特許文献1の電球形蛍光ランプは、発光管保持用の穴が形成された透光性を有するホルダによりバルブ端部を保持固定している。したがって、バルブ端部からの可視光のうち僅かな可視光が透光性を有するホルダを通過し、外部へ放射されるものの、バルブ端部および発光管からの光出力の一部はカバー体内に収容された点灯装置を構成する回路基板側に放射されてしまう。さらに、バルブ端部は、透光性を有さないカバー体内に位置するため、バルブ端部からの光出力を直接的にグローブを介して放射することは難しい。さらに、複数の屈曲バルブを連結する連結管およびバルブ端部ならびにホルダの位置関係の開示がされておらず、最大発光効率を得られる詳細な検討がされていなかった。
特許文献2の蛍光ランプは、バルブ端部からの光出力を反射層を有するキャップにより覆うことでそのバルブ端部からの放射される光を反射させ、効率よく外部に放射させることで効率向上を図ったものである。しかし、反射層により反射した光は、再びバルブ内に向けて反射されるため、発光効率を向上させることは困難であった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、発光管からの光を効率よく外部に放射することにより、出力光束を増大させ、発光効率を一層良好とした電球形蛍光ランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
請求項1記載の蛍光ランプは、複数個の屈曲バルブの端部を連結管により連結して1本の放電路を形成し、放電路の両端に電極を有するとともに内面に蛍光体層が形成され、放電媒体が封入された蛍光ランプと;一端側には一端側を閉塞する仕切板を、他端側には口金を有しており、仕切板と蛍光ランプを構成する全ての屈曲バルブの端部は対向しているとともに、各バルブの端部を仕切板から他端側方向に突出することなく支持しているカバー体と;を具備していることを特徴とするものである。
屈曲バルブは、直管状ガラスバルブのほぼ中央部を加熱溶融し、屈曲するか、またはガラスバルブをモールド成形することによってU字状に屈曲した形状に形成される。ここで、「U字状に屈曲形成された」とは、放電路が屈曲部で折り返されて放電が屈曲するようにガラスバルブが形成されていることを意味し、屈曲部が湾曲状または円弧状に形成されたものに限定されず、屈曲部が角形状や尖鋭状に形成されたものも含むという意味である。要するに、放電路が屈曲するように直線部の一端同士が連続するように形成されたバルブを意味する。また、屈曲バルブは、ほぼ平行な2本の直線部の一端同士を吹き破りなどによって形成された連通管によって接続され、全ての端部が同方向となるように形成されている。すなわち、スパイラル状や鞍形などの放電路から外れる空間が両端のみに位置する発光管を有する蛍光ランプは含まない。
バルブ端部とは、ピンチシールである場合、圧潰封止部分の端部であり、ステム封止の場合においては、フレア部とバルブ周囲を溶着した部分の端部である。すなわち、バルブ端部から突出している排気管やアマルガム封入用の細管は含まれない。
なお、屈曲バルブはガラス製でなくてもよく、透光性気密容器を形成可能なセラミックスなどの材質で形成することが許容される。さらに、バルブ封止方法はステムシールであっても圧潰封止であっても構わない。
発光管内面には直接または間接的に蛍光体層が被着されている。蛍光体層は、希土類金属酸化物蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体などが挙げられるが、これに限らない。しかし、発光効率を向上させるためには赤、青、緑の各色に発光する蛍光体を混合した三波長発光形の蛍光体を使用するのが好ましい。
発光管には、発光管内に形成された放電路の両端に電極が封装されている。電極はフィラメントからなる熱陰極、電子放射物質が坦持されたセラミック電極、ニッケルなどから形成された冷陰極などが挙げられる。
発光管には、内部に放電媒体が封入されている。放電媒体としては、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスおよび水銀からなる。
口金は、白熱電球用のE形と称されるねじ込みタイプやコンパクトタイプ蛍光ランプなどの口金ピンなど電気接続部分の形状は特に限定されない。また、口金は、カバー体に直接装着される必要はなく、間接的にケースに装着されるものやカバー体の一部に口金を構成するものであってもよい。
