JP2005289001A - 含フッ素ポリマーの再利用方法及び再利用装置 - Google Patents

含フッ素ポリマーの再利用方法及び再利用装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 使用済みの固体高分子型燃料電池の膜−電極接合体(MEA)から、溶媒等を用いずに、貴金属と含フッ素ポリマーを効率的に回収する。
【解決手段】 スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜(a)と、該電解質膜に接合され、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜−電極接合体(MEA)から、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する方法において、(1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、(2)電解質が膨張した後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程、によって、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜と、触媒金属を担持した導電性担体と導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を剥離し易くする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、使用済みの固体高分子型燃料電池(PEMFC)の膜−電極接合体(MEA)から貴金属及び/又は含フッ素ポリマーを効率良く回収し、再利用する方法の発明である。特に、電極触媒層に含まれる貴金属と、電解質膜に用いられるスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収し、それを再利用する方法及び再利用装置に関する。
燃料電池は、電池内で水素やメタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものであり、近年、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特にプロトン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温作動が可能なことから電気自動車用電源として期待されている。
このような固体高分子型燃料電池の基本構造は、電解質膜と、その両面に接合された一対の、触媒層を有するガス拡散電極とで構成され、さらにその両側に集電体を配する構造からなっている。そして、一方のガス拡散電極(アノード)に燃料である水素やメタノールを、もう一方のガス拡散電極(カソード)に酸化剤である酸素や空気をそれぞれ供給し、両方のガス拡散電極間に外部負荷回路を接続することにより、燃料電池として作動する。このとき、アノードで生成したプロトンは電解質膜を通ってカソード側に移動し、カソードで酸素と反応して水を生成する。ここで電解質膜はプロトンの移動媒体、及び水素ガスや酸素ガスの隔膜として機能している。従って、電解質膜としては高いプロトン伝導性、強度、化学的安定性が要求され、現在のところ、このような機能を有する膜材料としては米国デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」や旭硝子(株)製の「フレミオン(登録商標)」に代表されるパーフルオロスルホン酸ポリマー等のスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーが使用されている。
一方、ガス拡散電極の触媒としては、一般に白金等の貴金属をカーボン等の電子伝導性を有する担体に担持したものが用いられている。このガス拡散電極に担持されている触媒上へのプロトン移動を媒介し、該触媒の利用効率を高める目的で、電極触媒結合剤としてやはりプロトン伝導性高分子電解質が用いられているが、この材料としてもイオン交換膜と同じパーフルオロスルホン酸ポリマー等のスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを使用することができる。ここでは電極触媒結合剤であるスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーはガス拡散電極の触媒のバインダーとして、あるいはイオン交換膜とガス拡散電極との密着性を向上させるための接合剤としての役割も担わせることもできる。
固体高分子型燃料電池(PEMFC)の一般的構成を説明する。ここでは、簡単にするため固体高分子型燃料電池が単電池(セルが一つのもの)から構成されているものとする。図1は、単電池から構成される固体高分子型燃料電池10の構造図、図2は、その固体高分子型燃料電池10の分解斜視図である。これら図に示すように、固体高分子型燃料電池(以下、単に燃料電池と呼ぶ)10は、電解質膜11と、この電解質膜11を両側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極としてのカソード12及びアノード13と、このサンドイッチ構造(以下、膜−電極接合体と呼ぶ)を両側から挟みつつカソード12及びアノード13とで材料ガス及び燃料ガスの流路を形成するセパレータ14,15と、セパレータ14,15の外側に配置されカソード12及びアノード13の集電極となる集電板16,17とにより構成されている。
