JP2005291744A - 液物性測定チップおよび測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種液の物性および成分を簡便かつ精確に測定する。
【解決手段】液滴下部位(11)と該液滴下部位から放射状に伸びる複数の線状液流路(12)を有する平板状部材からなり、該液滴下部位に滴下された測定対象液が該複数の線状液流路内を実質一次元的に拡散し、その拡散領域の長さを光学的または電気的に計測することができるように構成された液物性測定チップ。
【選択図】図1
【解決手段】液滴下部位(11)と該液滴下部位から放射状に伸びる複数の線状液流路(12)を有する平板状部材からなり、該液滴下部位に滴下された測定対象液が該複数の線状液流路内を実質一次元的に拡散し、その拡散領域の長さを光学的または電気的に計測することができるように構成された液物性測定チップ。
【選択図】図1
Description
本発明は、液物性を簡便かつ精確に測定するための液物性測定チップおよび測定装置に関する。
う触、歯周病、口臭、口内炎、カンジダ症などの口腔疾患を引き起こす原因の1つとして、唾液の分泌量が減少する口腔乾燥症(ドライマウス)が問題となっている。口腔乾燥症は、加齢に伴う高血圧症や更年期障害のための治療薬によって誘発されたり、シェーグレン症候群でみられることが知られており、また、唾液の浸透性や粘度といった物性を変化させることも懸念されている。口腔内の乾燥状態を測る客観的指標としては、パラフィン、ガムやガーゼを咀嚼して一定時間に分泌された刺激唾液量または重量を測定することが従来から行われているが、口腔内局所の濡れ状態や湿潤度を測定したり、安静時等唾液分泌量の少ない状態で口腔内乾燥状態や唾液物性を精確に測ることは、臨床現場では難しいため、そのような困難を解決したいという要請に応えるものとして、近年、唾液湿潤度検査紙(商品名:エルサリボ)が開発された(特許文献1参照)。
上記検査紙を用いて口腔内乾燥度を測定するのと同様に、唾液以外の体液や各種液状物質の物性を少量の試料で測定する簡便な手段は常に要請されるところであり、また、上記検査紙より改善された精度で各種測定を行うことができれば、医師や専門家の診断や検査が即座に得られないような場合、あるいはそうした診断や検査に先立って予備的な検査を行いたいような場合に便利である。測定対象液としては、上記唾液のほか、涙液、汗液、血液、リンパ液、組織液、血清、血漿、乳腺分泌液、初乳、母乳、尿、胃液、腸液、浮腫液、羊水、脳脊髄液、胆汁、膣液、精液、飲料水、ジュース、酒類、河川水、雨水、および工場廃水等が想定される。
上記特許文献1に記載の唾液湿潤度検査紙(エルサリボ)は、安静時においても口腔内局所の乾燥状態を湿潤度として測定することができ、同時に、唾液の浸透度、浸透速度、粘度等といった物性を簡便かつ安価に測定できるものであるが、口腔内に直接接触させて測定することから、口腔内の状態や接触のさせ方によって検査紙に付着する唾液の量やその他の測定条件が変わってきたり、また、同一唾液サンプルについて繰り返し測定することができないため、基本的に高精度の測定には向かない。さらに、取扱い性や自動測定への対応の点で不満が残る場合がある。また、測定対象液が唾液の場合には検査紙を測定部位(口腔内)に直接接触させて測定することも可能であるが、測定対象液によっては一旦サンプルとして採取されたものについて測定を行う必要があるもの(たとえば血液)もあり、体の所定部分に直接検査紙を接触させるような方法が常に利用できるわけではないことから、むしろ、一旦サンプルとして採取されたものについて精度よく測定が行えるような検査手段が求められている。
本発明者は、以上の課題を解決するものとして、特願2003−126815号において、液浸透性支持体層を有する液物性測定シート上に測定対象液を所定量滴下し、この液が当該液浸透性支持体層中を二次元的に拡散することによって所定時間経過後に形成される、ほぼ円形ないし楕円形の浸透領域のサイズを光学的に計測し、それにより当該液の浸透性、粘度等の物性を精度よく測定する装置を提案した。この装置は、一定量の測定対象液が中心から放射状に浸透することを利用することから(円形浸透領域の平均半径をとることになるので)測定精度が向上し、また、二次元拡散であることから(浸透領域が広がるに従って浸透速度が急激に低下するので)当該測定対象となる物性値が広範囲にわたる場合でも同一条件で測定可能であるという利点を有する。しかしながら、二次元拡散では一次元拡散に比べて測定に必要な最小液量が多くなる(少なくとも約0.5μL必要である)ため、測定対象液(検体)が極微量しか得られない場合には不便であるという問題があることがわかった。たとえば、涙液は採取が難しく、特にドライアイの人やシェーグレン症候群の患者からの安静時涙液の所定量採取は容易ではないので、微量の検体でも測定を行うことができる必要がある。
