JP2005297327A - フィルムインサート加飾成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形と同時に図柄等を製品表面に転写する際に、加飾フィルムに対して効果的な予備成形を行い、深絞りが可能で、転写性及び外観品質に優れる加飾成形方法及び加飾成形型の提供を目的とする。
【解決手段】射出成形型を構成するキャビティ型とコア型との間を通過するように、帯状の加飾フィルムを配置し、射出成形の前工程側に、加飾フィルムの予備絞り型を配設し、加飾フィルムを樹脂成形品の略被転写面形状に予備絞りした後に、連続的に射出成形型内に順送りし、射出成形型に溶融樹脂を注入し、加飾成形することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂製品の射出成形と同時に、加飾フィルムを用いてこの樹脂製品の表面又は裏面を装飾する加飾品の成形方法及びそれに用いる成形型に関する。
加飾フィルムを用いて、樹脂製品の射出成形と同時に樹脂製品の表面又は裏面を装飾する技術として、加飾フィルムを例えば真空成形等にて所望の製品形状に変形させ(予備成形)、次にその変形した加飾フィルムを射出成形機に運び、樹脂を注入して製品化する技術が公知である。
また、特開2002−210815号公報には製品を予め所望の形状に変形させるために予備加熱し、予備加熱した(加飾)フィルムを成形し、必要部分を切り出して主(射出)成形金型に運搬し、主成形と転写を行う技術を開示している。
しかし、従来の真空成形や予備加熱では、フィルムを製品形状に合わせて深絞りすると局部的伸張部分に亀裂が入りやすく、図柄も局部的に伸張して外観不良となりやすいという課題があった。
また、フィルムを予備成形後に切り出してしまうことから転写位置まで移載する特別の設備、装置が必要となるだけでなく、転写位置ズレが発生しやすかった。
さらには、加飾フィルムを柔らかい状態のまま、転写位置に移動するのが困難であり、転写時に加飾フィルムを更に深く絞ることが難しいという問題があった。
また、転写前にフィルムを切り出すことでフィルム上にゴミが発生しやすく、このゴミがキャビティ内に付着すると次の射出成形品の表面に転写され外観不良が多発する恐れがあった。
特開2002−210815号公報
本発明は上記技術的課題に鑑みて、射出成形と同時に図柄等を製品表面に転写する際に、加飾フィルムに対して効果的な予備成形を行い、深絞りが可能で、転写性及び外観品質に優れる加飾成形方法及び加飾成形型の提供を目的とする。
請求項1記載の発明の技術的要旨は、射出成形型を構成するキャビティ型とコア型との間を通過するように、帯状の加飾フィルムを配置し、射出成形の前工程側に、加飾フィルムの予備絞り型を配設し、加飾フィルムを樹脂成形品の略被転写面形状に予備絞りした後に、連続的に射出成形型内に順送りし、射出成形型に溶融樹脂を注入し、加飾成形することを特徴とする。
射出成形型を構成するキャビティ型とコア型との間を通過するように、帯状の加飾フィルムを配置する方法としては、加飾フィルムを例えば巻き戻しリール(供給リール)と巻き取りリールとの間に張設すれば、リールを回転するだけで、予備絞り工程から加飾成形工程へ転写層部分を順送りすることが出来る。
ここで、加飾フィルムを樹脂成形品の略被転写面形状に予備絞りするとは、必ずしも樹脂成形品の被転写面形状に合わせて絞る必要はなく、射出成形にて、深絞りできる程度に予備成形することを言う。
従って、予備絞りには、射出成形時に製品形状に合致するように加飾フィルムが変形するための予備的成形が含まれる。
請求項2記載にかかる発明は、予備絞り型を上型と下型とで構成し、帯状の加飾フィルムを上型と下型との間を通過させて配置し、加飾フィルムを上型と下型とで挟み込んで予備絞りする際に非反応性ガスを予備絞り型内に注入することを特徴とする。
予備絞り型(予備成形型)の閉型状態で予備成形面(予備絞り面)との間に隙間を形成するようにすると、ガス注入空間部を形成できる。
例えば、上型に非反応性ガス注入口を設け、下型に予備成形面を形成した場合に、予備成形型間に加飾フィルムを挟みこんだ閉型状態で、非反応性ガスを、上型ガス注入孔より注入してガス注入空間部に充満すると、加飾フィルムに浸透する。
例えば超臨界状態の二酸化炭素を注入することで加飾フィルムは簡単に軟化する。
非反応性ガスにより軟化した加飾フィルムは、非反応性ガスの圧力または自重で垂れ下がり、もしくは、予備成形凸型の上型により絞り成形されて予備成形面に密着する。