電解質膜11は、高分子材料、例えば含フッ素樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。カソード12及びアノード13は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、このカーボンクロスの表面には、触媒としての白金又は白金と他の金属からなる合金等を担持したカーボン粉が塗布されている。
こうした電解質膜11とカソード12及びアノード13とは次のようにして接合されている。カソード12の基材となるカーボンクロスの表面に、白金又は白金の合金を担持したカーボン粉を塗布し、電解質膜11とこのカーボンクロスの表面とを、プロトン導電性固体高分子溶液を用いて接合する。この結果、プロトン導電性固体高分子溶液が固化する過程で、いわば接着剤のような役目を果たしながら、前記カソード12は電解質膜11表面に固着される。なお、アノード13と電解質膜11との間も同様にして接合されている。
白金を担持したカーボン粉は次のような方法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナトリウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。この水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体となるカーボンブラックを添加しながら、攪拌し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を付着させる。次に溶液を吸引濾過または加圧濾過して白金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イオン水(純水)で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾燥させる。次に、凝集したカーボンブラックを粉砕器で粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350℃で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック上の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全に除去して、白金を担持したカーボン粉が完成する。
セパレータ14,15は、ち密質のカーボンプレートにより形成されている。カソード12側のセパレータ14は、カソード12の表面とで材料ガスである酸素含有ガスの流路をなすとともにカソード12で生成する水の集水路をなす酸素含有ガス流路14Pを形成する。また、アノード13側のセパレータ15は、アノード13の表面とで燃料ガスである水素ガスと水蒸気との混合ガスの流路をなす水素ガス流路15Pを形成する。集電板16,17は、銅(Cu)により形成されている。
以上説明したのが固体高分子型燃料電池10の一例の基本的な構成である。次に、実際に用いられる固体高分子型燃料電池10について説明する。図3は、固体高分子型燃料電池10の実際の概略構造の一例を示した構造図である。なお、図3中、図1,図2と同じ構成の部品に対しては図1,図2と同一の符号を付した。
図3に示すように、固体高分子型燃料電池10は、図1,図2で示した電解質膜11、カソード12及びアノード13からなる膜・電極接合体20をセパレータ21で挟んで複数積層したものである。このセパレータ21は、図1,図2で示した単電池のセパレータ14,15と同じ材料からなり、一方側の接合体20のカソード12の表面とで酸素含有ガス流路14Pを形成し、他方側の接合体20のアノード13側の表面とで水素ガス流路15Pを形成する。なお、図中、最も右側に位置する接合体20Rの外側には、酸素含有ガス流路14Pだけを形成するセパレータ14が配置され、最も左側に位置する接合体20Lの外側には、水素ガス流路15Pだけを形成するセパレータ15が配置されている。
さらに、固体高分子型燃料電池10は、これらセパレータ14,15の外側に配置される冷却水流路22,23と、冷却水流路22,23のさらに外側に配置される集電板16,17と、これら全体を両側から絶縁板24,25を介して挟むエンドプレート26,27とを備え、さらにエンドプレート26,27を外側から締め付ける締め付けボルト28とを備える。
このように、燃料電池にはガス拡散電極の触媒として、一般に白金等の高価な貴金属類が用いられている上に、電解質膜としてあるいは電極触媒被覆剤として用いられているパーフルオロスルホン酸ポリマー等のスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーもまた極めて高価な材料である。
貴金属等の触媒金属については燃料電池実用化の前提としてリサイクル利用が想定されており、仮焼による貴金属の回収や、膜/電極接合体から直接、触媒金属を王水等に溶かし出して回収することが考えられている。
