JP2005299152A - 多重通信式ウインドウ駆動制御装置 - Google Patents

多重通信式ウインドウ駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化を図ることができるウインドウ駆動制御装置を提供する。
【解決手段】 ウインドウ駆動制御システム1は、主制御ユニット2と、主制御ユニット2と多重通信を行う3個のウインドウ制御ユニット3〜5とを備えている。各ウインドウ制御ユニット3〜5はセレクト入力端子SELを備え、該セレクト入力端子SELは、それぞれセレクト入力回路部32,42,52を介してウインドウ制御部33,43,53に接続されている。各セレクト入力端子SELはそれぞれ異なる外部接続状態に設定され、各セレクト入力回路部32,42,52は、該外部接続状態に応じてそれぞれ異なる電位のセレクト信号を、対応するウインドウ制御部33,43,53に出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両用パワーウインドウ装置として具体化される多重通信式ウインドウ駆動制御装置に関するものである。
一般に、車両用パワーウインドウ装置では、運転席ドアに配設された操作部を操作することにより、運転席ドアのウインドウガラスはもちろん、他席のウインドウガラスについても集中的に昇降動作させることができるようになっている。
例えば図7及び図8に示すように、こうした車両用パワーウインドウ装置として具体化されるウインドウ駆動制御システム70A,70Bは、主制御ユニット71と、ウインドウ駆動制御装置としての第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74とを備えている。主制御ユニット71は運転席ドアに配設され、第1ウインドウ制御ユニット72は助手席ドアに配設され、第2ウインドウ制御ユニット73は後部運転席側ドアに配設され、第3ウインドウ制御ユニット74は後部助手席側ドアに配設されている。そして、主制御ユニット71と各ウインドウ制御ユニット72〜74とは、電気的に接続されている。
主制御ユニット71は、運転席ドアのウインドウガラスを昇降動作させるための操作が行われると、第1モータ75を駆動制御して、該ウインドウガラスを昇降動作させる。また主制御ユニット71は、他席のウインドウガラスを昇降動作するための操作が行われると、該ウインドウガラスを昇降動作させるための制御信号を出力する。
従来、例えば図7に示すように、主制御ユニット71と第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74とがそれぞれ個別に電気的に接続された直接駆動式のウインドウ駆動制御システム70Aが提案されている。
この種のウインドウ駆動制御システム70Aでは、他席ドアのウインドウガラスを昇降動作させるための操作が主制御ユニット71の操作部によって行われると、主制御ユニット71は、対応するウインドウ制御ユニット72〜74のみに制御信号を出力する。例えば、助手席ドアのウインドウガラスを昇降動作させるための操作が主制御ユニット71の操作部によって行われると、主制御ユニット71は、第1ウインドウ制御ユニット72に対して制御信号を出力する。つまり、制御信号は、第1ウインドウ制御ユニット72のみに入力される。そして、第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74は、該制御信号に基づいてモータ76〜78を駆動制御し、対応するウインドウガラスを昇降動作させる。
しかし、こうした直接駆動式のウインドウ駆動制御システム70Aでは、主制御ユニット71と各ウインドウ制御ユニット72〜74とを個別に電気的に接続する必要があるため、ワイヤハーネスの数が多くなるとともに、主制御ユニット71において該ワイヤハーネスを接続するためのコネクタの端子数も多く必要となってしまう。また、主制御ユニット71に3個の出力ポートを確保しなければならない。
そこで従来、例えば図8に示すように、主制御ユニット71と第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74とを共通の通信線によって接続し、主制御ユニット71と各ウインドウ制御ユニット72〜74との間で多重通信を行うようにした多重通信式のウインドウ駆動制御システム70Bが提案されている。
