JP2005297487A - 画像処理システムおよびシステム起動制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム - Google Patents

画像処理システムおよびシステム起動制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 画像処理システムを構成しているが起動されていない状態にある情報処理装置を画像処理装置側の操作指示で簡単に起動させることである。
【解決手段】 画像処理装置100の制御装置がシステムとして接続されているが活性化状態にない拡張コントローラ103を画像処理装置100の操作部に表示される所定のユーザインタフェースを介して起動指示すると、所定のパケットを拡張コントローラ103に発行して、該パケットの受信を検出して、拡張コントローラ103の電源状態が休止状態から通電状態に遷移させて、拡張コントローラ103と画像処理装置100とが通信可能となることで画像処理システム全体のシステムブート処理を完了する構成を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリンタ、画像入力、文書ファイリング、文書送受信、画像変換等の機能を有する画像処理装置に対してそれらの機能を柔軟性よく拡張する情報処理装置を接続してなる画像処理システムおよびシステム起動制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムに関するものである。
従来、画像処理装置のような組み込みシステムは一般に、専用のハードウェアアーキテクチャを持ち、リアルタイムオペレーティングシステム上のファームウェアとして構成される。
このため、ハードウェア的にもソフトウェア的にも柔軟な拡張性に乏しい場合がある。そして、画像処理装置自体に柔軟な拡張性を持たせようとした場合、拡張スロットや余分なメモリなどのハードウェア資源や、動的結合を可能とするオペレーティングシステム、デバイスドライバ、あるいはアプリケーションなどのソフトウェア資源が必要となり、その拡張性を要求しないユーザにとっては無駄なコストアップを迫ることになる。
そこで、柔軟な拡張性に優れる情報処理装置(クライアントパーソナルコンピュータまたはクライアントPC)を画像処理装置に組み合わせることによって、全体として柔軟な拡張可能性を持つ画像処理システムを構成することが行われている。両者はできるだけ疎結合に保つことでそれぞれ単体としてのコストダウンを実現することができる。
下記の特許文献1では、デジタルカメラとプリンタが接続されたシステムで、どちらかを省電力モードから通常モードに遷移させたときにもう片方も通常モードに遷移することが開示されている。
また、特許文献2では、PCが備える拡張スロットに内蔵するファクシミリカードが電話線からの通電によって動作しつづけ着呼時にPCを起動することが開示されている。
さらに、Advanced Micro Devices社のMagic Packet(登録商標)技術が開示されている。Magic Packet(登録商標)技術は、電源が入っていなかったり、省電力モードにあったりするPCをネットワーク経由で起動するために用いられる技術であり、多くのPC用ネットワークインタフェースのLANコントローラに実装されている。
Magic Packet(登録商標)技術では、あるコンピュータを構成しているLANコントローラが特定のデータシーケンスを含むEthernet(登録商標)フレーム(Magic Packet(登録商標)フレーム)を走査しつづけ、Magic Packet(登録商標)フレームを受信したときにそのコンピュータを起動することが可能である。
特開2003−125246号公報 特開平06−233003号公報
一方、画像処理装置本体に対して別筐体として構成される拡張コントローラは、画像処理装置本体の裏側などに設置されてシステムが構築される場合がある。そして、拡張コントローラと画像処理装置とをそれぞれ単体として最適化することでシステム全体でコストダウンを図る場合、拡張コントローラの電源スイッチは拡張コントローラの筐体にのみ備えつけられる。
このようなシステム構成をした場合、このシステムを利用するユーザは、拡張コントローラの電源投入操作に際して、画像処理装置の裏側に隠れた拡張コントローラの電源スイッチに手を伸ばして投入することとなり、設置環境によっては、画像処理装置本体を移動させたり、自ら壁と本体の間に身体を介入させる等が必要となって、その操作自体に困難が伴う場合も珍しくない。また、拡張コントローラをバックエンドサーバとして構成した場合には、画像処理装置とは離れた場所のラックに設置され拡張コントローラの電源投入操作のために操作者が遠隔まで移動する必要が生じる場合もある。
これらの課題を拡張コントローラ電源スイッチの引き回しで改善すると、システム全体としてコストアップとなってしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、所定の画像処理を行う画像処理装置に情報処理装置を接続して機能を拡張可能な画像処理システムにおいて、情報処理装置の電源投入手段を操作することなく、画像処理装置が提供するユーザインタフェースを介して、起動されていない状態にある情報処理装置を起動させることにより、起動されていない状態にある情報処理装置を画像処理装置側の操作指示で簡単に起動させることができる利便性に優れた安価な画像処理システムおよびシステム起動制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラムを提供することである。
本発明は、画像処理装置の機能を拡張するために情報処理装置が接続可能な画像処理装置を含む画像処理システムであって、前記画像処理装置において、前記情報処理装置が接続されている場合で、かつ前記情報処理装置が起動されていないときに画像処理装置が情報処理装置を起動させる起動手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、画像処理装置の機能を拡張するために情報処理装置が接続可能な画像処理装置を含む画像処理システムにおけるシステム起動制御方法であって、前記画像処理装置において、前記情報処理装置が接続されている場合で、かつ前記情報処理装置が起動されていないときに画像処理装置が情報処理装置を起動させる起動ステップを備えることを特徴とする。
本発明によれば、所定の画像処理を行う画像処理装置に情報処理装置を接続して機能を拡張可能な画像処理システムにおいて、情報処理装置の電源投入手段を操作することなく、画像処理装置が提供するユーザインタフェースを介して、起動されていない状態にある情報処理装置を画像処理装置側の操作指示で簡単に起動させることができる利便性に優れた安価な画像処理システムを提供できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す拡張画像処理システムを適用可能な画像処理システムの構成を説明する図である。
図1において、拡張画像処理システム10は、画像処理装置100(本実施形態では、ディプレイユニットを具備する操作部と、スキャナ部、ハードディスク等のメモリユニット、画像処理ユニット、データ通信ユニット、プリント部等を具備する画像形成装置を、画像処理装置100の一例として説明する)と、拡張コントローラ103(本実施形態では、ディスプレイユニット、ハードディスク等のメモリユニット、データ処理ユニット、データ通信ユニット、制御ユニットを有するコンピュータ等の情報処理装置を、拡張コントローラ103の一例として説明する)と、画像処理装置100と拡張コントローラ103とを接続するLAN400等の所定のデータ通信媒体等を有するシステムであり、プリンタ、画像入力、文書ファイリング、文書送受信、画像変換等の機能を有する画像処理装置100に対してさらに拡張された機能を提供する。画像処理装置100と拡張コントローラ103はそれぞれLAN400に接続され、LAN400を介して他のネットワークノードと通信する。
クライアントパーソナルコンピュータ(クライアントPC)11は個人向けの情報処理装置であり、いわゆるCPU,RAM,ROM等を含むコントローラ部を備え、入力デバイスをユーザが操作することで、主にユーザの机上に置かれ各種のアプリケーションプログラムが実行される。クライアントPC11はLAN400に接続され、LAN400を介して他のネットワークノードが提供するサービスを利用したり、他のネットワークノードにサービスを提供したりする。
サーバコンピュータ12は大規模な情報処理装置であり、LAN400に接続され、LAN400を介して主に他のネットワークノードに対するサービスを提供する。
プリンタ13はネットワークに対応した周辺機器であり、LAN400に接続され、LAN400を介して他のネットワークノードに対して画像形成装置のサービスを提供する。
ルータ15はネットワークとネットワークを接続するネットワークノードであり、インターネットやバーチャルプライベートネットワークなどの広域ネットワーク16とLAN400とを接続する。
LAN400はユーザのオフィスなどに敷設されたローカルエリアネットワークである。
図2は、図1に示した拡張画像処理システム10の構成を説明するブロック図であり、拡張画像処理システム10が画像処理装置100と拡張コントローラ103の組み合わせによってシステムが構成される場合に対応する。
図2において、画像処理装置100は、プリンタ、画像入力、文書ファイリング、文書送受信、画像変換など各種の基本的な画像処理機能を提供する。
リーダ部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。
プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット360と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット310と、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット370とで構成される。
制御装置110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続され、さらにLAN400と接続されている。制御装置110は、リーダ部200を制御して、原稿の画像データを読込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力してコピー機能を提供する。
また、リーダ部200から読取った画像データを、コードデータに変換し、LAN400を介して図示しないホストコンピュータへ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータからLAN400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
なお、画像処理装置100には、複数ページのデータを格納可能なハードディスク等のメモリユニットを具備し、制御装置110は、画像処理装置100が具備するリーダ部200からの画像データや、情報処理装置等の外部装置からの画像データを上記メモリにユニットに格納可能に制御する。そして、該メモリユニットから読み出した画像データのプリント処理をプリンタ部300に実行可能に制御する。このように、制御装置110は、画像処理装置100が具備する各ユニットを統括的に制御する。
画像処理装置100が具備するタッチパネル形式のディスプレイユニットやハードキー群を具備する操作部150(本システムの第1の操作部とも呼ぶ)は、制御装置110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力システムを操作するためのユーザI/Fを提供する。
拡張コントローラ103は、制御装置(コントローラ部)170とタッチパネル形式のディスプレイユニットを具備する操作部150(本システムの第2の操作部とも呼ぶ)と周辺機器172を有する。
拡張コントローラ103において、コントローラ部170は、よく知られているパーソナルコンピュータ等の情報処理装置と同等のハードウェアアーキテクチャで構成され、汎用オペレーティングシステムや各種デバイスドライバや各種アプリケーションプログラムを含む一般的なソフトウェアを実行することができる。
操作部150は、ユーザが拡張コントローラ103を操作するためのユーザインタフェースを提供する。周辺機器172は一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置用に提供されている各種の周辺機器であり、拡張コントローラ103のハードウェアを拡張する。
画像処理装置100と拡張コントローラ103は、LAN400を介して接続され相互に通信できる。ローカルインタフェース201は両者の間に専用の通信経路を提供するためのオプションインタフェースであり、USBや専用バスなどによって実装される。
図3は、図1に示した拡張画像処理システムの外観を示す斜視図であり、画像処理装置と拡張コントローラの組み合わせによって構成された拡張画像処理システムの外観に対応し、特に(a)は操作部側から視た状態に対応し、(b)は背面側から視た状態に対応する。
図3において、画像処理装置100は各種の画像処理機能(コピー機能や、スキャン機能や、ファクシミリ機能や、プリント機能等の少なくとも何れかの機能を含む複数の機能)を提供するデジタル複合機である。
画像処理装置の操作部150(図2の操作部150に相当)は、画像処理装置の画像処理機能を操作するためのユーザインタフェースを提供する。画像処理装置の電源スイッチ301(この画像処理装置100が具備するユーザにより押下可能な電源キーを、本システムにおける第1の電源キーとも称する。これは、メカ的なハードキーで構成しても良いが、ソフトキーで構成されても良い)は、画像処理装置の機能を利用不能なオフ状態と、機能を利用可能なオン状態とをユーザ操作に応答し切り替えるためのスイッチである。画像処理装置100がオン状態にあるときには、操作部150の表示や入力を介してユーザが画像処理装置100の機能を利用できたり、ネットワークを介して他のネットワークノードから画像処理装置100が提供するネットワークサービス(たとえばプリントサーバ機能など)を利用できたりする。
コントローラ部170は、画像処理装置100の背面に設置される。操作部150は図3に示すように透明タッチパネルを表面に貼った液晶ディスプレイであり、拡張コントローラ103と電気的に接続されている。周辺機器172は拡張コントローラ103と電気的に接続されたI/O装置であり、例えば操作者を特定するためのユーザ認証機能を具備するICカードリーダライタユニットや、メモリメディアドライブなどで構成される。
拡張コントローラ103の操作部150と周辺機器172は専用スタンドに設置され、画像処理装置100の前に立ったユーザによって容易に操作できるように配置されている。
拡張コントローラ103の電源スイッチ302は拡張コントローラ103の機能を利用不能なオフ状態と機能を利用可能なオン状態とをユーザ操作に応答し切り替えるためのスイッチ(メカ的なハードキーで構成しているが、ソフトキーでも良い)である。なお、この情報処理装置等に相当する拡張コントローラ103が具備するユーザにより押下可能な電源キー(電源スイッチ302)を、本システムにおける第2の電源キーとも称する。
これは、メカ的なハードキーで構成しても良いが、ソフトキーで構成されても良い。
拡張コントローラ103がオン状態にあるときには、操作部150の表示や入力を介してユーザが拡張コントローラ103の機能を利用できたり、ネットワークを介して他のネットワークノードから拡張コントローラ103が提供するネットワークサービス(例えば暗号化プリントアプリケーションのジョブ受け付け)を利用できたりする。
ここで、本実施形態で述べている、本画像処理システム(画像形成システムとも呼ぶ)の存在意義、及び、本システムにより提供できる作用効果、およびそれらに係る背景、開発設計検討事項等の一例を紹介する。
まず、上記の如く、本システムが具備する画像処理装置100(画像形成装置とも呼ぶ)は、自装置にてコピー機能、ネットワークスキャナ機能、プリント機能、ボックス機能、ファクシミリ機能等の各種の機能を具備しており、拡張コントローラ103が接続されていなくとも、該拡張コントローラ103なしに、独立して動作可能な装置であり、この画像処理装置100だけでも十分に高性能、且つ高機能のサービス、付加価値を顧客に提供可能に構成している。
一方、拡張コントローラ103(例えばPC等の情報処理装置)は、この装置のみだけでは存在意義はなく、本画像処理装置100のオプションとして、本画像処理装置100と協働することで、本画像処理装置100だけでは提供できない更なる高機能高性能高付加価値を提供するために存在する。
ここで、本画像処理装置100内部に本拡張コントローラ103を内蔵せずに、図3に示すが如く、別筐体、別売りで、拡張コントローラ103を提供可能に本システムを構成している理由は、上記の如く、本画像処理装置100単独でも高機能、高性能、高付加価値を提供可能に構成されているので、これでも十分に満足する顧客が存在することに起因する。
例えば、画像処理装置100だけでも十分満足する顧客に対しては画像処理装置100のみを提供し、一方、更なる高機能、高性能、高付加価値を望む顧客に対しては、画像処理装置100と拡張コントローラ103とをセットにして高機能な画像処理システムとして提供することで、無駄な生産開発コストを防止できる。
予め、拡張コントローラ103の機能を内蔵した画像処理装置を生産してしまうと、本来ならば画像処理装置100の機能だけでも十分に満足する顧客に対しても、このような装置を提供することになり、無駄なコストがかかるし、その分、生産期間の延長なども発生する。
本実施形態のように、本画像処理装置100と別売りで拡張コントローラ103を提供すれば、顧客が必要としている分だけを受注生産でき、その分、無駄な在庫も発生させずに済む。このような効果を奏すべく、本実施形態は、例えば図3のような、画像処理装置100と拡張コントローラ103とが互いに独立した(別筐体にした)システム構成としている。そして、本実施形態は、このようなシステム構成を前提としたうえで、更に、コンパクト化、デザイン性、安全性等を考慮して、例えば本システム内にて、画像処理装置100と拡張コントローラ103とを、例えば図3に示すような物理的な配設関係で設計している。
そして、このような背景、構成、効果を前提として、本実施形態が提供するシステムでは、本システムが具備する拡張コントローラ103自身が有する電源スイッチ302をユーザが押下することで、該拡張コントローラ103を起動可能に構成する(第1の起動モードとも呼ぶ)と共に、尚且つ、後述する本システムの画像処理装置100における該画像処理装置100が具備する操作部150におけるユーザ操作に応答した制御により、拡張コントローラ103を起動可能に構成する(第2の起動モードとも呼ぶ)ようにしている。
これは、例えば、ユーザが拡張コントローラ103の電源を立ち上げたいと考えた場合に、図3のように、わざわざ、立ち姿勢から身体等を屈めるような動作を必要としてはじめて操作可能な、拡張コントローラ103が具備する電源スイッチ302を押下することなく、ユーザが、より操作しやすい位置に配備している画像処理装置100の操作部150の電源キー301を操作することで拡張コントローラ103を起動可能とすることで、ユーザの使い勝手を向上させるための設計としているからである。
なお、例えば、第2の起動モードは、単に、画像処理装置100の電源を立ち上げたからといって、一律的、且つ自動的に拡張コントローラ103の電源を立ち上げるのではなく、拡張コントローラ103のステータス情報や、画像処理装置100と拡張コントローラ103との接続状況や、画像処理装置100のユーザ操作等に基づいて、画像処理装置100から拡張コントローラ103に対して起動させるよう制御している。
このように構成することで、ユーザが望んでもいないのに、画像処理装置100の制御装置110の独断で勝手に拡張コントローラ103を起動させることを禁止して、これらの装置に無駄な動作をさせたり、不必要なデータのやり取りをさせたり、不必要な消費電力の発生などの各種の不具合を防止できるようにしており、このような不具合発生防止とユーザの操作性向上との両立を実現できるようなシステム設計としている。
