JP2005294140A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電池構成時に合剤剥がれまたは割れなどの変形の発生を抑制することにより、高容量の非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 正極活物質と結着剤からなる正極材ペーストを正極芯材に塗着して正極板を作成する正極板作成工程と、負極板を作成する負極板作成工程と、これらの極板を渦捲き状巻回電極群に構成する群構成工程と、前記電極群を外装缶と封口板で密閉して電池に仕上げる組み立て工程からなる非水電解質二次電池の製造方法において、前記正極材ペーストに、エンジオール結合を有する化合物を含有する可塑剤を添加する。
【選択図】 図1
【解決手段】 正極活物質と結着剤からなる正極材ペーストを正極芯材に塗着して正極板を作成する正極板作成工程と、負極板を作成する負極板作成工程と、これらの極板を渦捲き状巻回電極群に構成する群構成工程と、前記電極群を外装缶と封口板で密閉して電池に仕上げる組み立て工程からなる非水電解質二次電池の製造方法において、前記正極材ペーストに、エンジオール結合を有する化合物を含有する可塑剤を添加する。
【選択図】 図1
Description
本発明は非水電解質二次電池およびその製造方法に関し、特に正極に添加する可塑剤に関するものである。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は高電圧、高エネルギー密度を有する二次電池として盛んに使用され、さらなる高容量化を目指した検討が行われている。このように高容量を目論んだ場合、極板に含まれる副材料(結着剤・導電剤)の減量が有効であり、これまで種々の取り組みがなされてきた。
中でも正極の結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、比較的少量で接着作用を発揮する点、およびPVDF自身が増粘作用を有しているためカルボキシメチルセルロース(CMC)などの増粘剤が不要な点などで、副材料を減量できることから、上記高容量化への取組手段として有望視されている(例えば、特許文献1、2)。
特許第3475530号公報
特許第3204040号公報
しかしながら、更なる高容量化のために単位面積当たりの重量を増加させた場合、PVDFに代表される結着剤自身の硬さゆえに、電極群を円筒形あるいは略楕円形に捲回する際に、正極板の割れや応力による剥がれが多発し、生産歩留が低下するという不具合が絶えなかった。
本発明は上記の課題に鑑み、活物質層を具備した非水電解液二次電池用電極において、電池構成時に合剤剥がれまたは割れなどの変形の発生を抑制することにより、高容量の非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、非水電解液二次電池の正極材ペーストに、エンジオール結合を有する化合物を含有する可塑剤を添加することを骨子とする。エンジオール結合を有する化合物の効果については現在鋭意解明中であるが、この化合物の添加により結着剤の結晶性が低下し、正極合剤塗料の乾燥工程における析出過程において、結着剤自身に柔軟性が付与されて上記課題が解決できたと考えている。
本発明により、高容量化のため単位面積当たりの重量を増加させた正極に柔軟性が付与され、電極群捲回時の不具合が回避でき、高容量非水電解液二次電池用電極を高い歩留で提供することができる。
以下本発明の実施の形態を説明する。
本発明で正極中に添加する化合物は、(化2)のアスコルビン酸に代表される、エンジオール結合を有する化合物である必要がある。
エンジオール結合は酸化され易く、エンジオール結合を有する化合物は、一般に酸化防
止剤として使われる。しかし、他の酸化防止剤を本発明の化合物の代わりに使用しても、正極板に柔軟性を与えることは無く、可塑剤としては使えない。したがって、詳細なメカニズムは不明であるが、本発明のエンジオール結合を有する化合物が、結着剤の特性に変化を及ぼして、正極板の柔軟性を向上させているものと推察している。
止剤として使われる。しかし、他の酸化防止剤を本発明の化合物の代わりに使用しても、正極板に柔軟性を与えることは無く、可塑剤としては使えない。したがって、詳細なメカニズムは不明であるが、本発明のエンジオール結合を有する化合物が、結着剤の特性に変化を及ぼして、正極板の柔軟性を向上させているものと推察している。
本発明のエンジオール結合を有する化合物の中で、特に好ましい化合物としては、前述のアスコルビン酸のほかに、(化3)や(化4)に示すアスコルビン酸誘導体などを挙げることができる。これらは、本発明の効果が顕著な上に入手し易い化合物である。本発明で可塑剤としての効果を示しているのはエンジオール結合であるため、アスコルビン酸はl体でもd体およびラセミ体でも用いることができる。また、エンジオール結合を有する構造なら、アスコルビン酸の5位6位の水酸基は他の官能基に変換されていてもよく、エーテル基、エステル基、カルボニル基、芳香基、脂環基が結合していてもよく、これらの置換基の1つ以上の原子がハロゲン原子や、窒素原子、硫黄原子、リン原子、珪素原子などで置換されていてもよい。また、直鎖や枝分かれ、三次元架橋高分子体に化学的に結合されたエンジオール骨格を有した化合物でもよい。
この正極中含有量は、正極活物質に対して0.1〜3重量%が好ましい。0.1重量%未満の場合は添加の効果が充分に発揮されない。また3重量%を超えると過剰の化合物が電解液中に溶出・分解してガスが発生し、特に高温保存時に電池内圧の上昇を引起す。
本発明の化合物からなる可塑剤の正極への添加方法として、塗布する前の正極合剤塗料中に添加させるのが、特に好ましい。なお添加するアスコルビン酸の含有量は、正極活物質に対して0.1〜3重量%が好ましいことを確認している。
本発明に用いられる正極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明に於いて好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。
また、これらの材料の中でより好ましい材料はPVDFである。特に、本発明においてアスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体を使用した場合は、本発明の効果が顕著に表れる。
