前記置換基R4の置換されていても良いアリール基の好ましいものとしては、アルキル基、アルコキシ基、スルホニルアミド基、水酸基及びハロゲン原子で置換されていても良いアリール基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアリール基であり、特に好ましくは、フェニル基又はアルキルフェニル基である。
一般式(XIV) において、置換基R5は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いアルコキシカルボニル基、又は置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基であり、このうち置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基が好ましく、置換基を有していても良いアルキル基が特に好ましい。
置換基R5の置換基を有していても良いアルキル基としては、前記置換基R4の置換基を有していても良いアルキル基として挙げたと同様のものが挙げられる。
置換基R5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。前記アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;水酸基;及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
置換基R5の置換基を有していても良いアリール基としては、前記置換基R4の置換基を有していても良いアリール基として挙げたと同様のものが挙げられる置換基R5の置換基を有していても良いアミノ基としては、無置換のアミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で置換されたアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基で置換されたアミノ基等が挙げられる。
置換基R5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシカルボニル基等が挙げられる。前記アルコキシカルボニル基の置換基としては、前記アルコキシ基の置換基として挙げたと同様のものが挙げられる。
置換基R5の置換基を有していても良いアリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル基、p―トリルオキシカルボニル基、p−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の、アルキル基又はアルコキシ基で置換されていても良いアリールオキシ基等が挙げられる。一般式(XIV)においてXは酸素原子又はNH基を示し、中でも酸素原子が好ましい。
尚、前記ジピラゾリルスクアリリウム系化合物としては、一般式(XV)において、AとBが同一であっても異なっていてもよいが、色素としての安定性、また合成の容易さからAとBとが等しい場合、すなわち左右対称である場合が最も好ましい。前記一般式(XV)で表される化合物の具体例を次に示す。
また、前記一般式(XV)で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物は、置換基AとBの前記好ましい置換基を組み合わせたものが好ましいが、このうち下記一般式(XVI)で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物がより好ましく、特にR2が置換基を有していても良いアルキル基であるものが好ましい。上記一般式(XVI)で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物は新規化合物であり、かつ青色と緑色との谷間部分である480〜520nmの領域の光を有効に吸収し、かつ、その半値幅がより狭く、原色の青や緑の蛍光体発光を阻害することもないので、色調調節用、色純度改善用、あるいは色再現範囲拡大用として特に有用な色素である。
〔式(XVI) 中、R1は、置換基を有していても良いアルキル基を示し、R2は、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示す。尚、各々のR1及びR2は、同一でも異なっていても良い。〕
前記の置換基R1及びR2の置換基を有していても良いアルキル基及び置換基を有していても良いアリール基は、前記R4及びR5として挙げたものと同様の置換基を有していても良いアルキル基及び置換基を有していても良いアリール基が挙げられる。このうちR1として好ましくは、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。このうちR2として好ましくは、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアルキル基;又は、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアリール基であり、さらに好ましくは、無置換の炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基又はアルキルフェニル基であり、特に好ましくは、無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。
又、545nm近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(I)の化合物が挙げられる。
〔式(I)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は水酸基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又はチオカルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、m=0、又は1から4の整数を示し、m'=0、又は1を示す。)を示す。〕
一般式(I)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アセチルアミノ基、メタンスルフォニルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基、トリフルオロメタンスルフォニルアミノ基、ブタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、トリデカノイルアミノ基等の炭素数1〜15のアシルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、トリルアミノ基等の芳香族カルボニルアミノ基、トシルアミノ基等の芳香族スルフォニルアミノ基等が挙げられる。
前記一般式(I)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好ましい。
又、前記一般式(I)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
又、W−X−R2中のR2のアルキル基としては、例えば、前記R1におけるアルキル基として挙げたと同様のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、アミノ基、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基、アミノ基及び複素環基は、例えば、前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有していてもよい。
前記R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、又は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、又は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良いビニル基が特に好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、545nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(II)の化合物が挙げられる。
〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2(Wは、イミノ基又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、を示し、mは、0又は1を示し、R6,R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。
一般式(II)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(II)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が特に好ましい。
又、前記一般式(II)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
又、W−X−R2中のR2のアルキル基としては、例えば、前記R1におけるアルキル基として挙げたと同様のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基、及び複素環基は、例えば、前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有していてもよい。
前記、R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、又は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基が特に好ましい。
6、及びR7の置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基としては、前記R2で挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