カバー体の一端側に有する仕切板の少なくとも発光管側面は点灯中発光管からの光を吸収、透過することなく、効率よく反射可能な材料により形成されていることが望ましい。従来同様白色の樹脂により形成されているものであっても構わないが表面に銀、アルミニウム、ニッケルまたはクロムなどの金属材料を蒸着や塗装などの方法により形成されたものであっても構わない。さらにはその反射膜は、鏡面であることが望ましく、多少拡散反射するものであっても構わない。さらには、仕切板は反射可能な材料により形成されていても樹脂からなる仕切板に表面処理されているものであっても構わない。また、発光管を構成する全てのバルブ端部と対向している仕切板に、発光管を保持可能な構造を一体的にまたは別体として有していても構わない。例えば、カバー体の一端側面に透光性を有する凹凸を設けその弾性により支持していても、さらには特定の構造を有することなく、透光性を有する接着剤などによりバルブ端部と仕切板を固着しても構わない。要するに、カバー体の一端側を閉塞している仕切板面から他端側の口金側にバルブ端部を突出することなく発光管を支持可能であればその方法は特に限定されない。すなわち、蛍光ランプからの可視光を効率よく放射するために、透光性を有さない部材からなるカバー体内に発光管を配設させずに支持可能であればその方法、構造は限定されるものではない。
なお、カバー体の一端側を閉塞するとは、カバー体内空間と隙間なく密閉閉塞するほか、カバー体内空間と外気が通風可能な程度の隙間を有していても構わない。要はバルブ端部から放射される可視光の多くがカバー体内方向に放射されない程度の隙間であれば構わない。
請求項1記載の蛍光ランプによれば、全てのバルブ端部カバー体の一端側に有する仕切板から他端側方向に突出していないので、発光管からの光出力を効率的に外部に放射可能となる。したがって、従来と同様の発光管を使用しても発光光束を向上でき、放射効率を改善することができる。
請求項2記載の蛍光ランプは、管外径が8〜12mmの複数個の屈曲バルブの端部を連結管により連結して1本の放電路が形成された発光管と;発光管の両端に封装された電極と;各屈曲バルブの連結管からバルブ端部方向8〜20mmの領域に形成された蛍光体層と;一端側には発光管を保持可能な仕切板を有しているとともに他端側に口金を有しており、蛍光体形成領域を仕切板よりも他端側に位置することなく支持可能なカバー体と;を具備していることを特徴とするものである。
従来から複数本の屈曲バルブを連結してなる蛍光ランプにおいては、各バルブを連結する際、放電路を確保するために連結管はできるだけバルブ端部に近づけていた。これは、放電路が屈曲している場合、放電はその屈曲部の最短距離を通るため、放電路から外れる領域を小さくすることで放電路長を比較的長く確保していた。また、蛍光体層の塗布領域も同様であり、放電路から外れる放電にほとんど寄与しない連結管からバルブ端部の領域に形成することで無駄な蛍光体液を使用することになる。
しかし、一層の小形化および全光束の改善を図るためには、限られたスペース内に密にバルブを連結する必要がある。比較的自由にかつ容易に放電路を確保する手段として、隣接する屈曲バルブ端部を吹き破ることで連結する方法が一般的である。しかし、複数の屈曲バルブを連結していることから、放電路が長くなることに比例してバルブ端部数も増加する。すなわち、特に連結管からバルブ端部の領域は、発光管全体に占める割合が増えることになるため、連結管からバルブ端部の可視光を効率よく照射させることで全光束が改善が図れることとなる。
そこで、発光管寸法が同一である場合において、全光束が最大となるバルブ端部および連結管距離ならびに蛍光体形成領域の関係を検討した。その結果を図6に示す。発光管外径8〜12mmである場合、連結管からバルブ端部方向5mmの位置にバルブ端部を形成するとともに、連結管からバルブ端部全てに蛍光体層を形成した発光管は、放電路を比較的長くできるものの、最大発光効率(100%)に対して全光束は95%であった。次に、発光管外径は同一で連結管からバルブ端部方向8mmの位置にバルブ端部を形成するとともに連結管からバルブ端部まで蛍光体層を形成した発光管は、最大発光効率に対して98%であった。同一条件で連結管からバルブ端部までの距離を10mmとした発光管においては、最大発光効率100%であった。また連結管からバルブ端部までの距離を15mmとした発光管は、最大発光効率に対して99%、連結管からバルブ端部までの距離が20mmの発光管は98%、連結管からバルブ端部間を25mmとした場合、最大発光効率に対して95%であった。
