JP2003291177A - 繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法および成形方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法および成形方法

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JP2003291177A
JP2003291177A JP2002101953A JP2002101953A JP2003291177A JP 2003291177 A JP2003291177 A JP 2003291177A JP 2002101953 A JP2002101953 A JP 2002101953A JP 2002101953 A JP2002101953 A JP 2002101953A JP 2003291177 A JP2003291177 A JP 2003291177A
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Shinichi Nagaoka
真一 永岡
Etsuji Okumura
悦治 奥村
Yasuyoshi Oshima
康義 大島
Mikio Yasui
幹夫 安井
Masayoshi Morooka
将義 師岡
Hisashi Kayano
久 茅野
Katsutoshi Nagae
勝利 永江
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Shimizu Industry Co Ltd
Denso Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Shimizu Industry Co Ltd
Denso Corp
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑化工程において、得られる成形体の機械
的物性に寄与する繊維の折損を抑えつつ、可塑化時間を
安定させることのできる繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化
方法および効率的に成形する成形方法を提供すること。 【解決手段】 複数のゾーンで個別に温度管理可能なバ
レル、該バレルの上流側一端の上方に設置されたホッパ
ーおよび該バレル内に設置され圧縮比が2より小さいス
クリューを具備した射出成形機の該バレル内に該ホッパ
ーを通じてペレットを供給し溶融混練させる繊維強化熱
可塑性樹脂の可塑化方法において、1ショット目の可塑
化時間が、通常可塑化条件で可塑化したときの1ショッ
ト目の可塑化時間の1.1〜3倍となるように、バレル
内での繊維強化熱可塑性樹脂の送り量を制御した改良可
塑化条件で行う繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法にか
かるものであり、さらに本発明は、該可塑化方法で可塑
化したのち成形する成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形、射出圧
縮成形、射出プレス成形、押出し成形の如き様々の成形
に使用される繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法、およ
び該可塑化方法により可塑化したのち成形する成形方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化熱可塑性樹脂は、強度や耐熱性
の高さを利用して、自動車部品等の重要な工業材料とし
て使用されている。射出成形等の成形材料として用いら
れる繊維強化熱可塑性樹脂ペレットには、熱可塑性樹
脂に長さ3〜12mm程度のチョップド強化繊維を添加
したものを押出機等で溶融混練して得られる短繊維強化
熱可塑性樹脂ペレットと、連続した強化繊維束を溶融
した熱可塑性樹脂浴に通過させて含浸し、これを引取っ
て適当な長さに切断することにより得られる長繊維強化
熱可塑性樹脂ペレットが知られている。
【0003】上記短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットは、
ペレット製造時の混練工程において繊維の折損が避けら
れず、ペレット内の繊維長が短くなってしまう。さら
に、このようなペレットを用いて射出成形した成形体で
は残存繊維長が通常0.5mm程度未満となり、満足の
いく機械的物性の成形体が得られないことがある。
【0004】長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用いた
射出成形体では、短繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用
いた射出成形体に比べて成形体中の残存繊維長は長くな
り、引張強度、衝撃強度等の機械的物性は良好となる。
【0005】このような長繊維強化熱可塑性樹脂の特長
をより活かすためには、可塑化工程時におけるバレル内
での繊維の折損を極力抑える必要があり、スクリュー形
状面や可塑化条件面での提案が多く為されている。例え
ばスクリュー形状面においては、スクリュー溝深さを
大きくする。圧縮比を小さくする。スクリューピッ
チを大きくする等が提案されており、可塑化条件面にお
いては、無背圧にする。スクリュー回転数を低回転
にする等が提案されている。これらは全て可塑化工程時
において樹脂にかかるせん断応力を小さくし、繊維の折
損を抑えることを目的としている。
【0006】しかしながら、上述したようなせん断応力
のかかりにくいスクリューや可塑化条件では繊維長を長
く保つことには有効であるが、溶融に必要な熱量を樹脂
に与えづらく、連続成形中に可塑化時間が徐々に長くな