この種のウインドウ駆動制御システム70Bでは、他席ドアのウインドウガラスを昇降動作させるための操作が主制御ユニット71の操作部によって行われると、主制御ユニット71は、昇降動作の対象となるウインドウ制御ユニット72〜74を特定するためのコードを含む制御信号を出力する。例えば、助手席ドアのウインドウガラスを昇降動作させるための操作が主制御ユニット71の操作部によって行われると、主制御ユニット71は、第1ウインドウ制御ユニット72を特定するためのコードを含む制御信号を出力する。
一方、第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74は、第1〜第3ウインドウ制御部72a〜74aと、第1セレクト入力端子SEL1及び第2セレクト入力端子SEL2とを備えている。各セレクト入力端子SEL1,SEL2は、対応する第1〜第3ウインドウ制御部72a〜74aの入力端子にそれぞれ電気的に接続されている。そして、各ウインドウ制御ユニット72〜74におけるセレクト入力端子SEL1,SEL2に対する外部接続状態は、それぞれ異なる態様となっている。具体的には、第1ウインドウ制御ユニット72においては、両セレクト入力端子SEL1,SEL2が共にオープン状態となっている。また、第2ウインドウ制御ユニット73においては、第1セレクト入力端子SEL1が接地され、第2セレクト入力端子SEL2がオープン状態となっている。これに対し、第3ウインドウ制御ユニット74においては、第1セレクト入力端子SEL1がオープン状態となっており、第2セレクト入力端子SEL2が接地されている。
そして、第1〜第3ウインドウ制御ユニット72〜74は、これらセレクト入力端子SEL1,SEL2に対する外部接続状態に基づいて自身を識別し、制御信号に含まれるコードが自身を特定するものであるか否かを判断する。その結果、該コードが自身を特定していると判断したウインドウ制御ユニット72〜74のみが、制御信号に基づくモータ76〜78の駆動制御を行う。
よって、こうした多重通信式のウインドウ駆動制御システム70Bによれば、前記直接駆動式のウインドウ駆動制御システム70Aに比べて、ワイヤハーネスの数が低減するとともに、主制御ユニット71において該ワイヤハーネスを接続するために必要なコネクタの端子数も少なくて済む。また、主制御ユニット71に確保すべき出力ポートも1つで済む。
ところが、こうした従来の多重通信式のウインドウ駆動制御システム70Bでは、3個のウインドウ制御ユニット72〜74を備える場合、2つのセレクト入力端子SEL1,SEL2が必要となり、5個のサブユニットを備える場合には該セレクト入力端子SEL1,SEL2に加え、もう一つセレクト入力端子が必要となる。このため、各ウインドウ制御ユニット72〜74に電気的接続を行うために必要なコネクタの端子数が多くなり、該ウインドウ制御ユニット72〜74が大型化するとともに、製造コストも増大してしまう。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図ることができるウインドウ駆動制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数箇所に設けられたウインドウをそれぞれ個別に開閉動作する複数のモータを総括的に駆動制御する主制御ユニットと多重通信を行い、該主制御ユニットから出力される制御信号に基づいて、対応する前記モータを駆動制御する多重通信式ウインドウ駆動制御装置であって、セレクト入力端子を備え、該セレクト入力端子に対する外部接続状態に応じて、それぞれ異なる少なくとも3種の電位となるセレクト信号を出力可能なセレクト入力回路部と、前記セレクト信号の電位に基づいて、前記制御信号に基づく前記モータの駆動制御を行うか否かを判断するウインドウ制御手段とを備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の多重通信式ウインドウ駆動制御装置において、前記セレクト入力端子に対する外部接続状態とは、該セレクト入力端子に何も接続されていない状態、該セレクト入力端子が接地されている状態、及び該セレクト入力端子に電圧が印加されている状態を示し、前記セレクト入力回路部は、前記3種の状態に応じて異なる電位となるセレクト信号を出力することを要旨とする。
