JP4507756B2 - 電子ディスプレイ用フィルター及び該フィルターを用いた電子ディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
そのため、蛍光灯、電球、太陽光などの電子ディスプレイの設置された周りに存在する照明等が存在する明所において、電子ディスプレイの画像を視聴する場合、外光が電子ディスプレイの表面で反射してしまう(図2)。
電子ディスプレイで黒色を表示させる場合、ディスプレイに何も表示させない状態が黒色表示にあたり、特にプラズマディスプレイ等、蛍光体を使用する電子ディスプレイでは、外光が存在する環境下では、蛍光体の素子自体の色が白色であるため、表示させた黒色が白けた黒色になってしまい、電子ディスプレイ白色表示時の輝度と黒色表示時の輝度比が小さくなり、良好な明暗コントラストが得られない。
そこで、この外光の反射成分を除去するために電子ディスプレイの前面に、白けた黒をより黒くするために透過率を下げるようなフィルターが設けられている。
すなわち、外光が存在する環境下で効果的に明暗コントラストを得るためには、電子ディスプレイの発光をたくさん通し、外光成分のみを選択的にカットするようなフィルターが望まれていた。
明暗コントラストとは、ディスプレイに画像を表示させたときの発光輝度と、黒を表示させたときの黒色輝度の比率である。ディスプレイに画像を表示させたときの発光輝度は高く、そして黒を表示させたときの輝度が低ければ明暗コントラストは向上する。
ここで、ディスプレイの表示画像を明るくするためには、ディスプレイの発光成分をそのまま通すこと、すなわちフィルターのディスプレイ発光成分に対する透過率をより高くなるように設定すればよい。
次に、外光の存在する明所において、黒を表示させたときに黒をより黒く見せるためには、すなわち黒の輝度を低くするには、外光の発光成分に対し、フィルターの透過率をより低くなるように設定すればよい。これは、ディスプレイの黒は電流が流れていない部分によって表されるものである、つまり黒ディスプレイの黒表示時は、その明るさの大半が外光の反射光に起因するからである。
人間は、光の波長によって明るさの感じ方が異なる。すなわち、視感度の高い波長では明るさ/暗さをより多く感じ、視感度の低い波長ではそれほど感じない。ここで、視感度とは「目に入る放射のうち、明るさの感覚を生じさせるために有効な刺激となる割合を表すもの」(物理学辞典 培風館)と定義されている。
この視感度のピークは555nmにある。すなわち、この555nm近傍の外光をうまくコントロールすることにより、明暗コントラストを制御することができる。
540nm〜555nmの領域の光をフィルターによってカットする方法は、例えば、540nm〜555nmの領域に吸収を持つ色素・顔料・染料等を配合したフィルム等をフィルターに張り合わせることで達成できる。この方法に限るわけではなく、フィルターの540nm〜555nmの領域の透過率を局所的に低下させられるようなフィルターが得られれば、電子ディスプレイの明暗コントラストを向上させるフィルターを得ることができる。
しかしながら、540nm〜555nm近傍の光とは、赤・緑・青の光の3原色のうちの緑成分であるため、フィルターにより外光成分のうちの555nm域の光を、その他の波長の光に対して相対的に多くカットした場合は、外光成分のうちの青色・赤色の光は透過するが、緑色の光は透過させないことになり、三波長域発光形蛍光灯下では、フィルター自体の色が青と赤の混色、つまり紫色に色付いてしまう欠点があった。
つまり、人間の目に見えるフィルターの色とは、図2に示すとおり、蛍光灯等の外光がフィルターを透過し、ディスプレイ表面で反射して、もう一度フィルターを通過した光の色である。通常白色である蛍光灯等の光が、緑の光をより多くカットさせるようなフィルターを2回通過することで、青・緑・赤のバランスが変わり、青・赤の割合が多い光となって、人間の目に観測されるので、フィルターの色が紫色に色づいて見えることになる。
このように、特に三波長域発光形蛍光灯が照射する明所でのコントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色づきの抑制という、2つの機能の両立は困難であった。
そこで、この発明は、特に三波長域発光形蛍光灯が照射する明所でのコントラスト向上と、フィルター自体の不自然な色づきの抑制という、2つの機能を両立させた電子ディスプレイ用のフィルターを提供しようとするものである。
図1はプラズマディスプレイパネルの白色発光スペクトル、三波長域発光形蛍光灯F10(JIS Z8719-1996)の発光スペクトル、ならびに後述する実施例1に係る380nm〜780nmの特定波長の透過率をコントロールしたフィルターの透過スペクトルを示す特性図である。
まず、三波長域発光形蛍光灯が照射した環境下で、電子ディスプレイを視聴する際の電子ディスプレイの黒表示時の輝度という点に関しては、本発明者らが検討した結果、前述したように540nm〜555nmの領域のフィルターの透過率を低くすれば電子ディスプレイの黒色表示時の輝度をより低くすることができる。つまり、フィルターの540nm〜555nmの光線透過率の平均値Ta(%)をなるべく低く、すなわち40%以下とするのが好ましい。Ta(%)の値は、35%、33%、30%、20%以下と低くすればするほど、三波長域発光形蛍光灯が照射した環境下で、電子ディスプレイを視聴する際の電子ディスプレイの黒表示時の黒の輝度を下げることができ、好ましい。
次に、明暗コントラストという点に関して、前述のとおり、プラズマディスプレイの発光成分が少ない540nm〜555nmの領域のフィルターの透過率を低くすることで、黒の輝度を低くするとともに、プラズマディスプレイの発光成分が多い525nm近傍の光線透過率を高くするように光学設計すれば、電子ディスプレイの画像表示時の発光輝度を阻害しないことになり、好ましい。本発明者らが検討した結果、525nmの光線透過率Tb(%)を、540nm〜555nmの光線透過率の平均値Ta(%)で割った値が1.10の以上であれば、三波長域発光形蛍光灯が照射した環境下で良好な明暗コントラストを得ることができる。525nmの光線透過率Tb(%)を、540nm〜555nmの光線透過率の平均値Ta(%)で割った値は、1.20、1.30、1.40、1.50以上と大きければ大きいほど、より良好な明暗コントラストが得られ、好ましい。
