JP4296956B2 - 燃料電池および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質層を備える燃料電池および製造方法に関する。
従来から、様々な構造の燃料電池が提案されている。例えば、下記特許文献1には、電極と固体高分子電解質膜とを一体で成形した電極一体型電解質膜と、複数の隔壁や板体部品等から組み立てられたセパレータとから構成される単一セルを複数積層した構造の燃料電池が開示されている。
特開平7−65845号公報
こうした従来の燃料電池の構造の一例を図7に示す。燃料電池スタックを構成する一の単一セル500は、主に、固体高分子電解質膜の両側に電極触媒層を備えた電極一体型電解質膜510、2枚のガス拡散層520,530、2枚のセパレータ540,550から構成されている。セパレータ540,550は、水素ガス,酸化ガス,冷却水の流路となる溝を有し、電極一体型電解質膜510を介して流れる水素ガスと酸化ガスとの電気化学反応による電力を集電する。燃料電池スタックは、かかる複数の部品から構成される単一セル500を直列に複数重ね合わせて積層し、両端から所定の締結圧力で締め付けることで形成される。所定枚数の単一セル500を直列に接続することで、所望する電圧、電力を出力することができる。
しかしながら、かかる構造の燃料電池スタックでは、複数の別個の部品を組み立てることで構成されているため、各部品の接触面での接触抵抗が増大するという問題があった。例えば、図7に示すガス拡散層520,570、セパレータ540,560は、組立時の締結圧力で接しているだけである。電気化学反応で発生した電子がこの間を移動する場合、接触部の真実接触面積が小さく電子の移動の抵抗となっていた。さらに、ガス拡散層520とセパレータ540との間では、セパレータ540の凸部分で接触しているのみであり、接触抵抗が増大する一要因となっていた。その結果、燃料電池全体の発電効率を向上することが困難であった。
本発明は、こうした問題の少なくとも一部を解決し、セル内部の接触抵抗を低減する燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、上記課題の少なくとも一部を解決するため、以下の手法を採った。すなわち、電解質層を複数備え、該各電解質層のそれぞれの側にカソードガスおよびアノードガスをそれぞれ供給する燃料電池であって、前記複数の電解質層の各々の間に、導電性を有する材料を用いて一体に構成された集電体としてのセル形成部を配置し、前記セル形成部は、前記カソードガスと前記アノードガスと当該燃料電池を冷却する冷媒とを透過させない緻密質体の基材を備え、前記基材内部であって、前記一の電解質層と当接する位置に前記カソードガスの流路を多孔質体により形成し、前記基材内部であって、前記カソードガスの流路と反対側の前記他の電解質層と当接する位置に前記アノードガスの流路を多孔質体により形成し、前記カソードガスの流路と前記アノードガスの流路との間に前記冷媒の流路を形成したことを要旨としている。
本発明の燃料電池によれば、供給されたカソードガスおよびアノードガスの流路としての多孔質体と、ガスや冷媒などを透過させない集電体としての機能を果たす緻密質体とを一体で成形した導電性の部材を用いて燃料電池を構成する。したがって、複数の部品を組み合わせて構成する従来の燃料電池に比べ、部品間の接触抵抗を低減することができる。また、多孔質体の全面で電解質層と接触するため、従来の燃料電池に比べ接触面積を増大することができ、燃料電池全体の発電効率の向上に効果を奏する。加えて、各流路を一体で成形することにより、カソードガス,アノードガス,冷媒等のそれぞれの流路からの流体の漏れを防止するためのシール部材が不要となり、部品点数を低減することができる。その結果、燃料電池の組付け性を向上することができる。更に、流路を多孔質体で構成し、従来の流路としての空間を排除しているため、燃料電池全体の曲げ強度を向上することができる。
上記の構成を有する燃料電池のカソードガスの流路の多孔質体は、前記一の電解質層と当接し、前記カソードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体と、前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記カソードガスを供給するガス供給多孔質体との2つの層を備えるものとしても良い。また、アノードガスの流路の多孔質体は、前記カソードガスの流路と反対側の位置で前記他の電解質層と当接し、前記アノードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体と、前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記アノードガスを供給するガス供給多孔質体との2つの層を備えるものとしても良い。
かかる燃料電池によれば、カソードガス,アノードガスの流路を、ガスを電解質層上に拡散する多孔質体とガスを供給する多孔質体との2層の多孔質体で構成する。したがって、ガスを拡散する拡散層を有する一般的な燃料電池にも対応することができる。
