JP2005297190A - ワーク内径のスプラインボール溝研削方法と、研削砥石および研削砥石のドレス方法 - Google Patents

ワーク内径のスプラインボール溝研削方法と、研削砥石および研削砥石のドレス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、研削能率の向上と仕上がりの高精度化および研削砥石など耐久性の向上による長寿命化を図ったワーク内径のスプラインボール溝研削方法と、研削砥石および研削砥石のドレス方法を提供する。
【解決手段】ワーク内径のスプラインボール溝研削方法として、棒状の研削砥石4をワーク軸線Lbに対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワークW内径にスプラインボール溝b1の研削をなす。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワーク内径に対するスプラインボール溝の研削をなす研削方法と、実際にワークに対する研削をなす研削砥石および研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法に関する。
ワーク内径にスプラインボール溝を研削する研削装置は、装置本体であるスピンドルの先端部にほぼ円板状の研削砥石を支持し、この研削砥石を回転駆動させながら移動して、研削砥石の周端部でワーク内径を研削している。
なお説明すると、上記研削砥石は軸受け具を介してスピンドルに回転自在に支持される。また、研削砥石にはプーリが連結され、研削砥石とは離間した位置に設けられる駆動モータの回転軸に取付けられるプーリとの間にベルトが掛け渡される。
したがって、上記研削砥石は駆動モータによりプーリを介してベルト駆動される。そして、スピンドルと研削砥石をワーク軸線に対して並行に向け、かつワーク軸線と並行に軸移動して研削砥石周端部をワーク内径に当ててスプラインボール溝を研削する。
さらに従来技術の1つの例として、研削砥石をワーク軸線に対して所定角度β°斜めに傾け、かつ軸線と並行に軸移動してワーク内径に溝の研削をなす研削方法で、[特許文献1]に開示される、図10に示すような、研削砥石のドレス方法が単石旋回タイプのドレス方式のものがある。
特開平5−131372号公報
このような研削装置によると、円板状研削砥石の直径内に軸受け具を備える構成であるので、軸受け具の直径は砥石直径よりも小さく、軸受け具自体の研削力に対する剛性が弱いものである。具体的には、円形をなす研削砥石がワークを研削するのに必要な接線方向および法線方向の2方向における研削力を強くすることができない。
したがって、円板状研削砥石をワーク軸線に対して並行に向け、かつワーク軸線と並行に軸移動する研削では研削能率が悪く、仕上げられたスプラインボール溝の表面粗さに難点が残る。
さらに、上記軸受け具の直径が小さいから、研削時の負荷を受け易く回転寿命が短い。駆動ベルトのサイズを大きくすることができないので、このベルトの張力が不足して耐久性に乏しいなどの不具合があった。
さらに、研削砥石をワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつ軸線と平行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削方法で、図10に示すように、研削砥石のドレス方法が単石旋回タイプのドレス方式のものの場合は、下記のような問題があった。
すなわち、上記ドレス方法でドレス後溝研削すると、研削方式が干渉研削となるため、単一Rとならずに、うねりが生じてしまう。ゴシックアーチ溝を加工した場合にも、正確な溝形状が得られない。その様子を図11に示す。
図11は、単石ドレスタイプで下記寸法を狙ってドレスしたゴシックアーチ溝の形状誤差を示す。R=3mmで、接触角45°であり、θ=40°〜50°位置近傍のR=3mmは確保できるが、溝底や溝肩部の形状誤差は図11の下図に示す通りの形状誤差を生じることになる。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その第1の目的とするところは、少なくとも棒状の研削砥石を用いて研削能率の向上と仕上がりの高精度化を得るとともに、研削砥石とその駆動部品の耐久性の向上を図ったワーク内径のスプラインボール溝研削方法を提供しようとするものである。
第2の目的とするところは、ワーク内径スプラインボール溝の研削に最適な棒状研削砥石の構成を特定して、強度の増大を図り、長寿命化と高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を図った研削砥石を提供しようとするものである。