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、セレクト入力回路部は、セレクト入力端子に対する外部接続状態に応じて、それぞれ異なる少なくとも3種の電位となるセレクト信号を出力する。そして、ウインドウ制御手段は、主制御ユニットから出力される制御信号が入力された際に、該制御信号に基づくモータの駆動制御を行うか否かを、セレクト信号の電位に基づいて判断する。このため、例えば3個のウインドウ駆動制御装置が主制御ユニットに接続される場合、ウインドウ駆動制御装置に必要なセレクト入力端子は1つのみとなる。よって、ウインドウ駆動制御装置に必要なコネクタ端子を低減させることができ、該コネクタ端子の小型化を図ることが可能となる。また、ウインドウ駆動制御装置に対する入力ポートの数も低減させることができる。
請求項2に記載の発明によると、セレクト入力端子に対する外部接続状態は、該セレクト入力端子に何も接続されていない状態、該セレクト入力端子が接地されている状態、及び該セレクト入力端子に電圧が印加されている状態、といった3種の接続状態から選択される。このため、セレクト入力端子に対する外部接続を簡単且つ確実に行うことが可能になる。
以上詳述したように、本発明によれば、小型化を図ることができるウインドウ駆動制御装置を提供することができる。
以下、本発明を車両用ウインドウ駆動制御システムとして具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、ウインドウ駆動制御システム1は、主制御ユニット2と、3個のウインドウ駆動制御装置としての第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5とを備えている。図2に示すように、主制御ユニット2は、運転席ドア6内に設けられている。主制御ユニット2には、ウインドウガラス7を開閉(昇降)動作するD席モータ11が接続されている。また、第1ウインドウ制御ユニット3は助手席ドア内に設けられ、第2ウインドウ制御ユニット4は後部運転席側ドア内に設けられ、第3ウインドウ制御ユニット5は後部助手席側ドア内に設けられている。第1ウインドウ制御ユニット3には助手席ウインドウガラスを開閉動作するP席モータ12が接続され、第2ウインドウ制御ユニット4には後部運転席側ウインドウガラスを開閉動作するRR席モータ13が接続され、第3ウインドウ制御ユニット5には後部助手席側ウインドウガラスを開閉動作するRL席モータ14が接続されている。
<主制御ユニット2の構成>
図1に示すように、主制御ユニット2は、運転席スイッチ(D席SW)21、助手席スイッチ(P席SW)22、後部運転席側スイッチ(RR席スイッチ)23、及び後部助手席側スイッチ(RL席スイッチ)24を備えている。そして、図2に示すように、各スイッチ21〜24は、該運転席ドア6の内側面に、それぞれ配設されている。これらスイッチ21〜24は、ウインドウガラス7の開閉(昇降)を操作するためのスイッチであり、運転者によって操作されると操作信号を出力する。
また、図1に示すように、主制御ユニット2は、主制御部25、D席モータドライバ26及び主通信インターフェイス部27を備えている。そして、各スイッチ21〜24、D席モータドライバ26及び主通信インターフェイス部27は、主制御部25にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御部25は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、各スイッチ21〜24から操作信号が入力されると、D席モータドライバ26または主通信インターフェイス部27に対して所定の制御信号を出力する。
詳しくは、D席SW21から操作信号が入力されると、主制御部25は、D席モータドライバ26に対して制御信号を出力する。より詳しくは、ウインドウガラス7を閉動作(上昇動作)させる旨の操作信号(閉操作信号)がD席SW21から入力されると、主制御部25は、D席モータドライバ26に対して閉制御信号を出力する。これに対し、ウインドウガラス7を開動作(下降動作)させる旨の操作信号(開操作信号)がD席SW21から入力されると、主制御部25は、D席モータドライバ26に対して開制御信号を出力する。