また、本発明者らが三波長域発光形蛍光灯の発光成分の分光特性を検討した結果、図1に示すとおり、三波長域発光形蛍光灯の発光成分のうち、赤色の主要発光成分および緑色の主要発光成分、青色の主要発光成分はそれぞれ612nm、545nm、437nmをピークとして非常に狭い領域に集中している。これら3波長の近傍(612±20nm、545±20nm、437±20nm)の輝度の全波長(380〜780nm)の輝度に対する割合は、76%にあたり、その大半を占める。よって、これは三波長域発光形蛍光灯においては、これら3波長近傍の光の影響がかなり大きいことを意味している。
前述のとおり、電子ディスプレイの前面に設置されたフィルターの色づきは、外光がフィルターを一度通過して、電子ディスプレイ表面にて反射、そして再びフィルターを通過して出てきた光の特性に起因する(図2)。つまり、フィルターを2度通過して出てくる光の赤・緑・青の発光バランスが大幅に崩れているとフィルターが不自然に色づいて見える。これらを勘案すると、フィルターの612nm、545nm、437nmの3点の光線透過率を適切に制御することで、フィルターの色づきを抑えることができる。
本発明者らが三波長域発光形蛍光灯の発光成分の分光特性を検討した結果、フィルター自体の色を不自然に色づくのを抑えるためには、437nm〔Td〕、545nm〔Tc〕、612nm〔Te〕の3点のフィルターの光線透過率の最大値と最小値の差を10以内に規制すればよく、この値は、7,5,3と小さければ小さい方がよりフィルターの色づきがなく、フィルターとして好ましい色目であるニュートラルブルー、ニュートラルグレーにすることができる。
即ち、通常、PDPは、ネオン発光が原因で、赤色にオレンジ色が混ざり鮮やかな赤色が得られない欠点があるため、特に、PDP用フィルターの場合、530nm〜610nmの波長域に、透過率の極小値を有するようにして、ネオンオレンジ光を吸収除去する機能を付与しておくことが好ましい。
437nm、545nm、612nmのいずれかの波長域に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(I)で表されるスクアリリウム系化合物を使用することができる。
また、下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物を使用することもできる。
また、上記化合物としては、下記一般式(III)で表されるスクアリリウム系化合物も使用することができる。
480〜520nmの波長域に最大吸収を有する化合物としては、下記一般式(XVI)で表されるスクアリリウム系化合物がある。
この発明に係るフィルターは、電子ディスプレイ装置に使用することができる。
図1は、プラズマディスプレイに使用するこの発明に係るフィルターの透過スペクトルを示す図であり、横軸に波長、縦軸に各波長の透過率(%)を示し、併せてプラズマディスプレイと3波長域発光形蛍光灯の発光スペクトルを示している。
その好ましい具体例を以下に示す。
一般式(XV)で表されるジピラゾリルスクアリリウム系化合物は、両端にそれぞれピラゾール環を有していることが特徴である。一般式(XV)において、置換基A、Bは、ジピラゾリルスクアリリウム系化合物がその光線透過率曲線において480〜520nmの波長域に極小値を有する限りにおいては、任意の置換基で各々独立に置換されていても良いピラゾリル基であり、その分子量としては、500以下のものである。好ましいピラゾリル基としては、置換されていても良い4−ピラゾリル基が挙げられ、さらに好ましくは下記一般式(XIV) で表される基が挙げられる。
一般式(XIV) において、R4は、置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基であり、好ましくは、置換基を有していても良いアルキル基である。前記置換基R4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基が挙げられる。又、前記置換基R4のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。尚、前記アルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;スルホニルアミド基、アルキルスルホニルアミド基、ジアルキルスルホニルアミド基、アリールスルホニルアミド基、ジアリールスルホニルアミド基、アルキルアリールスルホニルアミド基等のアルキル基又はアリール基で置換されていても良いスルホニルアミド基;ニトロ基;水酸基;及び、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。前記置換基R4の置換されていても良いアルキル基の好ましいものとしては、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良い炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアルキル基であり、特に好ましくは無置換の炭素数1〜8のアルキル基である。前記置換基R4の置換されていても良いアリール基の好ましいものとしては、アルキル基、アルコキシ基、スルホニルアミド基、水酸基及びハロゲン原子で置換されていても良いアリール基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていても良いアリール基であり、特に好ましくは、フェニル基又はアルキルフェニル基である。
以下にその好ましい具体例を示す。
以下にその好ましい具体例を示す。
(i) フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
(ii)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iii) 置換基としてヒドロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルキコキシカルボニル基、アセチルオキシ基カルボニル基、プロピオニルオキシカルボニル基等のアシルオキシカルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基等のアルコキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基等を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;
