JP2005290248A - ポリエステルエラストマ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟で高い反発弾性を備え、強靭で耐傷つき性と耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さいポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜10重量部を配合してなることを特徴とし、硬度、反発弾性率、引裂強さ、比摩耗量が特定の式を満たすポリエステルエラストマ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、柔軟かつ高い反発弾性を備え、強靭で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さいポリエステルエラストマ樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート単位のような結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位をソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重合体は、柔軟で反発弾性に優れ、強度、耐衝撃性、弾性回復性などの機械的性質や、低温および高温特性が良好で、更に熱可塑性で成形加工が容易であることから、自動車部品および電気・電子部品、繊維、フィルムなどの分野に用途を拡大している。
このように、優れた物性を有するポリエーテルエステルブロック共重合体であるが、柔軟で反発弾性の高いポリエーテルエステルブロック共重合体を使用すると、耐傷つき性や過酷な条件下での耐衝撃性が不足しているため、摩擦すると傷がつきやすく、高速で引張ると破断しやすかったり、大きな力学的エネルギーを与えると破壊されやすかったりすることがあった。また、柔軟なポリエーテルエステルブロック共重合体は、圧縮永久歪みが大きいという問題もあった。このため、柔軟なポリエーテルエステルブロック共重合体を硬いものと擦り合わされたり、高速で瞬時に引き伸ばされたり、大きな力学的エネルギーを集中的に受けたりする用途に適用する場合には、実用に耐えられない場合もあった。
そこで、耐傷つき性や過酷な条件下での耐衝撃性が要求される場合は、より硬度の高いポリエーテルエステルブロック共重合体を使用することが一般的に行われてきた。しかし、硬度の高いポリエーテルエステルブロック共重合体を使用すると、感触が悪くなるだけではなく、反発弾性が低下してゴム的な性質が後退してしまうため、ポリエーテルエステルブロック共重合体の柔軟で反発弾性が高いという特長を維持しつつ、強靱で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さい材料の出現が待望されていた。
なお、成形性や耐熱性改善を目的としてポリエーテルエステルブロック共重合体にポリイソシアネート化合物を反応させたブロック共重合熱可塑性ポリウレタンエラストマー(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。また、耐屈曲疲労性や成形加工時のフィッシュアイの改善を目的としてポリエステル系ブロック共重合体に特定のジイソシアネート化合物を配合した組成物(例えば、特許文献3参照)も知られている。さらに、ポリエーテルエステルブロック共重合体にポリイソシアネート化合物とシリコーン化合物を配合してなる耐摩耗性が優れた樹脂組成物(例えば、特許文献4、5参照)も知られている。しかしながら、これらの樹脂組成物はいずれも、柔軟かつ高い反発弾性を備え、強靭で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みが小さいという要求性能を十分に満たすものではなかった。
特開昭52−121699号公報 特開昭57−78413号公報 特開昭61−111318号公報 特開平9−136934号公報 特開平10−101761号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果なされたものである。したがって、本発明の目的は、柔軟かつ高い反発弾性を備え、強靱で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さいポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供することにある。
上記の課題を達成するために、本発明によれば、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜10重量部を配合してなるポリエステルエラストマ樹脂組成物であって、JIS K7218に記載されたA法に適用しうる成形品上に、JIS K7218に記載されたA法にしたがって、中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させた時の滑り摩耗において、試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3kmの条件とした時の比摩耗量が以下の式(1)を満たし、かつASTM D−2240にしたがって測定した硬度(ショアD)が以下の式(2)を満たし、かつBS規格903にしたがって測定した反発弾性率が以下の式(3)を満たし、かつASTM D−624にしたがいタイプCのダイを使用して2mm厚さの試験片で測定した引裂強さが以下の式(4)を満たすことを特徴とするポリエステルエラストマ樹脂組成物が提供される。
Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5・・・(1)
(ただし、Vxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、Wa−Wbは摩耗量(mg)、ρはポリエステルエラストマ樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。)
5≧Hx−Ho≧0・・・(2)
(ただし、Hxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の硬度(ショアD)、Hoはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の硬度(ショアD)と定義する。)
10≧Rx−Ro≧0.5・・・(3)
(ただし、Rxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の反発弾性率(%)、Roはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の反発弾性率(%)と定義する。)
50≧Tx−To≧1・・・(4)
(ただし、Txはポリエステルエラストマ樹脂組成物の引裂強さ(kN/m)、Toはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の引裂強さ(kN/m)と定義する。)
なお、本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物においては、
前記ポリイソシアネート化合物(B)が、一分子中に含まれるイソシアネート基数が平均で2を超えるポリイソシアネート化合物であること、
前記ポリイソシアネート化合物(B)の50%以上が、一分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物であること、
前記ポリイソシアネート化合物(B)の70%以上が、一分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物であること、