例えば、下記特許文献1には、使用済み固体高分子電解質型燃料電池から含フッ素電解質ポリマー及び触媒金属を回収するにあたり、溶媒で膜−電極接合体を溶解させ、触媒金属を析出させることによりポリマーと触媒を分離して回収する技術が開示されている。しかし、この回収技術では、触媒が含フッ素電解質ポリマーにより被覆されているため、王水と触媒とが十分に接触せず、回収率が低いことが問題であった。このように、王水等の溶媒に接触させて分離回収することが問題であった。
一方、固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いられる、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーについては、下記特許文献2に膜のまま回収、再利用する方法が記載されている。しかし、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーは、燃料電池として使用されている間に、ポリマー側鎖及びポリマー主鎖の分解反応が発生し、分子量が低下するという問題があった。又、電解質膜自体も穴があくなどの物理的破損が生じることがあった。このため、含フッ素ポリマーを膜のまま回収して、再利用するにはおのずと限界があった。
触媒金属及び含フッ素ポリマーを回収し、再利用する実用的な方法がないことは、燃料電池のコスト低下を妨げる要因であった。
固体高分子膜形燃料電池(PEMFC)においては、高価な貴金属である白金や環境に与える影響の大きいフッ素系ポリマーを構成材料として用いる場合が多い。固体高分子膜形燃料電池のリサイクルにおいて、これらを回収することは重要な技術的課題の一つである。しかし、固体高分子膜形燃料電池の膜−電解質接合体(MEA)においては、単純に熱膨張率差、あるいは熱収縮率差を利用して複合材料を剥離せしめる方法では、電解質膜と触媒層とを分離させることはできない。
このような問題が発生する理由は、以下のように考えられる。
1)一般的に固体高分子膜形燃料電池では触媒層に電解質物質を適当量添加し、電極上での反応を容易なものとする工夫がなされている。これは同時に電解質膜と触媒層との接着性を良くする働きも兼ね備えている。この電解質材料の添加により、触媒層は本来持っている熱膨張率、あるいは熱収縮率よりも電解質膜に近い値となる。
2)触媒層は電解質によって一部を覆われる形で担持されるため、極めて強固に接着されている。異なる部材間の熱膨張率差、あるいは熱収縮率差を利用して剥離させる方法では、剥離を生じせしめる剪断力が小さくなってしまい十分に剥離させられない。
3)電解質材料はポリマーであるため粘弾性を持ち、内部応力を変形によって緩和してしまう。これらの構造、あるいは材料の物性により、電解質膜と触媒層を分離することは非常に難しい。
特開平11−288732号公報 特開平8−171922号公報 特表平8−512358号公報
固体高分子型燃料電池(PEMFC)の膜−電極接合体(MEA)をリサイクルする場合において、電解質膜と触媒層を分離したいとき、単純に電解質膜を膨潤させて剪断力を生じさせる方法では剥がせない。なぜならば、両者が容易に剥離するようであれば、使用中に膜−電極接合体(MEA)の機能を損なうこととなるからである。よって、両者は長期安定性の面から強固に接着していることが望ましく、またそのように作られている。
本発明は、使用済み固体高分子型燃料電池(PEMFC)から、溶媒等を用いることなく、高価で有用な材料である触媒貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを効率的に回収し、これらの再利用を可能とするものである。
本発明者は、鋭意研究した結果、使用済みの燃料電池の膜−電極接合体(MEA)に特定の処理を施すことで、触媒層と電解質膜が効率的に剥離することを見出し本発明に至った。
本発明は、使用済みの固体高分子型燃料電池(PEMFC)から貴金属及び/又は含フッ素ポリマーを回収する方法の発明である。即ち、
(1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、
(2)電解質が膨張後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程
によって、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜と、導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を剥離し易くする。
本発明は、上記(1)及び(2)の工程を含めば、電解質膜と触媒層が剥離されるため、これら電解質膜と触媒層から貴金属及び/又は含フッ素ポリマーを回収する方法は何ら限定されず、公知の回収方法が採用できる。この中で、本発明を実行する具体的プロセスとしては、下記の2つが好ましく例示される。
第1に、下記(1)〜(4)からなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法である。
(1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と