第3の目的とするところは、ワーク内径のスプラインボール溝の研削をなす棒状研削砥石に対して、干渉研削を生じないような研削砥石のドレス方法を提供しようとするものである。
第4の目的とするところは、ワーク内径のスプラインボール溝の研削をなす棒状研削砥石に対して、最適な砥石成形量を設定して研削砥石成形をなすことにより、研削砥石の片ドレスを規制して高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を図った研削砥石のドレス方法を提供しようとするものである。
上記第1の目的を満足するため、第1の発明のワーク内径のスプラインボール溝研削方法は、請求項1として、棒状の研削砥石をワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなすことを特徴とする。
上記第2の目的を満足するため、第2の発明の研削砥石は、請求項2として、ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石において、金属材からなる棒状の砥石支持体と、この砥石支持体周面に取付けられる内層砥石部と、この内層砥石部の周面を覆い、内層砥石部と一体化され、ワーク内径にスプラインボール溝を研削する外層砥石部とからなることを特徴とする。
上記第3の目的を満足するため、第3の発明の研削砥石のドレス方法は、請求項3として、ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、総型形状を呈したロータリドレッサの中心位置を狙って通しドレスを行うことを特徴とする。
上記第4の目的を満足するため、第4の発明の研削砥石のドレス方法は、請求項4として、ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、断面円弧状のドレス溝一側端に当接させ、その位置を検出する第1の位置決め工程と、この第1の位置決め工程により研削砥石のドレス溝当接位置を検出したあと、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま軸移動して上記ドレス溝の他側端に当接させ、その位置を検出する第2の位置決め工程と、この第2の位置決め工程により研削砥石のドレス当接位置を検出したあと、研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま第1の位置決め工程のドレス溝当接位置と第2の位置決め工程のドレス溝との当接位置との中間位置に位置決めする第3の位置決め工程と、この第3の位置決め工程のあと、研削砥石の位置を中間位置に保持してドレス溝に接触させ研削砥石全面をドレスするドレス工程とからなることを特徴とする。
上記第4の目的を満足するため、第5の発明の研削砥石のドレス方法は、請求項5として、ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動しワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、断面半円弧状のドレス溝一側端に当接させ、その位置を検出する第1の位置決め工程と、この第1の位置決め工程により研削砥石のドレス溝当接位置を検出したあと、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けまま上下Z軸と左右Y軸とが交差するドレス溝近似中心点Oに軸移動する第2の位置決め工程と、この第2の位置決め工程により研削砥石の位置を設定したあと、研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま上下左右YまたはZ軸方向に移動し、研削砥石全面をドレスするドレス工程とからなることを特徴とする。
このような課題を解決する手段を採用することにより、第1の発明によれば、棒状の研削砥石を傾けて用いるから、研削力に対する剛性が増大して研削能率の向上と仕上がりの高精度化を得るとともに、研削砥石とその駆動部品の耐久性の向上を図られる。
第2の発明によれば、ワーク内径スプラインボール溝の研削に最適な棒状研削砥石の構成を特定したので強度が増大し、長寿命化と高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を図れる。
第3の発明によれば、ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、総型形状を呈したロータリドレッサの中心位置を狙って通しドレスを行うため、ワークを研削したときに干渉が生じることがなく、ボール溝の溝R形状にうねりを生じることがなく、単一の溝Rが成型される。さらに、ゴシックアーチ溝を加工した場合にも正確な形状が得られる。