るなど、可塑化が不安定となる問題が生じることがあっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可塑
化工程において、得られる成形体の機械的物性に寄与す
る繊維の折損を抑えつつ、可塑化時間を安定させること
のできる繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法、および、
得られる成形体の機械的物性に寄与する繊維の折損を抑
えつつ、繊維強化熱可塑性樹脂を効率的に成形する成形
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のゾーン
で個別に温度管理可能なバレル、該バレルの上流側一端
の上方に設置されたホッパーおよび該バレル内に設置さ
れ圧縮比が2より小さいスクリューを具備した射出成形
機の該バレル内に該ホッパーを通じてペレットを供給し
溶融混練させる繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法にお
いて、1ショット目の可塑化時間が、下記(1)および
(2)からなる通常可塑化条件で可塑化したときの1シ
ョット目の可塑化時間の1.1〜3倍となるように、バ
レル内での繊維強化熱可塑性樹脂の送り量を制御した改
良可塑化条件で行う繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法
にかかるものであり、さらに本発明は、該可塑化方法で
可塑化したのち成形する成形方法にかかるものである。 (1)ホッパーに十分多量のペレットを蓄え、重力によ
り該ペレットをバレル内に自然供給せしめる。 (2)バレルのゾーン温度を、隣接する上流部よりも下
流部の温度を高く設定するか等しく設定する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の改良可塑化条件において
は、その1ショット目の可塑化時間が、通常可塑化条件
での1ショット目の可塑化時間に対してやや長めとなる
ようにバレル内での繊維強化熱可塑性樹脂の送り量を制
御することにより、多数のショットを重ねても可塑化時
間がむやみに長くなることなく、成形サイクルを一定時
間で行うことができる。通常可塑化条件での1ショット
目の可塑化時間に対し、改良可塑化条件での1ショット
目の可塑化時間の比が小さいと、可塑化時間を安定させ
る(連続サイクル中の可塑化時間の延びを防ぐ)効果は
小さい。一方、該比が大きすぎると、可塑化時間は安定
するものの、樹脂がせん断応力を受ける時間が長くなる
ため、バレル内での繊維の折損が著しくなり、また成形
サイクルが長くなりすぎ、生産効率が下がるという問題
がある。該比の下限として好ましくは1.1であり、よ
り好ましくは1.15である。該比の上限として好まし
くは2であり、より好ましくは1.5である。
【0010】このように、バレル内での繊維強化熱可塑
性樹脂の送り量を制御する方法としては、以下の[1]
〜[4]の方法等が考えられるが、これらに限定される
ものではない。 [1]ペレットの供給を可塑化工程のみで行い、該供給
が一定速度でのバレル内への供給である。 [2]バレルの最上流部のゾーン温度を、隣接する下流
部よりも高く設定する。 [3]供給するペレットの温度を50℃〜120℃とす
る。 [4]供給するペレットとして滑剤を0.05重量%以
上含有するペレットを用いる。 以下、各方法について説明する。
【0011】[1]ペレットの供給を可塑化工程のみで
行い、該供給が一定速度でのバレル内への供給である。
例えば、射出成形法は可塑化工程、射出・保圧工程、冷
却工程および製品取出工程といった工程で行われるが、
この方法は、そのうちの可塑化工程のみにおいてペレッ
トの供給を行い、かつ一定速度でバレル内へ供給するこ
とによって、1ショット目の可塑化時間が通常可塑化条
件で可塑化したときの1ショット目の可塑化時間よりも
やや長めとなるように、バレル内での繊維強化熱可塑性
樹脂の送り量を制御する方法である。さらに具体的にい
えば、例えば、供給量を少なめにして一定速度でバレル
内へペレットを供給する方法である。少な目の供給量と
しては、ホッパー下スクリューの溝内がペレットで埋ま
らない(スターブ供給となる)ような供給量が好まし
い。これは例えば、ホッパー内に取り付けた定量フィー
ダーを用いることにより、実現される。
【0012】[2]バレルの最上流部のゾーン温度を、
隣接する下流部よりも高く設定する。通常はペレットを
早く圧縮部に送り込もうとするため、バレルのゾーン温
度の設定が、隣接する上流部よりも下流部の温度が高く
設定されているか等しく設定されている(典型的には、
供給部の温度は低く、圧縮部以降の温度はそれよりも高
く設定されている)。この[2]の方法はそれとは異な
り、特に、バレルの最上流部のゾーン温度については、
隣接する下流部よりも高く設定する方法である。これに
よりペレットが奥へ(圧縮部以降へ)送り込まれる速度
は遅くなり、可塑化時間をやや長めとすることができ
る。バレル最上流部のゾーン温度は好ましくは、隣接す
る下流部よりも5℃以上高めに設定され、より好ましく
は10℃以上高めに設定される。あまりに高く設定して
も、それに見合ったより高い効果も得られないことか
ら、バレル最上流部と隣接する下流部との設定温度差と
して好ましくは40℃であり、より好ましくは30℃で
ある。
【0013】[3]供給するペレットの温度を50℃〜
120℃とする。この方法は上記[2]と同様な趣旨で
あり、供給するペレット自体の温度を高くしておく方法
である。その具体的方法としては、例えば、ヒーター付
のホッパードライヤーやヒーター付のホッパーを用い
て、その中にあるペレットを加熱する方法が挙げられ
る。供給するペレットの温度として好ましくは60〜1
10℃であり、より好ましくは70〜100℃である。
【0014】[4]供給するペレットとして滑剤を0.