前記、R6、及びR7のうち、前記R2の好ましい基と同様のアルキル基、又は、アリール基が特に好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、545nmの近傍に最大吸収を有する化合物として市販品の色素である旭電化工業株式会社製の「TY−300」等も挙げられる。
又、610nmの近傍に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(III)の化合物が挙げられる。
〔式(III)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Bは、W−CO−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、R2は、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいアルキニル基を示し、m及びm'は、それぞれ独立して、0又は1を示す。)を示す。〕
一般式(III)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(III)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好ましい。
又、前記一般式(III)におけるW−CO−R2中のWのアルキルイミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。
又、W−X−R2中のR2としては、ビニル基等のアルケニル基、アセチレン基等のアルキニル等が挙げられ、これらのアルケニル基、アルキニルは、例えば、前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有していてもよい。
前記R2のうち、炭素数1〜8のアルキル基、又はフェニル基で置換されていても良いビニル基が特に好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、この発明の電子ディスプレイフィルターには、更に530〜610nm付近に最大吸収を有する化合物を併存させることが好ましく、前述の一般式(IV)、(I)、(II)、(III)の他に、下記の一般式(V)〜(XI)、及び一般式(XII)、(XIII)、(XVII)、(XVIII)の化合物が挙げられる。
〔式(V)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、又はハロゲン原子を示し、W−X−R2中のWは、イミノ基、アルキルイミノ基、又は酸素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、1価基、又は水素原子を示し、l及びl’はそれぞれ独立して0〜5の整数、m及びm’はそれぞれ独立して0〜5の整数、n及びn’はそれぞれ独立して0〜3の整数で、l+m+n≦5、及びl’+m’+n’≦5であり、ベンゼン環上にR1及びW−X−R2がそれぞれ複数個存在するとき、R1及びW−X−R2のそれぞれは、一方のベンゼン環において、又、他方のベンゼン環との間で、互いに異なっていてもよい。〕
一般式(V)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20のものが、又、R1のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、又、R1のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、又、R1のハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールオキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(V)において、R1としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)アルキル基、アルコキシ基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、(4)アルキル基、アルコキシ基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリールオキシ基、又は(5)ハロゲン原子、が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好ましい。
又、前記一般式(V)におけるW−X−R2中のWのアルキルイミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Wとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、R2は水素原子ではない。
又、W−X−R2中のR2の1価基としては、例えば、前記R1におけるアルキル基として挙げたと同様のアルキル基、前記R1におけるアルコキシ基として挙げたと同様のアルコキシ基、前記R1におけるシクロアルキル基として挙げたと同様のシクロアルキル基、前記R1におけるアリール基として挙げたと同様のアリール基、前記R1におけるアリールオキシ基として挙げたと同様のアリールオキシ基、並びに、アミノ基、及び、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられ、これらのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、及び複素環基は、例えば、前記R1におけるアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールオキシ基の置換基として挙げたと同様の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、又はハロゲン原子、或いはアリール基等を置換基として有していてもよい。
前記R2のうち、前記R1の好ましい基と同様のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良いフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良いフェニル基が、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良い2−フリル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良い2−テトラヒドロフリル基が、又は、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていても良いシクロヘキシル基が特に好ましい。
又、前記一般式において、1及び1’はそれぞれ独立して0〜5の整数、m及びm’はそれぞれ独立して0〜5の整数、n及びn’はそれぞれ独立して0〜3の整数で、l+m+n≦5、及びl’+m’+n’≦5であるが、l及びl’は1以上で、l+m+n≦3、及びl’+m’+n’≦3であるのが好ましく、より好ましくは、m及びm’は0である。又、ベンゼン環上にR1及びW−X−R2がそれぞれ複数個存在するとき、R1及びW−X−R2のそれぞれは、一方のベンゼン環において、又、他方のベンゼン環との間で、互いに異なっていてもよい。又、一方のベンゼン環上に隣接して存在するR1同士が互いに連結してアルカンジイル基やアルキレンジオキシ基等となって環状構造を形成していてもよい。
〔式(VI)中、R1は、ハロゲン原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基又は置換基を有していても良いアルケニル基を表し、mは1〜3の整数を、nは1〜4の整数を表す。〕
一般式(VI)において、置換基R1としては、例えば、次の(i)〜(vii)のようなものが例示できる。
(i) フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;(ii) メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;(iii) 置換基としてヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルキコキシカルボニル基、アセチルオキシ基カルボニル基、プロピオニルオキシカルボニル基等のアシルオキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基等を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;(iv) メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;(v) 置換基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;(vi) エテニル基などのアルケニル基;(vii) 置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−アルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,4−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,5−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,4,5−トリスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基で置換されたエテニル基等のアルケニル基。
これらのうち、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;水酸基もしくはアルコキシカルボニル基で置換された炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;または置換基を有するエテニル基が特に好ましい。
〔式(VII)中、R6は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示し、R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、水酸基、又は水素原子を示し、Zは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Lは、水素原子、又は−XR(Rは、1価基、又は水素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示す。)を示し、これらのR6、R7、L及びZは、両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