図4は、図2に示した画像処理装置100の制御装置110のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4において、メインコントローラ111は、主にCPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路を有する。
CPU112とバスコントローラ113は、制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROM I/F115を経由して読込んだプログラムに基づいて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
DRAM116はDRAM I/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスタイメージデータに伸長する。SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118はI/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
Graphic Processor(Graphic)135は、画像回転、変倍処理、色空間変換等の画像処理を行う。
外部装置とのデータ通信処理が可能な通信ユニットとしての外部通信I/FController121はコネクタ122によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バス125としては、一般的にPCIバスがあげられる。
I/O制御部126には、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期型のシリアル通信コントローラ127が2チャンネル装備されており、I/Oバス128によって外部I/FとしてのスキャナI/F140,プリンタI/F145に接続されている。
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
操作部150は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F132を介してCPU112に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F132から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像処理装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
リアルタイムクロックモジュール133は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池134によってバックアップされている。
E−IDEコネクタ161は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態においては、このE−IDEコネクタ161を介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込ませたりする動作を行う。
コネクタ142とコネクタ147は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F143,148とビデオI/F144,149とから構成される。
スキャナI/F140は、コネクタ142を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス141に出力する機能も有する。
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
プリンタI/F145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、また、プリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス146に出力する機能も有する。
DRAM116上に展開されたラスタイメージデータのプリンタ部300への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
図5は、図2に示した画像処理装置100のコントローラ部110のソフトウェアのモジュール構造を示すブロック図である。
図5において、画像処理装置100に内蔵されるコントローラ部110によって処理されるソフトウェアは、いわゆるファームウェアとして実装されており、図4に示したCPU112によって実行される。
5001はリアルタイムオペレーティングシステム(リアルタイムOS)であり、組み込みシステムの制御に最適化された各種資源管理のサービスと枠組みをその上で動作するソフトウェアのために提供する。リアルタイムOS5001が提供する各種資源管理のサービスと枠組みには、CPU112による処理の実行コンテクストを複数管理することによって複数の処理を実質的に並行動作させるマルチタスク管理(スレッド管理)、タスク間の同期やデータ交換を実現するタスク間通信、メモリ管理、割り込み管理、各種のデバイスドライバ、ローカルインタフェースやネットワークや通信などの各種プロトコルの処理を実装したプロトコルスタックなどがある。
ファイルシステム5002は、ハードディスク162やメモリなどの記憶装置上に構築されたデータを格納するための機構である。画像処理装置100のコントローラ部110が扱うジョブをスプールしたり各種データを保存したりするために用いる。
ジョブ制御・装置制御モジュール5003は、画像処理装置100のハードウェアを制御し、また、画像処理装置100の主にハードウェアが提供する基本機能(プリント、スキャン、通信、画像変換など)を利用するジョブを制御する。これにより、リーダ部200や外部装置から入力された画像データのプリント処理やデータ送信処理等を実行可能に制御している。
管理モジュール5004はコントローラ部110の動作に係る内部状態を制御するなど、コントローラの動作を管理する。制御API5005は、この層よりも下位のソフトウェアモジュール群が提供するサービスをこの層よりも上位の組み込みアプリケーション群が利用するために設けられたアプリケーションプログラミングインタフェースである。
ネットワークサービス5006は、制御API5005とネットワークプロトコルとを相互変換することによって、クライアントPCなど外部のネットワークノードから装置の基本機能を利用可能とする。また、特にネットワークプリントのための各種プロトコル(LPR、NetWare、SMB、PAP、IPPなど)を実装したネットワークサーバ機能を備え、クライアントPCなど外部のネットワークノードからのプリントジョブの投入を可能とする。
組み込みアプリケーションロジック5007、プレゼンテーションインタフェース5008、組み込みアプリケーションUI5009は、組み込みアプリケーションを構成する。
ここで、組み込みアプリケーションは、画像処理装置100の基本機能に加えてさらにコピー、画像スキャン、文書送受信、文書ファイリングなどの上位機能を、制御APIの基本機能を利用して実現する。組み込みアプリケーションロジック5007は、組み込みアプリケーションのビジネスロジック部分に相当する。
プレゼンテーションインタフェース5008は組み込みアプリケーションのビジネスロジックとプレゼンテーションロジックを分離するために設けられたインタフェースである。組み込みアプリケーションUI5009は組み込みアプリケーションのプレゼンテーションロジックに相当し、ユーザによる組み込みアプリケーションの操作を可能とするためにグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の表示や入力の制御を行う。
組み込みアプリケーションUI5009は、画像処理装置100の操作部150上にローカルなユーザインタフェースを提供するだけでなく、HTMLなどのマークアップ言語とHTTPなどのWeb技術を用いて実現したWebアプリケーションも提供する。ユーザはクライアントPCなどの上で動作するWebブラウザからこのWebアプリケーションに接続して、画像処理装置100を遠隔操作できる。Webアプリケーションとして実装した組み込みアプリケーションのプレゼンテーション層のことをここではリモートUIと呼ぶ。
組み込みJava(登録商標)環境5010は、Java(登録商標)仮想機械を中心に構成されるインタプリタ環境である。組み込みJava(登録商標)環境5010はJava(登録商標)のバイトコードで記述された命令列データを実行時に読み込み結合し、Java(登録商標)仮想機械が命令を逐次的に読み込み解釈し実行するように構成されている。
したがって、リアルタイムOS5001も含めてあらかじめ全体が単一のロードモジュールに静的結合されているファームウェア上にあって、ごく部分的ながらソフトウェアを動的に追加したり入れ替えたりできる拡張性や柔軟性を確保できる。リアルタイムOS5001やジョブ制御・装置制御API5003などを含むファームウェア(ネイティブシステム)の資源やサービスをJava(登録商標)のプログラムから利用可能なように構成したJava(登録商標)のクラスライブラリ群が、Java(登録商標) Native Interface(JNI)によって提供されている。組み込みJava(登録商標)環境5010の基本部分は、よく知られているJava(登録商標) 2 Platform, Micro Editionによって構築されている。
図6は、図2に示した画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる基本画面を説明する図であり、画像処理装置100の制御装置110による表示制御により表示される画面に対応する。
尚、この画面はタッチパネルとなっており、それぞれ表示される機能の枠内(ソフトキー)をユーザが触れることにより、その機能が実行される。コピーモードキー524は、複写動作を行う場合に押すキーである。そして、このコピーモードキー524が押されたときに、後述する図12に示すコピーモードに対応する画面530を表示させるよう制御する。拡張機能キー501は、このキー501を押すことによって両面複写、多重複写、移動、綴じ代の設定、枠消しの設定等のモードに入るよう制御している。
540はステータスラインであり、制御装置110は、機器の状態や印刷情報を示すメッセージを表示させるよう制御する。本図の場合、自装置のステータス状況を獲得した結果、コピー待機中「コピーできます」であることを通知させている。
画像モードキー502は、複写画像に対して網掛け、影付け、トリミング、マスキングを行うための設定モードに入るための指示をユーザにより入力させるためのキーである。ユーザモードキー503は、モードメモリの登録、標準モード画面の設定が行える。応用ズームキー504は、原稿のX方向、Y方向を独立に変倍するモード、原稿サイズと複写サイズから変倍率を計算するズームプログラムのモードに入る。
M1キー505、M2キー506、M3キー507は、それぞれに登録されたモードメモリを呼び出す際に押すキーである。オプションキー509は、フィルムから直接複写するため、フィルムプロジェクタ等のオプション機能の設定を行うキーである。508はコールキーである。
ソータキー510は、ソート、ノンソート、グループの設定を行うキーである。原稿混載キー511は、原稿フィーダにA4サイズとA3サイズ、またはB5サイズとB4サイズの原稿を一緒にセットする際に押すキーである。
等倍キー512は、複写倍率を100%にする際に押すキーである。縮小キー514、拡大キー515は、定型の縮小、拡大を行う際に押すキーである。516は所望の倍率を指定するズームキーである。用紙選択キー513は、複写用紙の選択を行う際に押すキーである。
濃度キー518、520は、濃度キー518を押す毎に濃く複写され、濃度キー520を押す毎に薄く複写される。濃度表示517は、濃度キー518、520を押すと表示が左右に変化する。AEキー519は、新聞のように地肌の濃い原稿を自動濃度調整複写するときに押すキーである。HIFIキー521は、写真原稿のように中間調の濃度が濃い原稿の複写の際に押すキーである。
文字強調キー522は、文字原稿の複写で文字を際だたせたい場合に押すキーである。560は履歴キーであり、これを押下することで、印刷済みのジョブの履歴情報を表示する。例えば、印刷ジョブの、終了時刻、ユーザ名、ファイル名、印刷枚数等の情報を表示する。600はプリンタ選択キーであり、リモートコピーや重連コピーを行う場合の受信側複写機を選択する際に押すキーである。
ガイドキー523は、あるキーの機能がわからないとき押すキーであり、そのキーの説明が表示される。ファックスキー525は、ファックスを行うときに押すキーであり、Boxキー526は、Box機能を表示させたいときに押すキーである。プリンタキー527は、プリントの濃度を変更する、あるいは、リモートのホストコンピュータからのPDLデータのプリント出力詳細情報を参照したい場合に押すキーである。528はIDキーである。
本画像処理装置100の制御装置110による表示制御により操作部150の表示部の操作画面上に表示させるシステム状況キー541は、画像処理装置100のハードウェアおよびファームウェアを含むシステムとしての装置状況をユーザが確認したり、各種機能のジョブの状態や履歴をユーザが参照したり、ユーザ操作によりジョブを中止させたりするための操作画面を表示部に表示させる指示をユーザにより入力可能にするためのソフトキーである。ユーザがこのキーを押すと、該制御部は、後述する図17のデバイス状況表示ダイアログ画面を操作部150の表示部に表示させるよう制御する。
図7は、図2に示した拡張コントローラ103のハードウェア構成を示すブロック図である。
図7において、メインCPU(CPU)4101は、全体の制御を行う中央演算装置であり、ROM4105およびハードディスクユニット4106に記憶されたプログラムを実行する。ネットワークインタフェース4102は、他の機器との間でネットワークを介したデータ通信を行うための制御部である。
CPU4101によって実行されるソフトウェアは、LAN400を介して、印刷デバイスや他のネットワーク機器、あるいは他のコンピュータと双方向のデータのやり取りを行うことができる。周辺機器インタフェース4103は、周辺機器の制御を行うための制御部である。
メモリ4104は、CPU4101で実行する命令や、データなどを保存するための、一般的には揮発性の記憶部である。ROM4105は、基本的なハードウェア制御を行うためのプログラムやデータなどを保存するための読み取り専用記憶部である。ハードディスクユニット4106は、拡張コントローラ103で実行されるプログラムや演算されたデータなどを保存するための、一般的には不揮発性の記憶部で、ブートプログラム(起動プログラム:ハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶する。
ディスプレイインタフェース4107は、拡張コントローラの内部状態や、実行状態などを表示するための表示部(図3の拡張コントローラ103が具備する操作部150の表示部)を接続する。キーボードインタフェース4108やマウスインタフェース4109は、拡張コントローラ103に対してユーザがデータや命令を入力するための入力装置を接続できる。周辺機器インタフェース4103は、USB、RS−232Cシリアル、IEEE1394などの仕様を実装した周辺機器172を接続するための制御部である。周辺機器172は、例えば、CD−ROMドライブやメモリメディアドライブなどの外部記憶装置や、ユーザを特定するためのユーザ認証装置などである。
拡張コントローラ103が具備する操作部150は液晶ディスプレイ4203とその表面に透明なシート状に貼られたタッチパネル4202とから構成される。タッチパネル4202はマウスと同様のポインティングデバイスである。CPU4101で実行されるソフトウェアはタッチパネル4202によってユーザがポイントした表示上の位置を座標データとして検出することができる。タッチパネル4202は周辺機器インタフェース4103によって駆動される。
液晶ディスプレイ4203は拡張コントローラ103の内部状態や、実行状態などを表示するための表示部である。CPU4101で実行されるソフトウェアは液晶ディスプレイ4203上にグラフィカルユーザインタフェースを描画できる。液晶ディスプレイ4203はディスプレイインタフェース4107によって駆動される。
図8は、図2に示した拡張コントローラ103内のアプリケーションが画像処理装置100とインタフェースするためのAPIを示す図であり、各インタフェースは、拡張コントローラ103のCPU4101によって実行されるソフトウェアのプログラム的なモジュールに対応する。
図8において、アプリケーション8001は、拡張コントローラ103で実行される各種アプリケーションに対応する。API8002は、アプリケーション8001が画像処理装置100のコントローラ部110上のソフトウェアとインタフェースするためのアプリケーションプログラムインタフェースである。
プリンタドライバ8003は、アプリケーション8001によるプリントを可能とするモジュールである。プリントを実現するために、プリントサービスのプロトコルに従って実装されたクライアントとして、画像処理装置100のネットワークサービス5006とインタフェースする。
スキャナドライバ8004は、アプリケーション8001による画像スキャンを可能とするモジュールである。スキャンを実現するために、画像処理装置100内の制御API5005に相当するプロトコルにしたがって実装されたクライアントとして、制御API5005とインタフェースする。
ジョブ制御・装置制御インタフェース8005は、アプリケーション8001による基本的なジョブ制御と装置制御を可能とするモジュールである。基本的なジョブ制御と装置制御を実現するために、画像処理装置100内の制御API5005に相当するプロトコルにしたがって実装されたクライアントとして、制御API5005とインタフェースする。プレゼンテーション拡張インタフェース8006は、アプリケーション8001による画像処理装置100内の組み込みアプリケーションUI5009の拡張を可能とするためのモジュールである。
このモジュールは、プレゼンテーションインタフェース5008に相当するプロトコルにしたがって実装されたクライアントとして、プレゼンテーションインタフェース5008とインタフェースする。このモジュールが提供するAPIによって、拡張コントローラ103内のアプリケーション8001は、画像処理装置100に組み込まれた組み込みアプリケーションのUI5009に相当するプレゼンテーションロジック(つまりアプリケーションのUI)を実装することができる。また、アプリケーション8001の実装次第で、組み込みアプリケーションUI5009にはない機能を拡張したりカスタマイズしたりすることもできる。
組み込みアプリケーション拡張インタフェース8007は、アプリケーション8001による画像処理装置100内の組み込みアプリケーションロジック5007のカスタマイズを可能とするためのモジュールである。このモジュールは、組み込みアプリケーションロジック内部が備えるプラグインのためのインタフェース(不図示)に相当するプロトコルにしたがって実装されたクライアントであり、組み込みアプリケーションロジック5007とインタフェースする。
このモジュールが提供するAPIによって、拡張コントローラ103内のアプリケーション8001は、画像処理装置100に組み込まれた組み込みアプリケーションの組み込みアプリケーションロジック5007の一部を置き換えたり拡張したりするプラグインを実装することができる。
画像ジョブ制御インタフェース8008は、アプリケーション8001による特に高速の画像処理を可能とするためのモジュールである。このモジュールは、ジョブ制御・装置制御モジュール内部の内部APIに相当するプロトコルにしたがって実装されたクライアントであり、また、ローカルインタフェース201による画像転送を組み合わせることによって、拡張コントローラ103と画像処理装置100の間で画像や文書をやり取りするジョブの高速化を達成する。
図9は、図2に示した拡張コントローラ103のソフトウェアのモジュール群の階層構造を示すブロック図である。
図9において、汎用オペレーティングシステム(OS)9001は拡張コントローラ103のオペレーティングシステムである。リアルタイムOSと異なり汎用OS9001は主に情報処理装置やコンピュータの土台を提供するソフトウェアとして開発されてきている。汎用OS9001の例として、Windows(登録商標)、Mac(登録商標)OS、Solaris(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD、NetBSD、OpenBSDなどがある。
