JP2005298320A - ホスゲンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 塩素ガス、酸素ガスおよび炭酸ガスを含む混合ガスを塩素精製塔に導入し、多段蒸留によって精製塩素を得る精製工程と、活性炭触媒の存在下で、該精製塩素を一酸化炭素ガスと反応させてホスゲンを得るホスゲン生成工程と、を含むホスゲンの製造方法に関する。精製工程において、塩素精製塔の入口部における混合ガス中の炭酸ガス濃度は、5〜60体積%の範囲内に維持されることが好ましい。また、精製塩素における酸素濃度が500volppm以下とされることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明においては、塩素ガス生成工程の前に塩化水素含有ガスを経路202から前処理塔101に導入し、芳香族化合物、塩素化脂肪族炭化水素、塩素化芳香族炭化水素、高沸点の無機化合物等の不純物をあらかじめ除去することが好ましい。前処理方法としては一般に公知の方法を採用することができ、たとえば活性炭、ゼオライト等による吸着処理等が挙げられる。また、塩化水素含有ガスを水または希塩酸に吸収させ、得られた吸収液から塩化水素ガスを放散させて、イナートガス成分、高沸点成分を除去しても良い(たとえば特開2000−34105号公報)。
前処理工程において不純物を除去された塩化水素含有ガスとともに、酸素含有ガスが経路201、203を通り、酸化反応塔102に導入される。該酸化反応塔102内では、以下の反応、すなわち、
4HCl+O2→2Cl2+2H2O
により塩化水素が酸素によって酸化され、塩素が生成する。
本発明においては、塩素ガス生成工程の後に吸収工程を設けることができる。すなわち、塩素ガス生成工程において生成した塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を含むガスを、経路204を通り吸収塔103に導入し、経路216から吸収塔103に導入された水および/または希塩酸と接触させ、および/または、冷却することにより、塩化水素と水とを主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスを得ることができる。水および/または希塩酸との接触は、接触温度が0〜100℃、圧力が0.05〜1MPaで行われることが好ましい。接触させる希塩酸の濃度は、25質量%以下が好ましい。また、たとえば特開2003−261306号公報に記載される方法等を採用し、塩素水和物の析出を防止する機構を採用することも好ましい。
本発明においては、上記の吸収工程の後、塩素と未反応酸素とを主成分とするガス中の水分を除去するための乾燥工程を設けることができる。塩素と未反応酸素とを主成分とするガス中の水分は、乾燥工程後において0.5mg/l以下、さらに0.1mg/l以下とされることが好ましい。塩素と未反応酸素とを主成分とするガス中の水分を除去するための乾燥剤として好適な化合物としては、硫酸、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライト等が挙げられるが、中でも硫酸が好ましい。水分を除去する方法としては、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスを、経路205を通り乾燥塔104に導入し、該乾燥塔104内で、経路218から導入された硫酸と接触させる方法等が挙げられる。塩素と未反応酸素とを主成分とするガスに接触させられた硫酸は、廃硫酸として経路219から系外に排出される。ここで、硫酸の濃度は90質量%以上とされることが好ましい。硫酸濃度が90質量%よりも小さいと、ガス中の水分が十分に除去されない場合がある。塩素と未反応酸素とを主成分とするガスと硫酸との接触温度は0〜80℃、圧力は0.05〜1MPaに設定されることが好ましい。
上記の乾燥工程を経た後、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスを、塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離することによって精製塩素を得る精製工程が設けられる。精製工程においては、塩素精製塔106に、塩素ガス、未反応酸素ガスおよび炭酸ガスを含む混合ガスを供給し、多段蒸留によって精製塩素を得る。
上記により得られた精製塩素、および一酸化炭素ガスを、それぞれ経路221、208を通って、活性炭触媒が供給されたホスゲン化反応塔109に導入する。該ホスゲン化反応塔109内では、塩素と一酸化炭素とから以下の反応、すなわち、
CO+Cl2→COCl2
によってホスゲンが生成し、経路222から製品ホスゲンを得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1に示す製造工程に準じ、以下の手順でホスゲン製造の原料となる精製塩素を製造した。
<塩素ガス生成工程>
不純物を除去された塩化水素含有ガスを経路201から、酸素含有ガスとして純酸素を経路203から、それぞれ固定床気相流通方式を有する酸化反応塔102に導入した。酸化反応塔102の反応管の外側にはジャケットが構成され、熱媒体としては亜硝酸カリウムと硝酸カリウムとの混合物を使用した。なお塩化水素含有ガス中の塩化水素濃度は99体積%以上であり、酸素含有ガス中の酸素濃度は99体積%以上である。塩化水素含有ガスと酸素含有ガスとの導入量は、塩化水素1モルに対して酸素0.5モルが供給されるように調整した。
塩素ガス生成工程において生成した塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを、経路204を通り吸収塔103に導入し、経路216から吸収塔103に導入された水と接触させ、および、冷却することにより、塩化水素と水とを主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスを得た。水との接触は、接触温度が30℃、圧力が0.2MPaで行なった。また、塩素水和物の析出を防止する機構として、供給する水の温度を調節する機構を設けた。塩化水素と水とを主成分とする回収溶液としては塩酸をそのまま回収した。
上記の吸収工程の後、塩素と未反応酸素とを主成分とするガス中の水分を除去するための乾燥工程を設けた。塩素と未反応酸素とを主成分とするガス中の水分は、乾燥工程後において10volppmとされた。乾燥剤として濃硫酸を用い、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスを、経路205を通り乾燥塔104に導入し、該乾燥塔104内で、経路218から導入された濃硫酸と接触させた。塩素と未反応酸素とを主成分とするガスに接触させられた硫酸は、廃硫酸として経路219から系外に排出された。なお硫酸の濃度は98質量%とした。塩素と未反応酸素とを主成分とするガスと硫酸との接触温度は20〜40℃、圧力は0.2MPaに設定した。
上記の乾燥工程を経た後、塩素と未反応酸素とを主成分とするガスに炭酸ガスを加えて混合ガスとし、該混合ガスを、経路206から塩素精製塔106に供給した。塩素精製塔106の入口部における混合ガス中の炭酸ガス濃度は、10〜20体積%に維持した。
精製工程において炭酸ガスを加えなかった他は実施例と同様に操作を行ない、精製塩素を得た。この精製塩素の組成分析の分析方法および結果を表1に示す。
Claims (6)
- 塩素ガス、酸素ガスおよび炭酸ガスを含む混合ガスを塩素精製塔に導入し、多段蒸留によって精製塩素を得る精製工程と、
活性炭触媒の存在下で、前記精製塩素を一酸化炭素ガスと反応させてホスゲンを得るホスゲン生成工程と、
を含む、ホスゲンの製造方法。 - 前記精製工程において、前記塩素精製塔の入口部における前記混合ガス中の炭酸ガス濃度が5〜60体積%の範囲内に維持される、請求項1に記載のホスゲンの製造方法。
- 前記精製塩素における酸素濃度が500volppm以下とされる、請求項1に記載のホスゲンの製造方法。
- 前記塩素ガスが酸化ルテニウムを含む触媒を用いて生成される、請求項1に記載のホスゲンの製造方法。
- 前記多段蒸留の理論段数が2〜8段である、請求項1に記載のホスゲンの製造方法。
- 前記塩素精製塔の塔頂において前記混合ガスの冷却温度が−50〜−30℃の範囲内に設定される、請求項1に記載のホスゲンの製造方法。
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