これは、バルブ端部から連結管までの距離を10mmよりも短くすることで放電路長は同一発光管を用いた場合、比較的長い放電路長を確保することができる。しかし、連結管部分で発生した紫外線は、非蛍光体層であるバルブ端部の非蛍光体層形成領域である封止部に放射されてしまい、バルブ内で発生した紫外線を有効に可視光に変換されなかったものと推測する。一方、バルブ端部から連結管までの距離を10mmよりも長くするとともに、連結管からバルブ端部までの領域全てに蛍光体層を形成した発光管も、最大発光効率を得ることはできなかった。これは、連結管からバルブ端部方向で発生した紫外線はバルブ端部方向に向けて形成された蛍光体層により可視光に全て変換できたものの、反対に放電路長が短くなり効率低下したものと推測する。
以上のような検討結果から、複数のバルブ端部を連結してなる発光管においては、放電路長の増大よりも特に、バルブ端部で発生した紫外線を有効に可視光に変換した発光管の方が、効率が良いことが判明した。
請求項2記載の蛍光ランプによれば、管外径8〜12mmの複数の屈曲バルブを連結してなる蛍光ランプにおいて、連結管からバルブ端部方向8〜20mmの領域に蛍光体層を形成しているので、バルブ内で発生した紫外線を有効に可視光に変換することができる。
請求項3記載の蛍光ランプは請求項1または2記載の蛍光ランプにおいて電極フィラメントコイルからバルブ端部にむけて5mmを超えるバルブ内壁には蛍光体層が形成されていないことを特徴とするものである。
放電は電極フィラメント間で生起されるため、電極を封装したバルブ端部からフィラメント間においては、蛍光体を塗布したとしても発光しない領域となる。しかし、フィラメントに塗布されたエミッタは放射状にスパッタするため、フィラメントからバルブ端部に向けて5mm程度蛍光体層を形成することで、電極間から外れた領域でも僅かながら発光に寄与することになる。したがって、電極からバルブ端部方向5mmの領域には蛍光体層を形成する必要がある。
また、ランプの大型化を最小限に抑えつつ、放電路長を確保するために、バルブ同士を近接配置させバルブ容積率を高め実装した場合、中間に位置するバルブ端部からの可視光は電極を封装した非蛍光体層を透過して可視光を効率よく放射することができる。
請求項3記載の蛍光ランプによれば、電極を有するバルブ端部において、フィラメントコイルからバルブ端部に向け5mmを越える領域には蛍光体層を形成していないので、バルブ容積収容率を高めた場合においても、可視光放射率を一層改善することができる。
請求項4記載の蛍光ランプは、請求項1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプは、前記蛍光ランプは、バルブ端部に封着された複数個の細管を有し、これら細管のうち少なくとも1個の細管内には点灯中の発光管内の水銀蒸気圧を最適に制御するためのアマルガムを封入し、かつこのアマルガムを封入した細管をカバー体内に位置させていることを特徴とするものである。
一般的に蛍光ランプは、通常点灯時の発光管内の水銀蒸気圧が1〜2.4Paであるときに、発光効率が最大となる。純水銀を封入したランプでは、この蒸気圧を得るために発光管の一部を40〜70℃とさせることにより、管内の水銀蒸気圧を最適な状態に保つことができる。しかし、小形化高出力化に伴い、発光管からの熱量は一層多くなるため、点灯中高温となり、純水銀を封入することは困難となる。
従来の蛍光ランプは、発光管を構成するバルブ端部をホルダにより保持し、その端部がカバー体内に介在している。複数のバルブ端部のうち、特に両側に位置する電極を有するバルブ端部は点灯中非常に高温となる。このように両端に位置するバルブ端部を含め複数のバルブ端部を、カバー体内に介在させることでカバー体内温度は非常に高温となるとともに、バルブ端部に封着された細管内にアマルガムを封入した場合、アマルガム温度も高くなってしまう。そのため、水銀蒸気圧の高いアマルガムを使用することが困難となり、光束立ち上がり特性は良いものではなかった。従来からカバー体内の空間の温度は、発光管から離間する空間ほど温度は低いことは知られている。これは幾つかの要因が考えられるが一つは、単に点灯中の熱源である発光管から離間しているとともに、バルブ端部をカバー体内に挿通させ保持しているもののカバー体内は密閉状態に近い空間であるため、カバー体内空間で対流が発生しにくいためと思慮する。電球形蛍光ランプにおいては、発光管を構成するバルブ端部を挿通させ支持するホルダと、複数の電子部品を実装しているとともに、全てのバルブ端部と対向するよう配置された回路基板により発光管側の熱を遮断するとも考えられている。したがって、全てのバルブ端部をカバー体内に介在させないランプにおいては、カバー体内の温度は従来品に比べて比較的低温に保つことができる。したがって、点灯中高温となるランプにおいても、放電路から離間した細管の一部に低温領域を形成することで純水銀に近い蒸気圧特性を有するアマルガムを使用することができる。さらに、バルブ端部に封着された細管は発光に寄与しない部分であるとともに、放電路から離間された空間であるため、カバー体内に介在させても最大光出力の低減およびカバー体内温度の上昇などの問題はない。