汎用OS9001は拡張コントローラ103が備えるハードウェア的およびソフトウェア的な各種資源を抽象化して、より上位のソフトウェアから容易、かつ効率的に利用可能とする。汎用OS9001が提供する機構にはたとえば以下のようなものがある。すなわち、CPUによる処理の実行コンテクストを複数管理することによって複数の処理を実質的に並行動作させるマルチプロセス機構やスレッド機構、プロセス間およびスレッド間の同期やデータ交換を実現するプロセス間通信やスレッド間通信、プロセスごとに保護されたメモリ管理、割り込み管理、各種のデバイスドライバ、ローカルインタフェースやネットワークや通信などの各種プロトコルの処理を実装したプロトコルスタック、などが提供される。
特筆すべきは、市販されている一般のコンピュータ周辺機器のデバイスドライバは汎用OS用のものが多く提供されていることである。この理由は、一般にコンピュータ周辺機器は汎用OSが稼動するパーソナルコンピュータなど汎用の情報処理装置のために開発されるためである。
汎用OSを採用することで、市場に出回っている多種多様なコンピュータ周辺機器のハードウェアとデバイスドライバをそのまま、または比較的容易に、拡張コントローラ103のために流用することができる。拡張コントローラ103は、画像処理装置100の拡張性や柔軟性を補うために付加されるアクセサリであるが、その目的は汎用の情報処理装置と同等のハードウェア構成を採用するだけでなく、さらにソフトウェア的には汎用のOSを採用することによってより効率的に各種の機能処理、拡張処理が達成される。
拡張コントローラプラットフォーム9002は、拡張コントローラ103のソフトウェアの動作環境を提供する土台となるソフトウェア(ライブラリ、フレームワーク、およびランタイムモジュールなど)である。また、画像処理装置100に内蔵された組み込みアプリケーションと連携するアプリケーションを拡張コントローラ103内に容易に構築可能とするために用意されたユーティリティライブラリ、フレームワーク、およびランタイムモジュール群を含む。
システムアプリケーション9004は、拡張コントローラ103に標準搭載され、ユーザによる拡張画像処理システムの利用や管理を助けるためのユーティリティアプリケーション群である。システムアプリケーション9004に分類されるアプリケーション群はどれもアプリケーション8001に対応し、アプリケーションの実装においてAPI8002を利用することができる。
ユーザランドアプリケーション9005に分類されるアプリケーション群は、拡張画像処理システムの拡張された機能をユーザに提供するためのアプリケーション群である。ユーザランドアプリケーション9005に分類されるアプリケーションはアプリケーションを単位としてインストールによって追加することもアンインストールによって削除することも可能である。
また、アプリケーションプログラムの実体だけでなく、ユーザがそのアプリケーションプログラムを実行する許諾(ライセンス)を購入したときのみアプリケーションを活性化(アクティベート)するように制御することもできる。ユーザランドアプリケーション9005に分類されるアプリケーション群はどれもアプリケーション8001に対応し、アプリケーションの実装においてAPI8002を利用することができる。
MFP統合アプリケーション9006は、画像処理装置100の組み込みアプリケーションに対応するユーザランドアプリケーションであり、画像処理装置100が提供する上位機能や基本機能を拡張コントローラ103から利用可能とする。MFP統合アプリケーション9006はプレゼンテーション拡張インタフェース8006や組み込みアプリケーション拡張インタフェース8007によって、画像処理装置100の組み込みアプリケーションとインタフェースする。
MFP統合アプリケーション9006は、単に画像処理装置100の組み込みアプリケーションとまったく同様な機能性やユーザインタフェースを提供するだけでなくそれらを拡張して提供することもできる。MFP統合アプリケーションは9007〜9012のアプリケーション部品を内部に含み統合している。
コピー9007は画像処理装置100の組み込みアプリケーションの一機能であるコピー機能に相当するアプリケーション部品である。ボックス9008は画像処理装置100の組み込みアプリケーションの一機能である文書ファイリング機能に相当するアプリケーション部品である。
送信9009は画像処理装置100の組み込みアプリケーションの一機能である文書送受信機能に相当するアプリケーション部品である。ポータル9010はユーザの好みに応じてよく使う機能や定型処理を簡単に呼び出すための入り口を提供するアプリケーション部品である。MFP統合アプリケーション9006のアプリケーション部品をまたがって動作パラメータの設定や一連の操作などをマクロ化し、複数のマクロを実行するためのカスタマイズボタン群を自在に配置可能なユーザインタフェースを提供する。
本体ジョブモニタ9011は画像処理装置100内部で実行中のジョブの状況や完了したジョブの履歴などを参照するためのアプリケーション部品である。
デバイス管理9012は画像処理装置100のハードウェアを管理するためのユーザインタフェースを提供するアプリケーション部品である。
メモリメディア操作9013は拡張コントローラ103に周辺機器として接続された各種のリムーバブルストレージ(光磁気メディアドライブ、USBストレージ、スマートカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)に代表されるメモリカードなど)の操作を行うためのユーザランドアプリケーションである。
メモリメディア内部に格納された文書を画像処理装置100に引き渡してプリント、送信、またはファイリングしたり、画像処理装置100が画像スキャンまたは受信した文書やファイリングされていた文書を受け取ってメモリメディアに格納したりすることができる。
暗号化セキュアプリント9014は、クライアントPCから暗号化されたプリント要求を受信して暗号化されたままいったん格納し、許可されたユーザによる操作であることがユーザ認証された場合のみ複合化して実際の画像処理装置100へのプリントを行うという、暗号化留め置きプリント機能を提供するユーザランドアプリケーションである。
ブラウザ9015は拡張コントローラ103の操作部でWebなどのブラウジング機能を提供するユーザランドアプリケーションである。9016、9017、9018は他のユーザランドアプリケーションである。前述したように、ユーザランドアプリケーションは柔軟に追加や削除または活性化や不活性化することができる。
図10は、図9に示したシステムアプリケーション9004のアプリケーション群を説明するブロック図である。
図10において、拡張コントローラ103のシステムアプリケーション9004として分類されるソフトウェアモジュール(パッケージ)には以下のユーティリティプログラムやランタイムモジュールなどが含まれる。
ファンクションキーパネル10001は機能メニューやソフトウェアキー等を拡張コントローラ操作部表示部のデスクトップに配置するフレームワークとコンテナである。ファンクションキーとして以下を配置することができる。システム既定のキー(例えばログアウト、シャットダウン、カウンタ確認、余熱、システム状況、システム設定、スクリーンキーボード呼び出し)、
選択中のアプリケーションに応じて動作が切り替わるアプリケーションコンテキストキー(たとえばガイド、アプリケーション設定、アプリケーション状況)、選択中のアプリケーションがその操作を助けるために追加配置するカレントアプリケーション追加キー(たとえばアプリケーション内部の固有メニューの一部をキーとして展開配置したもの)など、キーのレイアウトとルック&フィールはユーザの好みに応じてカスタマイズ(パーソナライズ)できる。
ファンクションキーパネルのルック&フィールは、システム全体のテーマと連動して切り替わる。例えば高コントラストや反転などのテーマが選ばれると、ファンクションキーパネルの表示もそれぞれの特性を反映するように切り替わる。ファンクションキーパネルにはソフトウェアキーやメニューだけでなく時計やメール着信フラグなどのアプリケーションコンポーネントも配置できる。あるユーザの利用状況においては、ファンクションキーパネルには「ユーザモード」、「キーボード」、「操作パネル」、「ガイド」、「アバウト」および「リセット」と名づけられたキーが配置される。
「ユーザモード」は、選択中のカレントアプリケーションに対して環境設定ダイアログを開くことを指示するか、または、システムアプリケーションのひとつであるシステム環境設定10009を起動する。
「キーボード」はシステムアプリケーションのひとつであるスクリーンキーボード10002の起動を指示する。「操作パネル」はシステムアプリケーションのひとつである操作パネルエミュレータ10003の起動を指示する。
「ガイド」は、選択中のカレントアプリケーションに対して、システムアプリケーションのひとつであるヘルプを用いて、アプリケーションの動作状況に応じたオンラインマニュアルを表示することを指示する。「アバウト」は、選択中のカレントアプリケーションに対して、バージョン、開発元、著作権などのアプリケーション情報を表示することを指示するか、あるいは、システム全体に関するモジュールごとのバージョンや著作権情報などを表示する。
「リセット」は選択中のカレントアプリケーションに対して、ユーザが途中まで行った一連の操作を取り消してその時点の状況に応じたひとつ前のチェックポイントまでロールバックすることを指示する。例えばユーザがテキスト入力フィールドに文字列を入力した後、リセットを押下すると入力途中の文字列がクリアされたり、あるいは文字列の仮名漢字変換途中にリセットを押下すると変換候補選択状態が解除されて仮名に戻ったり、画像処理ジョブの動作パラメータを設定するためのダイアログに対して設定値の変更を施している最中にリセットを押下すると変更途中の設定はキャンセルされて当初の値に戻ったりする。
スクリーンキーボード10002は物理的なフルキーボードをエミュレーションするためのソフトウェアキーボードである。タッチパネルを指で操作するために操作性を最適化してある。拡張コントローラ103にはオプションで物理的なキーボードが装着される場合もあることを考慮して、システムのできるだけ低レベルで物理キーボードをエミュレートする(すなわちシステムのほとんどのレベルで、物理キーボードと区別する必要がないように構成される)。
スクリーンキーボードの表示が前面を覆うことによって、入力の宛先となるアプリケーションの操作性は低下してしまうが、できるだけ邪魔にならないように配慮され、たとえば、表示・非表示の切り替えや表示位置の移動が指で簡単に操作できる。またディスプレイがより高解像度化したとき指での操作にむかないほどキートップが小さくならないように、解像度独立に構成される。スクリーンキーボードは国際化の対象であり、拡張コントローラ103の出荷される仕向けのロケール(locale)に応じて入力言語などが切り替わる。
操作パネルエミュレータ10003は、画像処理装置100の物理的な操作パネルをエミュレーションするためのソフトウェアパネルである。操作パネルを構成するスタートキー・ストップキー・テンキーなどをソフトウェアによってエミュレートする。各種キーのコンポーネントが押されたとき生成するキーコードは、拡張コントローラ103にオプションとして接続される物理的なキーボードが生成するキーコードにマッピングされる。
例えば、テンキーのキーが押されたとき、各キーに相当する物理フルキーボードのキーコードが生成される。操作パネルエミュレータのGUIはアプリケーションからの要求に応じて表示される。また、ユーザの明示的な操作によって表示させることもできる。操作パネルエミュレータは、画像処理装置100の機種依存な差異を選択するために複数のモードを持つ。
例えば画像処理装置100がファクス対応機である場合はファクス用キー(*や#など)を備えたモードで動作する。また、アプリケーションが操作パネルエミュレータを呼び出す場合には、アプリケーションからキーごとの表示・非表示を選択できる。
アイコンボックス10004は、カレントアプリケーションを切り替えるためのシステムアプリケーションである。その時点で操作対象とするユーザランドアプリケーションをユーザが選択するためのアプリケーション選択リストのプレゼンテーションロジックを提供する。アイコンボックス10004には、アイコン画像、および/または、アプリケーション名がリスト表示され、ユーザが選択するとカレントアプリケーションがそのアプリケーションに切り替わる。
アプリケーション名はテキスト、または、画像のどちらの形式で与えられても表示できる。テキストは国際化フレームワークに連動したローカライズ対象である。アイコン画像やアプリケーション名のリソースは、各ユーザランドアプリケーションモジュールの中に含まれるリソースを利用する。ユーザがアイコンの表示順序を編集することができる。ルック&フィールはテーマと連動して切り替わる。アイコンボックスそのものはアプリケーションのセレクタであってラウンチャではない。ただし、ライフサイクル管理の遅延起動機構を提供することにより、アプリケーションは最初に選択されたときにはじめて起動されるように登録することもできる。アプリケーションごとの強制終了やアラート表示などの機能を追加してもよい。
インストーラ10005は拡張コントローラ103を構成する各種のソフトウェアをインストールするためのインストーラである。インストール対象のソフトウェアは、ユーザランドアプリケーション、システムアプリケーション、ライブラリ、ドライバ、拡張コントローラプラットフォームのモジュール群などがある。インストールするソフトウェアモジュールはリムーバブルメディアなどローカルファイルシステムから供給するだけでなく、ネットワーク経由で供給することもできる。
アップデータ10006は拡張コントローラ103を構成する各種のソフトウェアをアップデートするためのシステムアプリケーションである。アップデート対象のソフトウェアはインストーラ10005のインストール対象と同様である。アップデートするソフトウェアモジュールはローカルファイルシステム(リムーバブルメディアも含む)から供給するだけでなく、ネットワーク経由で供給することもできる。サーバに存在するアップデータの更新をネットワーク経由で検出し、更新されていれば管理者ユーザにアップデートを促す機能も有する。
カウンタ参照10007は、カウンタ値を参照するためのシステムアプリケーションである。画像処理装置100のカウンタと拡張コントローラ103のアプリケーション利用をカウントするカウンタの両方を参照できる。
アンチウィルス10008はウィルス感染の予防と検出、および、感染時の修復を行うシステムアプリケーションである。
システム環境設定10009は拡張コントローラ103のシステムソフトウェアやハードウェアの各種の環境設定項目(プリファレンス、プロパティ)を参照したり編集したりするためのシステムアプリケーションである。システム環境設定は複数のコンポーネントをプラグイン可能なコンテナであり、各種の環境設定項目はそのカテゴリにしたがってそれぞれを設定するためのコンポーネントによって処理される。設定対象(設定項目)によって、たとえばシステム管理者のみが参照可能であったり設定可能であったりというように適切にアクセス制御される。
テーマ10010は、アプリケーションごとに有するカスタマイズ項目(プリファレンス)を、統一感を維持して一元的に設定するための機構を提供するシステムアプリケーションである。たとえば、ユーザが自身の好みや身体的特性に合わせて全体的な色調設定やコンポーネントの表示サイズ設定などをテーマとして指定すると、各種アプリケーションはテーマに連動した動作モードで動作する。
起動アプリケーション選択10011は、ユーザ毎に、アプリケーションの起動と停止を制御するシステムアプリケーションである。ユーザはシステムにインストールされているアプリケーションの一覧から、アプリケーションを選択し、実行状態に状態遷移させることができる。実際に実行が許可されるかどうかはユーザの権限に基づく。また、実行状態にあるアプリケーションの中からアプリケーションを選択し停止状態に状態遷移させることができる。システム管理者は、全ユーザに共通の共通設定を行うこともできる。
ログインダイアログ10012はログイン機構に対応するシステムアプリケーションである。拡張画像処理システムをユーザが利用するユーザセッションの開始に必要なユーザとの対話を行う。必要な対話とは、たとえば、システムがユーザに対してユーザ認証に必要な情報(ドメイン名、ユーザ名、パスワード)のエントリを求める。ユーザ名のエントリは、テキスト入力だけでなく、より簡易にユーザリストから選択可能なように設定できる。
特にゲストユーザ(認証不要のユーザ)による操作を許す運用を行う場合、ゲストユーザによるログイン操作は簡易に行えるように設定できる。ログイン方法の設定変更はシステム管理者ユーザが行う。ユーザがログインしていない状態(ユーザセッション中ではないシステムセッション中)に表示されるユーザインタフェースを備えるので、システムセッションの管理操作(シャットダウンなど)を行うための機能を付加したり、画像処理装置100の状態表示を行う機能を付加したりする場合もある。
ユーザセッションの開始に際して、ICカード(スマートカード)や生体認証などに基づくユーザ認証を行う場合、専用のログインダイアログ実装で置き換えられるように構成されている(ログイン機構の実装も同様に置き換えられる)。
ユーザ管理10013は拡張画像処理システムを利用するユーザの管理とユーザの権限の管理を行うシステムアプリケーションである。
アドレス帳10014はシステム内部または外部のディレクトリサービスに接続しディレクトリ情報を編集操作するためのシステムアプリケーションである。宛先情報を含むが、これに限定されず、ユーザ、組織、デバイス、あるいはサービスなどの各種エンティティごとにその諸属性をディレクトリ情報として扱う。
ステータスティッカ10015はシステムとアプリケーションが通知するステータス情報やメッセージを表示するためのシステムアプリケーションである。テキストやアイコン画像などを表示することができる。ステータスティッカ10015は、並行する複数のメッセージ表示要求に対し優先度ベースの調停や時分割表示なども行う。ステータスティッカのメッセージ表示はアニメーションなどによるさまざまな表示効果に対応している。
システム状況モニタ10016は拡張コントローラ103のハードウェアおよびソフトウェアの両面に関するシステムの状況とアプリケーションの状況を監視するためのシステムアプリケーションである。拡張画像処理システム10を構成する各種モジュール群のバージョンや著作権などの情報を確認することもできる。
ログビューア10017は拡張コントローラ103および画像処理装置100のそれぞれのシステムや組み込みアプリケーションが残すログ情報を参照したり管理したりするためのシステムアプリケーションである。
システムセットアップ10018は拡張画像処理システム10を設置する際の初期セットアップ手順や、画像処理装置100を新機種に交換する際のリプレース処理手順、何らかのトラブルによって拡張コントローラ103のシステムが破壊され復旧する必要が生じた際の回復手順などを補助するためのユーティリティシステムアプリケーションである。
バックアップ10019は拡張コントローラ103と画像処理装置100のそれぞれが持つハードディスクや不揮発性メモリに格納されたデータを、拡張コントローラ103に接続されたリムーバブルメディア、外部記憶装置、またはネットワークストレージなどの安全な記憶手段に退避し、また退避したデータを元に戻すリストアを行うためのシステムアプリケーションである。
スクリーンセーバ10020はユーザが拡張コントローラ103の操作部を利用していないときに表示部の焼きつきを防ぐために表示の制御を行うシステムアプリケーションである。スクリーンセーバ10020では拡張画像処理システム10の便利な使い方などを紹介するアニメーションを再生することもできる。また、画像処理装置100の紙なしなどのアラーム情報を表示したり、システム管理者などが設定したメッセージ(たとえば「定期メンテナンス日時のお知らせ」など)などを掲載した仮想的な伝言板を表示したり、ネットワーク経由でサーバから最新の情報(天気予報やニュースなど)を取得して表示したりすることもできる。複数のユーザが交互にログインして拡張コントローラ103を用いる運用形態においては、スクリーンセーバ10020はログアウトし忘れて装置の前を離れたユーザを自動的にログアウトさせるためのオートログアウト処理を行う。