(iv)メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(v) 置換基としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基を有する前記炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ基;
(vi)エテニル基などのアルケニル基;
(vii) 置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−アルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,4−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,5−ビスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基、3,4,5−トリスアルコキシ(例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基)フェニル基で置換されたエテニル基等のアルケニル基。
一般式(IX)におけるR1のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、R2のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、それぞれ挙げられる。
前記一般式(XI)において、ハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のものが挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭化水素系アリール基、又は、チエニル基、フリル基、又はピリジル基等の複素環系アリール基が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭化水素系アリールオキシ基、又はチエニルオキシ基、フリルオキシ基、又はピリジルオキシ基等の複素環系アリールオキシ基等が挙げられ、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基で1置換又は2置換されたアミノ基挙げられ、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ基、トリデシルチオ基、ペンタデシルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基が挙げられる。
前記一般式(XI)において、R1〜R8としては、前記の中で、(1)アルコキシ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、(2)直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基、(3)アルキル基、アルコキシ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい、アリール基、(4)ハロゲン原子、又は(5)それぞれが連結して脂肪族炭素環を形成している場合が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基或いは連結して−(CH2)3−又は−(CH2)4−を形成している場合が特に好ましい。
R8〜R11の具体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、cyclo-ペンチル基、n-ヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,2,2-卜リメチルブチル基、1,1,2-トリメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、cyclo-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,4-ジメチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、n-オクチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-メチルヘキシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、1,3,5,7-テトラエチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、n-トリデシル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、3,5-ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチルヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2- ジメチルプロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基;クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜20のハロゲノアルキル基;メトキシエチル基、エトキシエチル基、iso-プロピルオキシエチル基、3-メトキシプロピル基、2-メトキシブチル基等の炭素数2〜20のアルコキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;ビニル基、プロペニル基、1-ブテニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2,2-ジシアノビニル基、2-シアノ-2-メチルカルボキシルビニル基、2-シアノ-2-メチルスルホンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3-メトキシプロピルオキシ基、3-(iso-プロピルオキシ)プロピルオキシ基等の炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