JP2005298664A - 樹脂製自動車外装部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品のそり変形が少なく、機械的強度特に衝撃性、高温時の剛性、クリープ特性およびウエルド強度に優れる繊維強化熱可塑性樹脂製自動車外装部品を提供。
【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂組成物の射出成形品であって、成形品中の強化用繊維長さ1.5〜5.0mmの重量平均分布が1〜50%である自動車外装部品。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂製自動車外装部品に関する。詳しくは、繊維長2mm以上の強化用繊維が10%〜50%含まれる繊維強化熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られる成形品であって、成形品のそり変形が少なく、機械的強度特に衝撃性、高温時の剛性、クリープ特性およびウエルド強度に優れ、しかも成形加工性に優れる繊維強化熱可塑性樹脂製自動車外装部品に関する。
現在、自動車外装部品は、耐久性、車両の軽量化、スナップフィット等による組み付け工程の簡素化、複雑形状を容易に加工できる加工性の面から樹脂素材が使用される機会が増えている。使用される樹脂素材は、その使用環境から材料の機械的性質の向上を目的としてガラス繊維等の繊維状のフィラーで強化されたポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等のエンジンニアリング樹脂やポリプロピレン樹脂等の汎用樹脂などである。特にポリアミド樹脂は、ガラス繊維による補強効果の発現が大きく、成形加工性や耐久性が優れておりこれらの用途に好んで使用されている。しかし、従来市販されているガラス繊維強化材料はペレット中での繊維長が0.5mm程度であり、射出成形による加工時に更に繊維長が短くなり、成形品としての機械的強度特に衝撃性、高温時の剛性が不十分なだけでなく、金型キャビティを充填する際樹脂の流動方向と直角方向で特性の差、いわゆる異方性が大きくなる。この結果、自動車外装部品用材料として採用されるための最も重要な判断基準の一つである射出成形品の反り変形量が大きくなり、この材料を使用できる部品が著しく制限されている。
近年、上記問題を解決すべく成形品中の繊維長を長くする手法が検討されている。射出成形用材料の代表的なものとして連続した繊維を溶融樹脂に含浸しそのまま引抜いてペレット状にカットしてペレット中の繊維長を8〜20mmにした組成物が市販されているが、これらのペレットは生産効率が低く、このため材料コストが高くなり適用できる部品の分野が大きく制限されている。
一方、これらのペレットを射出成形して得られる成形品の性能は確かに繊維長の比較的長い繊維を含み、ISOやJISに定められた基準の試験を行うような単純な成形品では機械的強度が向上するとともに、異方性も低減される。しかしながら組成物中の繊維長が単分散で8〜20mmと長いため成形流動性が低下し、自動車外装部品例えばサンルーフデフレクター、ルーフレール、ドアミラーステー、ミラーブラケット、フロントフェンダー、リアクオーターパネル、バックドアパネル、バックドアインナー等の大型成形品では流動末端での充填密度が低いことが原因で成形収縮が局部的に大きくなり、そのためそり変形が増大する問題がある。また、成形品の外観、機械的強度やウエルド部の強度も必然的に低下するため、コスト低減のため複数部品一体化による部品形状複雑化に対応できない。
これらを解決するため、繊維の平均長を規定した組成物が提案されているが、該組成物では繊維長分布の幅が広く平均長の規定だけでは本発明に上げるような機械的強度と成形加工性との両立が困難であるのが現状である(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2001−179738号公報 特開2001−192466号公報
本発明の目的は、成形品のそり変形が少なく、機械的強度特に衝撃性、高温時の剛性、クリープ特性、振動疲労特性およびウエルド強度に優れる繊維強化熱可塑性樹脂製自動車外装部品を提供するものである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、
繊維強化熱可塑性樹脂組成物の射出成形品であって、成形品中の強化用繊維長さ1.5〜