上記の構成を有する燃料電池において、前記ガス供給多孔質体は、前記拡散多孔質体よりも気孔率および/または気孔径の大きい多孔質体であるものとしても良い。
かかる燃料電池によれば、供給されるカソードガス,アノードガスが通過する流路を構成する多孔質体の気孔率,気孔径を大きくすることで、流路の抵抗による圧力損失を低減することができる。したがって、燃料電池にガスを供給する補機の損失を低減することができる。
上記の構成を有する燃料電池において、前記冷媒の流路は、多孔質体を用いて形成されるものとしても良い。
かかる燃料電池によれば、セル形成部の冷媒流路の空間は、多孔質体で覆われる。したがって、セル形成部自体の部材強度を向上することができる。
上記の構成を有する燃料電池において、前記カソードガスとして空気を供給し、前記セル形成部は、前記供給された空気が前記カソードガスの流路の多孔質体から排出される排出部近傍で当該多孔質体に隣接する位置に、前記冷媒の流路とは別に多孔質体により形成し、冷媒として空気を供給する流路である冷媒空気流路を備えるものとしても良い。
一般に、燃料電池では電気化学反応によりカソード側で水分が発生し、その水分はカソード側の拡散層からカソードガスの流路を経て、カソードガスと共に下流へ流れる。つまり、カソードガスの流路の下流はガス中の水分量が多い領域となる。この水分量が多い下流側であって、カソードガスの流路の多孔質体と隣接する位置に、多孔質体からなる冷媒空気流路を設け、冷媒空気を流すことで、効率よく水分を除去することができる。
本発明の燃料電池を構成するセル形成部は、燃料電池に用いられる電解質層の間に配置され、導電性を有する材料を用いて一体に構成された集電体としてのセル形成部であって、前記電解質層のそれぞれの側に供給されるカソードガスとアノードガスと、当該燃料電池を冷却する冷媒とを透過させない緻密質体の基材を備え、前記基材内部であって、前記一の電解質層と当接する位置に前記カソードガスの流路を多孔質体により形成し、前記基材内部であって、前記カソードガスの流路と反対側の前記他の電解質層と当接する位置に前記アノードガスの流路を多孔質体により形成し、前記カソードガスの流路と前記アノードガスの流路との間に前記冷媒の流路を形成するものとすることができる。
かかるセル形成部によれば、電解質層とセル形成部とから燃料電池を構成することができる。したがって、従来の複数の部品間の接触抵抗を低減することができる。また、燃料電池の組付け性のみならず、部品の交換も容易となる。
本発明のセル形成部の製造方法は、燃料電池に用いられる電解質層の間に配置されるセル形成部を、カソードガス,アノードガスおよび冷媒を透過させない緻密質体の基材をベースとする層を複数重ね合わせて形成するセル形成部の製造方法であって、前記基材は導電性を有し、(a)前記層の一つとして、多孔質体からなる前記カソードガスの流路を内側に備える第1層を準備する工程と、(b)前記層の一つとして、前記冷媒の流路を内側に備える第2層を準備する工程と、(c)前記層の一つとして、多孔質体からなる前記アノードガスの流路を内側に備える第3層を準備する工程と、(d)前記層の一つとして、前記緻密質体からなり、前記第1層、前記第2層、前記第3層を重ね合わせ可能な形状の隔壁を準備する工程と、(e)前記準備した各層を、第1層、隔壁、第2層、隔壁、第3層の順序で重ね合わせる工程と、(f)前記重ね合わせた導電性を有する各層を、導電性を有するように接合する工程とを備えたことを要旨としている。
本発明のセル形成部の製造方法によれば、多孔質体を備えた複数の層を重ね合わせて接合することで、気孔率,気孔径の異なる一つの部品を製造することができる。
上記の構成を有するセル形成部の製造方法において、前記(a)工程は、(a−1)前記一の電解質層と当接し、前記カソードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体を内側に備える第1a層を準備する工程と、(a−2)前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記カソードガスを供給するガス供給多孔質体を内側に備える第1b層を準備する工程とからなるものとしても良い。また、前記(c)工程は、(c−1)前記他の電解質層と当接し、前記アノードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体を内側に備える第3a層を準備する工程と、(c−2)前記第拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記アノードガスを供給するガス供給多孔質体を内側に備える第3b層を準備する工程とからなるものとしても良い。また、前記(b)工程は、前記冷媒の流路として多孔質体を用いて前記第2層を準備する工程としても良い。
かかるセル形成部の製造方法によれば、多孔質体を備えた複数の層を準備し、これを接合してセル形成部を製造する。セル形成部を複数の層から構成することで、複雑な形状にも対応することができる。
上記の構成を有するセル形成部の製造方法において、前記重ね合わせた各層は、気孔率の異なる金属材料であり、前記(f)工程で用いる接合は、拡散接合または抵抗溶接を用いた接合であるものとしても良い。また、前記重ね合わせた各層は、気孔率の異なるカーボン材料であり、前記(f)工程で用いる接合は、加圧、加熱する接合であるものとして良い。
