JP2005297038A - 鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法 - Google Patents

鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 繰り返し使用可能な砂型用模型に適用可能とした上で鋳造品の生産性の向上や製造コストの低減を図るほか、座面の面積を十分に確保できる等設計自由度の高い鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法の提供にある。
【解決手段】 鋳込材料に鋳包まれる袋ナット本体11と、鋳型としての砂型22に埋設される延長筒部12とからなり、袋ナット本体11と延長筒部12との間に断面略V字状の切り欠き17が設けられ、延長筒部12を貫通して袋ナット本体に至る挿入孔13が穿設され、袋ナット本体11の端部から前記延長筒部12へ向かって末広がるテーパ面14が袋ナット本体11の外周面に形成されるとともに、鋳込材料に対する抜け止め手段がテーパ面14に設けられ、袋ナット本体11は砂型用模型19に対してテーパ面14を介して着脱自在とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法に関し、特に、砂型用模型に対して装着可能な鋳包み用袋ナット及びその鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法に関する。
一般的に、大型又は重量のある鋳造品に対して締結用ボルトを用いて部材等を組付ける場合には、鋳込材料により袋ナットを鋳包むようにして鋳造された鋳造品とすることが多い。
鋳込材料を注湯して袋ナットを鋳包む場合、袋ナットのネジ孔に固定用ボルトを螺入しておき、固定用ボルトの頭側を砂型に埋設させて鋳込材料を注湯する。
しかしながら、袋ナットを鋳包む鋳込材料の熱や鋳造後の冷却により袋ナットが膨張及び収縮するほか、鋳込材料の一部が袋ナットとボルトの間に入り込み焼き付きを生じるおそれがある。
袋ナットの膨張及び収縮やナットとボルトの焼き付きが生じると、ネジ孔が変形等の損傷を受けることから再びタップを施す等、袋ナットのネジ孔を整形する必要がある。
こうした袋ナットのネジ孔の整形に係る作業は生産性の低下や製造コストの増大を招く問題であった。
そこで、近年ではこうした問題を解決する技術が提案されている。
例えば、図5には、フルモールド法により袋ナット40を鋳包むようにする鋳造方法が示されている。
ここでは、袋ナット40の挿入孔43が底側の小径孔43bと開口側の大径孔43aとから構成される段付状となっており、大径孔43aに対応する袋ナット40の外周にV字状の環状切り欠き44が設けられている。
そして、環状切り欠き44を境にして、袋ナット40の底側の部分を本体部41とし、開口側の部分を延長筒部42としている。
この鋳造方法の手順について説明すると、まず、発泡ポリスチレン等の消失模型45に設けられる支持孔46に袋ナット40を嵌入するが、このとき、V字状の環状切り欠き44が消失模型45の表面と一致するような深さまで袋ナット40を支持孔46に嵌入させておく。
そして、袋ナット40を消失模型45に対して固定した後、大径孔43aに対応する固定用ボルト47を螺入する。
その後に消失模型45を囲繞するように砂型48を造型し、この砂型48に固定用ボルト47及び袋ナット40の一部を埋め込むようにする。
このとき、図5(a)に示されるように、消失模型45に本体部41が支持されるとともに、延長筒部42が砂型48に埋設されている状態にある。
次に、鋳込材料を砂型内48へ注湯するが、鋳込材料が消失模型45と置き換わるように砂型48内を行き渡ることから、固定用ボルト47及び延長筒部42により砂型48に固定される袋ナット40は鋳込材料に鋳包まれる。
このとき、固定用ボルト47により袋ナット40の挿入孔43は塞がれているので、鋳込材料が挿入孔43に入り込むことはない。
冷却後に砂型48から取り出される鋳造品49は、図5(b)に示されるように、鋳込材料による鋳物部50と鋳物部50に鋳包まれる袋ナット40を備え、袋ナット40には依然として固定用ボルト47が螺入されている。
