以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、パチンコ機2の後面側下方に設置されているパチンコ玉回収装置5の斜視図であり、図2は、パチンコ玉回収装置5の分解斜視図であり、図3は、底面部材29を取り外した状態の玉受け部10の裏面側の斜視図であり、図4は、玉受け部10に底面部材29を取り付ける状態を示す側面図であり、図5は、パチンコ玉回収装置5に本体ベース50及びスライドベース60を取り付ける状態の分解斜視図であり、図6は、底面部材29が取り付けられた状態の玉受け部10の裏面側の斜視図であり、図7は、スライドベース60の裏面側の斜視図であり、図8は、玉受け部10とスライドベース60と本体ベース50を分解した状態の側面図であり、図9は、パチンコ玉回収装置5が基準位置にセットされた状態の側面図であり、図10は、玉受け部10及びスライドベース60を基準位置からパチンコ機2の前面側に移動させた状態の側面図であり、図11は、玉受け部10及びスライドベース60を基準位置からパチンコ機2の後面側に移動させた状態の側面図であり、図12は、取付台4にパチンコ玉回収装置5を取り付ける状態を示す斜視図であり、図13は、取付台4を分解した状態と組み立てた状態を示す側面図であり、図14は、パチンコ玉回収装置5をパチンコ機2の前面側及び後面側に移動させた状態の平面図であり、図15は、パチンコ玉回収装置5の平面図であり、図16は、図15のA−Aにおける断面図であり、図17は、図15のB−Bにおける断面図であり、図18は、パチンコ玉回収装置5の側面図であり、図19は、玉排出部11を示す平面図であり、図20は、玉受け部10の傾斜底面12上をパチンコ玉が転動する状態を示す平面図であり、図21は、玉受け部10の外周壁15と玉受け部10と連通した部分における玉排出部11との間に形成された角部21及び該角部21に形成された面取り部22を示す平面図であり、図22は、角部21に形成された面取り部22の別の実施形態を示す平面図であり、図23は、傾斜底面12に形成された誘導溝43を示す斜視図であり、図24は、伸縮カバー100の分解斜視図であり、図25は、第1カバー部材101の平面図,正面図及び側面図であり、図26は、第2カバー部材102の平面図,正面図及び縦断面図であり、図27は、第3カバー部材103の平面図及び縦断面図であり、図28は、伸縮カバー100を伸縮させた状態の側面図であり、図29は、傾斜底面12に形成された誘導水平面44を示す斜視図であり、図30は、パチンコ玉回収装置5の他の実施形態の平面図である。なお、以下の説明において、パチンコ機1の前面側を前面側、パチンコ機1の後面側を後面側として説明する。
パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機2を背向列設するようになっているものであるが、図1においては、その一部のみを図示している。図1に示すように、パチンコ島台1に設置されたパチンコ機2の後面側下方の位置には、パチンコ機2で使用されてアウト玉排出口3から排出されたパチンコ玉を受け入れ、この受け入れたパチンコ玉をパチンコ島台1内のアウト玉回収樋6(図14参照)に送るためのパチンコ玉回収装置5が設置されている。このパチンコ玉回収装置5は、後述する取付台4によってパチンコ島台1に取り付けられている。なお、パチンコ機2の後面側から排出されるパチンコ玉、即ち、アウト玉排出口3から排出されるパチンコ玉のことを、通称、「アウト玉」という。
次に、本発明の要部を構成するパチンコ玉回収装置5について図を参照して説明する。パチンコ玉回収装置5は、図2に示すように、主として、パチンコ島台1に設置されたパチンコ機の後面側から排出されたパチンコ玉を受け入れる円筒形状の玉受け部10と、この玉受け部10で受け入れたパチンコ玉を一列で転動させてパチンコ島台1内の所定の回収樋であるアウト玉回収樋6へ排出する玉排出部11とから構成されている。この玉受け部10と玉排出部11とは、玉受け部10で受け入れたパチンコ玉が玉排出部11へ誘導されるように、玉排出部11の上流側の所定の長さに亘って連通している。具体的には、図15で示すように、ほぼLに示す長さの範囲で、樋状に形成された玉排出部11の左側辺70と連通し、一方、玉排出部11の右側辺71は玉受け部10の外周壁15と内接しているものであり、玉排出部11の上流側と玉受け部10が所定区間、内接させて配置し、一体となって、玉受け部10だけの形状で見れば、平面視でほぼ円形状に形成されている。また、図2の破線で示すように、玉受け部10と一体に形成されている玉排出部11の上流側は、玉受け部10の底部を構成する傾斜底面12よりも低い位置に形成されているため、傾斜底面12から玉排出部11に向けてパチンコ玉が落下するようになっている。
ここで、玉受け部10について、図2を参照して説明すると、玉受け部10は、上記したように円筒形状に形成されると共に、その底部が傾斜底面12として形成されている。この傾斜底面12の表面には、玉受け部10で受け入れたパチンコ玉が大きく弾んで玉受け部10の外へ飛び出さないように、低反発性部材47が貼付されている。なお、この低反発性部材47は、傾斜底面12の後述する最下部13から上流の所定の範囲に亘って切り欠かれており、この切り欠かれた範囲がパチンコ玉を玉排出部11の最上流部に向けて誘導する誘導溝43として形成されている。この誘導溝23については、後に詳述する。また、玉受け部10の外周は、外周壁15によって形成されており、上記した玉排出部11の上流側が所定区間に亘って、図15に示すように、この外周壁15に内接して配置されている。このように、玉排出部11の上流側の所定区間が外周壁15に内接して配置されているため、玉排出部11の上流側の一部が玉受け部10と一体的に構成され、玉受け部10を全体として円筒形状に形成することができる。