前記一般式(VII)における置換基R6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R6のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20のものが、又、R6のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、前記シクロアルキル基、及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、ホルムアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルフォニルアミノ基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アミノスルフォニル基、アルキルアミノスルフォニル基、ジアルキルアミノスルフォニル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(VII)において、R6としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は(2)アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルフォニルアミノ基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、が好ましく、特に、アルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、前記一般式(VII)におけるR7のアルキル基としては、前記R6におけるアルキル基として挙げたと同様のものが、又、R7のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R7のアルコキシカルボニル基としては、前記アルコキシ基を有するカルボニル基が、又、R7のシクロアルキル基としては、前記R6におけるシクロアルキル基として挙げたと同様のものが、又、アリール基としては、前記R6におけるアリール基として挙げたと同様のものが、又、R7のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、又、R7のアリールオキシカルボニル基としては、前記アリールオキシ基を有するカルボニル基が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、及びアミノ基の置換基としては、例えば、前記R6におけるアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基の置換基として挙げたと同様のアルキル基、同じくアルコキシ基、同じくアリール基、同じくアリールオキシ基、同じくスルホンアミド基、同じくアルキルスルホンアミド基、同じくジアルキルスルホンアミド基、同じくニトロ基、同じくハロゲン原子、並びに、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基等のアシル基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等のスルホニル基、水酸基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式(VII)において、R7としては、前記の中で、(1)アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、(3)アルコキシ基を置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基、(4)アルキル基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ジアルキルスルホンアミド基、ニトロ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基、(5)アルキル基、或いはアルコキシ基を置換基として有していてもよいアリール基を有するカルボニル基、又は(6)アルキル基、アシル基、或いはスルホニル基を置換基として有していてもよいアミノ基、が好ましく、特に、アルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、−X−R中のRの一価基としては、R6におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、R6におけるアリール基を有するアリールオキシ基、並びに、アミノ基、及び、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基、ビニル基等のアルケニル基等が挙げられる。
又、前記一般式(VII)におけるZのアルキルイミノ基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが好ましく、Zとしては、イミノ基、又はアルキルイミノ基が好ましく、イミノ基が特に好ましい。尚、Xがスルホニル基であるとき、Rは水素原子ではない。
〔式(VIII)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、又はハロゲン原子を示し、Wは、イミノ基、アルキルイミノ基、又は酸素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、1価基、又は水素原子を示し、lは0〜5の整数、mは0〜5の整数、nは0〜3の整数で、l+m+n≦5であり、ベンゼン環上にR1及びW−X−R2がそれぞれ複数個存在するとき、R1及びW−X−R2のそれぞれは異なっていてもよい。R6は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は水素原子を示し、R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、水酸基、又は水素原子を示し、Zは、酸素原子、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Lは、水素原子、又は−XR(Rは、1価基、又は水素原子を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示す。)を示す。〕
前記一般式(VIII)におけるR1、R2、W、X、l、m、nは、一般式(V)におけると同意義を表し、R6、R7、L、Zは、一般式(VII)におけると同意義を表す。
〔式(IX)中、R1は、水酸基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R2は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示し、sは0〜5の整数を表す。〕
一般式(IX)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R2のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
2のアルキル基としては、例えば、前記R1と同様なアルキル基が、又、R2のアリール基としては、例えば、前記R1と同様なアリール基が挙げられる。又、R2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R2のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20のものが、又、R1のハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
〔式(X)中、R1は、水酸基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R2は、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、sは0〜3の整数を表す。〕
一般式(X)における、R1、R2のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R1、R2のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
又、前記アルキル基、及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、水酸基、又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
〔式(XI)中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアリールオキシ基、置換基を有していても良いアルキルアミノ基、置換基を有していても良いジアルキルアミノ基、置換基を有していても良いアルキルチオ基、又は置換基を有していても良いアリールチオ基を示し、また、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8は各々連結して脂肪族炭素環を形成しても良い。Mは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子又はオキシ金属原子を示す。〕
前記一般式(XI)において、ハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のものが挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭化水素系アリール基、又は、チエニル基、フリル基、又はピリジル基等の複素環系アリール基が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭化水素系アリールオキシ基、又はチエニルオキシ基、フリルオキシ基、又はピリジルオキシ基等の複素環系アリールオキシ基等が挙げられ、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基で1置換又は2置換されたアミノ基挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ基、トリデシルチオ基、ペンタデシルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基が挙げられる。