そして、この固定用ボルト47の頭部に打撃を加えることにより、図5(c)に示されるように、V字状の環状切り欠き44を起点としてせん断される。
この結果、固定用ボルト47と袋ナット40の延長筒部42が取り除かれ、袋ナット40の本体部41が鋳包まれた状態で鋳物部50に残る。
鋳物部50に残る本体部41の挿入孔43を臨むせん断面は、鋳物部50の表面とほぼ同一面となる。
そして、鋳包まれた袋ナット40の小径孔43aに対応する締結用ボルト(図示せず)を用いることにより、得られた鋳造品49に対して部材等を固定することが可能となる。
このように、この鋳造方法によれば、生産性の向上と製造コストの低減に大きく寄与するとされ、外周面に環状切り欠き44が備えられる袋ナット40はこの鋳造方法の実施に好適であるとしている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2002−192326号公報(第2−4頁、図1−図2)
しかしながら、従来の袋ナットでは、適用の対象が消失模型を用いるフルモールド法に限定され、繰り返し使用可能な砂型用模型を用いる鋳造方法に対して適用不可能であるという問題がある。
また、従来の袋ナットでは、鋳造後のせん断が必要であることから、鋳造後に袋ナットのせん断を行なうことができるように、袋ナットの外径や挿入孔の内径を設定する必要があり、袋ナットの外径や挿入孔の内径を自由に設定することができないという問題も存在する。
このため、部材等の取り付けのための座面として使用されるせん断面の面積が小さく設定されがちであり、例えば、重量物等の部材を鋳造品に取り付ける場合に、比較的大きな軸力が働く締結用ボルトを用いることができないという問題が生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、繰り返し使用可能な砂型用模型に適用可能とした上で鋳造品の生産性の向上や製造コストの低減を図るほか、座面の面積を十分に確保できる等、設計自由度の高い鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、鋳込材料に鋳包まれる袋ナット本体と、鋳型としての砂型に埋設される延長筒部とからなり、前記袋ナット本体と前記延長筒部との間に断面略V字状の切り欠きが設けられ、前記延長筒部を貫通して前記袋ナット本体に至る挿入孔が穿設される鋳包み用袋ナットであって、前記袋ナット本体の端部から前記延長筒部へ向かって末広がるテーパ面が前記袋ナット本体の外周面に形成されるとともに、前記鋳込材料に対する抜け止め手段が前記テーパ面に設けられ、前記袋ナット本体は前記砂型を形成する砂型用模型に対して前記テーパ面を介して着脱自在とすることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、鋳包み用袋ナットが、砂型用模型に対して着脱可能であって、しかも、鋳込材料に対して保持可能であることから、固定用部材に鋳包み用袋ナットを螺入して砂型用模型に装着した状態で一連の鋳造を行なうことが可能となる。
また、鋳造時において注湯された鋳込材料は鋳包み用袋ナットを鋳包むが、袋ナットの挿入孔に挿入される固定用部材により鋳込材料は妨げられるから、袋ナット本体の挿入孔に鋳込材料が入り込むことはなく、袋ナットと固定用部材との焼き付きは生じない。
また、延長筒部及び固定用部材をせん断により袋ナット本体から取り除くことで、袋ナット本体が鋳包まれた鋳造品を得ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の鋳包み用袋ナットにおいて、前記挿入孔が開口側の大径筒部と螺刻される底側の小径筒部とから構成される段付状とし、前記大径孔と前記小径孔との境界部は、前記袋ナット本体の延長筒部寄りに位置することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、袋ナット本体と延長筒部とのせん断をし易いように、切り欠きに対応する鋳包み用袋ナットの肉厚を比較的薄くすることができ、また、せん断の際に大径孔の周囲にバリが生じて締結用ボルトを小径孔へ螺入する妨げになることがない。