第4,第5の発明によれば、ワーク内径のスプラインボール溝の研削をなす棒状研削砥石に対して、最適な砥石成形量を設定して研削砥石成形をなし、研削砥石の片ドレスを規制して、研削砥石の長寿命化と高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を図れる。
第1の発明によれば、棒状の研削砥石を用いたことにより、研削能率の向上と仕上がりの高精度化を得るとともに、研削砥石とその駆動部品の耐久性の向上をなすなどの効果を奏する。
第2の発明によれば、研削砥石の強度の増大を図り、この長寿命化と高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を得るなどの効果を奏する。
第3の発明によれば、ワークを研削したときに干渉が生じることがなく、したがってボール溝の溝R形状にうねりを生じることがなく、単一のRが成型されるなどの効果を奏する。
第4,第5の発明によれば、研削砥石に対して最適な砥石成形量を設定でき、片ドレスを規制して研削砥石の長寿命化と高能率研削化を得るとともに、仕上がりの高精度化を得るなどの効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に、第1の研削工程をなす研削装置Kを示す。この研削装置Kにより、ワークWの内径に研削したスピンドルボール溝b1を得るようになっている。
上記ワークWは、回転テーブルT上に載置しチャッキングにより固定され、研削装置Kの研削動作終了ごとに所定角度づつ回動駆動される。
研削装置Kにおいて、装置本体である研削スピンドル1の先端に、第1の砥石ホルダ2と、第2の砥石ホルダ3が連接した状態で取付けられる。さらに、上記第2の砥石ホルダ3の先端には棒状の研削砥石4が取付けられる。
これら研削スピンドル1と、第1,第2の砥石ホルダ2,3および研削砥石4は、全て同一の軸線La上に沿って組立てられる。この軸線Laは図の鉛直方向であるワーク軸線Lbに対して所定角度β°だけ斜めに傾いてセットされ、かつワーク軸線Lbと並行に軸移動するようになっている。
上記研削砥石4の移動量ZLは、研削スピンドル1の上死点Oaから下死点Obに至る距離そのものであり、研削スピンドル1が上死点Oaに位置したとき、研削砥石4先端を後述するドレッサ装置Dがドレスするよう配置される。
研削スピンドル1の下死点Ob位置は研削砥石4のワークWに対する研削終了位置B点に対応する。これらの間のA点が研削開始位置となっていて、研削砥石4の研削ストロークGLはA点からB点に至る距離である。
研削砥石4が取付けられる第2の砥石ホルダ3と、この第2の砥石ホルダ3に連設される第1の砥石ホルダ2は、研削砥石4の研削作業にともなって傾いた状態のままワークWの内径に挿入される。
そして、研削終了位置B点において研削砥石と第1,第2の砥石ホルダ2,3が最も深くワークW内径に挿入されるのだが、このときもなお各砥石ホルダ2,3はワークW内径に全く接触することのない傾き角度β°に設定されている。
図3に、上記研削砥石4の詳細な構成を示す。
この研削砥石4は、棒状の金属材からなる第2の砥石ホルダ3と一体化されていて、第2の砥石ホルダ3は砥石支持体となる。第2の砥石ホルダ3の一端部にねじ部3aが設けられ、先に説明した第1の砥石ホルダ2にねじ込まれる。
上記ねじ部3aから先は、両端がストレート状のテーパ部3bが形成され、さらにこの先端はテーパ部3b先端直径よりもごく細い直径で所定長さのストレート部3cとなっている。ストレート部3cの基端側外径には、ローレット加工が施されている。
上記研削砥石4は、異なる仕様の内外2層の筒状砥石部4a,4bから構成されており、テーパ部3b先端の端面とストレート部3c外径に強力な接着剤を用いて貼着固定される。
すなわち、上記内層砥石部4aは基端に鍔部を有する中空筒体であって、鍔部外径はテーパ部3b先端外径とほぼ等しく、内径はストレート部3c外径と同一に設定される。内層砥石部4aは、鍔部端面がテーパ部3b先端に当接するまで嵌め込まれ、かつテーパ部3b先端面とストレート部3c外径に貼着固定される。特に、ストレート部3c一部にローレット加工が施されているところから、内層砥石部4aに対する接着強度を高く保持し得る。
外層砥石部4bは単純な中空筒体であり、その内径は内層砥石部4a外径に等しく、外径はテーパ部3b先端外径および内層砥石部4a鍔部外径とほぼ同一に設定される。そして、外層砥石部4bは内層砥石部4a外径に嵌め込まれたうえで強力な接着剤を用いて貼着固定され、互いに一体化される。
なお、外層砥石部4bと内層砥石部4aの先端部は、ともに所定の曲率半径のR状に形成される。したがって研削砥石4は丸棒状でありながら、この先端部はR状となっている。