基;フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基;ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、iso-ペンチルカルボニル基、neo-ペンチルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニル基、ニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1〜20のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、2,4-ジメチルブチルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n-プロピルアミノカルボニル基、n-ブチルアミノカルボニル基、n-ヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基;ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ-n-プロピルアミノカルボニル基、ジ-n-ブチルアミノカルボニル基、N-メチル-N-シクロヘキシルアミノカルボニル基等の炭素数3〜20のジアルキルアミノカルボニル基;アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜20のアルキルカルボニルアミノ基;フェニルアミノカルボニル基、4-メチルフェニルアミノカルボニル基、2-メトキシフェニルアミノカルボニル基、4-n-プロピルフェニルアミノカルボニル基等の炭素数7〜20のフェニルアミノカルボニル基;フェニルカルボニルアミノ基、4-エチルフェニルカルボニルアミノ基、3-ブチルフェニルカルボニルアミノ基等の炭素数7〜20のフェニルカルボニルアミノ基;フェノキシカルボニル基、2-メチルフェノキシカルボニル基、4-メトキシフェノキシカルボニル基、4-t-ブチルフェノキシカルボニル基等の炭素数7〜20のフェノキシカルボニル基;ベンジル基、ニトロベンジル基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジクロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インドイル基等の炭素数4〜20のヘテロアリール基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1-メチルブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチルプロピルチオ基、1,1-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1〜20のアルキルチオ基;フェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-t-プチルフェニルチオ基等の炭素数6〜20のフェニルチオ基;ビニル基、プロペニル基、1-ブテニル基、iso-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2,2-ジシアノビニル基、2-シアノ-2-メチルカルボキシルビニル基、2-シアノ-2-メチルスルホンビニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;アリルオキシカルボニル基、2-ブテノキシカルボニル基等の炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等の炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基等の炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルメトキシカルボニル基、エチルカルボニルメトキシカルボニル基等の炭素数4〜20のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基;ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、2-ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基、3-ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基等の炭素数2〜20のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボール基;ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2-ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3-ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基等の炭素数3〜20のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;メトキシメチルアミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル基、エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチルアミノカルボニル基、プロボキシエチルアミノカルボニル基等の炭素数3〜20のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;ジ(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(プロポキシエチル)アミノカルボニル基等の炭素数5〜20のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボール基等を挙げることができる。