ヘルプシステム10021は、拡張画像処理システム10のシステム全体の利用方法などを解説する文書を表示したり、それぞれのユーザランドアプリケーションがその解説文書を表示することを助けたりするためのシステムアプリケーションである。システムのモジュールや各アプリケーションモジュールなどがそれぞれモジュール単位で供給した解説文書コンテンツを、システム全体として統合するポータル機能を備える。
アプリケーションプログラムからヘルプシステム10021に対してコンテンツ内の任意の箇所をユーザに提示するように指示することが可能である。したがって、アプリケーションはその動作状況に応じて最適な情報をユーザに提示できる。ヘルプシステム10021はWebアプリケーションとして構成されているため、拡張コントローラ103の操作部150に解説文書を表示するだけでなく、クライアントPC11などで稼動するWebブラウザ上に解説文書を表示することもできる。
文書ビューア1022は、テキスト、画像、およびアプリケーション固有形式など各種フォーマットの文書データを表示するためのシステムアプリケーションである。表示する文書の形式の例には、テキスト、HTMLやXMLやSGMLなどのマークアップ言語で記述された文書、JPEGやPNGやTIFFやJBIGなどの画像、LIPS(登録商標)やPostScript(登録商標)などのページ記述言語、PDFなどの文書、Macromedia FlashやSun Java(登録商標) Appletなどの表示を伴うプログラム、アニメーション、あるいは、ワードプロセッサやプレゼンテーションや表計算など各種アプリケーションプログラム固有のプロプラエタリなフォーマットに基づく文書データなどがある。文書ビューア1022が扱う文書の一部または全部は、画像処理装置100によってプリント、スキャン、送受信、ファイリングなどが可能である。
ファイル操作10023は、拡張コントローラ103に内蔵または接続された各種記憶手段の上に構築されたファイルシステム、画像処理装置100が持つファイルシステム、または、ネットワーク経由でサーバコンピュータ12やクライアントPC11などが提供するネットワーク共有のファイルシステムを操作するシステムアプリケーションである。
文書管理10024は、拡張コントローラ103に搭載された文書管理システム(document management system)である。文書管理10024は拡張コントローラ103のファイルシステムや外部サーバのデータベース管理システムなどを用いて各種の文書データの蓄積、検索、管理などを実現するための機能を提供する。
図11は、図2に示した拡張コントローラ103のソフトウェアプラットフォームを構成するソフトウェアパッケージ群を説明するブロック図である。
図11において、システムセッション管理11001は拡張コントローラ103のブートアップからシャットダウンまで、システム全体のセッション管理を行うためにシステム全体の構成および設定を管理する。デーモン型サービス(常駐型アプリケーションとして実装されたシステムアプリケーションとユーザアプリケーション)のライフサイクル管理も行う。
電源制御11002は拡張コントローラ103の省電力設定など電力制御の管理を行う。Wake On LAN、ACPIなどハードウェアシステムとBIOS設定を管理する。
ユーザセッション管理11003はログインからログアウトまで、ユーザによるログインセッションを管理する。コンソール型アプリケーション(ユーザのログインセッション中に動作するシステムアプリケーションとユーザアプリケーション)のライフサイクル管理を行う。またWebアプリケーションのログインセッション管理機構を助ける。
ログイン機構11004はユーザがユーザセッションを開始する機構である。ユーザ管理およびユーザ認証パッケージによりユーザの特定を行う。ユーザ環境へのインテグレーションのために、個別のニーズに合わせたログイン機構がプラグイン可能である。たとえばICカード(スマートカード)によるユーザ認証や生体認証に基づくログイン機構を統合することができる。
アクセス制御11005はユーザ毎に、および、ユーザが所属するグループ毎に、拡張画像処理システム10を構成する各種リソースのアクセス権限を管理する。
ユーザ管理・ユーザ認証11006はシステムを利用するユーザアカウントの管理とユーザの特定(識別)を行う。パスワードなどによるwhat−you−know型の認証だけなくICカード(スマートカード)などによるwhat−you−have型や生体認証などによるwhat−you−are型の認証も利用できる。
ディレクトリサービス連携11007は拡張コントローラ103のユーザ管理、ユーザ認証、またはディレクトリ情報の管理を外部のディレクトリサービスに委譲する。
ディレクトリ11008は拡張コントローラ103が備えるローカルディレクトリサービスであり、ユーザ、および、各種リソースの情報を管理する。管理する情報は、ディレクトリサービスが管理対象とするあらゆるエンティティの属性とエンティティ間の関係である。たとえばNDSなどのディレクトリサービスが管理するエンティティの例には、ユーザ、プリンタ、ファイルサーバなどがあげられる。管理対象は、拡張コントローラ103のシステム内部のリソースと画像処理装置100内部のリソースの両者である。
アプリケーションライフサイクル管理11009はシステムアプリケーションおよびユーザランドアプリケーションのライフサイクル(インストール、アップデート、アンインストール、起動、中断、停止)を管理する。ライセンス管理11010は拡張コントローラ103における各アプリケーションの利用許諾を管理する。
アプリケーションカウンタ11011は拡張コントローラ103に搭載された各アプリケーションの利用量と、アプリケーションの利用に伴うシステムリソースの利用量をカウントする。システムトータルのカウントだけでなくユーザ毎のカウントも可能である。
環境設定管理11012はシステム全体やアプリケーション毎の環境設定(プリファレンス、プロパティ、構成)を保持するデータベースである。ユーザに依存しない共通設定と、ユーザごとのユーザ固有設定とがそれぞれ管理される。
リソース管理11013はアプリケーションを構成する各種リソース(ローカライズ可能文字列、アイコン画像、サウンド、プラグイン、GUI記述、補助データなど)の構造化と管理を助ける。
パーソナライズフレームワーク11014は複数のアプリケーションのアプリケーション固有設定に対し横断的にユーザの好みを反映するための枠組みを提供する。テーマ(例えば画面全体の色調を選択すると個々のアプリケーションの色調が連動するなど)や、ユーザ固有で複数のアプリケーションから共通に参照される汎用の環境設定(POPサーバ情報など)を実現する。
ユーザアシスタンス11015は拡張コントローラ103のシステム全体およびアプリケーション群のドキュメンテーション(ガイド・ヘルプ、マニュアル、チュートリアルなど)を登録管理し、ユーザによるシステムやアプリケーションの利用を補助するための機構である。
インプット11016はユーザからの入力イベントを処理する。ユーザと拡張コントローラ103のシステム間のインタラクションにおいてユーザからのイベント入力源は、物理的なキーボードや操作部ハードキー、マウスなどのポインティングデバイス、スクリーンキーボードや操作部エミュレータ、ファンクションキーパネル上のスクリーンファンクションキーなどがある。インプットメソッド(各国語の文字入力のための入力手段あるいはフロントエンドプロセッサ)に関連する処理も行う。
ステータスメッセージ管理11017は各アプリケーションが表明する状態あるいはメッセージを受け付け管理する。ユーザや他のアプリケーションがその状態またはメッセージを取得するための機構を提供する。たとえばステータスティッカ10015がメッセージを取得する。
国際化フレームワーク11018はシステムとアプリケーションの国際化を助ける。
ロギング11019は各アプリケーションがログを残すための機構を提供する。アプリケーションがアプリケーションステータスメッセージ管理に対して送信した状態やメッセージの一部は自動的にロギングされる。エンドユーザのためのログだけでなく、開発者がアプリケーションをデバグするためのログも扱う。
ウィンドウマネージャ11020はネイティブの汎用OS9001用ウィンドウマネージャとの連携によって実装される、拡張コントローラ103に最適化されOS独立なウィンドウマネージャである。各種アプリケーションが開くGUIウインドウの表示や重なりを制御する。また、指で操作しやすいウィンドウタイトル、メニュー、スライダなどを提供する。
GUIツールキット11021は拡張コントローラ103システム用にルック&フィールをデザインしたGUIフレームワーク、GUI部品(コンポーネント)、および、ランタイムモジュールである。
サウンド11022はタップ音、警告音など音による、システムやアプリケーションからユーザへの情報提示を制御する。拡張コントローラ103システム用にデザインしたサウンドデータのライブラリが用意される。サウンドの設定はパーソナライズの対象である。
セキュア通信チャネル1023は暗号化などの技術により実現される安全なネットワークコネクションを提供する。IETFのSecure Shell(secshまたはSSH)を用いて、セキュアでないTCPコネクションを簡単にトネリングする機構も提供する。
セキュアファイルシステム11024は安全なファイルシステムを提供する。暗号化などの技術によって実現される。暗号処理11025は暗号処理のための機構を提供する。鍵管理11026は各種の暗号処理のために必要な鍵を安全に管理する機構を提供する。
画像処理11027は各種画像処理のための機構を提供する。画像処理装置100が内蔵する画像処理ハードウェアなどを用いた専用の画像処理機能を分散サービスとして拡張コントローラ103のアプリケーションから利用するための分散イメージング機構も提供される。またOCRやブロックセレクションの技術も画像処理の一環として扱われる。
プレゼンテーション拡張インタフェース11028は拡張コントローラ103のシステム内アプリケーションによって実装されるプレゼンテーションロジックから、画像処理装置100内の組み込みアプリケーションのビジネスロジックへの、通信機構を提供する。
組み込みアプリケーション拡張インタフェース11029は画像処理装置100内の組み込みアプリケーションのビジネスロジックを分散コンポーネント化するためのフレームワークとアプリケーションプロトコルによって実現されるインタフェースである。
ジョブ制御・装置制御インタフェース11030は画像処理装置の製品シリーズをまたがって共通で統一的な制御モデルを提供するプリミティブなインタフェースである。ジョブ制御・装置制御インタフェース11030は、拡張コントローラ103のシステムのアプリケーションが画像処理装置100のデバイス機能を制御することを可能とする。ジョブ制御・装置制御インタフェース11030によって、拡張コントローラ103内のソフトウェアと画像処理装置100内の組み込みアプリケーション層とがインタフェースすることはできない。
画像ジョブ制御インタフェース11031は画像処理装置100によってプリントやスキャンなどの画像転送を伴う処理を高速に行うための高水準インタフェースである。画像ジョブ制御インタフェース11031は拡張コントローラ103のシステム内のアプリケーションが画像処理装置100本体のデバイス機能を利用することを可能とする。このインタフェースによって画像処理装置100本体内の組み込みアプリケーション層とインタフェースすることはできない。
プリンタドライバ11032はネイティブの汎用OS9001が提供するプリントフレームワークによって、拡張コントローラ103のアプリケーションから画像処理装置100に対するプリントジョブやファクス送信ジョブや文書ファイル格納ジョブなどを投入する機構である。
スキャナドライバ11033はネイティブの汎用OS9001が提供する画像スキャンフレームワークによって、拡張コントローラ103のアプリケーションから画像処理装置100に対するプルスキャンジョブの投入とスキャン画像の取得を行う機構である。
アプリケーション間通信11034は拡張コントローラ103で動作するソフトウェアのプロセス間およびスレッド間の通信機構を提供する。拡張コントローラ103の汎用OS9001はその上で動作する各プロセスに対してそれぞれ独立した保護されたメモリ空間を提供するため、異なるプロセスとして動作するアプリケーション間で通信を行うためには特別な機構を必要とする。
アプリケーション間通信11034は汎用OS9001が提供する共有メモリ、パイプ、ソケットなどの機構を用いて、プロセス間通信のトランスポート層を実装している。プロセス間通信のアプリケーションプロトコル層はXMLプロトコル(SOAP)を用いたXMLベースのメッセージ交換を基本とし、XMLプロトコルの扱いを助けるツールキット、フレームワーク、エンジンが提供される。
アプリケーション間通信11034は、拡張コントローラ103と画像処理装置100、および、拡張コントローラ103と外部システムなど、複数のノードに分散しネットワークを介した協調を行う複数のソフトウェア群による分散システムの構築を助けるためのフレームワークも含む。この枠組みには、前記のプログラミング言語独立なXMLプロトコルに基づくものと、Java(登録商標)の分散オブジェクト技術であるRMIに基づくものとが提供される。
マクロ・スクリプティング11035はエンドユーザプログラミングやスクリプティング、あるいは、例題学習(ユーザが行った動作を記録して、再生可能とする)などの技巧によって、ソフトウェアにおける一連の処理を単一の処理にまとめるマクロ機構である。
マクロ・スクリプティング11035によって、ユーザは単一のアプリケーションの中で行う一連の処理をマクロ化するだけでなく、複数のアプリケーションの処理を組み合わせた処理を定型業務のようなマクロとして登録し利用することもできる。
実行スケジューリング11036は定時実行(UNIX(登録商標)のユーティリティであるcronに類似している)、および、システムセッションのイベント(たとえばブートアップ、シャットダウン)やユーザセッションのイベント(たとえばログイン、ログアウト)などに同期して所望の処理を自動的に実行するための機構である。
Webサーバ11037は、よく知られたネットワークプロトコルであるHTTP(あるいはそれをセキュアにしたHTTPSなども同様)に基づく要求に応えて要求元との間でデータの送受信を行うサービスである。
アプリケーションサーバ11038はWebサーバ11037と連動し、クライアントとの間で動的なデータの交換を行うWebアプリケーションのために動作環境を提供する。Webサーバ11037が受信したHTTPの要求メッセージをその要求メッセージに応じた適切なアプリケーションに対して要求として引渡し、アプリケーションの処理結果に基づくアプリケーションからの応答を受け取って対応するHTTP応答メッセージとして元のHTTP要求の要求元へと返送する。
アプリケーションサーバ11038は、Webアプリケーションを効率的に開発し動作させるために、テンプレートとテンプレート言語に基づくプログラムとの組み合わせによって動的にメッセージを生成するテンプレートエンジンを含む。またアプリケーションサーバ11038は、Webアプリケーションを効率的に開発し動作させるために、MVC(Model−View−Controller)アーキテクチャに基づくアプリケーションフレームワークを備える。
SOAPエンジン11039は、よく知られているXMLプロトコルを処理するプロセッサの開発を容易にするためのエンジンである。SOAPエンジン11039はアプリケーションサーバ11038と連動するように構成している。SOAPエンジン11039はSOAPクライアントから送られてきたSOAP要求メッセージを処理し、メッセージを処理するための適切なソフトウェアに引き渡す。SOAP要求メッセージを処理するソフトウェアが適切な処理を完了してリターンするとSOAPエンジンはそのリターンに相当するSOAP応答メッセージを生成して要求元のSOAPクライアントに返送する。
XMLツールキット11040は、拡張コントローラ103上のソフトウェア群が、XMLやその応用として規定された各種マークアップ言語の解釈、生成、変換などの処理を実行することを助けるためのツールキットである。
Java(登録商標)プラットフォーム11041の基本部分はJava(登録商標) 2 Platform, Standard EditionまたはJava(登録商標) 2 Runtime Environmentとしてよく知られているJava(登録商標)プラットフォームによって構築されている。このように、本システムが具備する拡張コントローラ103は、本システムの画像処理装置100に各種の動作を実行させるための機能を含む複数種類の機能を実行可能に構成している。
図12は、図2に示した拡張コントローラ103が具備する操作部150の表示部に表示させる表示画面の一例を示す図である。
図12において、拡張コントローラ103は、例えばPC等の情報処理装置を使用しており、拡張コントローラ103が具備する操作部150の表示モニタは1024ドット×768ドットの解像度のLCDタッチパネルを使用するよう構成している。
また、本システムでは、該拡張コントローラ103の操作部150を介して、画像処理装置100の操作部150を介してユーザにより指示操作可能な操作と同等の操作をユーザにより実行可能にすると共に、画像処理装置100側には具備していない機能を拡張コントローラ103を用いて実行させるための指示操作をも実行可能にするように、各種のユーザインタフェース画面を操作部150に提供させるよう制御している。
画面中央付近がアプリケーション表示エリア12001であり、図示するようにコピー画面をはじめとして、複数のウインドウが同じサイズに重なっている。ユーザから見た場合は最前面のウインドウが1つだけ動いているように見える。
また、画面左端のアイコンボックス12002は、前述のウインドウ切り替え手段に該当する。各ウインドウに1対1で対応したアプリケーション名とアイコンが表示されており、利用可能なアプリケーションが多数存在し画面内に収まりきらない場合は、スクロールして表示を行うことが出来る。
アイコンボックス12002上の任意のアイコンを押すことで、アプリケーション表示エリア上に該当するウインドウが表示される。画面上部のファンクションキーパネル12003は拡張コントローラ103の操作部で共通に利用する機能ボタンの集合である。ユーザモードボタン12004は、ボタンを押下することにより本拡張コントローラ全体またはアプリケーション表示エリアに表示されているアプリケーションの設定画面を呼び出すメニューが表示され、それぞれの設定を行うことが出来る。スクリーンキーボードボタン12005は、後述するスクリーンキーボードを起動することが出来る。
操作部パネルエミュレータボタン12006は、後述する操作部パネルエミュレータを起動することが出来る。ガイドボタン12007は、ボタンを押下することにより本拡張コントローラ全体またはアプリケーション表示エリアに表示されているアプリケーションのガイド画面を呼び出すメニューが表示され、それぞれのガイドを閲覧することが出来る。
アバウトボタン12008は、ボタンを押下することにより本拡張コントローラ全体またはアプリケーション表示エリアに表示されているアプリケーションのアバウト画面を呼び出すメニューが表示され、それぞれのアバウト情報を閲覧することが出来る。リセットキー12009は、アプリケーション表示エリアに表示されているアプリケーションに対してリセットキーのキーコードを送信することが可能であり、リセットキーを受けたアプリケーションは、アプリケーション既定のリセット動作を行う。
画面下部のログオフボタン12010は、ログイン中ユーザのログオフまたは拡張コントローラ103のシャットダウンを行うことが出来る。ソフトタリー12011は、画像処理装置100のタリーランプをエミュレートしたものであり、本拡張コントローラの状態(例えば正常、警告、エラーなど)を赤および青の点滅、点灯、消灯によって通知することが出来る。ステータスティッカ12012はアプリケーションが発生するメッセージを表示するエリアであり、複数のアプリケーションから送られるメッセージのうち優先度の最も高いメッセージを表示する。メッセージはスクロール表示可能であるため長いメッセージに関しても全てを確認することが可能である。履歴ボタン12013は拡張コントローラ103の履歴画面を表示することが出来る。デバイス状況ボタン12014は画像処理装置100の状況、履歴画面を表示することが出来る。