このようにして構成される研削砥石4であり、研削装置Kにおいて所定の傾き角度β°に傾けて取付けられるところから、実際にワークW内径のスプラインボール溝b1の研削加工は、外層砥石部4bのR状部分で行うこととなる。
図5および図6に、研削装置Kと、この研削装置Kの研削砥石4をドレスするドレッサ装置Dの概略構成を示す。
ドレッサ装置Dにおいて、図中5は内部に図示しない駆動モータを収容するロータリドレッサスピンドルであり、この回転軸にテーパ体6が取付けられる。上記テーパ体6には円板状のロータリドレッサ7が嵌め込まれ、さらに押さえカラー8を介してクランプボルト9によってテーパ体6に取付け固定される。
上記クランプボルト9にはボール10が一体に取付けられていて、AEセンサー11に取付けられる板ばね12が上記ボール10に接触するよう位置設定される。上記AEセンサー11はセンサーブラケット13に取付けられ、このセンサーブラケット13は上記ロータリドレッサスピンドル5とともにスピンドルブラケット14に取付けられている。
上記ロータリドレッサ7の周面に沿って、ここでは断面円弧状のドレス溝15が設けられていて、後述する手段をもって上記研削砥石4の先端を当接させ、このドレスをなすように設定される。
なお、ドレス時において研削砥石4の軸線Laはロータリドレッサ7の接線方向(すなわち、ワークWの軸線Lb方向)とは所定角度β°だけ傾いた姿勢であり、かつ研削砥石4をロータリドレッサ7の接線方向と並行して軸移動し、研削砥石4を成形するようになっている。
つぎに、実際の研削加工について説明する。
図1および図2に示すように、研削スピンドル1と第1,第2の砥石ホルダ2,3とともに内外2層構造体である研削砥石4をワーク軸線Lbに対して所定角度β°だけ傾け、かつワーク軸線Lbと並行に軸移動する。
研削砥石4の移動スタート位置は、すなわちロータリドレッサ7による研削砥石4のドレス位置であり、あらかじめ後述するようにしてロータリドレッサ7に対して研削砥石4が位置合わせされている。
上記研削砥石4がドレス位置からスタートし、所定位置A点でワークWの内径に当接し、スプラインボール溝の研削が開始される。研削砥石4はその姿勢のまま同一方向に移動し、研削エンド位置B点において研削されたスプラインボール溝b1を得る研削工程をなす。
研削砥石4が研削エンド位置B点に到達したら、研削スピンドル1を引き上げる。このときも研削砥石4の傾き角度β°は変わらない。したがって、研削砥石4の先端部は研削したスプラインボール溝b1に再び沿って移動するので、より確実な研削が行われることになる。
前記の研削工程で研削した研削砥石4をスタート位置に戻したところで、ロータリドレッサ7による研削砥石4に対するドレス工程が行われる。このときも、研削砥石4をワークWの軸線Lbに対して斜めに傾斜した状態であることは変わらない。
図4(A)に示すように、ワークWの内径には断面ゴシックアーチ形状(または単一円弧状)のスプラインボール溝b1が形成される。このとき、棒状の研削砥石4を傾けて使用するところから、研削力に対する剛性の増大が得られ、短時間で高能率の研削が行われる。
このようにして、研削砥石4でワークWの内径にスプラインボール溝b1を研削し、その都度、研削砥石4をロータリドレッサ7のドレス溝15に押し当ててドレスし砥石成形をなすので、研削砥石4は常にすこぶる高い研削能率を保持し、表面粗さ精度が安定して高精度化を得られる。
なお、スプラインボール溝b1の両側端部に沿って面取りを必要とする場合は、所定条数のスプラインボール溝b1を研削したあと、研削装置Kを交換するもしくは、ワークWを上記ターンテーブルTから取外して、他のターンテーブルに固定し、スプラインボール溝の面取り研削をなす。
図2に示すように、ここでは、円板状をなす研削砥石20を備えた面取り用研削装置Sが用いられる。上記円板状研削砥石20は、その周端部が得るべき面取り形状に合致するよう形成される。
円板状研削砥石20は、ホルダ21の先端部に回転自在に軸支されるとともに、この軸支部にプーリ22が設けられ駆動ベルト23が掛合される。上記ホルダ21の他端部には駆動モータ24が取付けられていて、この回転軸に駆動プーリ25が取付けられ、上記駆動ベルト23が掛合される。
すなわち、駆動ベルト23は駆動プーリ25と研削砥石20側のプーリ22との間に掛け渡されている。ホルダ21の中間部には複数の中間プーリ26が所定間隔を存して設けられていて、上記駆動ベルト23の中間部分が掛合する。
このような面取り用研削装置Sの軸線Lcをワーク軸線Lbに対して並行に向け、かつワーク軸線Lbと並行に軸移動する。このとき、円板状研削砥石20の周端部を研削されたスプラインボール溝b1に対向させることは、言うまでもない。