一般式(XII)で示されるジピロメテン系化合物と一緒にキレート化合物を形成する金属Mとしては、一般にジベンゾピロメテン系化合物とキレート化合物を形成する能力を有する金属であれば特に制限されないが、8、9、10族(VIII族)、11族(Ib族)、12族(IIb族)、3族(IIIa族)、4族(IVa族)、5族(Va族)、6族(VIa族)、7族(VIIa族)の金属が挙げられ、好ましくは、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銅、オスミウム、イリジウム、白金、亜鉛等の遷移元素が挙げられる。
上記一般式(XVII)において、式中、R1、R2で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられる。また、R1、R2から形成することのできる3〜6員環の酸素、硫黄、窒素原子を含んでもよく、置換基を有してもよい有機基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,1−ジイル、テトラヒドロピラン−4,4−ジイル、チアン−4,4−ジイル、ピペリジン−4,4−ジイル、N−置換ピペリジン−4,4−ジイル、モルホリン−2,2−ジイル、モルホリン−3,3−ジイル、N−置換モルホリン−2,2−ジイル、N−置換モルホリン−3,3−ジイル等が挙げられる。Yで表される有機基としては特に制限を受けず、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ペプタデシル、オクタデシル等の直鎖、分岐鎖、もしくは、環状のアルキル基、好ましくは、C1〜C8のアルキル基:ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプロペン−3−イル等のアルケニル基、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基等、それがエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、アルコキシ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及び、ヨウ素原子が挙げられ、アルキル基及びアリール基としては、Yの説明の項で例示したものと同様のものが挙げられる。Rのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブチルオキ基、n−ヘキシシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基等の炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖、又は、環状アルコキシ基が挙げられ、アリール基としては、Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。Anm-で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。また、金属錯体化合物であるクエンチャーアニオンも必要に応じて用いることができる。
上記のクエンチャーアニオンとしては、特開昭60−234892号公報、及び、特開2002−350632号公報に記載されたようなアニオンが挙げられる。例えば、下記一般式(A)及び(B)で表されるアニオンが挙げられる。
上記一般式(A)において、置換基R3、R4のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられ、アルキル基、及び、アリール基としては、上記一般式(XVII)の置換基Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。
Zのアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、Zのアリール基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子で置換されていても良いフェニル基が挙げられ、ジアルキルアミノ基のアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。置換基R3、R4としては、電子吸引性基が好ましく、特に、2,3,5-トリクロル基、2,3-ジクロル基、2,4-ジクロル基、2,5-ジクロル基、−SO2−Z基が好ましい。Zとしては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ピペリジノ基、モルフォリノ基が好ましく、特に、モルフォリノ基が好ましい。
上記一般式(B)において、R5、R6、R7及びR8のアルキル基、アルキルフェニル基のアルキル基としては、上記一般式(XVII)の置換基Yの項で例示したものと同様なものが挙げられる。アルコキシフェニル基のアルコキシ基としては、上記一般式(XVII)の置換基Rの項で例示したものと同様なものが挙げられ、ハロゲン化フェニル基のハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子が挙げられる。
以下にその好ましい具体例を示す。
以下にその好ましい具体例を示す。
以下にその好ましい具体例を示す。
3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 塩化チオニルを原料として、Tetrahedron Letters,781(1970)の方法で1,2−ジクロロシクロブタン−3,4−ジオンを合成した。
次に1,2−ジクロロシクロブタン−3,4−ジオン(A)を用いてDyes and Pigments 49,161(2001)に記載の以下の方法で、2−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [EI-MS;m/z 222(M+), 1H-NMR(400MHz ,inCDCl3δ,ppm);3.93(s,3H)、7.08(d,2H)、8.25(d,2H)]]を経由し、2−メトキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン [1H-NMR(400MHz ,inCDCl3δ,ppm);3.90(s,3H)、7.04(d,2H)、8.11 (d,2H)]]を合成した。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄、乾燥し、目的の化合物(1A−2)0.15g(収率65.8%)を得た。
