JP2005294192A - 多孔質のセパレータを備える燃料電池 - Google Patents

多孔質のセパレータを備える燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 カソードで生成された水分をセパレータを介して効率よく除去することができる技術を提供する。
【解決手段】 燃料電池は、電解質層とカソードとガス拡散層とセパレータとを備える。セパレータは、ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備える。多孔質部の接触面を含む接触領域の気孔径は、多孔質部の接触領域とは異なる領域の気孔径よりも大きく設定されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、多孔質のセパレータを備える燃料電池に関する。
燃料電池は、複数のセルを含んでおり、隣接する2つのセルの間には、セパレータが設けられている。
特許文献1では、隣接する2つのセルの間には、2つのセパレータが設けられている。各セパレータは、双方の面に複数の凸部を有しており、凹部によって流路が形成されている。第1のセパレータは、第1の面側に形成された複数の凸部において第1のMEA(イオン交換膜電解質/電極組立体)と接触しており、第1のセパレータと第1のMEAとの間には、凹部によって水素ガスが通る水素ガス流路が形成されている。同様に、第2のセパレータは、第1の面側に形成された複数の凸部において第2のMEAと接触しており、第2のセパレータと第2のMEAとの間には、凹部によって空気(酸素ガス)が通る酸素ガス流路が形成されている。また、第1のセパレータの第2の面側に形成された複数の凸部は、第2のセパレータの第2の面側に形成された複数の凸部と接触しており、2つのセパレータの間には、対向する凹部によって冷却水が通る冷却水流路が形成される。
カソードで生成された水(生成水)は、多孔質の第2のセパレータを透過して、冷却水流路へ移動する。これにより、酸素ガス流路内におけるフラッディング状態の発生を抑制することができる。なお、生成水の移動は、酸素ガスの圧力と冷却水の圧力との間に、所定の圧力差を発生させることによって、実現されている。
特表平11−508726号公報
しかしながら、従来の技術では、カソードで生成された水を多孔質のセパレータを介して効率よく除去することが困難であるという問題があった。これは、多孔質のセパレータが、水分を効率よく取り込むことが困難であることに起因する。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、電極で生成された水分をセパレータを介して効率よく除去することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の装置は、燃料電池であって、
電解質層と、
前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
を備え、
前記セパレータは、
前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
前記多孔質部の前記接触面を含む接触領域の気孔径は、前記多孔質部の前記接触領域とは異なる領域の気孔径よりも大きいことを特徴とする。
この装置では、多孔質部の接触領域の気孔径は、多孔質部の接触領域とは異なる領域の気孔径よりも大きく設定されているため、多孔質部は、接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。この結果、セパレータは、電極で生成された水分を効率よく除去することが可能となる。
上記の装置において、
前記ガス拡散層は、
前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
前記多孔質部の前記接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触面付近の気孔径とほぼ等しいことが好ましい。
こうすれば、ガス拡散層と多孔質部との間で、水分が移動し易くなるため、多孔質部は、接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を、さらに効率よく取り込むことができる。
上記の装置において、
前記ガス拡散層は、
前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域とは異なる領域の気孔径よりも小さいことが好ましい。
こうすれば、水分は、ガス拡散層の被接触領域に保持され易くなるため、多孔質部は、被接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を、さらに効率よく取り込むことができる。
上記の装置において、
前記多孔質部の前記接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径とほぼ等しいことが好ましい。
こうすれば、ガス拡散層と多孔質部との間で、水分が移動し易くなるため、多孔質部は、被接触領域と接触領域とを介して、ガス拡散層内に存在する水分を、さらに効率よく取り込むことができる。
本発明の第2の装置は、燃料電池であって、
電解質層と、
前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
を備え、
前記セパレータは、
前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
前記ガス拡散層は、
前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域とは異なる領域の気孔径よりも小さいことを特徴とする。