円板状研削砥石20は、研削されたスプラインボール溝b1の両側端の面取り部を研削する。この状態で、面取り用研削装置Sは、従来用いられる研削装置のように円板状研削砥石20を用いてワーク軸線Lbに並行に向け、かつワーク軸線Lbと並行に軸移動するので、この軸受け具が小さく研削力に対する剛性が弱いものであるが、面取り部のみを研削するので何らの不具合もない。
図4(B)に示すように、この研削が終了した状態で両端部に面取り部a,aを有する所望の断面形状のスプラインボール溝b2が得られる。しかも、研削力に対する剛性の大なる棒状の研削砥石4で研削を行ってから円板状の研削砥石20で研削するので、結果として高効率の研削をなし、研削時間の短縮化を図れる。
つぎに、ロータリドレッサ7のドレス溝15に対する研削砥石4の位置決め設定方法について説明する。
本願発明の研削砥石のドレス方法は、総型形状を呈したロータリドレッサの中心位置を狙って通しドレスを行うことを特徴としている。ここで、通しドレスとは、総型形状のロータリドレッサの回転方向にロータリーと直角方向に回転している砥石を通過させてツルーイング&ドレッシングを行う方法をいう。
先に述べたように、上記研削砥石4は位置決め設定の開始から終了に至る間、継続して所定角度β°傾けた状態にして、その先端部をドレス溝15に対向させる。ドレス溝15は断面ゴシックアーチ形状もしくは単一円弧形状をなし、この曲率半径よりも研削砥石4先端R部の曲率半径が小さく形成される。すなわち、研削砥石4はドレス溝15の軸方向から円周方向に移動可能であることを前提としている。
図7(A)に示すように、研削砥石4をY方向である図の左側方向へ軸移動してドレス溝15の一側端に当接させ、その位置を検出する第1の位置決め工程をなす。
なお説明すると、研削砥石4がドレス溝15の一側端に当接すると、その振動がロータリドレッサ7から押さえカラー8とクランプボルト9およびボール10を介して板ばね12に伝達する。板ばね12は弾性変形して振動を拡大し、よってAEセンサー11が感知するところとなる。
図7(B)に示すように、第1の位置決め工程により研削砥石4のドレス溝15の左側端位置を検出したあと、研削砥石4をY方向である図の右側へ軸移動してドレス溝15の他側端に当接させ、その位置を検出する第2の位置決め工程をなす。
このときの研削砥石4の位置確認も同様に、当接時の振動がロータリドレッサ7から押さえカラー8とクランプボルト9およびボール10を介して板ばね12に伝達し、ここで振動が拡大してAEセンサー11が感知する。
つぎに、研削砥石4をY方向である図の左側へ軸移動して、第1の位置決め工程における研削砥石4のドレス溝15左側端との当接位置と、第2の位置決め工程における研削砥石4のドレス溝15右側端との当接位置との中間位置に位置決めする第3の位置決め工程をなす。
ここで、研削砥石4の中心位置がドレス溝15の中心位置に合致することとなり、研削砥石4位置を保持した状態でこの先端部をドレス溝15に接触させ、研削砥石4のドレスをなすドレス工程となる。
このようにして研削砥石4はロータリドレッサ7のドレス溝15に対して正確に位置決めされるので、片ドレスを防止して最適な砥石成形量が得られ、高精度の研削砥石成形がなされる。
しかも、上記研削装置Kの構成上、研削砥石4はワークW内径のスプラインボール溝b1の研削をなす都度ドレスされる。すなわち、研削砥石4による研削と、研削砥石4に対するドレスが交互に行われることになり、高精度の研削砥石成形が得られて研削能率の向上と、研削砥石4の長寿命化を得られる。
なお、ロータリドレッサ7のドレス溝15は断面円弧状に形成されることに限定されない。以下に述べるようなドレッサ装置にも適用される。
図8に示すドレッサ装置DAは、ロータリドレッサ7Aの周面に沿って断面半円弧状のドレス溝15Aが形成される。また、図5と同様に、研削砥石4をワーク軸線Lbに対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線Lbと並行に軸移動してドレスすることには変わりがない。
図9に示すように、第1の位置決め工程として、研削砥石4をY方向である図の左側へ軸移動して、ドレス溝15Aの一側端に当接させ、その位置をAEセンサー11が先に述べたようにして検出する。
この第1の位置決め工程により研削砥石4のドレス溝15A当接位置を検出したあと、研削砥石4を所定角度β°斜めに傾けまま上下Z軸と左右Y軸とが交差するドレス溝15Aの近似中心点Oに軸移動する第2の位置決め工程をなす。
この第2の位置決め工程により研削砥石4の位置を設定したあと、研削砥石4を所定角度β°斜めに傾けたまま上下左右YまたはZ軸方向に移動し、研削砥石4全面をドレスするドレス工程をなす。
このようにして研削砥石4はロータリドレッサ7Aのドレス溝15Aに対して正確に位置決めされるので、片ドレスを防止して最適な砥石成形量が得られ、高精度の研削砥石成形がなされる。