これにより、玉受け部10と玉排出部11が一体となっていながら、玉受け部10をその中心を回転軸として回転させた場合であってもパチンコ玉を受け止める範囲が変化しない、という円筒型のパチンコ玉回収装置5の特徴を活かすことができると共にパチンコ玉回収装置5の意匠性も高めることができる。
また、外周壁15は、その一部が切り欠かれて玉排出部11の下流側を外側へ突出させるための連通口48として形成されており、この連通口48は、玉排出部11の後述する底面部17が挿通するものである。また、外周壁15の上端部近傍には、後述する伸縮カバー100を取り付けるための取付突起16が対面する2箇所に突設されている。
ところで、上記した傾斜底面12は、玉排出部11の上流側に向けて下り傾斜して形成されるものであるが、その下流端である最下部13は、図15及び図17に示すように、玉排出部11の上流端部46から下流のパチンコ玉1個分の範囲内となるように位置している。
これにより、玉受け部10で受け止められたパチンコ玉が玉排出部11に誘導される際、玉受け部10内のパチンコ玉量が少量のときには図20(A)に示すように、パチンコ玉が玉排出部11の上流側に向けて転動した後、玉排出部11の上流側から下流側に向けて一列に整列されながら玉排出部11内を下流側に向けてスムーズに転動していく。一方、玉受け部10内のパチンコ玉量が多量のときには図20(B)に示すように、玉排出部11側の傾斜底面12上のパチンコ玉が、既に玉排出部11を転動しているパチンコ玉の上方から覆いかぶさるように玉排出部11に誘導され、玉排出部11内のパチンコ玉と共に一列に整列されながら玉排出部11の下流側に向けてスムーズに転動していく。以上のことより、玉受け部10で受け止めたパチンコ玉が、たとえ、多量であったとしても、玉受け部10からスムーズに玉排出部11へ誘導させると共に、玉排出部11からパチンコ玉をスムーズに所定の回収樋であるアウト玉回収樋6へ排出させることができる。
なお、玉受け部10の傾斜底面12の最下部13が、玉排出部11の上流端部46から下流のパチンコ玉1個分の範囲よりも下流側に位置している場合、例えば、図15のC−C線上に位置している場合には、C−C線上に位置している傾斜底面12の最下部13に向けて玉受け部10内のパチンコ玉が転動し、この最下部13にパチンコ玉が誘導された後に玉排出部11を転動していく。このように、最下部13に誘導されたパチンコ玉はそのまま玉排出部11を転動していくが、このとき、玉排出部11内のC−C線よりも上流側に誘導されたパチンコ玉は、最下部13に誘導されて玉排出部11を転動していくパチンコ玉に流れを阻止され、玉排出部11内のC−C線よりも上流側で停滞する。そして、この停滞したパチンコ玉に後続のパチンコ玉が流れを遮られて、更に停滞するパチンコ玉が増加し、最終的に玉排出部11へ誘導されるパチンコ玉全体の流れが停滞し、玉受け部10内で玉詰まりを起こしてしまう。
また、玉受け部10の裏面側には、図2及び図6に示すように、後述するスライドベース60を玉受け部10に取り付けるための底面部材29が取り付けられている。この底面部材29は、玉受け部10の裏面側の形状と一致するように、ほぼ円盤形状に形成されるものであり、その上面中央には、玉受け部10の後述する取付部25(図3参照)に挿入される取付挿入部30が突設されている。この取付挿入部30の外周面には、玉受け部10の後述する係合片26(図3参照)と係合する係合凹凸部31が形成されている。また、底面部材29の中央には、底面部材29を玉受け部10に取り付けるための取付部材33が挿入される挿入穴32が穿設されている。
また、玉受け部10の裏面側には、上記したように取付部25が形成されており、この取付部25は、図3に示すように、傾斜底面12のほぼ中央に円筒形状で突設されるものであり、その内面側の端部近傍には上記した係合片26が対面する位置で2箇所突設されている。また、取付部25の内側であって傾斜底面12のほぼ中央には、玉受け部10に底面部材29を取り付けるための取付ネジ穴28が穿設された取付ボス27が突設されている。
しかして、図2に示すように、底面部材29を玉受け部10の裏面側に取り付けるには、取付部材33に突設された取付凸部34を底面部材29の挿入穴32に挿入した状態で、底面部材29を玉受け部10の裏面に当接させる。このとき、取付凸部34に穿設されたボス挿入穴35に取付ボス27が挿入される。そして、取付部材33の下方からボス挿入穴35に挿入した取付ネジ36を、取付ボス27の取付ネジ穴28に螺着することにより、図4に示すように、底面部材29が玉受け部10の裏面側に取り付けられる。これにより、底面部材29が玉受け部10に対して回転可能に取り付けられるが、このとき、係合凹凸部31の凹部に係合片26が係合するため、底面部材29が玉受け部10に対して固定される。しかし、取付部25の壁面は外側に向けてたわむため、底面部材29を玉受け部10に対して回転させたときは、係合片26が係合凹凸部31の凸部に乗り上がる。従って、底面部材29は、係合凹凸部31の凹部と係合片26が噛み合う位置で固定されながらも玉受け部10に対して回転させることができる。なお、取付部材33下部の円板の上面に形成された、底面部材29の裏面側と当接する複数の略半球状の凸部は、取付部材33と底面部材29が摺動する際に生じる摩擦を低減するために設けられている。
次に、玉排出部11について説明すると、図2において、玉排出部11は、上記したように、上流側の所定区間は、玉受け部10と内接し一体的に形成されるものであり、また、所定区間外の下流側では、側面が側壁20として形成されると共に、その底部が底面部17として形成され、この底面部17の下流端には、パチンコ玉を略垂直に落下させるためのパチンコ玉落下口57(図18参照)が形成されている。また、底面部17は、図18及び図19に示すように、下流側の所定の区間が勾配の緩やかな緩勾配区間19として形成されると共に、この緩勾配区間19以外の区間が緩勾配区間19よりも勾配が急な急勾配区間18として形成されている。