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の鋳包み用袋ナットにおいて、前記延長筒部の外径は、前記袋ナット本体の切り欠き側の端面の外径よりも小さく設定されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、袋ナット本体において部材取り付けのための座面を十分に確保することができ、例えば、重量物等の部材を鋳造品に取り付ける場合に、比較的大きな軸力が働く締結用ボルトを用いることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳包み用袋ナットにおいて、前記鋳込材料に対する前記袋ナット本体の回り止め手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、部材取り付けの際に締結用ボルトを鋳包み用袋ナットの小径孔に螺入しても鋳込材料に対して鋳包み用袋ナットがボルトと共回りすることがない。
請求項5記載の発明は、鋳込材料に鋳包まれる筒状の袋ナット本体と、鋳型としての砂型に埋設される延長筒部とからなり、前記袋ナット本体と前記延長筒部との間に断面略V字状の切り欠きが設けられ、前記延長筒部を貫通して前記袋ナット本体に至る挿入孔が穿設される鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法であって、前記袋ナット本体の端部から前記延長筒部へ向かって末広がるテーパ面が前記袋ナット本体の外周面に形成されるとともに、前記鋳込材料に対して前記袋ナット本体を保持可能とする抜け止め手段が前記テーパ面に設けられ、前記ナット本体は、前記砂型を形成する砂型用模型に対して前記テーパ面を介して着脱自在とする鋳包み用袋ナットとし、前記鋳包み用袋ナットの挿入孔に固定用部材を挿入し、前記鋳包み用袋ナットを前記砂型用模型に対して装着し、前記砂型用模型に鋳物砂を充填して前記砂型を形成し、前記砂型用模型を前記砂型から取り外すとともに、前記固定用部材により前記延長筒部を前記砂型に支持し、前記砂型への鋳込材料の注湯により前記袋ナット本体の外周面が前記鋳込材料に鋳包まれることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、鋳包み用袋ナットが、砂型用模型に対して着脱可能であって、しかも、鋳込材料に対する保持可能であることから、固定用部材に鋳包み用袋ナットを螺入して砂型用模型に装着した状態で一連の鋳造を行なうことが可能となる。
本発明によれば、繰り返し使用可能な砂型用模型に適用可能とした上で鋳造品の生産性の向上や製造コストの低減を図ることができるほか、座面の面積を十分に確保できる等、設計自由度の高い鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法を提供することができる。
以下、この発明の実施形態に係る鋳包み用袋ナット及び鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法について図1〜図3を参照して説明する。
まず、鋳包み用袋ナット(以下、単に「袋ナット」と呼ぶ)10について説明する。
図1に示されるように、袋ナット10は略円錐台状の袋ナット本体11と円柱状の延長筒部12を備えている。
この袋ナット本体11は略円錐台状であることから、大径の端面及び小径の端面を備えることになる。
大径の端面は露出面11aとして鋳込材料から露出され、部材等の取り付けの座面として機能する面であるが、小径の端面は底面11bとして鋳込材料に鋳包まれる面である。
また、袋ナット本体11の露出面11aが底面11bよりも径が大きいことから、袋ナット本体11の側面には、袋ナット11本体11の端部である底面11bから露出面11aへ向けて末広がるテーパ面14(14a、14b、14c)が形成される。
この袋ナット本体11のテーパ面14には互いに平行な2条の係止溝15が刻設されており、これらの係止溝15は鋳造品23における鋳物部24からの袋ナット10の脱落を確実に防止するための抜け止め手段である。