この装置では、ガス拡散層の被接触領域の気孔径は、ガス拡散層の被接触領域とは異なる領域の気孔径よりも小さく設定されているため、水分は、ガス拡散層の被接触領域に保持され易い。したがって、多孔質部は、被接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。この結果、セパレータは、電極で生成された水分を効率よく除去することが可能となる。
上記の装置において、
前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径は、前記多孔質部の前記接触面付近の気孔径とほぼ等しいことが好ましい。
こうすれば、ガス拡散層と多孔質部との間で、水分が移動し易くなるため、多孔質部は、被接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を、さらに効率よく取り込むことができる。
本発明の第3の装置は、燃料電池であって、
電解質層と、
前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
を備え、
前記セパレータは、
前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
前記ガス拡散層は、
前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域は、前記被接触領域の周辺の領域よりも水分を保持する能力が高いことを特徴とする。
この装置では、水分がガス拡散層の被接触領域に保持され易いため、多孔質部は、被接触領域を介して、ガス拡散層内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。この結果、セパレータは、電極で生成された水分を効率よく除去することが可能となる。
上記の装置において、
前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の気孔径よりも小さいことが好ましい。
こうすれば、水分は、ガス拡散層の被接触領域に、より保持され易くなる。
また、上記の装置において、
前記ガス拡散層の前記被接触領域の親水性は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の親水性よりも高いことが好ましい。
例えば、ガス拡散層の被接触領域には、親水処理が施されており、周辺領域には、親水処理が施されていなくてもよい。また、ガス拡散層の被接触領域と周辺領域との双方に親水処理が施され、被接触領域に施される親水処理の程度が、周辺領域に施される親水処理の程度よりも高く設定されていてもよい。さらに、ガス拡散層の被接触領域には、親水処理が施されており、周辺領域には、撥水処理が施されていてもよい。
こうしても、水分は、ガス拡散層の被接触領域に、より保持され易くなる。
あるいは、上記の装置において、
前記ガス拡散層の前記被接触領域の撥水性は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の撥水性よりも低くてもよい。
例えば、ガス拡散層の被接触領域には、撥水処理が施されておらず、周辺領域には、撥水処理が施されていてもよい。また、ガス拡散層の被接触領域と周辺領域との双方に撥水処理が施され、被接触領域に施される撥水処理の程度が、周辺領域に施される撥水処理の程度よりも低く設定されていてもよい。さらに、ガス拡散層の被接触領域には、親水処理が施されており、周辺領域には、撥水処理が施されていてもよい。
こうしても、水分は、ガス拡散層の被接触領域に、より保持され易くなる。
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、該燃料電池を備える燃料電池システム、該燃料電池システムを搭載した移動体などの装置等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.燃料電池システムの全体構成:
A−2.セルの概略構成:
A−3.セルの具体的な構成:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
A.第1実施例:
A−1.燃料電池システムの全体構成:
図1は、第1実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。なお、この燃料電池システムは、車両に搭載されている。
燃料電池システムは、燃料電池スタック100と、燃料電池スタックに燃料ガス(水素ガス)を供給するための燃料ガス供給系と、燃料電池スタックに空気を供給するための空気供給系と、燃料電池スタックに冷却液を供給するための冷却液供給系と、を備えている。また、燃料電池システムは、システム全体の動作を制御するためのコントローラ600を備えている。
燃料電池スタック(以下、単に「スタック」とも呼ぶ)100は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型燃料電池である。スタック100は、積層された複数のセルを含んでいる。また、スタック100内部には、複数の内部通路が設けられている。具体的には、スタック内部には、燃料ガスが通る内部燃料ガス通路210と、酸化ガス(空気)が通る内部酸化ガス通路220と、冷却液が通る内部冷却液通路230と、冷却ガス(空気)が通る内部冷却ガス通路240と、が設けられている。
燃料ガス供給系は、水素タンク302と、減圧弁304と、流量制御弁306と、を備えている。水素タンク302は、水素ガス(燃料ガス)を比較的高い圧力で貯蔵している。減圧弁304は、水素タンク302から供給された燃料ガスを所定の圧力に減圧する。流量制御弁306は、燃料ガスの流量を調整する。燃料ガスは、燃料ガス通路310を介してスタック100に供給される。燃料ガスは、内部燃料ガス通路210を通る際に、スタック内部での電気化学反応に利用される。内部燃料ガス通路210を通過した使用済みの燃料オフガスは、燃料オフガス通路390を介して外部に排出される。燃料オフガス通路390には、遮断弁392が設けられている。遮断弁392は、間欠的に開状態に設定され、これにより、燃料オフガスがスタック100から排出される。
空気供給系は、空気ブロワ402を備えている。空気は、空気通路を介してスタック100に供給される。ここで、空気通路は、スタック外部に設けられた第1および第2の外部空気通路410,420と、内部冷却ガス通路240と、を含んでいる。空気は、内部冷却ガス通路240を通る際には、冷却ガスとして機能し、スタック100を冷却する。また、空気は、内部酸化ガス通路220を通る際には、酸化ガスとして機能し、スタック内部での電気化学反応に利用される。内部酸化ガス通路220を通過した使用済みの空気(酸化オフガス)は、酸化オフガス通路490を介して外部に排出される。
冷却液供給系は、循環ポンプ502と、熱交換器504と、を備えている。循環ポンプ502は、スタック外部に設けられた循環通路510と、内部冷却液通路230と、の間で冷却液(例えば水)を循環させる。冷却液は、内部冷却液通路230を通る際に、スタック100を冷却する。熱交換器504は、スタック100から排出された比較的温度の高い冷却液を冷却する。
なお、本実施例では、内部冷却ガス通路240を経由した空気が、内部酸化ガス通路220に供給されているが、これに代えて、内部酸化ガス通路220と内部冷却ガス通路240とには、独立して、空気が供給されるようにしてもよい。
また、本実施例では、内部冷却ガス通路240を経由した空気は、第2の外部空気通路420を介して、内部酸化ガス通路220に供給されているが、第2の外部空気通路420に代えて、スタック内部に、内部冷却ガス通路240を経由した空気を内部酸化ガス通路220に供給するための空気通路を設けるようにしてもよい。
A−2.セルの概略構成:
図2は、燃料電池スタック100内部のセルの構成を模式的に示す説明図である。図示するように、セル110は、膜−電極アセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )120と、2つのガス拡散層130,140と、2つのセパレータ150,160と、を備えている。
MEA120は、電解質膜122と、電解質膜の両側に形成された2つの電極層(触媒層)124,126と、を備えている。第1の電極層124は、アノード(水素極)であり、第2の電極層126は、カソード(酸素極)である。なお、電解質膜としては、フッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成された膜を用いることができ、例えば、デュポン社製のナフィオン(Nafion)膜を用いることができる。また、電極層としては、カーボン粒子に白金などの触媒を担持させた触媒層を用いることができる。
2つのガス拡散層(以下、単に「拡散層」とも呼ぶ)130,140は、MEA120を挟む。アノード側拡散層130は、外部から供給された燃料ガスを拡散させてアノード124に供給する機能を有し、カソード側拡散層140は、外部から供給された空気(酸素ガス)を拡散させてカソード126に供給する機能を有する。なお、拡散層は、炭素繊維を織成したカーボンクロスや、カーボンペーパ、カーボンフエルトなどの充分なガス拡散性および導電性を有する材料で形成されている。
2つのセパレータ150,160は、MEA120および2つの拡散層130,140を挟む。アノード側セパレータ150とカソード側セパレータ160とには、複数の孔や凹部が形成されている。複数の孔や凹部は、内部通路210,220,230,240(図1)を形成する。具体的には、各セパレータの一対の孔は、複数のセルを積層したときに、複数のセルを貫くように設けられている。すなわち、各セパレータの一対の孔は、上流側のセル間通路と下流側のセル間通路とを形成する。また、各セパレータの凹部は、一対の孔間を接続するように設けられている。すなわち、各セパレータの凹部は、上流側のセル間通路と下流側のセル間通路との間で流体を流通可能とするセル内通路を形成する。
より具体的には、各セパレータ150,160には、上流側および下流側のセル間燃料ガス通路210a,210cを構成する一対の孔と、上流側および下流側のセル間酸化ガス通路220a,220cを構成する一対の孔と、が形成されている。また、各セパレータ150,160には、上流側および下流側のセル間冷却液通路230a,230cを構成する一対の孔と、上流側および下流側のセル間冷却ガス通路240a,240cを構成する一対の孔と、が形成されている。
図3は、カソード側セパレータ160を模式的に示す説明図である。図3(A),(B)は、それぞれ、図2に示すカソード側セパレータ160の第1の面Sc1と第2の面Sc2とを示している。図示するように、カソード側セパレータの第1の面Sc1には、セル内酸化ガス通路(カソード側通路)220bを構成する凹部が形成されている。また、第2の面Sc2には、セル内冷却液通路230bを構成する凹部と、セル内冷却ガス通路240bを構成する凹部と、が形成されている。なお、セル内冷却液通路230bを構成する凹部は、セル内酸化ガス通路220bを構成する凹部の上流側部分の背面に形成されており、セル内冷却ガス通路240bを構成する凹部は、セル内酸化ガス通路220bを構成する凹部の下流側部分の背面に形成されている。