この加飾フィルムの予備成形面への密着により加飾フィルムには絞り成形を施すことが出来る。
この予備成形(予備絞り)工程は加飾成形工程の直前の工程とすることで、加飾フィルムを切り出さず、順送りするだけで転写層部位を移動出来る。
順送り移動により、予備成形の効果が落ちる前の柔らかい状態で転写成形工程に加飾フィルムを持ち込むことが出来る。
加飾フィルムを柔らかい状態で加飾成形工程に持ち込むことで、加飾フィルムに対し更なる深絞り加工が可能となる。
また、転写層の色むらや、転写時に局部的にフィルムが伸張する不具合をおさえることができる。
請求項4記載にかかる発明は、予備絞り型の上型を射出成形型のコア型に連動させ、予備絞り型の下型を射出成形型のキャビティ型に連動させたことを特徴とする。
ここで連動とは、コア型と上型とを、そしてキャビティ型と下型とを連結又は接触させる趣旨である。
予備絞り型は射出成形工程の直前に配置し、加飾フィルムを予備絞りするのが目的であるが予備絞り型を射出成形型に連動させると、予備絞り型用の加熱手段を特に設けなくても、コア型またはキャビティ型の温調熱が予備絞り型に伝導し、予備絞り型も温調することが出来る。
また、上型をコア型、下型をキャビティ型の駆動系で開閉できるため、予備絞り型の為の駆動系を設ける必要がなくなる。
さらには、予備絞り型を構成する上型と下型との、いずれか一方又は両方にガス注入口を備え、少なくともガス注入口を備えた型を多孔質材で製作すると、注入ガスが抜けやすくなる。
なお、多孔質材はガス抜き性に優れ、射出成形型にも採用できる。
その場合、射出成形型を構成するコア型とキャビティ型のいずれか一方又は両方を多孔質材で形成するか、又は、コア型とキャビティ型のいずれか一方又は両方を入れ子構造として入れ子型を多孔質材で形成することができる。
多孔質材として多孔質炭素材を採用すると、等方性で、ガス抜き性に優れることから、射出成形時におけるショートショットの防止に効果的である。
また、多孔質炭素材は熱伝導性に優れていることから、加飾成形に使用するコア型やキャビティ型に使用した場合には、高い冷却性により効率的な加飾成形を行うことができる。
この予備絞り型の加熱は、加飾フィルムを熱で柔らかくすることが目的ではない。
その目的とするところは、非反応性ガスとして例えば超臨界状態の二酸化炭素ガスを使用した場合に、予備絞り型の温度を所定範囲内に保つためである。
従って予備絞り型の温度は例えば加飾フィルムのガラス転移温度より低くてもよい。
本発明に係るフィルムインサート加飾成形方法においては、加飾フィルムに対し非反応性ガスとして例えば超臨界状態の二酸化炭素を用いた予備成形を行うと、精度の良い加飾成形が出来る。
射出成形型を構成するキャビティ型とコア型との間を通過するように、帯状の加飾フィルムを配置し、射出成形の前工程側に、加飾フィルムの予備絞り型を配設し、加飾フィルムを樹脂成形品の略被転写面形状に予備絞りした後に、連続的に射出成形型内に順送りし、予備成形工程と加飾転写成形工程とを連続した工程とすると、予備成形を行った直後で加飾フィルムが柔らかく復元性が良い状態にて加飾成形工程に持ち込むことが出来る。
これにより、加飾成形工程における更なる深絞りが可能となり、色むらや局部的にフィルムが伸張する部位をおさえることができる。
成形型を等方性の多孔質炭素材料よりなる型とした場合には熱伝導性が良く転写性も向上する。
成形型は等方性多孔質炭素材を使用することで、ガス抜け性が向上しショートショットを防止できる。
予備絞り型を構成する上型と下型のいずれか、または両方を別々に、コア型又はキャビティ型に連動させると、加熱機又は駆動系をコア型又キャビティ型のものと共通化出来、コスト低減の効果がある。
図1、図2に本発明に係るフィルムインサート加飾成形方法を適用した装置構造例を示す。
なお、図1において、コア型12及び予備絞り型(予備成形型)の上型21は透視図として表してある。
加飾成形装置40は予備絞り工程20の後に加飾成形工程10を行う。
加飾成形工程10は、射出成形用金型のキャビティ型11に対して、コア型12が上下に移動する竪型成形機10aを採用した例を示すが、横型成形機でもよい。
図2において成形機10aは、このキャビティ型11とコア型12部分にて、キャビティを形成し、溶融樹脂材料をゲート12bから射出する。
キャビティ型11とコア型12の間には帯状の加飾フィルム30を通過配置している。
加飾フィルム30の構造例を図4に示す。