かかるセル形成部の製造方法によれば、各層が金属である場合は拡散接合または抵抗溶接を用い、各層がカーボンである場合は加圧、加熱を用い、既存の接合方法を用いて一体に成形することができる。
本発明の燃料電池の製造方法は、上記の方法により製造したセル形成部を、電解質層と交互に重ねて製造するものとすることができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて次の順序で説明する。
A.燃料電池を構成するセルの構造:
B.供給流体の動作:
C.効果:
D.製造方法:
E.その他の実施例:
A.燃料電池を構成するセルの構造:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池を構成する単セルの概略構成を示す断面模式図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、図1に示す単セル10を複数積層し、両端から締結力を与えて直列に接続した構造をしている。
図1に示すように、この単セル10は、主に、膜−電極アセンブリ12(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と2つのセル形成部20等からなり、セル形成部20で、膜−電極アセンブリ12を両側から挟みこんで形成されている。
膜−電極アセンブリ12は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を有する電極を形成して一体としたものである。固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性の陽イオン交換膜であり、所定の湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。触媒層は、触媒として白金(Pt)を担持した合金からなる層である。本実施例では、固体高分子電解質膜としてパーフルオロ系電解質膜であるナフィオン(デュポン社製商品名)を用いている。
セル形成部20は、主に、金属の多孔質体である第1の多孔質体21,第2の多孔質体22,第3の多孔質体24,第4の多孔質体26,第5の多孔質体27と、金属基体29等からなり、異なる気孔率の金属を層状に成形して一体とした構造をしている。なお、セル形成部20の製造方法については、後に詳しく説明する。
本実施例では、第1〜第5の多孔質体21,22,24,26,27をFe−Cr合金にNi,Mo,Cuなどを含ませた材料で形成し、第1の多孔質体21および第5の多孔質体27を気孔率50〜60%程度の同一の部材、第2の多孔質体22、第3の多孔質体24、第4の多孔質体26を気孔率80〜90%程度の同一部材としている。また、金属基体29は、ガスや水分が透過しない緻密質体からなり、Fe−Cr−Ni合金にMoを添加した組成のステンレス鋼で形成されている。なお、セル形成部20は、他の導電性材料である多孔質体のカーボン等を用いて構成するものとしても良い。
セル形成部20は、略直方体の金属基体29の内部に、略直方体の第1〜第5の多孔質体21,22,24,26,27をこの順に組み込んだ構造であり、第1の多孔質体21は金属基体29の一端面側に、第5の多孔質体27は金属基体29の一端面に相対する端面側に、それぞれ配置されている。したがって、単セル10を組み立てることで、第1の多孔質体21と第5の多孔質体27とは、それぞれ隣接する膜−電極アセンブリ12と面接触する。
第2の多孔質体22は、第1の多孔質体21と隣接し、第1の多孔質体21より更に金属基体29の内部に配置されている。第4の多孔質体26は、第5の多孔質体27と隣接し、第5の多孔質体27より更に金属基体29の内部に配置されている。第3の多孔質体24は、金属基体29の略中央に配置され、第2の多孔質体22と第4の多孔質体26とは金属基体29の一部により隔てられている。
つまり、セル形成部20は、金属基体29の一端面側に配置され、第1の多孔質体21と第2の多孔質体22とからなる第1多孔質部、金属基体29の他端面側に配置され、第5の多孔質体27と第4の多孔質体26とからなる第2多孔質部、第1多孔質部と第2多孔質部との間に配置され、両多孔質部から隔離された第3の多孔質体24の3つの部分を備えて構成されている。
この3つの部分を覆う金属基体29は、各部分と燃料電池の外部とを接続する複数の貫通孔を備えている。図2は、図1に示したセル形成部20の縦断面形状を示した断面模式図である。図2(a)には主に第2の多孔質体22を含むA−A縦断面図を、図2(b)には主に第3の多孔質体24を含むB−B縦断面図を、図2(c)には主に第4の多孔質体26を含むC−C縦断面図を、それぞれ示した。