一方、P席SW22、RR席SW23またはRL席SW24から操作信号が入力されると、主制御部25は、主通信インターフェイス部27に対して制御信号を出力する。より詳しくは、P席SW22から操作信号が入力されると、主制御部25は、第1ウインドウ制御ユニット3を特定するための識別コードと、開動作または閉動作を指令する旨の指令コードとを含む制御信号を、主通信インターフェイス部27に対して出力する。同様に、主制御部25は、RR席SW23から操作信号が入力されると第2ウインドウ制御ユニット4を特定するための識別コード、RL席SW24から操作信号が入力されると第3ウインドウ制御ユニット5を特定するための識別コードを含む制御信号を、主通信インターフェイス部27に対して出力する。
D席モータドライバ26には、前記D席モータ11が接続されている。そして、D席モータドライバ26は、主制御部25から入力される制御信号に基づいてD席モータ11を駆動制御し、ウインドウガラス7を昇降動作させる。
主通信インターフェイス部27は、第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5と通信線8を介して電気的に接続されており、各ウインドウ制御ユニット3〜5と多重通信を行う。そして、主通信インターフェイス部27は、主制御部25から制御信号が入力されると該制御信号を各ウインドウ制御ユニット3〜5に出力し、第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5からの出力信号が入力されると該出力信号を主制御部25に出力する。
<第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5の構成>
一方、図1に示すように、第1ウインドウ制御ユニット3は、第1通信インターフェイス部31、セレクト入力端子SEL、第1セレクト入力回路部32、ウインドウ制御手段としての第1ウインドウ制御部33、P席SW34、及びP席モータドライバ35を備えている。
また、第2ウインドウ制御ユニット4は、第2通信インターフェイス部41、セレクト入力端子SEL、第2セレクト入力回路部42、ウインドウ制御手段としての第2ウインドウ制御部43、RR席SW44、及びRR席モータドライバ45を備えている。
そして、第3ウインドウ制御ユニット5は、第3通信インターフェイス部51、セレクト入力端子SEL、第3セレクト入力回路部52、ウインドウ制御手段としての第3ウインドウ制御部53、RL席SW54、及びRL席モータドライバ55を備えている。
これらウインドウ制御ユニット3〜5は、同一構成・同一機能となっている。つまり、各通信インターフェイス部31,41,51、各セレクト入力回路部32,42,52、各ウインドウ制御部33,43,53、各SW34,44,54、各モータドライバ35,45,55は、それぞれ同一のものであり、ここでは説明の便宜上、名称及び符号を異にしている。
そこで、以下、第1ウインドウ制御ユニット3についての説明を主として行い、第2及び第3ウインドウ制御ユニット4,5についての詳細な説明を割愛する。
図1及び図3に示すように、第1通信インターフェイス部31の一方の入出力端子は前記主制御ユニット2の主通信インターフェイス部27の出力端子に接続されており、他方の入出力端子は第1ウインドウ制御部33に接続されている。この第1通信インターフェイス部31は、主制御ユニット2と多重通信を行い、主制御ユニット2から制御信号が入力されると、該制御信号を第1ウインドウ制御部33に出力する。また、第1通信インターフェイス部31は、第1ウインドウ制御部33から制御信号が入力されると、該制御信号を主制御ユニット2に出力する。
セレクト入力端子SELは、第1ウインドウ制御ユニット3に対する外部入力端子であり、該第1ウインドウ制御ユニット3に配設された図示しないコネクタに配置されている。このセレクト入力端子SELは、セレクト入力回路部32を介して第1ウインドウ制御部33の入力ポートINに接続されている。
詳しくは、図3に示すように、第1セレクト入力回路部32は、第1〜第3抵抗R1〜R3、ダイオードD1及びツェナダイオードZD(ここではツェナ電圧=5V)によって構成されている。そして、セレクト入力端子SELは、第1抵抗R1を介して第1ウインドウ制御部33の入力ポートINに接続されている。また、セレクト入力端子SELと第1抵抗R1との間の通電経路には、ダイオードD1のカソードと、第3抵抗R3の一端とが接続されている。ダイオードD1のアノードは第2抵抗R2を介して第1ウインドウ制御部33への電力供給源(ここでは5V電源)に接続され、第3抵抗R3の他端は接地されている。また、第1抵抗R1と入力ポートINとの間の通電経路にはツェナダイオードZDのカソードが接続され、該ツェナダイオードZDのアノードは接地されている。なお、第2抵抗R2及び第3抵抗R3は、同じ抵抗値に設定されている。