このため、玉排出部11の下流側で玉詰まりが起こしている場合には、玉排出部11の急勾配区間18を速い速度で流下するパチンコ玉が玉詰まりを起こしているパチンコ玉に衝突することによる衝撃と振動によって玉詰まりを解消することができる。このように、玉排出部11の下流側、より詳細には、後述する玉計数器39での玉詰まりを起こしている場合には、この玉詰まりによってパチンコ玉が緩勾配区間19に停滞することになるため、即ち、実質、緩勾配区間19がないのも同然となり、急勾配区間18を流下するパチンコ玉の速度があまり減速されることなく、玉詰まりをしているパチンコ玉に衝突して玉詰まりを解消し易くなる。一方、玉排出部11の下流側で玉詰まりを起こしていない場合には、緩勾配区間19にパチンコ玉が存在していないため、急勾配区間18を流下してきたパチンコ玉は、緩勾配区間19によってその流下速度が減速され、玉排出部11からパチンコ玉を直下させる箇所でパチンコ玉が不規則に跳ね上がる等の現象が起きることがなく、パチンコ玉を玉排出部11からスムーズに排出することができる。
なお、本実施形態においては、緩勾配区間19は、パチンコ玉落下口57の中心から上流側に向けてパチンコ玉の直径の5〜6倍(図18のPで示す)の長さで形成されている。これにより、玉排出部11の下流側での玉詰まりを起こしている場合に、緩勾配区間19に約5〜6個までのパチンコ玉が停滞して緩勾配区間19が適度な距離に短くなるため、急勾配区間18を流下してきたパチンコ玉の流下速度を減速させることなく、停滞しているパチンコ玉に適切な衝撃力で衝突させることができる。一方、玉排出部11の下流側での玉詰まりを起こしていない場合には、急勾配区間18を流下してきたパチンコ玉の速度を十分に減速させることができるため、玉排出部11からパチンコ玉を直下させる箇所でパチンコ玉が不規則に跳ね上がる等の現象が起きることなく、パチンコ玉を玉排出部11からスムーズに排出することができる。
また、底面部17の上流端部46と玉受け部10の傾斜底面12との間には、段差14が形成されている。
このように、段差14が形成されているため、玉受け部10から玉排出部11へのパチンコ玉の誘導の際に、パチンコ玉が玉受け部10から玉排出部11へ落下することとなるため、よりスムーズにパチンコ玉を玉受け部10から玉排出部11へ誘導することができる。
また、上記したように、傾斜底面12の最下部13から上流の所定の範囲がパチンコ玉を玉排出部11の最上流部に向けて誘導する誘導溝43として形成されている。この誘導溝43が形成される所定の範囲とは、具体的には、図23に示すように、底面部17の上流端部46から傾斜底面12の外周に沿って低反発性部材47を切り欠くことにより形成された範囲である。この誘導溝43は、図15でも示すように、傾斜底面12の中心側に位置する外形線43aは曲線で構成されており、この外形線43aの曲率半径は傾斜底面12の半径(φ96)と同程度となっている。また、この外形線43aは、上流端部46の傾斜底面12中心側の端点と、上流端部46から傾斜底面12の円周方向で時計回りに約45度移動した位置での傾斜底面12の外周上の点と、を結ぶように形成されている。
このように、誘導溝43が形成されているため、玉排出部11の上流部に向けて玉受け部10の傾斜底面12を転動するパチンコ玉が、傾斜底面12の最下部13近傍では誘導溝43によって玉排出部11に誘導されるため、傾斜底面12の最下部13近傍で玉残りが発生することがない。このため、玉受け部10の傾斜底面12の最下部13近傍に残り玉を発生させることなく、玉受け部10で受け止めた多量のパチンコ玉をスムーズに玉排出部11へ誘導させると共に、玉排出部11からパチンコ玉をスムーズに排出することができる。
また、玉排出部11の下流側であって、上記した緩勾配区間19にほぼ対応する位置は、パチンコ玉回収装置5から排出されるパチンコ玉を検出する玉計数器39を取り付けるための部材取付部49として形成されている。この部材取付部49には、図2に示すように、玉計数器39が挿入された取付部材37が取付ネジ38によって取り付けられ、これにより、パチンコ玉回収装置5に玉計数器39が取り付けられることとなる。なお、玉計数器39の後面側には、パチンコ玉落下口57に対応し、パチンコ玉が通過する玉通過穴40が形成されている。
次に、上記したパチンコ玉回収装置5をパチンコ機2に対して前後方向にスライド移動させるための前後スライド機構と、パチンコ機2に対して左右方向にスライド移動させるための左右スライド機構と、について説明する。即ち、本実施形態に係るパチンコ玉回収装置5には、パチンコ機2の左右方向に略平行に設置される取付部4と、パチンコ玉回収装置5を取付部4に取り付けるための本体ベース50と、この本体ベース50に対してパチンコ玉回収装置5を前後方向にスライド移動させる前後スライド機構と、取付部4に対してパチンコ玉回収装置5が取り付けられた本体ベース50を左右方向にスライド移動させる左右スライド機構と、が備えられている。
しかして、前後スライド機構は、主に、本体ベース50の上部に形成された後述する第1スライド部51a,51bと、玉受け部10の底面部材29に形成された後述する第2スライド部42と、後述するスライドベース60に形成され第1スライド部51a,51bと第2スライド部42の両方が係合するスライドガイド部61と、から構成され、以下に、詳細を説明する。なお、左右スライド機構に関しては、前後スライド機構の説明の後で説明を行う。