又、前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、及びアリールチオ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;水酸基;又は、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
又、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8が各々連結して、−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−等の脂肪族炭素環を形成していても良い。
前記一般式(XI)において、R1〜R8としては、前記の中で、(1)アルコキシ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基、(3)アルキル基、アルコキシ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい、アリール基、(4)ハロゲン原子、又は(5)それぞれが連結して脂肪族炭素環を形成している場合が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基或いは連結して−(CH2)3−又は−(CH2)4−を形成している場合が特に好ましい。
前記一般式(XI)におけるMとしては、2個の水素原子;或いは、無機化学命名法1990年規則に基づく周期律表の2属、3属、4属、8属、9属、10属、11属、12属、13属、14属又は15属に属する元素から選ばれる、2価の金属原子、3価1置換金属原子、4価2置換金属原子又はオキシ金属原子を示すが、その具体例として、2価の金属原子としては、Cu,Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rd,Pd,Mn,Sn,Mg,Ti等が挙げられ、3価1置換金属原子としては、Al−Cl,Ga−Cl,In−Cl,Fe−Cl,Ru−Cl等のハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基で1置換された金属原子が挙げられ、4価2置換金属としては、SiCl2,GeCl2,TiCl2,SnCl2,Si(OH)2,Ge(OH)2,Mn(OH)2,Sn(OH)2等のハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基で2置換された金属原子が挙げられ、オキシ金属としては、VO,MnO,TiO等が挙げられる。このうち好ましくは、VO、Cu、Ni、Coが挙げられ、更に好ましくは、VO及びCuが挙げられる。
〔式(XII)中、R1〜R7は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲノアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基、炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のフェニルチオ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基又は炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基を表し、R2とR3及び/又はR5とR6はそれぞれ互いに結合してピロール環に縮合する芳香環を形成してもよく、また、これらによって形成される縮合芳香環は、それぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
〔式(XIII)中、R8〜R11は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲノアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基、炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のフェニルチオ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基又は炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基を表し、R10とR11はそれぞれ互いに結合して芳香環を形成してもよい。)を表し、Mは、遷移金属を表す。〕
1〜R11の具体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、cyclo-ペンチル基、n-ヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,2,2-卜リメチルブチル基、1,1,2-トリメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、cyclo-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,4-ジメチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、n-オクチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-メチルヘキシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、1,3,5,7-テトラエチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、n-トリデシル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、3,5-ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチルヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2-ジメチルプロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基;クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜20のハロゲノアルキル基;メトキシエチル基、エトキシエチル基、iso-プロピルオキシエチル基、3-メトキシプロピル基、2-メトキシブチル基等の炭素数2〜20のアルコキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;ビニル基、プロペニル基、1-ブテニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2,2-ジシアノビニル基、2-シアノ-2-メチルカルボキシルビニル基、2-シアノ-2-メチルスルホンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3-メトキシプロピルオキシ基、3-(iso-プロピルオキシ)プロピルオキシ基等の炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基;フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基;ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、iso-ペンチルカルボニル基、neo-ペンチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニル基、ニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1〜20のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、2,4-ジメチルブチルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n-プロピルアミノカルボニル基、n-ブチルアミノカルボニル基、n-ヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基;ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ-n-プロピルアミノカルボニル基、ジ-n-ブチルアミノカルボニル基、N-メチル-N-シクロヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基;アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基;フェニルアミノカルボニル基、4-メチルフェニルアミノカルボニル基、2-メトキシフェニルアミノカルボニル基、4-n-プロピルフェニルアミノカルボニル基等の炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基;フェニルカルボニルアミノ基、4-エチルフェニルカルボニルアミノ基、3-ブチルフェニルカルボニルアミノ基等の炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基;フェノキシカルボニル基、2-メチルフェノキシカルボニル基、4-メトキシフェノキシカルボニル基、4-t-ブチルフェノキシカルボニル基等の炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基;ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基等の炭素数4〜20のヘテロアリール基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1-メチルブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基、1,1-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基;フェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-t-プチルフェニルチオ基等の炭素数6〜20のフェニルチオ基;ビニル基、プロペニル基、1-ブテニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2,2-ジシアノビニル基、2-シアノ-2-メチルカルボキシルビニル基、2-シアノ-2-メチルスルホンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;アリルオキシカルボニル基、2-ブテノキシカルボニル基等の炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等の炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基等の炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルメトキシカルボニル基、エチルカルボニルメトキシカルボニル基等の炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基;ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、2-ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基、3-ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボール基;ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2-ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3-ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基等の炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;メトキシメチルアミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル基、エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチルアミノカルボニル基、プロボキシエチルアミノカルボニル基等の炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;ジ(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(プロポキシエチル)アミノカルボニル基等の炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボール基等を挙げることができる。
一般式(XII)で示されるジピロメテン系化合物と一緒にキレート化合物を形成する金属Mとしては、一般にジベンゾピロメテン系化合物とキレート化合物を形成する能力を有する金属であれば特に制限されないが、8、9、10族(VIII族)、11族(Ib族)、12族(IIb族)、3族(IIIa族)、4族(IVa族)、5族(Va族)、6族(VIa族)、7族(VIIa族)の金属が挙げられ、好ましくは、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銅、オスミウム、イリジウム、白金、亜鉛等の遷移元素が挙げられる。
〔式(XVIII)中、R1〜R4、R7〜R11は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲノアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基、炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基、炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のフェニルチオ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基又は炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基を表し、R2とR3及び/又はR10とR11は、それぞれ互いに結合してピロール環に縮合する芳香環を形成してもよく、又これらによって形成される縮合芳香環は、それぞれ同一であっても異なるものであってもよく、
(式(XIX)中、R8〜R11は、式(XVIII)のR8〜R11と同等である。)を表わし、Mは遷移金属を表わす。〕
好適なピロメテン系化合物(XVIII)の具体例としては、特開平10−226172号公報の表−1(4)の4−1〜4−15、4−47〜4−48、4−51、表−1(11)の11−1〜11−10等の化合物等が挙げられる。
〔(式中、−T−は、酸素原子、硫黄原子、又は、−CR12−で表される基(R1、R2 は各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、あるいはR1、R2 は一緒になって酸素、硫黄、窒素原子を含んでもよい3〜6員環を形成することができる。)であり、Yは各々独立に有機基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又は、アリール基を表し、Rは、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、又は、アリール基を表し、kは、1又は2を表し、Anm-はm価のアニオンを表し、mは1又は2の整数を表し、pは電荷を中性に保つ係数を表す。〕
上記一般式(XVII)において、式中、R1 、R2 で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられる。
また、R1、R2 から形成することのできる3〜6員環の酸素、硫黄、窒素原子を含んでもよく、置換基を有してもよい有機基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,1−ジイル、テトラヒドロピラン−4,4−ジイル、チアン−4,4−ジイル、ピペリジン−4,4−ジイル、N−置換ピペリジン−4,4−ジイル、モルホリン−2,2−ジイル、モルホリン−3,3−ジイル、N−置換モルホリン−2,2−ジイル、N−置換モルホリン−3,3−ジイル等が挙げられる。
Yで表される有機基としては特に制限を受けず、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ペプタデシル、オクタデシル等の直鎖、分岐鎖、もしくは、環状のアルキル基、好ましくは、C1〜C8のアルキル基:ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプロペン−3−イル等のアルケニル基、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基等、それがエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、アルコキシ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及び、ヨウ素原子が挙げられ、アルキル基及びアリール基としては、Yの説明の項で例示したものと同様のものが挙げられる。
Rのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブチルオキ基、n−ヘキシシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖、又は、環状アルコキシ基が挙げられ、アリール基としては、Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。
Anm-で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、金属錯体化合物であるクエンチャーアニオンも必要に応じて用いることができる。
上記のクエンチャーアニオンとしては、特開昭60−234892号公報、及び、特開2002−350632号公報に記載されたようなアニオンが挙げられる。例えば、下記一般式(A)及び(B)で表されるアニオンが挙げられる。
(式中、R3 及びR4 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、−SO2−Z基(Zは、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペリジノ基、モルフォリノ基を表す。)表し、a及びbは各々0〜3を表す。R5 、R6、R7 及びR8 は各々独立にアルキル基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基又はハロゲン化フェニル基を表し、Mは、ニッケル又は銅原子を表すMは、ニッケル又は銅原子を表す。)
上記一般式(A)において、置換基R3、R4のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルキル基、及び、アリール基としては、上記一般式(XVII)の置換基Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。
Zのアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、Zのアリール基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子で置換されていても良いフェニル基が挙げられ、ジアルキルアミノ基のアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。置換基R3、R4としては、電子吸引性基が好ましく、特に、2,3,5-トリクロル基、2,3-ジクロル基、2,4-ジクロル基、2,5-ジクロル基、―SO2Zが好ましい。Zとしては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ピペリジノ基、モルフォリノ基が好ましく、特に、モルフォリノ基が好ましい。