次に、本発明の電池の構成について説明する。正極活物質としては、コバルトまたはニッケル、マンガンを少なくとも1種類以上含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用さ
れる。これら正極活物質は、1種類だけ選択し使用しても良いが、2種類以上組み合わせて使用しても良い。
れる。これら正極活物質は、1種類だけ選択し使用しても良いが、2種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に用いられる正極用導電材は、構成された電池において実質的に化学安定な電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。
これらの導電材のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラックが特に好ましい。導電材の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
本発明に用いられる正極用集電体としては、構成された電池において実質的に化学安定な電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボンあるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。
形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
本発明の負極活物質は、リチウムと電気化学的に充放電反応し得る材料で、主成分が黒鉛材料、難黒鉛化性炭素質材料またはリチウム合金である。リチウム合金の中では特に、ケイ素、スズ、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムから選ばれる少なくとも一種を含む合金が好ましい。
負極活物質の平均粒径は、特に限定はされないが、1〜30μmであることが好ましい。負極には特性改善の目的のために導電材を用いることが好ましく、電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。
これらの導電材のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。導電材の添加量は、特に限定されないが、負極活物質に対して1〜30重量%が好ましく、特に1〜10重量%が好ましい。本発明に用いられる負極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
本発明に用いられる負極用集電体としては、構成された電池において実質的に化学安定な電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケルあるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。
これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パ
ンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。
ンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。
厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。正極と負極の電極合剤には、導電材や結着剤の他、フィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、電極合剤に対して0〜10重量%が好ましい。
本発明における負極板と正極板の構成は、少なくとも正極合剤面の対向面に負極合剤面が存在していることが好ましい。本発明に用いられる非水電解質は、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3SO2)2、LiAsF6 、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、イミド類等を挙げることができ、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6 を含ませることがより好ましい。
本発明における特に好ましい非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、支持塩としてLiPF6 を含む電解液である。これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイズによって必要量を用いることができる。支持電解質の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
さらに、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加することも有効である。例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン
誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。本発明に用いられるセパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。
誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。本発明に用いられるセパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。
また、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織布または織布が用いられる。
セパレータの孔径は、電極シートより脱離した正負極材料、結着剤、導電材が透過しない範囲であることが望ましく、例えば、0.01〜1μmであるものが望ましい。セパレータの厚みは、一般的には、10〜300μmが用いられる。