図2に示すように、金属基体29は、セル形成部20を厚み方法に貫通する6個の貫通孔30a,30b,34a,34b,38a,38bを備えている。貫通孔30aおよび貫通孔30bは第2の多孔質体22と、貫通孔34aおよび貫通孔34bは第4の多孔質体26と、貫通孔38aおよび貫通孔38bは第3の多孔質体24と、それぞれ接続している。こうしたセル形成部20を積層して形成した燃料電池スタックには、各セル形成部20の貫通孔が連続して6個の通路が形成される。この通路は、燃料電池スタックのエンドプレートを介して、燃料電池スタック外部と各多孔質部とを連通する。燃料電池スタック外部から供給された種々の流体は、この通路を経て、積層された各セル形成部20内の各多孔質部に到達する。
B.供給流体の動作:
こうした部品から構成される単セル10を積層した燃料電池スタックにおいて、貫通孔30aからなる通路には酸化ガスである空気を、貫通孔34aからなる通路には水素ガスを、貫通孔38aからなる通路には冷媒を、それぞれ供給する。なお、貫通孔を示す符号に付した「a」は各種流体の入口を表わし、「b」は出口を表わしている。
一のセル形成部20の貫通孔30aに供給された空気は、気孔率の大きい第2の多孔質体22内部に流入し、貫通孔30bから外部へ排出される。この過程で、第2の多孔質体22内部に供給された空気中の酸素は、隣接する第1の多孔質体21を介して、膜−電極アセンブリ12に供給される。つまり、第2の多孔質体22は、図7に示した従来構造のセパレータ560に設けた流路580と同様、単セル10内部の酸素の流路として機能し、第1の多孔質体21は、図7に示した拡散層570と同様、膜−電極アセンブリ12の固体高分子電解質膜に酸素を均等に拡散させる拡散層として機能している。
貫通孔34aに供給された水素ガスは、気孔率の大きい第4の多孔質体26内部に流入し、貫通孔34bから外部へ排出される。この過程で、第4の多孔質体26内部に供給された水素ガス中の水素は、隣接する第5の多孔質体27を介して、膜−電極アセンブリ12に供給される。つまり、第4の多孔質体26は、図7に示した従来構造のセパレータ540に設けた流路590と同様、単セル10内部の水素の流路として機能し、第5の多孔質体27は、図7に示した拡散層520と同様、膜−電極アセンブリ12の固体高分子電解質膜に水素を均等に拡散させる拡散層として機能している。
貫通孔38aに供給された冷媒は、気孔率の大きい第3の多孔質体24内部に流入し、貫通孔38bから外部へ排出される。単セル10内では、膜−電極アセンブリ12に供給された水素が固体高分子電解質膜を透過して空気中の酸素と反応し、熱が発生する。第3の多孔質体24は、図7に示した従来構造の流路590と同様、発熱を冷却する水や空気などの冷媒が通過する冷媒流路として機能している。
金属基体29は、前述のように緻密質体から構成されており、空気、水素ガス、冷媒を分離する隔壁であると共に、水素と酸素との反応で発生する電力を集電する集電体として機能している。つまり、金属基体29は、図7に示した従来の一般的な燃料電池において個別の部品であった水素極側のセパレータ540と酸素極側のセパレータ560とを一体として構成したものである。
なお、こうした構成のセル形成部20において、必ずしも第3の多孔質体24は必要となるものではない。例えば、第3の多孔質体24を取り除いた空間を冷媒の流路として用いるものとしても良い。また、図7の従来構造に示したように、凹凸部分を設けて冷媒流路を形成するものとしても良い。さらに、拡散層を備えない構造の燃料電池に対しては、第1の多孔質体21と第2の多孔質体22とを一つの多孔質体から構成し、第4の多孔質体26と第5の多孔質体27とを一つの多孔質体から構成するものとすれば良い。
C.効果:
以上のように構成された本実施例の燃料電池では、従来別個の部品であった拡散層570、各流路580,590,595、セパレータ540,560を一体としたセル形成部20により単セル10を構成し、セパレータ540,560に設けた凹凸部により形成していたガスの流路を多孔質体で構成している。したがって、従来構造に比べ、多孔質体の全面で膜−電極アセンブリ12と接触することになり、接触面積を増大することができる。また、従来構造にように、複数の部品を組付けることによる部品間の接触界面は存在しない。したがって、接触界面に起因していた接触抵抗を低減し、燃料電池全体の発電効率を向上することができる。
一般に燃料電池の内部の接触抵抗は、例えば、燃料電池の運転に伴う発熱による各部品の熱膨張の影響、部品の接触界面の酸化被膜の影響などにより、経時変化を伴う。本実施例では、一体構造のセル形成部20を用いるため、運転による経時変化の影響を受け難いものとすることができる。
さらに、セル形成部20内部に流路を備え、各流路は緻密質体で覆われているため、セル形成部20内部を流れる流体が外部へ漏れることは無い。その結果、従来、各部品を組み立てて流路を形成するために必要であったガスケット等のシール部材を設ける必要がない。加えて、部品点数が低減するため、単セル10の組立が容易となり、組立工数を低減することができる。
また、本実施例の燃料電池では、空気、水素ガス、冷媒の流路となる第2,第3,第4の多孔質体22,24,26は、拡散層である第1,第5の多孔質体21,27よりも気孔率の大きい多孔質体を使用している。したがって、各流路を流れる流体の流路抵抗(圧損)を低減し、外部から流体を供給する補機の圧力損失を低減することができる。