また、研削砥石4はワークW内径のスプラインボール溝の研削をなす都度ドレスされ、高精度の研削砥石成形による研削能率の向上とともに研削砥石の長寿命化を得られる。
本発明の実施の形態の、ワーク内径のスプラインボール溝研削をなす研削砥石を備えた研削装置の概略構成と作用を説明する図。 同実施の形態に係わる、ワーク内径のスプラインボール溝研削作業を説明する図。 同実施の形態に係わる、研削砥石の構成図。 同実施の形態に係わる、ワーク内径のスプラインボール溝研削状態を説明する図。 同実施の形態に係わる、研削装置とドレッサ装置の概略の構成図。 同実施の形態に係わる、研削装置とドレッサ装置の側面図。 同実施の形態に係わる、研削砥石のドレス方法を順に説明する図。 他の実施の形態に係わる、研削装置とドレッサ装置の概略の構成図。 同実施の形態に係わる、研削砥石のドレス方法を順に説明する図。 従来の、研削砥石のドレス方法を説明する図。 従来の、研削砥石のドレス方法によって溝形状に生じるうねりの様子を表す図。
符号の説明
4…研削砥石、W…ワーク、b1…(研削された)スプラインボール溝、b2…(面取り研削された)スプラインボール溝、20…面取り用円板状研削砥石、3…砥石支持体(第2の砥石ホルダ)、4a…内層砥石部、4b…外層砥石部、15…断面円弧状のドレス溝、15A…断面半円弧状のドレス溝。

Claims (5)

  1. 棒状の研削砥石をワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝を研削することを特徴とするワーク内径のスプラインボール溝研削方法。
  2. ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石において、金属材からなる棒状の砥石支持体と、この砥石支持体周面に取付けられる内層砥石部と、この内層砥石部の周面を覆い、内層砥石部と一体化され、ワーク内径にスプラインボール溝を研削する外層砥石部と、
    からなることを特徴とする研削砥石。
  3. ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、総型形状を呈したロータリドレッサの中心位置を狙って通しドレスを行うことを特徴とする研削砥石のドレス方法。
  4. ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動してワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、
    上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、断面円弧状のドレス溝一側端に当接させ、その位置を検出する第1の位置決め工程と、
    この第1の位置決め工程により研削砥石のドレス溝当接位置を検出したあと、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま軸移動して上記ドレス溝の他側端に当接させ、その位置を検出する第2の位置決め工程と、
    この第2の位置決め工程により研削砥石のドレス当接位置を検出したあと、研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま第1の位置決め工程のドレス溝当接位置と第2の位置決め工程のドレス溝との当接位置との中間位置に位置決めする第3の位置決め工程と、
    この第3の位置決め工程のあと、研削砥石の位置を中間位置に保持してドレス溝に接触させ研削砥石全面をドレスするドレス工程と、
    からなることを特徴とする研削砥石のドレス方法。
  5. ワーク軸線に対し所定角度β°斜めに傾け、かつワーク軸線と並行に軸移動しワーク内径にスプラインボール溝の研削をなす研削砥石をドレスする研削砥石のドレス方法において、
    上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けた状態で軸移動して、断面半円弧状のドレス溝一側端に当接させ、その位置を検出する第1の位置決め工程と、
    この第1の位置決め工程により研削砥石のドレス溝当接位置を検出したあと、上記研削砥石を所定角度β°斜めに傾けまま上下Z軸と左右Y軸とが交差するドレス溝近似中心点Oに軸移動する第2の位置決め工程と、
    この第2の位置決め工程により研削砥石の位置を設定したあと、研削砥石を所定角度β°斜めに傾けたまま上下左右YまたはZ軸方向に移動し、研削砥石全面をドレスするドレス工程と、
    からなることを特徴とする研削砥石のドレス方法。
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