まず、本体ベース50は、図5に示すように、縦断面視がほぼコ字状に形成され、その上面側の長手方向(左右方向)ほぼ中央には、スライドベース60が設置されるスライドベース設置部58が形成されると共に、内側面上部には後述する摺動ガイド板82の摺動凸部83上を摺動する摺動突起54が長手方向に亘って2箇所突設されている。また、上面の長手方向の両側方には、本体ベース50を後述する取付ベース80に取り付けて位置決めするための位置決め穴55が穿設されている。
上記したスライドベース設置部58の両側方には、スライドベース60のスライドガイド部61に係合する第1スライド部51a,51bが突設されている。この第1スライド部51a,51bは、下方から上方にかけて徐々にその突出寸法が大きくなる断面三角形状に形成されるものであり、前面側に位置するものが第1スライド部51aで、後面側に位置するものが第1スライド部51bである。
また、スライドベース設置部58の下面には、スライドベース60の裏面側に形成された後述する第2係合突起65(図7参照)が係合する第2係合溝52が二列に亘って形成されている。この第2係合溝52は、スライド方向(前後方向)で凹凸形状に形成されるものであり、その凹部53に第2係合突起65が係合するようになっている。なお、この第2係合突起65及び第2係合溝52によって、本体ベース50とスライドベース60とで奏する前後方向へのスライド移動をスライド移動した位置で保持するスライドベース保持機能が達成される。
次に、スライドベース60は、図5に示すように、ほぼ長方形で平板状に形成されるものであり、その前面側に位置する端部には、後述する着脱規制部材66を取り付けるための部材取付部68が形成されている。また、スライドベース60の両側面には、第1スライド部51a,51bと第2スライド部42が係合するスライドガイド部61が形成されている。このスライドガイド部61は、中心に向けて徐々にその深さが深くなる断面V字形状に形成されるものである。
このスライドガイド部61の端部は、前面側及び後面側共に、スライドベース60の端部から間隔をおいた位置に形成されている。そして、スライドガイド部61の後面側の端部は第1スライド部51bと第2スライド部42が当接し、後方向のスライド移動の限界を規制する移動規制部64aとして形成し、また、部材取付部68に着脱規制部材66を取り付けたときに、着脱規制部材66の後面側端部が、移動規制部64aと同様に第1スライド部51aと第2スライド部42が当接し、前方向のスライド移動の限界を規制する移動規制部64bとして機能することとなる。
また、スライドベース60の上面中央の後面側には、底面部材29の裏面側に形成された後述する第1係合突起41(図6参照)が係合する第1係合溝62が形成されている。この第1係合溝62は、スライド方向で凹凸形状に形成されるものであり、その凹部63に第1係合突起41が係合するようになっている。なお、この第1係合突起41及び第1係合溝62によって、玉受け部10とスライドベース60とで奏する前後方向へのスライド移動をスライド移動した位置で保持する玉受け部保持機構が達成される。
しかして、スライドベース60の裏面側には、図7に示すように、前述した第2係合溝52の凹部53に係合する第2係合突起65が突設されている。この第2係合突起65は、根元部分がたわむことにより、上下動するようになっている。
次に、玉受け部10に取り付けられる底面部材29は、図6に示すように、その裏面側のほぼ中央に前後方向に亘って、スライドベース60が設置されるスライドベース設置部69が形成されている。このスライドベース設置部69の後面側の両側方には、スライドベース60のスライドガイド部61に係合する第2スライド部42が突設されている。この第2スライド部42は、下方から上方にかけて徐々にその突出寸法が大きくなる断面三角形状に形成されるものである。また、スライドベース設置部69の後面側端部には、前述した第1係合溝62の凹部63に係合する第1係合突起41が突設されている。
しかして、玉受け部10,本体ベース50及びスライドベース60を組み立てるには、図5及び図8に示すように、まず、スライドベース60を本体ベース50のスライドベース設置部58の後面側から挿入するように設置することにより、スライドベース60のスライドガイド部61に第1スライド部51a,51bを係合させる。次に、同じくスライドベース60を底面部材29のスライドベース設置部69の後面側から挿入するように設置することにより、スライドベース60のスライドガイド部61に第2スライド部42を係合させる。そして、この状態でスライドベース60の部材取付部68に、取付ネジ67によって着脱規制部材66を取り付けることにより、図1及び図9に示すように、本体ベース50及びスライドベース60がパチンコ玉回収装置5(玉受け部10)に組み付けられる。なお、図9は、玉受け部10,本体ベース50及びスライドベース60のそれぞれのスライド方向における中心を一致させた基準位置を示している。
上記のようにして組み立てられたパチンコ玉回収装置5の前後スライド機構は、図10(A)に示すように、スライドガイド部61を第1スライド部51a,51bに沿って摺動させることにより、上記した基準位置から前面側に向けて本体ベース50上を第1スライド部51bと移動規制部64aが当接するまでスライドベース60をスライド移動する。また、図10(B)に示すように、第2スライド部42をスライドガイド部61に沿って摺動させることにより、基準位置から前面側に向けてスライドベース60上を第2スライド部42と移動規制部64bが当接するまでパチンコ玉回収装置5をスライド移動する。