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用することにより、一層優れた効果の取得を期待することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、柔軟かつ高い反発弾性を備え、強靭で耐傷つき性と耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さいポリエステルエラストマ樹脂組成物が得られる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる成分の一つであるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とする。高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールとから形成される結晶性芳香族ポリエステルからなる単位であり、好ましくはテレフタル酸およびまたはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位であるが、この他にテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル単位、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステル単位であってもよい。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルを主たる構成成分とする単位である。脂肪族ポリエーテルの具体例としては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルのなかでも、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性が優れることから、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールおよびポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物などの使用が好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては、共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)における低融点重合体セグメント(b)の共重合量は、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは15〜75重量%の範囲である。
本発明に用いられるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、溶融重縮合により得られる。溶融重縮合は公知の方法で実施することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を、触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、およびあらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法などのいずれの方法をとってもよい。
溶融重縮合で得られたポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、次いで細粒化される。細粒化はガット状またはシート状に取り出したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)を、カッターでペレタイズするコールドカット法によってもよいし、ガット状やシート状にすることなくペレタイズするホットカット法によってもよい。また、塊状に取り出したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)を粉砕して得てもよい。
本発明で用いられる成分の一つであるポリイソシアネート化合物(B)としては、一分子中に含まれるイソシアネート基数が平均で2以上の化合物を使用することができる。また、一分子中に含まれるイソシアネート基数が平均で2を超えるポリイソシアネート化合物が好ましく使用され、一分子中に含まれるイソシアネート基が3個以上のポリイソシアネート化合物がさらに好ましく使用される。あるいは、一分子中に含まれるイソシアネート基が2個のポリイソシアネート化合物と一分子中に含まれるイソシアネート基が3個以上のポリイソシアネート化合物との混合物も好ましく使用することができる。
一分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、および2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチルシクロヘキサン)、1,3−または1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル(3−イソシアナトメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−または2,6−ジイソシアナトノルボルナンなどの脂環族イソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネートなどのアラルキレンジイソシアネート、およびm−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを挙げることができる。
また、一分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物としては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2−イソシアナトエチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、2,5−または2,6−ジイソシアナトメチル−2−イソシアネートプロピルノルボルナン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、およびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどを挙げることができる。さらに、前記ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを環状三量体化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートなども挙げることができる。
本発明で使用されるポリイソシアネート化合物(B)は、一分子中に含まれるイソシアネート基数が平均で2以上のものであれば特に限定されないが、好ましくはポリイソシアネート化合物中の50%以上が一分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物が使用され、さらに好ましくはポリイソシアネート化合物中の70%以上が一分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物が使用される。
本発明で使用されるポリイソシアネート化合物(B)は、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレット100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部の範囲を配合する。配合量が上記の範囲未満では十分な性能が付与されず、配合量が上記の範囲を超えると溶融加工時にゲル化が起こり、成形できなくなるため好ましくない。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、上記(A)と(B)成分を必須成分とするが、更に、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤を添加することができ、例えば、公知のヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエステル系、芳香族アミン系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の耐光剤、顔料、染料などの着色剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、および離型剤などを任意に含有せしめることができる。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、上述したように、上記(A)および(B)成分を、必要に応じて各種添加剤を加え溶融混練して得ることができ、例えば、下記a〜gの方法などを採用することができる。
