JP2005294716A - 荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計算の方法を工夫することにより、計算時間をあまり長くすることなく、ショットノイズの大きさを求めることができる荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法を提供する。
【解決手段】 露光領域1のうちAで示す領域でショットノイズが問題となり、A以外の領域(Bで示す)においては、ショットノイズは問題にならないとする。このような場合、レジスト内に蓄積される蓄積エネルギーを求めるのに、領域Aに入射する電子線についてはモンテカルロ法を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を求め、領域Bに入射する電子線については、EID関数を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を計算する。そしてこれらを足し合わせて、全体の蓄積エネルギーを求める。
【選択図】 図1
【解決手段】 露光領域1のうちAで示す領域でショットノイズが問題となり、A以外の領域(Bで示す)においては、ショットノイズは問題にならないとする。このような場合、レジスト内に蓄積される蓄積エネルギーを求めるのに、領域Aに入射する電子線についてはモンテカルロ法を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を求め、領域Bに入射する電子線については、EID関数を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を計算する。そしてこれらを足し合わせて、全体の蓄積エネルギーを求める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、荷電粒子線露光装置を使用してレジストを感光させて現像し、所定のパターンを形成する場合における、ショットノイズを予測する方法に関するものである。
電子線露光装置を使用した露光方法として、例えば、荷電粒子線露光装置によりレチクル上に形成されたパターンをウエハ上に塗布されたレジストに露光転写し、レジストを現像して、ウエハ上に所定のパターンを形成することが行われている。レジストが現像されるか否かは、レジスト中に蓄積された蓄積エネルギーが、レジストと現像条件によって定まる閾値を超えるかどうかで決定される。
従来の光を使用した露光装置の場合と異なり、荷電粒子線を使用した露光装置の場合には、レジストに入射した荷電粒子が、レジスト中に浸入して散乱を受けながらエネルギーを失い、そのエネルギーを散乱された範囲に残していくので、荷電粒子線の入射した範囲より広い範囲にエネルギーが蓄積されることになる。よって、レジストを現像した場合に、荷電粒子線が入射した部分より広い部分が現像されることになる。
この蓄積エネルギーの分布の広がりを求めるために、主に2つの方法が使用されている。第1は、モンテカルロ法による方法であり、一般にレジストシミュレータと呼ばれるプログラムによる方法である。この方法は、レジスト内での荷電粒子の散乱過程を乱数により取り扱い(モンテカルロ法)、その散乱過程で、レジスト内に落としていった局所的なエネルギー蓄積量を求める方法である。多数の荷電粒子をシミュレーションにより入射させて計算を行わせることにより、実際の露光におけるエネルギー蓄積量分布に近いエネルギー蓄積量分布が計算で得られる。エネルギー蓄積量の分布が分かれば、例えばストリング法等の現像計算を使用して、現像後のレジストの形状を知ることができる。
他の方法は、1点に照射された荷電粒子線によりレジスト中に蓄積されるエネルギーの空間分布をEID(Energy Intensity Distribution)関数として求めておき、露光部分の形状とこのEID関数のコンボリューションを計算することにより、エネルギー蓄積量の分布を求める方法である。その際、EID関数は、テーブルとして計算機のメモリー中に保持したり、簡単な関数にフィッティングしておく方法が採用されている。特に後者の場合、計算時間を短縮するのに効果がある。
しかしながら、近年の半導体加工技術の微細化に伴い、従来行われていたレジストパターンの2次元形状の解析のみならず、現像されたレジストの3次元形状をシミュレーションに求めることが必要とされるようになり、又、入射する荷電粒子の統計的変動によるパターンの形状変化(ショットノイズ)をもシミュレーションすることが要求されるようになってきた。
モンテカルロ法によるシミュレーションは、原理的にはこのような要求に応えることができるが、パターンの大きさが大きくなると、入射させるべき荷電粒子の数が非常に多くなり、莫大な計算時間がかかるという問題点がある。又、EID関数を用いる方法は、EID関数そのものが近似計算で求められているため、要求される精密な計算には向いておらず、特にショットノイズを求める機能は全く有していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、計算の方法を工夫することにより、計算時間をあまり長くすることなく、ショットノイズの大きさを求めることができる荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、荷電粒子線露光装置を使用した露光時に発生するショットノイズの大きさを計算で予測する方法であって、露光される領域を、ショットノイズの大きさを評価したい領域とその他の領域に分け、各々の領域に入射する荷電粒子について、異なる手法を用いて、前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算する工程を有することを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法(請求項1)である。