本実施例の燃料電池のセル形成部20は、従来、各流体の流路溝を形成するためにセパレータ540に設けていた凹凸溝を廃止している。そのため、セル形成部20を積層して燃料電池を組立てる際、全体を締め込む圧力に起因するセル形成部20にかかる面圧分布を略均一にすることができる。また、セル形成部20は、従来の流路としての空間に多孔質体を入れ込み、2つのセパレータ540,560を一体とした構成であるため、セル形成部20自体の肉厚が増加し、曲げ強度を向上することができる。
D.製造方法:
以下に、燃料電池を構成する単セル10の製造方法として、気孔率(気孔径)の異なる多孔質体を有するセル形成部20の製造工程を説明する。図3は、セル形成部20の製造工程を表わす説明図である。
このセル形成部20の製造に際して、使用する5種類の素材を準備する(ステップS300)。図4は、セル形成部20の製造に用いる5種類の素材の形状を表わす外形図である。
図4に示すように、素材1は、金属基体29を構成する緻密質体の材料で形成された枠形状のフレーム部材50内部に、第1の多孔質体21および第5の多孔質体27を構成する多孔質部材51を配置した素材である。このフレーム部材50は、厚み方向に貫通する6個の孔部52a,52b,53a,53b,54a,54bを備えている。なお、素材1の厚みは、約0.2mm程度としている。
素材2は、素材1と同様、緻密質体の材料で形成されたフレーム部材60内部に、第2の多孔質体22を構成する多孔質部材61を配置した素材である。このフレーム部材60は、図2(a)と同様であり、厚み方向に貫通する6個の孔部62a,62b,63a,63b,64a,64bを備え、孔部62a,62bは、多孔質部材61と接している。この素材2の厚みは、約0.5mm程度としている。
素材3は、金属基体29を構成する緻密質体の材料で形成された板部材70である。この板部材70も厚み方向に貫通する6個の孔部72a,72b,73a,73b,74a,74bを備えている。なお、素材3の厚みは、約0.1mm程度としている。
素材4は、素材1と同様、緻密質体の材料で形成されたフレーム部材80内部に、第3の多孔質体24を構成する多孔質部材81を配置した素材である。このフレーム部材80は、図2(b)と同様であり、厚み方向に貫通する6個の孔部82a,82b,83a,83b,84a,84bを備え、孔部84a,84bは、多孔質部材81と接している。この素材4の厚みは、約0.5mm程度としている。
素材5は、素材1と同様、緻密質体の材料で形成されたフレーム部材90内部に、第4の多孔質体26を構成する多孔質部材91を配置した素材である。このフレーム部材90は、図2(c)と同様であり、厚み方向に貫通する6個の孔部92a,92b,93a,93b,94a,94bを備え、孔部93a,93bは、多孔質部材91と接している。この素材5の厚みは、約0.5mm程度としている。
図3に戻り、ステップS300で準備した5種類の素材を、素材1、素材2、素材3、素材4、素材3、素材5、素材1の順に層状に重ね合わせる。(ステップS310)。つまり、素材1,素材3を各2枚用意した合計7枚の素材を重ね合わせることとなる。
続いて、ステップS310の7層の全素材を、所定の圧力に加圧した状態で、還元性雰囲気の下、熱処理を行なう。その結果、各接触部の界面で生じる固層拡散によって、各素材が一体に接合(以下、拡散接合と呼ぶ)され、約2mm程度の厚みのセル形成部20が完成する。燃料電池スタックは、こうして製造した複数のセル形成部20で膜−電極アセンブリ12を挟み込んで形成した単セル10を積層し、両端のエンドプレートにて挟持することで完成する。
こうして製造されたセル形成部20には、7層の各素材に設けた孔部が連続することで6個の貫通孔が形成される。例えば、孔部52a,62a,72a,82a,72a,92a,52aによって、図2に示した貫通孔30aが形成される。このセル形成部20を所定数積層した燃料電池スタックには、6個の貫通孔(30a,30b,34a,34b,38a,38b)が連続することで通路が形成され、その通路は、エンドプレートを介して外部の各種流体を供給する配管と接続される。外部から供給された水素ガス,空気,冷媒は、各通路を通って全セル形成部20に行き渡り、セル形成部20内部の多孔質体からなる流路へ導かれる。単セル10内部での電気化学反応を経た流体は、多孔質体の流路から各通路を通って外部に排出される。例えば、排出された水素ガスの一部は、再び燃料電池スタックに供給され、効率よく運転が行なわれる。
本実施例の製造方法では、気孔率の異なる金属材料の接合には拡散接合を採用したが、他の接合方法を用いるものとしても良い。例えば、層状に重ね合わせた材料が金属材料であるため、抵抗溶接方法を用いて接合するものとしても良い。
なお、セル形成部20は、金属に限らず導電性を有する他の素材、例えばカーボンを用いて製造することができる。この場合、樹脂などのバインダを混合したカーボン粉末を圧縮成形した緻密質体のカーボンをフレーム部材(板部材)50,60,70,80,90の材料とし、カーボン粉末の形状やサイズ、バインダとの混合比率等を調整して所望する気孔率とした多孔質体のカーボンを多孔質部材51,61,81,91の材料とする。これを、所定の条件の下、加圧、加熱することで、カーボン製のセル形成部を製造することができる。