05重量%以上含有するペレットを用いる。供給するペ
レットが滑りやすいと、やはりペレットが奥へ(圧縮部
以降へ)送り込まれる速度は遅くなり、可塑化時間はや
や長めとなる。滑剤の含有量として好ましくは0.1重
量%以上であり、より好ましくは0.15重量%以上で
ある。滑剤は、多すぎてもそれに見合ったより高い効果
が得られなくなるので、通常は該含有量は0.5重量%
以下であり、より好ましくは0.3重量%以下である。
滑剤は、予めペレット中に含ませておいても、ペレット
とドライブレンドしてもよく、ペレットとドライブレン
ドするほうが効果が高く好ましい。また、使用する滑剤
としてはステアリン酸亜鉛が好ましい。なお、この方法
の場合には、当然のこととして、比較対象の通常可塑化
条件に「供給するペレットとしてかつ材を含有しないペ
レットを用いること」がさらに含まれる。
【0015】本発明で用いられる繊維強化熱可塑性樹脂
が含有する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアミド系樹脂またはポリエステル系樹脂、ある
いはこれらの2種類以上の樹脂の混合物が好ましい。前
記ポリオレフィン系樹脂としては非晶性または結晶性の
ポリオレフィン系樹脂を用いることができるが、好まし
くは結晶性のポリオレフィン系樹脂である。前記ポリア
ミド系樹脂としては、ポリアミド−6、ポリアミド−1
1、ポリアミド−12、ポリアミド4−6、ポリアミド
−6,6、ポリアミド−6,10、ポリアミド−6,1
2、または、これらのアロイ樹脂等を採用できる。前記
ポリエステル系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリエステルカーボネート、または、これら
のアロイ樹脂等を採用できる。上記熱可塑性樹脂は、単
独で用いることもできるが、二種類以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0016】前記ポリオレフィン系樹脂の中では、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリ(3−メチルブテン−
1)、ポリ(4−メチルペンテン−1)またはプロピレ
ンと非共役ジエンとの共重合体が好ましい。本発明で用
いられる繊維強化熱可塑性樹脂が含有する熱可塑性樹脂
としてさらに好ましくはポリプロピレン系樹脂である。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、
プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重合体もし
くはランダム共重合体、またはこれらの混合物等が挙げ
られる。本発明で用いられる繊維強化熱可塑性樹脂が含
有する熱可塑性樹脂としては、特に不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体で変性された不飽和カルボン酸類変性ポ
リオレフィン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂で
ある。このように、不飽和カルボン酸類変性ポリプロピ
レン系樹脂等の不飽和カルボン酸類変性ポリオレフィン
系樹脂をポリプロピレン系樹脂に添加して用いること
で、強化繊維との接着性を向上でき、さらなる優れた強
度を確保できる。なお、不飽和カルボン酸類変性ポリオ
レフィン系樹脂の含有量は、0.01〜50重量%が好
ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単
独重合体、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共
重合体もしくはランダム共重合体、またはこれらの混合
物等が挙げられるが、特にプロピレン単独重合体である
ことが好ましい。
【0017】繊維強化熱可塑性樹脂として、溶融したと
きの粘度が比較的高いものを用いると前記したような問
題が起こりやすいが、本発明の可塑化方法は、そのよう
な溶融したときの粘度が比較的高い繊維強化熱可塑性樹
脂に好適に適用される。本発明で用いられる繊維強化熱
可塑性樹脂が含有する熱可塑性樹脂としては、極限粘度
が1.1〜1.5dl/gのプロピレン単独重合体がよ
りさらに好ましく、極限粘度が1.15〜1.3dl/
gのプロピレン単独重合体が最も好ましい。なお、該極
限粘度は、繊維強化熱可塑性樹脂を沸騰キシレンに溶解
させ、300メッシュのフィルターで濾過したのちに、
得られた濾液を大量のメタノール中に投入して析出させ
た樹脂について、ウベローデ型粘度計を用いて135℃
のテトラリン中で測定するものとする。
【0018】また、前記の熱可塑性樹脂には、必要に応
じて各種添加剤、充填剤、例えば酸化防止剤、防曇剤、