また、袋ナット本体11の底面11bからテーパ面14cへ向けて傾斜する面状の傾斜部16が形成されており、これは鋳造品23における鋳物部24に対して袋ナット10が回転しないようにするための回り止め手段である。
この実施形態に係る袋ナット10は、鉄系金属材料(SC材)により形成されており、ここでは露出面11aを除き、後述する鋳造品23における鋳物部24により鋳包まれる。
この袋ナット本体11の露出面11a側に延長筒部12が接続されているが、袋ナット本体11と延長筒部12との間には断面略V字状の切り欠き17が設けられている。
この切り欠き17は袋ナット本体11と延長筒部12とのせん断を容易ならしめるためであり、袋ナット10の周方向に亘って環状に設けられている。
そして、延長筒部12の端面から袋ナット本体11へ至る挿入孔13が穿設されており、この挿入孔13は開口側の大径孔13aと底側の小径孔13bとから構成される段付状である。
挿入孔12について更に詳しく説明すると、大径孔13aは延長筒部12の開口側から袋ナット本体11の露出面11aよりも深く穿設されている。
大径孔13aには、後述する固定用部材としての固定用ボルトの螺入を可能とするように雌ねじが螺刻されている。
小径孔13bは大径孔13aよりも径が小さく、大径孔13aから延長するように袋ナット本体11の底面11bに向けて穿設されており、小径孔13bは部材取り付けのための締結用ボルト(図示せず)の螺入を可能とするように雌ねじが螺刻されている。
従って、袋ナット10の挿入孔13における大径孔13aと小径孔13bとの境界部13cは、袋ナット本体11の延長筒部12寄りに位置している。
一方、固定用部材としての固定用ボルト18は、図2及び図3に示されるように、頭部18a及び軸部18bを備えるよく知られた公知のボルトであり、固定用ボルト18は袋ナット10における挿入孔13に対応する雄ねじを軸部18bに備えている。
次に、この実施形態の鋳造方法について図2及び図3に基き説明すると、まず始めに、鋳込材料を注湯することができるように鋳型である砂型22を形成する。
砂型22を得るためには、図2(a)に示される砂型用模型19が用いられるが、この砂型用模型19には凹部20が形成されている。
この凹部20は、袋ナット10を装着することができるように、袋ナット本体11のテーパ面14にほぼ対応する側壁面20aを備えている。
そして、凹部20は、袋ナット10の切り欠き17が砂型用模型19の表面と同一面となるように設定されている。
また、凹部20の底面寄りには磁性体としての磁石21が埋設されており、磁石21の吸引力が袋ナット本体11に作用して、凹部20に装着した袋ナット10が容易に脱落することがないように図られている。
なお、この実施形態では磁石21を用いたが、磁石21に替えて粘着テープや接着剤を用いてもよい。
砂型22を形成するに先立って、固定用ボルト18の軸部18bを挿入孔13の大径孔13aに螺入し、軸部18bの先端を延長筒部12側に止めるようにしておく。
そして、固定用ボルト18を備える袋ナット10を砂型用模型19に装着するが、この実施形態では砂型用模型19の表面と袋ナット10の露出面11aとが同一面となるように設定されている。
なお、袋ナット10を砂型用模型19に装着してから、固定用ボルト18を袋ナット10に螺入する手順としてもよい。
袋ナット10が砂型用模型19に装着された後、砂型22を形成するための鋳物砂を砂型用模型19に対して充填するが、図2(b)に示されるように、袋ナット10の延長筒部12と、延長筒部12に螺入されている固定用ボルト18の軸部18bの一部と頭部18aは鋳物砂に覆われ、砂型22内に埋め込まれることになる。
この実施形態ではフラン系樹脂剤を含む鋳物砂を用いているため、フラン系樹脂剤の硬化により、鋳物砂により形成された砂型22は強固な保形力を備えている。
このため、図2(c)に示されるように、砂型用模型19を砂型22から取り外しても砂型22が簡単に崩壊することはなく、袋ナット10の袋ナット本体11が砂型22から突出されるように、袋ナット10は固定用ボルト18及び延長筒部12を介して砂型22に対して支持される。