一つの領域を露光する場合、その領域内には、パターンに要求される精度が厳しくなくショットノイズを問題にしなくてもよいような領域と、ショットノイズの影響を無視できないような厳しい精度を要求される領域とがある。本手段においては、荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算する手法を、ショットノイズの大きさを評価したい領域とその他の領域で使い分けている。よって、計算時間をあまり長くすることなく、ショットノイズの大きさを評価したい領域におけるショットノイズの大きさを求めることができる。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子については、正確で時間のかかる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算し、前記その他の領域に入射する荷電粒子については、計算精度が粗く短時間で計算できる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算することを特徴とするもの(請求項2)である。
本手段においては、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子については、正確で時間のかかる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算し、前記その他の領域に入射する荷電粒子については、計算精度が粗く短時間で計算できる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算するようにしているので、ショットノイズの大きさを評価したい領域については、正確にショットノイズを考慮に入れた計算を行いながら、全体としての計算時間を短くすることができる。
本手段においては、「その他」の領域に入射する荷電粒子線が、ショットノイズを評価したい領域に与える蓄積エネルギーは正確には考慮されないことになるが、これらの領域は、ショットノイズを評価したい領域からある程度離れたところにあるので、その影響は小さく、計算精度をそれほど落とさなくて済む。
なお、より正確に計算を行いたい場合には、「ショットノイズを評価したい領域」として採用する領域を、実際にショットノイズを評価したい領域より広めにとれば、それだけ計算精度を上げることができる。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子については、モンテカルロ法を用いてレジストに与える蓄積エネルギーの計算を行い、前記その他の領域に入射する荷電粒子については、EID関数とパターン形状の畳み込み積分を用いてレジストに与える蓄積エネルギーの計算を行うことを特徴とするもの(請求項3)である。
前述のように、モンテカルロ法を用いた蓄積エネルギーの計算方法は、時間がかかるが精度の良い計算を行うことができ、EID関数とパターン形状の畳み込み積分を用いた蓄積エネルギーの計算方法は、精度は落ちるが計算時間を短くすることができる。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記畳み込み積分を行う際に、入射する荷電粒子線のボケによる重み付けを行うことを特徴とするもの(請求項4)である。
本手段においては、EID関数とパターン形状の畳み込み積分を行う際に、荷電粒子線の線量分布が一様分布をするのでは無く、ボケを持って、すなわち、周囲に広がり周縁部がなだらかに減少する分布を有するものとして計算を行っているので、計算精度を上げることができる。
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第3の手段又は第4の手段であって、請求項3又は請求項4に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子の数を、実際の露光において入射する荷電粒子の数に所定の係数を掛けた数とすることを特徴とするもの(請求項5)である。
本手段においては、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子の数を、実際の露光において入射する荷電粒子の数に所定の係数を掛けた数としているので、実際の露光条件に近い条件で計算を行うことができる。係数の値としては典型的には1であるが、実際には1以上の数とした方が現実に近い結果が得られる場合があり、これについては後述する。
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第5の手段であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、当該領域に一様に入射するものとして計算を行うことを特徴とするもの(請求項6)である。
本手段においては、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、当該領域に一様に入射するものとしているので、計算が容易になる。