本発明者は、上記問題に鑑み、滴下位置を中心にして放射状に浸透(あるいは広義には拡散)するという上記提案装置の利点を生かし、かつ、測定に必要な最小液量を少なくすることを狙って、本発明を提案するものである。
本発明によれば、液滴下部位と該液滴下部位から放射状に伸びる複数の線状液流路を有する平板状部材からなり、該液滴下部位に滴下された測定対象液が該複数の線状液流路内を実質一次元的に拡散し、その拡散領域の長さを光学的または電気的に計測することができるように構成された液物性測定チップが提供される。本発明の液物性測定チップでは、液拡散領域は二次元的な広がりをもたない線状領域となるため、微量の液検体でも精度よく拡散距離を測定することが可能となる。上記線状液流路は、好ましくは、上記平板状部材の表面に形成された溝や液浸透性支持体層であることができ、あるいは、溝の内部に液浸透性支持体層が形成されたものであることもできる。溝が十分に細ければ毛細管現象により液検体が溝の内部を拡散するため、その場合は必ずしも液浸透性支持体層を設けなくてよい。液検体は放射状に伸びる線状液流路を同時に拡散するため、それらの拡散距離の平均をとることにより二次元拡散の場合と同等の信頼性が確保できる。
上記液物性測定チップは、好ましくは、ディスク状に形成され、その中心部に窪みとして形成された上記液滴下部位を有し、上記複数の線状液流路は該窪みから放射状に伸びる溝として形成される。ディスクの素材は検体液に侵されない無機化合物や有機合成樹脂であり、好ましくは、石英ガラス、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン等である。上記溝は、好ましくは、ガラス繊維、セルロース、デンプン、デキストラン、ムチン、または合成樹脂からなる多孔質膜、多孔質担体、ゲル状物等からなる液浸透性支持体層を有する。上記溝は、液浸透性支持体層の有無に拘わらず、アミノ基、アルデヒド基、アンモニウム基、カルボキシル基、ニトロ基等の親水性もしくは疎水性官能基、または、抗原、抗体、DNA、RNA等の特異的結合性リガンドによる表面修飾を有することができる。この場合、該複数の線状液流路は、それぞれ異なる表面修飾を有することができる。このような表面修飾を有する場合には、拡散距離と同時に液検体に含まれる成分を特定することができ、複数の線状液流路がそれぞれ異なる表面修飾を有するようにすると、一検体中の複数の成分を同時に特定することもできる。あるいは、上記窪みおよび溝の配置の仕方によっては、複数の検体について一成分を同時に測定したり、複数の検体について複数の成分を同時に測定することもできる。そのような測定対象となる成分としては、抗原、抗体、酵素、その他の生理タンパク質、プリオン、ウイルス、バクテリア、DNA、RNA、脂質、塩類等があげられる。なお、このような複数検体や複数成分の同時測定においても、各検体あるいは各成分ごとに複数の溝を拡散させ、その拡散距離の平均をとるようにすれば、やはり二次元拡散の場合と同等の測定精度を確保することができる。
また、本発明によれば、上記液物性測定チップと、該チップに測定対象液を滴下する手段と、該チップにおける所定時間経過後の拡散領域の長さを光学的または電気的に計測する手段とからなる液物性測定装置が提供される。このような装置を用いることにより、当該液物性測定を自動化することができ、また、人為的操作に基づくばらつきを低減することによる測定精度の向上も期待できる。さらに、該チップの線状液流路が上記表面修飾を有する場合には、そうした表面修飾の化学的状態を判別する手段を別に有するようにすれば、液検体に含まれる成分の特定も含めた自動化が可能となる。拡散距離の測定には、光学的または電気的検出手段が利用可能であるが、特に、図8に示す前記特願2003−126815号に記載された光学的測定装置がそのまま好適に利用できる。