JP2005295895A - 農業用フィルム及び該フィルムを用いた展張方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 初期のフィルムの直進光線透過率が80%以上であり、屋外暴露条件下6ヶ月経過後の直進光線透過率が70%以下となる、所定時間経過後に透明から白化するフィルムであることを特徴とする農業用フィルムで、好ましくは、熱可塑性樹脂フィルムからなる基体フィルムの、フィルム展張時外面となる面に塗膜を形成してなり、該塗膜が無機微粒子と樹脂バインダーを含有してなる白化塗膜であることを特徴とする農業用フィルム。
【選択図】 なし
Description
従来こうした農業用フィルムとしては、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの、軟質、硬質の透明なフィルムが使用されている。かかるフィルムは作物への影響を考えて透明であることが要求されており、更に近年では3年以上といった、長期間展張使用可能なフィルムの開発も盛んである。
しかし一方で、近年、特に春後半から夏場にかけて、外気温の上昇や太陽光線の増加により、このような温室やトンネル内の温度が急激に上昇し、作物への高温多湿被害や、農作業者の作業環境を悪化させるという問題が注目されている。
このような問題を解決する方法として、従来は、別途、白色の不織布などの遮光資材を温室内やトンネル内にカーテンなどの内張り素材として展張する方法(特許文献1参照)や、農家において炭酸カルシウム等の白色顔料入りスプレー塗料を、透明なフィルム資材にスプレーし、フィルムを白化させるなどの方法がとられている。
しかしながらいずれの方法も、農作業者における多大な労力を必要とするものであり、何らかの解決が必要とされていた。
本発明における農業用フィルムとは、農業用ハウス(温室)やトンネルに展張被覆し使用するいわゆる外張り用農業用フィルムを主に意味するが、ハウスやトンネル内に更に展張する内張り用農業用フィルムに適用してもよい。
本発明の農業用フィルムとは、熱可塑性樹脂に添加剤を配合した基体フィルム、及び該基体フィルムの展張時外側に塗膜を有する外塗膜有フィルム、更に内側にも塗膜を有する両塗膜有フィルム、のいずれでも良いが、特に好ましくは外側の塗膜を有する外塗膜有フィルム又は両塗膜有フィルムが挙げられる。また基体フィルムは単層であっても多層であってもよい。
本発明でいう直進光線透過率とは光線波長555nmにおける透過率を意味する。具体的には初期のフィルムとは、フィルムを製造後屋外に展張する前に測定した値を言い、所定の測定装置を用いて測定する。また屋外暴露条件下6ヶ月経過後の値は、実際にかかる条件下で屋外展張下経過後得られた値を意味する。なお屋外暴露条件下とは、具体的には平均気温0度以上で、太陽光線照射時間が1/3以上あり、風雨の遮りない条件下を意味し、日本国内であればほぼ同等の条件が得られる。
従来、樹脂バインダーと無機微粒子を含有する塗膜は、防曇塗膜として知られているが、防曇塗膜とは農業用フィルムのハウス展張時内側面に設けられるのが常である。かかる内側塗膜の場合、外側からの太陽光線は、基体フィルムや外側塗膜で遮られるとともに直接風雨に曝されることがないため、所定期間白化することはない。
しかしながら、本発明では、積極的に基体フィルムの外側に、かかる樹脂バインダーと無機微粒子を含有する塗膜、好ましくは劣化防止剤を含有しない塗膜を設けることにより、屋外暴露し所定期間経過後に白化するという異なる機能を導き出し、本発明の目的を達成することが可能となる。該塗膜が白化するメカニズムは解明されてはいないが、所定気温以上において、太陽光線及び雨水等との接触による屋外暴露を施すと、樹脂と無機微粒子の相互変化作用により、白化が生じるものと推測される。
無機質コロイドゾルとしては、その一次平均粒子径が5〜400nmの範囲、好ましくは50〜300nmの範囲から選ぶのが好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良い。平均粒子径が大きすぎると、初期の透明度が低下する可能性があり、また、平均粒子径が小さすぎると、無機質コロイドゾルの安定性に欠けることがあるため好ましくない。
無機質コロイドゾルは、その配合量をバインダー樹脂組成物の固形分重量の合計に対して、固形分としての重量比で0.2以上5以下、好ましくは0.5以上4以下にするのが好ましい。すなわち、配合量が少なすぎる場合は、十分な白化効果が発揮できないことがあり、一方、配合量が多すぎる場合は、初期の被膜が白濁化してフィルムの光線透過率を低下させる現象があらわれ、また、被膜が粗雑で脆弱になることがあり、好ましくない。
