JP2005295229A - 圧電薄膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のベベリング加工は、人工水晶の育成からはじまり、外形加工や厚みを薄くする加工など多工程を必要とすることから、工程と材料と加工時間に大きな無駄が発生している。
【解決手段】 課題を解決するために本発明は、結晶を気相成長法を用いて基台上に薄膜結晶を堆積して圧電薄膜を形成する手段であって、前記圧電薄膜を中心部分を厚く、外周部に従って薄く形成させるために、所望とする該圧電薄膜の外形を決定するマスクを配置し、該マスクで決定する外形寸法よりも小さなノズルから該圧電薄膜の原料ガスを吐出することで、前記圧電薄膜の堆積形状を中心部分に多く堆積させ、外周に従って少なく堆積量を加減して形成することにより課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶振動子に用いる水晶素板を気相成長法を用いて形成し、同時にベベリング加工を施す形成方法に関する。
一般的なベベリング加工工法とは、加工容器に研磨材のみ、あるいは研磨材と球状形状の補助材を入れて、加工容器を自転及び公転を含めた回転運動を行うことにより、ベベリング加工がなされていた。
この加工方法の前提には、水熱合成法により人工水晶を育成しアズグロンを形成し、その後の切断加工のためにランバード加工を行う。そのて所望となる切断カットアングルでランバード加工の状態から薄片に切断し、更にその後にラッピングやポリッシング加工を施すことで、所望の発振周波数にまで薄片加工を行っている。その後、発振特性を確保するために端面にテーパ加工(ベベリング加工)を施している。
ベベリング加工は、圧電振動子や圧電発振器に搭載する圧電素板の小型化に伴い、不要波を抑制するためにベベリング加工を必要とし、圧電素板の振動周波数の高周波化と圧電素板そのものの小型化が進む中で、加工時間の効率化と加工曲率の小径化が求められているのが現状である。
そのため、図3に示す従来のベベリング工法では研磨材や遊離砥粒などと共に筒状の容器の中で圧電素板を数日間回転運動を与えながら、圧電素板と加工容器の擦れ合いによって加工が進むため、運動量差が得られやすいバレル方式が有効とされ使用されている。
特開平11−245160号公報 特開2002−330042号公報
上述のように従来工法で圧電素板を得る場合には、人工水晶の育成からはじまり、外形加工や厚みを薄くする加工など多工程を必要とすることから、工程と材料とに大きな無駄が発生している。
また、ベベリング加工は研磨材や遊離砥粒などと共に筒状の容器の中で圧電素板を数日間回転運動を与えながら、圧電素板と加工容器の擦れ合いによって加工を行うことから数日間の時間を必要とすることから、加工時間についても多量の無駄が発生している現状にある。また、近年の小型化、高周波化に対し現状の加工方法では対応が難しくなりつつある。
圧電薄膜を中心部分を厚く、外周部に従って薄く形成させるために、所望とする該圧電薄膜の外形を決定するマスクを配置し、該マスクで決定する外形寸法よりも小さなノズルから該圧電薄膜の原料ガスを吐出することで、前記圧電薄膜の堆積形状を中心部分に多く堆積させ、外周に従って少なく堆積量を加減して形成する。
上述のように本発明の圧電薄膜の形成方法により、最終の形態のベベリング形状を薄膜の形成と同時に行ってしまうことから、材料、工程、時間の無駄を大幅に改善することができる。従って、従来の小型低周波用のベベリング加工の考えとは全く異なった手法の導入により、高周波化に対応することができる。
本発明は、結晶を気相成長法を用いて基台上に薄膜結晶を堆積して圧電薄膜を形成する手段であって、前記圧電薄膜を中心部分を厚く、外周部に従って薄く形成させるために、所望とする該圧電薄膜の外形を決定するマスクを配置し、該マスクで決定する外形寸法よりも小さなノズルから該圧電薄膜の原料ガスを吐出することで、前記圧電薄膜の堆積形状を中心部分に多く堆積させ、外周に従って少なく堆積量を加減して形成することを特徴とする圧電薄膜の形成方法である。
要するに、気相成長法により圧電薄膜を形成すると同時にその形成途中で圧電薄膜の中心部分を厚くし、外周部に従って徐々に厚みを薄くすることにより、従来技術でベベリング加工した形状と同様の形状にするものである。