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第5の手段であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、荷電粒子線のボケによる分布に従って当該領域に入射するものとして計算を行うことを特徴とするもの(請求項7)である。
本手段においては、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、荷電粒子線のボケによる分布に従って当該領域に入射するものとしているので、計算はやや複雑になるが、より正確な結果を得ることができる。
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第5の手段から第7の手段のいずれかであって、最初に前記係数を変化させて、それに対応するレジスト形状を求め、一方、実際に荷電粒子線露光装置によってレジストを露光し、現像して形成された実レジスト形状を求め、前記実レジスト形状にもっとも近いレジスト形状を与える係数を定め、その後は、レジストと露光条件が同一のものについては、定められた係数を用いることを特徴とするもの(請求項8)である。
前記第5の手段で述べた係数は、理論的には1であるが、実際には、種々の要因で、1とした場合に、現実に現像されたレジストパターンにおけるショットノイズよりも、大きなショットノイズが発生するという計算結果が出ることがある。よって、計算結果を現実の現像結果にフィッティングさせるために何らかの補正が必要であるが、本手段においては、係数を変化させて計算結果を出し、実レジスト形状にもっとも近いレジスト形状を与える係数を定め、その後は、レジストが同一のものについては、定められた係数を用いるようにしているので、現実に近い計算結果を得ることができる。
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第1の手段から第8の手段のいずれかであって、レジストが化学増幅型レジストである場合において、少なくともショットノイズの大きさを評価したい領域に蓄積された蓄積エネルギーを、連続的に周囲に拡散させる計算を含むことを特徴とするもの(請求項9)である。
レジストとして化学増幅型のレジストを使用した場合は、現像前のベークによって発生する酸の作用によりレジストが化学変化し、見かけ上、より多くのエネルギーが蓄積され、かつ、その蓄積エネルギーが周囲に拡散したのと同じ効果を奏する。
本手段においては、このことを考慮し、少なくともショットノイズの大きさを評価したい領域に蓄積された蓄積エネルギーを、連続的に周囲に拡散させる計算を行わせているので、化学増幅型レジストを使用する場合でも、ショットノイズの影響を正確に計算することができる。
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第8の手段であって、前記蓄積エネルギーを、連続的に周囲に拡散させる計算が、蓄積エネルギー分布とガウシアンの畳み込み積分によって行われることを特徴とするもの(請求項10)である。
前記見かけ上の蓄積エネルギーの拡散は、一点からは近似的にガウシアン分布に従って発生すると仮定できる。よって、蓄積エネルギー分布とガウシアンの畳み込み積分によって蓄積エネルギーの拡散を計算することにより、容易な計算で、正確な結果を得ることができる。
本発明によれば、計算の方法を工夫することにより、計算時間をあまり長くすることなく、ショットノイズの大きさを求めることができる荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。なお、以下の例においては、ポジ型のレジストを使用するものとして説明する。図1は、一つの露光領域内のパターンを示す図である。露光領域1内には、1つの大パターン2と、2つの小パターン3、4が形成されるものとし、これらは電子線描画により形成されるものとする。
この露光領域1のうちAで示す領域でショットノイズが問題となり、A以外の領域(Bで示す)においては、ショットノイズは問題にならないとする。このような場合、レジスト内に蓄積される蓄積エネルギーを求めるのに、領域Aに入射する電子線についてはモンテカルロ法を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を求め、領域Bに入射する電子線については、EID関数を用いて、それが与える蓄積エネルギー分布を計算する。
まず、領域A内に含まれる小パターン3、4を露光する際に入射する電子の総数を求め、これに所定の係数(自然数)を掛けたものを入射する電子の総数とし、これらが、領域A内に含まれるパターン3、4に一様に入射するものとして入射点を定め、モンテカルロ法により、露光領域1内に蓄積される蓄積エネルギー分布を求める。なお、このようにすると、係数を掛けた分だけ蓄積エネルギーが増加するので、計算で求まった蓄積エネルギーを前述の係数で割り戻しておくことはいうまでもない。
なお、領域A内に含まれる小パターン3、4に入射する電子の数が電子線のボケにより一様とみなせない場合には、このボケによる電子数の分布を考慮して、この分布と一致するように、電子の入射する点を決定するようにすると、より正確な結果が得られる。
続いて領域Bに入射する電子線による蓄積エネルギーを求める。
ここでは、EID関数として、図1に示すx−y座標系において以下の式で表されるものを用いる。