a.ポリイソシアネート化合物(B)を、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)にドライブレンドし、事前に溶融混合することなく射出成形する方法。
b.ポリイソシアネート化合物(B)を熱可塑性樹脂に配合したマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)にドライブレンドし、事前に溶融混合することなく射出成形する方法。なお、マスターバッチペレットに使用する熱可塑性樹脂は、特に何ら制限を受けるものではないが、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性が良好なものが好ましい。
c.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)に、ポリイソシアネート化合物(B)を配合した原料をスクリュー型押出機に供給し、溶融混練する方法。
d.スクリュー型押出機にポリエーテルエステルブロック共重合体(A)を供給して溶融し、更に他の供給口からポリイソシアネート化合物(B)を供給し、溶融混練する方法。
e.ポリイソシアネート化合物(B)を熱可塑性樹脂に配合したマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し、溶融混練する方法。なお、マスターバッチペレットに使用する熱可塑性樹脂は、特に何ら制限を受けるものではないが、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性が良好なものが好ましい。
f.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)に、ポリイソシアネート化合物(B)を配合した原料を、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機に供給して溶融混練した後、スクリュー型押出機に供給してペレット化する方法。
g.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)に、ポリイソシアネート化合物(B)を配合した原料を、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機に供給し、溶融混練した後に取り出し、冷却後、粉砕する方法。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、上記ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して、上記ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜10重量部を配合してなるものであるが、JIS K7218に記載されたA法に適用しうる成形品上に、JIS K7218に記載されたA法にしたがって、中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させた時の滑り摩耗において、試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3km、の条件とした時、比摩耗量が以下の式(1)を満たし、かつASTM D−2240にしたがって測定した硬度(ショアD)が以下の式(2)を満たし、かつBS規格903にしたがって測定した反発弾性率が以下の式(3)を満たし、かつASTM D−624にしたがいタイプCのダイを使用して2mm厚さの試験片で測定した引裂強さが以下の式(4)を満たすことが必要である。
式Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5・・・(1)
(ただし、Vxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、Wa−Wbは摩耗量(mg)、ρはポリエステルエラストマ樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。)
式5≧Hx−Ho≧0・・・(2)
(ただし、Hxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の硬度(ショアD)、Hoはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の硬度(ショアD)と定義する。)
式10≧Rx−Ro>0.5・・・(3)
(ただし、Rxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の反発弾性率(%)、Roはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の反発弾性率(%)と定義する。)
式50≧Tx−To>1・・・(4)
(ただし、Txはポリエステルエラストマ樹脂組成物の引裂強さ(kN/m)、Toはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の引裂強さ(kN/m)と定義する。)
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、上記ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して、上記ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜10重量部を配合してなり、かつ上記式(1)、上記式(2)、上記式(3)、および上記式(4)をすべて満たすことが必要であり、それにより、柔軟かつ高い反発弾性を備え、強靭で耐傷つき性と耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みの小さいポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供することができる。このため、得られる成形品は、自動車、電子・電気機器、精密機器、および一般消費財用途の各種成形品などに有用である。さらに、パッキン、ガスケット、クッション、衝撃吸収構造体、フード、カバー、およびシートなどにも適している。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
なお、以下、部および反発弾性率以外の%はすべて質量基準である。また、例中に示されるポリエステルエラストマ樹脂組成物の物性は次のように測定した。
[融点]
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
[溶融粘度指数(MFR値)]
ASTM D−1238にしたがって荷重2160gで測定した。
[表面硬度]
ASTM D−2240にしたがって測定した硬度(ショアD硬度)。
[反発弾性率]
BS規格903にしたがって測定した。
[比重]
ASTM D−792にしたがって測定した。
[引裂強さ]
ASTM D−624にしたがって測定した。ダイはタイプCを用い、2mm厚さの試験片で測定した。
[摩耗量と比摩耗量]