アノード側セパレータ150は、カソード側セパレータ160と同様である。ただし、アノード側セパレータの第1の面Sa1には、セル内燃料ガス通路(アノード側通路)を構成する凹部が形成されている。また、第2の面Sa2には、セル内冷却液通路230bを構成する凹部と、セル内冷却ガス通路240bを構成する凹部と、が形成されている。
なお、実際には、セル内ガス通路210b,220b,240bを構成する各凹部には、複数の凸部が設けられている。
図4は、セル110の断面を模式的に示す説明図である。図示するように、セル内燃料ガス通路(アノード側通路)210bは、アノード側セパレータ150の第1の面Sa1に設けられた凹部とアノード側拡散層130との間に形成されており、セル内酸化ガス通路(カソード側通路)220bは、カソード側セパレータ160の第1の面Sc1に設けられた凹部とカソード側拡散層140との間に形成されている。また、セル内冷却液通路230bとセル内冷却ガス通路240bとは、2つのセパレータ150,160の第2の面Sa2,Sc2に設けられた凹部が組み合わされて形成されている。なお、上流側および下流側のセル間酸化ガス通路220a,220cは、各セパレータ150,160に設けられた一対の孔によって形成されている。
ところで、アノード側セパレータ150は、緻密質領域のみを含む部材である。一方、カソード側セパレータ160は、緻密質領域161と多孔質領域162とを含む複合部材である。なお、緻密質領域161と多孔質領域162とは、それぞれ、カソード側セパレータ160の第1の面Sc1側から第2の面Sc2側まで連続する。このため、カソード側セパレータ160の表面には、緻密質領域161と多孔質領域162との双方が現れる。なお、多孔質領域162は、図2,図3に示す領域Pに設けられている。
2つのセパレータ150,160に含まれる緻密質領域は、比較的小さな気孔率を有しており、水およびガスを透過させない性質を有している。一方、カソード側セパレータ160に含まれる多孔質領域は、比較的大きな気孔率を有しており、水およびガスが透過可能な性質を有している。
なお、緻密質領域と多孔質領域とは、導電性材料を用いて形成される。具体的には、緻密質領域と多孔質領域とは、それぞれ、カーボン粉末とバインダとの混合物を圧縮成形して得られる緻密質部材と多孔質部材とを用いて形成される。なお、多孔質領域の気孔率は、カーボン粉末の形状やサイズ、カーボン粉末とバインダとの混合比率などを調整することによって変更可能である。カソード側セパレータ160は、例えば、個別に準備された緻密質部材と多孔質部材とを組み合わせ、バインダの溶融温度以上に加熱することによって、形成可能である。
上記のようなセパレータ150,160を用いれば、セル内冷却ガス通路240bに冷却ガス(空気)を供給することによって、スタックを冷却することができる。また、セル内冷却ガス通路240bに冷却ガス(空気)を供給することによって、カソード126で生成された水分を多孔質領域162を介して除去することができる。具体的には、カソード126で生成された水分は、カソード側拡散層140に蓄えられる。多孔質領域162は、毛管吸引力によって、カソード側拡散層140に蓄えられた水分を内部に取り込む。水分は、多孔質領域162内部を移動して、セル内冷却ガス通路240bを流れる冷却ガス(空気)中に排出される。
また、本実施例では、多孔質領域162は、セル内酸化ガス通路220bの下流側部分と、セル内冷却ガス通路240bと、の間に設けられているため、スタック内部で発生した水分を多孔質領域162を介して効率よく除去することができる。具体的には、スタック内部で発生した水分は、セル内酸化ガス通路220bを通る酸化ガス中に気化して、該酸化ガスと共に下流に向かう。このため、セル内酸化ガス通路220bでは、上流側部分の水分量が比較的少なく、下流側部分の水分量が比較的多い。したがって、セル内酸化ガス通路220bの下流側部分に多孔質領域162を設けることにより、スタック内部で発生した水分を多孔質領域162を介して効率よく除去することが可能となる。
さらに、本実施例では、セル内冷却ガス通路240bを経由して加湿された酸化ガスが、セル内酸化ガス通路220bに供給されている。このため、加湿された酸化ガスは、水分量が比較的少ないセル内酸化ガス通路220bの上流側部分に、水分を与えることができ、該上流側部分の乾燥を抑制することができる。
A−3.セルの具体的な構成:
図5は、第1実施例におけるセル110の具体的な構造を示す説明図である。図5では、図4に示すカソード側セパレータ160の多孔質領域(多孔質部)162付近が拡大して描かれている。なお、燃料電池スタックでは、複数のセルは、その両端に設けられた図示しない締付部材によって、両側から加圧される。このため、図示するように、拡散層130,140は、セパレータ150,160の凸部によって押圧されて変形している。このように、セルの積層方向に圧力を加えることによって、アノード124とアノード側セパレータ150との間、および、カソード126とカソード側セパレータ160との間の導電性を高めることができる。
図4で説明したように、カソード側セパレータ160は、緻密質部161と多孔質部162とを含んでいる。また、図5に示すように、多孔質部162は、第1の面Sc1側の凸部162aの頂面付近に、気孔径が調整された接触層164を含んでいる。なお、凸部162aの頂面は、カソード側拡散層140と接触する接触面であり、凸部162aの側面と凸部162aの周囲の底面(すなわち凹部の底面)とは、カソード側拡散層140と接触せずに、セル内酸化ガス通路220bの壁面を構成する通路形成面である。