(2)電解質が膨張後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程
(3)固化させた膜−電極接合体(MEA)に剪断力を付与して、触媒層を細粉化する工程
(4)細粉化させた触媒層より貴金属を回収し、及び/又は残った電解質膜よりスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する工程
第2に、下記(1)(2)(3)(4)からなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法である。
(1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、
(2)膨張後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程
(3)固化させた膜−電極接合体(MEA)に第1の帯電器にて該膜−電極接合体(MEA)両面の触媒層粒子を帯電させ、第2の帯電器で触媒層粒子とは逆の電位に帯電させた1対以上の静電ローラに該膜−電極接合体(MEA)を通過した電解質膜を回収して、触媒層粒子と電解質膜を分離する工程
(4)分離された触媒層粒子と電解質膜より、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する工程
本発明において、膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程として、所定の溶媒により膜−電極接合体(MEA)の電解質膜を膨潤させることが好ましい。又、電解質が膨張後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程として、膜−電極接合体(MEA)を巻き取りロールに巻き取り、巻き取った膜−電極接合体(MEA)を冷凍させることが好ましい。
図4に、本発明の各工程の一例を模式的に示す。膜−電極接合体(MEA)は電解質膜とこれを挟む触媒層からなる。膜−電極接合体(MEA)を、例えば純水等の所定の溶媒中に放置することにより、電解質膜を膨潤させる。電解質膜の膨潤により、電解質膜には引張る力が発生し、触媒層は引張られる。これにより、両者の界面に剪断力が発生する。次に、膜−電極接合体(MEA)を例えば巻き取りロールである金属中空管に巻き取ることで、軟化後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与する。曲げられたことで、外側の触媒層は更に引張られることになり、剪断力が大きくなる。次に、応力を付与した状態で、例えば液体窒素に漬けて冷凍させる等の固化を行う。冷凍により、電解質膜は凍結膨張し、電解質膜には更に引張る力が発生し、外側の触媒層は更に引張られ、内側の触媒層も引張られる。これにより、両者の界面に更に強い剪断力が発生する。強い剪断力により電解質膜と触媒層は剥離し易くなる。
又、本発明は、使用済みの固体高分子型燃料電池(PEMFC)から貴金属及び/又は含フッ素ポリマーを回収する装置の発明である。
即ち、第1に、膜−電極接合体を膨潤後、巻き取り冷凍固化する巻き取りロール、膜−電極接合体に接触し触媒層を剥離する1対以上の剥離用ローラ、剥離した触媒層粉体を吸入する集塵装置、剥離用ローラを通過した電解質膜を巻き取る電解質膜巻取りローラからなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収装置であり、第2に、膜−電極接合体を膨潤後、巻き取り冷凍固化する巻き取りロール、膜−電極接合体(MEA)両面の触媒層粒子を帯電させる第1の帯電器、膜−電極接合体(MEA)両面を挟み触媒粒子を吸着する1対以上の静電ローラ、1対以上の静電ローラに触媒層粒子とは逆の電位に帯電させる第2の帯電器、1対以上の静電ローラに吸着した触媒層粒子を収集するマグネットロール、マグネットロールから触媒層粒子を収集する触媒層粒子収集箱、静電ローラを通過した電解質膜を巻き取る電解質膜巻取りローラからなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収装置である。
本発明により、使用済み固体高分子型燃料電池(PEMFC)から、溶媒等を用いることなく、有用・高価な材料である貴金属と含フッ素ポリマーを効率良く回収することができる。
図5に本発明の実施態様の一例を示す。膨潤後、巻き取りロール31に巻き取られた冷凍固化した膜−電極接合体(MEA)32は、1対以上の剥離用ローラ33の間を通過させて触媒層を粉体化させる。剥離用ローラ33としては、ブラシローラやローラーグラインダーが好ましく用いられる。剥離用ローラ33で剥離された触媒層は粉体34となり、剥離用ローラの下部に設けられた集塵装置35に吸引されて収集される。収集された触媒層粉体は、例えば仮焼され、貴金属が回収される。一方、電解質膜36は剥離用ローラ33を通過した後、やはり剥離用ローラ33の下部に設けられた電解質膜巻取りローラ37に巻き取られ、回収される。巻き取られた電解質膜は所定の品質のものに選別され、このまま又は再度溶融されて製膜されて、再利用される。