このため、セレクト入力端子SELに何も外部接続されていない状態(オープン状態)にあっては、第1ウインドウ制御部33の入力ポートINに「2.5V」の電位からなるセレクト信号が入力されることとなる。また、セレクト入力端子SELが接地されている状態(GND状態)にあっては、該入力ポートINに「0V」の電位からなるセレクト信号が入力されることとなる。そして、例えばセレクト入力端子SELに車両のバッテリが接続された場合など、セレクト入力端子SELに5V以上の電圧が印加されるように外部接続されている状態(電圧印加状態)にあっては、該入力ポートINに「5V」の電位からなるセレクト信号が入力されることとなる。
そして、図1及び図4に示すように、本実施形態において、第1ウインドウ制御ユニット3のセレクト入力端子SELはオープン状態に設定され、第2ウインドウ制御ユニット4のセレクト入力端子SELはGND状態に設定されている。また、第3ウインドウ制御ユニット5のセレクト入力端子SELはバッテリに接続され、12Vの電圧印加状態に設定されている。よって、第1ウインドウ制御部33の入力ポートINには「2.5V」の電位からなるセレクト信号が入力され、第2ウインドウ制御部43の入力ポートINには「0V」の電位からなるセレクト信号が入力され、第3ウインドウ制御部53の入力ポートINには「5V」の電位からなるセレクト信号が入力された状態となっている。つまり、第1〜第3ウインドウ制御部33,43,53には、それぞれ異なる電位のセレクト信号が入力された状態となっている。
図1及び図3に示すように、第1ウインドウ制御部33は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、P席SW34及びP席モータドライバ35が接続されている。なお、第2ウインドウ制御部43にはRR席SW44及びRR席モータドライバ45が接続され、第3ウインドウ制御部53にはRL席SW54及びRL席モータドライバ55が接続されている。
各SW34,44,54は、前記主制御ユニット2に設けられたP席SW22、RR席SW23及びRL席SW24と同じ構成をなし、操作された際に、対応するウインドウ制御部33,43,53に操作信号を出力する。
そして、第1ウインドウ制御部33は、P席SW34から操作信号が入力されると、P席モータドライバ35に駆動信号を出力する。同様に、第2ウインドウ制御部43は、RR席SW44から操作信号が入力されるとRR席モータドライバ45に駆動信号を出力し、第3ウインドウ制御部53は、RL席SW54から操作信号が入力されるとRL席モータドライバ55に駆動信号を出力する。
P席モータドライバ35にはP席モータ12が接続され、RR席モータドライバ45にはRR席モータ13が接続され、RL席モータドライバ55にはRL席モータ14が接続されている。そして、各モータドライバ35,45,55は、対応するウインドウ制御部33,43,53から駆動信号が入力されると、対応するモータ12〜14を駆動してウインドウガラスを昇降動作させる。
<第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5の識別処理>
ところで、主制御ユニット2と各ウインドウ制御ユニット3〜5との間では多重通信が行われるため、主制御ユニット2から出力される制御信号は、全てのウインドウ制御ユニット3〜5に入力される。そこで、第1〜第3ウインドウ制御部33,43,53は、入力ポートINに入力されるセレクト信号をA/D変換し、該変換データに基づいて、自身を特定する識別処理を行う。つまり、第1ウインドウ制御部33は、セレクト信号の電位に基づいて該識別処理を行う。具体的には、第1ウインドウ制御部33は、セレクト信号の電位が「2.5V」であることに基づいて、自身が助手席ドア用のウインドウ制御ユニットであると認識する。また、第2ウインドウ制御部43は、セレクト信号の電位が「0V」であることに基づいて、自身が後部運転席側ドア用のウインドウ制御ユニットであると認識する。同様に、第3ウインドウ制御部53は、セレクト信号の電位が「5V」であることに基づいて、自身が後部助手席側ドア用のウインドウ制御ユニットであると認識する。