砂型用模型19の凹部20に対して装着されている袋ナット本体11は、砂型用模型19を砂型22から取り外すとき、磁力の吸引力により砂型用模型19に保持されていることと、凹部20が袋ナット本体11のテーパ面14にほぼ対応する側壁面20aを備えていることと相俟って、無理なく砂型用模型19から分離される。
次に、砂型22に対して溶融された鋳込材料の注湯を行なう。
ここでは鋳込材料として鋳鉄を用いるが、鋳込材料は鋳鉄等の鉄系金属材料のほかにアルミ系金属材料や銅系金属材料等を用いることができる。
そして、図3(a)に示されるように、注湯により鋳込材料は、袋ナット本体11の露出面11aを除き、袋ナット本体11を囲繞するから、袋ナット本体11は鋳込材料に鋳包まれた状態にあると言える。
鋳込材料が注湯されるとき、袋ナット本体11は鋳込材料の熱により膨張し、大径孔13aに固定用ボルト18が螺入されていることから、袋ナット10の挿入孔13のうち大径孔13aの雌ねじは若干変形するが、小径孔13bには螺入されているものはなく、小径孔13bの雌ねじでは熱による変形は殆どない状態にある。
一方、袋ナット本体11の露出面11aと砂型22とは密着され、さらに延長筒部12が備えられていることから、溶融状態の鋳込材料が挿入孔13に達することはない。
必要な量の鋳込材料を砂型22に注湯し、注湯された鋳込材料を冷却し、冷却後に砂型22を取り外すと、図3(b)に示されるように袋ナット10が鋳包まれた鋳造品23が得られる。
この冷却時には袋ナット10が冷却により収縮するため、熱膨張により変形している大径孔13aの雌ねじはさらに変形することになる。
この鋳造品23においては、冷却された鋳込材料により形成される鋳物部24と鋳物部23により鋳包まれる袋ナット10を備えることになるが、袋ナット10の延長筒部12には固定用ボルト18が螺入された状態にある。
そして、固定用ボルト18の頭部18aに打撃を加えることにより、図3(c)に示されるように、延長筒部12を袋ナット本体11からせん断し、固定用ボルト18と延長筒部12を袋ナット本体11から取り除いて、鋳造品23を得る。
せん断により生じた袋ナット本体11のせん断面は凹凸が生じている場合が多いため、露出面11aと同一面となるように仕上げる必要がある。
なお、延長筒部12とともに取り外した固定用ボルト18は固定用部材として幾度かは繰り返し利用できる場合がある。
せん断面が仕上げられた状態では、露出面11aと鋳物部24の表面とは同一面を形成している。
また、鋳物部24は袋ナット本体11を鋳包む状態にあるが、袋ナット本体11の係止溝15と鋳物部24が互いに係止されていることから、袋ナット10が鋳物部23から脱落することはない。
さらに、袋ナット本体11の傾斜部16により、鋳物部23に対して袋ナット10が回転することはない。
そして、例えば、鋳造品23に対して部材等を締結用ボルト(図示せず)を用いて固定する場合、締結用ボルトを袋ナット10の小径孔13bに螺入することができる締結用ボルトとすればよい。
この実施形態に係る袋ナット10及び袋ナット10を用いた鋳造方法によれば以下の効果を奏する。
(1)袋ナット10が、砂型用模型19に対して着脱可能であって、しかも、鋳込材料に対して保持可能であることから、袋ナット10を砂型用模型19に装着した状態で一連の鋳造を行なうことが可能となる。
(2)鋳造時において注湯された鋳込材料は袋ナット10を鋳包むが、延長筒部12と固定用ボルト18により、袋ナット11の挿入孔13に鋳込材料が入り込むことはなく、注湯時における袋ナット10と固定用ボルト18との焼き付きを完全に防止することができる。
(3)鋳造後に固定用ボルト18と延長筒部12をせん断により取り除いた状態では、螺刻されている小径孔13bが締結用ボルトを直ちに螺入することができる状態にあり、袋ナット10の膨張及び収縮による大径孔13aの変形は小径孔13bの機能上の影響を与えることはなく、せん断面を仕上げることで、袋ナット本体11が鋳包まれた鋳造品23を得ることができる。
(4)袋ナット本体11と延長筒部12とのせん断をし易いように、切り欠き17に対応する肉厚を比較的薄くすることができ、また、せん断の際に大径孔13aの周囲にバリが生じても、こうしたバリが締結用ボルトを小径孔13bへ螺入する妨げにならない。