5.0mmの重量平均分布が1〜50%を占める自動車アンダーフード構造部成形品は、そり変形と機械的強度が両立でき前述の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、優れた機械的強度を得るために必要な繊維長2mm以上の強化用繊維を全フィラメントの10〜50%含むことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂組成物を用い、自動車外装部品を射出成形することにより優れた成形性、高い機械的強度さらには複雑な成形品形状で発生するウエルド強度に優れた成形品が容易に得られる。
本発明によれば、優れた機械的強度を得るために必要な最低限度の繊維長を含み、反り量が少なく成形性、ウエルド強度に優れた自動車外装部品を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物から得られる自動車外装部品は、通常公知の射出成形機により成形される。
本発明の自動車外装部品とは、例えば、サンルーフデフレクター、ルーフレール、ドアミラーステー、ミラーブラケット、フロントフェンダー、リアクオーターパネル、バックドアパネル、バックドアインナーである。
本発明の成形品中の強化用繊維は、繊維長1.5〜5.0mmの重量平均分布が1〜50%、好ましくは5〜50%、さらに好ましくは10〜40%である。
本発明に用いられるペレット中の強化用繊維は、繊維長2mm以上が全フィラメントの10〜50%、好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜50%である。
本発明の組成物に用いられる強化繊維はガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、有機繊維等から1種または複数種選ぶことができる。ガラス繊維はEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス等を溶融紡糸して得られるものの、Eガラス繊維がもっとも経済的である。繊維径についてはその取り扱いを考慮すると5〜25μmの繊維が好適であり、補強効果を考慮すると7〜17μmの繊維径が好ましい。また、成形品の機械的強度に大きな影響を有するポリアミド樹脂と強化繊維との界面を効果的にするために各種表面処理剤及び集束剤を使用することができる。
本発明に使用される熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、成形品の使用環境によってエンジニアリングプラスチックや汎用樹脂が使用できるが、自動車外装部品の環境温度を考慮するとポリアミド樹脂が性能的にも経済的にも好適である。さらに本発明では各種ポリアミド樹脂単体またはポリアミド樹脂を主成分とした他樹脂との複合材料も使用できる。具体的にはポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、メタキシレンジアミンとカプロラクタムを重合してなるポリアミドMXD−6、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸を重合してなるポリアミド6−T、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸およびアジピン酸を重合してなるポリアミド6−T−6−6、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸およびアジピン酸を重合してなるポリアミド6−I−6−6、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸及びアジピン酸を重合してなるポリアミド6−T−6−I−6−6などのポリアミドから少なくとも一種類選ばれるもので、要求特性によってはこれらから複数選んで複合した材料を使用することができる。また、他樹脂との複合についても特に限定されるものではなくポリアミド/ポリプロピレン樹脂、ポリアミド/ポリフェニレン樹脂、ポリアミド/ポリカーボーネート樹脂、ポリアミド/ABS樹脂等が使用できる。また、これらポリアミド樹脂には高い温度での使用環境下の製品寿命を考慮して耐空気老化安定剤、例えば銅系化合物やヒンダードアミン系化合物等を添加することができる。
本発明の自動車外装部品に使用される組成物は、下記の2つの方法によって得ることができる。
第一の方法は、通常の二軸押出機によって熱可塑性樹脂と繊維を溶融混練して得られる組成物である。押出機の第一供給口より熱可塑性樹脂を供給し、第二供給口より強化用繊維を供給、さらに該繊維を切断し、溶融した樹脂と混練して所望の繊維長分布を得、また優れた機械的特性を得るために必要な2mm以上繊維長を持つ繊維の割合を10〜50%