上記一般式(B)において、R5 、R6 、R7及びR8 のアルキル基、アルキルフェニル基のアルキル基としては、上記一般式(XVII)の置換基Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。アルコキシフェニル基のアルコキシ基としては、上記一般式(XVII)の置換基Rの項で例示したものと同様なものが挙げられ、ハロゲン化フェニル基のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられる。
一般式(I )〜(X )及び一般式(XV)、(XVI)のスクアリリウム系化合物は、置換基の種類により、又、一般式(XI)のテトラアザポルフィリン系化合物、及びピロメテン系化合物(XII)及び(XVIII)の場合、置換基の種類と中心金属Mの組み合わせにより、吸収波長が異なる。
530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(V)のスクアリリウム系化合物の好ましい例としては、特開2002−363434号公報で例示した化合物が挙げられるが、そのうち特に好ましい具体例を以下に示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VI)のスクアリリウム系化合物の好ましい例としては、一般式(VI)の内、m=3、n=0、又は、m=3、n=1でR1=置換基を有していても良いアルキル基である化合物が挙げられる。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VII)のスクアリリウム系化合物の好ましい例としては、一般式(VII)の内、Zがイミノ基、Lが水素原子、R6及びR7が、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基である化合物が挙げられる。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(VIII)のスクアリリウム系化合物としては、一般式(VIII)の内、R1=アルキル基、−W−X−R2において、Wは、イミノ基、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基、R2は、置換基を有していても良いアルキル基、又は、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基、l=2、又は、3、m=0、又は1、n=0又は1で、Zが酸素原子、Lが水素原子、R6及びR7が、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基の場合か、R1=アルコキシ基、l=0、m=3、n=0で、Zがイミノ基、Lが水素原子、R6及びR7が、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基の場合が好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(IX)のスクアリリウム系化合物としては、一般式(IX)の内、R1は、水素原子、アルキル基、又はアリール基、R7は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は、アリール基、sは、0〜2の場合が好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(X)のスクアリリウム系化合物としては、一般式(X)の内、R1=水素原子、アルキル基、又はアリール基、R2は、アルキル基、又は、アリール基、s=2、又は、3の場合が好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせる為の一般式(XI)のテトラアザポルフィリン系化合物としては、一般式(XI)の内、R1〜R8の少なくとも4個の基がアルキル基で、残りが水素原子の場合、又は、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8が各々連結して、−(CH2)3−,−(CH2)4−,−(CH2)5−等の脂肪族炭素環を形成した場合で、金属原子Mが、VO、Cu、Ni、Coの場合が好ましい。
以下にその好ましい具体例を示す。
又、530〜610nm付近に透過率の極小値Kを持たせるための一般式(XII)のピロメテン系化合物のうち、好ましい具体例としては、特開平10−226172の表−1(1)の2−8〜2−10、表−1(2)の2−18、2−20、表−1(11)の11−1〜11−10、表−1(4)の4−1〜4−13、表−1(5)の4−14〜4−15、表−1(7)の4−47、4−48、4−51等の化合物等が挙げられる。
又、530〜600nm付近に透過率の極小値を持たせる為の一般式(XV)のシアニン系化合物の内、好ましい具体例を、化学式と共に、以下の表1に挙げる。
*1; A-1は、一般式(A)の内、下記の構造を示す。
*2;A-2は、一般式(A)の内、下記の構造を示す。
尚、本発明のフィルターに使用する530〜610nmの波長域に最大吸収を有する前記一般式(V)〜(XII)、(XIV)〜(XV)、及び(I)〜(III)等の化合物としては、ディスプレイの発光を阻害しない様に透過率曲線はシャープなバレー型(谷型)を有しているほうが良く、その透過率曲線の半値幅は、60nm以下であることが好ましい。
合成例1(式 I−2の合成)
3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 塩化チオニルを原料として、Tetrahedron Letters,781(1970)の方法で1,2−ジクロロシクロブタン−3,4−ジオンを合成した。
次に1,2−ジクロロシクロブタン−3,4−ジオン(A)を用いてDyesandPigments 49,161(2001)に記載の以下の方法で、2−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [EI-MS;m/z 222(M+), 1H-NMR(400MHz ,inCDCl3δ,ppm);3.93(s,3H)、7.08(d,2H)、8.25(d,2H)]]を経由し、2−メトキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [1H-NMR(400MHz ,inCDCl3δ,ppm);3.90(s,3H)、7.04(d,2H)、8.11(d,2H)]]を合成した。
さらに2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン0.10g(0.49mmol)、をn−デカンン酸(3,5−ジヒドロキシ−フェニル)−アミド0.14g(0.49mmol)、トルエン20ml及びn−ブタノール20mlを反応容器に加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱還流させる。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄、乾燥し、目的の化合物(1A−2)0.15g(収率65.8%)を得た。
[可視部吸収 λmax:552nm(テトラヒドロフラン) マススペクトル MALDI−TOF MS(neg,no marix)法:m/z=465(M−)]
合成例2(式 I−4の合成)
2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン0.10g(0.49mmol)、を1,3,5−トリヒドロキシベンゼン0.063g(0.50mmol)、トルエン20ml及びn−ブタノール20mlを反応容器に加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱還流させた。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄、乾燥し、目的の化合物(I−4)0.12g(収率85.0%)を得た。
[可視部吸収 λmax:532nm(テトラヒドロフラン), マススペクトル MALDI−TOF MS(negative ion mode,matrix:α-CHCA)法:m/z=311(M−H)]
合成例3(式 III−3の合成)
2’−ノネノイック酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.30g、及び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.065gをトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスターク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることにより、目的の化合物(III−3)0.21g(収率60.9%)を得た。
[可視部吸収 λmax:609nm(テトラヒドロフラン)、マススペクトル DEI−MS(pos)法:m/z=605(M+H)]
合成例4(式 II−5の合成)
2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.251g、1−メチル−3−n−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン0.14g、及び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.114gとをトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスターク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることにより、反応物0.25gを得た。