また、空孔率は、電子やイオンの透過性と素材や膜圧に応じて決定されるが、一般的には30〜80%であることが望ましい。また、ポリマー材料に、溶媒とその溶媒に溶解するリチウム塩とから構成される有機電解液を吸収保持させたものを正極合剤、負極合剤に含ませ、さらに有機電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセパレータを正極、負極と一体化した電池を構成することも可能である。このポリマー材料としては、有機電解液を吸収保持できるものであればよいが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好ましい。
以下、本発明の具体例について実施例をもちいて説明する。
(実施例1)
図1に本実施例において用いたリチウムイオン二次電池の構成を示す縦断面図を示す。
図1に本実施例において用いたリチウムイオン二次電池の構成を示す縦断面図を示す。
正極板の作製は次のようにして行った。正極板5は、活物質であるリチウム含有コバルト複合酸化物の粉末84重量%に対し、導電材の炭素粉末10.5重量%とN-メチル-2-ピロリドンに溶解した結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5.5重量%を混合してスラリーを作製した。この正極材ペーストに対して、米国Aldrich社製のアスコルビン酸0.1重量%を添加し、混合分散させた。これをアルミ箔からなる正極集電体上に塗布・乾燥し、しかるのちに、圧延して正極活物質層の厚さが70μmで、充填密度が3.8g/cm3と3.5g/cm3 の正極を作製した。その後、所定の寸法に切断後、正極リード5aを溶接して作製した。
負極板6は、活物質である黒鉛粉末95重量%に対し、結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、これらを脱水N−メチルピロリジノンに分散し、ポリフッ化ビニリデン樹脂を溶解させてスラリーを作製し、銅箔からなる負極集電体上に塗布・乾燥・圧延し、所定の寸法に切断後、負極リード6aを溶接して作製した。
これら正極板5及び負極板6を、セパレータ7を介して複数回渦巻状に巻回した後、正極リード5aを封口板2に接続し、負極リード6aをニッケル鍍金した鉄製の電池ケース1の底部に接続する。さらに絶縁リング8を極板群4の上下部にそれぞれ配置し、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒にLiPF6を1.5モル/リットル溶解した有機電解液を注入する。最後に絶縁パッキング3を介して封口板2と電池ケース1をかしめることにより一体化し、外径18mm、長さ65mmの円筒型電池を作製した。これを実施例1の電池とする。
(実施例2)
実施例1において、アスコルビン酸を0.1重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、アスコルビン酸を0.1重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
実施例1において、アスコルビン酸を0.05重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、アスコルビン酸を0.05重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
実施例1において、アスコルビン酸を3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、アスコルビン酸を3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
実施例1において、アスコルビン酸を3.5重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、アスコルビン酸を3.5重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(比較例1)
実施例1において、アスコルビン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、アスコルビン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様にした。
(比較例2)
実施例1において、酸化防止剤である(化5)に示すジブチルヒドロキシトルエンを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、酸化防止剤である(化5)に示すジブチルヒドロキシトルエンを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(比較例3)
実施例1において、酸化防止剤である(化6)に示す2, 5-ジ-t-ブチルハイドロキノンを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、酸化防止剤である(化6)に示す2, 5-ジ-t-ブチルハイドロキノンを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(比較例4)
実施例1において、(化7)に示す2,3―ブタンジオールを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、(化7)に示す2,3―ブタンジオールを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にした。
(比較例5)
実施例1において、(化8)に示すデヒドロアスコルビン酸を2重量%とした以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、(化8)に示すデヒドロアスコルビン酸を2重量%とした以外は実施例1と同様にした。
上記の実施例・比較例について、下記の評価を行った。
(柔軟性評価試験)
得られた正極板を、φ3の円柱を中心として捲回し、その外観(合剤剥がれおよび割れの有無)を観察した。結果を表1に記す。
(電池初期特性)
400mAの定電流で4.2Vに達するまで充電した後、400mAの定電流で3.0Vに達するまで放電し、その時の放電容量と、1KHzでの電池の内部抵抗を計測した。結果を表2に示す。