なお、カバー体内に細管を延在させるために、カバー体一端側の仕切板に開口部を有していても、切欠部を有していてもよく、要はカバー体内にバルブ端部に封着された細管を配置可能であればその方法、構造は限定されない。また開口部や切欠部を介してカバー体内に延在させている場合においては、細管外径よりわずかに径大な開口であることが好ましい。すなわち仕切板に細管を挿入した状態で互いの隙間は少ないことが好ましい。
また、アマルガムを封入するにあたっては、点灯直後の水銀蒸気の拡散を補うため、通常補助アマルガムを発光管内に配置するが、この補助アマルガムは必須ではなく、点灯直後に発光管内に適度な水銀蒸気を供給可能な条件で発光管が構成されるものであれば本発明は適用可能である。さらに、カバー体内に介在させる細管は、アマルガム封入用の細管であっても、排気用の細管であっても、さらには、複数本介在させても構わない。
請求項4記載の蛍光ランプによれば、請求項1ないし3いずれか一記載の蛍光ランプは点灯中の発光管内の水銀蒸気圧を最適に制御するためのアマルガムを封入することが可能となり、光束立上り特性が向上する。
請求項5記載の電球形蛍光ランプは、カバー体の他端側に形成された口金がねじ込み式である請求項1ないし4いずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを点灯させる点灯回路を構成する複数の電子部品を有しており、カバー体内に収容された点灯装置と;蛍光ランプを包囲する透光性を有するグローブと;を具備していることを特徴とするものである。
点灯装置は、カバー体内に収容されるものである。点灯装置の基板は、カバー体に対して直接的または間接的にかつ、回路基板の主要面と発光管長手方向とが略直交していても、平行していてもカバー内に収納されていれば構わない。
発光管を覆うグローブは発光管の形状により種々変形してもよい。
請求項5記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし4いずれか一記載の発明の作用を有する蛍光ランプを備えた電球形蛍光ランプを提供することができる。
請求項6記載の電球形蛍光ランプは、請求項5記載の蛍光ランプを構成する複数のバルブの全ての端部を前記グローブ一端側の開口部よりも他端側に配設されていることを特徴とする。
全てのバルブ端部とは、複数の屈曲バルブを連結管により連結された発光管の放電に寄与するバルブ端部を示す。したがって、複数の屈曲バルブを連結してなる発光管の電極間で発生する可視光の全て、すなわち、少なくとも電極を封装したバルブ端部を除くことも含まれる。
なお、グローブの開口部よりも他端側とは、グローブ単体での開口部を示すほか、透光性を有さないカバー体と透光性を有するグローブを組立てた状態においては、外側面からから観て実質グローブとカバー体の境界よりもグローブ側にバルブ端部が位置している状態を意味する。
請求項6記載の電球形蛍光ランプによれば、全ての端部をグローブ開口よりも他端側に配設しているので、発光管から発生する可視光を効率良くグローブを介して放射することができるので、発光管の最大発光率を低下させることを抑制できる。
請求項7記載の照明器具は、請求項1ないし6いずれか一記載の蛍光ランプまたは電球形蛍光ランプと;この蛍光ランプまたは電球形蛍光ランプが装着された器具本体と;を具備していることを特徴とするものである。
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6いずれか一記載の作用を有する照明器具を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態である電球形蛍光ランプを図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の電球形蛍光ランプを示す口金を外した状態の正面断面図、図2は図1の電球形蛍光ランプのグローブを外した状態を示す上面図、図3は図1の蛍光ランプの展開図であるである。