こうした構成の製造方法では、複数の素材を層状に重ね合わせることでセル形成部20を製造する。したがって、セル形成部20製造における形状の自由度が増し、複雑な形状にも対応することができる。例えば、一の層を形成する素材の形状を変更することで、従来構造のような凹凸部からなる冷媒流路を形成することも可能である。
本実施例の製造方法では、セル形成部20を構成する第1〜第5の多孔質体21,22,24,26,27の厚みに応じて、金属基体29部分を層状に分割して5種の素材を準備したが、金属基体29の分割位置を変更するものとしても良い。例えば、素材1のフレーム部材50と素材2のフレーム部材60とを足し合わせた厚みのフレーム部材と、素材5のフレーム部材90と素材1のフレーム部材50とを足し合わせた厚みのフレーム部材とを用意することで、金属基体29の分割数を減らすことができる。また、図2に示した矢印Bの位置で、金属基体29を2分割することとしても良い。
E.その他の実施例:
図5は、本発明の第2実施例としての燃料電池を構成するセル形成部の縦断面形状を示した断面模式図である。第2実施例のセル形成部は、図2に示した第1実施例のセル形成部20とは、第2の多孔質体22,第3の多孔質体24,金属基体29の形状が異なる。したがって、その他の部分は第1実施例と符号を同一とし、説明を省略する。
図示するように、セル形成部100は、第1の多孔質体21,第2の多孔質体110,第3の多孔質体120,第4の多孔質体26,第5の多孔質体27と、金属基体130等からなり、異なる気孔率の金属を一体とした構造をしている。
第2の多孔質体110は、空気や水素ガスの出口側(下流)付近に厚みのある凸部111を備えたL字型の形状をしている。第3の多孔質体120は、第1実施例のそれよりも小さく、第2の多孔質体110の凸部111と干渉しない大きさである。なお、第2の多孔質体110,第3の多孔質体120は、1実施例のそれと同様な気孔率を備えた材料を用いて形成されている。もとより、セル形成部100をカーボン材料により製造するものとしても良い。
金属基体130は、第1実施例同様、緻密質体からなり、第2,第3,第4の多孔質体110,120,26を、それぞれ隔てている。図5の各断面図に示すように、この金属基体130は、8個の貫通孔30a,30b,34a,34b,140a,140b,150a,150bを備えており、これらはセル形成部100の厚さ方向に貫通している。貫通孔140a,140bは、第3の多孔質体120と、貫通孔150a,150bは第2の多孔質体110の凸部111と、それぞれ接続している。なお、第1実施例と同様、貫通孔30aは空気の入口通路として、貫通孔30bは空気の出口通路として、貫通孔34aは水素ガスの入口通路として、貫通孔34bは水素ガスの出口通路として、それぞれ機能する。
こうした構造のセル形成部100を用いた第2実施例の燃料電池スタックおいて、第2の多孔質体110は空気の流路として、第3の多孔質体120は冷媒の流路として、第4の多孔質体26は水素の流路として、それぞれ機能する。これに加えて、第2実施例の燃料電池では、貫通孔150a,150bによる新たな通路が形成される。この通路には、冷却ガスとして冷媒空気が供給される。つまり、第2の多孔質体110の凸部111には、供給された冷媒空気が到達し、入口である貫通孔150aから出口である貫通孔150bへ向かって、冷媒空気が流れる。
一般に、燃料電池では、電気化学反応の進行に伴ってカソードで水が発生(生成水と呼ぶ)する。この生成水は、カソード側の拡散層から酸化ガスの流路を通過する酸化ガス中に気化して、酸化ガスと共に下流へ流れる。そのため、単セル内では出口に近い下流側ほどガス中の水分量が多くなる。第2実施例では、水分量の多い下流側に多孔質体の凸部111を設け、そこに冷媒空気を流す構造としている。したがって、空気の流路である第2の多孔質体110中から、効率よく水分を除去することができる。
なお、第2実施例の燃料電池を構成するセル形成部100の製造方法は、第1実施例のセル形成20の製造方法とほぼ同一の工程により製造することができる。この場合、基本的には図4に示した各素材に冷媒空気の通路となる貫通孔50a,150bを追加した形状とすれば良い。したがって、製造工程の工程図は省略し、第1実施例と異なる素材の形状について説明する。
図6は、セル形成部100の製造に用いる素材の説明図である。図6(a)に示すように、セル形成部100の製造には5種類の素材を準備する。5種類の素材の内、素材11,素材21,素材31,素材51は、図4に示した素材1,素材2,素材3,素材5の形状とそれぞれ対応している。素材11,素材21,素材31,素材51は、素材1,素材2,素材3,素材5に冷媒空気の通路用の孔部を追加し、それに伴い冷媒の通路を構成する孔部の位置を変更している。なお、各素材ともに、冷媒空気の通路を構成する孔部を便宜的に貫通孔150a,150bと、冷媒の通路を構成する孔部を貫通孔140a,140bとして符号を付す。各素材の材料等は、第1実施例と同様とし、各フレーム部材、多孔質部材等の符号は省略する。