加飾フィルム30は帯状の基体フィルム31の上に剥離層32aを設け、その上に図柄層32b、更にその上に接着層32cを設けたものであり、これらの複合層を転写層32と称する。
接着層32cは印刷層を樹脂製品表面に密着接合する役割がある。
図1、図2に示すように加飾フィルム30は予備成形を行う予備絞り型21、22間を通過した後に加飾成形工程10へ転写層32部分を順送りで移送し、加飾成形工程10にて転写層を樹脂製品へ転写する。
帯状の加飾フィルム30をキャビティ型11とコア型12の間及び、上型21と下型22間を通過するように巻き戻しリール33(供給リール)と巻き取りリール34の間に軽く張設してある。
転写層部分はわかりやすくするため、図2では大げさに描いてある。
また、図1において転写層部分は図示省略してある。
キャビティ型11とコア型12部分では、図2に示す加飾フィルム30の転写層32を樹脂製品1の被転写側面1aに付着させる加飾成形を行う。
加飾フィルム30に対しては、加飾成形工程10の直前に、予備絞り型として、ガス注入口を有する上型21と下型22を使用し予備絞りを行う。
図3に予備絞り工程20と加飾成形工程10部分の断面の模式図を示し、加飾フィルム30に対する予備絞りについて説明する。
上型21はコア型12の横に連結(密着)して取り付けられている。
また、下型22はキャビティ型11の横に連結(密着)して取り付けられている。
なお、上型、下型は射出成形型に一体的に形成してもよい。
コア型12、キャビティ型11、上型21、下型22の材料については後述する。
図3(イ)に示すように上型21には、凸型21cを加飾フィルム30側の面21aに形成している。
そして、この凸型21cに外部から超臨界状態の二酸化炭素ガスを注入するためのガス注入孔21bとホース21dを設けている。
一方下型22の加飾フィルム30側の面22aには、製品の被転写側形状に対応する予備絞り面22bを形成している。
加飾フィルム30に対する予備絞りは、まず加飾フィルム30の転写層32部分を予備絞り上型21、下型22間の所定の位置に位置決めする。
この時、加飾成形工程10には予備成形工程20から送られた加飾フィルム30の転写層33部分が位置決めされる。
次に、図3(ロ)に示すように上型21を下降させて加飾フィルム30側型との間に加飾フィルム30を軽く挟み、閉型する。
上型の下降は、コア型の下降に連動している。
この予備絞り型が閉型した状態で、予備成形面22bに対して所定の隙間からなるガス注入空間部23を形成するように、凸部21cは予備成形面22bより後退している。
ガス注入空間部23は上型21と下型22とに囲まれた略閉空間となっている。
予備絞り型が閉型し、加飾フィルム30を挟持した状態で、ガス注入孔21bより非反応性ガスとして超臨界状態の二酸化炭素3を注入する。
超臨界状態の二酸化炭素3はホース21dからガス注入孔21bを通り、ガス注入空間部21cへ注入される。
これにより、加飾フィルム30は超臨界状態の二酸化炭素3が浸透し軟化する。
つまり、加飾フィルム30に二酸化炭素が溶け込み可塑剤として作用する。
軟化した加飾フィルム30は、凸部21cにより絞り成形されつつ、二酸化炭素の圧力により押されて予備成形面22bに密着する。
これにより加飾フィルム30の転写層32部分に製品形状に対応した半絞り成形を施すことができる。
この時、加飾成形工程10ではゲート12aを通して溶融した樹脂材料2をコア型12とキャビティ型11間に注入する。
型開きすると図3(ロ)に示すように予備成形工程20では転写層32部分が製品形状に予備成形され、加飾成形工程10では製品1が成形され、転写層33が製品1に転写されている。
そして加飾フィルムを順送りし、転写層32部分を柔らかさが持続しているうちに加飾成形工程10へ送る。
加飾成形工程10では、柔らかさが持続している加飾フィルム30に対して、より深く高精度の深絞り成形を、色むらや局部的な伸びを防止しつつ施すことができる。
図1及び図2に示すように、上型21はコア型12に密着して連結し、下型22はキャビティ型11に密着して連結している。
このように射出成形型と予備成形型とを接触させることで、上型21及び下型22はコア型12又はキャビティ型11からの熱伝導により加熱できる。
よって予備成形工程20は加熱機が不要となる。
また、コア型12に上型21が従動するため、予備絞り工程20の駆動系は不要となっている。
転写層32部分は予備絞りした後、順送りで加飾成形工程10へ送り、連続加工する。