即ち、玉受け部10が本体ベース50に対し、前面側に向けて2段階でスライド移動するため、たとえ、前後スライド機構の前後方向の寸法を小さく抑えても、玉受け部10を前面側に向けて十分に移動させることができる。また、前後スライド機構の前後方向の寸法を抑えることにより、前後スライド機構が玉受け部10の裏面側に上方から見て隠れやすくなるため、前後スライド機構を備えたパチンコ玉回収装置5の全体を見たときに、円筒状の玉受け部10という優れた意匠性を損なうことがない。
つまり、意匠性を損なうことなく、玉受け部10を所望の位置に移動させることができる前後スライド機構をパチンコ玉回収装置1に設けることが可能となる。
なお、上記のようにスライドベース60が前面側に向けて本体ベース50上をスライド移動すると、第1スライド部51bの後面側の端部が移動規制部64a(図9〜図11において、bの位置で示す)に当接するため、スライドベース60がこの位置よりも前面側に移動することがない。また、上記のように玉受け部10が前面側に向けてスライドベース60上をスライド移動すると、第2スライド部42の前面側の端部が移動規制部64b(図9〜図11において、aの位置で示す)に当接するため、玉受け部10がこの位置よりも前面側に移動することがない。
また、スライドベース60は、図11に示すように、スライドガイド部61を第1スライド部51a,51bに沿って摺動させることにより、基準位置から後面側に向けて本体ベース50上をスライド移動する。このとき、第1スライド部51aの前面側の端部が移動規制部64bに当接すると共に、第2スライド部42の前面側の端部が移動規制部64aに当接しているため、スライドベース60及び玉受け部10がこの位置よりも後面側に移動することがない。
これにより、図14に示すように、玉受け部10が本体ベース50に対し、後面側に向けてスライド移動するため、例えば、パチンコ機2を新台に入れ替えるとき等に、玉受け部10が干渉して入替作業に支障を来たすようなことがない。また、後面側に向けてのスライド移動は、パチンコ機2の前面側に向けてのスライド移動と異なり1段階でのスライド移動であるため、図14に示すように、必要以上の距離に亘ってスライド移動することがなく、対面側に設置されたパチンコ玉回収装置5の玉受け部10と干渉することを防止できる。
また、上記のように、スライドベース60が本体ベース50上をスライド移動する際、第2係合突起65が第2係合溝52の凹凸に沿って上下動しながら移動する。そして、第2係合溝52に形成される凹部53に第2係合突起65が係合することにより、スライドベース60が所定の位置、即ち、凹部53に第2係合突起65が係合した位置で保持される。同様に、玉受け部10がスライドベース60上をスライド移動する際、第1係合突起41が第1係合溝62の凹凸に沿って上下動しながら移動する。そして、第1係合溝62に形成される凹部63に第1係合突起41が係合することにより、玉受け部10が所定の位置、即ち、凹部63に第1係合突起41が係合した位置で保持される。これにより、玉受け部10が本体ベース50に対して保持されるため、玉受け部10を所望の位置に移動させた状態で固定することができる。
上記したように、パチンコ玉回収装置5は、前後スライド機構によってパチンコ機2の前後方向で移動可能に構成されているが、左右スライド機構によってパチンコ島台1に備えられた取付台4に対して、パチンコ機2の左右方向にも移動することができる。そこで、次に、この左右スライド機構の構成について説明する。
しかして、左右スライド機構は、主に、側面視及び縦断面視が略コの字状に形成され上方にパチンコ玉回収装置5が設置される本体ベース50と、この本体ベース50の略コの字状の形状に嵌合し、本体ベース50が上面部を摺動する取付部4の上面部を覆うほぼ平板状の摺動ガイド板82と、から構成され、以下に、詳細を説明する。
取付台4は、図1で示すように、パチンコ機2の左右方向で長尺な箱形状に形成されるものであり、図12に示すように、主として、パチンコ島台1に直接取り付けられる取付ベース80と、その上面部をパチンコ玉回収装置5が移動する摺動ガイド板82と、から構成されている。
取付ベース80は、上方が開口した箱形状に形成されており、その内部には、後述する固定部材90が摺動する摺動溝81が長手方向に亘って形成されている。また、摺動ガイド板82は、ほぼ平板状に形成されるものであり、その中央には、後述する位置決めネジ56が挿通される挿通溝84が長手方向に亘って形成されると共に、この挿通溝84の両側方であって摺動ガイド板82の上面には、パチンコ玉回収装置5を備えた本体ベース50を当接させたときに、本体ベース50内側の摺動突起54が当接する摺動凸部83が長手方向に亘って形成されている。
また、上記したように、取付ベース80の摺動溝81内を固定部材90が摺動できるようになっているが、この固定部材90は、六角柱形状に形成されるものであり、その軸中心に位置決めネジ56が螺着する固定ネジ穴91が穿設されると共に、その側壁が摺動溝81の側壁と当接する摺動面92として形成されている。
しかして、取付台4を組み立てると共にパチンコ玉回収装置5を取り付けるには、取付ベース80の摺動溝81に固定部材90を挿入した後、摺動ガイド板82を取付ネジ86によって取付ベース80に取り付ける。そして、本体ベース50の位置決め穴55及び摺動ガイド板82の挿通溝84に挿通した位置決めネジ56を固定部材90の固定ネジ穴91に螺着する。これにより、図13に示すように、取付台4が組み立てられると共に、本体ベース50が取付台4に取り付けられる。このとき、固定ネジ穴91を時計回りに回転させることにより固定部材90が上方に移動し、図13(B)で示すように、固定部材90の上面が摺動ガイド板82の下面と当接することとなる。このように、位置決めネジ56を締め付けることにより、固定部材90と本体ベース50とで摺動ガイド板82が挟持されるため、本体ベース50、即ち、パチンコ玉回収装置5が取付台4に対して固定されることとなる。なお、取付台4は、固定ネジ85によってパチンコ島台1に対して取り付けられる。