第2実施例のセル形成部100は、冷媒空気の流路が追加されているため、図4に示した素材4の形状が大きく異なる。この素材4に対応し第2実施例で用いる素材61は、図6(a)に示すように、緻密質体の材料で形成されたフレーム部材210内部に、第2の多孔質体110の一部を構成する多孔質部材211と、第3の多孔質体120を構成する多孔質部材212を配置した素材である。多孔質部材211は、フレーム部材210の厚み方向に設けた貫通孔150a,150bと接続している。多孔質部材212は、図6(b)の断面図に示すように、フレーム部材210の厚み方向に設けた凹部215に嵌まり込む形状をしている。
こうして準備した素材を、図6(b)に示すように、素材11,素材21,素材61,素材31,素材51,素材11の順に層状に重ね合わせて接合することで、セル形成部100を製造することができる。
本実施例の燃料電池では、従来構造のようなセパレータの凹凸溝を設けていない。そのため、拡散層に含まれる水分は拡散層の全面から蒸発し、空気の流路である多孔質体へ吸収される。さらに、拡散層と多孔質体とが全面で接合されているため、拡散層と多孔質体との間の水分の移動がスムーズとなる。したがって、固体高分子電解質膜付近での保水状態を適切に調整することができる。その結果、固体高分子電解質膜付近で水分が過多となるフラッディングや、供給ガスの流路の入口付近で固体高分子電解質膜の水分が不足するドライアップを抑制し、燃料電池の性能を向上することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施し得ることは勿論である。本実施例では、セル形成部20の各流路となる第2,第3,第4の多孔質体22,24,26を同程度の気孔率として説明したが、各種流体の流路毎に圧損を考慮し、異なる気孔率とするものとしても良い。
本発明の第1実施例としての燃料電池を構成する単セルの概略構成を示す断面模式図である。 第1実施例に示したセル形成部の縦断面形状を示した断面模式図である。 セル形成部の製造工程を表わす説明図である。 セル形成部の製造に用いる5種類の素材の形状を表わす外形図である。 第2実施例としての燃料電池を構成するセル形成部の縦断面形状を示した断面模式図である。 第2実施例のセル形成部の製造に用いる素材の説明図である。 従来の燃料電池の概略構造を示す断面模式図である。
符号の説明
10...単セル
12...膜−電極アセンブリ
20,100...セル形成部
21...第1の多孔質体
22,110...第2の多孔質体
24,120...第3の多孔質体
26...第4の多孔質体
27...第5の多孔質体
29,130...金属基体
30a,30b,34a,34b,38a,38b...貫通孔
50,60,80,90,210...フレーム部材
51,61,81,91,211,212...多孔質部材
52a,52b,53a,53b,54a,54b...孔部
62a,62b,63a,63b,64a,64b...孔部
70...板部材
72a,72b,73a,73b,74a,74b...孔部
82a,82b,83a,83b,84a,84b...孔部
92a,92b,93a,93b,94a,94b...孔部
111...凸部
140a,140b,150a,150b...貫通孔
215...凹部
500...単一セル
510...電極一体型電解質膜
520,530,570...ガス拡散層
540,550,560...セパレータ
580,590,595...流路

Claims (14)

  1. 電解質層を複数備え、該各電解質層のそれぞれの側にカソードガスおよびアノードガスをそれぞれ供給する燃料電池であって、
    前記複数の電解質層の各々の間に、導電性を有する材料を用いて一体に構成された集電体としてのセル形成部を配置し、
    前記セル形成部は、前記カソードガスと前記アノードガスと当該燃料電池を冷却する冷媒とを透過させない緻密質体の基材を備え、
    前記基材内部であって、前記一の電解質層と当接する位置に前記カソードガスの流路を多孔質体により形成し、
    前記基材内部であって、前記カソードガスの流路と反対側の前記他の電解質層と当接する位置に前記アノードガスの流路を多孔質体により形成し、
    前記カソードガスの流路と前記アノードガスの流路との間に前記冷媒の流路を形成した
    燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記カソードガスの流路の多孔質体は、
    前記一の電解質層と当接し、前記カソードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体と、
    前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記カソードガスを供給するガス供給多孔質体と
    の2つの層を備えた燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
    前記アノードガスの流路の多孔質体は、
    前記カソードガスの流路と反対側の位置で前記他の電解質層と当接し、前記アノードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体と、