に制御する方法である。
第二の方法としては、連続する該繊維に溶融樹脂を含浸させ、そのまま引抜いて固化後、ペレット状に切断する方法である。
本発明の自動車外装部品に使用される組成物は、上に記載された第一の方法で得られるペレット99〜50重量%と第二の方法で得られるペレット1〜50重量%から得ることができる。
本発明の自動車外装部品に使用される組成物は、熱可塑性樹脂40〜99重量%および強化用繊維60〜1重量%から得られ、好ましくは熱可塑性樹脂50〜75%、強化用繊維50〜25%であり、さらに好ましくは熱可塑性樹脂50〜70%、強化用繊維50〜30%である。
本発明の成形品を得るための射出成形には市販されている射出成形機が使用できるが、強化用繊維の溶融流動時の破損を抑える観点から溶融した樹脂組成物の射出時に発生するせん断応力をなるべく小さくするため流動断面積を広くとったデザインが好ましい。
以下、実施各例および比較各例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]
熱可塑性樹脂として旭化成ケミカルズ株式会社製ポリアミド樹脂レオナ1300S、強化用繊維として繊維径17μmのフィラメント状ガラス繊維約4200本を集束した日本電気硝子株式会社製ロービング状ガラス繊維T−428を用いてガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物(A1)を作成した。
組成物を作成するための押出しはCoperion社製ZSK40MC(スクリュー径φ40mm)2軸押出し機を用いて行い、条件はスクリュー回転数480rpm、吐出量90kg/hr、バレル設定温度295℃、ポリアミド樹脂投入量45kg/hrとした。該押出し機のバレルの樹脂溶融位置より下流側に直接ロービングを導入しφ5mmのダイス出口から押出された長繊維ガラス強化ポリアミド樹脂ストランドを長さ8mmにカットしてガラス繊維50%のガラス繊維強化ポリアミド樹脂ペレット(A1)を得た。
該ペレット約5gを採取し650℃で2時間加熱してガラス以外の成分を除去した後ガラスフィラメントの長さを画像解析装置にて測定し、強化繊維中に占める繊維長2mm以上の比率を測定した。結果を表1に示した。
更に該ペレット約8gを用いて90%蟻酸で樹脂分8.4重量%の溶液を作り毛細管型粘度管を用いて蟻酸相対粘度を測定し表1に示した。
また、得られた長繊維ガラス強化ポリアミド樹脂ペレットを成形したときの外装部品適合性を評価するため、各種金型を用いて射出成形した。そりの評価は三菱重工株式会社製射出成形機(型締め650t)にて自動車外装部品評価用成形品(幅200mm×長さ400mm×高さ70mmフランジ付ボックス)を成形した。最大反り量は株式会社ミツトヨ製三次元測定装置にて測定した結果を表1に示した。このボックス成形品の成形条件は樹脂設定温度295℃、金型設定温度50℃としスクリュー回転数は100rpmとした。
更に、線膨張率については、東芝機械株式会社製射出成形機IS150Eにて150mm×150mm×厚み3mmの平板を成形し樹脂の流動方向、直角方向夫々に幅10mm、長さ40mmの短冊を切り出し、JISK719に定める測定方法に準じてParkinElmer社製線膨張率測定装置TMA7で−30℃から150℃の範囲で線膨張率を測定し結果を表1に示した。この平板の成形条件は樹脂設定温度295℃、金型設定温度80℃としスクリュー回転数は100rpmとした。
また、機械的強度、ウエルド強度、流動長は日精樹脂工業株式会社製射出成形機FN3000にて射出成形してISO試験片、スパイラルフロー成形品(流動断面積15mm×厚み2mm)を作成し、曲げ試験についてはISO178、シャルピー衝撃試験についてはISO180の基準に則って夫々評価した。ウエルド強度保持率はISO引張り試験片であるダンベル試験片の両端にゲートを設け、試験片の中央部にウエルドが発生するように成形し、通常の試験に用いる試験片との強度比により評価した。このときの樹脂設定温度は295℃、金型設定温度は80℃としスクリュー回転数は60rpmとした。
更に、該成形品から約1gを切り出して650℃で2時間加熱しガラス以外の成分を除去した後、全ガラスフィラメント(n本)の長さ(Li、i=1〜n)を画像解析装置にて測定し、0.1mm毎に本数を集計して、長さ(Li)の本数(ni)を計測し、下記の計算式によりガラス繊維長の重量平均長(Lw)を計算して表1に示した。
Lw=Σ(Li)/ΣLi