シングルユーザモードで運用している場合、ログオフボタン12010によって拡張コントローラ103のシャットダウンを指示できる。マルチユーザモードで運用している場合は、ログオフボタン12010によって利用中のユーザのログオフ(すなわちユーザセッションの終了)と、拡張コントローラ103のシャットダウン(すなわちシステムセッションの終了)とを、選択して指示することができる。ユーザがシャットダウンを指示すると、拡張コントローラプラットフォーム9002から各アプリケーションに対してシステムセッション終了のイベントが通知され終了処理を促す。
さらに、拡張コントローラプラットフォーム9002は汎用オペレーティングシステム9001が備えるシャットダウン手続きを呼び出して、OSレベルの終了処理を促す。この結果として、よく知られたPCアーキテクチャのコンピュータと同様に、拡張コントローラ103のソフトウェアシステム全体が停止し、ハードウェアシステムも電源部とネットワークインタフェース部など一部のモジュールを除いてほとんど電力を消費しない状態に遷移する。画像処理装置100が単体で持つ機能性を最大限維持しながら、拡張コントローラ103による柔軟な拡張性の付加を可能とするために、両者は基本的に疎結合に構成されている。そのため拡張コントローラ103の電源部と画像処理装置100の電源部は相互にまったく独立しており、それぞれが単体で動作可能である。すなわち、拡張コントローラ103をシャットダウンしても画像処理装置100は動作し続けることができる。
図13は、図12に示したファンクションキーパネル12003から起動されるスクリーンキーボードの構成を説明する図である。
スクリーンキーボードは、LCDタッチパネル上での文字入力を可能にするものである。キーボード設定に応じて、101キーボードや106キーボードのようにレイアウトを変更することが可能である。
図14は、図12に示したファンクションキーパネル12003から起動される画像処理装置の操作部パネルエミュレータを構成を説明する図である。
図14に示すように、本実施形態における操作部パネルエミュレータは、画像処理装置のハード操作部のテンキーやスタートキー、ストップキーと同様の入力を可能にするものである。
図15は、図2に示した拡張コントローラ103に搭載されるユーザランドアプリケーションの一つである暗号化セキュアプリントの画面15001を示す図である。
暗号化セキュアプリントは、出力装置において排紙された印刷原稿が第三者の目に触れないようにする機密保持、およびネットワーク上を流れる印刷データの機密保持を目的としたアプリケーションである。ユーザはクライアントPCにおいて印刷ジョブを発行する際に、任意の暗証番号やパスワードの入力や、ICカードを利用して、印刷データを暗号化し拡張コントローラ103へ送信する。暗号化された印刷データは拡張コントローラ103上において暗号化された状態でスプールされる。その後、ユーザは拡張コントローラ103において、任意の暗証番号やパスワードの入力やICカードを挿入することにより、暗号化された印刷データを復号化し、所望の印刷原稿の機密性を保持して入手することが可能となる。
図16は、図4に示したハードディスク162に記憶されるデータの構造を説明する図であり、図2に示した画像処理装置100の制御装置110によるデータ記憶制御により、画像処理装置100が具備する、例えばハードディスク162等のメモリに、例えばデータテーブル形式で格納させる拡張コントローラ関連のデータの格納例である。
図16において、拡張コントローラ接続設定16001は、画像処理装置100に拡張コントローラ103が付加された拡張画像処理システム10として動作するべく設置されているかどうかを表すデータである。
この情報は、画像処理装置100の制御装置110が後述する制御を実行するうえで用いる情報であり、本システムにて、画像処理装置100に対して拡張コントローラ103が(物理的、及び/又は、電気的に)接続されているか否かを判断するためのデバイス接続情報である。
例えばあるサービスマンが、ある顧客に対して、本画像処理装置100と共に拡張コントローラ103を本画像処理システムとして納品する場合に、サービスマンにより、初期設定として、画像処理装置100の操作部150を介して、該画像処理装置100に対して拡張コントローラ103が接続されている旨を示す情報を入力させる。
なお、且つ、該拡張コントローラ103とデータ通信する上で該拡張コントローラ103のアドレス情報等も、各種初期設定管理情報として入力させる。画像処理装置100の制御部は、これら各種の初期設定管理情報を、後述の制御にて利用可能に該メモリに格納させるよう記憶制御する。
画像処理装置100は、拡張画像処理システム10の一部として動作する場合も、また、単体として動作する場合であっても、可能な限り同じハードウェアとファームウェアの実装を共用するように構成されている。したがって、拡張画像処理システム10の一部として動作する場合に要求される必要最低限の差異だけを切り替えて動作する条件分岐の判断基準として、拡張コントローラ接続設定16001を用いる。拡張コントローラ接続設定16001は、典型的には、顧客環境へ拡張画像処理システム10を導入する際に、サービスマン(フィールドエンジニア、カスタマエンジニア)による設置手順の一環として適切に設定される。なお、以下で説明するデータは、画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合に有効となる。
拡張コントローラ状態16002は、画像処理装置100から認識しているその時点における拡張コントローラ103の状態を表すデータ(拡張コントローラ103のカレントステータス情報)である。
この情報も、画像処理装置100の制御装置110が後述する制御を実行するうえで用いる情報であり、画像処理装置100の制御装置110が、本画像処理装置100に対して拡張コントローラ103が接続されていることを上述のデバイス接続情報により判断した場合において、該拡張コントローラ103の現在のステータス状況を、本画像処理装置100の制御装置110が判断する際に利用する情報である。このステータス情報は、画像処理装置100が、該接続されている拡張コントローラ103に対してカレントステータス情報の獲得要求コマンドデータを送信することで、返答結果として該拡張コントローラ103から獲得する情報である。拡張コントローラ103の状態には、電力供給を受けソフトウェアが稼動しているオン状態や、電力をほとんど消費せずソフトウェアが停止しているオフ状態を含む複数種類のステータス状況が存在し、該ステータス情報を画像処理装置100が獲得することで、該画像処理装置100の制御装置110が、該拡張コントローラ103のカレントステータスを識別可能にし、尚且つ、その情報に基づいた情報をユーザにフィードバックするよう後述する表示制御に利用している。
拡張コントローラIPアドレス16003は、画像処理装置100に組み合わされて拡張画像処理システム10を構成するべく設置されている拡張コントローラ103をネットワーク的に識別するためのインターネットプロトコルアドレスを表すデータである。
拡張コントローラMACアドレス16004は、画像処理装置100に組み合わされて格調画像処理システム10を構成するべく設置されている拡張コントローラ103をネットワーク的に識別するためのメディアアクセスコントロール(MAC)アドレスを表すデータである。MACアドレスは、ネットワークカードに固有の物理アドレスであり、LANがEthernet(登録商標)の場合Ethernet(登録商標)アドレスと呼ばれる6バイト長のデータである(IEEEアドレスと呼ばれることもある)。Ethernet(登録商標)ではこのアドレスに基づいてフレームの送受信を行う。
図17は、図2に示した画像処理装置100の操作部150に表示されるデバイス状況表示ダイアログ画面の一例を示す図であり、制御装置110による表示制御により、該画像処理装置100の操作部150に表示させるデバイス状況表示ダイアログ画面の一例に対応する。
なお、この画面は、画像処理装置100が具備する制御装置110による表示制御により、該画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる操作画面(例えば図6の基本画面)上のシステム状況キー541がユーザにより押下されたことに応答し、画像処理装置100の制御装置110が、該画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる画面である。
本画像処理装置100の制御装置110は、関係する各ユニットとのデータのやり取りにより各デバイスから獲得した情報に基づいて画像処理装置100の操作部150に表示させるこのGUIによって画像処理装置100が備えるデバイスのその時点での状況(画像処理装置100のカレントステータス情報)を確認することができるように表示制御している。
尚、この情報には、例えば、スキャナユニット210により原稿の読取動作中であるか否かをユーザにより識別可能にするための情報や、プリンタ部300にてプリント動作中であるか否かをユーザにより識別可能にするための情報や、ファックス機能にてデータの送信中か否か及びデータの受信中か否かをユーザにより識別可能にするための情報や、ネットワークを介してデータの受信中であるか否か及びデータの送信中であるか否かをユーザにより識別可能にするための情報等を、ユーザに報知可能に表示制御している。
更に、本画像処理装置100が具備する各種の資源(各給紙部の記録用紙の有無やそのサイズやメモリの使用量など)に関するカレントステータスをユーザにより識別可能にするための情報も生成させている。当該画面を介して、ユーザにより、たとえば、スキャナの状況、プリンタの状況、ファクスの状況、ネットワーク送受信の状況、給紙トレイに格納されたプリント用紙の状況、未使用のシステムメモリ量の状況、消耗品の状況、などが一目瞭然で把握できるように構成する。
又、本画像処理装置100の制御装置110による表示制御により本画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる図17の操作画面上の表示項目の1つである「復帰手順の表示」ペイン17001は、デバイス状況表示ダイアログの一区画であり、画像処理装置100にカレントステータスとして何らかのエラー(例えば、リーダ部200が具備する自動原稿給送装置における故障や原稿ジャム、プリンタ部300における用紙無しエラーやトナー切れ、プリンタ部300における記録用紙のジャムなど)が生じている場合に、該エラーから復帰する(該エラーを除去する)うえで要求されるオペレータにより取るべき行動及びその手順をオペレータに識別可能にするための情報を表示するため画面を該操作部150の表示部に表示させるための指示をユーザにより入力可能にするソフトキーを表示させたりするGUI部品(表示領域)である。
「復帰手順の表示」ペイン17001には、デバイス状況表示ダイアログが開かれるときにその時点での画像処理装置100のエラー状況を反映して適切なGUIが構成される。
なお、図17に示す例では、本画像処理装置100にてエラーが発生していない場合の例であり、この場合は、上記ソフトキーは表示されないように表示制御している。
一方、例えば、画像処理装置100にて紙詰まりエラーが発生している場合には、上記「復帰手順の表示」ペイン17001に、該紙詰まりエラーを除去するためのオペレータの操作手順をガイドするための表示画面を表示させるための指示をユーザにより入力可能にするためのソフトキー(後述する図19に示す表示領域19001のソフトキー参照)を表示させる。
又、本実施形態では、本画像処理装置100の制御装置110が、例えば、本画像処理装置100に対して拡張コントローラ103が接続されていることを、図16に示したメモリに格納させる拡張コントローラ接続状況情報16001により判断した場合等の、本システムのカレントステータスに関する各種の判断情報に基づいて、本画像処理装置100から本画像処理装置100に接続されている拡張コントローラ103に対してユーザによる操作部150での操作に応答して起動処理を実行させるよう指示する動作モード(上述の第2の起動モードに相当)に移行させるための指示をユーザにより入力可能にするための拡張部電源ONキー(後述する図19のソフトキー参照)を、本画像処理装置100の操作部150の表示部のデバイス状況画面(例えば図17の画面)上の上記「復帰手順の表示」ペイン17001に表示させるように、本画像処理装置100の制御装置110により表示制御している。
本画像処理装置100の制御装置110は、本システムのカレントステータスに関する各種の判断情報及びユーザからの指示に基づき、本画像処理装置100の操作部150の表示部に、このソフトキー(図19に示す拡張部電源ONキー19002)を、動的に、表示させたり(該キーの表示の実行を許可したり)、表示させない(該キーの表示の実行を禁止したり)よう制御する。
これにより、本画像処理装置100の操作部150を介してのユーザからの拡張コントローラ103に対する起動指示要求の受付けを制御して、本画像処理装置100からの拡張コントローラ103の起動処理の実行を禁止したり、許可するよう制御している。
このように制御することで、後述の各種の制御を含め、上述の効果(上述の各種不具合の防止効果とユーザ操作性向上効果との両立)が得られるように構成している。
図18は、本発明に係る画像処理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示した本画像処理装置100の電源キー301がユーザにより押下され、これを受け、本画像処理装置100の制御装置110が、本画像処理装置100の起動処理(電源立上げ、オームアップ処理など)を実行させたうえで、起動する処理のフローチャートであり、画像処理装置100のデバイス状況表示ダイアログ内の「復帰手順の表示」ペイン(図17の「復帰手順の表示」ペイン170001)内に表示対象となるユーザ操作に応答可能なソフトキーを生成する処理のアルゴリズムに対応する。なお、(1801)〜(1807)は各を示す。また、本処理は、本画像処理装置100の制御装置110が実行するステップに対応する。
画像処理装置100の制御装置110内のCPU112によって、上位のGUIコンポーネントであるデバイス状況表示ダイアログから「復帰手順の表示」ペイン17001の生成手続きが呼び出されると以下のステップが実行される。
尚、呼び出されるタイミングとしては、例えば、本画像処理装置100の制御装置110のCPU112は、自身の電源キー301のユーザ押下に応答し自装置の電源を立上げたうえで、自身の操作部150の表示部に表示させる図6の操作画面上のシステム状況キー541がユーザにより押下されたことに応答し、図6の操作画面の次に該操作部150の表示部に表示すべき操作画面(例えば、図17の操作画面)の表示構成要素(内容)を決定すべく、このフローチャートの処理を実行する。
先ず、ステップ(1801)では、図16に示した拡張コントローラ接続設定16001を読み出し、この画像処理装置100が拡張画像処理システム10の一部として動作するべく設置されているか否かを知る。換言すると、このステップにて、本画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されているか否かを判断する。
尚、この接続というのは、少なくとも電気的に接続されていることを意味する。つまり、システム構成上、図3のように物理的に本画像処理装置100と拡張コントローラ103とが接続(接触)しているわけではなく、離間(非接触)の場合でも本実施形態は包含されるものとする。
又、当然、これらの装置が物理的に接続されていることもチェックしても良い。又、本画像処理装置100に対して拡張コントローラ103が接続されているか否かを本画像処理装置100の制御装置110が如何様に判断するかの具体的判断方法の一例としては次のような方法を採用する。
例えば、図16の説明で述べたように、あるサービスマンが、ある顧客から、本画像処理装置100と拡張コントローラ103の両方を納品して欲しい旨の依頼を受け、該サービスマンが、該顧客の所へ、本画像処理装置100と拡張コントローラ103とを画像処理システムとして納品設置しに赴いた際に、該サービスマンにより、本画像処理装置100の操作部150を介して、該画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている事を識別可能にするための初期登録情報(例えば、接続されている場合には、拡張コントローラ接続フラグON、接続されていない場合には、拡張コントローラ接続フラグOFFにする)、及び、拡張コントローラ103のアドレス情報などの情報を予め初期登録情報としてセットさせておき、この初期登録情報をメモリに保持しておき、該メモリから読み出して参照することで、本画像処理装置100の制御装置110が該画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されているか否かを判断可能にする。
尚、画像処理装置100が拡張コントローラ103の接続状況を判断できれば如何なる構成でも良い。
次に、ステップ(1802)では、拡張コントローラ103が接続されているか否かの判断に基づいて接続されていると判断した場合は、ステップ(1803)に進み、接続されていないと判断した場合にはステップ(1806)に進む。
そして、ステップ(1803)では、制御API5005の呼び出しなどによって画像処理装置100のその時点における状況(カレントステータス)を各ユニットからの各種のステータス情報により判断し、エラーが生じている状態であると判断した場合(例えばADFの故障、ADFでの原稿ジャム、プリンタ部での紙無し、プリンタ部での記録紙ジャム等の各種エラーの少なくとも何れかのエラーが発生している場合)は、ステップ(1804)に進み、エラー状態でないと判断した場合は、ステップ(1805)に進む。
そして、ステップ(1804)では、生じているエラーから回復するための復帰手順へユーザを誘導するための復帰手順ボタン(例えば、紙詰まりエラーが発生している場合は、該紙詰まりエラーを解消するうえでオペレータが操作すべき内容をオペレータにより識別可能にするための情報を操作部150の表示部に表示させるための指示をユーザにより入力可能にする、図19に示すソフトキー190001等をこのペイン(図17に示す操作画面上の「復帰手順の表示」ペイン17001)の中に追加するような操作画面を生成表示させるが、該ボタン(ソフトキー)がこのペインの全表示領域を埋め尽くしてしまわないようにボタンサイズが小さいボタンを追加する(「復帰手順の表示」ペイン17001に第1サイズのソフトキーを具備した操作画面を表示させるよう制御する)。
そして、ステップ(1805)では、「拡張部電源ON」ボタン(このボタンもソフトキー)をこのペイン(図17の操作画面上の「復帰手順の表示」ペイン17001)に追加する。このボタンは、本画像処理装置100に接続されている拡張コントローラ103を起動させる指示をユーザにより入力可能にするための操作画面を表示させる指示をユーザにより入力可能にするためのキーである。その後、一連の手続きからリターンする。
このように、画像処理装置100の電源キー301の押下による画像処理装置100の起動処理を実行したことを前提として、該フローチャートの処理の開始トリガーとしての、図6に示した操作画面上のシステム状況キー541がユーザにより押下された場合において、本画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合(ステップ(1802)で(True)と判断された場合)で、且つ、本画像処理装置100にてカレントステータスとしてエラーが発生している場合(ステップ(1803)で(True)と判断された場合)に、本画像処理装置100の制御部110は、上記効果に貢献すべく、自身の操作部150の表示部における図6の操作画面の後に表示させるべき操作画面(デバイス状況画面)として、図17に示すが如く、デバイス状況をユーザにより識別可能にするための情報を表示するデバイス状況表示部を有すると共に、図17のデバイス状況画面の「復帰手順の表示」ペイン17001に、該発生しているエラーの解決方法をユーザに報知させるための操作画面を表示させるための表示指示をユーザにより入力可能にする第1サイズのソフトキーと、拡張部電源ONキーとを有する(該拡張部電源ONキーの表示を許可する)、操作画面を、自身の操作部150の表示部に表示させるよう制御する。