    前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記アノードガスを供給するガス供給多孔質体と
    の2つの層を備えた燃料電池。
  4. 請求項2または3に記載の燃料電池であって、
    前記ガス供給多孔質体は、前記拡散多孔質体よりも気孔率および/または気孔径の大きい多孔質体である燃料電池。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記冷媒の流路は、多孔質体を用いて形成された燃料電池。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記カソードガスとして空気を供給し、
    前記セル形成部は、
    前記供給された空気が前記カソードガスの流路の多孔質体から排出される排出部近傍で当該多孔質体に隣接する位置に、前記冷媒の流路とは別に多孔質体により形成し、冷媒として空気を供給する流路である冷媒空気流路
    を備えた燃料電池。
  7. 燃料電池に用いられる電解質層の間に配置され、導電性を有する材料を用いて一体に構成された集電体としてのセル形成部であって、
    前記電解質層のそれぞれの側に供給されるカソードガスとアノードガスと、当該燃料電池を冷却する冷媒とを透過させない緻密質体の基材を備え、
    前記基材内部であって、前記一の電解質層と当接する位置に前記カソードガスの流路を多孔質体により形成し、
    前記基材内部であって、前記カソードガスの流路と反対側の前記他の電解質層と当接する位置に前記アノードガスの流路を多孔質体により形成し、
    前記カソードガスの流路と前記アノードガスの流路との間に前記冷媒の流路を形成した
    セル形成部。
  8. 燃料電池に用いられる電解質層の間に配置されるセル形成部を、カソードガス,アノードガスおよび冷媒を透過させない緻密質体の基材をベースとする層を複数重ね合わせて形成するセル形成部の製造方法であって、
    前記基材は導電性を有し、
    (a)前記層の一つとして、多孔質体からなる前記カソードガスの流路を内側に備える第1層を準備する工程と、
    (b)前記層の一つとして、前記冷媒の流路を内側に備える第2層を準備する工程と、
    (c)前記層の一つとして、多孔質体からなる前記アノードガスの流路を内側に備える第3層を準備する工程と、
    (d)前記層の一つとして、前記緻密質体からなり、前記第1層、前記第2層、前記第3層を重ね合わせ可能な形状の隔壁を準備する工程と、
    (e)前記準備した各層を、第1層、隔壁、第2層、隔壁、第3層の順序で重ね合わせる工程と、
    (f)前記重ね合わせた導電性を有する各層を、導電性を有するように接合する工程と
    を備えたセル形成部の製造方法。
  9. 請求項8に記載のセル形成部の製造方法であって、
    前記(a)工程は、
    (a−1)前記一の電解質層と当接し、前記カソードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体を内側に備える第1a層を準備する工程と、
    (a−2)前記拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記カソードガスを供給するガス供給多孔質体を内側に備える第1b層を準備する工程と
    からなるセル形成部の製造方法。
  10. 請求項8または9に記載のセル形成部の製造方法であって、
    前記(c)工程は、
    (c−1)前記他の電解質層と当接し、前記アノードガスを該電解質層上に拡散する拡散多孔質体を内側に備える第3a層を準備する工程と、
    (c−2)前記第拡散多孔質体に当接し、該拡散多孔質体に前記アノードガスを供給するガス供給多孔質体を内側に備える第3b層を準備する工程と
    からなるセル形成部の製造方法。
  11. 請求項8ないし10のいずれかに記載のセル形成部の製造方法であって、
    前記(b)工程は、前記冷媒の流路として多孔質体を用いて前記第2層を準備する工程であるセル形成部の製造方法。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載のセル形成部の製造方法であって、
    前記第1層と前記第2層と前記第3層とは、それぞれ気孔率の異なる金属材料であり、
    前記(f)工程で用いる接合は、拡散接合または抵抗溶接を用いた接合であるセル形成部の製造方法。
  13. 請求項8ないし11のいずれかに記載のセル形成部の製造方法であって、
    前記第1層と前記第2層と前記第3層とは、それぞれ気孔率の異なるカーボン材料であり、
    前記(f)工程で用いる接合は、加圧、加熱する接合であるセル形成部の製造方法。

  14. 燃料電池の製造方法であって、
    請求項8ないし12のいずれかに記載の製造方法により製造されたセル形成部を、電解質層と交互に重ねて製造する燃料電池の製造方法。
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