図において、この電球形蛍光ランプは、口金11を有するカバー体10と、カバー体10の開口部を閉塞するとともに蛍光ランプを保持するホルダ12と、カバー体10に収納された点灯装置20と、透光性を有するグローブ30と、このグローブ30に収納された蛍光ランプ40とを備えている。そして、グローブ30とカバー体10とから構成される外囲器は、定格電力100W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金11を含む高さは120〜140mm程度、直径すなわちグローブ30の外形が50〜70mm程度、カバー体10の外形が50mm程度に形成されている。なお、一般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるものである。
蛍光ランプ40を構成するガラスバルブ41内面には、アルミナ(Al2O3)保護膜(図示しない)とその上に蛍光体層42が形成されている。
蛍光ランプ40は、略同形状の6本のU字状屈曲形バルブ41a〜41fを所定の位置に配置し、連通管43を介して順次接続することによって、1本の放電路が形成されている。
6本のU字状屈曲形バルブ41a〜41fは、管外径6〜13mm、本実施の形態では約8.15mmに構成されている。管外径が13mmを越えると十分な放電路を確保しつつ小形化することは困難であり、6mm未満とすると始動電圧が上昇するとともにランプ効率が低下し、また製造上困難になる。
各U字状屈曲バルブ41a〜41fの高さ寸法は約63mmであり、バルブ端部から連通管43までの距離lは14mmであるとともに、直線部間隔は2.5mm程度に形成されている。また、各バルブ41a〜41fを連通しているバルブ間隔も2.5mm程度に形成されている。なお、各U字状屈曲バルブのうち、電極を封装した端部を除く全ての端部を含めたバルブ内壁面には蛍光体層が形成されている。電極が封装されたバルブ端部は電極フィラメントからバルブ端部方向5mmを越える領域には蛍光体層が形成されていない。
6本のU字状屈曲バルブ41a〜41fは、蛍光ランプ40の軸方向に直交するよう横断方向から見ると、電極50を有するバルブ41a,41fが底面に配置されて3本のU字状屈曲バルブによって略凸状をなすよう連結された2つの凸状の底面同士が互いに対向するとともに、電極50を有するバルブ41a,41f端部同士が対向するよう底面に位置する電極50を有さないバルブ端部41c,41dを連結管43により連結し、実質長が650mmの1本の放電路が形成されている。なお、3本のバルブを凸状に連結された頂部に位置するU字状屈曲バルブ41b,41eの2本の直線部と、底面に位置する2つのU字状屈曲バルブ41a,41c,41d,41fの内側に位置する直線部を連結する2本の連結管43は略並行に連結されている。すなわち、底面に位置する2つの屈曲バルブ41a,41c,41d,41fと頂部に位置する屈曲バルブ41b,41eは、略直角に連結されている。なお、6本の屈曲バルブ41a〜41fは、バルブ並設方向の最大幅が32〜55mm程度に形成されている。
蛍光ランプ40の両側に位置する屈曲バルブ41a,41fの非連通管側の一端部には、電極としてのフィラメントコイル51が、一対のウエルズに支持されて配置されている。一対のウエルズは、バルブ端部41a,41fから15〜25mm程度バルブ内方向に延在している。両端の屈曲バルブ41a,41fの端部に封着されたジュメット線を介して、屈曲バルブの外部に導出されたランプ側ワイヤーに接続されている。そして、蛍光ランプ40から導出された2対すなわち4本のランプ側ワイヤーは、点灯装置20に電気的に接続されている。
中間の屈曲バルブ41b,41c,41d,41eの所望の一端部および電極50近傍のウエルズには補助アマルガム52が設けられている。中間の屈曲バルブ41b,41c,41d,41eに設けられた補助アマルガム52は、ピンチシールなどにより封着されたウエルズに取付けられており、放電路の中間位置に配設される。補助アマルガム52は、縦2mm、横7mm、厚さ40μmのステンレスの基板に金(Au)または銀(Ag)を約3mgメッキした形成されたものである。
中間の屈曲バルブ41dに封着された細管44は、その先端がカバー体10内の口金11側に位置するように屈曲バルブ41dの端部からの突出長は15〜50mmの長さとするのが好ましく、本実施形態では直線長さにして約45mmで突出している。この細管44内には主アマルガム53が封入されているとともに、後述するホルダ12および回路基板21の開口部13a,21aを貫通しカバー体10内空間まで突出している。なおバルブ端部41dから細管44先端までの突出高さは約40mmである。