接触層164は、多孔質部162の内部(接触層164とは異なる領域)よりも大きな気孔径を有している。特に、本実施例では、接触層164の気孔径は、カソード側拡散層140の気孔径とほぼ等しく設定されている。
接触層164を有する多孔質部162は、種々の方法で作製可能である。第1の製法では、多孔質部162の凸部162aの頂面に対して、サンドブラスト処理が施される。第2の製法では、多孔質部162の凸部162aの頂面に対して、プラズマ放電処理が施される。第3の製法では、多孔質部162の凸部162aの頂面に対して、多数の針が配列された治具が押圧される。第4の製法では、多孔質部162の凸部162aの頂面に、多孔質部よりも大きな気孔径を有する多孔質層が選択的に配置され、多孔質部162と該多孔質層とがホットプレス法によって接合される。このように、種々の方法により、接触層164を有する多孔質部162を得ることができる。
本実施例の構成を採用すれば、カソード126で生成された水分をセル内冷却ガス通路240bへ効率よく排出することができる。すなわち、前述のように、カソード126で生成された水分は、カソード側拡散層140内に蓄えられる。また、カソード側拡散層140は、セル内酸化ガス通路220b中に気化した水分を捕獲して蓄える。多孔質部162は、カソード側拡散層140と接触する凸部162aの頂面を介して、カソード側拡散層内に蓄えられた水分を取り込む。そして、吸収された水分は、多孔質部162内部を移動し、セル内冷却ガス通路240b内に排出される。仮に、接触層164が設けられていない場合には、多孔質部162は、凸部162aの頂面を介して、水分を効率よく取り込むことが困難である。これは、多孔質部162の気孔径とカソード側拡散層140の気孔径とがかなり異なるためである。通常、多孔質部162の気孔径は、比較的小さな値(例えば数μm)に設定されており、カソード側拡散層140の気孔径は、比較的大きな値(例えば数十μm)に設定されている。なお、多孔質部の気孔率は、比較的小さな値(例えば約15〜20%)であり、カソード側拡散層140の気孔率は、比較的大きな値(例えば約70〜80%)である。このように、多孔質部162とカソード側拡散層140との接触界面の気孔径が大きく異なる場合には、水分は、カソード側拡散層140から多孔質部162へ円滑に移動し難い。しかしながら、本実施例では、多孔質部162は、カソード側拡散層140とほぼ等しい気孔径を有する接触層164を備えている。このため、水分は、カソード側拡散層140から多孔質部162へ円滑に移動し易くなり、多孔質部162は、接触層164を介して、カソード側拡散層140内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。この結果、カソード側セパレータ160は、カソード126で生成された水分をセル内冷却ガス通路240bへ効率よく排出することができ、セル内酸化ガス通路220bにおけるフラッディング状態の発生を抑制することができる。
また、本実施例では、多孔質部162の内部の気孔径は、接触層164の気孔径よりも小さいため、多孔質部162の内部の毛管吸引力は、接触層164の毛管吸引力よりも大きい。このため、多孔質部162は、接触層164を介して吸収された水分を、セル内冷却ガス通路240b側へ速やかに移動させることができる。そして、多孔質部内部の毛管吸引力は高いため、多孔質部内部は水で満たされ易い。この結果、セル内冷却ガス通路240bを通る冷却ガス(空気)が、多孔質部162を介して、セル内酸化ガス通路220bへ侵入するのを抑制することができる。
さらに、本実施例では、接触層164の気孔径は、多孔質部162の内部の気孔径よりも大きいため、スタック100の出力特性を向上させることができる。すなわち、接触層164が設けられていない場合には、酸素ガスは、凸部162aの頂面付近の電極反応場RFに供給され難く、該電極反応場RFに供給される酸素ガス量は比較的小さい。このため、カソードの濃度過電圧が大きくなり、この結果、スタックの出力電圧が低くなってしまう。一方、本実施例のように、接触層164が設けられている場合には、酸素ガスは、接触層164を介して、凸部162aの頂面付近の電極反応場RFへ供給され易く、該電極反応場RFに供給される酸素ガス量は比較的大きい。このため、カソードの濃度過電圧を比較的小さくすることができ、この結果、スタックの出力電圧の低下を抑制することができる。
なお、本実施例では、前述のように、多孔質部162は、セル内酸化ガス通路220bの下流側部分に設けられているため、多孔質部162付近の酸素ガスの分圧は比較的低い。このため、接触層164が設けられていない場合には、酸素ガスは、特に、電極反応場RFに供給され難い。すなわち、本実施例のように、多孔質部162がセル内酸化ガス通路220bの下流側部分に設けられる場合には、接触層164を設けることに伴う上記の効果は、顕著となる。
本実施例では、接触層164は、カソード側拡散層140とほぼ等しい気孔径を有しているが、これに代えて、カソード側拡散層140よりも小さな気孔径を有していてもよい。この場合にも、接触層が設けられていない場合と比較して、多孔質部とカソード側拡散層との接触界面の気孔径の差分が小さくなるため、多孔質部は水分を効率よく取り込むことができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例におけるセル110Bの具体的な構造を示す説明図である。図6は、図5とほぼ同じであるが、カソード側セパレータ160Bとカソード側拡散層140Bとが変更されている。具体的には、多孔質部162Bは、接触層164を備えていない。また、カソード側拡散層140Bは、多孔質部162Bの凸部162aの頂面が接触する被接触面付近に、気孔径が調整された被接触層142を備えている。