そして、成形した樹脂製品を加飾成形工程から加飾フィルム30の順送りにより搬出した後に、ハンド35にて把持し引き剥がす。
上型21と下型22は多孔質炭素材製である。
そして、キャビティ型11及びコア型12は入れ子構造としている。
キャビティ型の入れ子型11aとコア型の入れ子型12aは多孔質炭素材製としている。
多孔質炭素材の型は安価でガス抜き性に優れることから、加飾フィルム30に二酸化炭素を浸透させた際のガス抜きを迅速に行うことができる。
ガス抜き性に優れることから、この多孔質炭素材製の型はこのようにコア型12に使用すると射出成形時におけるガスだまりによる不具合の防止に効果的である。
そして、多孔質炭素材はポーラス系材料においても熱伝導性に優れていることから、コア型12又はキャビティ型11に使用することで、高い冷却性により良好に転写を行うことができる。
下型22はこのように炭素材製としてもよいが、二酸化炭素は加飾フィルム30を透過しないため特に良好なガス抜け性は必要としない。
このため下型22は金属製金型を使用してもよい。
なお、予備絞り型を上型と下型で表現したが、射出成形機を横型とすると、これに従い、予備絞り型は、左右方向の型となる。
本発明に係る加飾成形方法を適用したフィルムインサート加飾成形装置を表す斜視説明図を示す。 本発明に係る加飾成形方法を適用したフィルムインサート加飾成形装置を表す側面説明図を示す。 予備成形工程の説明図を示す。 加飾フィルムの断面構造の模式図を示す。
符号の説明
1 樹脂製品
1a 樹脂製品の転写面
2 溶融樹脂材料
3 超臨界状態の二酸化炭素(非反応性ガス)
10 加飾成形工程
10a 竪型加飾成形機
11 キャビティ型
11a キャビティ型の入れ子型
12 コア型
12a コア型の入れ子型
12b ゲート
20 加飾フィルムの予備絞り(予備成形)工程
21 予備絞り型の上型
21a 予備絞り型の加飾フィルム側の面
21b ガス注入孔
21c 凸型
21d ホース
22 予備成形型の下型
22a 予備絞り型の加飾フィルム側の面
22b 予備成形面
23 ガス注入空間部
30 加飾フィルム
31 基体フィルム
32 転写層
32a 剥離層
32b 図柄層
32c 接着層
33 巻き戻しリール(供給リール)
34 巻き取りリール
35 製品取り出しハンド
40 フィルムインサート加飾成形装置

Claims (7)

  1. 射出成形型を構成するキャビティ型とコア型との間を通過するように、帯状の加飾フィルムを配置し、射出成形の前工程側に、加飾フィルムの予備絞り型を配設し、加飾フィルムを樹脂成形品の略被転写面形状に予備絞りした後に、連続的に射出成形型内に順送りし、射出成形型に溶融樹脂を注入し、加飾成形することを特徴とするフィルムインサート加飾成形方法。
  2. 予備絞り型を上型と下型とで構成し、帯状の加飾フィルムを上型と下型との間を通過させて配置し、加飾フィルムを上型と下型とで挟み込んで予備絞りする際に非反応性ガスを予備絞り型内に注入することを特徴とする請求項1記載のフィルムインサート加飾成形方法。
  3. 予備絞り型を構成する上型と下型との、いずれか一方又は両方にガス注入口を備え、少なくともガス注入口を備えた型を多孔質材で製作したことを特徴とする請求項2記載のフィルムインサート加飾成形方法。
  4. 予備絞り型の上型を射出成形型のコア型に連動させ、予備絞り型の下型を射出成形型のキャビティ型に連動させたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のフィルムインサート加飾成形に用いる金型。
  5. 非反応性ガスは、二酸化炭素又は超臨界状態の二酸化炭素であることを特徴とする請求項2記載のフィルムインサート加飾成形方法。
  6. 射出成形型を構成するコア型とキャビティ型のいずれか一方又は両方に、あるいは、予備絞り型を構成する上型と下型のいずれか一方又は両方に、少なくとも部分的に多孔質材を用いたことを特徴とする請求項3記載のフィルムインサート加飾成形方法。
  7. 多孔質材が多孔質炭素材であることを特徴とする請求項3又は請求項6記載のフィルムインサート加飾成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200068473A (ko) * 2018-12-05 2020-06-15 광주대학교산학협력단 필름인서트 사출성형방법

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