JIS K7218に記載されたA法に適用しうる直径40mm、厚さ3mmの円板を成形した。摩耗摩擦試験機((株)オリエンテック社製EFM−III−EN/F型)を使用して、JIS K7218に記載されたA法にしたがい、その成形品上に中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させて滑り摩耗試験を行った。試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3km、の条件とし、耐摩耗性として比摩耗量を求めた。この比摩耗量は式Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)から算出した。ここで、Vxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品を使用した試験片の試験前,試験後の質量(mg)であり、Wa−Wbは摩耗量である。ρはポリエステルエラストマ樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義される。このうち、密度ρ(kg/m3)は比重/1000で算出される値を使用した。
[耐傷つき性]
縦140mm、横50mm、厚さ2mmの試験片を成形した。JIS L0849に記載された摩擦試験機I型(クロックメーター)を使用し、摩擦用白綿布としてカナキン3号を用い、摩擦子に9Nの荷重をかけ、試験片100mm間を10秒間に10回、摩擦子を水平往復運動させた。摩擦面を肉眼で観察して、傷の有無を確認し、以下のように判定した。
◎:全く傷がない。
○:ほとんど傷がない。
△:かすかに傷がある。
×:明確に傷がある。
[引張衝撃強さ]
JIS K7160にしたがって、ノッチ付き1形試験片を用いて引張衝撃強さを測定した。クロスヘッドは支持枠に静止して装着するA法とした。
[耐高速面衝撃性]
縦125mm、横75mm、厚さ2mmの試験片を成形した。サーボパルサー EHF−U2H−20Lを使用し、−40℃で、衝突速度18m/秒にて、高速面衝撃試験を実施し、破壊が延性破壊か、脆性破壊かを調べた。
[圧縮永久歪み]
直径29mm、厚さ10mmの円柱状の成形品を得た。この成形品を25%圧縮させた状態で70℃×22時間の熱処理をした。歪み量と圧縮量の比から圧縮永久歪みを算出した。同様に、100℃×70時間の熱処理においても測定した。
[ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)]
参考例1および参考例2に示したように重合し、ペレタイズしたポリエーテルエステルブロック重合体(A−1)および(A−2)を用いた。
[参考例1]
テレフタル酸419部、1,4−ブタンジオール409部および数平均分子量が約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(デュポン社製“テラタン”1400)476部を、チタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。
この反応混合物に“イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間40分重合を行わせてポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)を得た。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化した。このペレットの融点は195℃で、220℃で測定した溶融粘度指数(MFR)は18g/10分、硬度は47ショアD、比重1.15、であった。
[参考例2]
テレフタル酸444部、1,4−ブタンジオール386部および数平均分子量が約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(保土谷化学(株)製PTG1400SN)439部を使用した以外は、参考例1と同様にして重合、カッティングして、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A−2)を得た。このペレットの融点は199℃、220℃で測定した溶融粘度指数(MFR)は16g/10分、硬度は50ショアD、比重1.17、であった。
[ポリイソシアネート化合物(B)]
実施例および比較例において使用したポリイソシアネート化合物は、以下のとおりである。
B−1:日本ポリウレタン工業(株)製”ミリオネート”MT
(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート)
B−2:日本ポリウレタン工業(株)製”コロネート”HX
(ヘキサメチレンジイソシアネートを3量体化したイソシアヌレート構造を有 するポリイソシアネート)
B−3:日本ポリウレタン工業(株)製”ミリオネート”MR−400
(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、一分子中にイソシアネート 基が3個以上のイソシアネートを71%以上含有)
[実施例1〜3]
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットに、ポリイソシアネート化合物(B)を、表1に示したような配合比でV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定した。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。結果を表1に併記する。摩耗量の値から式(1)の比摩耗量を求めるとともに、後述の比較例1および2で測定したポリイソシアネート(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の表面硬度、反発弾性率、引裂強さの値から、式(2)〜式(4)の値を求めた。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表2に示す。
[実施例4〜8]
ポリイソシアネート化合物(B−1)〜(B−3)を、各々共重合ポリエステル樹脂に配合してポリイソシアネート化合物(B−1)〜(B−3)の含有量を、各々30重量%とした3種類のマスターバッチペレットを用意した。80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、3種類のマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の配合比が表1に示したような配合比となるようにV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定した。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。結果を表1に併記する。摩耗量の値から式(1)の比摩耗量を求めるとともに、後述の比較例1および2で測定したポリイソシアネート(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の表面硬度、反発弾性率、引裂強さの値から、式(2)〜式(4)の値を求めた。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005290248
Figure 2005290248
[実施例9〜10]
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、ポリイソシアネート化合物(B)を、表3に示したような配合比でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練してペレット化し、ポリエステルエラストマ樹脂組成物を得た。これらのペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定した。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。結果を表3に併記する。摩耗量の値から式(1)の比摩耗量を求めるとともに、後述の比較例1および2で測定したポリイソシアネート(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の、表面硬度、反発弾性率、引裂強さの値から、式(2)〜式(4)の値を求めた。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表4に示す。