図8に示す装置では、透明版31の上に載置した液物性測定チップ32の液滴下部位に、治具33の穴を通してマイクロピペット34により液検体を滴下し、液が各線状液流路を拡散した領域の長さを、光源35からハーフミラー36を介して照射した光の反射をTV受光部37により検知することにより測定する。光学的検出手段でなく電気的検出手段を利用するには、たとえば各線状液流路を上下から挟む形で電極対を設け、その間の静電容量の変化を検出したり、各線状液流路の上下または両側に沿って連続ドット状に電極対を設け、その間の電気抵抗の変化を検出すればよい。一方、表面修飾の化学的状態の判別等による各種成分の特定には、発色、化学発光、生物発光、蛍光発光等を利用した多様な光学的検出手段や、ラジオアイソトープ(RI)を利用した検出手段、電気的磁気的検出手段等を用いることができる。なお、該チップがディスク状に形成されている場合には、当該装置にディスクを回転する手段を設け、線状液流路を拡散する液に遠心力をかけるようにすることが好ましい。また、ディスクに対して半径方向や垂直方向に電場や磁場をかけて、電気泳動効果や磁気異方性を利用することもできる。さらに、ディスクにICチップ等を埋め込んで操作手順を記録し、これに従って個々のディスクごとに操作条件を設定するようにしたり、測定データを記録できるようにしてもよい。
図1は、ディスク状に形成された涙液物性測定チップを模式的に示す。本体ディスク1は、石英ガラスからなる直径30mm、厚さ1mm程度のディスク状である。その中心には直径1mm、深さ250μm程度の窪み11が液滴下部位として形成され、そこから回転対称的に形成された幅500μm、深さ250μm程度の3本の溝12が線状液流路として放射状に伸びている。各溝は、それぞれ、その内部表面に、ニトロ基、水酸基、または疎水基で修飾された連続ドット状に形成された領域を有する。涙は三層構造で目を潤していて、内側から順に、糖タンパク質であるムチンを含む内層、栄養水からなる中間層、および油膜からなる外層が存在し、これらの各成分は、それぞれ、ニトロ基、水酸基、および疎水基と親和性を有するので、涙液が各溝を拡散する速度は各親和性成分の含有割合によって異なり、各溝における中心からの拡散距離を見れば検体涙液におけるこれら各成分のバランスがわかる。このとき、予め、各溝内部の修飾領域と各親和性成分との親和性の程度を、正常人の涙液なら3本の溝の拡散速度がほぼ等しくなる調整しておけば、検体涙液における成分バランスの偏りがそのまま3本の溝の拡散距離の偏りとして現れ、測定結果が理解しやすくなる。そうした調整は、修飾する成分の塗布濃度、ドットの間隔、溝幅等を変えることにより行うことができる。
図1では、本体ディスク1には、同形状の蓋ディスク2を上から被せて、蒸発防止、汚染防止等が図れるようになっている。蓋ディスク2の中心には検体涙液をマイクロピペットで注入するための注入口21が形成されており、蓋をした状態でもディスク本体1の液滴下部位11に検体涙液を注入することができる。このような蓋付のディスクは、これを測定装置に搭載した状態で回転しても液の飛散等の心配がなく、そのようにすれば注入した涙液に遠心力がかかって溝内での涙液の拡散速度が上がるので、これにより測定時間を短縮することもできる。涙液を液滴下部位11から各溝の末端まで拡散させる場合には、図1に示すように、各溝の末端に廃液溜り13を形成し、蓋ディスク2の対応する位置には廃液回収口22を設けて、溜まった廃液をそこから排出するようにするとよい。なお、本体ディスク1と蓋ディスク2とは貼り合わせて一体化しておくことが好ましく、この場合、少なくとも一方、たとえば蓋ディスク2を透明材料で形成することが好ましい。
図2は、各種癌を一括診断するための液物性測定チップを示す。図2(a)はチップの外観を示し、図2(b)は図2(a)のA−A’断面である。このチップもディスク状に形成されており、ディスク1の中心には窪み11が液滴下部位として形成され、これから放射状に伸びる12本の溝12が線状液流路として形成されている。ディスクの形状や外寸、あるいは中心に形成された窪みや放射状に伸びる線状液流路のサイズは、図1に示すものとほぼ同一としてよい。中心の窪み11には、検体液を濾過するための膜等、たとえば検体液が全血の場合にはクロマトグラフィーの原理によって血漿を分離させる血漿分離膜が設けられている。