細粉化した触媒層から触媒貴金属を回収する方法としては、従来の金属回収方法、例えば燃焼法、王水溶解法、アルカリ溶融法、硫酸溶解法等を適用することが出来る。その中で、細粉化した触媒層を仮焼して、含まれていた貴金属を回収する方法の他に、触媒層粉体に王水処理を施すことにより、触媒層に含まれていた貴金属を回収する方法が好ましい。
上記のように、本発明は固体高分子型燃料電池(PEMFC)の触媒層と電解質膜とを分離するときのプロセスからなる。最低限、経由すべき分離プロセスは、
1)電解質を含水させ十分に膨潤させること
2)適当な曲率を持たせてMEAを棒状支持体に巻きつけること
3)巻きつけたものを電解質が十分硬くなるまで凍らせる
4)上記冷凍体を解体してMEAを取り外し、触媒層に外力を加えて剥離させる
である。
1)において、電解質を水で膨潤させると、(a)冷凍させる段で凍りやすくする、(b)凍らせたときの電解質膜の硬度を確保する、(c)電解質の膨潤による内部剪断応力を発生させる、という3つの効果が現れる。2)において、MEAに曲率を与えると、内側及び外側の触媒層にそれぞれ圧縮応力及び引っ張り応力が働き、触媒層粒子同士の接着を部分的に破壊することができる。3)において、MEAを凍らせると、(a)電解質中の水分が結晶化し、剥離に必要な機械的強度を確保することができる、(b)電解質自体が膨張し、電解質膜と触媒層の間に働く剪断応力がますます大きくなり、接着面で部分的に剥離が起こる。4)において、触媒層に擦るなどの小さな外力を加えることで微小な剥離を助長、成長させ、電解質膜と触媒層を分離せしめることができる。本発明では剪断力の与え方に関して2つの異なる方法を取っている。
本発明の利点は、
1)溶媒等の取り扱いを要しない、
2)白金触媒のみならず電解質膜も直接取り出すことができる、
という2点である。電解質膜をアルコール系溶媒に溶かし沈殿物を濾過し、仮焼し白金のみを取り出す従来の方法では、例えばフッ素系電解質膜を用いる場合には、電解質を溶解させた溶媒から再び製品化するために製造プロセスの後半の工程を再び辿らなければならない。
本発明は全ての固体高分子型燃料電池(PEMFC)に適用可能な技術であり、自動車用、定置用、可搬型電源用など用途を選ばない。又、本発明は、固体高分子型燃料電池(PEMFC)のリサイクル業者のみならず、メーカー、材料サプライヤなど、幅広い分野で利用することができる。
分離された電解質膜からスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収する方法は限定されない。劣化度が低い場合は、そのまま再利用されても良い。劣化が激しい場合は、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを溶解する溶媒中で溶解し、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収することが好ましい。ここで、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを溶解する溶媒としては公知のものを広く用いることが出来、何ら制限は無い。この中で、アルコール類が好ましく、特に加熱したメタノール又はメタノール−水混合溶媒が溶解性の点で優れている。
本発明では、貴金属を回収して再利用するだけでなく、同様に膜−電極接合体(MEA)を構成する高価な材料である含フッ素ポリマーを回収することも、燃料電池の低コスト化に有効である。
上記の方法で回収された貴金属や、含フッ素ポリマーを電解質膜、及び/又はガス拡散電極のプロトン伝導性ポリマーとして再利用し、新たに固体高分子型燃料電池を作製できる。これにより、燃料電池の主材料である貴金属及び含フッ素ポリマーのリサイクルが達成される。
本発明の方法で回収したスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーのうち、劣化の激しいものを電解質膜として再生する方法としては、従来公知の方法を用いることが出来る。例えば、該スルホン酸基を有する含フッ素ポリマー溶液を必要により濃縮や溶媒置換を行った後、キャスト法による製膜、貧溶媒の凝固浴に浸漬して製膜する湿式製膜、末端基を適当な官能基に変換した後、溶融製膜する方法等が挙げられる。キャスト法による製膜や湿式製膜を行った場合には加熱処理により強度等の膜性能を調整することができる。この場合、加熱処理する温度は50〜200℃が適当で、好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜200℃である。また、溶融製膜する方法としては、スルホン酸基を各種の方法で酸フルオライドに変換した後、製膜する方法などが挙げられる。
これにより、高価な材料であるスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー膜を安価に製造することが出来、上述した燃料電池用材料としての他、水電解用、あるいは食塩電解用の固体高分子電解質膜、ハロゲン化水素酸電解用の固体高分子電解質膜としても用いられ、さらにはプロトン伝導性を利用して、湿度センサ、ガスセンサ、酸素濃縮器等にも広く用いることが出来る。