主アマルガム53は、ビスマス(Bi)が50〜65質量%、錫(Sn)が35〜50質量%からなる合金を基体とし、この合金に対して水銀を12〜25質量%含有させたものである。
そして、蛍光ランプ40には、封入ガス比率が99%以上のアルゴンガスが封入圧力400〜800Paで封入される。
以下、口金側を上側、グローブ側を下側として説明する。
ホルダ12は蛍光ランプ40支持する仕切板13を有しているとともに点灯装置20を固定する手段を有し、このホルダ12がカバー体10の一端側を閉塞するようにカバー体10に装着されている。
ホルダ12を構成する仕切板13は、光反射率の高い白色のPBTによりバルブ最大幅と略同寸法の直径を有する円形状に形成されている。さらに、少なくともバルブ端部41dから突出形成された細管44を貫通可能な約6mm程度の開口部13aを有している。この開口部13aを介して細管44のみ貫通可能とし、細管44を挿入した後、開口部13aと細管44の隙間をカバー体10内側から耐熱性を有するシリコーン樹脂を充填し隙間を塞いでいる。蛍光ランプ40は、全てのバルブ端部が仕切板13に対向するよう位置しており、バルブ端部に封着された細管44をのみを仕切板13の開口部13aに貫通させた状態で仕切板13の蛍光ランプ40側面において透光性を有するシリコーン樹脂60により固着している。
また、点灯装置20は水平状すなわち蛍光ランプの長手方向と垂直に配置される円板状の回路基板21を備え、この回路基板の両面すなわち口金11側である上面および蛍光ランプ40側である下面に、複数の部品22(電気部品)が実装されて、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)を構成している。回路基板21は、蛍光ランプ40の最大幅 の1.2倍以下の直径(最大幅寸法)に形成されている。
回路基板21の口金11側面には、平滑用電解コンデンサや、インダクタ、トランス、抵抗やフィルムコンデンサなどからなる電子部品22の大部分が実装されている。回路基板21の蛍光ランプ40側の他面には、電解効果形トランジスタ(FET)や整流ダイオード(REC)、チップ抵抗など、比較的耐熱温度が高い小形電子素子が実装されている。平滑用電解コンデンサは、電界効果形トランジスタ、トランス、限流インダクタ、抵抗、共振コンデンサなどの発熱量が比較的多い電子部品よりもその先端部が口金11側に配置されている。
回路基板21には、ホルダ13と同様に直径約6mmの円形状の開口部21aが1箇所形成されている。回路基板21に形成された開口部21aには、主アマルガム53を封入した細管44が挿通され、この開口部21aを介して細管44先端部が口金11側まで延在している。なお、主アマルガム53は、電解コンデンサを除く電子部品よりも口金11側である電解コンデンサに隣接して位置するように細管44内に収容されている。
そして、カバー体10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの透光性を有さない耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体10aを備えている。
そして、このカバー本体10aは、下方に拡開する略筒状をなし、上方には、E26形などの口金11が被せられる筒部10bを有し、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
また、グローブ30は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとともに、開口部の縁部には、カバー体10の下端の開口部の内側に嵌合する嵌合縁部が形成されている。なお、このグローブ30は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上することもできる。
本実施形態の電球形蛍光ランプは、入力電力定格24Wで、蛍光ランプには、22Wの電力の高周波で加わり、ランプ電流は140mA、ランプ電圧は160Vとなり、蛍光ランプからの光出力により全光束が約1500lmとなっている。