上記のようにして組み立てられたパチンコ玉回収装置5の左右スライド機構は、パチンコ玉回収装置5の位置を左右方向に移動させる場合には、位置決めネジ56を弛めて摺動ガイド板82の挟持を解除する。摺動ガイド板82の挟持を解除することにより、パチンコ玉回収装置5が備えられた本体ベース50が移動可能になるため、パチンコ玉回収装置5を所望の位置に移動させ、再び位置決めネジ56を締め付けることにより、パチンコ玉回収装置5を任意の位置で固定することができる。
以上、パチンコ玉回収装置5の前後及び左右スライド機構の構成等について説明したが、次に、パチンコ玉回収装置5の玉受け部10内におけるパチンコ玉の玉詰まりを防止するために設けた面取り部22について説明する。
パチンコ玉回収装置5の玉受け部10内におけるパチンコ玉の動きについては、前述したように、玉受け部10内のパチンコ玉量が少量のときには図20(A)に示すように、傾斜底面12の落下位置で受け止めたパチンコ玉がその落下位置から弾け拡がるように複数方向に分かれて、パチンコ玉が玉排出部11の上流側に向けて転動した後、玉排出部11によって一列に整列されながら玉排出部11内を転動していき、一方、玉受け部10内のパチンコ玉量が多量のときには図20(B)に示すように、玉排出部11側の傾斜底面12上のパチンコ玉が、既に玉排出部11を転動しているパチンコ玉の上方から覆いかぶさるように玉排出部11に誘導され、玉排出部11内のパチンコ玉と共に一列に整列されながら玉排出部11を転動していく。
しかし、玉受け部10をその中心を回転軸として回転させることにより、傾斜底面12へのパチンコ玉の落下位置を変化させた際に、玉受け部10の外周を構成する外周壁15と玉排出部11の側面を構成する側壁20との連結部分の内側面に形成される角部21近傍に向けてのパチンコ玉の流れが極端に多くなる場合がある。その様な場合、本出願人による実験では、角部21近傍、より詳しくは、角部21下方に位置する玉排出部11で玉詰まりを起こすことがある。そこで、本実施形態に係るパチンコ玉回収装置5においては、この玉詰まりを防止するため、角部21に、角部21近傍の玉受け部10内のパチンコ玉を積極的に玉排出部11へ誘導する面取り部22が形成されている。
具体的には、図21に示すように、面取り部22と外周壁15内面との交点23を通る外周壁15内面上の接線bと、面取り部22の延長線aと、がなす面取り部22表面側の角度Bを90°以下に設定している。また、面取り部22と側壁20内面との交点24を通る側壁20内面上の接線cと、面取り部22の延長線aと、がなす面取り部22表面側の角度Aを90°以下に設定している。このように構成されているため、外周壁15に沿って転動するパチンコ玉が面取り部22によって90°以下の角度で転動方向を転換して玉排出部11へ誘導するようになっている。
これにより、たとえ、玉受け部10へのパチンコ玉の落下位置を変更し、角部21へ向かうパチンコ玉が増加したとしても、外周壁15に沿って転動するパチンコ玉が面取り部22によって90°以下の角度で転動方向を転換して玉排出部11へ誘導されるため、玉排出部11へ向けて誘導されるパチンコ玉による力と、玉排出部11から排出されるパチンコ玉による力とが釣り合ってパチンコ玉が移動しなくなるということがない。以上のことより、たとえ、玉受け部10へのパチンコ玉の落下位置を変更したとしても、玉詰まりを発生させることなく、玉受け部10で受け止めた多量のパチンコ玉をスムーズに玉排出部11へ誘導させると共に、玉排出部11からパチンコ玉を所定の回収樋であるアウト玉回収樋6へスムーズに排出させることができる。
なお、上記した実施形態に係る面取り部22は、角部21の先端をわずかに平坦形状としているが、このようなものに限らず、図22に示すように、外周壁15と側壁20との間に壁部59を設け、面取り部22を長く形成したものであってもよい。
以上、玉詰まりを防止するための面取り部22について説明したが、次に、パチンコ玉回収装置5の玉受け部10に取り付けられ、対応するパチンコ機1から排出されるアウト玉以外のパチンコ玉が玉受け部10に入ることを防止するための伸縮カバー100について説明する。
この伸縮カバー100は、図28に示すように、玉受け部10の円筒形状の外周壁15の外周に玉受け部10と同心円状に設けられるものである。そして、図24に示す径の異なる複数の円筒形状の部材である第1カバー部材101,第2カバー部材102,第3カバー部材103を、図28に示すように、同心円状に重ねることにより構成されると共にその中心軸方向に段階的に伸縮するものである。そこで、上記した伸縮カバー100を構成する第1カバー部材101,第2カバー部材102,第3カバー部材103のそれぞれについて説明する。
第1カバー部材101は、図25に示すように、円筒形状に形成される第1カバー本体104によって構成され、この第1カバー本体104の上部には、外周方向に向けて第1カバーフランジ105が突設されている。また、第1カバー本体104の対面する両側面には、第1カバー部材101を玉受け部10に取り付けるための第1カバー取付部106が形成されている。また、第1カバー取付部106と円周方向で90度ずれた位置には、第1カバー部材101に対して第2カバー部材102を取り付けるための第2カバー取付部110が対面する両側面に形成されている。
上記した第1カバー取付部106は、カバー本体104の下端部をほぼL字形状に切り欠くことにより形成されるものである。この第1カバー取付部106には、カバー本体104の下端から上方に向けて、玉受け部10の取付突起16が挿入される突起挿入部107が形成されると共に、この突起挿入部107の上端から横方向に向けて、取付突起16が嵌め込まれる突起嵌入部108が形成されている。そして、突起嵌入部108の下部には、取付突起16の下面に突設された位置決め突起(図示しない)が嵌入する第1カバー位置決め凹部109が形成されている。