被接触層142は、カソード側拡散層140Bの内部よりも小さな気孔径を有している。特に、本実施例では、被接触層142の気孔径は、多孔質部162Bの気孔径とほぼ等しく設定されている。
被接触層142は、例えば、カソード側拡散層の被接触面にカーボンリッチな塗布剤を選択的に塗布することによって、得られる。塗布剤としては、カーボンと樹脂バインダとを混練したペーストを用いることができる。カーボンとしては、鎖状構造を有するカーボンブラックを用いることが好ましい。こうすれば、被接触層142は、比較的高い吸水性と導電性とを発揮することができる。なお、該カーボンブラックとしては、例えば、電気化学工業株式会社製の「デンカブラック」を用いることができる。
図6の構成を採用する場合にも、多孔質部162Bは、水分を効率よく取り込むことができる。すなわち、本実施例では、カソード側拡散層140の被接触層142の気孔径は、他の領域の気孔径よりも小さいため、被接触層142におけるガスの流動や、被接触層142からの水分の拡散が抑制される。このため、水分は、被接触層142に保持され易くなり、多孔質部162は、被接触層142を介して、カソード側拡散層内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。
また、本実施例では、カソード側拡散層140は、多孔質部162とほぼ等しい気孔径を有する被接触層142を備えている。このため、水分は、カソード側拡散層140から多孔質部162へ円滑に移動し易くなり、多孔質部162は、被接触層142を介して、カソード側拡散層140内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。
なお、本実施例では、被接触層142は、多孔質部162とほぼ等しい気孔径を有しているが、これに代えて、多孔質部162よりも大きな気孔径を有していてもよい。この場合にも、被接触層が設けられていない場合と比較して、多孔質部とカソード側拡散層との接触界面の気孔径の差分が小さくなるため、多孔質部は水分を効率よく取り込むことができる。
C.第3実施例:
図7は、第3実施例におけるセル110Cの具体的な構造を示す説明図である。セル110Cは、図5と同様のカソード側セパレータ160Cと、図6と同様のカソード側拡散層140Cと、を備えている。ただし、本実施例では、多孔質部162Cの接触層164Cは、多孔質部の内部よりも大きく、かつ、カソード側拡散層の内部よりも小さな気孔径を有している。また、カソード側拡散層140Cの被接触層142Cは、カソード側拡散層の内部よりも小さく、かつ、多孔質部の内部よりも大きな気孔径を有している。そして、接触層164Cの気孔径は、被接触層142Cの気孔径とほぼ等しく設定されている。
図7の構成を採用する場合にも、第1および第2実施例と同様に、多孔質部162Cは、被接触層142Cと接触層164Cとを介して、カソード側拡散層140C内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。
なお、本実施例では、接触層164Cは、被接触層142Cとほぼ等しい気孔径を有しているが、これに代えて、被接触層142Cよりも小さな気孔径を有していてもよい。この場合にも、接触層164Cおよび被接触層142Cが設けられていない場合と比較して、多孔質部とカソード側拡散層との接触界面の気孔径の差分を比較的小さくすることができるため、多孔質部は水分を効率よく取り込むことができる。
D.第4実施例:
図8は、第4実施例におけるセル110Dの具体的な構造を示す説明図である。図8は、図6とほぼ同じであるが、カソード側拡散層140Dは、気孔径が調整された被接触層142に代えて、多孔質部162Bの凸部162aの頂面が接触する被接触面付近に、親水処理が施された親水処理層144を備えている。
親水処理層144は、カソード側拡散層に選択的に親水処理を施すことによって得られる。具体的には、親水処理層144は、カソード側拡散層の被接触面に、ナフィオン液とカーボンとを含む塗布剤を塗布することによって、得られる。
図8の構成を採用する場合にも、多孔質部162Bは、水分を効率よく取り込むことができる。すなわち、本実施例では、カソード側拡散層140Dは、親水処理層144を備えているため、親水処理層144からの水分の拡散が抑制される。このため、水分は、親水処理層144に保持され易くなり、多孔質部162は、親水処理層144を介して、カソード側拡散層140D内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。
なお、本実施例では、親水処理は、多孔質部162Bの凸部162aの頂面が接触する被接触面付近の領域(被接触領域)のみに施されているが、さらに、被接触領域の周辺の領域(周辺領域)に施されていてもよい。この場合には、被接触領域の親水性は、周辺領域の親水性よりも高く設定されていればよい。なお、親水性の程度は、例えば、塗布剤の塗布量を変更することによって、調整可能である。
また、本実施例では、周辺領域には、親水処理が施されていないが、該周辺領域には、撥水処理が施されていてもよい。こうすれば、水分が親水処理層144に、より保持され易くなるという利点がある。
E.第5実施例:
図9は、第5実施例におけるセル110Eの具体的な構造を示す説明図である。図9は、図8とほぼ同じであるが、カソード側拡散層140Eは、親水処理層144に代えて、多孔質部162Bの凸部162aの頂面が接触する被接触面付近に、撥水処理が抑制された撥水処理抑制層146を備えている。また、カソード側拡散層140Eは、多孔質部162Bの凸部162aの周囲の底面(すなわち凹部の底面)に対向する面付近に、換言すれば、撥水処理抑制層146の周辺の領域に、撥水処理が施された撥水処理層147を備えている。