[可視部吸収 λmax:552nm(テトラヒドロフラン) マススペクトル MALDI−TOF MS(neg,no marix)法:m/z=465(M−)]
2−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)シクロブタン3,4−ジオン0.10g(0.49mmol)、を1,3,5−トリヒドロキシベンゼン0.063g(0.50mmol)、トルエン20ml及びn−ブタノール20mlを反応容器に加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱還流させた。
反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエン/ヘキサンで洗浄、乾燥し、目的の化合物(I−4)0.12g(収率85.0%)を得た。
[可視部吸収 λmax:532nm(テトラヒドロフラン), マススペクトル MALDI−TOF MS(negative ion mode,matrix:α-CHCA)法:m/z=311(M−H)]
2’−ノネノイック酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.30g、及び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.065gとをトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスターク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることにより、目的の化合物(III−3)0.21g(収率60.9%)を得た。
[可視部吸収 λmax:609nm(テトラヒドロフラン)、マススペクトル DEI−MS(pos)法:m/z=605(M+H)]
2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.251g、1−メチル−3−n−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン0.14g、及び、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン0.114gとをトルエン20mlとn−ブタノール20mlの混合溶媒と共に、ジーンスターク装置を備えた反応容器に入れ、4時間加熱還流させて、反応させ、反応終了後、反応混合物を放冷し、沈殿物を濾過、トルエンで洗浄し、乾燥させることにより、反応物0.25gを得た。
1H−NMR〔500MHz、d8−THF、δ(ppm)、25℃〕により、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、1,3−ビス(2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−4,6−ジヒドロキシ−フェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、及び、前記式(II−5)の18:29:53の混合物であった。尚、1,3−ビス(5−ヒドロキシ−1−メチル−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラート、及び1,3−ビス(2−(2−エチルヘキサノイル)アミノ−4,6−ジヒドロキシ−フェニル)シクロブテンジイリウム−2,4−ジオラートは、それぞれ、特願2000−149260号、実施例2及び特願2000―266415号、実施例2に記載のそれぞれと、Mass、NMR、IRが一致した。
II−5;
可視部吸収 ;λmax:549nm(テトラヒドロフラン)
マススペクトル; DEI−MS(pos)法:m/z=469(M+H)
1H−NMR〔500MHz、d8 −THF、δ(ppm)、25℃〕;
10.32(1H,s), 7.96(1H,d), 5.94(1H,d), 3.57(3H,s),2.83(2H,t),
2.52(1H,m),1.80-0.80(19H,m)
3,4−ジメトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン 1.0g、1−(p−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33gをメタノール 72mlに溶解し、この溶液に炭酸カリウム0.97gを添加し25℃で2時間撹拌し、析出物を濾取した。得られた固体を炭酸カリウム0.37gと水16mlの混合液に加え、50℃で5時間反応させた後、水32ml及び1mol/l塩酸水溶液を加えて、析出物を濾取した。得られた個体にn−ブタノール100ml、トルエン100ml及び2’−エチルヘキサン酸(3,5−ジヒドロキシフェニルアミド)0.84gを加え、ジーンスターク装置を備えた反応容器に加え、4時間加熱還流させた。 反応終了後、反応混合物を10mlまでエバポレーターで濃縮した後、メタノール10mlを加え、室温まで冷却し、沈殿物を濾取して、目的の化合物(II−11)0.80gを得た。
[融点:143℃, 可視部吸収 λmax:557nm(テトラヒドロフラン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=517(M+)]
合成例5の1−(p−トリル)−3−メチルピラゾリン−5−オン 1.33gの代わりに、1−(tert−ブチル)−3−フェニルピラゾリン−5−オン 1.1gを使用する以外は、合成例5と同様な操作を行い、目的の化合物(II−14)0.33gを得た。
[融点:138℃, 可視部吸収 λmax:558nm(テトラヒドロフラン),マススペクトル:DEI−MS法 m/z=545(M+)]
なお、本発明では以下の方法で視感透過率を算出した。
視感透過率(定義JIS Z8105−1982)
島津製作所製分光光度計UV3100PCにより測定したフィルターの透過スペクトルを用い、XYZ表色系の三刺激値のYを計算し、視感透過率とした。計算方法は、JIS Z8722−2000による。
なお、本計算では電子ディスプレイの発光スペクトルとして、ミノルタ社製分光輝度計で測定した日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)の発光スペクトルを使用した。