(5)袋ナット本体11が略円錐台状であって、延長筒部12の外径は袋ナット本体11の切り欠き17側の端面の外径よりも小さく設定されていることから、袋ナット本体11に部材取り付けのための座面を十分に確保することができ、例えば、重量物等の部材を鋳造品23に取り付ける場合に、比較的大きな軸力が働く締結用ボルトを用いることができる。
(6)袋ナット10が鉄系材料であって、砂型用模型19に磁性体としての磁石21を埋設しておくことにより、磁力の吸引力により袋ナット10を砂型用模型19に対して装着することができる。このため、砂型用模型19に対して袋ナット10を装着する作業が簡単となり、作業時間の短縮化を図ることができる。
なお、この実施形態では、鋳物部24の表面から露出される露出面11aと鋳物部24の表面とを同一面となるようにしたが、例えば、図4(a)のように露出面11aを鋳物部24の表面に対して突出するようにしてもよい。
また、図示はしないが、露出面11aを鋳物部24の表面に対して凹設されるようにしてもよい。
このように、鋳物部24の表面から露出される露出面11aと鋳物部24の表面とを非同一面とすることにより、鋳造品23に対して取り付けられる部材等の取付条件に幅広く対応することが可能となる。
また、袋ナット10の別例として、図4(b)に示される袋ナット30を用いてもよい。
この袋ナット30は径が異なることのない同径の挿入孔33を備えており、固定用ボルト18の軸部18bと締結用ボルト(図示せず)の軸部の径が同じとなり、図4(b)では固定用ボルト18が挿入孔33に螺入されている状態が示されている。
この袋ナット30の場合、袋ナット本体31と延長筒部32とのせん断を行なった後に、せん断面とせん断面を臨む挿入孔33の仕上げ作業を行なう必要がある。
なお、袋ナット30におけるその他の構成、例えば、テーパ面34(34a、34b、34c)、係止溝35、傾斜部36及び切り欠き37は前述の袋ナット10と同じ構成である。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、袋ナットのテーパ面の角度を特に明示しなかったが、砂型用模型から袋ナットの取り外しを行なうためには、少なくとも、挿入孔の軸線との角度を2度以上とすればよく、より実用的な範囲としては3.5度〜40度程度とすればよい。
○ 上記の実施形態では、袋ナットの外周に抜け止め手段としての係止溝が互いに平行となるように形成されているが、鋳造品に部材等を取り付ける場合に、袋ナットの小径孔に螺入されるボルト等の締結力が比較的小さいときには、係止溝を設けなくてもよく、この場合、袋ナットに対する加工が省略されるので鋳造品の製作コストを低減することができる。
○ 上記の実施形態では、袋ナットの外周に抜け止め手段としての係止溝が互いに平行となるように形成したが、抜け止め手段は係止溝に限定されず、少なくとも、鋳造品における鋳物部に対する袋ナットの抜け止めが可能な構成であればよく、例えば、袋ナットの外周に突条体を設ける等、適宜の抜け止め手段を採用することができる。
○ 上記の実施形態では、袋ナットの外周に抜け止め手段としての係止溝と、袋ナットの底面に回り止め手段としての傾斜面とを独立して設けられているが、例えば、抜け止め手段と回り止め手段とを兼ね備える突起体あるいは凹部を設けてもよく、この場合、突起体あるいは凹部を設けることにより抜け止め手段と回り止め手段が構成される。
○ 上記の実施形態では、砂型用模型に袋ナットを適用した例を説明したが、この袋ナットは砂型用模型のほかに、従来の消失模型を用いるフルモールド法にも適用できる。従って、砂型用模型又は消失模型を用いるかは、鋳造品の製作数に応じて適宜選択すればよく、鋳造に用いる袋ナットとしての適用範囲が広く汎用度が高いといえる。
○ 上記の実施形態では、鋳造品としての具体的用途を示さなかったが、この発明に係る鋳造方法及び鋳造品は、例えば、産業車両におけるカウンタウエイト、あるいは、車両製造用の大型のプレス金型等に適用されるものであり、こうした大型であって取付部材が多くなりがちな金属部品又は金属製品では、取付部材を取り付けるための雌ねじの数が多いほか、大型であることによる取り扱いの困難性から、多数の袋ナットを鋳包むことができる鋳造品とすることが有利である。