撥水処理抑制層146と撥水処理層147とは、カソード側拡散層に選択的に撥水処理を施すことによって得られる。具体的には、撥水処理抑制層146と撥水処理層147とは、カソード側拡散層の被接触面をマスクした後に、カソード側拡散層に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とカーボンとを含む塗布剤を塗布することによって、得られる。
図9の構成を採用する場合にも、多孔質部162Bは、水分を効率よく取り込むことができる。すなわち、本実施例では、カソード側拡散層140Eは、撥水処理抑制層146と撥水処理層147とを備えているため、撥水処理抑制層146からの水分の拡散が抑制されると共に、撥水処理層147からの水分の拡散が促進される。このため、水分は、撥水処理抑制層146に保持され易くなり、多孔質部162は、撥水処理抑制層146を介して、カソード側拡散層140E内に存在する水分を効率よく取り込むことができる。
なお、本実施例では、撥水処理は、多孔質部162の凸部162aの頂面が接触する被接触面付近の領域(被接触領域)には施されておらず、被接触領域の周辺の領域(周辺領域)のみに施されているが、撥水処理は、被接触領域と周辺領域との双方に施されていてもよい。この場合には、被接触領域の撥水性は、周辺領域の撥水性よりも低く設定されていればよい。なお、撥水性の程度は、例えば、塗布剤の塗布量を変更することによって、調整可能である。
また、本実施例では、撥水処理は、カソード側拡散層140Eの表面付近の領域に施されているが、さらに、カソード側拡散層の内部領域に施されていてもよい。
さらに、本実施例では、撥水処理抑制層146には、撥水処理が施されていないが、撥水処理抑制層には、親水処理が施されていてもよい。こうすれば、水分が、親水処理が施された撥水処理抑制層に、より保持され易くなるという利点がある。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)第1ないし第3実施例では、気孔径に注目して説明したが、気孔径が調整される場合には、通常、気孔率も変化する。具体的には、多孔質部の接触層164,164Cの気孔径が、多孔質部内部の気孔径よりも大きい場合には、接触層の気孔率は、多孔質部内部の気孔率より大きくなる。また、カソード側拡散層の被接触層142,142Cの気孔径が、拡散層内部の気孔径よりも小さい場合には、被接触層の気孔率も、拡散層内部の気孔率より小さくなる。
(2)上記実施例では、各セパレータの成形材料は、カーボン粉末と樹脂バインダとを含んでいるが、他の成形材料を利用してもよい。例えば、成形材料は、金属材料(金属粉末)と樹脂バインダとを含んでいてもよい。また、各セパレータを構成する緻密質領域は、金属部材であってもよい。
(3)上記実施例では、多孔質部は、凸部が略矩形の断面形状を有する凹凸面を備えているが、これに代えて、凸部が波形(すなわち山形)の断面形状を有する凹凸面を備えていてもよい。一般には、多孔質部は、カソード拡散層に接触する接触面を有していればよい。
(4)上記実施例では、セルの種々の構成を説明したが、これらの構成のうちの2以上を任意に組み合わせたセルを利用することも可能である。
例えば、第1実施例と第4実施例とを組み合わせることによって、気孔径が調整された接触層を含む多孔質部と、被接触面付近に親水処理が施された親水処理層を含むカソード側拡散層と、を備えるセルを用いることができる。また、第2実施例と第4実施例とを組み合わせることによって、気孔径が調整されると共に親水処理が施された被接触層を含むカソード側拡散層を備えるセルを用いることができる。
(5)上記実施例では、カソード側セパレータが多孔質部を備えているが、これに代えて、あるいは、これと共に、アノード側セパレータが多孔質部を備えるようにしてもよい。この場合には、例えば、アノード側セパレータの多孔質部が、気孔径が調整された接触層を備えていればよい。また、アノード側拡散層が、気孔径が調整された被接触層や、親水処理層、撥水処理抑制層などを備えていればよい。
第1実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。 燃料電池スタック100内部のセルの構成を模式的に示す説明図である。 カソード側セパレータ160を模式的に示す説明図である。 セル110の断面を模式的に示す説明図である。 第1実施例におけるセル110の具体的な構造を示す説明図である。 第2実施例におけるセル110Bの具体的な構造を示す説明図である。 第3実施例におけるセル110Cの具体的な構造を示す説明図である。 第4実施例におけるセル110Dの具体的な構造を示す説明図である。 第5実施例におけるセル110Eの具体的な構造を示す説明図である。
符号の説明
100…燃料電池スタック
110,B,C,D,E…セル
120…MEA
122…電解質膜
124…電極層(アノード)
126…電極層(カソード)
130…アノード側拡散層
140,B,C,D,E…カソード側拡散層
142,142C…被接触層
144…親水処理層
146…撥水処理抑制層
147…撥水処理層
150…アノード側セパレータ
160,B,C…カソード側セパレータ
161…緻密質領域(緻密質部)
162,B,C…多孔質領域(多孔質部)
162a…凸部
164,C…接触層
210…内部燃料ガス通路
210a,210c…セル間燃料ガス通路
210b…セル内燃料ガス通路(アノード側通路)
220…内部酸化ガス通路
220a,220c…セル間酸化ガス通路
220b…セル内酸化ガス通路(カソード側通路)
230…内部冷却液通路
230a,230c…セル間冷却液通路