図6に本発明の実施態様の他の例を示す。膨潤後、巻き取りロール31に巻き取られた冷凍固化した膜−電極接合体(MEA)32は、第1の帯電器38にて膜−電極接合体(MEA)32両面の触媒層粒子を帯電させる。次に、第2の帯電器39で触媒層粒子とは逆の電位に帯電させた1対以上の静電ローラ40に膜−電極接合体(MEA)32を通過させ、帯電した触媒層粒子を静電ローラ40に吸着させる。吸着された触媒層粒子はマグネットローラ41に移行し、次いで触媒層粒子収集箱42に集められる。一方、静電ローラ40を通過した電解質膜36は電解質膜巻き取りローラ37に巻き取られ、回収される。
本発明で言うスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーとは、フルオロカーボン骨格あるいはヒドロフルオロカーボン骨格に置換基としてスルホン酸電解質基が導入されているポリマーであって、分子内にエーテル基や塩素やカルボン酸基やリン酸基や芳香環を有していてもよい。一般的にはパーフルオロカーボンを主鎖骨格とし、パーフルオロエーテルや芳香環等のスペーサーを介してスルホン酸基を有するポリマーが用いられる。具体例としては下記(1)式や(2)式で表される構造のポリマーを例示することができる。
Figure 2005289001
(式中、x=0〜2の整数、y=2〜3の整数、n/m=1〜10である。)
Figure 2005289001
(式中、n/m=0.1〜2である。)
(1)式のポリマーとしては、デュポン社製の「ナフィオン(Nafion;登録商標)」や旭硝子(株)製の「フレミオン(登録商標)」等が知られており、(2)式のポリマーは上記特許文献3に燃料電池としての使用が記載されている。これらの中で、(1)式のようなパーフルオロポリマーが、燃料電池として用いたときの安定性に優れていることから、本発明を適用する対象の材料として好ましい。
本発明において溶解処理の対象となる膜/電極接合体は基本的には電解質膜とガス拡散電極からなり、この他にカーボンペーパー等からなる集電体が含まれることがある。固体高分子型燃料電池の一般的な構成として、イオン交換膜は前記のスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなり、その厚さとしては、通常は30〜200μm程度のものが用いられる。さらにポリテトラフルオロエチレン等の織布からなる芯材を含むこともある。さらにはポリテトラフルオロエチレン等の多孔膜にスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーをドープしたものが用いられることもある。
また、燃料電池に使用されるガス拡散電極は、触媒金属の微粒子を担持した導電性担体と、プロトン伝導性ポリマーからなる電極触媒被覆剤を主要構成材料とするものであり、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水剤が含まれることもある。触媒金属としては、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属類、又はそれらの合金が使用可能である。多くの場合、触媒金属としては白金が用いられている。導電性の担体としては、一般にカーボンブラック、活性炭、黒鉛等の各種炭素材料が用いられる。なお、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水剤は集電体中にも含まれることがある。電極触媒結合剤としては、プロトン伝導性を有する材料であればよいが、化学的に安定な材料が好ましいことから、膜材料と同種類のスルホン酸を有する含フッ素ポリマーが用いられることが多い。本発明の方法は、電極触媒結合剤にも含フッ素ポリマーが用いられる場合に特に有用性が高い。
次に本発明における固体高分子型燃料電池から膜−電極接合体を回収する手順について具体的に説明する。使用済み、あるいは欠陥等の理由でリサイクルに供される燃料電池は、図1〜3において、固体高分子型燃料電池10から、締め付けボルト28を引き抜いて、セパレータ14,15,21、冷却水流路22,23、集電板16,17、絶縁板24,25、及びエンドプレート26,27を取り外した後の、残った電解質膜11、カソード12及びアノード13からなる膜−電極接合体20から、本発明の方法により、触媒貴金属及びスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する。
以上のようにして、固体高分子型燃料電池から主要な構成材料であり、高価な触媒金属とスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーの両者を回収する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
Nafion(商標名)からなる電解質膜と、該電解質膜に接合される、触媒金属として白金を担持したカーボンとNafionからなる電極触媒を主要構成材料とするガス拡散電極とで構成される膜−電極接合体(MEA)から、白金とNafionを回収する。
[実施例1](燃料電池の電解質膜と触媒層の分離:摩擦力による剥離)
燃料電池スタックからセルモジュール(セパレータ、拡散層、MEA一体構造物)を取り出し、セパレータと拡散層を分離した。次に、純水を満たした浴槽にMEAを浸漬し十分に膨潤させた。次に、MEAを直径数mmから数百mmの金属中空管(熱伝導・伝達率が高い)に巻きつけ、ロール状にした。液体窒素を満たした恒温槽にロール状にしたMEAを数秒〜数十分浸漬し、冷凍した。ロールを取り出して、図5に示す装置を用い、摩擦ロールで触媒層を剥離させた。回収された触媒層の混合粉体を仮焼して触媒貴金属である白金を取り出した。