1H−NMR〔500MHz、d8−THF、δ(ppm)、25℃〕により、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、1,3−ビス(2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−4,6−ジヒドロキシ−フェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、及び、前記式(II−5)の18:29:53の混合物であった。尚、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、及び1,3−ビス(2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−4,6−ジヒドロキシ−フェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラートは、それぞれ、特願2000−149260号(特開2002−97383号公報)及び特願2000―266415号(特開2002−363434号公報)の実施例に記載される対応化合物と、Mass、NMR、IRが一致した。
II−5;
可視部吸収 ;λmax:549nm(テトラヒドロフラン)
マススペクトル; DEI−MS(pos)法:m/z=469(M+H)
1H−NMR〔500MHz、d8 −THF、δ(ppm)、25℃〕;
10.32(1H,s), 7.96(1H,d), 5.94(1H,d), 3.57(3H,s),2.83(2H,t),
2.52(1H,m),1.80-0.80(19H,m)
合成例5(式II−11の合成)
3,4−ジメトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 1.0g、1−(p−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33gをメタノール 72mlに溶解し、この溶液に炭酸カリウム0.97gを添加し25℃で2時間撹拌し、析出物を濾取した。得られた固体を炭酸カリウム0.37gと水16mlの混合液に加え、50℃で5時間反応させた後、水32ml及び1mol/l塩酸水溶液を加えて、析出物を濾取した。得られた個体にn−ブタノール100ml、トルエン100ml及び2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.84gを加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱還流させた。 反応終了後、反応混合物を10mlまでエバポレーターで濃縮した後、メタノール10mlを加え、室温まで冷却し、沈殿物を濾取して、目的の化合物(II−11)0.80gを得た。
[融点:143℃, 可視部吸収 λmax:557nm(テトラヒドロフラン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=517(M)]
合成例6(式II−14の合成)
合成例5の1−(p−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33gの代わりに、1−(tert−ブチル)−3−フェニルピラゾリン−5−オン 1.1gを使用する以外は、合成例5と同様な操作を行い、目的の化合物(II−14)0.33gを得た。
[融点:138℃, 可視部吸収 λmax:558nm(テトラヒドロフラン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=545(M)]
この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、前述したスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物を単独又は混合して含有させることにより、得ることができる。その含有形態としては、代表的には、シート状あるいはフィルム状の透明基材上に、前述したスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物を含有するバインダー樹脂によりスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物含有樹脂を形成させた積層体、又は前記スクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物を含有するバインダー樹脂そのものから成るスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物含有樹脂の単層シートあるいはフィルムが挙げられる。
また、複数のスクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物を含有させる場合、それぞれを別にバインダー樹脂に混入させ、スクアリリウム系化合物及び/又はテトラアザポルフィリン系化合物及び/又はシアニン系化合物を含有する各バインダー樹脂を積層することにより、個々の化合物が別層に存在する積層体の形態をとってもよい。
この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、反射防止、近赤外線吸収、電磁波吸収等、フィルターとして必要な機能を含む構成とすることができる。
この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、電子ディスプレイ発光の輝度を大きく低下させないために、視感透過率が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上であることが望ましい。視感透過率は、JIS Z8105−1982に記述された、物体を透過する光束φtと物体に入射する光束φiとの比、φt/φiであり、人の視覚系の明るさ感覚に対する相対分光応答度(分光視感効率)を考慮した上での、380nm〜780nmの波長域における透過率の平均で、これは物体の相対的な明暗を示す明度とおおむね相関するため、視感透過率をフィルターの明るさ/暗さの指標としている。
なお、本発明では以下の方法で視感透過率を算出した。
視感透過率(定義JIS Z8105−1982)
島津製作所製分光光度計UV3100PCにより測定したフィルターの透過スペクトルを用い、XYZ表色系の三刺激値のYを計算し、視感透過率とした。計算方法は、JIS Z8722−2000による。
なお、本計算では電子ディスプレイの発光スペクトルとして、ミノルタ社製分光放射輝度計(CS−1000)で測定した日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)の発光スペクトルを使用した。
また、この発明の電子ディスプレイ用フィルターの耐光性を上げるために紫外線吸収層を設けることができる。
さらに、この発明の電子ディスプレイ用フィルターは、近赤外線カット層や電磁波カット層を設けることができる。近赤外線カット層は、プラズマディスプレイから放射される近赤外線によるリモコンや伝送系光通信における誤動作を防止する目的でディスプレイの前面に設置する。電磁波カット層は、金属酸化物等の蒸着或いはスパッタリング法、あるいは銅箔や銅メッキ層のエッチングによるメッシュ等が利用でき、電子ディスプレイから放射される電磁波をカットする。
この電子ディスプレイ用フィルターは、単独層でも、また透明のガラスや他の透明樹脂板等と貼り合わせた積層体としても用いることができる。また、電子ディスプレイ表示面へ直接貼付される部材、透明ガラスや他の透明樹脂板等と貼り合わせた積層体として設置される部材等、複数の部材の特性を組み合わせることでこの発明を実施することもできる。この発明の電子ディスプレイ用フィルターを用いて、電子ディスプレイ、またはプラズマディスプレイパネル表示装置を得るには、表示装置として、公知の表示装置あるいは市販品であれば特に限定なく使用することができる。
以下に、この発明を実施例により更に詳細に説明するが、この発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.実施例1〜5及び比較例1〜4のフィルターの製造
ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製)30wt%DME溶液に表2に示す割合(wt%/樹脂分)の各色素(本明細書中で使用した構造式番号で示す)、DME、トルエンを混合溶解し、No.14バーコーター(太祐機材社製)でポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製PETフィルム「T600E U36」、厚み50μm)に塗工し、乾燥し、膜厚4.5μmのコーティング膜を有するフィルムを得た。これをフィルムAとする。
ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製)30wt%トルエン溶液にジインモニウム系近赤外線吸収色素(N,N,N',N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジインモニウムの六フッ化アンチモン酸塩)7.6%/樹脂分、トルエン、MEKを混合溶解して、No.10バーコーター(太祐機材(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製PETフィルム「T600E W07」、厚み50μm)の一面に塗工し、乾燥し,膜厚4.5μmのコーティング膜を得た。
このフィルムのもう一方の面に、ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製)30wt%トルエン溶液にアミノチオールニッケル錯体近赤外線吸収色素{ビス−2,2−[1,2−ジ(3−フルオロフェニル)エチレンジイミン]ベンゼンチオラート}ニッケル(II)9.2wt%/樹脂分、トルエン、THFを混合溶解した塗料を同様にコーティングしたフィルム(フィルムB)と、上記フィルムAと、電磁波シールドメッシュ(線幅10μm、線ピッチ250μm)、ガラスを貼り合わせ、更に反射防止フィルム(日本油脂製リアルック8201UV)を貼り合わせて、プラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
フィルターの評価
1.光線透過率
製造したプラズマディスプレイパネル用フィルターの光線透過率を島津製作所製分光光度計UV3150により測定し、その透過スペクトルから光線透過率(Y2,Y4)及び光線透過率の平均値(Y5〜Y8及びTg,Tb,Tr)を算出した。