また、各溝12の中心の窪みに近い位置には、それぞれ特定の癌に特有のタンパク質である癌マーカーに対して特異的に結合する標識抗体を検体液で可溶化しうる状態で貼り付けた表面領域が設けられ、それぞれの末端近くの位置には、当該癌マーカーと強く結合する分子を固定した表面領域が形成されている。窪み11に滴下された検体液は、そこで濾過された後、続いて各溝12を拡散していく。検体液が各溝を拡散するにしたがって標識抗体が溶出し、これが検体液中の対応する癌マーカーと結合する。こうして形成した癌マーカーと標識抗体との結合体は液の拡散とともに溝12を進行していき、それぞれの溝の末端近くの表面領域に固定された上記結合分子に捕捉され、その領域にとどまる。各溝の末端には、廃液吸収部としての窪み13が形成され、癌マーカーと結合しなかった標識抗体は液とともに窪み13に排出される。各溝の結合分子領域に捕捉された標識抗体の濃度をたとえば光学的に検出することで、それぞれの癌マーカーの濃度を定量することも可能である。こうして、各溝の内部表面にそれぞれ異なる癌マーカーに特異的に結合する標識抗体および結合分子を設けることにより、種々の癌を一括診断することができる。なお、図2には示されていないが、この場合も蓋ディスクと貼り合わせて一体化した形態とすることができる。
図3は、ディスク状の液物性測定チップを免疫クロマト法に用いた例を示す。ディスク1の中心には窪み11が液滴下部位として形成され、これから12本の溝12が線状液流路として放射状に形成されている。ディスクの形状や外寸、あるいは中心に形成された窪みや放射状に伸びる線状液流路のサイズは、図1に示すものとほぼ同じとしてよい。各溝の内部表面にはニトロセルロースからなる厚さ100μm程度の多孔質膜が液浸透性支持体層として形成され、これは中心の窪み11に近い位置に第1抗体を感作した金コロイドやラテックス粒子を含浸させて乾燥したコンジュゲートリリースパット領域12a、窪み11から離れた位置に第2抗体を塗布した判定領域12bを有し、それらの領域以外は展開領域12cを構成している。本多孔質膜では、展開領域でのタンパク質の吸着を防ぐため、ドライミルク、グリシン等でブロッキングしている。中心の窪み11に滴下された検体液は各溝の内部を進行し、コンジュゲートリリースパット領域から第1抗体を感作した金コロイドもしくはラテックス粒子を放出させ、第1抗体と検体液中の抗原との特異的結合により抗原を担持した金コロイドもしくはラテックス粒子が形成される。抗原を担持した金コロイドもしくはラテックス粒子は展開領域を経て判定領域に達し、そこに塗布された第2抗体と結合する。こうして判定領域にとどまった金コロイドは赤紫色を呈し、ラテックス粒子は白色ないし所定の着色を示すので、これを光学的に検出することができる。
図4は、BSE等の原因とされる異常プリオンの検出に本発明の液物性測定チップを利用する例を示す。図4(a)に示すチップは8検体を同時に測定できるタイプのディスク状のものである。ディスクの形状および外寸は図1に示すものとほぼ同じとしてよい。ディスク1の中心近くには、8個の窪み11が液滴下部位として環状配置され、各窪みから放射状に8本の溝12が伸びている。各溝の末端には検出部を兼ねた液溜り13が形成されている。各溝の内部表面には、低タンパク吸着性の親水性ポリプロピレンからなる厚さ100μm程度の多孔質膜が液浸透性支持体層として形成されている。図4(b)に示すように、タンパク質分解酵素によって消化されたプリオン体を含む液検体は、それぞれ当該プリオン体の別の部位に結合する2種類の抗体と混和された後、いずれかの窪み11に滴下され、それにつながる溝12内の多孔質膜を拡散する。たとえば、第1の抗体には緑色に蛍光発光する標識を付け、第2の抗体には赤色に蛍光発光する標識を付けておくと、液が多孔質膜を拡散する間に消化されてバラバラになった正常プリオンと未消化の異常プリオンとがクロマト的に分離され、液溜まり13において別々に検出される。このとき、図4(c)に示すように、バラバラらになった正常プリオンはその並び方がランダムであるのに対し、未消化の異常プリオンは規則的に並んでいるため、両者は発光パターンで区別することができる。