ここでは、EID関数として、図1に示すx−y座標系において以下の式で表されるものを用いる。
右辺第一項は前方散乱を表し、右辺第二項は後方散乱を表す。σf、σbはそれぞれ、前方散乱径、後方散乱径と呼ばれ、各々の広がる距離を表す。また、ηは後方散乱係数と呼ばれ、後方散乱エネルギーの前方散乱エネルギーに対する比である。又、x0、y0は、電子線の入射点であり、(x,y)は、ウエハ上の点である。
また、EID関数は、平面全面に渡っての積分値が1となるよう規格化がされている。以上は、電子線にボケが無いとした場合についてのEID関数であり、ボケが無視できる場合には、(1)式をEID関数として使用すればよい。
電子線にボケがあることを考慮する場合には、以下のようにしてEID関数を変形して扱う。一般に電子線のブラー(光学系のボケ)の効果はその大きさに該当するガウシアンの幅ωと前方散乱径との根二乗和を新たな前方散乱径σf’として以下の(2)式により計算し、(1)式におけるσfを、σf’に置き換えることにより考慮に入れられる。
これにより、EID関数は以下の(3)式により表される。
このようにしてEID関数が求まると、領域Bに入射する電子の密度をaとした場合、領域Bに含まれるパターンの露光を行う際に露光領域1における座標(X,Y)の点に蓄積される蓄積エネルギーEa(X,Y)は、以下の畳み込み積分により求められる。
但し、(4)式の積分範囲は、領域Bにおけるパターン領域である。
このようにして、領域Aに入射する電子による露光領域1における蓄積エネルギーと、領域Bに入射する電子による露光領域1における蓄積エネルギーとを別々に求め、これらを足し合わせることにより、露光領域1全体を露光した場合に、露光領域1の各点に蓄積される蓄積エネルギーを求めることができる。
このようにして、露光領域1の各点に蓄積される蓄積エネルギーが求まると、それがレジストの閾値を超える範囲を求めれば、レジストの現像パターンを計算により求めることができ、その結果からショットノイズの影響も求めることができる。
なお、以上のようにすれば、露光領域1全体における蓄積エネルギーを求めることができるが、もし、ショットノイズの影響が問題となる領域Aの蓄積エネルギーのみを計算したいのであれば、(4)式における(X,Y)の範囲を領域Aの範囲に限って計算すれば良いことは言うまでもない。例えば、コンタクトホールの角等、評価したい領域は一般に微少であることが多い。エネルギー蓄積の分布を、この局所的な部分のみで計算することで、他の領域でも計算する場合に比べて計算時間が大幅に削減される。
なお、理論的には、領域A内に含まれるパターン3、4を露光する際に入射する電子の数に掛ける係数は1であるが、この係数を1とした場合に、ショットノイズの影響が大きく出てしまい、現実に合わなくなる傾向がある。
この様子を図2に示す。図2は、ポジ型レジストを使用し、100kVの電子を10μC/cm2の電流密度で照射し、70nm×70nmの領域を露光した場合の、レジストの現像時間と形状の関係(シミュレーション結果)を示したものである。なお、この場合電子線のBlurは50nmとし、化学増幅型のレジストを使って、酸の拡散長を20nmとしている。図2において、横方向はパターンの幅方向位置、縦方向はレジストの深さ方向を示し、各線が各時間毎のレジストの形状を示している。これを見ると分かるように、レジストの形状には不自然な凹凸が発生しており、実際に現像されたレジストの形状と合致していない。
図3に、同じ条件で、前記係数を100とし1個の電子当たりの蓄積エネルギーを1/100倍にして同じようにシミュレーションを行った結果を示す。図3の表示方法は図2と同じである。図2と図3を比較すると、図3においては不自然な凹凸が無く、実際のレジストの現像後の形状に近くなっている。
このように、前記係数を大きくすれば、不自然な凹凸が無くなる半面、ショットノイズの影響が現れなくなる。よって、レジスト毎に、係数を変化させてシミュレーションを行い、実際の形状に一番近い計算結果が得られる係数をそのレジストに対して使用することにより、シミュレーション結果を実際の形状にフィッティングさせることができる。
レジストとして化学増幅型レジストを使用する場合には、前述のような方法で計算した蓄積エネルギーがレジストの閾値を超えた部分が現像されるわけではなく、現像前のベーク工程によって発生する酸により変化を受けた部分までが現像される。よって、シミュレーションにおいては、このことを考慮しなければならない。
本発明の実施の形態においては、シミュレーション計算において、蓄積エネルギーを拡散させることにより、化学増幅型レジストに対応させている。すなわち、レジスト上の点(x,y)にEa(x,y)のエネルギーが蓄積された場合に、この影響により、レジスト上の点(X,Y)に、Ead(X,Y,x,y)だけのエネルギーが蓄積されるものとして考え、Ead(X,Y,x,y)を次のようなガウシアンで近似する。
このようにすると、点(X,Y)に蓄積されたエネルギーの総和Et(X,Y)を、
として求めることができる。積分範囲は露光領域1全体である。そして、Et(X,Y)がレジストの閾値を超える部分が現像されるとして、レジストの形状を求める。
なお、以上のようにすれば、露光領域1全体におけるレジストの形状を求めることができるが、ショットノイズが問題になる領域Aでのレジスト形状を求めるだけでよければ、(6)式の(X,Y)の範囲を領域Aの範囲に限ればよい。さらには、(6)式の積分範囲を領域Aの範囲に限ってもよい。