そして、第1ウインドウ制御部33は、主制御ユニット2から出力される制御信号が第1通信インターフェイス部31を介して入力されると、該制御信号に含まれる識別コードが自身を特定するものであるか否かを判断する。そして、第1ウインドウ制御部33は、該識別コードが自身を特定するものであると判断すると、指令コードに基づいてP席モータドライバ35に駆動信号を出力してP席モータ12を駆動させ、助手席ドアのウインドウガラスを開動作または閉動作させる。同様に、第2及び第3ウインドウ制御部43,53も、主制御ユニット2から出力される制御信号が対応する通信インターフェイス部41,51を介して入力されると、該制御信号に含まれる識別コードと指令コードとに基づいて各モータ13,14の駆動制御を行う。すなわち、第1〜第3ウインドウ制御部33,43,53は、主制御ユニット2から制御信号が入力された際に、該制御信号に基づくモータ12〜14の駆動制御を行うか否かを、セレクト信号の電位に基づいて判断する。このため、第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5は同一構成をなすものの、主制御ユニット2において対応するスイッチ22〜24の操作に基づいて、対応するウインドウガラスのみを昇降動作させることが可能となる。
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)各セレクト入力回路部32,42,52は、セレクト入力端子SELに対する外部接続状態に応じて、それぞれ異なる3種の電位となるセレクト信号を出力する。そして、ウインドウ制御部33,43,53は、主制御ユニット2から出力される制御信号が入力された際に、該制御信号に基づくモータ12〜14の駆動制御を行うか否かを、セレクト信号の電位に基づいて判断する。このため、3個のウインドウ制御ユニット3〜5が主制御ユニット2に接続された本実施形態にあっては、各ウインドウ制御ユニット3〜5に必要なセレクト入力端子SEL及びセレクト入力回路部32,42,52はそれぞれ1つのみとなる。よって、ウインドウ制御ユニット3〜5に必要なコネクタ端子を低減させることができ、該コネクタ端子の小型化を図ることが可能となる。また、第1〜第3ウインドウ制御部33,43,53に対する入力ポートINの数も低減させることができる。
(2)各セレクト入力端子SELに対する外部接続状態は、該セレクト入力端子SELに何も接続されていない状態(オープン状態)、該セレクト入力端子SELが接地されている状態(GND状態)、及び該セレクト入力端子SELにバッテリ電圧が印加されている状態(電圧印加状態)、といった3種の接続状態から選択されている。このため、各セレクト入力端子SELに対する外部接続を簡単且つ確実に行うことができるとともに、各セレクト入力回路部32,42,52から異なる3種の電位となるセレクト信号を確実に出力させることができる。
(3)第1〜第3セレクト入力回路部32,42,52は、3つの抵抗R1〜R3と、1つのダイオードD1と、1つのツェナダイオードZDとによって構成されている。そして、こうした5つの回路素子を用いることにより、3種の電位となるセレクト信号を各ウインドウ制御部33,43,53に出力可能となっている。よって、各セレクト入力回路部32,42,52を比較的簡単に構成することができるとともに、該セレクト入力回路部32,42,52から3種のセレクト信号を確実に出力させることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態においてウインドウ駆動制御システム1は、3個のウインドウ制御ユニット3〜5を備えている。しかし、ウインドウ駆動制御システム1は、2個のウインドウ制御ユニットを備えているのみでもよい。また、ウインドウ駆動制御システム1は、4個以上のウインドウ制御ユニットを備えていてもよい。すなわち、主制御ユニット2は、4個以上のウインドウ制御ユニット3(4,5)と多重通信を行うようになっていてもよい。但し、このように変更した場合、ウインドウ制御ユニットの数に応じてセレクト入力端子SEL及びセレクト入力回路部の数を増やす必要がある。例えば、ウインドウ駆動制御システム1が4〜9個のウインドウ制御ユニットを備える場合には、セレクト入力端子SEL及びセレクト入力回路部をそれぞれ2つずつ各ウインドウ制御ユニットに設ける必要がある。また、ウインドウ駆動制御システム1が10〜27個のウインドウ制御ユニットを備える場合には、セレクト入力端子及びセレクト入力回路部をそれぞれ3つずつ各ウインドウ制御ユニットに設ける必要がある。