一方、ステップ(1806)では、制御API5005の呼び出しなどによって画像処理装置100のその時点における状況を判断し、エラーが生じている状態であると判断した場合はステップ(1807)に進み、エラー状態でないと判断した場合は、一連の手続きからリターンする。
そして、ステップ(1807)では、上記効果に貢献すべく、拡張部電源ONキーの表示を禁止するよう制御し、且つ、生じているエラーから回復するための復帰手順へユーザを誘導するための復帰手順ボタンをこのペイン(図17に示した操作画面上の「復帰手順の表示」ペイン17001)の中に追加するが、例えば、このボタン(発生しているエラーの解決方法の表示指示をユーザにより入力可能にするためのソフトキー)がこのペイン(図17に示した操作画面上の「復帰手順の表示」ペイン17001)の全領域を埋め尽くすように大きいボタン(上記第1サイズよりも大きいサイズの第2サイズのソフトキー)を追加する。その後で、一連の手続きからリターンする。
このように、画像処理装置100の電源キー301の押下による画像処理装置100の起動処理を実行したことを前提として、該フローチャートの処理の開始トリガーとしての、図6に示した操作画面上のシステム状況キー541がユーザにより押下された場合において、本画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されていない場合(ステップ(1802)で(False)と判断された場合)で、且つ、本画像処理装置100にてカレントステータスとしてエラーが発生している場合(ステップ(1806)で(True)の場合)に、本画像処理装置100の制御装置110は、上記効果に貢献すべく、自身の操作部150の表示部における図6の操作画面の後に表示させるべき操作画面(デバイス状況画面)として、図17に示すが如く、デバイス状況をユーザにより識別可能にするための情報の表示を行うためのデバイス状況表示部を有すると共に、図17に示したデバイス状況画面の「復帰手順の表示」ペイン17001に、拡張部電源ONキーを具備しない(該キーの表示を禁止する)、該発生しているエラーの解決方法をユーザに報知させるための操作画面を表示させるための表示指示をユーザにより入力可能にするための第2サイズのソフトキー(上記第1サイズのソフトキーよりもユーザにより押下し易い大きなサイズのソフトキー)を有する操作画面を、自身の操作部150の表示部に表示させるよう制御する。
又、該フローチャートの処理の開始トリガの一例としての、図6に示した操作画面上のシステム状況キー541がユーザにより押下された場合において、本画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されていない場合(ステップS18002で(False)の場合)で、且つ、本画像処理装置100にてカレントステータスとしてエラーが発生していない場合(ステップ(1806)で(False)と判断された場合)に、本画像処理装置100の制御部110は、上記効果に貢献すべく、自身の操作部150の表示部における図6に示した操作画面の後に表示させるべき操作画面(デバイス状況画面)として、図17に示すが如く、デバイス状況をユーザにより識別可能にするための情報の表示を行うためのデバイス状況表示部を有する操作画面を自身の操作部150の表示部に表示させるよう制御する。
即ち、この場合、本画像処理装置100の制御装置110は、自身の操作部150の表示部に、デバイス状況の表示の実行は許可するが、上記第1サイズのソフトキー及び第2サイズのソフトキーの両キーの表示の実行を禁止するよう制御し、且つ、上記拡張部電源ONキーの表示の実行を禁止するよう制御する(図17に示した操作画面参照)。
なお、この処理は、上記のように図17のデバイス状況を表示させる直前に(この例では、図6のデバイス状況キー541がユーザにより押下された場合に)実行する以外にも、定期的に実行したり、或いは、デバイスにて何らかのイベントが発生した時点で実行するような構成でも良い。
少なくとも、画像処理装置100の電源を立ち上げた(起動処理を実行した)タイミング以降で、且つ、ユーザによりデバイス状況キー541が押下されたことに応答して図17のようなデバイス状況画面を操作部150の表示部に表示させるタイミングよりも前の段階で、この処理を実行可能にしておき、デバイス状況画面にて、誤報を提示することなく、適正な情報をユーザに報知できる構成であればよい。
図19は、図17のデバイス状況画面の「復帰手順の表示」ペイン17001に表示されるデバイス状況の一例を示す図であり、図2に示した画像処理装置100の制御装置110により表示制御される、画像処理装置のデバイス状況表示ダイアログ内の「復帰手順の表示」ペイン(図17のデバイス状況画面の「復帰手順の表示」ペイン17001)の表示の一例に対応する。
なお、表示例における「復帰手順の表示」ペイン17001は、エラーからの復帰手順へユーザを誘導するための小さいサイズ(第1サイズ)の復帰手順ボタンと「拡張部電源ON」ボタンとを含んでいる。
図19において、復帰手順ボタン19001は(第2のサイズのボタンよりも)小さいサイズの復帰手順ボタンであり、ユーザがこのボタンを押すと、本画像処理装置100の制御装置110は、自身の操作部150の表示部の表示内容を、図17のようなデバイス状況画面から、その時点で生じている紙づまりを取り除くエラー解除手順を説明(ガイド)するためのユーザインタフェース(ガイダンス画面)に遷移するよう該表示部を制御する。
拡張部電源ONボタン(タッチパネルキー等のソフトキー)19002は、例えば、画像処理装置100の電源キー301のユーザによる押下により画像処理装置100を起動させたうえで、図6の操作画面上のシステム状況キー541がユーザにより押下されたことに応答して操作部150の表示部にデバイス状況画面を表示させるにあたり、本画像処理装置100の制御装置110が、本画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている事を確認済みの場合(図18のステップS1802で(True)の場合)に、上記効果に貢献すべく、デバイス状況をユーザにより識別可能にするためのデバイス状況情報(図17参照)と共に、自身の操作部150の表示部に表示させるキーである。
該ボタン19002は、本画像処理装置100に接続されている拡張コントローラ103を本画像処理装置100から起動させる指示をユーザにより入力可能にするための操作画面(後述する図21の「拡張部電源ON」ダイアログ画面)を、本画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させるための指示をユーザにより入力可能にするための表示ソフトキーである。
図19に示す表示例では拡張部電源ONボタン19002は、活性化状態(イネーブル状態)にあり、ユーザにより押下可能である。しかし、拡張部電源ONダイアログに遷移することが不適切なタイミング(少なくとも、本画像処理装置100から拡張コントローラ103を起動させる処理を禁止する場合)においてはこのボタンは不活性化状態(ディゼーブル状態)となる。不活性化されたボタンは表示を網掛けしたり(網掛け表示処理)薄く表示(グレーアウト表示処理)したりすることによって、ユーザはボタンの活性化状態と不活性化状態の区別を認識できる。活性化状態(有効状態とも呼ぶ)には、該キーをユーザにより押下可能とし、該キーを介してのユーザからの指示を受付けを許可する。不活性化状態(無効状態とも呼ぶ)には、該キーを押下不可能な状態にする、或いは、押下しても、何も反応しないようにして、該キーを介してのユーザからの指示を受付けを禁止する。
図20は、本発明に係る画像処理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、本画像処理装置100の制御装置110が、画像処理装置のデバイス状況表示ダイアログ内の「復帰手順の表示」ペイン内に表示対象の「拡張部電源ON」ボタンの状態を制御する(換言すると、操作部150の表示部に、拡張部電源ONキー19002を表示させることを許可するか、禁止するかを決定する)アルゴリズム例に対応する。なお、(2001)〜(2006)は各ステップを示す。
先ず、ステップ(2001)では、初期状態の設定として拡張部電源ONボタン19002を不活性化する。この結果として、GUI上のボタンの表現には網掛けが施される(網掛け表示制御)。これにより、該制御部は、拡張部電源ONボタン19002を介してのユーザからの所定の指示(例えば図21に示す操作画面を操作部150の表示部に表示させるための指示)を受付けない(禁止する)よう制御する。
次に、ステップ(2002)では、画像処理装置100のリアルタイムOSに組み込まれたネットワークインタフェースデバイスドライバのAPIの呼び出しなどによって、画像処理装置100のネットワークインタフェース機能が稼動を開始しているか否かを判定する。ネットワークインタフェースのセットアップ処理の中にはDHCPなどによる動的なアドレスの解決などいくつかの時間を要する処理が含まれるため、画像処理装置100の電源投入後しばらくの間はネットワークインタフェース機能が利用できない期間がある。
ネットワークインタフェース機能の準備が整っている場合(ステップS20002にてNOの場合)はステップ(2003)に進み、まだ準備中である場合は(ステップ(2002)にてYESと判断された場合)、ステップ(2005)に進む。
そして、ステップ(2003)では、画像処理装置100のリアルタイムOSに組み込まれたネットワークインタフェースデバイスドライバのAPIの呼び出しなどによって、画像処理装置100のネットワークインタフェース機能が正常にLANに接続されているか否かを判定する。ネットワークのコネクタ抜けやネットワークハブの不調などの原因によって、ネットワークインタフェース機能がLANと正常に接続されていない場合には(ステップ(2003)で(True)と判断された場合)、ステップ(2005)に進み、ネットワークインタフェース機能とLANの正常な接続が確認された場合(ステップ(2003)にて(False)と判断された場合)には、ステップ(2004)に進む。
そして、ステップ(2004)では、「拡張部電源ON」ボタン19002を活性化する。この結果として、GUI上のボタンの表現は網掛けが外れる(網掛け表示処理解除)。
これにより、該ボタンを無効状態から有効表示状態にし、該制御部は、拡張電源ONボタン19002を介してのユーザからの所定の指示(図21に示す操作画面を操作部150の表示部に表示させるための指示)を受付可能にする(許可する)よう制御する。そして、次にステップ(2006)に進む。
一方、ステップ(2005)では、「拡張部電源ON」ボタン19002を不活性化する。この結果として、GUI上のボタンの表現には網掛けが施される。次にステップ(2006)に進み、ステップ(2006)では、画像処理装置100の状況変化を表す状態遷移イベントの生起を待つ。
そして、イベントが生起すると、次にステップ(2002)に戻り、上述した一連の処理を繰り返す。
こうしてイベント駆動型のループによって、「拡張部電源ON」ボタン19002の状態を最新の状態に更新することができる。
また、ステップ(2006)では、所定時間の経過を契機として生起するタイマイベントの生起を待つことで、ポーリング動作を行うこともできる。
これにより、図17に示した操作画面を操作部150の表示部に表示している状態においても、図17に示した画面上の「復帰手順の表示」ペイン17001に、拡張部電源キー19002の表示を有効状態(ユーザにより選択押下できる状態)にしたり、無効状態(ユーザにより選択押下できない状態)にしたりする処理を、本システムのカレントステータスによって、動的に切り替えている。
図21は、図2に示した操作部150に表示される「拡張部電源ON」ダイアログ画面の一例を示す図であり、本画像処理装置100の制御装置110が、画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる「拡張部電源ON」ダイアログ画面例に対応する。
なお、「拡張部電源ON」ダイアログは、本画像処理装置100の制御装置110が、図17のデバイス状況画面上の表示領域「復帰手順の表示」ペイン17001に「拡張部電源ON」ボタン19002の表示を許可した場合において、該拡張部電源ONボタン19002がユーザにより押下されたことに応答して、操作部150の表示部に表示させる画面である。
図21において、IPアドレス表示21001には、画像処理装置100と組み合わせるべく設定されている(換言すると、画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合の)拡張コントローラ103のインターネットアドレス16003を表示させるよう制御する。
尚、この情報は、上述したように、例えば、サービスマンが、画像処理装置100と共に拡張コントローラ103を設置する際に、操作部150を介して初期設定としてメモリ内に設定登録された図16のIPアドレス情報16003の情報に基づく。
MACアドレス表示21002には、画像処理装置100と組み合わせるべく設定されている(換言すると、画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合の)拡張コントローラ103のメディアアクセスコントロール(MAC)アドレス16004を表示させるよう制御する。MACアドレスは6バイトのデータであり、各バイトがたとえば16進数表記によって11h、22h、33h、44h、55h、66hだった場合、「11:22:33:44:55:66」などのように表示させる。
図21に示すが如く、上記各表示を実行させると共に、本画像処理装置100の制御部110は、図21の操作画面上に「実行」ボタン21003の表示を実行可能に制御する。当該実行ボタン21003は、拡張コントローラ103のステータス状況が電源オフの状態(第1のステータス状態とも呼ぶ)である場合、及び/又は、スリープ状態(第2のステータス状態とも呼ぶ)である場合に、該画像処理装置100の制御部が、該拡張コントローラ103を起こす(起動)させるよう制御する動作の実行可否(許可/禁止)を、ユーザにより選択指示可能にするためのボタン(タッチパネルキー等のソフトキーで構成される)である。
更に、本画像処理装置100の制御部は、上述した各種の効果を奏すがための仕組みとして、このキー(実行ボタン21003)を、常に、該画面上に有効表示(ユーザがこのキーを選択できる状態に)させるように制御しておらず、例えば、本システムのカレントステータス情報等に基づいて、該キーの表示の実行を許可したり、禁止したりするよう操作部150を表示制御している。
例えば、少なくとも、拡張コントローラ103を起こす操作を行うのに適切でないと画像処理装置100の制御部110が判断した場合には、該ボタンを不活性化させ、例えば、該キーに対して網掛け表示や、グレーアウト表示を実行させたり、該ボタン自体を画面上から消去させたりするよう操作部150を表示制御することで、該ボタン21003を介してユーザから画像処理装置100から拡張コントローラ103に対する起動命令を受付けないよう制御する。これにより、画像処理装置100による拡張コントローラ103における起動処理の実行を禁止するよう制御する。
一方、拡張コントローラ103の起動操作を実行しても良いと画像処理装置100の制御部110が判断した場合には、該ボタンを活性化させ、例えば、該ボタンを表示させ、有効状態にするよう操作部150を表示制御することで、該ボタン21003を介してユーザから画像処理装置100から拡張コントローラ103に対する起動命令を受付可能にするよう制御する。そして、該キーがユーザにより押下された場合には、画像処理装置100による拡張コントローラ103における起動処理の実行を許可するよう制御する。
更に、画像処理装置100の制御部は、上記各種の表示制御実行すると共に、表示部の図21の操作画面上の電源状況の表示領域21004に、現在の拡張コントローラ103の電源状況をユーザにより識別可能にする情報(例えば、少なくとも、拡張コントローラ103が、起動中であるか、起動していないかを、識別可能にする情報を含む)を表示させるよう制御する。
尚、画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合において(接続されているか否かは、該画像処理装置100における操作部150を介して予めユーザ(ここでは、サービスマン)により入力された拡張コントローラ103に関する初期設定情報を参照することで、該制御部により確認可能としている)、該拡張コントローラ103が起動中であるか否かの判断方法は、例えば、上記各種のアドレス情報に基づいて、画像処理装置100から拡張コントローラ103に起動状態ステータス確認コマンドをLAN400等の所定の通信媒体を介して送信し、返答結果として、該拡張コントローラ103から起動中である旨を示す返信コマンドを、該画像処理装置100が受信することで、該画像処理装置100の制御部110は、自身に接続されている拡張コントローラ103は、カレントステータスとして、起動中であることを把握する。
一方、上記起動状態ステータス確認コマンドを、所定回数(例えば、3回)、繰り返し、拡張コントローラ103に対しても、何も応答がない場合には、これを判断基準として採用し、該画像処理装置100の制御装置110は、自身に接続されている拡張コントローラ103は、カレントステータスとして、起動していない状態(電源OFF状態)であると判断する。
そして、そのステータス結果情報に対応する情報を、拡張コントローラ103の電源状況情報として、図21の画面上の表示領域21004に、表示させるよう制御する。なお、起動中の定義は、現在、拡張コントローラ103にて起動処理が行われている最中、及び/又は、起動処理自体は実行済みで(アイドル状態)、少なくとも電源が遮断されていない状態等を包含するものとして扱っても良いし、図22で後述するように、5段階(電源ON状態、電源OFF状態、確認中、起動中、エラー中)に区別して取り扱っても良い。
更に、本実施形態では、表示部21004に表示させる内容と、ボタン21003の表示/非表示とが、連動するように制御している。
例えば、画像処理装置100の制御装置110は、上述の、拡張コントローラ103のカレントステータスのチェック処理を経て、現在、拡張コントローラ103のステータス状態が非電源ON状態(電源OFF状態、及び/又は、スリープ状態)であると判断した場合には、その旨を、図21に示す操作画面の上記表示部21004に報知させるよう制御すると共に、上記ボタン21003の表示を有効状態とし(該ボタンの表示の実行を許可する)、ユーザにより該キーの操作を受付け可能に制御する。そして、該ボタン21003が押下されれば、拡張コントローラ103を起動させるよう制御する。
一方、上述の、拡張コントローラ103のカレントステータスのチェック処理を経て、現在、拡張コントローラ103のステータス状態が電源ON状態(起動中、及び/又は、電源ON状態)であると判断した場合には、画像処理装置100の制御装置110は、その旨を、図21に示す操作画面の上記表示領域21004に報知させるよう制御すると共に、上記キー21003の表示を無効状態とし(網掛け表示やグレーアウト表示やキー自体を画面上から消去するなどの、該キーの表示処理の実行を禁止し)、ユーザにより該キーの操作を受付不可能状態に制御する。
これにより、ユーザからの指示により、画像処理装置100から拡張コントローラ103を起動させる動作を禁止するよう制御する。これにより、拡張コントローラ103が起動中であるにも拘らず、画像処理装置100から拡張コントローラ103に起動命令を送信する等の、画像処理装置100と拡張コントローラ103との無駄なやり取りを未然に防止するなどの効果を担っている。
尚、このように、拡張コントローラ103が起動中であるからといって、画像処理装置100から拡張コントローラ103に起動命令を送信しないような構成を採用せずに、拡張コントローラ103が起動中である場合でも、起動していない場合でも、換言すると、拡張コントローラ103が起動中であるか否かに拘らず、拡張コントローラ103の起動命令を送出するような構成でも良い。但し、少なくとも、画像処理装置100に拡張コントローラ103が接続されている場合で、且つ、該拡張コントローラ103が非電源ON状態である場合において、画像処理装置100の操作部150に表示させる上記キー21003を介して入力されたユーザからの起動指示に応答し、画像処理装置100から拡張コントローラ103の起動処理を実行させるよう制御可能な構成であれば、如何なる構成でも良い。