該熱可塑性樹脂には、農業用フィルムとして知られている公知の可塑剤、滑剤、熱安定剤、有機リン酸エステル又は金属塩、帯電防止剤、防曇剤、防霧剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、保温剤、防カビ剤、防藻剤等を配合することができる。
保温剤としては特に4000nm〜25000nmの遠赤外線領域の光線を吸収する無機化合物粒子が挙げられ、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩水酸化化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物、複数種アニオンを含有する金属複合水酸化物塩等が挙げられる。
本発明の農業用フィルムには、更にハウス展張時内側に防曇性塗膜を塗布したものを用いてもよい。
(実施例1、比較例1〜2)
I.基体フィルムの調整
ポリ塩化ビニル(平均重合度=1400) 100重量部
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 45重量部
トリキシレニルホスフェート 5重量部
エポキシ樹脂 3重量部
バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部
ステアリン酸バリウム 0.2重量部
ステアリン酸亜鉛 0.4重量部
ソルビタンラウレート 1.5重量部
2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン 0.06重量部
よりなる樹脂組成物を準備し、該組成物を、スーパーミキサーで10分間攪拌混合したのち、180℃に加温したミルロール上で混練し、厚さ0.10mmの基体フィルムを作成した。
第1表に示した種類および量のコロイダルシリカ、熱可塑性樹脂および液状分散媒とを配合して塗膜組成物を得た。基体フィルムの面上に、第1表の塗膜組成物をロールコート法により連続的に塗布し、乾燥炉中80℃で1分間保持して液状分散媒を揮散させ、各々フィルムを巻き取った。得られた各フィルムの被膜の量は、約2g/m2であった。
実施例1では該塗膜を展張時外側になる面に形成したフィルムを用いて、比較例1では塗膜を形成しないフィルム、比較例2では、第1表に示す樹脂のみを配合した塗膜を外側に形成したフィルムを用いた。
以下の方法においてフィルムの性能を測定評価し、その結果を第1表に示した。
III−1.初期外観
フィルムの直進光線透過率(波長 555nm)を測定した。
(日立製作所製、EPS−2U型使用)
III-II.屋外展張試験
3種のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した屋根型ハウス(間口3m、奥行き5m、棟高1.5m、屋根勾配30度)に、平成14年10月から被膜を設けた面をハウスの外側にして被覆し、展張試験を実施した。展張したフィルムについて、平成15年4月(6ヶ月後)および平成15年5月(7ヶ月後)の屋外展張試験後のフィルム外観評価を実施した。
III-IIIフィルムの外観
回収サンプルの水洗後に、フィルムの直進光線透過率(波長 555nm)を測定した。
(日立製作所製、EPS−2U型使用)
○・・・透明フィルムにより、作物育成に必要な太陽光線、保温温度が充分に確保された。
×・・・作物育成に必要な太陽光線、保温温度が充分に確保されなかった。
IV−II.6〜7ヶ月経過後(春〜夏)の温室内環境評価
○・・・フィルムの白色化により太陽光線が部分的に遮光(直進光線透過率60%以下)され、温室内の極端な温度上昇が抑制された。
×・・・温室内の極端な温度上昇を抑制することは出来なかった。
Claims (4)
- 初期のフィルムの直進光線透過率が80%以上であり、屋外暴露条件下6ヶ月経過後の直進光線透過率が70%以下となる、所定時間経過後に透明から白化するフィルムであることを特徴とする農業用フィルム。
- 屋外暴露条件下6ヶ月経過後の直進光線透過率が60%以下であることを特徴とする請求項1記載の農業用フィルム。
- 該農業用フィルムが、熱可塑性樹脂フィルムからなる基体フィルムの、フィルム展張時外面となる面に塗膜を形成してなり、該塗膜が無機微粒子と樹脂バインダーを含有してなる白化塗膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の農業用フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の農業用フィルムを用いて、8月から12月の秋期に温室又はトンネルへの展張を開始し、5月から8月まで展張を行うことを特徴とする農業用フィルムの展張方法。
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