そこで、こうした変更例として、5個のウインドウ制御ユニット(説明の便宜上、ここでは増加した2個のウインドウ制御ユニットをそれぞれ「第4ウインドウ制御ユニット」及び「第5ウインドウ制御ユニット」と呼ぶ)を備えたウインドウ駆動制御システム1について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5においては、第1ウインドウ制御ユニット3の構成変更例を示す。
こうした変更例のウインドウ駆動制御システム1において、第1〜第3ウインドウ制御ユニット3〜5、第4及び第5ウインドウ制御ユニットは、2つのセレクト入力端子と、2つのセレクト入力回路部とを備える必要がある。具体的には、例えば図5に示すように、第1ウインドウ制御ユニット3は、前記第1セレクト入力回路部32と、該第1セレクト入力回路部32と同じ構成を有する第1’セレクト入力回路部32aとを備えている。そして、第1セレクト入力端子SEL1は、第1セレクト入力回路部32を介してウインドウ制御部33の第1入力端子IN1に接続され、第2セレクト入力端子SEL2は、第1’セレクト入力回路部32aを介してウインドウ制御部33の第2入力端子IN2に接続されている。また、第2及び第3ウインドウ制御ユニット4,5、第4及び第5ウインドウ制御ユニットも、第1ウインドウ制御ユニット3と同等の構成となっている。
そして、図6に示すように、第1ウインドウ制御ユニット3においては、第1及び第2セレクト入力端子SEL1,SEL2が共にオープン状態に設定されている。第2ウインドウ制御ユニット4においては、第1セレクト入力端子SEL1がオープン状態に設定され、第2セレクト入力端子SEL2がGND状態に設定されている。第3ウインドウ制御ユニット5においては、第1セレクト入力端子SEL1がオープン状態に設定され、第2セレクト入力端子SEL2が電圧印加状態に設定されている。第4ウインドウ制御ユニットにおいては、第1セレクト入力端子SEL1が電圧印加状態に設定され、第2セレクト入力端子SEL2がオープン状態に設定されている。そして、第5ウインドウ制御ユニットにおいては、第1及び第2セレクト入力端子SEL1,SEL2が共に電圧印加状態に設定されている。このため、対応するウインドウ制御部(33,43,53)の第1及び第2入力端子IN1,IN2に入力される各セレクト信号の電位のパターンは、全て異なる。よって、各ウインドウ制御ユニットは、該セレクト信号の電位のパターンに基づいて自身を特定することができる。
しかも、このように変更すれば、少数のセレクト入力端子及びセレクト入力回路部の追加により、多数のウインドウ制御ユニットを備えるウインドウ駆動制御システム1を構成することができる。ちなみに、前記背景技術に記載の従来のウインドウ駆動制御システム70Bでは、5〜8個のウインドウ制御ユニットを備える場合には、各ウインドウ制御ユニットにそれぞれ3つのセレクト入力端子を設ける必要がある。したがって、このように変更しても、各ウインドウ制御ユニットに必要なコネクタ端子を低減させることができ、該コネクタ端子の小型化を図ることが可能となる。
・ 前記実施形態においてセレクト入力端子SELには、電圧印加状態とするためにバッテリが外部接続されるようになっている。しかし、これに限らず、電圧印加状態とするために、例えばウインドウ制御部33,43,53に対する電力供給源がセレクト入力端子SELに外部接続されるようになっていてもよい。このようにすれば、各セレクト入力回路部32,42,52から前記ツェナダイオードZDを省略することができ、該セレクト入力回路部32,42,52の構成を簡素化することができる。
・ ウインドウ駆動制御システム1は、車両用に限らず、例えば住宅の窓を電気的に開閉動作させる建物用ウインドウ駆動制御システムとして適用されてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 少なくとも3箇所に設けられたウインドウをそれぞれ個別に開閉動作する複数のモータを総括的に駆動制御する主制御ユニットと、前記各ウインドウに対応して設けられ、前記主制御ユニットと多重通信を行い、該主制御ユニットから出力される制御信号に基づいてそれぞれ対応する前記モータを駆動制御する少なくとも3個のウインドウ制御ユニットとを備える多重通信式ウインドウ駆動制御システムであって、前記各ウインドウ制御ユニットは、セレクト入力端子と、該セレクト入力端子に対する外部接続状態に応じて少なくとも3種の電位となるセレクト信号を出力可能なセレクト入力回路部と、前記セレクト信号の電位に基づいて、前記制御信号に基づく前記モータの駆動制御を行うか否かを判断するウインドウ制御手段とを備えるとともに、各セレクト入力回路部がそれぞれ異なる電位のセレクト信号を出力するように前記セレクト入力端子が外部接続されている状態で、前記主制御ユニットと電気的に接続されていることを特徴とする多重通信式ウインドウ駆動制御システム。