帯電防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、顔料などを含ませ
ることができる。また、本発明の妨げにならない範囲で
例えば、リサイクル樹脂などをブレンドすることもでき
る。
【0019】本発明で用いられる繊維強化熱可塑性樹脂
は強化繊維を含有し、該強化繊維の含有率として好まし
くは10〜60重量%である。強化繊維の含有率が少な
すぎると、高温時の強度、剛性または耐久性が十分でな
いことがあり、また、強化繊維の含有率が多すぎると、
外観が不良になることがあり、強化繊維によって重量が
増加するため軽量化を充分に達成できなくなることがあ
る。この強化繊維の含有率はより好ましくは20〜50
重量%であり、さらに好ましくは25〜45重量%であ
る。
【0020】本発明で用いられる強化繊維としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、シリコン繊維、シ
リコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維、鉄、チタンな
どの金属繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、ビニロン等の有機合成繊維、絹、綿、麻等
の天然繊維など、公知のものを幅広く用いることができ
る。これらは単独または2種以上組み合わせて用いられ
るが、補強効果および入手の容易性からガラス繊維が好
ましい。
【0021】ガラス繊維としては、Eガラス(Electric
al glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス
(Alkali glass)、Sガラス(High strength glas
s)、及び耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸して
得られるフィラメント状の繊維を例示することができ
る。ガラス繊維の繊維径も特に制限されず、好ましくは
3〜25μm、より好ましくは8〜20μmである。
【0022】本発明で用いられる繊維強化熱可塑性樹脂
は、数千本からなる前記強化繊維のロービングを含浸ダ
イスに導き、溶融した熱可塑性樹脂を繊維間に含浸させ
た後、必要な長さ(2〜100mm)に切断することに
より容易に得ることができるが、製造方法に関しては特
に限定するものではない。含浸させるための方法として
は、特に制限はなく、強化繊維のロービングを熱可塑性
樹脂粉体流動層中に通して、これに該粉体を付着させた
後、該熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して熱可塑性樹脂
を含浸させる方法(特公昭52−3985号公報)、溶
融させた熱可塑性樹脂をクロスヘッドダイを用いて強化
繊維のロービングに含浸させる方法(特開昭62−60
625号公報、特開昭63−432036号公報、特開
昭63−264326号公報、特開平1−208118
号公報)、熱可塑性樹脂の繊維と強化繊維のロービング
とを混繊した後、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して熱
可塑性樹脂を含浸させる方法(特開昭61−11823
5号公報)等、何れの方法も用いることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。これら実施例において、各種の評価に用いられ
た試験法は以下の通りである。
【0024】(1)射出成形機:(株)日本製鋼所製
J150E; スクリュー形状:46mmφ、圧縮比=1.7、L/D
=20
【0025】(2)材料 互いに平行に配列されたガラス繊維を含有するプロピレ
ン重合体のペレット(住友化学工業(株)製スミストラ
ン、ガラス繊維含有率=40重量%、ペレット長=9m
m、ガラス繊維長=9mm) プロピレン重合体は極限粘度1.2dl/gのプロピレ
ン単独重合体94重量部および無水マレイン酸変性ポリ
プロピレン(住友化学工業製ノーブレンMPE331、
MFR=40g/10分)6重量部からなる混合物
【0026】(3)射出成形条件 次のように設定した。 ・バレル温度 190℃(供給部ゾーンのみ160
℃); ・スクリュー回転数 30rpm; ・背圧 0MPa; ・計量値 120mm; 可塑化→(インターバル)→射出のパージショットを1
サイクルとし、1サイクルの時間が同一となるように可
塑化後のインターバル時間を調整した。
【0027】<可塑化安定性の判断>パージショットを
20回繰り返し実施した時の可塑化時間を毎ショット計
測し、5ショット目〜20ショット目間の可塑化時間の
振れ幅(最大時間−最小時間)が、初期(1ショット
目)可塑化時間の20%以内である場合に、可塑化時間
が安定していると判断した。可塑化時間が安定していな