「閉じる」ボタン21005は、該ボタン210005が押下された場合には、当該「拡張部電源ON」ダイアログ画面を閉じて前の画面(例えば、図17のデバイス状況画面)に戻るよう表示制御する。
図22は、図21に示した拡張部電源ON画面で表示する表示内容の一例を示す図であり、画像処理装置100の制御部110が、操作部150の表示部に表示させる、画像処理装置の「拡張部電源ON」ダイアログ画面(図21の操作画面)内の拡張コントローラ電源状況21004の表示内容に対応する。
図22において、電源状況表示21004には、画像処理装置100が認識した拡張コントローラ103の電源状況を表示する。
「ON」表示は、拡張コントローラ103が電力供給を受けソフトウェアが稼動しているオン状態を意味する。「OFF」表示は、拡張コントローラ103が電力をほとんど消費せずソフトウェアが停止しているオフ状態を意味する。実際の拡張コントローラ103は電源オフの状態にあったりスリープ状態にあったりする。「確認中」表示は、画像処理装置100が拡張コントローラ103の電源状況を確認中であることを意味する。
「起動中」表示は、画像処理装置100が拡張コントローラ103をオン状態にしようと試みている最中を意味する。「エラー」表示は、拡張コントローラ103の電源状態表示に必要な処理のいずれかが失敗して適切な表示ができないことを意味する。
本実施形態では、画像処理装置100の制御部110が、拡張コントローラ103に対して、該拡張コントローラ103のステータス状況(電源ON状態、電源OFF状態、確認中、起動中、エラー中)を獲得するためのステータスリクエストコマンドを拡張コントローラ103にLAN104経由で発行し、該拡張コントローラ103からのステータス情報に基づいて、拡張コントローラ103の上記複数種類のステータス状況の何れのステータス状況であるかを特定し、その結果を、ユーザにより識別可能にするための電源状況情報として、上記表示領域21004に、表示させるよう制御する。
図23は、図2に示した画像処理装置100の制御装置110が拡張コントローラ103の動作状態を確認するための通信手順を示すタイムライン例を示す図である。
なお、この処理は、画像処理装置100の制御部110が、図16のメモリに格納された拡張コントローラ103に関する初期情報等に基づいて、図17のデバイス状況画面上の表示領域17001に、拡張部電源ONボタン19002の表示を許可し、該ボタンを有効表示(ユーザにより該ボタンを選択押下できる状態にする)させるよう制御した場合を前提とする。
そして、画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させた図17の操作画面にて表示を許可した該「拡張電源ON」ボタン19002がユーザにより押されたことを受けて、操作部150の表示部に図21の「拡張電源ON」ダイアログ画面を開く(表示する)タイミングで、実行する処理である。画像処理装置100の制御部は、拡張コントローラ103に対してネットワークプロトコルを用いた状況確認(拡張コントローラ103の電源状況確認を含む)を試みる。この手順はインターネットコントロールメッセージプロトコル(ICMP)として規定されたICMP Echoを用いて実装される。ICMPはRFC792などで定義され、インターネットプロトコル群において一般的に利用されているネットワークプロトコルである。一連の手順の挙動は、よく使われているネットワークユティリティプログラムであるpingに類似している。
図23の(a)は、拡張コントローラ103がオン状態にあった場合における、ネットワークプロトコルを用いた状況確認のやり取りの一例を時間軸に沿って表現している。
画像処理装置100の操作部150における「拡張電源ON」ボタン19002のユーザ押下に応答し、操作部150に「拡張電源ON」ダイアログ画面を表示させるとき、画像処理装置100は拡張コントローラ103に対してICMP Echoメッセージ2301を送信する。Echoは送信側からの要求メッセージに呼応して、受信側が同じ内容を含む応答メッセージをオウム返しするオペレーションである。ここで、Echo要求は拡張コントローラ103の状態を確認する目的でのみ用いるため、Echoメッセージ2301の内容は何でもかまわない。画像処理装置100はEcho要求2301の送信時に、拡張コントローラ状態16002と拡張コントローラ電源状況21004を「確認中」とする(即ち、画像処理装置100の制御装置110は、図16のメモリ内の拡張コントローラ状態16002の情報を「確認中」を示す情報にデータ更新し、且つ、図21の操作画面上の拡張コントローラ103の電源状況をユーザに識別可能にするための表示領域21004に「確認中」を示す情報を表示させるよう制御する)。
拡張コントローラ103がオン状態にあり拡張コントローラ103のネットワークインタフェースが有効に機能している場合、拡張コントローラ103のネットワークインタフェースはICMP Echo要求に応えてEcho応答2302を返信する。
画像処理装置100はEcho応答2302を受信すると、拡張コントローラ103がオン状態にあることを認識し、拡張コントローラ状態16002と拡張コントローラ電源状況21004を「ON」とする(即ち、画像処理装置100の制御部は、図16のメモリ内の拡張コントローラ状態16002の情報を「電源ON」を示す情報にデータ更新し、且つ、図21の操作画面上の拡張コントローラ103の電源状況をユーザに識別可能にするための表示領域21004に「電源ON」を示す情報を表示させるよう制御する)。
一方、図23の(b)は、拡張コントローラ103がオフ状態にあった場合における、ネットワークプロトコルを用いた状況確認のやり取りの一例を時間軸に沿って表現している。
画像処理装置100の操作部において、「拡張電源ON」ボタン19002が押され「拡張電源ON」ダイアログが開かれるとき、画像処理装置100は拡張コントローラ103に対してICMP Echoメッセージ2303を送信する。画像処理装置100はEcho要求2303の送信時に、拡張コントローラ状態16002と拡張コントローラ電源状況21004を「確認中」とする。
拡張コントローラ103がオフ状態にあり拡張コントローラ103のネットワークインタフェースが有効に機能していない場合、拡張コントローラ103のネットワークインタフェースはICMP Echo要求に応えてEcho応答を返信しない。
画像処理装置100はEcho応答を受信しないまま所定時間が経過すると、ふたたび拡張コントローラ103に対してICMP Echoメッセージ2304を送信するリトライを行う。
このリトライ処理は、Echo応答を受信するか、または、所定のリトライ処理続行時間がタイムアウトするまで繰り返し続けられる(タイムラインの折れ線はある程度の時間の経過の省略を示している)。
リトライ処理としてEchoメッセージ2305が送信された後で、所定のリトライ処理続行時間がタイムアウトすると画像処理装置100は拡張コントローラ103がオフ状態にあるものと認識し、拡張コントローラ状態16002と拡張コントローラ電源状況21004を「OFF」とする(即ち、画像処理装置100の制御部110は、図16のメモリ内の拡張コントローラ状態16002の情報を「電源OFF」を示す情報に書き換えて、且つ、図21に示した操作画面上の拡張コントローラ103の電源状況をユーザに識別可能にするための表示領域21004に「電源OFF」を示す情報を表示させるよう制御する)。
図24は、本発明に係る画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、画像処理装置100の制御装置110が実行する、画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる「拡張部電源ON」ダイアログ内の、拡張コントローラ103に対する起動処理の実行指示をユーザにより入力可能にするための実行ボタン21003の状態を制御するアルゴリズム例に対応する。なお、(2401)〜(2406)は各ステップを示す。
また、本処理は、画面上に実行ボタン21003の表示を許可するか(該ボタン21003を介してユーザからの指示に応答する、有効状態にするか)、禁止するか(該ボタン21003を介してユーザからの指示に応答しない、無効状態にするか)を制御するものである。
このアルゴリズムは画像処理装置100のCPU112によって、画像処理装置100の操作部150(図3の操作部150に相当)に適切なユーザインタフェースを提供するために実行される。
実行ボタン21003は、拡張コントローラ103が電源オフの状態にあったりスリープ状態にあったりする場合に拡張コントローラ103を画像処理装置100側から起こす(起動させる)ための操作を画像処理装置100を操作するユーザが指示するための表示制御対象となるソフトキーであるが、操作を開始することが適切なタイミングでは、このキーの状態を活性化し(ユーザが該キーを選択押下できる状態にし)、不適切なタイミングでは、このキーを不活性化するよう制御する(該キーを網掛表示にしたり、グレーアウト表示したりすることで、ユーザが該キーを選択押下できないようにする)。
先ず、画像処理装置100の制御は、ステップ(2401)では、初期状態の設定としてボタンを活性化する。そして、ステップ(2402)では、画像処理装置100の制御装置110の表示制御による、操作部150の表示部における、拡張コントローラ103の電源状態表示(図21に示した表示領域21004における、拡張コントローラ103の電源状況をユーザに報知するための表示処理)に必要な処理のいずれかが失敗して適切な表示ができないことを意味するエラー状態にあるか否かを判定し、エラーが生じていないと判断した場合には、ステップ(2403)に進み、前回の試行においてエラーによって電源状態が不明である場合にはステップ(2405)に進む。
そして、ステップ(2403)では、拡張コントローラ103が電力をほとんど消費せずソフトウェアが停止しているオフ状態にあると認識しているか否かを判定し、オフ状態にないと認識していると判定した場合は、ステップ(2404)に進み、オフ状態にあると認識していると判定した場合には、ステップ(2405)に進む。
そして、ステップ(2404)では、ボタンを活性化する(画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる、図21に示した操作画面上で該電源ボタン21003を有効表示状態にするよう制御する)。
これにより、ユーザは、該操作画面上の電源ボタン21003を介して、画像処理装置100の操作部から拡張コントローラ103をオンにする操作が可能となる(画像処理装置100から拡張コントローラ103を起動させる処理の実行を許可する)。そして、ステップ(2406)に進む。
一方、ステップ(2405)では、ボタンを不活性化する(画像処理装置100の操作部150の表示部に表示させる、図21に示した操作画面上で該電源ボタン21003を無効表示状態にするよう制御する。
なお、無効表示状態にする処理として、例えば、該キーの網掛表示や、グレーアウト表示等を含むが、これらの方法以外にも、該キーの表示自体を禁止して、画面上から該キーを消去する処理も含む。どのような方法を採用しても良いが、該ボタン21003を介してのユーザからの指示を無効にできる構成ならば、何れの表示制御でも良い)。
これにより、ユーザが、該操作画面上の電源ボタン21003を介して、画像処理装置100の操作部から拡張コントローラ103をオンにする操作を禁止し、画像処理装置100から拡張コントローラ103を起動させる処理の実行を禁止するよう制御する。次に、ステップ(2406)に進む。
そして、ステップ(2406)では、画像処理装置100の状況変化を表す状態遷移イベントの生起を待ち、イベントが生起すると、次にステップ(2402)に戻り一連の処理を繰り返す。
こうしてイベント駆動型のループによって、実行ボタン21003の状態を適切な状態に維持することができる。
即ち、画像処理装置100の制御装置110は、拡張コントローラ103の現在の電源状態が識別不可能であると判断した場合、及び、拡張コントローラ103の現在の電源状態が電源OFF状態であると判断した場合の、少なくとも何れかの場合には、画像処理装置100の操作部150の表示部における、拡張コントローラ103の起動処理実行させる指示をユーザにより入力可能にする、上記実行ボタン21003の表示を、許可する(有効表示にする)よう制御し、一方、拡張コントローラ103の現在の電源状態が電源ON状態であると判断した場合に、画像処理装置100の操作部150の表示部における、拡張コントローラ103の起動処理実行させる指示をユーザにより入力可能にする、上記実行ボタン21003の表示を、禁止するする(無効表示にする)よう制御する。
これにより、上述の各効果を達成する。尚、この図23や図24の一連の表示制御は、先の図18や図20で述べた一連の表示制御を前提として実行することで、上記効果(特に、ユーザの誤操作防止や操作性向上等)の更なる効果を奏す。
また、ステップ24006では、所定時間の経過を契機として生起するタイマイベントの生起を待つことで、ポーリング動作を行うこともできる。
図25は、図2に示した画像処理装置100が拡張コントローラ103を起動するための通信手順を示すタイムライン例を示す図である。例えば画像処理装置100の拡張コントローラ103に対してネットワークプロトコルを用いた起動指示要求を送信する一連のやり取りの一例を時間軸に沿って表現している。
なお、起動指示要求の送信は、一例として、Advanced Micro Devices社のMagic Packet(登録商標)技術を用いて実装できる。Magic Packet(登録商標)技術は電源が入っていなかったり省電力モードにあったりするPCをネットワーク経由で起動するために用いられる技術であり、多くのPC用ネットワークインタフェースのLANコントローラに実装されている。Magic Packet(登録商標)技術では、あるコンピュータを構成しているLANコントローラが特定のデータシーケンスを含むEthernet(登録商標)フレーム(Magic Packet(登録商標)フレーム)を走査しつづけ、Magic Packet(登録商標)フレームを受信したときにそのコンピュータを起動する。
特定のデータシーケンスとは、同期ストリームとしての6バイトのFFhと、それに続けてそのLANコントローラにつけられたMACアドレスを16回繰り返したデータである。このデータシーケンスを含むEthernet(登録商標)フレームでさえあれば、どのような上位プロトコルのメッセージであってもMagic Packet(登録商標)として認識される。したがって、ここではICMP Echo要求メッセージの内容部にこのデータシーケンスを含めたパケットを起動指示要求として用いている。
画像処理装置100の制御装置110は、画像処理装置100の操作部150に、上記図23や図24の一連の表示制御を経て、実行ボタン21003の表示を許可した場合において、該実行ボタン21003がユーザにより押下された場合に、これを受け、画像処理装置100から拡張コントローラ103に対して、ICMP Echo要求メッセージにMagic Packet(登録商標)の特定データシーケンスを含めた起動指示要求コマンド2501を送信するよう制御する。更に、画像処理装置100の制御は、起動指示要求コマンド2501の送信時に、図16に示すメモリ内の拡張コントローラ状態16002に、拡張コントローラ103の電源状態として「起動中」を示すデータを書込み、操作部150の図21の操作画面の拡張コントローラ103の電源状態をユーザに識別可能にする情報を表示させる表示領域21004に「起動中」を示す情報を、拡張コントローラ103のカレントステータス情報として、表示させるよう制御する。
拡張コントローラ103のネットワークインタフェースのLANコントローラが起動指示要求コマンド2501を受信すると、そのフレームが特定データシーケンスを含むことを認識して拡張コントローラ103を起動させる。
拡張コントローラ103の起動を開始してから拡張コントローラ103の機能が利用可能となるまでの間に実行されるシステムブート処理にはある程度の時間を要する。この間、画像処理装置100は起動指示要求に対応する応答を待っており、応答がないまま所定のリトライ時間が経由した場合には、再度起動指示要求コマンド2502を拡張コントローラ103に送信する。
同様に再送された起動指示要求コマンド2503が拡張コントローラ103に到達してから、拡張コントローラ103のシステムブートが完了し、したがってICMP Echoに対する応答が可能となったとする。拡張コントローラ103の起動が完了すると、拡張コントローラ103の操作部150に図12に示した画面などが表示され、および/または、画像処理装置100やクライアントPC11などを含む他のネットワークノードからのネットワーク経由の要求に応え所定のサービスを提供できる状態となる。
次に画像処理装置100が再送した起動指示要求コマンド2504を拡張コントローラ103が受信すると、これに呼応してICMP Echoの仕様にしたがってEcho応答2505を返送する。
画像処理装置100がEcho応答2505を受信すると、拡張コントローラ103の起動処理が完了し拡張コントローラ103がオン状態にあることを認識し、図16に示すメモリ内の拡張コントローラ状態16002の情報を、拡張コントローラ103の電源状態として「電源ON」を示すデータに更新し、操作部150の図21の操作画面の拡張コントローラ103の電源状態をユーザに識別可能にする情報を表示させる表示領域21004に「電源ON」を示す情報を、拡張コントローラ103のカレントステータス情報として、表示させるよう制御する。
以上のように、各種のフローチャートで説明した、画像処理装置100の制御装置110による、画像処理装置100の表示部に対する表示制御に連動して、画像処理装置100とデータ通信可能な、画像処理装置100に接続されている、拡張コントローラ103に対する起動処理を画像処理装置100から実行させるよう制御可能に構成している。
そして、この、拡張コントローラ103に対する起動処理を画像処理装置100から実行させる処理の実行可否を、画像処理装置100の操作部に表示させる電源ONボタン21003を介して、画像処理装置の操作部150を操作するユーザにより選択可能に構成している。尚且つ、拡張コントローラ103に対する起動命令を、不適正なタイミング(拡張コントローラ103が接続されていない。拡張コントローラ103が既に電源ON状態等の、起動処理を要求する意味をなさない、或いは、無駄なデータのやり取りや、エラーが発生し得る、タイミング)で送出しないよう制御する仕組みとして、この電源ONボタン21003を操作画面上で有効表示状態にしたり、無効表示状態にしたり表示制御することで、ユーザにより不用意に該キーを押下できないよう制御し、適正なタイミング(拡張コントローラ103が接続されており、かつ、拡張コントローラ103のカレントステータスが、電源OFF状態の場合)で、拡張コントローラ103に対する起動命令を受付け可能に制御する。これにより、上記効果を更に向上可能にする。
尚、本実施形態は、拡張コントローラ103に対する起動処理命令コマンドを画像処理装置100から拡張コントローラ103に対して送出するトリガとなる、ユーザにより操作可能な、実行ボタン21003を無効表示状態に表示制御する事で、及び/又は、拡張コントローラ103に対する起動処理命令コマンドを、画像処理装置100から送信することを禁止する事で、拡張コントローラ103に対する起動処理を画像処理装置100から実行させる処理を禁止しているが、この方法以外にも、例えば、仮に、上記起動処理命令コマンドを拡張コントローラ103に送出してしまっても、拡張コントローラ103側で、この命令を無視するよう、拡張コントローラ103側で制御することで、拡張コントローラ103に対する起動処理を画像処理装置100から実行させる処理を禁止するようにシステム構成しても良い。いずれにしても、拡張コントローラ103に対する起動処理の実行を禁止すべき状況の場合に、これを実現できる構成であれば、如何なる構成でも良い。