1.実施例1〜5及び比較例1〜11のフィルターの製造
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製PETフィルム「T600E U36」、厚み50μm)に、ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイヤナール BR−80;三菱レーヨン社製)30wt%DME溶液に、表2に示す割合(wt%/樹脂分)の各色素、DME、トルエンを混合溶解し、No.14バーコーター(太祐機材社製)で塗工し、乾燥し、膜厚4.5μmのコーティング膜を有するフィルムを得た。これをフィルムAとする。
ムの六フッ化アンチモン酸塩)11.3%/樹脂分、トルエン、MEKを混合溶解して、No.10バーコーター(太祐機材(株)製)で塗工し、乾燥し,膜厚3.0μmのコーティング膜を得た。このフィルムの裏面に、脂環式アルキルメタクリレート樹脂(オプトレッツOZ−1100日立化成工業(株)社製)樹脂分35wt%、MEK32.5wt%、トルエン32.5wt%溶液にアミノチオールニッケル錯体近赤外線吸収色素{ビス−2,2−[1,2−ジ(3−フルオロフェニル)エチレンジイミン]ベンゼンチオラート}ニッケル(II)5.0wt%/樹脂分、トルエン、MEKを混合溶解して同様にコーティングしたフィルムと、上記フィルターAと、電磁波シールドメッシュ(線巾10μm、線ピッチ250μm)、ガラスを貼り合わせ、更に反射防止フィルム(日本油脂製リアルック8201UV)を貼り合わせて、プラズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
(透過率)
島津製作所製分光光度計UV3100PCにより、フィルターの612nm(Te%)、555nm〜540nm(1nm間隔)545nm(Tc%)、525nm(Tb%)、437nm(Td%)の各光線波長の透過率を測定し、555nm〜540nmについては平均透過率(Ta%)を算出し、Tb/Ta値を求めた。
その結果は、表3に示す。
日立製作所社製プラズマディスプレイ(W32−PD2100)から前面ガラスフィルターを取り外した後のディスプレイパネルの前にフィルターを設置し、プラズマディスプレイの電源を切断した状態で、3波長域発行形昼白色蛍光灯及び3波長域発光形昼光色蛍光灯のどちらか一方でフィルターを照射し、それぞれの場合についてフィルターの色調、コントラストを目視評価した。なお、評価は天井に3波長域発行形昼白色蛍光灯と3波長域発光形昼光色蛍光灯のそれぞれが設置された暗室内で実施した。
その結果は、表4に示す。
Claims (17)
- 波長400nm〜700nmの可視光領域に、少なくとも一つの透過率の極小値を有し、かつ極小の透過率のうち最小の透過率(%)と、可視光領域の最大透過率(%)との差が少なくとも10以上ある電子ディスプレイ用フィルターにおいて、540nm〜555nmの光線透過率の平均値Ta(%)を40%以下とし、かつ、525nmの光線透過率Tb(%)をこの平均値Taで割った値を1.10以上とし、フィルターの545nmの透過率Tc(%)と437nmの透過率Td(%)及び612nmの波長の透過率Te(%)の最大値と最小値の差を10以内に規制したことを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
- 上記最大値と最小値の差を5以内に規制している請求項1記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 480nm〜520nmの波長域に、透過率の極小値を有する請求項1又は2に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 530nm〜610nmの波長域に、透過率の極小値を有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 530nm〜610nmの波長域に最大吸収を有する化合物を含有することによって、530nm〜610nmの波長域に透過率の極小値を持たせることを特徴とする請求項4に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 437nm、545nm、612nmのいずれかの波長域を吸収する化合物を含有することによって透過率を規制する、請求項5に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 請求項6の化合物が下記一般式(I)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いアミノ基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、m=0、又は1から4の整数を示し、m'=0、又は1を示す。)を示す。〕 - 請求項6の化合物が下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物であることを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
- 480〜520nmの波長域に最大吸収を有する化合物を含有する請求項3に記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 紫外線吸収剤を含有する層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 近赤外線カット層を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 電磁波シールド層を設けたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- ぎらつき防止(ノングレア)層を設けたことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルター。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の電子ディスプレイ用フィルターを使用した電子ディスプレイ装置。
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