ここで、請求項には記載されないが、この発明に関連する技術的事項を念のため記載しておく。
第1の技術的事項としては、請求項5記載の鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法において、前記鋳包み用袋ナットを鉄系材料とするとともに、前記砂型用模型に磁性体を埋設しておき、前記磁性体の吸引力により前記鋳包み用袋ナットを前記砂型用模型に対して装着することを特徴とする点にある。
この場合、砂型用模型に対して鋳包み用袋ナットを装着する作業が簡単となり、作業時間の短縮化を図ることができる。
この発明の実施形態に鋳包み用袋ナットの平面図と側面図並びに底面図である。 この実施形態の鋳造方法において注湯前迄の工程を示す説明図である。 この実施形態の鋳造方法において注湯から鋳造品に至る迄の工程を示す説明図である。 鋳包み用袋ナットの使用例と鋳包みナットの別例を示す断面図である。 従来の鋳包み用の袋ナットを用いた鋳造方法を示す説明図である。
符号の説明
10、30、40 袋ナット
11、31 袋ナット本体
12、32 延長筒部
13、33 挿入孔
13a 小径孔
13b 大径孔
14、34 テーパ面
15、35 係止溝
16、36 傾斜部
17、37 切り欠き
18 固定用ボルト
19 砂型用模型
20 凹部
22 砂型
45 消失模型

Claims (5)

  1. 鋳込材料に鋳包まれる袋ナット本体と、鋳型としての砂型に埋設される延長筒部とからなり、前記袋ナット本体と前記延長筒部との間に断面略V字状の切り欠きが設けられ、前記延長筒部を貫通して前記袋ナット本体に至る挿入孔が穿設される鋳包み用袋ナットであって、
    前記袋ナット本体の端部から前記延長筒部へ向かって末広がるテーパ面が前記袋ナット本体の外周面に形成されるとともに、前記鋳込材料に対する抜け止め手段が前記テーパ面に設けられ、
    前記袋ナット本体は前記砂型を形成する砂型用模型に対して前記テーパ面を介して着脱自在とすることを特徴とする鋳包み用袋ナット。
  2. 前記挿入孔が開口側の大径筒部と螺刻される底側の小径筒部とから構成される段付状とし、前記大径孔と前記小径孔との境界部は、前記袋ナット本体と延長筒部との間の切り欠きより僅かに袋ナット本体側に偏った位置に設定されていることを特徴とする請求項1記載の鋳包み用袋ナット。
  3. 前記延長筒部の外径は、前記袋ナット本体の切り欠き側の端面の外径よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の鋳包み用袋ナット。
  4. 前記鋳込材料に対する前記袋ナット本体の回り止め手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳包み用袋ナット。
  5. 鋳込材料に鋳包まれる筒状の袋ナット本体と、鋳型としての砂型に埋設される延長筒部とからなり、前記袋ナット本体と前記延長筒部との間に断面略V字状の切り欠きが設けられ、前記延長筒部を貫通して前記袋ナット本体に至る挿入孔が穿設される鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法であって、
    前記袋ナット本体の端部から前記延長筒部へ向かって末広がるテーパ面が前記袋ナット本体の外周面に形成されるとともに、前記鋳込材料に対して前記袋ナット本体を保持可能とする抜け止め手段が前記テーパ面に設けられ、前記ナット本体は、前記砂型を形成する砂型用模型に対して前記テーパ面を介して着脱自在とする鋳包み用袋ナットとし、
    前記鋳包み用袋ナットの挿入孔に固定用部材を挿入し、
    前記鋳包み用袋ナットを前記砂型用模型に対して装着し、
    前記砂型用模型に鋳物砂を充填して前記砂型を形成し、
    前記砂型用模型を前記砂型から取り外すとともに、前記固定用部材により前記延長筒部を前記砂型に支持し、
    前記砂型への鋳込材料の注湯により前記袋ナット本体の外周面が前記鋳込材料に鋳包まれることを特徴とする鋳包み用袋ナットを用いた鋳造方法。
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