また、上記した第2カバー取付部110は、第1カバー本体104の側面をほぼコ字形状に溝を彫ることにより形成されるものであり、第1カバー取付部106と異なり、貫通することなく底面が形成されるものである。この第2カバー取付部110には、第1カバー本体104の下端から上方に向けて、第2カバー部材102の後述する第2突起123が挿入される第2突起挿入溝111が形成されると共に、この第2突起挿入溝111の上端から横方向に向けて、第2突起123が嵌め込まれる第2突起下部嵌入部112が形成されている。そして、第2突起下部嵌入部112の下部には、第2突起123の下面に形成された後述する第2カバー位置決め凹部124に嵌入する第2カバー下部位置決め凸部113が突設されている。
また、上記した第2突起下部嵌入部112のほぼ中間位置から上方に向けて、第2突起123が移動する第2上下移動溝114が形成されると共に、この第2上下移動溝114の上端から横方向に向けて、第2突起123が嵌め込まれる第2突起上部嵌入部115が形成されている。そして、第2突起上部嵌入部115の下部には、第2突起123の下面に形成された第2カバー位置決め凹部124に嵌入する第2カバー上部位置決め凸部116が突設されている。
次に、第2カバー部材102は、図26に示すように、円筒形状に形成される第2カバー本体120によって構成され、この第2カバー本体120の上部には、外周方向に向けて第2カバー上部フランジ121が突設されると共に、下部には内周方向に向けて第2カバー下部フランジ122が突設されている。また、第2カバー下部フランジ122の対面する2箇所には、上記した第2カバー取付部110に嵌入される第2突起123が内周方向に向けて突設されている。この第2突起123の下面には、上記した第2カバー下部位置決め凸部113が嵌入される第2カバー位置決め凹部124が形成されている。また、第2突起123と円周方向で90度ずれた位置には、第2カバー部材102に対して第3カバー部材103を取り付けるための第3カバー取付部125が対面する両側面に形成されている。
上記した第3カバー取付部125は、第2カバー本体120の側面をほぼコ字形状に溝を彫ることにより形成されるものである。この第3カバー取付部125には、第2カバー本体120の下端から上方に向けて、第3カバー部材103の後述する第3突起143が挿入される第3突起挿入溝126が形成されると共に、この第3突起挿入溝126の上端から横方向に向けて、第3突起143が嵌め込まれる第3突起下部嵌入部127が形成されている。そして、第3突起下部嵌入部127の下部には、第3突起143の下面に形成された後述する第3カバー位置決め凹部144に嵌入する第3カバー下部位置決め凸部128が突設されている。
また、上記した第3突起下部嵌入部127のほぼ中間位置から上方に向けて、第3突起143が移動する第3上下移動溝129が形成されると共に、この第3上下移動溝129の上端から横方向に向けて、第3突起143が嵌め込まれる第3突起上部嵌入部130が形成されている。そして、第3突起上部嵌入部130の下部には、第3突起143の下面に形成された第3カバー位置決め凹部144に嵌入する第3カバー上部位置決め凸部131が突設されている。
次に、第3カバー部材103は、図27に示すように、円筒形状に形成される第3カバー本体140によって構成され、この第3カバー本体140の上部には、外周方向に向けて第3カバー上部フランジ141が突設されると共に、下部には内周方向に向けて第3カバー下部フランジ142が突設されている。また、第3カバー下部フランジ142の対面する2箇所には、上記した第3カバー取付部125に嵌入される第3突起143が内周方向に向けて突設されている。この第3突起143の下面には、上記した第3カバー下部位置決め凸部128が嵌入される第3カバー位置決め凹部144が形成されている。
しかして、伸縮カバー100を組み立てるには、まず、第1カバー部材101を第2カバー部材102の上方からその内側に挿入する。このとき、第2カバー部材102の第2突起123が第1カバー部材101の第2突起挿入溝111に挿入されるように、第1カバー部材101の位置を合わせる。第2突起123を第2突起挿入溝111に挿入した後、第1カバー部材101を時計方向に回転させることにより、第2突起123が第2突起下部嵌入部112に嵌入されると共に、第2カバー位置決め凹部124が第2カバー下部位置決め凸部113に嵌入され、第1カバー部材101が第2カバー部材102に対して固定される。
次に、上記した第1カバー部材101が固定された第2カバー部材102を第3カバー部材103の上方からその内側に挿入する。このとき、第3カバー部材103の第3突起143が第2カバー部材102の第3突起挿入溝126に挿入されるように、第2カバー部材102の位置を合わせる。第3突起143を第3突起挿入溝126に挿入した後、第2カバー部材102を時計方向に回転させることにより、第3突起143が第3突起下部嵌入部127に嵌入されると共に、第3カバー位置決め凹部144に第3カバー下部位置決め凸部128が嵌入され、第2カバー部材102が第3カバー部材103に対して固定される。