230b…セル内冷却液通路
240…内部冷却ガス通路
240a,240c…セル間冷却ガス通路
240b…セル内冷却ガス通路
302…水素タンク
304…減圧弁
306…流量制御弁
310…燃料ガス通路
390…燃料オフガス通路
392…遮断弁
402…空気ブロワ
410,420…外部空気通路
490…酸化オフガス通路
502…循環ポンプ
504…熱交換器
510…循環通路
600…コントローラ

Claims (12)

  1. 燃料電池であって、
    電解質層と、
    前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
    を備え、
    前記セパレータは、
    前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
    前記多孔質部の前記接触面を含む接触領域の気孔径は、前記多孔質部の前記接触領域とは異なる領域の気孔径よりも大きいことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層は、
    前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
    前記多孔質部の前記接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触面付近の気孔径とほぼ等しい、燃料電池。
  3. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層は、
    前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
    前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域とは異なる領域の気孔径よりも小さい、燃料電池。
  4. 請求項3記載の燃料電池であって、
    前記多孔質部の前記接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径とほぼ等しい、燃料電池。
  5. 燃料電池であって、
    電解質層と、
    前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
    を備え、
    前記セパレータは、
    前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
    前記ガス拡散層は、
    前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
    前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記被接触領域とは異なる領域の気孔径よりも小さいことを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径は、前記多孔質部の前記接触面付近の気孔径とほぼ等しい、燃料電池。
  7. 燃料電池であって、
    電解質層と、
    前記電解質層の一方の側に設けられた電極層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたガス拡散層であって、前記ガス拡散層と前記電解質層との間には、前記電極層が設けられている、前記ガス拡散層と、
    前記電解質層の前記一方の側に設けられたセパレータであって、前記セパレータと前記電極層との間には、前記ガス拡散層が設けられており、前記セパレータには、前記ガス拡散層を介して前記電極層に反応ガスを供給するための反応ガス通路が形成されている、前記セパレータと、
    を備え、
    前記セパレータは、
    前記ガス拡散層に接触する接触面を有する多孔質部を備え、
    前記ガス拡散層は、
    前記多孔質部の前記接触面が接触する被接触面を有し、
    前記ガス拡散層の前記被接触面を含む被接触領域は、前記被接触領域の周辺の領域よりも水分を保持する能力が高いことを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項7記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域の気孔径は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の気孔径よりも小さい、燃料電池。
  9. 請求項7記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域の親水性は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の親水性よりも高い、燃料電池。
  10. 請求項9記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域には、親水処理が施されており、
    前記ガス拡散層の前記周辺領域には、親水処理が施されていない、燃料電池。
  11. 請求項7記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域の撥水性は、前記ガス拡散層の前記周辺領域の撥水性よりも低い、燃料電池。
  12. 請求項11記載の燃料電池であって、
    前記ガス拡散層の前記被接触領域には、撥水処理が施されておらず、
    前記ガス拡散層の前記周辺領域には、撥水処理が施されている、燃料電池。
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