図5は、線状液流路の溝幅を、ディスク表面に平行な方向と垂直な方向の2方向について立体的に変えて、粒子の大きさによる篩い分けを行う原理を模式的に示した図である。図5(a)は液滴下部位から末端の検出部位に至る1本の溝を示しており、先端に行くほどディスク表面に平行な方向の溝幅が狭くなっている。図5(b)及び図5(c)は、図5(a)のA−A‘断面を示すもので、図5(b)はディスク表面に垂直な方向に段階的に溝幅が変化する様子を示し、図5(c)は同じくV字状に変化する様子を示す。このような溝の構造とすることで、比較的大きいヒトのDNAと比較的小さいウイルスのDNAを溝を詰まらせること無く分離することができる。この場合、液を流路末端の検出部位に向けて移動させる駆動力として、遠心力や電場をかけることが好ましい。なお、DNAに蛍光物質で標識を付ければ検出しやすい。
図6は、線状液流路としての溝内部にゲルを充填し、一次元電気泳動を行う例を示す。これを用いれば、たとえば上記[0015]と同様にして、異常プリオンの検出を行うことができる。すなわち、充填されたゲルの中で、バラバラになった正常プリオンと未消化の異常プリオンとの分離が起こり、それらに結合させた標識抗体のパターンを検出することで、異常プリオンの有無が判定できる。
図7は、磁性体粒子を用いてDNAの抽出と検出を行う原理を示すものであり、1本の溝の縦断面を模式的に示している。図7(a)では、目的のDNAを捕捉するためのDNAプローブをコーティングした磁性体粒子が、検体液によって可溶化しうる状態で、中心の窪みに近い溝部分に貼り付けられている。図7(b)では、検体液を注入した後、目的のDNAが磁性体粒子表面のプローブに結合して、粒子ごと磁場によって捕捉されていく様子が示される。図7(c)では、DNAを結合した磁性体粒子が完全に磁場によって捕捉されており、DNAに予め蛍光物質等をつけておけば、この状態で当該DNAを光学的に検出することができる。磁性体粒子を用いてこのような抽出と検出を行う対象物質の例としては、DNAに限らず、抗原、抗体、タンパク質、バクテリア等が考えられる。
1 ディスク(本体ディスク)
11 液滴下部位(窪み)
12 線状液流路(溝)
13 廃液溜り(廃液吸収部)
2 蓋ディスク
21 液注入口
22 廃液回収口
31 透明板
32 液物性測定チップ
33 治具
34 マイクロピペット
35 光源
36 ハーフミラー
37 TV受光部
11 液滴下部位(窪み)
12 線状液流路(溝)
13 廃液溜り(廃液吸収部)
2 蓋ディスク
21 液注入口
22 廃液回収口
31 透明板
32 液物性測定チップ
33 治具
34 マイクロピペット
35 光源
36 ハーフミラー
37 TV受光部
Claims (9)
- 液滴下部位(11)と該液滴下部位から放射状に伸びる複数の線状液流路(12)を有する平板状部材からなり、該液滴下部位に滴下された測定対象液が該複数の線状液流路内を実質一次元的に拡散し、その拡散領域の長さを光学的または電気的に計測することができるように構成された液物性測定チップ。
- 該平板状部材がディスク状に形成され、その中心部に該液滴下部位が窪みとして形成され、その窪みから放射状に伸びる溝として該複数の線状液流路が形成された請求項1記載の液物性測定チップ。
- 該複数の線状液流路が、それぞれ液浸透性支持体層を含む請求項1または2記載の液物性測定チップ。
- 該液浸透性支持体層が、ガラス繊維、セルロース、デンプン、デキストラン、ムチン、または合成樹脂からなる多孔質膜、多孔質担体、またはゲル状物である請求項3記載の液物性測定チップ。
- 該複数の線状液流路が、官能基または特異的結合性リガンドからなる表面修飾を有する請求項1〜4のいずれか記載の液物性測定チップ。
- 該複数の線状液流路が、それぞれ異なる表面修飾を有する請求項5記載の液物性測定チップ。
- 請求項1〜6のいずれか記載の液物性測定チップと、該チップに測定対象液を滴下する手段と、該チップにおける所定時間経過後の拡散領域の長さを光学的または電気的に計測する手段とからなる液物性測定装置。
- 該チップがディスク状に形成され、そのディスクを回転する手段をさらに有する請求項7記載の液物性測定装置。
- 該チップの液浸透性支持体層が官能基または特異的結合性リガンドからなる表面修飾を有し、その表面修飾の化学的状態を判別する手段をさらに有する請求項7または8記載の液物性測定装置。
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Publications (1)
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