[実施例11〜12]
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットを、平行に並んだ二本のブレードを有するニーダー中で240℃で2.5分間の溶融混練を行って溶融し、ここに、ポリイソシアネート化合物(B)を、表3に示したような配合比になるように供給して、さらに、240℃で2.5分間の溶融混練を行いポリエステルエラストマ樹脂組成物を得た。溶融混練物を取り出し、粉砕機で粉砕した後、プレス成形してプレスシートを得た。このプレスシートを用いて摩耗量、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。結果を表3に併記する。摩耗量の値から式(1)の比摩耗量を求めるとともに、後述の比較例1および2で測定したポリイソシアネート(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の、表面硬度、反発弾性率、引裂強さの値から、式(2)〜式(4)の値を求めた。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表4に示す。
[比較例1〜2]
ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットを、80℃×3時間熱風乾燥した後、ポリイソシアネート化合物(B)をドライブレンドすることなく住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給し、50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形した。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定して比摩耗量を求めた。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表4に示す。
[比較例3]
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットを、平行に並んだ二本のブレードを有するニーダー中で240℃で2.5分間の溶融混練を行って溶融した。ここに、ポリイソシアネート化合物(B)を、表4に示したような配合比になるように供給して、さらに、240℃での溶融混練を行おうと試みたところ、急速なゲル化を生じて樹脂組成物がブレードに巻き付いた。ブレードに巻き付いた樹脂組成物をブレードから剥ぎ取って調べたところ、不溶かつ不融で、成形加工性を有しておらず、物性を測定することができなかった。
[比較例4〜5]
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、ポリイソシアネート化合物(B)を、表4に示したような配合比でV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練してペレット化し、ポリエステルエラストマ樹脂組成物を得た。これらのペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定した。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度、反発弾性率、引裂強さを測定した。結果を表3に併記する。摩耗量の値から式(1)の比摩耗量を求めるとともに、後述の比較例1および2で測定したポリイソシアネート(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の、表面硬度、反発弾性率、引裂強さの値から、式(2)〜式(4)の値を求めた。さらに、耐傷つき性、引張衝撃強さ、耐高速面衝撃性、圧縮永久歪みを評価した。結果を表4に示す。
Figure 2005290248
Figure 2005290248
以上の結果より、実施例1〜12に示した本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、柔軟性と高い反発弾性率を備え、強靱で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みが小さい。これに対し、比較例1および2に示したポリエーテルエステルブロック共重合体のみを使用した場合は、柔軟で反発弾性は大きかったが、傷がつきやすく、引張衝撃強さが低く、耐高速面衝撃性にも劣り、強靱ではなかった。圧縮永久歪みも大きかった。
本発明のポリエステルエラストマ樹脂組成物は、柔軟で高い反発弾性を備え、強靱で耐傷つき性および耐衝撃性に優れ、さらに圧縮永久歪みが小さいという特性を有していることから、自動車、電子・電気機器、精密機器、および一般消費財用途の各種成形品などに有用である。

Claims (4)

  1. 主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜10重量部を配合してなるポリエステルエラストマ樹脂組成物であって、JIS K7218に記載されたA法に適用しうる成形品上に、JIS K7218に記載されたA法にしたがって、中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させた時の滑り摩耗において、試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3kmの条件とした時の比摩耗量が以下の式(1)を満たし、かつASTM D−2240にしたがって測定した硬度(ショアD)が以下の式(2)を満たし、かつBS規格903にしたがって測定した反発弾性率が以下の式(3)を満たし、かつASTM D−624にしたがいタイプCのダイを使用して2mm厚さの試験片で測定した引裂強さが以下の式(4)を満たすことを特徴とするポリエステルエラストマ樹脂組成物。
    Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5・・・(1)
    (ただし、Vxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれポリエステルエラストマ樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、Wa−Wbは摩耗量(mg)、ρはポリエステルエラストマ樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。)
    5≧Hx−Ho≧0・・・(2)
    (ただし、Hxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の硬度(ショアD)、Hoはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の硬度(ショアD)と定義する。)
    10≧Rx−Ro≧0.5・・・(3)
    (ただし、Rxはポリエステルエラストマ樹脂組成物の反発弾性率(%)、Roはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の反発弾性率(%)と定義する。)
    50≧Tx−To≧1・・・(4)
    (ただし、Txはポリエステルエラストマ樹脂組成物の引裂強さ(kN/m)、Toはポリイソシアネート化合物(B)を配合していないポリエーテルエステルブロック共重合体(A)の引裂強さ(kN/m)と定義する。)
  2. 前記ポリイソシアネート化合物(B)が、一分子中に含まれるイソシアネート基数が平均で2を超えるポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物(B)の50%以上が、一分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物(B)の70%以上が、一分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
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