2.視感透過率(定義JIS Z8105−1982)
島津社製分光光度計UV3150により測定したフィルターの透過スペクトルを用い、XYZ表色系の三刺激値のYを計算し、視感透過率(Y1,Y3)とした。計算方法は、JIS Z8722−2000による。
なお、本計算ではY1の算出に用いる電子ディスプレイの白色発光スペクトルとして、ミノルタ社製分光放射輝度計(CS−1000)で測定した日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)の白色発光スペクトルを、Y3の算出に用いるF10型三波長域発光形昼光色蛍光灯の発光スペクトルとして、JIS Z8719−1996に規定される発光スペクトルを使用した。
3.フィルター着色及び表示コントラストの視感評価
前述の日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)から前面ガラスフィルターを取り外した後のディスプレイパネルの前に製造したフィルターを設置し、プラズマディスプレイの電源を切断した状態で、三波長域発光形昼白色蛍光灯でフィルターを照射し、フィルターの色調を目視評価した。
次に、プラズマディスプレイパネルの電源を投入し、ディスプレイ中心部に白色を表示し、その周辺には何も表示しない(ディスプレイ発光無し)状態で、目視にて表示コントラストを評価した。
4.青色色度の視感評価及び青色度(x,y)値の測定
外光を遮断した暗室内で、前述の日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)から前面ガラスフィルターを取り外した後のディスプレイパネルの前に製造したフィルターを設置し、プラズマディスプレイパネルで青色表示を行い、その色目を目視で評価した。また、フィルターを通じた青色表示時の発光スペクトルをミノルタ社製分光放射輝度計(CS−1000)で測定し、x値及びy値を読み取った。y値は小さい方がプラズマディスプレイパネルで青色表示した際にフィルターを透して観察される青色がより深い青色となり好ましく、y値が大きいと青色が水色がかった色となり好ましくない。
実施例1〜5および比較例1〜4についてのY1〜Y8及びTb,Tg,Trの測定(又は算出)結果を表3に示す。また、Tg−0.3Tb−0.7Tr、Y4−Y2,Y1−Y3,Y6−Y5及びY8−Y7の各値及び、フィルター着色、表示コントラスト評価結果並びに青色色度の視感評価及び青色度の測定結果を表4に示す。
実施例1〜5および比較例1〜4についてのY1〜Y8及びTb,Tg,Trの測定(又は算出)結果である。
g−0.3Tb−0.7Tr、Y4−Y2,Y1−Y3,Y6−Y5及びY8−Y7の各値及び、フィルター着色、表示コントラスト評価結果並びに青色色度の視感評価及び青色度の測定結果である。
プラズマディスプレイパネルの白色発光スペクトル、三波長域発光形蛍光灯F10の発光スペクトル、並びに実施例1及び比較例4に係る電子ディスプレイ用フィルターの透過スペクトルを示す特性図である。

Claims (18)

  1. 設置対象とする電子ディスプレイの緑色発光ピークの波長の光線透過率Y4(%)に対して、三波長域発光形蛍光管の緑色発光ピークの波長の光線透過率Y2(%)が5以上低く、
    三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
  2. 三波長域発光形蛍光灯F10の発光スペクトル(JIS Z8719−1996)を使用した視感透過率Y3(%)が、設置対象とする電子ディスプレイの白色発光スペクトルを使用した視感透過率Y1(%)に対して1以上低いことを特徴とする請求項1に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  3. さらに、600nm〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が620nm〜640nmの光線透過率の平均値(Y8)より10以上低いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  4. 535nm〜555nmの光線透過率の平均値(Y5)が515nm〜535nmの光線透過率の平均値(Y6)より5以上低く、
    600nm〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が620nm〜640nmの光線透過率の平均値(Y8)より10以上低く、
    三波長域発光形蛍光灯の緑色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tg(%)と、三波長域発光形蛍光灯の青色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tb(%)と、三波長域発光形蛍光灯の赤色発光ピーク波長を中心にして±15nmの範囲の平均透過率Tr(%)とから計算されるTg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が10以下であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
  5. 535nm〜555nmの光線透過率の平均値(Y5)が40%以下であり、かつ600〜620nmの光線透過率の平均値(Y7)が35%以下であることを特徴とする請求項4に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  6. 前記Tg−0.3Tb−0.7Trの絶対値が5以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  7. 435nmの近傍、545nmの近傍、610nmの近傍のいずれかの波長域に最大吸収を有する化合物を含有することによって、530nm〜610nmの波長域に透過率の極小値を持たせることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  8. 前記化合物が下記一般式(I)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする請求項7記載の電子ディスプレイ用フィルター。
    〔式(I)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していて
    もよいアルコキシ基、又は水酸基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又又はチオカルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、m=0、又は1から4の整数を示し、m'=0、又は1を示す。)を示す。〕
  9. 前記化合物が下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする請求項7記載の電子ディスプレイ用フィルター。
    〔式(II)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Aは、水酸基、又はW−X−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Xは、カルボニル基、又はスルホニル基を示し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、mは、0又は1を示し、R6,R7は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Zは、酸素原子を示す。)を示す。
  10. 前記化合物が下記一般式(III)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする請求項7記載の電子ディスプレイ用フィルター。
    〔式(III)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、置換基Bは、水酸基又はW−CO−R2(Wは、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、R2は、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は、置換基を有していてもよいアルキニル基を示し、m及びm'は、それぞれ独立して、0又は1を示す。)を示す。〕
  11. 480〜520nmの波長域に最大吸収を有する化合物を含有することによって、480nm〜520nmの波長域に、透過率の極小値を有する請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  12. 前記化合物が下記一般式(XVI)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする請求項11記載の電子ディスプレイ用フィルター。
    〔式(XVI)中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R2は、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。なお、各々のR1及びR2は、同一又は異なっていてもよい。〕
  13. 紫外線吸収剤を含有する層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  14. 近赤外線カット層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  15. 電磁波シールド層を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  16. 反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  17. ぎらつき防止(ノングレア)層を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の電子ディスプレイ用フィルターを使用した電子ディスプレイ装置。
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