また重量平均分布(Lw%)について、下記式を用い、Liが0.8〜5mmの値を集計して表1に示した。
Lw%=Li*ni/Σ(Li*ni)*100
(ここでΣはi=1からi=nまでの合計)
[実施例2]
実施例1で用いたガラス繊維強化ポリアミド樹脂ペレットA1に、繊維径17μmのフィラメント状ガラス繊維約4200本を集束したロービングに溶融したポリアミド樹脂を含浸させ、そのまま引抜いたガラス繊維強化ポリアミド樹脂製ストランドを長さ8mmにカットして作成したペレット(B1)を組成物として15重量%加えガラス繊維強化ポリアミド樹脂ペレット(A2)を得た。
実施例1のA1の代わりに該ペレットA2を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維長、反り量、機械的強度、ウエルド強度および流動長を測定し表1に記載した。
[比較例1]
実施例2で用いたガラス繊維強化ポリアミド樹脂ペレットA1とB1との混合比率を組成物の重量比で1:4で混合して組成物中に2mm以上のガラス繊維が約90%を占めるペレット(A3)を得た。
実施例1のA1の代わりに該ペレットA3を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維長、反り量、機械的強度、ウエルド強度および流動長を測定し表1に記載した。
[比較例2]
実施例1で用いたガラス繊維ロービングの代わりに該ロービングを長さ3mmに切りそろえたチョップドストランドを用いて実施例1と同様に押出し成形にてガラス繊維強化ポリアミド樹脂ペレット(C1)を得た。C1に実施例2で得たB1を組成物として5重量%加えて組成物中に2mm以上のガラス繊維が約5%を占めるペレット(A4)を得た。
実施例1のA1の代わりに該ペレットA4を用いて実施例1と同様の方法でガラス繊維長、反り量、機械的強度、ウエルド強度および流動長を測定し表1に記載した。
以上の結果から実施例1および2は比較例1および2に比べて優れた機械的強度を保持してなおかつ反り変形が少なく成形流動性とウエルド強度の高い成形品が得られ、自動車アンダーフード構造部材に好適であることがわかる。
Figure 2005298664
成形品中の強化繊維長分布を制御することにより優れた機械的強度を得るために必要な最低限度の繊維長を含み、成形性、ウエルド強度に優れた自動車外装部品を得る。

Claims (7)

  1. 繊維強化熱可塑性樹脂組成物の射出成形品であって、成形品中の強化用繊維長さ1.5〜5.0mmの重量平均分布が1〜50%であることを特徴とする自動車外装部品。
  2. 該組成物中の繊維長2mm以上の強化用繊維が、該繊維の10〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の自動車外装部品。
  3. 二軸押出機の第一供給口から熱可塑性樹脂を供給し、さらに該繊維のロービングを第二供給口から導入し、次いで該繊維を押出し機スクリューで切断して溶融した該樹脂へ分散させて得たペレットを射出成形した成形品であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車外装部品。
  4. 該繊維のロービングに溶融した熱可塑性樹脂を含浸、固化させて得られるペレット1〜50重量%および請求項3に記載の繊維強化熱可塑性組成物ペレット99〜50重量%から得られることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車外装部品。
  5. 熱可塑性樹脂40〜99重量%および強化用繊維60〜1重量%で構成されることを特徴とする該樹脂組成物から得られる請求項1〜4のいずれかに記載の自動車外装部品。
  6. 該熱可塑性樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミドMXD−6、ポリアミド6−T、ポリアミド6−T−6−6、ポリアミド6−I−6−6およびポリアミド6−T−6−I−6−6の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車外装部品。
  7. 該強化用繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維および有機繊維から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動車外装部品。
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