(電池保存特性)
上述した初期特性と同様の条件で充電をいった後、85℃環境下で3日間放置し、放置後の電池内部ガス量をガスクロマトグラフィーにより定量した。結果を表3に示す。
(柔軟性評価試験)
得られた正極板を、φ3の円柱を中心として捲回し、その外観(合剤剥がれおよび割れの有無)を観察した。結果を表1に記す。
(電池初期特性)
400mAの定電流で4.2Vに達するまで充電した後、400mAの定電流で3.0Vに達するまで放電し、その時の放電容量と、1KHzでの電池の内部抵抗を計測した。結果を表2に示す。
(電池保存特性)
上述した初期特性と同様の条件で充電をいった後、85℃環境下で3日間放置し、放置後の電池内部ガス量をガスクロマトグラフィーにより定量した。結果を表3に示す。
表1の結果から、アスコルビン酸を適量添加した実施例1、実施例4および実施例5ならびにアスコルビン酸誘導体を適量添加した実施例2の正極板には合剤割れまたは剥がれという現象は生じなかったが、比較例1のようにアスコルビン酸を添加しないと合剤割れならびに剥がれという現象が発生している。アスコルビン酸添加量が少ない実施例3においては、合剤割れが発生したが、極板として致命的な合剤剥がれは生じなかった。
また、比較例2ならびに比較例3において、アスコルビン酸ではない酸化防止剤を添加した場合においても、合剤割れならびに剥がれが発生している。
一方、エンジオール結合を有さない2,3-ブタンジオールとアスコルビン酸の酸化体であるデヒドロアスコルビン酸を添加した比較例4ならびに比較例5においては合剤割れならびに剥がれが発生している。
表2の結果から、比較例1〜5においては実施例1〜5に比べて初期容量が十分出せず、初期内部抵抗も高い。アスコルビン酸添加量が少ない実施例3においては、実施例1〜2ならびに実施例4〜5に比べて初期容量が若干少なく、初期内部抵抗が若干高いことから、アスコルビン酸の適量範囲が0.1重量%以上であることが分かる。試験後、電池を分解したところ、表1に記した結果と同様な極板状態が見られた。
表3の結果から、アスコルビン酸を添加していない比較例1と、アスコルビン酸ならびにアスコルビン酸誘導体を0.05〜3重量%添加した実施例1〜4においては、ガス発
生量が少ない。アスコルビン酸を3.5重量%添加した実施例5においては実施例1〜4ならびに比較例1に比べて発生ガス量が多いことから、アスコルビン酸の適量範囲が3重量%よりも少ないことがわかる。
生量が少ない。アスコルビン酸を3.5重量%添加した実施例5においては実施例1〜4ならびに比較例1に比べて発生ガス量が多いことから、アスコルビン酸の適量範囲が3重量%よりも少ないことがわかる。
比較例2ならびに比較例3において、アスコルビン酸ではない酸化防止剤を添加した場合、過剰なガスが発生している。
一方、エンジオール結合を有さない2,3-ブタンジオールを添加した比較例4において過剰なガスが発生している。
充電後の極板をテトラヒドロフランで洗浄し、洗浄溶液をガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、実施例1〜5および比較例5の極板からはアスコルビン酸の酸化体であるデヒドロアスコルビン酸およびデヒドロアスコルビン酸誘導体が検出されたが、比較例1〜4においては検出されなかった。
アスコルビン酸を添加していない比較例1の正極板をSEM観察したところ、ポリフッ化ビニリデンの結晶を確認したが、アスコルビン酸を適量添加した実施例1と2の正極板においてはポリフッ化ビニリデンの結晶は確認できなかった。極板の割れや剥がれを発生させているのはポリフッ化ビニリデンの結晶化に依るものであると考えられる。
以上の効果は、アスコルビン酸ならびにアスコルビン酸誘導体が酸化防止剤として効果を発揮しているのではなく、また、エンジオール結合以外の骨格が効果を発揮しているのでもなく、極性バインダーであるポリフッ化ビニリデンの結晶性を低下させるために、アスコルビン酸ならびにアスコルビン酸誘導体のエンジオール骨格が有効であること示している。
本発明の非水電解質二次電池は、高容量のポータブル用電源等として有用である。
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
6 負極板
7 セパレータ
8 絶縁リング
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
6 負極板
7 セパレータ
8 絶縁リング
Claims (5)
- 正極活物質と結着剤からなる正極と、非水電解質を含有する電解質層と、負極とからなる巻回型極板群を備える非水電解質二次電池において、前記正極中に(化1)に示すエンジオール結合を有する化合物を含有する可塑剤が添加されていることを特徴とする非水電解質二次電池用極板。
- 前記エンジオール結合を有する化合物の含有量が、前記正極活物質に対し、0.1〜3重量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記エンジオール結合を有する化合物がアスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記結着剤がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
- 正極活物質と結着剤と導電材からなる正極材ペーストを正極芯材に塗着して正極板を作製する正極板作製工程と、負極板を作製する負極板作製工程と、これらの極板を渦捲き状巻回電極群に構成する群構成工程と、前記電極群を外装缶と封口板で密閉して電池に仕上げる組み立て工程からなる非水電解質二次電池の製造方法において、前記正極材ペーストに、エンジオール結合を有する化合物を含有する可塑剤を添加することを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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2004
- 2004-04-02 JP JP2004109807A patent/JP2005294140A/ja active Pending
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