本実施の形態の電球形蛍光ランプによれば、蛍光ランプ40を支持するホルダ12を構成する仕切板13からカバー体10方向に蛍光ランプ40を構成する全ての端部を貫通することなく支持しているので、放電路から離間したバルブ端部から放射される可視光線の殆んどを外部に放射することができる。さらに、バルブ端部から連結管43までの距離を14mmとするとともにその領域に蛍光体層を形成しているので、バルブ内で発生する紫外線を可視光として変換させ、効率よく外部に照射することにより一層光出力が改善することができる。さらには、本実施の形態の電球形蛍光ランプにおいて、点灯中の主な熱源である蛍光ランプ40を構成する全てのバルブ41a〜41fをカバー体10内に介在させないので、カバー体10内空間を比較的低温状態に保つことができる。したがって、点灯装置20が蛍光ランプ40からの熱影響を受け熱損傷することを抑制することができる。さらに、カバー体10内に介在させた主アマルガム53を最適な温度に維持することができるので点灯中の蛍光ランプ40内の水銀蒸気圧を最適に制御することができる。また、比較的低温のカバー体10内空間内に細管44を介在させることにより、点灯中も蛍光ランプ40の一部に最適な温度領域を形成することができるので、純水銀に近い水銀蒸気圧を有する主アマルガム53を使用することができ、光束立上り特性が向上する。
図4は、本発明第2の実施の形態における定格電力45Wのコンパクト形蛍光ランプを示す正面図である。
図において図1と同一部分については同一符号を付して説明する。
図4に示すコンパクト形蛍光ランプは、ガラス製の蛍光ランプ40と、この蛍光ランプ40の端部を一端側に支持しているとともに他端側に口金11を有する樹脂製のカバー体10とを備えている。
蛍光ランプ40は、管外径12mmの屈曲バルブ41a〜41fを6本連結管43により連結させ、700mmの1本の屈曲した放電路が形成されている。なお、各U字状屈曲バルブ41a〜41fの高さ寸法は約63mmであり、バルブ端部から連通管43までの距離lは17mmであるとともに、電極を封装したバルブ端部を除くバルブ端部は、連結管からバルブ端部方向に向けて12mmの領域まで蛍光体層が形成されている。電極が封装されたバルブ端部は電極フィラメントからバルブ端部方向5mmを越える領域には蛍光体層が形成されていない。
蛍光ランプ40を構成する6本の屈曲バルブ41a〜41fは、それぞれの屈曲バルブ41a〜41fを連結させる全ての連結管43が平行となるとともに、電極50を有する両端に位置するバルブ41a,41fは外側円周上に配設されている。すなわち、外側に位置する直線部を結んで八角形となるよう配置するとともに、外側の直線部に囲まれた内側に四角形となるとともに、4つの角が外側八角形の辺に対向するよう配設している。
蛍光ランプ40の両端部には、フィラメントコイルからなる電極50が形成されているとともに、内部には水銀媒体と希ガスなどが所定量封入されている。なお、水銀媒体としての主アマルガム53は、バルブ41内と連通するよう少なくとも一のバルブ端部41dに封着された細管44内に封入されている。
カバー体は、略円筒状の本体の一端側には、バルブ端部を挿通可能な開口部が形成された仕切板を有しているとともに、他端側には口金ピンを有している。各バルブ端部は仕切板に対向する方向から他端側に向けて、各バルブの連結管からバルブ端部方向の蛍光体層が形成されていない5mm程度挿通しており、仕切板からカバー体内に突出して支持されている、なお、各バルブ端部と仕切板の開口部の隙間はシリコーン樹脂60により接着することでコンパクト形蛍光ランプが組み立てられる。
本実施形態のコンパクト形蛍光ランプのランプ電圧は200V、蛍光ランプからの光出力は全光束約2400lmとなっている。
本実施の形態のコンパクト形蛍光ランプは、連結管からバルブ端部方向に向けて所望の領域に蛍光体層が形成されているとともに、非蛍光体層領域をカバー体の一端側から他端側に突出するよう蛍光ランプを固定しているので、バルブ端部で発生した紫外線の全てを可視光に変換することができ、その可視光を外部に放射することができるとともに、蛍光ランプはカバー体に安定して固定される。
さらに、電極を有するバルブ端部41a,41fにおいてフィラメント電極51からバルブ端部方向5mmを越える領域に蛍光体層を形成されていない。このように容積収容率を高めた場合、蛍光体層を形成しない領域を有する電極を封装したバルブ41a,41fを外円周上に配置することで、内円周上に配設されたバルブ端部からの可視光線を効率よく透過することができ可視光放射率を一層改善することができる。さらに、電極近傍領域に蛍光体層が形成されないので、その部分から外光が入射されやすくなり、その外光によって初期電子が蛍光体やフィラメント電極から電子放射物質の放出が容易となり、ランプの始動性を向上させることも考えられる。
次に本発明の一実施形態である照明器具を図5を用いて説明する。図5は本発明の照明器具の一実施形態を示す断面概略図である。図においてLは電球形ランプ、71は埋め込み形照明器具本体であり反射板72などより構成されている。