1…露光領域、2…大パターン、3,4…小パターン、A…ショットノイズが問題となる領域、B…ショットノイズが問題とならない領域
Claims (10)
- 荷電粒子線露光装置を使用した露光時に発生するショットノイズの大きさを計算で予測する方法であって、露光される領域を、ショットノイズの大きさを評価したい領域とその他の領域に分け、各々の領域に入射する荷電粒子について、異なる手法を用いて、前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算する工程を有することを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項1に記載のショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子については、正確で時間のかかる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算し、前記その他の領域に入射する荷電粒子については、計算精度が粗く短時間で計算できる方法を用いて前記荷電粒子がレジストに与える蓄積エネルギーを計算することを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項2に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子については、モンテカルロ法を用いてレジストに与える蓄積エネルギーの計算を行い、前記その他の領域に入射する荷電粒子については、EID関数とパターン形状の畳み込み積分を用いてレジストに与える蓄積エネルギーの計算を行うことを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項3に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、前記畳み込み積分を行う際に、入射する荷電粒子線のボケによる重み付けを行うことを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項3又は請求項4に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子の数を、実際の露光において入射する荷電粒子の数に所定の係数を掛けた数とすることを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項5に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、当該領域に一様に入射するものとして計算を行うことを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項5に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、ショットノイズの大きさを評価したい領域に入射する荷電粒子が、荷電粒子線のボケによる分布に従って当該領域に入射するものとして計算を行うことを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項5から請求項7のうちいずれか1項に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、最初に前記係数を変化させて、それに対応するレジスト形状を求め、一方、実際に荷電粒子線露光装置によってレジストを露光し、現像して形成された実レジスト形状を求め、前記実レジスト形状にもっとも近いレジスト形状を与える係数を定め、その後は、レジストが同一のものについては、前記定められた係数を用いることを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、レジストが化学増幅型レジストである場合において、ショットノイズの大きさを評価したい領域に蓄積された蓄積エネルギーを、連続的に周囲に拡散させる計算を含むことを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
- 請求項9に記載の荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法であって、前記蓄積エネルギーを、連続的周囲に拡散させる計算が、蓄積エネルギー分布とガウシアンの畳み込み積分によって行われることを特徴とする荷電粒子線露光におけるショットノイズの予測方法。
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JP2014123729A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-07-03 | Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives | 粒子ビーム描画プロセスおよび特に電子ビーム描画プロセスにおけるショット雑音の影響のシミュレーション |
US9213783B2 (en) | 2012-01-10 | 2015-12-15 | Asml Netherlands B.V. | Source mask optimization to reduce stochastic effects |
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