一方、本実施形態は、拡張コントローラ103に対する起動処理命令コマンドを画像処理装置100から拡張コントローラ103に対して送信して、拡張コントローラ103が該コマンドに従って自身の起動処理を実行することで、拡張コントローラ103に対する起動処理を画像処理装置100から実行させる(許可する)構成を確立しているが、このような方法を採用せずとも、拡張コントローラ103に対する起動処理の実行すべき状況の場合に、これを実現できる構成であれば、如何なる構成でも良い。
〔第2実施形態〕
画像処理装置100の起動時に前記拡張コントローラ103の起動処理を開始するように構成してもよい。例えば、画像処理装置100の電源スイッチ301がユーザにより押下されたことに応答し、画像処理装置100の制御装置110が画像処理装置100を起動させた場合に、画像処理装置100の制御装置110が、画像処理装置100に接続されている拡張コントローラ103を、拡張コントローラ103の電源スイッチ302をユーザが操作することなく、自動的に、起動させるよう、制御しても良い。
又、更に、画像処理装置100が電源ON状態において、画像処理装置100の電源スイッチ301がユーザにより再度押下されたことに応答して、画像処理装置100の制御装置110が画像処理装置100を電源ON状態から電源OFF状態にする場合に、拡張コントローラ103の方も電源ON状態であることを、図16の拡張コントローラ103のカレントステータス情報に基づいて判断した場合に、画像処理装置100の制御装置110が、画像処理装置100に接続されている拡張コントローラ103を、拡張コントローラ103の電源スイッチ302をユーザが操作することなく、自動的に、電源ON状態から電源OFF状態にするよう、制御しても良い。
尚、上記拡張コントローラ103の一例として、パーソナルコンピュータやサーバコンピュータ等の情報処理装置が、拡張コントローラ103に包含される。当該情報処理装置は、自装置が具備するユニットとして、制御部、複数のデータを格納可能なハードディスク等のメモリ、各種の情報を表示するための表示機能、及び、各種のユーザからの指示を入力するための指示機能の、両機能を兼用する、ディスプレイ等の表示ユニットのうちのいくつかを具備する。又、当該情報処理装置は、自身が具備する複数種類の機能として、該ディスプレイへの表示機能(少なくとも、上述のような、本画像処理装置100を操作するための本画像処理装置100用の専用画面を表示させる機能を含む)や、該メモリへのデータ格納機能(他の情報処理装置からの文書データ等の各種のデータを保管するサーバ機能を含む)、及び、他の情報処理装置とのデータ送受信機能(例えば、電子メール機能を含む)、画像データの編集処理機能、PDLを他のPDLやレンダリング処理向け中間形式に変換する等のデータ変換機能、各種の入出力機能(コンパクトフラッシュ(登録商標)等の各種リムーバブル記憶媒体の読み書き、ICカードや生体認証等のユーザ認証、電話回線などを経由した音声によるアクセスを提供するテレフォニーなどを含む)、各種の計算機能、画像処理装置100の各種の動作を制御(各種の動作の実行可否を制御する処理を含む)するための画像処理装置制御機能等を具備する。
一方、画像処理装置100(画像形成装置とも呼ぶ)は、原稿画像を原稿読取ユニット(スキャナ)、及び、該スキャナから出力される画像データ及び上記情報処理装置から出力される画像データ及び該情報処理装置以外の他の情報処理装置から出力される複数種類の画像データを複数ページ分格納可能なハードディスク等のメモリユニット、及び、該メモリユニットに格納された画像データのプリント処理を行うプリンタユニット等の、各種の複数ユニットを具備し、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、ボックス機能、及び、セキュアプリント機能等の複数種類の機能を具備する複合機能型の装置である。尚、上記複数ユニットは夫々同一筐体内に具備する構成でも、別筐体に夫々具備する構成でも良い。又、上記複数の機能の1つの機能のみを具備する単一機能型の装置であっても良い。このように、本実施形態は、如何なるシステム構成、装置構成であっても良い。
上述の各実施形態では、上記画像処理装置100における主体制御により、画像処理装置100が上記情報処理装置に対して上記起動処理を実行させるよう制御する一例として、情報処理装置のディスプレイに本画像処理装置100のための操作画面を表示させる処理を起動処理として説明したが、本実施形態の起動処理は、これに限らず、例えば、上記情報処理装置の状態を上記表示機能を実行可能な状態にさせるための表示機能起動制御処理、上記情報処理装置の状態を上記データ格納機能を実行可能な状態にさせるためのデータ格納機能起動制御処理、上記情報処理装置の状態を上記データ送受信機能を実行可能な状態にさせるためのデータ送受信機能起動制御処理、上記情報処理装置の状態を上記編集機能を実行可能な状態にさせるための編集機能起動制御処理、上記情報処理装置の状態を上記計算機能を実行可能な状態にさせるための計算機能起動制御処理、上記情報処理装置の状態を画像処理装置制御機能を実行可能な状態にさせるための画像処理装置制御機能起動制御処理、等、複数種類の起動処理を含む。
尚、これら複数の機能の全てを含まなくても、一種類の起動処理のみを含む形態でも良い。又、少なくとも2つ以上の起動処理を含む形態でも、本実施形態は適用可能である。そして、本実施形態は、画像処理装置100が上述の各種の判断条件に基づいた上記制御により、上記複数種類の起動処理のうちの少なくとも何れかの起動処理(1つでも良いし、複数種類の起動処理でも良いし、全ての起動処理でも良い。更に、どの起動処理を実行させるかを、複数種類の起動処理の中から、ユーザが、画像処理装置100の操作部150を介して、選択可能にする構成でも良い)を上記情報処理装置に実行可能に制御する構成でも良い。尚且つ、上記のように、複数種類の起動処理のうちの表示機能の起動処理以外に関する起動処理を情報処理装置に実行させる場合は、例えば、情報処理装置のディスプレイに対する表示処理を実行しないままで(即ち、情報処理装置100のディスプレイは消灯したままの状態で)、バックグランド処理として、上記表示機能の起動処理以外の種類の起動処理(例えば、データ格納機能や、データ送受信機能など)を実行させるよう画像処理装置100から制御可能にする構成でも良い。このように各種の応用制御を可能とする。これにより、上記各種の効果を得られると共に、ユーザの操作性を更に向上させることが出来る。
以上、様々な実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。たとえば、スキャナ、プリンタ、スキャナ、PC、複写機、複合機およびファクシミリ装置の如くである。
なお、本発明は、前述した実施形態の各機能を実現するソフトウェアプログラム(本実施形態で説明した各種のフローチャートに対応したプログラム等)を、図24に示すようにシステム若しくは装置に対して直接または遠隔から供給し、そのシステム若しくは装置に含まれるコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
以下、図26に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
図26は、本発明に係る画像処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
したがって、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、上記機能・処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つであり、本実施形態における図18、図20、図24に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
本発明の第1実施形態を示す拡張画像処理システムを適用可能な画像処理システム構成を説明する図である。 図1に示した拡張画像処理システムの構成を説明するブロック図である。 図1に示した拡張画像処理システムの外観を示す斜視図である。 図2に示した画像処理装置の制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図2に示した画像処理装置のコントローラ部のソフトウェアのモジュール構造を示すブロック図である。 図2に示した画像処理装置の操作部の表示部に表示させる基本画面を説明する図である。 図2に示した拡張コントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。 図2に示した拡張コントローラ内のアプリケーションが画像処理装置とインタフェースするためのAPIを示す図である。 図2に示した拡張コントローラのソフトウェアのモジュール群の階層構造を示すブロック図である。 図2に示した拡張コントローラのシステムアプリケーション群を説明するブロック図である。 図2に示した拡張コントローラのソフトウェアプラットフォームを構成するソフトウェアパッケージ群を説明するブロック図である。 図2に示した拡張コントローラが具備する操作部の表示部に表示させる表示画面の一例を示す図である。 図12に示したファンクションキーパネルから起動されるスクリーンキーボードの構成を説明する図である。 図12に示したファンクションキーパネルから起動される画像処理装置の操作部パネルエミュレータの構成を説明する図である。 図2に示した拡張コントローラに搭載されるユーザランドアプリケーションの一つである暗号化セキュアプリントの画面を示す図である。 図4に示したハードディスクに記憶されるデータの構造を説明する図である。 図2に示した画像処理装置の操作部に表示されるデバイス状況表示ダイアログ画面の一例を示す図である。 本発明に係る画像処理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。 図17のデバイス状況画面の表示領域に表示されるデバイス状況の一例を示す図である。 本発明に係る画像処理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。 図2に示した操作部に表示される「拡張部電源ON」ダイアログ画面の一例を示す図である。 図21に示した拡張部電源ON画面で表示する表示内容の一例を示す図である。 図2に示した画像処理装置の制御装置が拡張コントローラの動作状態を確認するための通信手順を示すタイムライン例を示す図である。
である。
本発明に係る画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。 図2に示した画像処理装置が拡張コントローラを起動するための通信手順を示すタイムライン例を示す図である。 本発明に係る画像処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
符号の説明
10 拡張画像処理システム
100 画像処理装置
103 拡張コントローラ

Claims (26)

  1. 画像処理装置の機能を拡張するために情報処理装置が接続可能な画像処理装置を含む画像処理システムであって、
    前記画像処理装置において、前記情報処理装置が接続されている場合で、かつ前記情報処理装置が起動されていないときに前記画像処理装置が情報処理装置を起動させる起動手段を備えることを特徴とする画像処理システム。
  2. 前記情報処理装置は、前記画像処理システムの機能をユーザが利用するための第1の表示手段または第1の操作入力手段の少なくともいずれかから構成される第1のユーザインタフェース手段を備え、
    前記情報処理装置は、前記起動手段による起動に呼応して前記第1のユーザインタフェース手段が利用可能となることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  3. 前記情報処理装置は、前記画像処理システムのサービスを遠隔の外部装置から利用するためのネットワークインタフェース手段を備え、
    前記情報処理装置は、前記起動手段による起動に呼応して前記ネットワークインタフェース手段が利用可能となることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  4. 前記画像処理装置は、前記画像処理システムの機能をユーザが利用するための第2の表示手段および第2の操作入力手段から構成される第2のユーザインタフェース手段を備え、
    前記画像処理装置において、前記画像処理装置が利用可能な状態であるときに、前記第2のユーザインタフェース手段は、前記情報処理装置を起動する操作の表象を含む画面を前記第2の表示手段に表示させ、ユーザの前記第2の操作入力手段による前記表象の操作に呼応して、前記起動手段による起動を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  5. 前記画像処理装置において、前記第2の表示手段に表示される前記表象は、操作が可能な活性化状態と不可能な不活性化状態の少なくとも2つの状態を表現するための異なる表示を持つことを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
  6. 前記第2の表示手段に表示される前記表象は、前記情報処理装置が接続されていない場合かまたは前記情報処理装置が起動済みである場合の少なくともいずれかの場合に不活性化されることを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
  7. 前記画像処理装置において、前記第2の表示手段に表示される前記表象は、前記情報処理装置が接続されている場合かまたは前記情報処理装置が起動されていない場合の少なくともいずれかの場合に活性化されることを特徴とする請求項5に記載の画像処理システム。
  8. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記表象の操作が可能な入力許可状態と不可能な入力禁止状態の少なくとも2つの状態を持つことを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
  9. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記情報処理装置が接続されていない場合かまたは前記情報処理装置が起動済みである場合の少なくともいずれかの場合に入力禁止状態とされることを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。
  10. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記情報処理装置が接続されている場合かまたは前記情報処理装置が起動されていない場合の少なくともいずれかの場合に入力許可状態とされることを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。
  11. 前記画像処理装置において、前記第2のユーザインタフェース手段は、前記画像処理装置が処理するジョブの状況、前記画像処理装置が備えるハードウェアモジュールの状況、前記画像処理装置に接続されたアクセサリの状況、画像処理システムに発生したエラーの状況、あるいは、前記エラーからの復帰手段の少なくともいずれかをユーザに伝えるための状況画面を表示し、
    前記表象は、前記状況画面内に表示されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
  12. 前記画像処理装置は、起動によって前記画像処理装置が利用可能となったときに、前記起動手段による情報処理装置の起動を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  13. 画像処理装置の機能を拡張するために情報処理装置が接続可能な画像処理装置を含む画像処理システムにおけるシステム起動制御方法であって、
    前記画像処理装置において、前記情報処理装置が接続されている場合でかつ前記情報処理装置が起動されていないときに画像処理装置が情報処理装置を起動させる起動ステップを備えることを特徴とするシステム起動制御方法。
  14. 前記情報処理装置は、前記起動ステップによる起動に呼応して前記画像処理システムの機能をユーザが利用するための第1の表示手段または第1の操作入力手段の少なくともいずれかから構成される第1のユーザインタフェース手段が利用可能となることを特徴とする請求項13に記載のシステム起動制御方法。
  15. 前記情報処理装置は、前記起動ステップによる起動に呼応して前記画像処理システムのサービスを遠隔の外部装置から利用するためのネットワークインタフェース手段が利用可能となることを特徴とする請求項13に記載のシステム起動制御方法。
  16. 前記画像処理システムの機能をユーザが利用するための第2の表示手段および第2の操作入力手段から構成される第2のユーザインタフェース手段を備える前記画像処理装置は、
    前記画像処理装置において、前記画像処理装置が利用可能な状態であるときに、前記第2のユーザインタフェース手段は前記情報処理装置を起動する操作の表象を含む画面を前記第2の表示手段に表示させ、ユーザの前記第2の操作入力手段による前記表象の操作に呼応して、前記起動ステップによる起動を開始することを特徴とする請求項13に記載のシステム起動制御方法。
  17. 前記画像処理装置において、前記第2の表示手段に表示される前記表象は、操作が可能な活性化状態と不可能な不活性化状態の少なくとも2つの状態を表現するための異なる表示を持つことを特徴とする請求項16に記載のシステム起動制御方法。
  18. 前記第2の表示手段に表示される前記表象は、前記情報処理装置が接続されていない場合かまたは前記情報処理装置が起動済みである場合の少なくともいずれかの場合に不活性化されることを特徴とする請求項17に記載のシステム起動制御方法。
  19. 前記画像処理装置において、前記第2の表示手段に表示される前記表象は、前記情報処理装置が接続されている場合かまたは前記情報処理装置が起動されていない場合の少なくともいずれかの場合に活性化されることを特徴とする請求項17に記載のシステム起動制御方法。
  20. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記表象の操作が可能な入力許可状態と不可能な入力禁止状態の少なくとも2つの状態を持つことを特徴とする請求項16に記載のシステム起動制御方法。
  21. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記情報処理装置が接続されていない場合かまたは前記情報処理装置が起動済みである場合の少なくともいずれかの場合に入力禁止状態とされることを特徴とする請求項20に記載のシステム起動制御方法。
  22. 前記画像処理装置において、前記第2の操作入力手段による前記表象の操作は、前記情報処理装置が接続されている場合かまたは前記情報処理装置が起動されていない場合の少なくともいずれかの場合に入力許可状態とされることを特徴とする請求項20に記載のシステム起動制御方法。
  23. 前記画像処理装置において、前記第2のユーザインタフェース手段は、前記画像処理装置が処理するジョブの状況、前記画像処理装置が備えるハードウェアモジュールの状況、前記画像処理装置に接続されたアクセサリの状況、画像処理システムに発生したエラーの状況、あるいは、前記エラーからの復帰手段の少なくともいずれかをユーザに伝えるための状況画面を表示し、
    前記表象は、前記状況画面内に表示されることを特徴とする請求項20に記載のシステム起動制御方法。
  24. 前記画像処理装置は、起動によって前記画像処理装置が利用可能となったときに、前記起動ステップによる情報処理装置の起動を行うことを特徴とする請求項13に記載のシステム起動制御方法。
  25. 請求項13〜24のいずれかに記載のシステム起動制御方法を実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
  26. 請求項13〜24のいずれかに記載のシステム起動制御方法を実行させることを特徴とするプログラム。
JP2004120452A 2004-04-15 2004-04-15 画像処理システムおよびシステム起動制御方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム Pending JP2005297487A (ja)

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