[実施例2](燃料電池の電解質膜と触媒層の分離:静電気による剥離)
燃料電池スタックからセルモジュール(セパレタ、拡散層、MEA一体構造物)を取り出し、セパレータと拡散層を分離した。次に、純水を満たした浴槽にMEAを浸漬し十分に膨潤させた。直径数mmから数百mmの金属中空管(熱伝導・伝達率が高い)に巻きつけ、ロール状にした。液体窒素を満たした恒温槽にロール状にしたMEAを数秒〜数十分浸漬し、冷凍した。ここまでは、実施例1と同じである。ロールを取り出して、図6に示す装置を用い、静電ロールに触媒層を静電吸着させ、触媒層を剥離させた。
第1の帯電器にてMEA両面の触媒層粒子を帯電させる。帯電はゴムブレードによる摩擦帯電やコロナ放電などを利用する。第2の帯電器は、触媒層粒子とは逆の電位に静電ローラを帯電させる。静電ローラに挟まれたMEAのそれぞれの面から触媒層が静電吸着され、電解質膜と触媒層が分離される。分離させた触媒層は静電ローラからマグネットロールを経て容器に収集する。他方、残った電解質膜は巻取りローラで巻き取る。収集した触媒層は仮焼して炭素を完全に酸化し、触媒貴金属である白金を回収した。
本発明により、従来困難であった使用済み燃料電池から、溶媒等を用いることなく、高価で有用な材料である貴金属とスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収して再利用できる。従って、燃料電池の低コスト化に寄与し、その普及に大きく貢献する。
固体高分子型燃料電池の単一セルの構造図。 固体高分子型燃料電池の単一セルの分解斜視図。 固体高分子型燃料電池の実際の概略構造を示した構造図。 本発明における、電解質膜と触媒層の剥離を示す模式図。 摩擦力による剥離措置の一例を示す断面図。 静電力による剥離措置の一例を示す断面図。
符号の説明
10…固体高分子型燃料電池、11…電解質膜、12…カソード、13…アノード、14,15…セパレータ、14P…酸素含有ガス流路、15P…水素ガス流路、16,17…集電板、20…接合体、21…セパレータ、22,23…冷却水流路、24,25…絶縁板、26,27…エンドプレート、28…締め付けボルト。
31…巻き取りロール、32…冷凍固化した膜−電極接合体(MEA)、33…剥離用ローラ、34…触媒層粉体、35…集塵装置、36…電解質膜、37…電解質膜巻取りローラ、38…第1の帯電器、39…第2の帯電器、40…静電ローラ、41…マグネットローラ、42…触媒層粒子収集箱。

Claims (12)

  1. スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜(a)と、該電解質膜に接合され、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜−電極接合体(MEA)から、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する方法において、
    (1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、
    (2)電解質が膨張した後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程、
    によって、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜と、触媒金属を担持した導電性担体と導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を剥離し易くすることを特徴とする貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  2. (1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、
    (2)電解質が膨張した後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程と、
    (3)固化させた膜−電極接合体(MEA)に剪断力を付与して、触媒層細粉化する工程と、
    (4)細粉化させた触媒層より貴金属を回収し、及び/又は残った電解質膜よりスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する工程とを、
    有することを特徴とする請求項1に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  3. (1)膜−電極接合体(MEA)の固化、及び固化後の触媒層の塑性変形が容易になる程度まで電解質を膨張させる工程と、
    (2)膨張後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程と、
    (3)固化させた膜−電極接合体(MEA)に第1の帯電器にて該膜−電極接合体(MEA)両面の触媒層粒子を帯電させ、第2の帯電器で触媒層粒子とは逆の電位に帯電させた1対以上の静電ローラに該膜−電極接合体(MEA)を通過した電解質膜を回収して、触媒層粒子と電解質膜を分離する工程と、