この技術的思想(1)に記載の発明によると、各ウインドウ制御ユニットのウインドウ制御手段には、セレクト入力回路部からそれぞれ異なる電位のセレクト信号が入力される。このため、各ウインドウ制御手段は、該セレクト信号の電位に基づいて自身を識別可能となる。そして、各ウインドウ制御手段は、主制御ユニットから出力される制御信号が入力されると、該制御信号に基づいて対応するモータの駆動制御を行うか否かを、セレクト信号の電位に基づいて判断する。このため、例えば3個のウインドウ制御ユニットが主制御ユニットに接続される場合、各ウインドウ制御ユニットに必要なセレクト入力端子は1つのみとなる。よって、ウインドウ制御ユニットに必要なコネクタ端子を低減させることができ、該コネクタ端子の小型化を図ることが可能となる。また、ウインドウ制御ユニットに対する入力ポートの数も低減させることができる。
(2) 技術的思想(1)に記載のウインドウ駆動制御システムにおいて、前記セレクト入力端子に対する外部接続状態とは、該セレクト入力端子に何も接続されていない状態、該セレクト入力端子が接地されている状態、及び該セレクト入力端子に電圧が印加されている状態を示し、前記セレクト入力回路部は、前記3種の状態に応じて異なる電位となる前記セレクト信号を出力すること。
(3) 技術的思想(1)に記載のウインドウ駆動制御システムにおいて、当該ウインドウ駆動制御システムは、車両のウインドウガラスを電気的に開閉動作させるものであること。
本発明の一実施形態のウインドウ駆動制御システムの概略構成を示すブロック図。 同実施形態の車両のドアを示す斜視図。 同実施形態のウインドウ駆動制御装置の概略構成を示すブロック図。 同実施形態のセレクト入力端子に対する外部接続状態と、ウインドウ制御手段への印加電圧との関係を示す表。 他の実施形態のウインドウ駆動制御装置の概略構成を示すブロック図。 他の実施形態のセレクト入力端子に対する外部接続状態と、ウインドウ制御手段への印加電圧との関係を示す表。 従来のウインドウ駆動制御システムの概略構成を示すブロック図。 従来のウインドウ駆動制御システムの概略構成を示すブロック図。
符号の説明
1…ウインドウ駆動制御システム、2…主制御ユニット、3〜5…ウインドウ駆動制御装置としての第1〜第3ウインドウ制御ユニット、11〜14…モータ、32,42,52…第1〜第3セレクト入力回路部、33,43,53…ウインドウ制御手段としての第1〜第3ウインドウ制御部、SEL…セレクト入力端子。

Claims (2)

  1. 複数箇所に設けられたウインドウをそれぞれ個別に開閉動作する複数のモータを総括的に駆動制御する主制御ユニットと多重通信を行い、該主制御ユニットから出力される制御信号に基づいて、対応する前記モータを駆動制御する多重通信式ウインドウ駆動制御装置であって、
    セレクト入力端子を備え、該セレクト入力端子に対する外部接続状態に応じて、それぞれ異なる少なくとも3種の電位となるセレクト信号を出力可能なセレクト入力回路部と、
    前記セレクト信号の電位に基づいて、前記制御信号に基づく前記モータの駆動制御を行うか否かを判断するウインドウ制御手段とを備えることを特徴とする多重通信式ウインドウ駆動制御装置。
  2. 前記セレクト入力端子に対する外部接続状態とは、該セレクト入力端子に何も接続されていない状態、該セレクト入力端子が接地されている状態、及び該セレクト入力端子に電圧が印加されている状態を示し、
    前記セレクト入力回路部は、前記3種の状態に応じて異なる電位となる前記セレクト信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の多重通信式ウインドウ駆動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016082293A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 株式会社デンソー 通信装置
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