そのために、圧電薄膜を堆積するときに堆積する圧電薄膜の原料ガスを基台から一定距離の間隔で吐出し、前記マスクの内径をd1とし、前記圧電薄膜の原料ガスを吐出するノズルの寸法をd2としたとき、d1≧d2の関係であることを特徴とするものである。
以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象を示すものとする。図1は本発明の形成方法で得られたベベリング形状を持った圧電薄膜の断面図である。
結晶を気相成長法を用いて基台上1に薄膜結晶2を堆積して圧電薄膜を形成する手段を用いて、圧電薄膜を中心部分を厚く、外周部に従って薄く形成させるために、所望とする該圧電薄膜の外形を決定するマスクを配置し、該マスクで決定する外形寸法よりも小さなノズルから薄膜結晶2の原料ガスを吐出することで、前記圧電薄膜の堆積形状を中心部分に多く堆積させ、外周に従って少なく堆積量を加減して形成することで図1に示すような圧電薄膜を形成している。
従って、図1の状態を実現するための一手法として図2に圧電薄膜の堆積時の状態を説明する。ここでノズル3とマスクの寸法関係は極端に誇張して描画している。図2(a)では薄膜結晶2の中心部分を中心に薄膜結晶2の原料ガスを吐出して中心部分に多く堆積させるようにした状態を説明するものである。基台の上に所望とする圧電薄膜の外形寸法を決定するマスクを配置して、マスクに位置する上部付近に薄膜結晶2の原料ガスを吐出するノズルを配置し堆積するものである。徐々に体積する薄膜結集2は図2(b)のごとくマスクで決定させる外形寸法にまで圧電薄膜を堆積していく。
一方図2(c)に示すのは、マスクとノズルの寸法関係を示した断面図である。図2(c)のように薄膜結晶の原料ガスを吐出するノズル3は、所望として堆積させたい圧電薄膜の外形寸法を決定するマスクの寸法に対して十分に小さい寸法であることを描画したものである。そして、このマスクとノズルの寸法関係は、前記マスクの内径をd1とし、前記薄膜結晶2の原料ガスを吐出するノズルの寸法をd2としたとき、d1≧d2の関係を持ち、堆積する薄膜結晶2の原料ガスを基台から一定距離の間隔でノズルから原料ガスを吐出するものである。
上述する図2(a)と図2(b)に示す圧電薄膜の堆積する様子は、図2(c)に示す形成方法条件により、圧電薄膜の中心部分から外周に向かって基台1上に圧電薄膜を形成すると同時に形成表面に滑らかな曲線を持つ圧電薄膜を形成することができる。図2では、圧電薄膜を形成する箇所として例えばサファイア基台1にSiO膜を処理した基台1とし、その上部に気相状態の圧電材料をノズル3から原料ガスを吐出しながら圧電薄膜を堆積するため、必要に応じて堆積範囲を限定するために基台1上にマスクを配置している。また、本発明ではマスクに対応して原料ガスを吐出するノズルを1対1に配置することにより、同時に複数個の圧電薄膜を基台1上に形成することができる。
本発明で形成する圧電薄膜は、発振器用振動子の素板として、あるいは水晶共振器として使用する水晶素板などに適用できる。
本発明で得られる圧電薄膜の断面図である。 本発明の形成状態の詳細とマスクとノズルの位置関係を示す断面図である。 従来のベベリング工程を説明するフロー図である。
符号の説明
1 基台
2 薄膜結晶
3 ノズル
4 マスク

Claims (3)

  1. 結晶を気相成長法を用いて基台上に薄膜結晶を堆積して圧電薄膜を形成する手段であって、前記圧電薄膜を中心部分を厚く、外周部に従って薄く形成させるために、所望とする該圧電薄膜の外形を決定するマスクを配置し、該マスクで決定する外形寸法よりも小さなノズルから該圧電薄膜の原料ガスを吐出することで、前記圧電薄膜の堆積形状を中心部分に多く堆積させ、外周に従って少なく堆積量を加減して形成することを特徴とする圧電薄膜の形成方法。
  2. 請求項1の記載で堆積する圧電薄膜の原料ガスを基台から一定距離の間隔で吐出し、前記マスクの内径をd1とし、前記圧電薄膜の原料ガスを吐出するノズルの寸法をd2としたとき、d1≧d2の関係であることを特徴とする圧電薄膜の形成方法。
  3. 請求項1と請求項2の製造方法により、圧電薄膜をベベリング加工することを特徴とする圧電薄膜の形成方法。
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