そして、第1カバー部材101を玉受け部10の外周壁15の外周に配置することにより、伸縮カバー100をパチンコ玉回収装置5に取り付ける。このとき、玉受け部10の取付突起16が第1カバー部材101の突起挿入部107に挿入されるように、第1カバー部材101の位置を合わせる。取付突起16を突起挿入部107に挿入した後、第1カバー部材101を時計方向に回転させることにより、取付突起16が突起挿入部108に嵌入されると共に、第1カバー位置決め凹部109に取付突起16の下面に突設された位置決め突起が嵌入され、第1カバー部材101が玉受け部10に対して固定される。即ち、伸縮カバー100がパチンコ玉回収装置5に対して固定されることとなる。以上により、図28(A)に示すように、伸縮カバー100が縦方向で縮められた状態でパチンコ玉回収装置5に取り付けられる。
上記したような、伸縮カバー100が縦方向で縮められた状態から、図28(B)に示すような縦方向で伸ばした状態にするには、まず、第3カバー部材103を時計方向に回転させ、第3突起143を第2カバー部材102の第3上下移動溝129の位置まで移動させる。第3突起143を第3上下移動溝129の位置まで移動させた後、第3カバー部材103を上方に移動させる。このとき、第3突起143が第3上下移動溝129内を移動する。そして、このまま第3カバー部材103を上方に移動させると、第3カバー下部フランジ142の上面が第2カバー上部フランジ121の下面に当接するため、この位置から第3カバー部材103を上方に移動させることができなくなる。この状態から第3カバー部材103を反時計方向に回転させることにより、第3突起143が第3突起上部嵌入部130に嵌入されると共に、第3カバー位置決め凹部144に第3カバー上部位置決め凸部131が嵌入され、第3カバー部材103が第2カバー部材102の上方の位置で固定される。
次に、第2カバー部材102を時計方向に回転させ、第2突起123を第1カバー部材101の第2上下移動溝114の位置まで移動させる。第2突起123を第2上下移動溝114の位置まで移動させた後、第2カバー部材102を上方に移動させる。このとき、第2突起123が第2上下移動溝114内を移動する。そして、このまま第2カバー部材102を上方に移動させると、第2カバー下部フランジ122の上面が第1カバーフランジ105の下面に当接するため、この位置から第2カバー部材102を上方に移動させることができなくなる。この状態から第2カバー部材102を反時計方向に回転させることにより、第2突起123が第2突起上部嵌入部115に嵌入されると共に、第2カバー位置決め凹部124に第2カバー上部位置決め凸部116が嵌入され、第2カバー部材102が第1カバー部材101の上方の位置で固定される。以上により、図28(B)に示すように、伸縮カバー100が縦方向で伸ばされた状態となる。
上記したように、玉受け部10の円筒形状の外周壁15の外周には、中心軸方向に段階的に伸縮する伸縮カバー100が、玉受け部10と同心円状に設けられているため、パチンコ玉回収装置5を取り付けた状態によって、玉受け部10とパチンコ機1の裏面にあるアウト玉排出口3との間に間隔が生じる場合であっても、伸縮カバー100をアウト玉排出口3に向けて伸ばして間隔を狭めることにより、アウト玉排出口3から排出されるアウト玉を玉受け部10で確実に受け止めることができると共に、アウト玉以外の玉が玉受け部10に飛び込むことを防止することができる。
なお、上記した実施形態においては、図23に示すように、傾斜底面12の最下部13から上流の所定の範囲内の位置に、玉排出部11の最上流部に向けてパチンコ玉を誘導する誘導溝43を形成したものを示したが、これに限らず、図29に示すように、傾斜底面12の最下部13から上流の所定の範囲内の位置、即ち、上記した誘導溝43が形成される位置に、玉排出部11の最上流部に向けてパチンコ玉を誘導する水平面状の誘導水平面44を形成したものであってもよい。
これにより、玉排出部11の上流部に向けて玉受け部10の傾斜底面12を転動するパチンコ玉が、玉受け部10の外周壁15と当接して玉排出部11に誘導され難くなることを防止できる。このため、玉受け部10の傾斜底面12の最下部13近傍に残り玉を発生させることなく、玉受け部10で受け止めた多量のパチンコ玉をスムーズに玉排出部11へ誘導させると共に、玉排出部11からパチンコ玉をスムーズに排出することができる。
また、上記した実施形態においては、図15に示すように、玉排出部11の上流側の所定区間を、玉受け部10の外周を構成する外周壁15に内接させて配置したものを示したが、これに限らず、図30に示すように、玉排出部11の上流側の所定区間を傾斜底面12の外周に外接させて配置し、玉受け部10の外周を構成する外周壁15であって傾斜底面12の最下部13から所定の範囲内に位置する外周壁15の一部を、玉排出部11の側面を構成する側壁20に向けて誘導壁45として延設したものであってもよい。
これにより、玉排出部11の上流部に向けて玉受け部10の傾斜底面12を転動するパチンコ玉が、傾斜底面12の最下部近傍では玉排出部11の側壁に向けて延設した誘導壁45によって玉排出部11に誘導されるため、傾斜底面12の最下部近傍で玉残りが発生することがない。このため、玉受け部10の傾斜底面12の最下部13近傍に残り玉を発生させることなく、玉受け部10で受け止めた多量のパチンコ玉をスムーズに玉排出部11へ誘導させると共に、玉排出部11からパチンコ玉をスムーズに排出することができる。
また、上記した実施形態においては、玉受け部10と玉排出部11とを一体成型により、一体的に形成したものを示したが、これに限らず、本発明の技術思想から逸脱しないものであれば、玉受け部10と玉排出部11とを個別に成型して接続する構成のものであってもよい。
また、上記した本実施形態においては、玉受け部10の傾斜底面12に低反発性部材47を貼付したものを示したが、これに限らず、無反発性部材が貼付されているものであってもよい。
また、上記した実施形態においては、玉受け部10が設置される遊技機としてパチンコ機2を示したが、これに限らず、パチンコ玉を使用する遊技機であれば、例えば、パロット,雀球等の遊技機であってもよい。