いことが明らかな場合は、20ショット以前に成形を終
了した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、可
塑化工程において、得られる成形体の機械的物性に寄与
する繊維の折損を抑えつつ、可塑化時間を安定させるこ
とのできる繊維強化熱可塑性樹脂の可塑化方法、およ
び、得られる成形体の機械的物性に寄与する繊維の折損
を抑えつつ、繊維強化熱可塑性樹脂を効率的に成形する
成形方法が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:12 B29K 105:12 C08L 23:12 C08L 23:12 (72)発明者 永岡 真一 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 奥村 悦治 東京都中央区新川二丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 大島 康義 愛知県刈谷市一ツ木町茶煎坊下1番地 シ ミズ工業株式会社内 (72)発明者 安井 幹夫 愛知県刈谷市一ツ木町茶煎坊下1番地 シ ミズ工業株式会社内 (72)発明者 師岡 将義 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 茅野 久 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 永江 勝利 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AA09 AB09 AB22 AD04 AE11 AF17 AF26 AG05 AH04 AH21 AJ04 AJ13 AJ35 AJ37 AK04 AK15 4F206 AA11A AA11C AB07 AB25 AL16 AR06 AR14 AR15 JA07 JF02 JF11 JQ41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のゾーンで個別に温度管理可能なバレ
    ル、該バレルの上流側一端の上方に設置されたホッパー
    および該バレル内に設置され圧縮比が2より小さいスク
    リューを具備した射出成形機の該バレル内に該ホッパー
    を通じてペレットを供給し溶融混練させる繊維強化熱可
    塑性樹脂の可塑化方法において、1ショット目の可塑化
    時間が、下記(1)および(2)からなる通常可塑化条
    件で可塑化したときの1ショット目の可塑化時間の1.
    1〜3倍となるように、バレル内での繊維強化熱可塑性
    樹脂の送り量を制御した改良可塑化条件で行う繊維強化
    熱可塑性樹脂の可塑化方法。 (1)ホッパーに十分多量のペレットを蓄え、重力によ
    り該ペレットをバレル内に自然供給せしめる。 (2)バレルのゾーン温度を、隣接する上流部よりも下
    流部の温度を高く設定するか等しく設定する。
  2. 【請求項2】ペレットが強化繊維およびプロピレン単独
    重合体を含み、該プロピレン単独重合体の極限粘度が1
    〜2dl/gである請求項1記載の可塑化方法。
  3. 【請求項3】強化繊維がガラス繊維であり、ペレット中
    の含有率が10〜60重量%である請求項1または2記
    載の可塑化方法。
  4. 【請求項4】改良可塑化条件が、ペレットの供給を可塑
    化工程のみで行い、該供給が一定速度でのバレル内への
    供給であることを含む請求項1〜3のいずれかに記載の
    可塑化方法。
  5. 【請求項5】改良可塑化条件が、バレルの最上流部のゾ
    ーン温度を、隣接する下流部よりも高く設定することを
    含む請求項1〜4のいずれかに記載の可塑化方法。
  6. 【請求項6】改良可塑化条件が、供給するペレットの温
    度を50℃〜120℃とすることを含む請求項1〜5の
    いずれかに記載の可塑化方法。
  7. 【請求項7】通常可塑化条件が、供給するペレットとし
    て滑材を含有しないペレットを用いることをさらに含
    み、改良可塑化条件が、供給するペレットとして滑剤を
    0.05重量%以上含有するペレットを用いることを含
    む請求項1〜6のいずれかに記載の可塑化方法。
  8. 【請求項8】供給するペレットが含有する滑剤が、ステ
    アリン酸亜鉛である請求項7記載の可塑化方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかの可塑化方法によ
    り可塑化したのち成形する成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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