    (4)分離された触媒層粒子と電解質膜より、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する工程とを、
    有することを特徴とする請求項1に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  4. 前記膜−電極接合体(MEA)の電解質を膨張させる工程が、所定の溶媒により該膜−電極接合体(MEA)の電解質膜を膨潤させるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  5. 前記電解質が膨張した後の膜−電極接合体(MEA)に応力を付与しながら固化させる工程が、該膜−電極接合体(MEA)を巻き取りロールに巻き取り、巻き取った膜−電極接合体(MEA)を冷凍させるものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  6. 前記固化させた膜−電極接合体(MEA)に剪断力を付与し、触媒層を細粉化する工程が、巻き取りロールに巻き取った該膜−電極接合体(MEA)を冷凍固化し、該冷凍固化された膜−電極接合体(MEA)を1対以上の剥離用ローラの間を通過させて表面の触媒層を粉体化させるものであることを特徴とする請求項2、4乃至5のいずれかに記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  7. 前記細粉化した触媒層を仮焼して含まれていた貴金属を回収する、又は該触媒層粒子に王水処理を施すことにより含まれていた貴金属を回収するものであることを特徴とする請求項6に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  8. 前記分離された触媒層粒子を、仮焼して触媒層に含まれていた貴金属を回収する、又は該触媒層粒子に王水処理を施すことにより含まれていた貴金属を回収するものであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  9. 前記分離された電解質膜をスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを溶解する溶媒中で溶解し、スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか又は8に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  10. 前記スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを溶解する溶媒が、加熱されたメタノール又は加熱されたメタノール−水混合溶媒であることを特徴とする請求項9に記載の貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収方法。
  11. スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜(a)と、該電解質膜に接合され、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜−電極接合体(MEA)から、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する装置において、
    膜−電極接合体を膨潤後、巻き取り冷凍固化する巻き取りロール、膜−電極接合体に接触し触媒層を剥離する1対以上の剥離用ローラ、剥離した触媒層粉体を吸入する集塵装置、剥離用ローラを通過した電解質膜を巻き取る電解質膜巻取りローラ、
    からなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収装置。
  12. スルホン酸基を有する含フッ素ポリマーからなる電解質膜(a)と、該電解質膜に接合され、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン伝導性ポリマーからなる触媒層を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜−電極接合体(MEA)から、貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを回収する装置において、
    膜−電極接合体を膨潤後、巻き取り冷凍固化する巻き取りロール、膜−電極接合体(MEA)両面の触媒層粒子を帯電させる第1の帯電器、膜−電極接合体(MEA)両面を挟み触媒粒子を吸着する1対以上の静電ローラ、1対以上の静電ローラに触媒層粒子とは逆の電位に帯電させる第2の帯電器、1対以上の静電ローラに吸着した触媒層粒子を収集するマグネットロール、マグネットロールから触媒層粒子を収集する触媒層粒子収集箱、静電ローラを通過した電解質膜を巻き取る電解質膜巻取りローラ、
    からなる貴金属及び/又はスルホン酸基を有する含フッ素ポリマー回収装置。
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